説明

畦塗り機

【課題】損傷しにくく砕土性能に優れて土寄せ効果が高い前処理部を備えた畦塗り機を提供する。
【解決手段】畦塗り機は、走行機体に装着され、この走行位置に対して側方にオフセットした位置に配置され、旧畦を切り崩して土盛りを行う前処理部61と盛られた土を旧畦上に塗り付ける整畦部を備える。前処理部61は、回転自在に支持された耕耘軸62の軸心方向に所定間隔を有して複数列に設けられた第1耕耘爪67び第2耕耘爪69’を備える。これら耕耘爪は、縦刃部67b、69b及び横刃部67c、69cを有し、縦刃部から横刃部にかけて回転方向と逆向きに弯曲するとともに、横刃部が縦刃部に対して一側方へ弯曲する。最後列の第1耕耘爪67は耕耘軸62の軸心方向前側へ向く横刃部67cを有し、2列目の第2耕耘爪69’は横刃部69cが軸心方向後側に向く。これらの耕耘爪は向き合うように配置され、これらの耕耘爪間に土を保持して搬送可能な土壌保持空間72が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畦塗り機に関し、特に、旧畦を切り崩して土盛りを行う前処理部及び盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を備えてなる畦塗り機に関する。
【背景技術】
【0002】
このような畦塗り機は、トラクタ等の走行機体に装着されて、走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置で畦塗り作業を行うものであり、旧畦を切り崩して土盛りを行う前処理部と、盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を備える。
【0003】
前処理部は、例えば、機体進行方向に沿って回転自在に支持された耕耘軸の外周面に耕耘軸の軸方向に所定距離をおいて突設された複数列の耕耘爪を有し、耕耘爪の回転によって旧畦の土を耕耘して跳ね上げ、この跳ね上げられた土を整畦部側に供給して整畦部によって旧畦に塗り付けるように構成されている。複数列の耕耘爪は、それぞれが耕耘軸から突出長さが略等しくなるように設けられて、これら耕耘爪の回転軌跡は略円柱状になっている。
【0004】
このように、各耕耘爪の耕耘軸からの突出長さが等しい構成では、耕耘軸の前端側の1列目の耕耘爪に作用する土から受ける負荷が、2列目以降の耕耘爪に作用する負荷に比べて大きくなり、1列目の耕耘爪が損傷し易くなるばかりか、耕耘振動が比較的に大きくなる虞がある。
【0005】
そこで、特許文献1に記載されているように、前側の耕耘爪の耕耘軸からの突出長さが後側の耕耘爪の耕耘軸からの突出長さよりも短くなるように構成して、耕耘抵抗を分散して耕耘振動を低減する畦塗り機が提案されている。また、特許文献2には、複数列の耕耘爪の最前列よりも後列の少なくとも1本の耕耘爪の先端側を進行方向前側に向くように屈曲させることで、作業時に前側を向く耕耘爪で旧畦が耕耘されるので、最前列の耕耘爪に作用する負荷が小さくなり、耕耘振動やスラストが小さくなって安定した畦塗り作業が可能になる畦塗り機が提案されている。
【0006】
しかしながら、これらの畦塗り機に設けられた耕耘爪は、耕耘軸から連続的に延びる縦刃部及び横刃部を有し、縦刃部及び横刃部は耕耘爪の回転方向と逆方向に湾曲し、横刃部は縦刃部の一側部側に湾曲するように構成されているので、縦刃部によって良好に砕土することができても、側方に湾曲した横刃部だけでは耕耘された土を整畦部側に十分に土寄せすることができない。
【0007】
そこで、本出願人は、特許文献3に記載されているように、耕耘爪の縦刃部に相当する爪本体部の先端部に土寄せ機能の板状の高い掬い板を設け、この掬い板によって砕土された土を整畦部側に土寄せする掬い爪を提案している。また特許文献4には、この掬い板が整畦部側に向くように耕耘軸の軸方向に対して傾けた掬い爪も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−281803号公報
【特許文献2】特開2007−282518号公報
【特許文献3】特許第4318965号公報
【特許文献4】特開2006−101794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この掬い板は、土を掬い上げて整畦部側に土寄せするために板状に形成されているので、耕土内に存在する石等の異物に対して接触して衝撃を受け易い。このため、掬い爪は損傷し易く、また掬い爪を回転させる駆動部に作用する負荷も大きくなる。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、土を掬い上げて整畦部側に土寄せする機能を備え、また耕土内に存在する石等の異物に接触して衝撃を受けにくい前処理部を備えた畦塗り機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の畦塗り機は、走行機体に装着され、該走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置に配置され、旧畦を切り崩して土盛りを行う前処理部及び盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を備え、走行機体の走行とともに進行して畦塗り作業を行う畦塗り機において、前処理部は、所定方向に延びて回転自在に支持された耕耘軸と、耕耘軸の軸心方向に所定間隔を有して複数列に設けられ耕耘軸とともに回転する耕耘爪を備え、耕耘爪は、この取付基部から連続して延びる縦刃部及び横刃部を有し、縦刃部から横刃部にかけて回転方向と逆向きに弯曲するとともに、横刃部が縦刃部に対して一側方へ弯曲し、複数列に設けられた耕耘爪のうち最前列以外に耕耘軸の軸心方向前側へ向く横刃部を有した耕耘爪(実施の形態における第1耕耘爪67)を配置し、該耕耘爪はこの耕耘爪よりも前列側に配置されて横刃部が耕耘軸の軸心方向後側に向く耕耘爪(実施の形態における第2耕耘爪69’)と向き合うように配置され、これらの向き合う耕耘爪の内側は、これら耕耘爪によって囲まれる土壌保持空間を形成していることを特徴とする(請求項1)。
【0012】
本発明の「所定方向に延びて」とは、畦塗り機の進行方向に沿う方向や、畦塗り機の進行方向に対して斜めに傾く方向を含む。
【0013】
本発明の「土壌保持空間」とは、耕耘軸の軸心方向前側へ向く横刃部を有した耕耘爪と、この耕耘爪よりも前列側に配置されて耕耘軸の軸心方向後側へ向く横刃部を有した耕耘爪とによって囲まれる空間をいい、これらの耕耘爪の回転によって耕耘された土壌を保持して移動させるための空間である。
【0014】
本発明の「耕耘爪と向き合う」とは、耕耘軸の軸心方向に所定間隔を有して配設された一対の耕耘爪が耕耘軸に対して同一位相又は異なる位相を有した状態で耕耘軸の軸心方向矢視において重なるように配置されることをいう。具体的には、土壌保持空間を形成する、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪と、耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪とは、耕耘軸の軸方向矢視において、横刃部から縦刃部の少なくとも一部が重なるように配設される(請求項2)。
【0015】
本発明の「横刃部から縦刃部の少なくとも一部が重なる」とは、横刃部同士が重なる場合や、横刃部と縦刃部が重なる場合や、縦刃部同士が重なる場合や、横刃部同士及び縦刃部同士が重なる場合を含む。
【0016】
このように、耕耘軸の軸方向矢視において横刃部から縦刃部の少なくとも一部が重なるように配設されることで、互いに向き合う一対の耕耘爪の回転時に、これらの向き合った耕耘爪の横刃部や縦刃部の間に土が保持され、この保持された土は、これらの耕耘爪の回転に伴って移動して旧畦側に放てきされる。
【0017】
また本発明は、土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪が、耕耘軸の軸方向矢視において、土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪に対して、回転方向後方側又は略同一位置に配置されていることを特徴とする(請求項3)。
【0018】
本発明の「回転方向後方側」とは、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪が、耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪に対して回転方向後方側に位相差を有して配置されていることをいう。また本発明の「略同一位置」とは、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪が、耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪に対して同じ位相の位置に配置されていることをいう。
【0019】
このように、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪を、耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪に対して、回転方向後方側又は略同一位置に配置することで、前列側の耕耘爪によって耕耘された土壌を後列側の耕耘爪が容易に移動させて旧畦側に放てきすることができる。このため、土の移動がスムースになり、旧畦側に安定した量の土を供給することができる。
【0020】
また本発明は、土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪が、耕耘軸の軸方向矢視において、土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪に対して、回転方向前方側に配置されていることを特徴とする(請求項4)。
【0021】
本発明の「回転方向前方側」とは、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪が、耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪に対して回転方向前方側に位相差を有して配置されていることをいう。
【0022】
このように、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪を、耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪に対して、回転方向前方側に配置することで、後列側の耕耘爪によって移送される土が落ちそうになるのを前列側の耕耘爪が保持することができる。このため、旧畦側に供給される土の減少を抑えることができる。
【0023】
また本発明は、土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪の回転軌跡と、平面視において土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪の回転軌跡との間の軸心方向の間隔は、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪の作用幅以下であることを特徴とする(請求項5)。
【0024】
土壌保持空間を形成する一対の耕耘爪の回転軌跡間に間隔を設けることで、土壌保持空間を広げることができる。しかし、この間隔が広すぎると一対の耕耘爪の回転時に耕耘爪の作用が及ばなくなり、搬送されない土が生じて旧畦に供給される土の量が減少する。そこで、間隔は、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪の作用幅以下にしている。なお、この間隔は、耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪の作用幅以下にしてもよい。
【0025】
また本発明は、複数列に設けられた耕耘爪のうち最後列に配置された耕耘爪は、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有していることを特徴とする(請求項6)。
【0026】
このように、最後列に配置された耕耘爪が耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有していることで、この耕耘爪よりも前列側に配置された耕耘爪との間で土壌保持空間を形成することができる。このため、土壌保持空間を広くすることができ、旧畦側に供給される土の量を増大させることができる。
【0027】
また本発明は、土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪の回転半径は、耕耘爪の軸方向前側に隣接して耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪の回転半径よりも小径であることを特徴とする(請求項7)。
【0028】
このように、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪の回転半径は軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪の回転半径よりも小径であることで、直接耕耘する割合が小さく前列側の耕耘爪によって耕耘された土壌を後列側の耕耘爪が前列側の耕耘爪とともに移動させて旧畦側に放てきすることになる。このため、後列側の耕耘爪に作用する負荷は比較的に小さくなり、土の移動がスムースになり、旧畦側に安定した量の土を供給することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、複数列に設けられた耕耘爪のうち最前列以外に耕耘軸の軸心方向前側へ向く横刃部を有した耕耘爪を配置し、該耕耘爪はこの耕耘爪よりも前列側に配置されて横刃部が耕耘軸の軸心方向後側に向く耕耘爪と向き合うように配置され、これら向き合う耕耘爪の内側は、これら耕耘爪によって囲まれる土壌保持空間を形成することで、耕耘軸が回転すると、土壌保持空間を形成する、耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪と、耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪とによって、土壌を搬送して旧畦側に供給することができる。また土壌保持空間を形成するのは取付基部から連続して延びる縦刃部と横刃部を有し、縦刃部から横刃部にかけて回転方向と逆向きに弯曲するとともに、横刃部が縦刃部に対して一側方へ弯曲した耕耘爪であるので、耕耘爪は石等の異物を逃げやすくするので衝撃を受けにくい。このため、整畦部側に土寄せする機能を有するとともに、石等の異物に接触しても衝撃を受けにくい前処理部を備えた畦塗り機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる畦塗り機に設けられる前処理部を示し、同図(a)は前処理部の部分断面平面図であり、同図(b)は前処理部の側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる畦塗り機の平面図を示す。
【図3】本発明の一実施の形態に係わる畦塗り機の正面図を示す。
【図4】本発明の一実施の形態に係わる畦塗り機の作業部の部分断面平面図を示す。
【図5】本発明の一実施の形態に係わる前処理部に設けられる第1耕耘爪を示し、同図(a)は第1耕耘爪の側面図であり、同図(b)は同図(a)のV矢視に相当する部分の第1耕耘爪の底面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係わる前処理部に設けられる第2耕耘爪を示し、同図(a)は第2耕耘爪の側面図であり、同図(b)は同図(a)のVI矢視に相当する部分の第2耕耘爪の底面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係わる前処理部に設けられた第1耕耘爪及び第2耕耘爪の取付方法を説明するための部分側面図を示し、同図(a)は第1耕耘爪を取り付けた前処理部の部分側面図であり、同図(b)は第2耕耘爪を取り付けた前処理部の部分側面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係わる前処理部に設けられた第1耕耘爪及び第2耕耘爪の配置関係を説明するための図であり、同図(a)は2種類の耕耘爪が先端部が重なるように配置された場合を示し、同図(b)は2種類の耕耘爪が先端部間に間隔を有して配置された場合を示す。
【図9】本発明の一実施の形態に係わる畦塗り機に設けられる他の前処理部を示し、同図(a)は他の前処理部の部分断面平面図であり、同図(b)は他の前処理部の側面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係わる畦塗り機に設けられたシャーボルトを説明するための図を示し、同図(a)はオフセットフレーム内の動力伝達機構の部分斜視図であり、同図(b)は前処理部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係わる畦塗り機の最良の形態を図1から図10に基づいて説明する。なお、畦塗り機には、各種のものがあるが、それらのうちの一つを例にして、以下、説明する。
【0032】
畦塗り機1は、図2(平面図)に示すように、走行機体90の後部に設けられた三点リンク連結機構(図示せず)に連結されて、走行機体90の前進動に応じて畦塗り作業を行なうものである。畦塗り機1は、走行機体90に装着されて走行機体90からの動力が入力される入力軸4を備えた装着部10と、装着部10に設けられた旋回シリンダ3によって装着部10から左右方向に移動可能なオフセット機構部20と、オフセット機構部20の移動端側(後端側)に垂直方向に延びる回動支点Oを設け、この回動支点Oを回動中心として水平方向に回動可能に配設されて入力軸4から伝達される動力によって走行機体90の走行位置に対して側方にオフセットした位置で作業を行なう作業部50とを有してなる。
【0033】
装着部10は、左右方向に延びるヒッチフレーム11と、ヒッチフレーム11の前側に取り付けられて走行機体90の三点リンク連結機構に連結可能な連結フレーム13とを有してなる。
【0034】
オフセット機構部20は、前端側をヒッチフレーム11に回動自在に連結されて後方側へ延びるオフセットフレーム21と、オフセットフレーム21の右側に沿って並設されて前端側がヒッチフレーム11の右側端部に回動自在に連結されたリンク部材25とを有してなる。リンク部材25の後端側は、オフセットフレーム21の後端部に回動自在に設けられた連結部材23に回動自在に設けられている。オフセット機構部20は、オフセットフレーム21、リンク部材25、ヒッチフレーム11及び連結部材23によって平行リンク機構を形成している。
【0035】
オフセットフレーム21は、この後端部とヒッチフレーム11の左側端部との間に枢結された前述した旋回シリンダ3の伸縮動作により左右方向に揺動可能である。オフセットフレーム21内には動力伝達機構28(図10(a)参照)が設けられている。この動力伝達機構28は、チェーン伝動機構であり、オフセットフレーム21の後端側に作業部50の回動支点Oと同軸上に回動自在に配設された従動軸29を備えて、走行機体90から入力軸4に伝達された動力を従動軸29に伝達可能に構成されている。
【0036】
従動軸29の下部には、これと同軸上に配置されて下方へ延びる主軸7が連結されている。主軸7は、従動軸29の回転動とともに回転して、作業部50への動力伝達が可能である。主軸7の外側には主軸7を覆う主軸ケースが配設され、この主軸ケースの上端部はオフセットフレーム21の後端下部に回動可能に連結され、主軸ケースの下端部には作業部50が固定された状態で取り付けられている。
【0037】
作業部50は、連結部材23と主軸ケースとの間に繋がれた伸縮シリンダ41の伸縮により回動支点Oに対して回動可能であるとともに、伸縮シリンダ41の伸縮規制によりオフセット機構20の揺動に対して作業部50の作業方向が走行機体90の進行方向Aと平行になるように保持される。
【0038】
作業部50は、詳細は後述するが、圃場の周辺に沿って形成された旧畦の上部を切り崩す天場処理部51と、切り崩した土の土盛りを行なう前処理部61と、盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部80とを有してなる。
【0039】
整畦部80は、図4を更に追加して説明すると、左右方向に延びて回転動自在に支持された回転軸81に取り付けられた多面体ドラム82と、多面体ドラム82の右側端部に取り付けられて横方向に延びる円筒部83とを有してなる。整畦部80は整畦動力伝達ケース87を介して主軸ケースに連結されて支持される。整畦動力伝達ケース87内には図示しない整畦側動力伝達機構が内蔵され、この整畦側動力伝達機構は主軸7に繋がって、主軸7からの動力を整畦部80に伝達可能に構成されている。
【0040】
前処理部61は、前処理動力伝達ケース64を介して主軸ケースに連結されて支持される。前処理動力伝達ケース64内には、主軸7からの動力を受けて回転駆動する前処理側駆動軸66を有した動力伝達機構65が内蔵されている。前処理側駆動軸66の先端部に前処理部61が接続されている。前処理部61の回転軸となる耕耘軸62は前処理側駆動軸66と同軸上に接続されている。前処理部61の耕耘軸62は、平面視において旧畦K側に傾斜している。前処理部61の詳細については後述する。
【0041】
天場処理部51は、天場動力伝達ケース54を介して前処理部61に支持されている。天場処理部51の回転軸52には複数の耕耘爪53が放射状に取り付けられ、天場処理部51の回転軸52は平面視において旧畦K側に傾斜して配置されている。天場動力伝達ケース54内には動力伝達機構55が設けられ、動力伝達機構55は前処理部61の耕耘軸62に接続されて前処理部61からの動力を天場処理部51に伝達可能である。
【0042】
天場動力伝達ケース54は天場処理部51の基端側に配置されて天場処理部51の回転軸52に対して直交する方向に延び、この基端部は前処理部61の耕耘軸62の先端部に対して上下回動自在に取り付けられている。このため、天場動力伝達ケース54は基端部を回動中心として上下方向に回動自在である。
【0043】
前処理部61は、図3に示すように、後述する第1耕耘爪67、第2耕耘爪69、第3耕耘爪70の先端部が旧畦Kに対向した位置にあるときに、その先端部が旧畦Kの上部から下部側へ移動する矢印X方向、即ちダウンカット方向に回転する。
【0044】
前処理部61は、前述した耕耘軸62と、耕耘軸62の外周に放射状に取り付けられて耕耘軸62とともに回転する第1耕耘爪67、第2耕耘爪69、第3耕耘爪70を有してなる。
【0045】
第1耕耘爪67、第2耕耘爪69、第3耕耘爪70は、図1(a)、図4に示すように、耕耘軸62の軸心方向前側から後側に所定距離を有して4列に配設され、各列に耕耘軸62の周方向に180度の位相差を有して同じ種類の耕耘爪が2本取り付けられている。第1耕耘爪67及び第2耕耘爪69は、耕耘軸62の外周に突設されたホルダ62aにボルト62b等の締結手段を介して着脱可能に取り付けられている(図7(a)及び図7(b)参照)。
【0046】
第1耕耘爪67は、図5(a)、図5(b)、図7(a)に示すように、ホルダ62aに取り付けられる取付基部67aから連続して延びる縦刃部67b及び横刃部67cを有し、縦刃部67bから横刃部67cにかけて回転方向と逆向きに弯曲するとともに、横刃部67cが縦刃部67bに対して一側方に弯曲して内側にすくい面67dを形成している。図中、斜線部分が横刃部67cを示し、また線Bは縦刃部67bと横刃部67cとの境界となる折曲開始線を示している。この折曲開始線Bの取付基部67aに対する位置Aは第1耕耘爪67の爪長さを爪全長Lとしたときの半分よりもより先端側に位置して、第1耕耘爪67は縦刃部67bの長さが長くなっている。また横刃部67cの基端から先端までの先曲げ高さb1は、後述する第2耕耘爪69の先曲げ高さb2(図6(b)参照)よりも低い。このため、第1耕耘爪67は、土を移動させる機能が第2耕耘爪69よりも小さい。
【0047】
一方、第2耕耘爪69は、図6(a)、図6(b)、図7(b)に示すように、ホルダ62aに取り付けられる取付基部69aから連続して延びる縦刃部69b及び横刃部69cを有し、縦刃部69bから横刃部69cにかけて回転方向と逆向きに弯曲するとともに、横刃部69cが縦刃部69bに対して一側方に弯曲して内側にすくい面69dを形成している。本実施例では、横刃部69cは後方側に湾曲している。図中、斜線部分が横刃部69cを示し、線Bは縦刃部69bと横刃部69cとの境界となる折曲開始線を示している。この折曲開始線Bの取付基部69aに対する位置Aは爪長さを爪全長Lとしたときの略半分の位置に位置している。このため、第2耕耘爪69の縦刃部69bの長さは第1耕耘爪67(図5(a)参照)の縦刃部67bの長さよりも短い。また横刃部69cの基端から先端までの先曲げ高さb2は、前述した第1耕耘爪67の先曲げ高さb1よりも大きい。このため、第2耕耘爪69は、土を移動させる機能が第1耕耘爪67よりも大きい。
【0048】
第1耕耘爪67及び第2耕耘爪69の縦刃部67b、69b、及び横刃部67c、69cのそれぞれには、略一定幅を有した刃縁部67e、69eが形成されており、この刃縁部67e、69eは片刃である。本実施例では前述の第1耕耘爪67及び第2耕耘爪69を採用しているが、これらの爪に限るものではなく、圃場条件等によって折曲開始線の位置Aや先曲げ高さb1の異なる耕耘爪を選択できる。
【0049】
このように構成された第1耕耘爪67は、図1(a)及び図1(b)に示すように、耕耘軸62の最後列に設けられている。この第1耕耘爪67は、横刃部67cが耕耘軸62の軸心方向前側に向くように配設されている。なお、耕耘軸62の最前列には、形状的には第1耕耘爪67と類似しているが回転半径が第1耕耘爪67よりも小さい第3耕耘爪70が設けられている。この第3耕耘爪70は、横刃部70cが耕耘軸62の軸心方向後側に向くように配設されている。
【0050】
最前列から2列目及び3列目には第2耕耘爪69が設けられている。これらの第2耕耘爪69は、その横刃部69cが後列側に向くように配設されている。
【0051】
2列目に配設された第2耕耘爪69'と最後列に配設された第1耕耘爪67は、耕耘軸62の軸心方向において向き合うように配設されている。本実施例では、耕耘軸62の軸方向矢視において、第1耕耘爪67の縦刃部67b及び横刃部67cが、第2耕耘爪69'の縦刃部69b及び横刃部69cと重なるように配設されている(図1(b)参照)。
【0052】
また、最後列の第1耕耘爪67は、耕耘軸62の軸方向矢視において、2列目の第2耕耘爪69’に対して回転方向が略同一位置に配置されている(図1(b)参照)。さらに、最後列の第1耕耘爪67の回転軌跡と2列目の第2耕耘爪69’の回転軌跡との間の耕耘軸62の軸心方向の間隔Wは、平面視において第1耕耘爪67の先曲げ高さb1(図5(b)参照)以下になっている。また、最後列の第1耕耘爪67の回転半径R1は、2列目の第2耕耘爪69’の回転半径R2よりも小径に構成されている。
【0053】
なお、最後列の第1耕耘爪67の回転軌跡と2列目の第2耕耘爪69’の回転軌跡との間の耕耘軸62の軸心方向の間隔Wは、図8(a)に示すように、第1耕耘爪67の先端が第2耕耘爪69’の先端内側に位置して第1耕耘爪67の先曲げ高さb1よりも小さい重なり幅を有するようにしてもよい。また、間隔Wは、図8(b)に示すように、第1耕耘爪67の先曲げ高さb1よりも大きな間隔W(本実施例では先曲げ高さbの約1.5倍の間隔)にしてもよい。但し、この間隔Wは、第1耕耘爪67の横刃部67cが土を移動させることができる幅(以下、作用幅と記す)の範囲内であることが必要である。
【0054】
このように最後列の第1耕耘爪67及び2列目の第2耕耘爪69’を耕耘軸62に配設することで、図1(a)及び図4に示すように、最後列の第1耕耘爪67及び2列目の第2耕耘爪69’の内側に、これら耕耘爪によって耕耘された土を保持して移動させることが可能な土壌保持空間72が形成される。即ち、土壌保持空間72は、第1耕耘爪67の縦刃部67bおよび横刃部67cと、第2耕耘爪69’の縦刃部69bおよび横刃部69cによって囲まれる空間である。
【0055】
このように構成された前処理部61の耕耘軸62が回転すると、第1耕耘爪67、第2耕耘爪69,69’及び第3耕耘爪70の縦刃部67b、69b、70bが土中に突入して土を切断するとともに、横刃部67c、69c、70cが土中に突入して土壌保持空間72内の土を切削して耕起し、この耕起された土は、第1耕耘爪67及びの第2耕耘爪69’の横刃部67c、69cのすくい面67d、69dで抱きかかえられて土中から抜け出た後に後述する前処理部61に設けられたカバー体73(図3参照)の内側に沿って案内されて旧畦側に放てきされて整畦部80に供給される。
【0056】
耕耘軸62の最前列から3列目に渡って設けられた第3耕耘爪70及び第2耕耘爪69、69’は、耕耘軸62の軸心方向前側に配置された耕耘爪の回転半径Rfが軸心方向後側に配置された耕耘爪の回転半径Rrよりも小さくなるように構成されている。このため、畦塗り作業時における耕耘抵抗が確実に分散されて、耕耘振動を比較的に小さくすることができ、安定した畦塗り作業を行うことができる。
【0057】
また、これら第1耕耘爪67、第2耕耘爪69、69’及び第3耕耘爪70は、耕耘軸62が平面視において旧畦側に傾斜しているため、旧畦に対して斜めに切り込みその方向に土を移動させることになるので、土の流れの方向を整畦部側にすることができる。このため、石等の異物も逃げやすく過負荷の虞も小さく、整畦部80に供給される土の流れがスムースとなり安定した畦塗り作業を行うことができる。
【0058】
さて、耕耘軸62に支持された第1耕耘爪67、第2耕耘爪69、69’及び第3耕耘爪70は、図3、図4に示すように、その後方側と上部から旧畦側と反対側の側部にかけて及ぶ側とその前方側がカバー体73によって覆われている。カバー体73は、前記耕耘爪の前方側及び後方側を覆う前板部73a及び後板部73cと、前板部73a及び後板部73cに接続されて前記耕耘爪の外周上部から旧畦側と反対側の側部を覆う円弧状板部73bを有してなる。なお、旧畦側は土量調整用のガイドカバー73dやサイドカバー73eを有している。
【0059】
前板部73aは、前記耕耘爪の回転軌跡の前方側の周縁部に沿って回転軌跡の上部から旧畦側と反対側に円弧帯状に延び、前板部73aの下部は耕耘軸62よりも下方に位置している。後板部73cは、前記耕耘爪の回転軌跡の後方側であって旧畦側と反対側の上部から耕耘軸62よりも下方の位置に扇状に延びるように形成されている。
【0060】
円弧状板部73bは、前板部73aと後板部73cの各周縁部に沿って接続され、円弧状板部73bの旧畦側と反対側端部は前処理部61の耕耘軸62よりも下方に配置され、円弧状板部73bの上側は前記耕耘爪の回転軌跡の外側に沿って隙間を有して耕耘軸62の略真上まで延びている。このため、前処理部61が回転すると、第1耕耘爪67及び第2耕耘爪69’によって搬送される土は、円弧状板部73bの内側に沿って上方へ移動して円弧状板部73bの旧畦側端から放てきされる。
【0061】
このように構成された畦塗り機1によって畦塗り作業を行うと、図4に示すように、前処理部61の第1耕耘爪67、第2耕耘爪69、69’及び第3耕耘爪70によって圃場の土が耕耘されて旧畦側に放てきされる。この放てきされた土は、整畦部80によって旧畦上に塗り付けられて、整形された新畦が形成される。
【0062】
ここで、前処理部61は、前述したように、耕耘軸62の軸心方向前側へ向く横刃部67cを有した最後列の第1耕耘爪67と、この耕耘爪の前列側に配置されて耕耘軸62の軸心方向後側へ向く横刃部69cを有して第1耕耘爪67と向き合うように配置された2列目の第2耕耘爪69’を備え、これらの耕耘爪の内側にはこれら耕耘爪によって囲まれる土壌保持空間72が形成されている。このため、耕耘軸62が回転すると、土壌保持空間72を形成する、耕耘軸62の軸心方向前側を向く横刃部67cを有する第1耕耘爪67と、耕耘軸62の軸心方向後側を向く横刃部69cを有する第2耕耘爪69’とによって、圃場の土を搬送して旧畦側に供給することができる。また土を搬送するのは適正配置された最後列と2列目の耕耘爪67、69’であり、これら耕耘爪は、取付基部から連続して延びる縦刃部及び横刃部を有し、縦刃部から横刃部にかけて回転方向と逆向きに弯曲するとともに、横刃部が縦刃部に対して一側方へ弯曲する形状のため、石等の異物を逃げやすくするので衝撃を受けにくい。このため、整畦部側に土寄せする機能を有するとともに、石等の異物に接触しても衝撃を受けにくい前処理部61を提供することができる。
【0063】
なお、前処理部61は前述した構造に限るものではなく、図9(a)及び図9(b)に示すように、耕耘軸62の2列目に横刃部67cが後列側を向くように配置した第1耕耘爪67'を設け、最後列に横刃部67が前列側を向くように配置した第1耕耘爪67を設け、これらの第1耕耘爪67、67’を耕耘軸62の軸心方向において向き合うように配設された前処理部61’でもよい。本実施例では、耕耘軸62の軸方向矢視において、最後列の第1耕耘爪67の縦刃部67b及び横刃部67cが、2列側の第1耕耘爪67’の縦刃部67bと重なるように配設され、これらの第1耕耘爪67、67’の内側に土壌保持空間72が形成されている。なお、前処理部61’の他の第2耕耘爪69、第3耕耘爪70の配置の関係は、前述した前処理部61の第2耕耘爪69、第3耕耘爪70の関係と同様なので、その説明は省略する。
【0064】
このように、耕耘軸62の2列目に横刃部67cが後列側を向くようにした第1耕耘爪67'を設け、最後列に横刃部67cが前列側を向くようにした第1耕耘爪67を設けることで、前述した第1耕耘爪67及び第2耕耘爪69'を備えた前処理部61(図1(a)参照)と同様の効果を得ることができる。
【0065】
ところで、土を搬送して旧畦側に供給するための手段は、前処理部61に適正配置された第1耕耘爪67及び第2耕耘爪69’であり、これらの耕耘爪は石等の異物を逃げ易くするので衝撃を受けにくい。このため、第1耕耘爪67及び第2耕耘爪69’が損傷し、また駆動系に過負荷が作用して損傷する虞は小さい。しかしながら、これらの耕耘爪や駆動系の損傷をより確実に防止するために、前処理部61に大きな負荷が作用すると、駆動系への動力伝達を遮断し、また耕耘爪67等への動力伝達を遮断するためのシャーボルトを畦塗り機1に設けてもよい。
【0066】
例えば、図10(a)(斜視図)に示すように、オフセットフレーム内に設けられた動力伝達機構28の従動軸29にシャーボルト30を介してスプロケット31を連結する。このようにすると、前処理部61の第1耕耘爪67、第2耕耘爪69,69’及び第3耕耘爪70に石等が衝突して大きな負荷が作用すると、過負荷は動力伝達機構65(図4参照)等を介して従動軸29に伝達されてシャーボルト30を破断する。このため、前処理部61の第1耕耘爪67、第2耕耘爪69,69’、第3耕耘爪70及び駆動系が損傷する事態を確実に防止することができる。
【0067】
また、図10(b)(断面図)に示すように、前処理部61の耕耘軸62に筒状の回転支持体75を回転可能に外嵌し、この回転支持体75の外周に設けられたホルダ62aに第1耕耘爪67及び第2耕耘爪69,69’をボルト62b等で固定し、回転支持体75を、シャーボルト30を介して耕耘軸62に固定するようにしてもよい。このようにすると、前処理部61の第1耕耘爪67及び第2耕耘爪69,69’に石等が衝突して大きな負荷が作用すると、過負荷は回転支持体75を介してシャーボルト30に伝達されてシャーボルト30を破断する。このため、第1耕耘爪67及び第2耕耘爪69,69’やこれに接続された動力系が損傷する事態を確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 畦塗り機
61、61’ 前処理部
62 耕耘軸
67 第1耕耘爪(耕耘爪)
67b、69b、70b 縦刃部
67c、69c、70c 横刃部
69、69’ 第2耕耘爪(耕耘爪)
70 第3耕耘爪(耕耘爪)
72 土壌保持空間
80 整畦部
90 走行機体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に装着され、該走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置に配置され、旧畦を切り崩して土盛りを行う前処理部及び盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を備え、前記走行機体の走行とともに進行して畦塗り作業を行う畦塗り機において、
前記前処理部は、所定方向に延びて回転自在に支持された耕耘軸と、
前記耕耘軸の軸心方向に所定間隔を有して複数列に設けられ前記耕耘軸とともに回転する耕耘爪を備え、
前記耕耘爪は、この取付基部から連続して延びる縦刃部及び横刃部を有し、前記縦刃部から前記横刃部にかけて回転方向と逆向きに弯曲するとともに、前記横刃部が前記縦刃部に対して一側方へ弯曲し、
前記複数列に設けられた前記耕耘爪のうち最前列以外に前記耕耘軸の軸心方向前側へ向く横刃部を有した耕耘爪を配置し、該耕耘爪はこの耕耘爪よりも前列側に配置されて横刃部が前記耕耘軸の軸心方向後側に向く耕耘爪と向き合うように配置され、
これらの向き合う耕耘爪の内側は、これら耕耘爪によって囲まれる土壌保持空間を形成していることを特徴とする畦塗り機。
【請求項2】
前記土壌保持空間を形成する、前記耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪と、前記耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪とは、前記耕耘軸の軸方向矢視において、横刃部から縦刃部の少なくとも一部が重なるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の畦塗り機。
【請求項3】
前記土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち前記耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪は、前記耕耘軸の軸方向矢視において、前記土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち前記耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪に対して、回転方向後方側又は略同一位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の畦塗り機。
【請求項4】
前記土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち前記耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪は、前記耕耘軸の軸方向矢視において、前記土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち前記耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪に対して、回転方向前方側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の畦塗り機。
【請求項5】
前記土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち前記耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪の回転軌跡と、平面視において前記土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち前記耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪の回転軌跡との間の軸心方向の間隔は、前記耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪の作用幅以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の畦塗り機。
【請求項6】
前記複数列に設けられた前記耕耘爪のうち最後列に配置された耕耘爪は、前記耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の畦塗り機。
【請求項7】
前記土壌保持空間を形成する耕耘爪のうち前記耕耘軸の軸心方向前側を向く横刃部を有する耕耘爪の回転半径は、前記耕耘爪の軸方向前側に隣接して前記耕耘軸の軸心方向後側を向く横刃部を有する耕耘爪の回転半径よりも小径であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の畦塗り機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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