説明

番組データ処理装置及び方法

【課題】この実施形態では、番組案内(EPG)情報から作成される番組表において、マルチチャンネルで放送される複数の番組の案内表示及び現在の予約状態などを分かり易くする。
【解決手段】実施形態では、番組情報処理モジュールが、マルチチャンネルで放送される複数の同一内容の番組の案内領域をそれぞれ個別に設定した番組表を作成する。判定モジュールが、前記複数の同一内容の番組の中の1つの番組の案内領域に録画予約情報が表示された場合、他の残りの番組の案内領域にも録画予約済みであることを示す録画予約情報を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、番組データ処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像装置には、番組データ処理装置が含まれる。番組データ処理装置は、放送局から送られてくる電子番組案内(EPG)情報を処理し、新聞などに見られる番組表と同じような番組表の表示用画像データを用意することができる。そして、番組データ処理装置は、操作指令に応じて、前記番組表を表示器に表示することができる。
【0003】
表示器に表示された番組表は、放送番組の確認用として利用できる。また番組表は、録画予約を行う場合にも利用できる。
【0004】
テレビジョン受信装置において、所望の番組の録画予約が実施される場合、通常は、以下のような処理が実行される。即ち、ユーザがリモートコントローラを操作し、例えば番組表の表示を指令するボタンを押す。すると、テレビジョン受信装置は、画面上に番組表を表示する。ユーザは、リモートコントローラを操作し、番組表上の所望の番組にカーソルを合わせる。このとき所望の番組を含むフレームがハイライトする。ユーザがリモートコントローラの決定ボタンを押すと、録画予約の対象として、当該所望の番組が特定される。続いて画面上には、録画予約を「する」、「しない」の選択項目が表示される。ユーザは、何れかの選択項目にカーソルを合わせ、決定ボタンを操作する。カーソルにより「する」が選択され、決定ボタンが押された場合、当該所望の番組の録画予約が行われる。カーソルにより「しない」が選択され、決定ボタンが押された場合、番組表の表示状態に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4492973号公報
【特許文献2】特開2006−115371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、地上デジタル放送では、マルチチャンネル放送番組という形態があり、同一放送業者が、異なる番組を同じチャンネルで放送する場合がある。地上デジタル放送では、1つチャンネルの放送帯域に1OFDMセグメントを13個使用している。その内の1つのセグメントを1セグメント放送用として使用し、携帯電話など向けた画像送信用に提供している。一方、残りの12セグメントは、高画質テレビジョン放送番組用として使用されるが、例えば、高画質を要しない放送の場合、1つの番組に4セグメントを割り当て、複数例えば3つの番組を放送することも可能である。
【0007】
上記マルチチャンネル放送の場合、番組データ処理装置は、マルチチャンネル用の番組表を作成する必要がある。一方、放送業者によっては、同一内容の番組をマルチチャンネルのすべてで放送する場合も考えられる。このような放送が行われた場合、全く同じ内容の番組が、同一時間帯に複数のチャンネルで放送されることになる。しかしこのような放送形態は、録画に関する新たな問題を生じることが予想される。
【0008】
そこで本実施形態では、番組案内(EPG)情報から作成される番組表において、マルチチャンネルで放送される複数の番組の案内表示及び現在の予約状態などを分かり易くすることができる番組データ処理装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、マルチチャンネルで放送される複数の同一内容の番組の案内領域をそれぞれ個別に設定した番組表を作成する番組情報処理モジュールと、
前記複数の同一内容の番組の中の1つの番組の案内領域に録画予約情報が表示された場合、他の残りの番組の案内領域にも録画予約済みであることを示す録画予約情報を設定する判定モジュールを有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態のテレビジョン受信装置の代表的な構成例を示すモジュール図である。
【図2】図1のテレビジョン受信装置を操作するために用いられるリモートコントローラの代表的な外観図である。
【図3】図1のテレビジョン受信装置の映像表示部に表示された番組表の代表的な例を示す図である。
【図4】番組表の作成の代表的な例を示すフローチャートである。
【図5】番組表を用いた録画予約手順の代表的な例を示すフローチャートである。
【図6】マルチチャンネルの番組の番組表の代表的な表示例を示す図である。
【図7】マルチチャンネルの番組の番組表の他の代表的な表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、テレビジョン放送受信装置41の主要な信号処理系を示している。本発明は、テレビジョン放送受信装置41の限定されるものではなく、情報記録再生装置にも適用可能であるが、ここでは、テレビジョン放送受信装置41を代表して説明する。
【0012】
BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ43で受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子44を介して衛星デジタル放送用のチューナ45に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0013】
チューナ45で選局された放送信号は、PSK(Phase Shift Keying)復調器46に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理部47に出力される。
【0014】
地上デジタル放送受信用のアンテナ48で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子49を介して地上デジタル放送用のチューナ50に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0015】
チューナ50で選局された放送信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器51に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、上記信号処理部47に出力される。
【0016】
また地上波アナログ信号を受信するアナログチューナ58も設けられている。アナログチューナ68で受信された信号は、アナログ復調器59で復調され信号処理部47に出力される。
【0017】
ここで、信号処理部47は、PSK復調器46から供給されたデジタルの映像信号及び音声信号と、OFDM復調器51から供給されたデジタルの映像信号及び音声信号と、アナログ復調器69から供給された映像信号及び音声信号と、さらにライン入力端子からの映像信号及び音声信号とに対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部52及び音声処理部53に出力している。例えば、信号処理部47は、入力した信号が符号化されている場合は、復号化処理を実施し、ベースバンドのデジタル映像信号及びオーディオ信号を出力することができる。逆に、ベースバンドのデジタル映像信号及びオーディオ信号を符号化して記録用のデジタル信号を得ることもできる。
【0018】
グラフィック処理部52は、信号処理部47から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(On Screen Display)信号生成部54で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。また、グラフィック処理部52は、信号処理部47の出力映像信号と、OSD信号生成部54の出力OSD信号とを選択的に出力することができる。また、グラフィック処理部52は、両出力をそれぞれ画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0019】
グラフィック処理部52から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部55に供給される。この映像処理部55は、入力されたデジタルの映像信号を、映像表示器14で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換し、映像表示器14に出力する。
【0020】
音声処理部53は、入力されたデジタルの音声信号を、スピーカ15で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換し、スピーカ15に出力する。
【0021】
このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部61によって統括的に制御されている。
【0022】
制御部61は、CPU(Central Processing Unit)(図示せず)等を内蔵している。操作部71からの操作情報を受けたとき、または、リモートコントローラ72から送出された操作情報を、受光部73を介して受信したとき、制御部61は、その操作内容が装置に反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0023】
制御部61は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)611と、該CPUに作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)612と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ613等を利用している。
【0024】
制御部61は、変調・復調器70を介して、外部ネットワーク(例えばインターネット)と接続可能である。従って制御部61は、外部ネットワークを介してプロバイダーのサーバーをアクセスし、該サーバーから各種の情報を取得することができる。
【0025】
制御部61は、カードI/F(Interface)75を介して、メモリカード77が装着可能なカードホルダ76に接続されている。これによって、制御部61は、メモリカード77と通信を行ない、情報の記録再生を行うことができる。
【0026】
制御部61は、通信I/F81を介してLAN端子82に接続されている。これにより、制御部61は、LAN端子21に接続されたLAN対応の機器(例えば録再装置、HDDなど)と、通信を行ない、情報の記録再生を行うことができる。この場合、制御部61は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバー機能を有し、LAN端子82に接続されたLAN対応の機器にIP(Internet Protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0027】
制御部61は、USB I/F83を介してUSB端子84に接続されている。これにより、制御部61は、USB端子84に接続された各機器(例えばハードディスクドライブ(HDD)91)と、通信を行ない、情報の記録再生を行うことができる。また制御部61は、HDMI I/F87を介してHDMI端子88に接続されている。これにより、制御部61は、i.HDMI端子88に接続された各機器(例えばDVD録再装置、ブルーレイ録再装置などの録再機器92など)と通信を行い、情報の記録再生を行なうことができる。
【0028】
制御部61は、記録再生処理モジュール630を含む。記録再生処理モジュール630は、上記HDD91或いは録再機器92に情報が記録されるとき、及び上記HDD91或いは録再機器92から情報が再生されるときに主となって記録再生動作の制御を行う。記録再生処理モジュール630は、記録信号をHDD91、録再機器92の記録フォーマットに適したフォーマットに変換することができる。またHDD91、録再機器92からの再生信号を信号処理部47で処理できるようにフォーマット変換することができる。
【0029】
制御部61は、明るさセンサー78と接続されている。制御部61は、明るさセンサー78の明るさ検出信号に応じて、例えば輝度調整、画面の明るさ調整、バックライトの調光などを行うことができる。
【0030】
制御部61は、カメラ79と接続されている。制御部61は、カメラ79からの画像信号を取り込み、画像信号を各種の処理のために利用することができる。
【0031】
制御部61は、電子番組案内(EPG)データベース621、番組情報処理モジュール622を含む。
【0032】
EPGデータは、放送番組信号とともに送られてくる付加情報(属性情報と称しても良い)である。付加情報は、番組の放送局情報、番組固有のID,番組、番組のジャンル、番組の内容を簡略化して記述したデータ、番組の放送開始時刻、放送時間の長さ、番組の製作者、製作者のコメントなどを含む場合がある。このようなEPGデータがEPGデータベース621として構築されている。
【0033】
番組情報処理モジュール622は、EPGデータを用いて、図2に示すような番組表111を作成することができる。また後述するように、番組情報に関する各種の表示出力を生成することができる。
【0034】
制御部61は、操作入力処理モジュール623を有する。操作入力処理モジュール623は、操作部71及びリモートコントローラ72から与えられる指令に応答して、装置全体の応答動作に反映させる。例えば、カーソルの移動動作、決定指令への応答、録画予約情報の生成、などである。
【0035】
制御部61は、判定モジュール624を有する。判定モジュール624は、装置動作に必要な各種の論理判定要素を含む。また制御部61は、録画予約処理モジュール625を有する。録画予約処理モジュール625は、番組録画予約情報の生成、格納、読出し、及び録画予約の設定などの処理を行う。判定モジュール624は、装置動作に必要な各種の論理判定を、EPGデータベース621、番組情報処理モジュール622、操作入力処理モジュール623、録画予約処理モジュール625、記録再生処理モジュール630、などと協働して行う。
【0036】
図2は、リモートコントローラ72の一例を示している。リモートコントローラ72は、電源スイッチ201を有し、この電源スイッチ201を押すことで、待機状態のテレビジョン受信装置がオフからオン、或いはオンからオフ状態に移行する。202は地上デジタル放送を受信したい場合に操作される地デジボタンであり、203は衛星放送を受信したい場合に操作されるBSボタン、204は、通信衛星放送を受信したい場合に操作されるCSボタンである。
【0037】
205は、1−12チャンネルの受信チャンネル選択ボタンである。受信チャンネルは、チャンネル切換ボタン206を操作しても切り換えることができる。211は、音量調整ボタンである。300は番組表ボタンであり、このボタンを操作すると、番組表の表示を得ることができる。311,312,313,314は、ページ切換ボタンであり、それぞれのボタン操作に応じて、表示されているテーブルの上又は下方向、左または右方向へのページ切換を得ることができる。302は、カーソル移動ボタンであり、カーソルを画面上で上又は下方向、左または右方向へ移動制御することができる。所望の位置へカーソルが位置したとき、決定ボタン302を押すことができる。決定ボタン302が押されたとき、カーソルに選択された項目が意味する動作が、装置に反映される。
【0038】
B,R,G,Yボタンは、青、赤、緑及び黄の色つきのボタンであり、各状態において一括操作のために利用することができる。このボタンの操作案内は、画面上で行われる。
【0039】
図3は、ボタン300を操作して、テレビジョン放送受信装置41の映像表示部57の画面に番組表400が表示された様子を示している。
【0040】
番組表400の上部右側には、現在の日と時刻(この例は、7月21日木曜、午後3時13分)が表示される(401)。番組表400の上部中央には、表示されている番組表400が、7月21日、木曜対応のものであることを示している(402)。また番組表400の上部左側には、番組表が地上デジタル放送の番組表であることを示している(403)。
【0041】
番組表400の左側の縦方向には、時間(PM3−PM8)が示されている(404)。また番組表400は、チャンネルごとに仕切られている。この例では、チャンネル1,2,6,7,及び8が示されている(405−411)。
【0042】
この番組表400には、同一チャンネル2が3列示されている。地上デジタル放送では、マルチチャンネル放送番組という形態があり、同一番組あるいは、異なる番組を同じチャンネルで放送する場合がある。地上デジタル放送では、1つチャンネルの放送帯域に1OFDMセグメントを13個使用している。その内の1つのセグメントを1セグメント放送用として使用し、携帯電話など向けた画像送信用に提供している。残りの12セグメントは、高画質テレビジョン放送番組用として使用されるが、高画質を要しない放送の場合、例えば1つの番組に4セグメントを割り当て、複数の番組を放送することも可能である。このようなマルチチャンネル放送番組の番組表は、図3に示すように表示される。チャンネル表示位置には、同じチャンネル番号2が表示され、テレビ局表示位置には、同じテレビ局の称号(この場合は、CDE−TV)が表示されている。ただし、チャンネル番号2にはサフィックスがあり、この例では、「021」、「022」、「023」と識別されている。
【0043】
マルチチャンネル放送では、異なる内容の番組を放送する場合もある。例えば7時30分から8時までの間、テレビ局CDE−TVでは、アニメAA,アニメVV,アニメXXが放送されることが番組表上に示されている(432、433、434)。
【0044】
なお番組表400に示されている「ABX−TV」、「CD−TV」、「HJK−TV」、「LMM−TV」は、テレビ局の称号の例である。
【0045】
番組表400において、各番組のパーティションエリアには、番組名、番組の案内などが記述されている。
【0046】
また番組表400の上で、録画予約されている番組がある場合には、予約されている番組の区画の例えば左側に赤いライン(視覚的な録画予約情報)が表示される。この番組表400の例であると、PM6時−PM7時までテレビ局ABX−TVで放送される番組「子供の広場」という番組が録画予約されている(ライン424)。またPM5時−PM6時までテレビ局CDE−TVで放送される番組「歴史A」という番組が録画予約されている(ライン425)。なお赤いラインは、色が限定されるものではなく、録画予約情報と認識しやすい予約マークであればよい。
【0047】
上記の番組表400は、画面上に現れているのは一部であり、ページ切換ボタンを操作することにより、上、又は下、又は左、又は右側に隠れている番組表を表示状態にすることができる。この操作を行うための案内マーク435が表示されている。またB,R,G,Yボタンを操作すると、どのような動作が得られるかが記述されている。
【0048】
次に録画予約処理モジュール625が主導となって動作する各種の録画予約について説明する。
【0049】
図4は、図1に示した装置において、番組表が作成されるときの動作を示すフローチャートである。図4の動作は、番組情報処理モジュール622が主導となって実行する。EPGデータが取得されてEPGデータベース621に格納される。EPGデータは、デジタルテレビジョン放送信号とともに送信されてくるパケット内から取得することができるし、また、インターネットを介して取得することも可能である。EPGデータは、定期的に、或いは装置の電源入力操作があったときに、更新される。
【0050】
番組情報処理モジュール622は、EPGデータから、番組を放送している放送局名の認識、チャンネルの認識、放送日時の認識を行うことが可能である(ステップSA1,SA2)。同一放送時間帯における、同一放送局名、番組名、チャンネル、さらには、番組情報として送られてくるサービスデータなどから、マルチチャンネルの放送番組の番組情報であるかどうかが判定される(ステップSA3)。
【0051】
現在判定している番組のEPGデータが、マルチチャンネルの放送番組の番組情報ではないと判定された場合、番組テーブル(番組表)において、認識した放送日時の行と、認識したチャンネルの列が交差する1つの領域を、番組テーブル上で確保(特定)する。そしてこの領域に対して、EPGデータベースと交信を行いながら、前記マルチチャンネルの放送番組の番組情報を記述する(ステップSA4,SA5)。
【0052】
次に、ステップSA3において、現在判定している番組のEPGデータが、マルチチャンネルの放送番組の情報であると判定された場合、マルチチャンネルを放送している放送局名の確認(チェック)、マルチチャンネル数の確認(チェック)、放送日時の確認(チェック)、が行われる。続いて、番組テーブル(番組表)において、認識した放送日時の行と、認識したマルチチャンネル数と同じ数の列が交差する、複数の領域(例えば図の例では3つの領域)を、番組テーブル上で確保(特定)する(ステップSA10)。次に、マルチチャンネルの放送番組は、互いに異なる内容であるのか、同じ内容であるのかの判定を行う(ステップSA11)。この判定は、番組情報に含まれる番組名、解説文、出演者名などから判定される。
【0053】
マルチチャンネルの放送番組は、互いに異なる内容である場合は、EPGデータベースと交信し、3つの領域のそれぞれに異なる番組の異なる番組情報を記述する(ステップSA11,SA12)。ステップSA11において、マルチチャンネルの放送番組は、同じ内容の番組であることが判明した場合、EPGデータベースと交信し、3つの領域のそれぞれに同じ番組の同じ番組情報を記述する(ステップSA11,SA13)。
【0054】
図6、図7は、それぞれ図3の番組表の一部を拡大して示している。番組表において複数の領域(例えば3つの領域811、812、813)は、マルチチャンネルの放送番組のために確保された領域である。また複数の領域(例えば3つの領域821、822、823)もマルチチャンネルの放送番組のために確保された領域である。
【0055】
領域811、812、813の番組情報は、マルチチャンネルの放送番組が同じ内容の番組である場合の情報である。したがって、番組情報としては例えば「歴史A」、「教授:BK・Jon」、「アシスタント:SK・Tom」が各領域811、812、813に記述される。
【0056】
一方、領域821、822、823の番組情報は、マルチチャンネルの放送番組が異なる内容の番組である場合の情報である。したがってこの場合は、番組情報としては、例えば「アニメAA」、「海の乗り物」が領域821、「アニメVV」、「空の乗り物」が領域822、そして「アニメXX」、「陸の乗り物」が領域823にそれぞれ記述される。
【0057】
上記のように番組表が表示された場合、録画予約が行われるときに、マルチチャンネルの放送番組に対する録画予約インフォメーションは以下のように行われる。ここでの動作は、主として判定モジュール624の主導のもとで実行される。
【0058】
図5を参照して説明する。リモートコントローラの番組表ボタン300、このボタンを操作すると、番組表の表示を得ることができる。ユーザがリモートコントローラを操作し、カーソルを移動させる。カーソルにより、番組表上で所望の番組(番組情報の領域)を選択し、決定ボタンの操作が行われる(ステップSB1)。ユーザが、録画予約の項目を選択して、録画予約を行うと、録画予約された番組は、マルチチャンネルの番組かどうかの判定がなされる(ステップSB2,SB3)。録画予約がされず、他のボタンが操作された場合は、他の処理ルーチンへ移行する(ステップSB11)。
【0059】
録画予約が行われ、録画予約された番組が、マルチチャンネルの番組であった場合、他の兄弟チャンネルの番組は、録画予約した番組と同一内容のものであるかどうかの判定がなされる(ステップSB4)。つまり、例えば、図6、図7に示した「歴史A」、「教授:BK・Jon」、「アシスタント:SK・Tom」の番組情報に対応する番組が録画予約されたかどうかの判定がなされる(ステップSB4)。ここで、他の兄弟チャンネルの番組が、録画予約した番組と同一内容のものである場合、録画予約された番組の案内領域に予約マーク(赤いライン425(視覚的な録画予約情報))が付加され、録画予約がなされる(ステップSB5,SB6)。このとき、視覚的な録画予約情報としての予約マーク428、426、427が案内領域811、812、813に表示されるように設定する。予約マーク428、426、427は、必ずしも時計のマークである必要はなく、要は、録画予約が行われていることがユーザに分ればよい。
【0060】
またこの予約マーク428、426、427は、判定モジュールの判定結果により自動的に設定されたものであり、ユーザが選択操作して録画予約した番組の録画予約情報(赤いライン425)とは視覚的に区別できることが好ましい。
【0061】
又このときの録画予約情報を見た場合、1つの番組の案内領域の録画予約情報と、他の残りの番組の案内領域の予約情報とは、前記番組表で指定されて選択された番組と、この番組に関連付けられた前記他の残りの番組を区別することができる情報として見る事ができる。
【0062】
またこの状況においては、案内領域812或いは813にカーソルを移動させて、決定ボタンを押し、録画予約を行うことを禁止される。禁止フラグは、例えば、領域812或いは813に対する番組情報に付加される(SB5)。
【0063】
もしこのような工夫がなされない場合、例えば、案内領域811、812、813に対応する番組情報をそれぞれ独立して録画予約することができ、ダビング10(1番組についてダビングを10回まで許す)という規則に違反することになる。そこでこの実施形態では、案内領域812或いは813にカーソルを移動させて、決定ボタンを押し、録画予約を行おうとしても、このときの録画予約は禁止される。またこのときは、画面上で「この番組はすでに録画予約済みです」と言うコメントを表示される。よって、案内領域811に対応する番組だけについて、ダビングを10回まで許し、他の領域からの同一番組の録画予約を禁止し、ルールに違反するようなダビングを防止できる。
【0064】
一方、同じマルチチャンネルによる放送番組であって、先に説明した「アニメAA」、「アニメVV」、「アニメXX」のような放送形態がある。この場合は、ステップSB3からステップSB12に移行する。ステップSB12では、指定された番組にする録画予約情報を設定することができる。この予約の手順は、マルチチャンネルの放送番組でない番組と同様な手順である。
【0065】
上記した録画予約の実施により、ユーザは、番組表上に、例えば図6に示すような録画予約状況を見ることができる。案内領域811の左端には、赤いライン425が表示されている。このことは、ユーザが録画予約する際に、案内領域811に示されている番組情報に対応した番組を録画予約したことを意味する。しかもこの番組はマルチチャンネルで放送される複数番組の中の1つの番組であり、他の番組の案内領域812、813には、すでに番組の録画予約がなされていることを示す予約マーク(予約情報と称してもよい)426,427が表示されている。
【0066】
赤いライン425は、案内領域811、812、813の何れか1つに表示されてもよい。いずれか1つに表示することは、例えば、テレビジョン受信装置が、少なくとも2つのデジタルチューナを有し、同一時間帯であっても他の番組の録画予約を行える場合に便利である。つまり、この時間帯に赤いラインが1つであることは、同一時間帯に他の番組を録画予約できることを意味する。このことはユーザの使い勝手を向上する。
【0067】
しかし、図7に示すように、赤いライン425,425−2,425−3を付加してもよい。例えばテレビジョン受信装置が、1つのデジタルチューナを有し、同一時間帯に他の番組の録画予約ができない装置の場合は、赤いライン425,425−2,425−3を付して、録画予約の有無の判断を容易にすることができる。
【0068】
一方、同じマルチチャンネルによる放送番組であっても、「アニメAA」、「アニメVV」、「アニメXX」のような放送形態の場合、それぞれの番組に対して録画予約を可能とする。このために、予約マークの表示は、通常の単独チャンネルの番組と同様に取り扱われる。図6、図7においては、アニメAAの番組と、アニメXXの番組に対する録画予約が行われていることを、予約マーク441、443により確認することができる。ただし、この予約は、テレビジョン受信装置が、2つのデジタルチューナを有し、同一時間帯に2つの番組の録画予約を可能とする装置である場合に可能である。
【0069】
上記の説明は、録画予約について説明した。しかしこの考え方は、録画予約時の対応に限定されるものではない。視聴予約、或いは録画設定、或いは録画状態に、装置の動作が移行した際、選択した番組がマルチチャンネルの放送番組である場合は、上記と同様な処置を行っても良い。即ち、ある番組に対して視聴予約を行った場合、ある番組がマルチチャンネルによる放送番組であり、他の兄弟番組も同一内容であれば、その視聴予約のマークが、他の兄弟番組の案内領域に表示される。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
41・・・テレビジョン放送受信装置、45、50、58・・・チューナ、46、51、59・・・復調器、47・・・信号処理部、53・・・音声処理部、55・・・映像処理部、56・・・スピーカ、57・・・映像表示部、61・・・制御部、71・・・操作部、72・・・リモートコントローラ、91・・・ハードディスクドライブ、92・・・録再機器、621・・・EPGデータベース、622・・・番組情報処理モジュール、623・・・操作入力処理モジュール、624・・・判定モジュール、625・・・録画予約処理モジュール、630・・・記録再生処理モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャンネルで放送される複数の同一内容の番組の案内領域をそれぞれ設定した番組表を作成する番組情報処理モジュールと、
前記複数の同一内容の番組の中の1つの番組の案内領域に録画予約情報が表示された場合、他の残りの番組の案内領域にも録画予約済みであることを示す録画予約情報を自動的に設定する判定モジュールを有する番組データ処理装置。
【請求項2】
前記1つの番組の案内領域の前記録画予約情報は、操作入力に応じて設定される情報であり、前記1つの番組の案内領域の前記録画予約情報と、前記判定モジュールにより自動的に設定された前記他の残りの番組の案内領域の前記録画予約情報とは、表示状態が視覚で区別することができる表示情報である請求項1記載の番組データ処理装置。
【請求項3】
前記判定モジュールは、前記他の残りの番組の番組情報に録画禁止フラグを追加する請求項2記載の番組データ処理装置。
【請求項4】
前記操作入力に応じて設定される前記1つの番組の案内領域の録画予約情報による予約マークは、前記番組表上で所定の色が着色されたラインで表示され、前記他の残りの番組の案内領域の予約情報は、前記ラインとは異なるマークで表示される請求項2記載の番組データ処理装置。
【請求項5】
前記他の残りの番組の案内領域にも、前記1つの番組の案内領域の録画予約情報による予約マークと同じ予約マークが設定される請求項2記載の番組データ処理装置。
【請求項6】
さらに前記判定モジュールは、前記複数の同一内容の番組の中の1つの番組の案内領域に視聴予約を示す視聴予約情報が表示された場合、他の残りの番組の案内領域にも視聴予約済みであることを示す予約情報を表示させる請求項1記載の番組データ処理装置。
【請求項7】
テレビジョン信号を受信するチューナと、前記チューナの復調出力を処理してベースバンドの映像信号を出力する信号処理部と、前記映像信号及びグラフィック映像信号を表示部に出力するグラフィック処理部とを制御部で制御する番組予約データ処理方法であって、前記制御部が、
マルチチャンネルで放送される複数の同一内容の番組の案内領域をそれぞれ個別に設定した番組表を作成し、
前記複数の同一内容の番組の中の1つの番組の案内領域に録画予約情報が表示された場合、他の残りの番組の案内領域にも録画予約済みであることを示す予約情報を設定する番組データ処理方法。
【請求項8】
前記制御部は、
前記1つの番組の案内領域の前記録画予約情報を、操作入力に応じて設定し、前記1つの番組の案内領域の前記録画予約情報と、前記判定モジュールにより自動的に設定された前記他の残りの番組の案内領域の前記録画予約情報とを、視覚で区別することができる表示情報とし、前記他の残りの番組の番組情報に録画禁止フラグを追加する請求7記載の番組データ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−26858(P2013−26858A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160337(P2011−160337)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】