説明

画面操作支援機能システム

【課題】全てのユーザの操作履歴を集計して、頻繁に行う操作を抽出し、その操作パターンを全てのユーザが簡単に利用可能とすることで、各々のユーザが特に意識しなくても頻繁に行う操作を自動化でき、操作性と操作効率を向上することを可能にする。
【解決手段】 ユーザが情報端末で実行しているアプリケーションに対する画面の操作内容を通信ネットワークを介して監視し、操作内容の情報を取得して操作履歴データベースに格納すし、操作内容の情報ごとに集計する。そして、頻繁に行われている操作内容の情報を抽出してその操作を自動的に実行する手順を記述した自走操作スクリプトを生成し、ユーザが生成された自動操作スクリプト使用することで、ユーザが特に意識することなく画面の自動操作を容易に出来るようにするシステムを提供する。さらに、自動操作スクリプトの提示は、生成元となったユーザに限らず、同様の操作を行っているユーザに対しても提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが情報端末を使用する際に、過去に行った操作内容を利用することにより、情報端末の操作効率を向上させる技術に関するものである。特に操作履歴から定型的な操作を抽出して操作を自動化し、操作手順を複数のユーザに配布する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大量の定型業務を処理する受発注センタ、帳票入力センタ、コンタクトセンタ等を中心に、そこで働く従業員の情報端末を使用した作業を支援するニーズが増大している。また、情報端末の操作を行う従業員であるユーザが、情報端末の操作に精通した特定のユーザだけでなく、一般業務の中で情報端末を使用することが普通になるなか、特に情報端末で動作するアプリケーションに対するユーザの操作を支援する技術が求められている。
【0003】
ユーザが情報端末で実行するアプリケーションの操作を自動化することで、操作手順の削減をする技術は従来からあり、その中でもユーザ毎に、個人レベルで頻繁に行う操作内容を記録し、必要に応じて記録した操作内容を再生することで、ユーザの操作の支援をするものが一般的に知られている。本発明に関連する公知技術文献としては下記の特許文献1及び特許文献2があげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−87119号公報
【特許文献2】特開2002−7020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記の従来技術は、ユーザが個人レベルでよく行う操作内容を記録して、必要に応じて記録した操作内容を再生するものであることから、ユーザ個人の操作性は十分に向上させることが可能であるが、帳票入力センタなどのように、多数のユーザが同じような類似の操作を行う場合には、類似の操作を行っているにも関わらず該当ユーザ以外の他のユーザへのフィードバックは行われないという問題がある。また、そのため、ユーザ自身が個人レベルで操作性に対する問題意識を強く持たなければ、操作性の向上は図れないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、情報端末を使用する全てのユーザの操作履歴を収集し集計して、そこから頻繁に行う定型的な操作内容を抽出し、その操作パターンを全てのユーザが簡単に利用可能とすることで、ユーザが個人レベルで特に意識することなく、情報端末の操作性と操作効率の向上が可能な画面操作支援機能システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の画面操作支援機能システムは、以下の構成を提供する。
ユーザが情報端末で実行しているアプリケーションに対する画面の操作を支援する画面操作支援機能システムであって、前記画面の操作内容を通信ネットワークを介して監視し、前記操作内容の情報を取得する手段と、前記取得された操作内容の情報を前記ユーザに対応づけて蓄積するための操作履歴データベースに格納する手段とを有する操作監視モジュールと、前記操作履歴データベースを参照し、前記操作内容の情報ごとに集計する手段と、前記集計された値と予め設定した基準値とを比較し、頻繁に行われている操作内容の情報か否かを判断する手段と、前記判断の結果、頻繁に行われている操作内容の情報である場合、前記操作内容の情報に基づいて前記操作履歴データベースを参照し、対応する情報を取得する手段と、前記取得された情報を操作パターンとして蓄積するための操作パターンデータベースに格納する手段とを有する操作解析モジュールと、前記操作パターンデータベースを参照し、前記操作パターンを取得する手段と、前記取得された操作パターンを解析し、自動操作に必要な手順を記述した自動操作スクリプトを生成する手段とを有する操作パターン解析モジュールと、前記生成された自動操作スクリプトを読み込む手段と、前記自動操作スクリプトの情報に基づいて前記操作パターンデータベースを参照し、ユーザを取得する手段と、前記取得されたユーザに自動操作スクリプトが生成されたことを提示する手段とを有する自動操作スクリプト配布管理モジュールと、前記自動操作スクリプトの実行要求に応じて、前記自動操作スクリプト配布管理モジュールから前記自動操作スクリプトを読み込み、前記読み込んだ自動操作スクリプトを実行する手段とを有する自動操作スクリプト実行モジュールとを備えることを特徴とする。
【0008】
さらに、好ましくは、前記自動操作スクリプト配布管理モジュールは、更に、前記自動操作スクリプトの情報に基づいて前記操作パターンデータベースを参照し、前記自動操作スクリプトの情報と類似する操作パターンが存在するか否かを検索する手段と、前記検索の結果、前記自動操作スクリプトの情報と類似する操作パターンが存在する場合、対応するユーザを取得し、前記ユーザに自動操作スクリプトが生成されたことを提示する手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画面操作支援機能システムによれば、次のような効果がある。
ユーザの操作履歴に基づいて、よく使う操作手順を自動化することで、情報システム部門などで操作性の分析や操作性に関するアンケートなどを実施したり、既存の業務アプリケーションや情報システムパッケージを改造するといった手間をかけることなく、情報端末の操作性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画面操作支援機能システムの構成図である。
【図2】操作監視モジュールの処理過程を示すフローチャートである。
【図3】操作解析モジュールの処理過程を示すフローチャートである。
【図4】操作パターン解析モジュールの処理過程を示すフローチャートである。
【図5】自動操作スクリプト配布管理モジュールの処理過程を示すフローチャートである。
【図6】自動操作スクリプト実行モジュールの処理過程を示すフローチャートである。
【図7】本発明を使用するユーザの画面操作の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した画面操作支援機能システムの一実施の形態について説明する。なお、同一の構成要素については、同一の参照番号を付し、説明を省略する。また、本発明の画面操作支援システムは、コンピュータを利用することで実現するものであり、各手段は、コンピュータのCPUが必要なプログラムを読み込んで実行することにより実現される手段である。さらに、ユーザによる情報端末の操作は、情報端末本体に付属する入力手段であるキーボード、タッチパネル、ボタンやリモコンなど、任意の入力手段を用いてよい。
【0012】
図1は、本発明の画面操作支援機能システムの構成図である。図1において、本発明のシステムは、操作監視モジュール11、操作履歴データベース12、操作解析モジュール13、操作パターンデータベース14、操作パターン解析モジュール15、自動操作スクリプト配布管理モジュール17、自動操作スクリプト実行モジュール18より構成されている。
【0013】
操作監視モジュール11は、それぞれユーザA、ユーザBが情報端末で通信ネットワークを介して実行しているアプリケーションに対して行う画面操作を、通信ネットワークを介して監視し、画面操作内容の情報を収集し、収集された操作内容の情報をユーザ毎に対応づけて操作履歴データベース12に蓄積する。ここで、操作内容の情報とは、操作したユーザと、ユーザが情報端末で実行したアプリケーションに対するデータ入力領域へのデータ入力やボタンの押下などの具体的な操作の内容である。
【0014】
操作解析モジュール13は、操作履歴データベース12に蓄積された操作内容の情報から、予め設定された頻度以上の頻度で出現する操作内容の情報を抽出して操作パターンとし、操作パターンデータベース14に蓄積する。
【0015】
操作パターン解析モジュール15は、操作パターンデータベース14に蓄積された操作パターンから画面を自動操作するために必要な手順を記述した自動操作スクリプト16を生成する。
【0016】
自動操作スクリプト配布管理モジュール17は、ユーザ毎の操作パターンに応じて、適用すると自動化できる自動操作スクリプト16をユーザ毎に提示する。提示される自動操作スクリプト16は、ユーザ毎の操作履歴から生成されたものであるが、例えば、図1において、ユーザAの自動操作スクリプト16であっても、他のユーザBに類似の操作履歴がある場合には、両方のユーザに提示される。
【0017】
自動操作スクリプト実行モジュール18は、自動操作スクリプト配布管理モジュール17から提示された自動操作スクリプト16をユーザからの実行要求に応じて、自動操作スクリプト配布管理モジュール17から自動操作スクリプト16を読み込み、読み込んだ自動操作スクリプト16を実行する。ユーザが自動操作スクリプト16を使用することにより、頻繁に行う操作を自動的に行うことが可能となる。
【0018】
本発明のシステム処理の概略は以下の通りである。
まず、操作監視モジュール11がユーザA、ユーザBの画面操作を通信ネットワークを介して監視し、行われた操作内容の情報を操作履歴データベース12に蓄積する。この蓄積された情報をもとに、操作解析モジュール13が操作パターンを抽出し、操作パターンデータベース14に蓄積する。そして、操作パターン解析モジュール15が自動操作スクリプト16を生成する。生成された自動操作スクリプト16をもとに、自動操作スクリプト配布管理モジュール17が利用可能な自動操作スクリプト16をユーザに提示する。ユーザが提示された自動操作スクリプト16を選択すると、自動操作スクリプト実行モジュール18が自動操作スクリプト16を読み込み、自動操作スクリプト16に従って画面を自動操作する。
【0019】
次に、図を参照しつつ、各モジュールにおける処理過程を説明する。
図2は、操作監視モジュール11の処理過程を示すフローチャートである。図に示すように、操作監視モジュール11は、通信ネットワークを介して監視し、ユーザが情報端末で通信ネットワークを介して実行しているアプリケーションに対する画面の操作を始めるとそれを検知し(ステップS21)、ユーザの画面の操作内容の情報を取得する(ステップS22)。ここで、操作内容の情報とは、画面を操作したユーザと、操作したアプリケーションのデータ入力領域へのデータ入力やボタンの押下などの具体的な操作の内容に関する情報である。取得した操作内容の情報は、ユーザと、一連の操作とを対応づけて操作履歴データベース12に蓄積する(ステップS23)。
【0020】
図3は、操作解析モジュール13の処理過程を示すフローチャートである。図に示すように、操作履歴データベース12を参照し、操作履歴を取得する(ステップS31)。そして、一連の操作内容の情報を集計し、操作内容の情報毎に出現頻度を求める(ステップS32)。集計された値すなわち一連の操作内容の出現頻度の数と、予め設定した基準値とを比較し、頻繁に行われている操作内容の情報か否かを判断する(ステップS33)。ここで、予め設定した基準値とは、適用する運用において頻繁に行う操作と判断される値を適宜決定し、設定し登録したものである。
【0021】
判断の結果、頻繁に行われている操作内容の情報である場合には、その操作内容の情報に基づいて操作履歴データベース12を参照し、対応する情報を取得し、取得された情報を操作パターンとして操作パターンデータベースに格納する(ステップS34)。
【0022】
一方、判断の結果、頻繁に行われている操作内容の情報ではない場合には、ステップS31へ遷移し、前述の処理を繰り返す。
【0023】
図4は、操作パターン解析モジュール15の処理過程を示すフローチャートである。図に示すように操作パターンデータベース14から操作内容の情報を含んだ操作パターンを取得する(ステップS41)。次に、取得された操作パターンから画面の自動操作に必要な操作アプリケーションや操作部品などの各要素の関連を抽出し(ステップS42)、自動操作に必要な手順を記述した自動操作スクリプト16を生成する(ステップS43)。
【0024】
図5は自動操作スクリプト配布管理モジュール17の処理過程を示すフローチャートである。図に示すように前述の図4に示した処理で生成された自動操作スクリプト16を全て読み込む(ステップS51)。そして、自動操作スクリプト16の情報に基づいて操作パターンデータベース14を参照し、ユーザ毎に頻繁に使う操作パターンを抽出する(ステップS52)。ユーザ毎の頻繁に使う操作パターンがある場合は、該当するユーザに自動操作スクリプト16が生成されたことを提示する(ステップS54)。頻繁に使うパターンが抽出されない場合には、ステップS52へ遷移し、処理を繰り返す。
【0025】
次にステップS54で提示した自動操作スクリプト16と類似操作を行っているユーザを操作パターンデータベース14から検索する(ステップS55)。類似操作がある場合には、そのユーザにも自動操作スクリプト16が生成されたことを提示する(ステップS57)。類似操作がない場合には、ステップS52へ遷移し、処理を繰り返す。
【0026】
図6は、自動操作スクリプト実行モジュール18の処理過程を示すフローチャートである。図に示すように、ユーザが自動操作スクリプト配布管理モジュール17に提示された自動操作スクリプト16を選択すると(ステップS61)、自動操作スクリプト実行モジュール18は、選択された自動操作スクリプト16を自動操作スクリプト配布管理モジュール17から読み込み、自動操作スクリプト16を実行する(ステップS63)。ユーザは自動操作スクリプト16の内容に応じて自動操作を実行する(ステップS64)。
【0027】
次に、簡単な実施例について図を参照しつつ説明する。
図7は本発明を使用するユーザの画面操作の一例である。まず、ユーザは情報端末でウェブブラウザを起動して、業務アプリケーションを起動する(ステップS72)。次に表計算アプリケーションを起動する(ステップS73)。そしてステップS72で起動した業務アプリケーションのデータをステップS73で起動した表計算アプリケーションに転記する。これらの一連の操作が日々操作履歴データベース12に蓄積され、繰り返し同じ操作がある場合は、操作パターンとして操作パターンデータベース14に蓄積される。蓄積された操作パターンからは自動操作スクリプト16が生成され、その生成元となったユーザに自動操作スクリプト16が生成されたことが提示される。提示されたユーザは、自動操作スクリプト16を選択することで、以降の操作が自動化され操作の効率化を行うことが可能となる。また、生成元となったユーザだけでなく、操作パターンデータベース14から類似の操作を行っているユーザに対しても自動操作スクリプト16があることを提示する。提示されたそのユーザも自動操作スクリプト16を選択することで、以降の操作が自動化され操作の効率化を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0028】
11…操作監視モジュール、12…操作履歴データベース、13…操作解析モジュール、14…操作パターンデータベース、15…操作パターン解析モジュール、16…自動操作スクリプト、17…自動操作スクリプト配布管理モジュール、18…自動操作スクリプト実行モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが情報端末で実行しているアプリケーションに対する画面の操作を支援する画面操作支援機能システムであって、
前記画面の操作内容を通信ネットワークを介して監視し、前記操作内容の情報を取得する手段と、
前記取得された操作内容の情報を前記ユーザに対応づけて蓄積するための操作履歴データベースに格納する手段とを有する操作監視モジュールと、
前記操作履歴データベースを参照し、前記操作内容の情報ごとに集計する手段と、
前記集計された値と予め設定した基準値とを比較し、頻繁に行われている操作内容の情報か否かを判断する手段と、
前記判断の結果、頻繁に行われている操作内容の情報である場合、前記操作内容の情報に基づいて前記操作履歴データベースを参照し、対応する情報を取得する手段と、
前記取得された情報を操作パターンとして蓄積するための操作パターンデータベースに格納する手段とを有する操作解析モジュールと、
前記操作パターンデータベースを参照し、前記操作パターンを取得する手段と、
前記取得された操作パターンを解析し、自動操作に必要な手順を記述した自動操作スクリプトを生成する手段とを有する操作パターン解析モジュールと、
前記生成された自動操作スクリプトを読み込む手段と、
前記自動操作スクリプトの情報に基づいて前記操作パターンデータベースを参照し、ユーザを取得する手段と、
前記取得されたユーザに自動操作スクリプトが生成されたことを提示する手段とを有する自動操作スクリプト配布管理モジュールと、
前記自動操作スクリプトの実行要求に応じて、前記自動操作スクリプト配布管理モジュールから前記自動操作スクリプトを読み込み、前記読み込んだ自動操作スクリプトを実行する手段とを有する自動操作スクリプト実行モジュールとを備えることを特徴とする画面操作支援機能システム。
【請求項2】
前記自動操作スクリプト配布管理モジュールは、更に、前記自動操作スクリプトの情報に基づいて前記操作パターンデータベースを参照し、前記自動操作スクリプトの情報と類似する操作パターンが存在するか否かを検索する手段と、
前記検索の結果、前記自動操作スクリプトの情報と類似する操作パターンが存在する場合、対応するユーザを取得し、前記ユーザに自動操作スクリプトが生成されたことを提示する手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の画面操作支援機能システム。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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