説明

畜糞尿や食品排水等の有機性汚水を原料とする消臭液及び液肥製造機。

【課題】 畜舎や食品加工場等では、日常的に悪臭が発生し周辺環境に多大な悪影響を与えている。畜糞尿や工場排水を原料とする消臭液を、微生物の作用によって製造する機械を小型化し、どこでも設置でき、コスト面でも利用しやすい処理機を提供する。
【解決手段】 タンクの内部に仕切り壁を設け、浄化槽の機能を持った小型の機械で、光合成菌などの微生物を入れ、糞尿を投入する。発酵分解し液体化する処理液が 当初の濁り液から浄化槽を段階的に流動し、排出されるときには、透明感のある液体となるのを特徴とする消臭液及び液肥製造機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクの内部に、浄化槽の機能を持たせた消臭液及び液肥製造機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
畜舎や食品加工場等では、日常的に悪臭が発生し、周辺環境に多大の悪影響を与えていた。しかしこれ等の農・工場は悪臭発生箇所も多く、スペースも広いため、種々の消臭剤を用いるにはコストがかかり過ぎていた。このため各農・工場は抜本的な解決策を施すことが出来ず、周辺住民の不興を買っていた。
従来の処理機では、設置場所や費用の面で(例えば特許文献1及び特許文献2参照)普及しにくい難点があった。
【特許文献1】特開2003−191000
【特許文献2】特開2003−320399
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、自農・工場から必然的に発生する、畜糞尿や工場排水を原料とする消臭液を、微生物の作用によって製造し、なおかつ余分は、耕作物の液肥として再利用するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
円形タンクの内部に、天井部から底部との間に隙間をあけた2枚の仕切壁を設け、タンク下部中央には天井部との間に隙間をあけた1枚の仕切壁を立て、タンク内を4部屋に分けた構造とし、浄化槽の機能を持たせ、タンク上部は太陽光を取り入れる素材を使った、窓を組み込むのを特徴とする消臭液及び液肥製造機である。
【発明の効果】
【0005】
本発明は全国約15万戸の農場の大多数を占める小規模農場が参入できるように、浄化槽の機能をもった製造機を製作した。生産日量30lのコンパクトな機械とし、購入コストを低く抑えるようにした。大きさは、直径1メートル、長さ2メートル程度の円型タンクで自農場内のどこにでも設置できる利便さがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の製造機は、タンク1内に光合成菌や酵母菌などの微生物2を仕込み、上部の投入口3から畜糞尿を浄化槽4に入れる。内部に入った糞尿は微生物2によって次第に分解され、増殖して増える分解水は、浄化槽5中央の仕切壁からあふれ次の浄化槽6へ流入する。浄化槽7の水位の高さに排出口8を設置し、流出する分解水を貯水槽に誘導する。浄化槽7からあふれ出る分解水は無臭の透明感のある液体に変化、この液体は、消臭作用や植物成長作用をもつので、リサイクル品として活用される。
天井に組み込んだ窓9は、太陽の光を取り入れ、光合成菌など微生物2の働きを活発にし、分解作用を高められるようにしたものである。
本製造機を使用すれば、例えば生産日糧30lの機械の場合、そのうち10lは自家用に農場内の消臭剤として利用することができる。
残り20lは液肥として、耕種農家に提供、または販売することができ、気まずくなりがちな近隣関係を改善する一助にもなる。
BOD10000ppm程度の有機性汚水は、BOD100ppm以下に改善され、消臭液及び液肥として活用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の正面断面図
【図2】本発明の平面図
【図3】本発明の側面図
【符号の説明】
【0008】
1 タンク
2 光合成菌などの微生物
3 投入口
4 浄化槽
5 浄化槽
6 浄化槽
7 浄化槽
8 排出口
9 太陽光取入れ窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形タンクの内部に、天井部から底部との間に隙間をあけた2枚の仕切壁を設け、タンク下部中央には天井部との間に隙間をあけた1枚の仕切壁を立て、タンク内を4部屋に分けた構造とし、浄化槽の機能を持たせ、タンク上部は太陽光を取り入れる素材を使った、窓を組み込むのを特徴とする消臭液及び液肥製造機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−179523(P2008−179523A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41424(P2007−41424)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(504401857)
【Fターム(参考)】