畦塗り機
【課題】一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量を得ることができる畦塗り機を提供する。
【解決手段】畦塗り機1は、土を耕耘して盛り上げる盛土体3と、盛土体3を支持する盛土体支持フレーム21とを備える。畦塗り機1は、盛土体3の後方で盛土を締め固めて畦を形成する畦形成体4と、畦形成体4を支持する畦形成体支持フレーム22とを備える。畦形成体支持フレーム22に対して盛土体支持フレーム21を上下平行移動させることにより、盛土体3の作業姿勢を一定に維持したまま盛土体3の耕耘深さを調整可能な調整手段76を設ける。
【解決手段】畦塗り機1は、土を耕耘して盛り上げる盛土体3と、盛土体3を支持する盛土体支持フレーム21とを備える。畦塗り機1は、盛土体3の後方で盛土を締め固めて畦を形成する畦形成体4と、畦形成体4を支持する畦形成体支持フレーム22とを備える。畦形成体支持フレーム22に対して盛土体支持フレーム21を上下平行移動させることにより、盛土体3の作業姿勢を一定に維持したまま盛土体3の耕耘深さを調整可能な調整手段76を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量が得られる畦塗り機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された畦塗り機が知られている。
【0003】
この従来の畦塗り機は、土を耕耘して盛り上げる回転可能な盛土体と、この盛土体にて盛り上げられた盛土を締め固めて畦を形成する回転可能な畦形成体とを備え、これら盛土体および畦形成体は単一伝動ケースにて支持されている。また、単一伝動ケースが左右水平方向の回動中心軸線を中心として回動可能に設けられ、その単一伝動ケースの回動により盛土体の耕耘深さを調整できるようになっている。
【特許文献1】特開2002−78403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の畦塗り機では、単一伝動ケースの回動により盛土体の耕耘深さを調整した場合に、盛土体が回転移動して盛土体の作業姿勢が変化するため、一定の耕耘性能が保たれず、所望の盛土量が得られないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量を得ることができる畦塗り機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の畦塗り機は、土を耕耘して盛り上げる盛土体と、この盛土体を支持する盛土体支持フレームと、前記盛土体にて盛り上げられた盛土を締め固めて畦を形成する畦形成体と、この畦形成体を支持する畦形成体支持フレームと、この畦形成体支持フレームに対して前記盛土体支持フレームを上下平行移動させることにより、前記盛土体の作業姿勢を一定に維持したまま前記盛土体の耕耘深さを調整可能な調整手段とを備えるものである。
【0007】
請求項2記載の畦塗り機は、土を耕耘して盛り上げる盛土体と、この盛土体を支持する盛土体支持フレームと、前記盛土体にて盛り上げられた盛土を締め固めて畦を形成する畦形成体と、この畦形成体を支持する畦形成体支持フレームと、互いに平行状に配置され、一端部が前記畦形成体支持フレームに回動可能に連結され、他端部が前記盛土体支持フレームに回動可能に連結された対をなす回動連結体と、前記両回動連結体の前記畦形成体支持フレームに対する回動と前記盛土体支持フレームの前記両回動連結体に対する回動とに基づいて、前記畦形成体支持フレームに対して前記盛土体支持フレームを上下平行移動させることにより、前記盛土体の作業姿勢を一定に維持したまま前記盛土体の耕耘深さを調整可能な調整手段とを備えるものである。
【0008】
請求項3記載の畦塗り機は、請求項1または2記載の畦塗り機において、調整手段は、手動または自動で伸縮する伸縮体を有し、前記伸縮体の伸縮に応じて、盛土体支持フレームが畦形成体支持フレームに対して上下平行移動するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、畦形成体支持フレームに対して盛土体支持フレームを上下平行移動させることにより、盛土体の作業姿勢を一定に維持したまま盛土体の耕耘深さを調整できるため、一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の畦塗り機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1において、1は畦塗り機で、この畦塗り機1は、走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結されて使用されるものである。
【0012】
畦塗り機1は、図1に示されるように、トラクタの後部の3点リンク(作業機昇降支持装置)に連結された機体2と、機体2の一側前部に回転可能に設けられ田面および元畦の土を耕耘して元畦の畦側面および畦上面に盛り上げる盛土体3と、機体2の一側後部に回転可能に設けられ盛土体3の後方で左右水平方向の回転中心軸線Xを中心として回転しながら盛土体3による盛土を締め固めて新たな畦(新畦)を形成する畦形成体4とを備えている。
【0013】
機体2は、図示しないトラクタの後部の3点リンクに連結された固定機枠6と、盛土体3および畦形成体4を支持する可動機枠7と、これら固定機枠6と可動機枠7とを連結する連結手段8とを有している。
【0014】
連結手段8は、例えばチェーンケース等の伝動回動ケース9と回動アーム10とにて構成されている。伝動回動ケース9の一端部が固定機枠6に上下方向の軸11を中心として回動可能に連結され、伝動回動ケース9の他端部が可動機枠7に上下方向の軸12を中心として回動可能に連結されている。また、回動アーム10の一端部が固定機枠6に上下方向の軸13を中心として回動可能に連結され、回動アーム10の他端部が可動機枠7に上下方向の軸14を中心として回動可能に連結されている。
【0015】
そして、畦塗り機1は、電動油圧シリンダ等の駆動手段15からの動力で、伝動回動ケース9および回動アーム10が回動することにより、図1に示す前進作業状態と図2に示すリターン作業状態とに切り換えられる。
【0016】
固定機枠6は、軸保持部16を有し、この軸保持部16には略前後方向の入力軸17が回転可能に設けられ、この入力軸17はトラクタのPTO軸にジョイントおよび伝動シャフト等を介して接続されている。
【0017】
可動機枠7は、図3ないし図6に示すように、盛土体3を支持する盛土体支持フレーム21と、畦形成体4を支持する畦形成体支持フレーム22と、上下に互いに平行状に配置され一端部である基端部が畦形成体支持フレーム22に左右水平方向の軸26を中心として回動可能に連結され他端部である先端部が盛土体支持フレーム21に左右水平方向の軸27を中心として回動可能に連結された対をなす回動連結体23,24とを有している。
【0018】
畦形成体支持フレーム22は、ギヤボックス部31、軸ケース部32、水平方向長手状の上フレーム部33および水平方向長手状の下フレーム部34等を有している。また、畦形成体支持フレーム22には方向輪35が軸36を中心として回転可能に取り付けられ、この方向輪35は畦形成体支持フレーム22に対して上下位置調整可能になっている。さらに、畦形成体支持フレーム22には、前後水平方向の駆動軸(出力軸)38が回転可能に設けられている。
【0019】
そして、畦形成体支持フレーム22にて畦形成体4の回転軸41が回転中心軸線Xを中心として回転可能に支持されており、この回転軸41は入力軸17に接続された伝動手段(図示せず)からの動力で所定方向に駆動回転する。伝動手段は、伝動回動ケース9内のチェーンおよびギヤボックス部31内のギヤ等にて構成されている。
【0020】
また、回転軸41には、この回転軸41とともに回転中心軸線Xを中心として回転しながら盛土を締め固めて田面側に向って下り傾斜面状の畦側面を形成する略円錐台状の畦側面形成体42が設けられている。この畦側面形成体42の縮径側端部には、回転軸41とともに回転中心軸線Xを中心として回転しながら盛土を締め固めて水平面状の畦上面を形成する略円柱状の畦上面形成体43が設けられている。畦側面形成体42はカバー体44にて覆われており、このカバー体44は畦形成体支持フレーム22に脱着可能に取り付けられている。
【0021】
なお、畦形成体4の周速は、この畦形成体4が畦側面および畦上面に対してスリップ状態で回転するようにトラクタの走行速度より速い値に設定される。
【0022】
盛土体支持フレーム21は、下方に向って開口する略コ字状の支持フレーム部51を有し、この支持フレーム部51は、前板52、後板53およびこれら前後板52,53の上端部相互を連結する上板54等にて構成されている。
【0023】
そして、盛土体支持フレーム21の支持フレーム部51にて盛土体3の回転軸61が前後水平方向の回転中心軸線Yを中心として回転可能に支持されており、この回転軸61は畦形成体支持フレーム22側の駆動軸38に接続された伝動手段60からの動力で所定方向に駆動回転する。伝動手段60は、ジョイントおよび伝動シャフト等にて構成されている。また、回転軸61には、この回転軸61とともに前後水平方向の回転中心軸線Yを中心として回転しながら田面および元畦の土を耕耘してその耕耘土を元畦の畦側面および畦上面に盛り上げる複数の耕耘爪62が脱着可能に設けられている。耕耘爪62はカバー体64および補助カバー体65にて覆われており、これらカバー体64および補助カバー体65は支持フレーム部51に脱着可能に取り付けられている。
【0024】
ここで、盛土体支持フレーム21と畦形成体支持フレーム22とを連結する上下で対をなす回動連結体23,24は、例えばそれぞれ平行リンク25にて構成されている。
【0025】
上側の回動連結体23は、互いに離間対向して平行に位置する左右一対の上回動アーム71,71を有し、各上回動アーム71の一端部が畦形成体支持フレーム22の上フレーム部33に軸26を中心として回動可能に連結され、各上回動アーム71の他端部が盛土体支持フレーム21の後板53の上被連結部53aに軸27を中心として回動可能に連結されている。一対の上回動アーム71,71のうち盛土体支持フレーム21側の部分相互が上補強板72にて連結されている。
【0026】
下側の回動連結体24は、上側の回動連結体23と同様、互いに離間対向して平行に位置する左右一対の下回動アーム73,73を有し、各下回動アーム73の一端部が畦形成体支持フレーム22の下フレーム部34に軸26を中心として回動可能に連結され、各下回動アーム73の他端部が盛土体支持フレーム21の後板53の下被連結部53bに軸27を中心として回動可能に連結されている。一対の下回動アーム73,73のうち盛土体支持フレーム21側の部分相互が下補強板74にて連結されている。
【0027】
また、畦塗り機1は、上下両回動連結体23,24の畦形成体支持フレーム22に対する回動と盛土体支持フレーム21の上下両回動連結体23,24に対する回動とに基づいて、畦形成体支持フレーム22に対して盛土体支持フレーム21を円弧を描くように上下平行移動させることにより、盛土体3の作業姿勢を一定に維持したまま盛土体3の耕耘深さを調整可能な調整手段76を備えている。
【0028】
調整手段76は、操作部であるハンドル77の手動による回動操作に基づいて伸縮する棒状の上下調整用ねじ式ロッド等の伸縮体78を有している。伸縮体78の一端部は畦形成体支持フレーム22に左右水平方向の軸(図示せず)を中心として回動可能に連結され、この伸縮体78の一端部にハンドル77が回動可能に設けられている。伸縮体78の他端部は、下補強板74に立設された連結アーム79の上端部に左右水平方向の軸80を中心として回動可能に連結されている。
【0029】
そして、例えば図4に示す状態で、調整手段76のハンドル77を手動で一方向に回動操作すると、図5に示すように、伸縮体78が縮み動作し、この伸縮体78の縮み動作に応じて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して円弧を描くように上方に平行移動し、その結果、盛土体3の作業姿勢が一定に維持されたまま、つまり回転中心軸線Yが前後水平方向を向いた状態のまま、盛土体3の耕耘深さが図4に示す状態に比べて浅くなる。
【0030】
また、例えば図4に示す状態で、調整手段76のハンドル77を手動で他方向に回動操作すると、図6に示すように、伸縮体78が伸び動作し、この伸縮体78の伸び動作に応じて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して円弧を描くように下方に平行移動し、その結果、盛土体3の作業姿勢が一定に維持されたまま、つまり回転中心軸線Yが前後水平方向を向いた状態のまま、盛土体3の耕耘深さが図4に示す状態に比べて深くなる。
【0031】
また一方、畦塗り機1は、図1および図3に示すように、機体2の盛土体支持フレーム21の支持フレーム部51に脱着可能に取り付けられこの支持フレーム部51にて支持され元畦の畦上面を削る畦上面削り手段81を備えている。
【0032】
畦上面削り手段81は、支持フレーム部51の上板54の取付孔に挿入されたボルト等の取付具82によってその上板54に取り付けられたフレーム83を有し、このフレーム83には回動筒状体84が軸85を中心として回動可能に取り付けられている。回動筒状体84にはロッド86が移動可能に挿通され、このロッド86の先端部には連結部材87を介してチェーンケース等の伝動ケース88一端部が連結されている。伝動ケース88の他端部内には盛土体3の回転軸61の前端部に接続された延長回転軸61aが挿入されている。なお、図示しないが、ロッド86の外周側には付勢手段であるばねがピンにて位置決めされた状態で装着されている。
【0033】
また、畦上面削り手段81は、盛土体3の延長回転軸61aに接続され伝動ケース88内に収納されたチェーン等の伝動手段(図示せず)からの動力で所定方向に駆動回転する前後方向の回転軸91を有している。回転軸91は、伝動ケース88の一端部にて回転可能に片持ち状態で支持され、この回転軸91にはこの回転軸91とともに所定方向に回転しながら元畦の畦上面を耕耘してその耕耘土を元畦の畦上面に盛り上げる耕耘爪92が脱着可能に取り付けられている。また、複数の耕耘爪92はカバー体94にて覆われている。
【0034】
次に、上記畦塗り機1の作用等を説明する。
【0035】
トラクタの後部の3点リンクに畦塗り機1を連結してトラクタを前進走行させると、畦塗り機1はトラクタとともに進行方向前方(図1中、矢印方向)に向って移動し、元畦が修復されて新たな新畦が形成される。すなわち、耕耘爪62,92にて土が元畦の畦側面および畦上面に盛り上げられ、回転中心軸線Xを中心としてスリップ回転する畦側面形成体42にて盛土が締め固められて傾斜面状の畦側面が形成され、かつ回転中心軸線Xを中心としてスリップ回転する畦上面形成体43にて盛土が締め固められて水平面状の畦上面が形成される。
【0036】
また、圃場の隅部では、駆動手段15を作動させて図1に示す前進作業状態から図2に示すリターン作業状態に切り換えた後、トラクタをバック走行させると、畦塗り機1はトラクタとともに進行方向前方(図2中、矢印方向)に向って移動し、前進作業の場合と同様に、元畦の端部が修復されて新畦が形成される。
【0037】
ここで、例えば元畦の土質や田面の土質等の条件に応じて、図4の状態に比べて、盛土体3の耕耘深さを浅くする場合、作業者は、調整手段76のハンドル77を把持して一方向に回動操作する。すると、例えば図5に示すように、伸縮体78が縮み動作しこれに応じて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して上方に平行移動し、その結果、盛土体3の作業姿勢が一定に維持されたまま、盛土体3の耕耘深さが浅くなる。
【0038】
また、逆に、図4の状態に比べて、盛土体3の耕耘深さを深くする場合、作業者は、調整手段76のハンドル77を把持して他方向に回動操作する。すると、例えば図6に示すように、伸縮体78が伸び動作しこれに応じて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して下方に平行移動し、その結果、盛土体3の作業姿勢が一定に維持されたまま、盛土体3の耕耘深さが深くなる。
【0039】
そして、このような畦塗り機1によれば、畦形成体支持フレーム22に対して盛土体支持フレーム21を上下平行移動させることで、盛土体3の作業姿勢を一定に維持したまま盛土体3の耕耘深さを調整できるため、一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量を得ることができ、よって、崩れにくい強固な畦を形成できる。
【0040】
また、調整手段76のハンドル77を回動操作することにより、盛土体3の作業姿勢を一定に維持したまま、盛土体3の耕耘深さを容易に調整できる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、調整手段76が手動で伸縮する上下調整用ロッド等の伸縮体78を有する構成について説明したが、例えば図7に示すように、調整手段76が自動で伸縮する電動油圧シリンダ等の伸縮体101を有する構成でもよい。
【0042】
図7に示す伸縮体101は、シリンダ本体部102と、このシリンダ本体部102内に対して出入りするロッド部103とを有している。シリンダ本体部102の基端部が畦形成体支持フレーム22に左右水平方向の軸104を中心として回動可能に連結され、ロッド部103の先端部が盛土体支持フレーム21に左右水平方向の軸105を中心として回動可能に連結されている。
【0043】
そして、作業者が図示しない遠隔操作手段である操作ボックスの例えば耕耘深さ調整用ボタンを押すと、伸縮体101が伸縮し、この伸縮体101の伸縮に応じて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して円弧を描くように上下平行移動し、その結果、盛土体3の作業姿勢が一定に維持されたまま、盛土体3の耕耘深さが調整される。
【0044】
したがって、この図7に示す畦塗り機1でも、畦形成体支持フレーム22に対して盛土体支持フレーム21を上下平行移動させることで、盛土体3の作業姿勢を一定に維持したまま盛土体3の耕耘深さを調整できるため、一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量を得ることができ、よって、崩れにくい強固な畦を形成できる。
【0045】
また、上記実施の形態では、補強板72,74によって回動連結体23,24の両回動アーム71,73のうち盛土体支持フレーム21側の部分相互を連結した構成について説明したが、例えば図8に示すように、補強板72,74によって、両回動アーム71,73のうち盛土体支持フレーム21側の部分相互と両回動アーム71,73のうち畦形成体支持フレーム22側の部分相互とを連結した構成でもよい。
【0046】
さらに、補強板72,74の形状は任意であり、図7および図8に示す長手状のもの以外に、図9に示す補強板72a,74aのような三角状切欠106を1辺に有する略矩形状のものや、図10に示す補強板72b,74bのような三角状切欠107,107を相対する2辺に有する略矩形状のもの等もよい。
【0047】
また、上側の回動連結体23は、例えば図示しないが、1本の上回動アームのみで構成するようにしてよい。
【0048】
さらに、対をなす回動連結体23,24が互いに平行状であるとは、厳密な意味で平行である必要は必ずしもなく、略平行である場合でもよい。
【0049】
また、畦塗り機1は、回動連結体23,24の回動等に基づいて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して円弧を描くように上下平行移動する構成には限定されず、例えば図示しないが、盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して上下方向の直線に沿って上下平行移動する構成等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施の形態に係る畦塗り機の平面図である。
【図2】同上畦塗り機のリターン作業時の平面図である。
【図3】同上畦塗り機の要部斜視図である。
【図4】同上畦塗り機の側面図である。
【図5】図4に示す状態から盛土体の耕耘深さを浅くした畦塗り機の側面図である。
【図6】図4に示す状態から盛土体の耕耘深さを深くした畦塗り機の側面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る畦塗り機の側面図である。
【図8】回動連結体の変形例を示す平面図である。
【図9】回動連結体の他の変形例を示す平面図である。
【図10】回動連結体のさらに他の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 畦塗り機
3 盛土体
4 畦形成体
21 盛土体支持フレーム
22 畦形成体支持フレーム
23 回動連結体
76 調整手段
78,101 伸縮体
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量が得られる畦塗り機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された畦塗り機が知られている。
【0003】
この従来の畦塗り機は、土を耕耘して盛り上げる回転可能な盛土体と、この盛土体にて盛り上げられた盛土を締め固めて畦を形成する回転可能な畦形成体とを備え、これら盛土体および畦形成体は単一伝動ケースにて支持されている。また、単一伝動ケースが左右水平方向の回動中心軸線を中心として回動可能に設けられ、その単一伝動ケースの回動により盛土体の耕耘深さを調整できるようになっている。
【特許文献1】特開2002−78403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の畦塗り機では、単一伝動ケースの回動により盛土体の耕耘深さを調整した場合に、盛土体が回転移動して盛土体の作業姿勢が変化するため、一定の耕耘性能が保たれず、所望の盛土量が得られないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量を得ることができる畦塗り機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の畦塗り機は、土を耕耘して盛り上げる盛土体と、この盛土体を支持する盛土体支持フレームと、前記盛土体にて盛り上げられた盛土を締め固めて畦を形成する畦形成体と、この畦形成体を支持する畦形成体支持フレームと、この畦形成体支持フレームに対して前記盛土体支持フレームを上下平行移動させることにより、前記盛土体の作業姿勢を一定に維持したまま前記盛土体の耕耘深さを調整可能な調整手段とを備えるものである。
【0007】
請求項2記載の畦塗り機は、土を耕耘して盛り上げる盛土体と、この盛土体を支持する盛土体支持フレームと、前記盛土体にて盛り上げられた盛土を締め固めて畦を形成する畦形成体と、この畦形成体を支持する畦形成体支持フレームと、互いに平行状に配置され、一端部が前記畦形成体支持フレームに回動可能に連結され、他端部が前記盛土体支持フレームに回動可能に連結された対をなす回動連結体と、前記両回動連結体の前記畦形成体支持フレームに対する回動と前記盛土体支持フレームの前記両回動連結体に対する回動とに基づいて、前記畦形成体支持フレームに対して前記盛土体支持フレームを上下平行移動させることにより、前記盛土体の作業姿勢を一定に維持したまま前記盛土体の耕耘深さを調整可能な調整手段とを備えるものである。
【0008】
請求項3記載の畦塗り機は、請求項1または2記載の畦塗り機において、調整手段は、手動または自動で伸縮する伸縮体を有し、前記伸縮体の伸縮に応じて、盛土体支持フレームが畦形成体支持フレームに対して上下平行移動するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、畦形成体支持フレームに対して盛土体支持フレームを上下平行移動させることにより、盛土体の作業姿勢を一定に維持したまま盛土体の耕耘深さを調整できるため、一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の畦塗り機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1において、1は畦塗り機で、この畦塗り機1は、走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結されて使用されるものである。
【0012】
畦塗り機1は、図1に示されるように、トラクタの後部の3点リンク(作業機昇降支持装置)に連結された機体2と、機体2の一側前部に回転可能に設けられ田面および元畦の土を耕耘して元畦の畦側面および畦上面に盛り上げる盛土体3と、機体2の一側後部に回転可能に設けられ盛土体3の後方で左右水平方向の回転中心軸線Xを中心として回転しながら盛土体3による盛土を締め固めて新たな畦(新畦)を形成する畦形成体4とを備えている。
【0013】
機体2は、図示しないトラクタの後部の3点リンクに連結された固定機枠6と、盛土体3および畦形成体4を支持する可動機枠7と、これら固定機枠6と可動機枠7とを連結する連結手段8とを有している。
【0014】
連結手段8は、例えばチェーンケース等の伝動回動ケース9と回動アーム10とにて構成されている。伝動回動ケース9の一端部が固定機枠6に上下方向の軸11を中心として回動可能に連結され、伝動回動ケース9の他端部が可動機枠7に上下方向の軸12を中心として回動可能に連結されている。また、回動アーム10の一端部が固定機枠6に上下方向の軸13を中心として回動可能に連結され、回動アーム10の他端部が可動機枠7に上下方向の軸14を中心として回動可能に連結されている。
【0015】
そして、畦塗り機1は、電動油圧シリンダ等の駆動手段15からの動力で、伝動回動ケース9および回動アーム10が回動することにより、図1に示す前進作業状態と図2に示すリターン作業状態とに切り換えられる。
【0016】
固定機枠6は、軸保持部16を有し、この軸保持部16には略前後方向の入力軸17が回転可能に設けられ、この入力軸17はトラクタのPTO軸にジョイントおよび伝動シャフト等を介して接続されている。
【0017】
可動機枠7は、図3ないし図6に示すように、盛土体3を支持する盛土体支持フレーム21と、畦形成体4を支持する畦形成体支持フレーム22と、上下に互いに平行状に配置され一端部である基端部が畦形成体支持フレーム22に左右水平方向の軸26を中心として回動可能に連結され他端部である先端部が盛土体支持フレーム21に左右水平方向の軸27を中心として回動可能に連結された対をなす回動連結体23,24とを有している。
【0018】
畦形成体支持フレーム22は、ギヤボックス部31、軸ケース部32、水平方向長手状の上フレーム部33および水平方向長手状の下フレーム部34等を有している。また、畦形成体支持フレーム22には方向輪35が軸36を中心として回転可能に取り付けられ、この方向輪35は畦形成体支持フレーム22に対して上下位置調整可能になっている。さらに、畦形成体支持フレーム22には、前後水平方向の駆動軸(出力軸)38が回転可能に設けられている。
【0019】
そして、畦形成体支持フレーム22にて畦形成体4の回転軸41が回転中心軸線Xを中心として回転可能に支持されており、この回転軸41は入力軸17に接続された伝動手段(図示せず)からの動力で所定方向に駆動回転する。伝動手段は、伝動回動ケース9内のチェーンおよびギヤボックス部31内のギヤ等にて構成されている。
【0020】
また、回転軸41には、この回転軸41とともに回転中心軸線Xを中心として回転しながら盛土を締め固めて田面側に向って下り傾斜面状の畦側面を形成する略円錐台状の畦側面形成体42が設けられている。この畦側面形成体42の縮径側端部には、回転軸41とともに回転中心軸線Xを中心として回転しながら盛土を締め固めて水平面状の畦上面を形成する略円柱状の畦上面形成体43が設けられている。畦側面形成体42はカバー体44にて覆われており、このカバー体44は畦形成体支持フレーム22に脱着可能に取り付けられている。
【0021】
なお、畦形成体4の周速は、この畦形成体4が畦側面および畦上面に対してスリップ状態で回転するようにトラクタの走行速度より速い値に設定される。
【0022】
盛土体支持フレーム21は、下方に向って開口する略コ字状の支持フレーム部51を有し、この支持フレーム部51は、前板52、後板53およびこれら前後板52,53の上端部相互を連結する上板54等にて構成されている。
【0023】
そして、盛土体支持フレーム21の支持フレーム部51にて盛土体3の回転軸61が前後水平方向の回転中心軸線Yを中心として回転可能に支持されており、この回転軸61は畦形成体支持フレーム22側の駆動軸38に接続された伝動手段60からの動力で所定方向に駆動回転する。伝動手段60は、ジョイントおよび伝動シャフト等にて構成されている。また、回転軸61には、この回転軸61とともに前後水平方向の回転中心軸線Yを中心として回転しながら田面および元畦の土を耕耘してその耕耘土を元畦の畦側面および畦上面に盛り上げる複数の耕耘爪62が脱着可能に設けられている。耕耘爪62はカバー体64および補助カバー体65にて覆われており、これらカバー体64および補助カバー体65は支持フレーム部51に脱着可能に取り付けられている。
【0024】
ここで、盛土体支持フレーム21と畦形成体支持フレーム22とを連結する上下で対をなす回動連結体23,24は、例えばそれぞれ平行リンク25にて構成されている。
【0025】
上側の回動連結体23は、互いに離間対向して平行に位置する左右一対の上回動アーム71,71を有し、各上回動アーム71の一端部が畦形成体支持フレーム22の上フレーム部33に軸26を中心として回動可能に連結され、各上回動アーム71の他端部が盛土体支持フレーム21の後板53の上被連結部53aに軸27を中心として回動可能に連結されている。一対の上回動アーム71,71のうち盛土体支持フレーム21側の部分相互が上補強板72にて連結されている。
【0026】
下側の回動連結体24は、上側の回動連結体23と同様、互いに離間対向して平行に位置する左右一対の下回動アーム73,73を有し、各下回動アーム73の一端部が畦形成体支持フレーム22の下フレーム部34に軸26を中心として回動可能に連結され、各下回動アーム73の他端部が盛土体支持フレーム21の後板53の下被連結部53bに軸27を中心として回動可能に連結されている。一対の下回動アーム73,73のうち盛土体支持フレーム21側の部分相互が下補強板74にて連結されている。
【0027】
また、畦塗り機1は、上下両回動連結体23,24の畦形成体支持フレーム22に対する回動と盛土体支持フレーム21の上下両回動連結体23,24に対する回動とに基づいて、畦形成体支持フレーム22に対して盛土体支持フレーム21を円弧を描くように上下平行移動させることにより、盛土体3の作業姿勢を一定に維持したまま盛土体3の耕耘深さを調整可能な調整手段76を備えている。
【0028】
調整手段76は、操作部であるハンドル77の手動による回動操作に基づいて伸縮する棒状の上下調整用ねじ式ロッド等の伸縮体78を有している。伸縮体78の一端部は畦形成体支持フレーム22に左右水平方向の軸(図示せず)を中心として回動可能に連結され、この伸縮体78の一端部にハンドル77が回動可能に設けられている。伸縮体78の他端部は、下補強板74に立設された連結アーム79の上端部に左右水平方向の軸80を中心として回動可能に連結されている。
【0029】
そして、例えば図4に示す状態で、調整手段76のハンドル77を手動で一方向に回動操作すると、図5に示すように、伸縮体78が縮み動作し、この伸縮体78の縮み動作に応じて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して円弧を描くように上方に平行移動し、その結果、盛土体3の作業姿勢が一定に維持されたまま、つまり回転中心軸線Yが前後水平方向を向いた状態のまま、盛土体3の耕耘深さが図4に示す状態に比べて浅くなる。
【0030】
また、例えば図4に示す状態で、調整手段76のハンドル77を手動で他方向に回動操作すると、図6に示すように、伸縮体78が伸び動作し、この伸縮体78の伸び動作に応じて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して円弧を描くように下方に平行移動し、その結果、盛土体3の作業姿勢が一定に維持されたまま、つまり回転中心軸線Yが前後水平方向を向いた状態のまま、盛土体3の耕耘深さが図4に示す状態に比べて深くなる。
【0031】
また一方、畦塗り機1は、図1および図3に示すように、機体2の盛土体支持フレーム21の支持フレーム部51に脱着可能に取り付けられこの支持フレーム部51にて支持され元畦の畦上面を削る畦上面削り手段81を備えている。
【0032】
畦上面削り手段81は、支持フレーム部51の上板54の取付孔に挿入されたボルト等の取付具82によってその上板54に取り付けられたフレーム83を有し、このフレーム83には回動筒状体84が軸85を中心として回動可能に取り付けられている。回動筒状体84にはロッド86が移動可能に挿通され、このロッド86の先端部には連結部材87を介してチェーンケース等の伝動ケース88一端部が連結されている。伝動ケース88の他端部内には盛土体3の回転軸61の前端部に接続された延長回転軸61aが挿入されている。なお、図示しないが、ロッド86の外周側には付勢手段であるばねがピンにて位置決めされた状態で装着されている。
【0033】
また、畦上面削り手段81は、盛土体3の延長回転軸61aに接続され伝動ケース88内に収納されたチェーン等の伝動手段(図示せず)からの動力で所定方向に駆動回転する前後方向の回転軸91を有している。回転軸91は、伝動ケース88の一端部にて回転可能に片持ち状態で支持され、この回転軸91にはこの回転軸91とともに所定方向に回転しながら元畦の畦上面を耕耘してその耕耘土を元畦の畦上面に盛り上げる耕耘爪92が脱着可能に取り付けられている。また、複数の耕耘爪92はカバー体94にて覆われている。
【0034】
次に、上記畦塗り機1の作用等を説明する。
【0035】
トラクタの後部の3点リンクに畦塗り機1を連結してトラクタを前進走行させると、畦塗り機1はトラクタとともに進行方向前方(図1中、矢印方向)に向って移動し、元畦が修復されて新たな新畦が形成される。すなわち、耕耘爪62,92にて土が元畦の畦側面および畦上面に盛り上げられ、回転中心軸線Xを中心としてスリップ回転する畦側面形成体42にて盛土が締め固められて傾斜面状の畦側面が形成され、かつ回転中心軸線Xを中心としてスリップ回転する畦上面形成体43にて盛土が締め固められて水平面状の畦上面が形成される。
【0036】
また、圃場の隅部では、駆動手段15を作動させて図1に示す前進作業状態から図2に示すリターン作業状態に切り換えた後、トラクタをバック走行させると、畦塗り機1はトラクタとともに進行方向前方(図2中、矢印方向)に向って移動し、前進作業の場合と同様に、元畦の端部が修復されて新畦が形成される。
【0037】
ここで、例えば元畦の土質や田面の土質等の条件に応じて、図4の状態に比べて、盛土体3の耕耘深さを浅くする場合、作業者は、調整手段76のハンドル77を把持して一方向に回動操作する。すると、例えば図5に示すように、伸縮体78が縮み動作しこれに応じて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して上方に平行移動し、その結果、盛土体3の作業姿勢が一定に維持されたまま、盛土体3の耕耘深さが浅くなる。
【0038】
また、逆に、図4の状態に比べて、盛土体3の耕耘深さを深くする場合、作業者は、調整手段76のハンドル77を把持して他方向に回動操作する。すると、例えば図6に示すように、伸縮体78が伸び動作しこれに応じて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して下方に平行移動し、その結果、盛土体3の作業姿勢が一定に維持されたまま、盛土体3の耕耘深さが深くなる。
【0039】
そして、このような畦塗り機1によれば、畦形成体支持フレーム22に対して盛土体支持フレーム21を上下平行移動させることで、盛土体3の作業姿勢を一定に維持したまま盛土体3の耕耘深さを調整できるため、一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量を得ることができ、よって、崩れにくい強固な畦を形成できる。
【0040】
また、調整手段76のハンドル77を回動操作することにより、盛土体3の作業姿勢を一定に維持したまま、盛土体3の耕耘深さを容易に調整できる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、調整手段76が手動で伸縮する上下調整用ロッド等の伸縮体78を有する構成について説明したが、例えば図7に示すように、調整手段76が自動で伸縮する電動油圧シリンダ等の伸縮体101を有する構成でもよい。
【0042】
図7に示す伸縮体101は、シリンダ本体部102と、このシリンダ本体部102内に対して出入りするロッド部103とを有している。シリンダ本体部102の基端部が畦形成体支持フレーム22に左右水平方向の軸104を中心として回動可能に連結され、ロッド部103の先端部が盛土体支持フレーム21に左右水平方向の軸105を中心として回動可能に連結されている。
【0043】
そして、作業者が図示しない遠隔操作手段である操作ボックスの例えば耕耘深さ調整用ボタンを押すと、伸縮体101が伸縮し、この伸縮体101の伸縮に応じて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して円弧を描くように上下平行移動し、その結果、盛土体3の作業姿勢が一定に維持されたまま、盛土体3の耕耘深さが調整される。
【0044】
したがって、この図7に示す畦塗り機1でも、畦形成体支持フレーム22に対して盛土体支持フレーム21を上下平行移動させることで、盛土体3の作業姿勢を一定に維持したまま盛土体3の耕耘深さを調整できるため、一定の耕耘性能を保つことができ、所望の盛土量を得ることができ、よって、崩れにくい強固な畦を形成できる。
【0045】
また、上記実施の形態では、補強板72,74によって回動連結体23,24の両回動アーム71,73のうち盛土体支持フレーム21側の部分相互を連結した構成について説明したが、例えば図8に示すように、補強板72,74によって、両回動アーム71,73のうち盛土体支持フレーム21側の部分相互と両回動アーム71,73のうち畦形成体支持フレーム22側の部分相互とを連結した構成でもよい。
【0046】
さらに、補強板72,74の形状は任意であり、図7および図8に示す長手状のもの以外に、図9に示す補強板72a,74aのような三角状切欠106を1辺に有する略矩形状のものや、図10に示す補強板72b,74bのような三角状切欠107,107を相対する2辺に有する略矩形状のもの等もよい。
【0047】
また、上側の回動連結体23は、例えば図示しないが、1本の上回動アームのみで構成するようにしてよい。
【0048】
さらに、対をなす回動連結体23,24が互いに平行状であるとは、厳密な意味で平行である必要は必ずしもなく、略平行である場合でもよい。
【0049】
また、畦塗り機1は、回動連結体23,24の回動等に基づいて盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して円弧を描くように上下平行移動する構成には限定されず、例えば図示しないが、盛土体支持フレーム21が畦形成体支持フレーム22に対して上下方向の直線に沿って上下平行移動する構成等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施の形態に係る畦塗り機の平面図である。
【図2】同上畦塗り機のリターン作業時の平面図である。
【図3】同上畦塗り機の要部斜視図である。
【図4】同上畦塗り機の側面図である。
【図5】図4に示す状態から盛土体の耕耘深さを浅くした畦塗り機の側面図である。
【図6】図4に示す状態から盛土体の耕耘深さを深くした畦塗り機の側面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る畦塗り機の側面図である。
【図8】回動連結体の変形例を示す平面図である。
【図9】回動連結体の他の変形例を示す平面図である。
【図10】回動連結体のさらに他の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 畦塗り機
3 盛土体
4 畦形成体
21 盛土体支持フレーム
22 畦形成体支持フレーム
23 回動連結体
76 調整手段
78,101 伸縮体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土を耕耘して盛り上げる盛土体と、
この盛土体を支持する盛土体支持フレームと、
前記盛土体にて盛り上げられた盛土を締め固めて畦を形成する畦形成体と、
この畦形成体を支持する畦形成体支持フレームと、
この畦形成体支持フレームに対して前記盛土体支持フレームを上下平行移動させることにより、前記盛土体の作業姿勢を一定に維持したまま前記盛土体の耕耘深さを調整可能な調整手段と
を備えることを特徴とする畦塗り機。
【請求項2】
土を耕耘して盛り上げる盛土体と、
この盛土体を支持する盛土体支持フレームと、
前記盛土体にて盛り上げられた盛土を締め固めて畦を形成する畦形成体と、
この畦形成体を支持する畦形成体支持フレームと、
互いに平行状に配置され、一端部が前記畦形成体支持フレームに回動可能に連結され、他端部が前記盛土体支持フレームに回動可能に連結された対をなす回動連結体と、
前記両回動連結体の前記畦形成体支持フレームに対する回動と前記盛土体支持フレームの前記両回動連結体に対する回動とに基づいて、前記畦形成体支持フレームに対して前記盛土体支持フレームを上下平行移動させることにより、前記盛土体の作業姿勢を一定に維持したまま前記盛土体の耕耘深さを調整可能な調整手段と
を備えることを特徴とする畦塗り機。
【請求項3】
調整手段は、手動または自動で伸縮する伸縮体を有し、
前記伸縮体の伸縮に応じて、盛土体支持フレームが畦形成体支持フレームに対して上下平行移動する
ことを特徴とする請求項1または2記載の畦塗り機。
【請求項1】
土を耕耘して盛り上げる盛土体と、
この盛土体を支持する盛土体支持フレームと、
前記盛土体にて盛り上げられた盛土を締め固めて畦を形成する畦形成体と、
この畦形成体を支持する畦形成体支持フレームと、
この畦形成体支持フレームに対して前記盛土体支持フレームを上下平行移動させることにより、前記盛土体の作業姿勢を一定に維持したまま前記盛土体の耕耘深さを調整可能な調整手段と
を備えることを特徴とする畦塗り機。
【請求項2】
土を耕耘して盛り上げる盛土体と、
この盛土体を支持する盛土体支持フレームと、
前記盛土体にて盛り上げられた盛土を締め固めて畦を形成する畦形成体と、
この畦形成体を支持する畦形成体支持フレームと、
互いに平行状に配置され、一端部が前記畦形成体支持フレームに回動可能に連結され、他端部が前記盛土体支持フレームに回動可能に連結された対をなす回動連結体と、
前記両回動連結体の前記畦形成体支持フレームに対する回動と前記盛土体支持フレームの前記両回動連結体に対する回動とに基づいて、前記畦形成体支持フレームに対して前記盛土体支持フレームを上下平行移動させることにより、前記盛土体の作業姿勢を一定に維持したまま前記盛土体の耕耘深さを調整可能な調整手段と
を備えることを特徴とする畦塗り機。
【請求項3】
調整手段は、手動または自動で伸縮する伸縮体を有し、
前記伸縮体の伸縮に応じて、盛土体支持フレームが畦形成体支持フレームに対して上下平行移動する
ことを特徴とする請求項1または2記載の畦塗り機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−118747(P2009−118747A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293042(P2007−293042)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】
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