説明

番組推薦装置及び番組推薦装置の番組推薦方法並びにプログラム

番組の内容を分類するためのカテゴリを評価するキーワードの重要性を反映させて、ユーザの嗜好を満足させる番組を推薦する番組推薦装置
を提供する。 キーワードとして登録し、キーワードにカテゴリ毎に寄与度を付与したカテゴリ辞書を有し、カテゴリ辞書のキーワードを用いて、EPGで示されている番組の番組情報に含まれる語句を検索し、キーワードと一致したとき、その寄与度をカテゴリ毎に累計する。各番組についてのカテゴリ毎に累計した累計値に応じたカテゴリ評価値を算出する。それらのカテゴリ評価値とカテゴリ毎のユーザ嗜好度との類似度からユーザの嗜好に合った番組を推薦する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EPG等のテレビ番組情報を用いて、ユーザの嗜好に合った番組を推薦する番組推薦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
番組推薦装置による番組推薦とは、ユーザが過去に視聴した番組に対するカテゴリ分析と、将来放送される番組に対するカテゴライズとを実行し、カテゴリ分析の結果と、カテゴライズの結果とにより推薦番組を決定する機能である。
カテゴリ分析は、ユーザが録画予約する度に、カテゴリ辞書と、EPG(Electronic Program Guide)とを用いて行われる。カテゴリ辞書とは、カテゴリとそのカテゴリに関連する複数のキーワードが登録されている辞書である。ユーザにより録画予約が行われると、番組推薦装置は、EPGから録画予約された番組の番組説明文を取り出す。そして取り出された説明文に、各カテゴリのキーワードが何個出現するかを計数する。ある番組の説明文には、様々な用語が含まれており、各カテゴリのキーワードにも様々なものがある。説明文中の各用語が、何れかのカテゴリのキーワードに一致する度に、そのカテゴリにおけるキーワードの出現数をインクリメントする。かかる計数処理により、録画予約された番組の説明文が、どのカテゴリのキーワードを多く含んでいるかが明らかになる。ここでユーザが視聴した番組には、チャネルを偶発的に選択したような番組も含まれるが、録画予約された番組は、ユーザが積極的意思をもって視聴しようとしたものである。その番組の説明文があるカテゴリのキーワードを多く含んでいるということは、ユーザがそのカテゴリの番組を強く嗜好していると解される。こうした計数を一ヶ月という期間において、録画予約がなされる度に繰り返す。そうするとユーザがどのカテゴリの番組を好んでいるかの番組嗜好の傾向が明らかになる。以上の処理でユーザが好むカテゴリを明らかにするのが、カテゴリ分析である。
【0003】
一方カテゴライズは、週の初め、月の初め等に、EPG、カテゴリ辞書を用いて行われる。つまり番組推薦装置は、週の初め、月の初め等にEPGを取得し、これから放送される予定がある番組の説明文を取り出す。そして、各カテゴリのキーワードが取り出された説明文に何個出現するかを計数する。各番組につき、カテゴリ毎の計数結果を得れば、各番組の説明文にどのカテゴリに属する用語が多く含まれているかが明らかになる。ある番組の説明文が特定のカテゴリの用語を多く含んでいる場合、その番組は、その特定のカテゴリに属すると考えられる。そのようにして、将来放送される番組の属するカテゴリを明らかにするのがカテゴライズである。
【0004】
カテゴリ分析にて、ユーザが多く視聴したとされるカテゴリが明らかになり、カテゴライズにて、将来放送される各番組がどのカテゴリに属するかが明らかになれば、将来の番組のうち、ユーザが多く視聴したとされるカテゴリに属するものを推薦番組として決定する。かかる処理によって、ユーザが見落としがちな番組についても推薦できるので番組の見忘れを防止することができる。
【0005】
番組の推薦方法には、例えば、カテゴリ分析で得られたカテゴリ毎の計数結果を用いて、将来放送される番組の各カテゴリに対する計数結果を重み付けし、重み付けの結果から上位の番組を推薦するという技術である。以上の説明からも分かるように、カテゴリ分析やカテゴライズという処理は、何れもカテゴリ辞書を用いたキーワード検索に依存しているところが大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、キーワードと一言で言っても、カテゴリにとって重要なキーワードと、あまり重要でないキーワードが存在する。重要なキーワードとは、そのカテゴリでしか用いられないような用語であり、特殊性を帯びたものである。重要でないキーワードとは、そのカテゴリ以外の他のカテゴリでも用いられるような汎用的な用語である。例えば「旅行」というカテゴリに対して、「宿泊」と「フランス」というキーワードが存在する場合を考える。「宿泊」というキーワードからは「旅行」という言葉が連想されるほど、「旅行」というカテゴリにとっては結びつきの強い重要なキーワードである。一方、「フランス」というキーワードは「旅行」以外にも他のカテゴリにも用いられる一般的なキーワードであり、「旅行」というカテゴリにとっては、あまり重要なキーワードではない。EPGの番組説明文には、そのカテゴリにとって重要なキーワードのみが使用されるとは限らない。カテゴリ辞書では、番組説明文に含まれる語句をキーワードとして登録しているので、あるカテゴリでは重要でないキーワードであっても、他のカテゴリでは重要なキーワードとなる。従来のカテゴリ分析やカテゴライズでは、番組説明文中に出現するキーワードの個数のみに注目しているので、ユーザの嗜好や番組の内容を正しくカテゴリ分析やカテゴライズすることができない。そのため、ユーザの嗜好に合った番組の推薦が正しくできない。
【0007】
また、番組内容を一つのカテゴリに分類したり、ユーザの嗜好傾向を一つのカテゴリで代表することも困難である。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、キーワードの各カテゴリでの重要性を考慮したキーワード辞書を用いて、番組内容を正しく反映したカテゴリに分類し、ユーザの嗜好傾向に合致した番組を推薦する番組推薦装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、ユーザの嗜好に合ったテレビ番組を推薦する番組推薦装置であって、各番組についての番組情報を記憶する番組情報記憶手段と、番組情報に含まれる語句をキーワードとして登録し、番組内容を分類するための各カテゴリ毎に前記キーワードの寄与度を記載したカテゴリ辞書と、各番組について、前記番組情報に含まれる語句とカテゴリ辞書に登録されたキーワードとを照合し、キーワードに一致したとき、各カテゴリ毎に寄与度を累計し、その累計値に応じたカテゴリ評価値を算出する評価値算出手段と、ユーザの嗜好傾向をカテゴリ毎に前記カテゴリ評価値に対応して数値化したユーザ嗜好度を記憶するユーザ嗜好度記憶手段と、各番組についてのカテゴリ評価値と前記ユーザ嗜好度との類似度からユーザの嗜好に合った番組を推薦する推薦手段とを備えることで達成できる。
【発明の効果】
【0009】
上述のような構成によって、各番組の内容をカテゴリ毎に反映したカテゴリ評価値を得ることができ、ユーザの嗜好傾向を各カテゴリ毎に示したユーザ嗜好度と前記カテゴリ評価値との類似度から番組を推薦するので、ユーザの嗜好に合った番組を推薦することができる。
ここで、ユーザの過去の視聴番組又は録画番組の履歴を記憶する履歴記憶手段と、前記評価値算出手段で算出された各番組についてのカテゴリ評価値を記憶しているカテゴリ評価値記憶手段と、前記履歴記憶手段に記憶されている各番組について、前記カテゴリ評価値記憶手段からカテゴリ評価値を取得し、カテゴリ毎にカテゴリ評価値を累計し、全てのカテゴリについての累計値に対する割合に応じて各カテゴリの前記ユーザ嗜好度として、前記ユーザ嗜好度記憶手段に記録するユーザ嗜好度分析手段とを更に備えることとしている。
【0010】
このような構成によって、ユーザの嗜好傾向をカテゴリ毎に数値化したユーザ嗜好度として、番組内容を分類するためのカテゴリ評価値と対応した値とすることができる。これによって、ユーザの嗜好に合った番組を推薦することが容易となる。
ここで、前記推薦手段は、各カテゴリについて、前記カテゴリ評価値と前記ユーザ嗜好度との差を計算し、この差を全カテゴリについて合算した値をカテゴリ数から減算した値を番組推薦度として算出する番組推薦度算出部と、番組推薦度算出部で算出された番組推薦度の高い番組を推薦番組として決定する推薦番組決定部とを有することとしている。
【0011】
このような構成によって、各番組について、各カテゴリ毎にカテゴリ評価値とユーザ嗜好度との差を用いてユーザの嗜好傾向に合うか否かを番組推薦度として算出するので、より確かに番組を推薦することができる。
ここで、各カテゴリを視覚的に識別する識別情報を記憶する記憶手段と、番組表内の各番組を当該番組についてのカテゴリ評価値が最大のカテゴリに分類するカテゴリ分類手段と、前記分類手段で分類されたカテゴリの識別情報に従い、各番組を分類されたカテゴリとして視認させる番組表を表示させる番組表表示制御手段とを更に備えることとしている。
【0012】
このような構成によって、ユーザが表示された番組表を見て、番組内容を大雑把に把握することができる。
ここで、表示された番組表から一の番組の指定を受け付ける番組指定受付手段を更に備え、前記表示制御手段は、指定された番組の前記番組推薦度を前記番組表とともに表示させることとしている。
【0013】
このような構成によって、ユーザは、番組表を見ながら、番組を指定すると、その番組の番組推薦度が表示されるので、ユーザ自身の嗜好度に合った番組であるか否かを容易に判断することができる。
ここで、前記ユーザ嗜好度記憶手段に記憶されているユーザ嗜好度を各カテゴリ毎に視覚的に識別できるよう表示させるユーザ嗜好度表示制御手段と、前記表示されているカテゴリ毎のユーザ嗜好度の変更指示をユーザから受け付ける変更指示受付手段と、受け付けられた変更指示に従い、前記ユーザ嗜好度記憶手段の内容を変更する変更手段とを備えることとしている。
【0014】
このような構成によって、ユーザは、自身の嗜好を修正したいときには、いつでも、そのユーザ嗜好度を変更して、推薦される番組を変えることができる。
ここで、前記履歴記憶手段に記憶されている番組で、前記評価値算出手段で算出された全てのカテゴリのカテゴリ評価値の合計が「0」である場合に、当該番組の番組情報に含まれる語句からキーワードを抽出して前記カテゴリ辞書に追加登録するキーワード追加手段と、所定期間に放送される各番組についてのカテゴリ評価値が最大のカテゴリに分類するカテゴリ分類手段と、前記キーワード追加手段で追加されたキーワードが所定期間の全番組の番組情報に出現する回数を分母とし、所定期間の前記カテゴリ分類手段で分類された一のカテゴリの番組の番組情報に出現する回数を分子とする値を当該一のカテゴリにおけるキーワードの寄与度として付与する寄与度付与手段とを更に備えることとしている。
【0015】
このような構成によって、カテゴリ辞書を番組の番組情報の変化に対応できるようにし、いつでもユーザの嗜好度に合った番組が推薦されるようにすることができる。
また、本発明の目的は、番組情報に含まれる語句をキーワードとして登録し、番組内容を分類するための各カテゴリ毎に前記キーワードの寄与度を記載したカテゴリ辞書を有し、ユーザの嗜好に合ったテレビ番組を推薦する番組推薦装置の番組推薦方法であって、各番組についての番組情報を記録する番組情報記録ステップと、各番組について、前記番組情報に含まれる語句とカテゴリ辞書に登録されたキーワードとを照合し、キーワードに一致したとき、各カテゴリ毎に寄与度を累計し、その累計値に応じたカテゴリ評価値を算出する評価値算出ステップと、ユーザの嗜好傾向をカテゴリ毎に前記カテゴリ評価値に対応して数値化したユーザ嗜好度を記録するユーザ嗜好度記録ステップと、各番組についてのカテゴリ評価値と前記ユーザ嗜好度との類似度からユーザの嗜好に合った番組を推薦する推薦ステップとを有することで達成できる。
【0016】
このような方法によって、各番組の内容をカテゴリ毎に反映したカテゴリ評価値を得ることができ、ユーザの嗜好傾向を各カテゴリ毎に示したユーザ嗜好度と前記カテゴリ評価値との類似点から番組を推薦するので、ユーザの嗜好度に合った番組を推薦することができる。
更に、上記目的は、番組情報に含まれる語句をキーワードとして登録し、番組内容を分類するための各カテゴリ毎に前記キーワードの寄与度を記載したカテゴリ辞書を有し、ユーザの嗜好に合ったテレビ番組を推薦する番組推薦装置に、各番組についての番組情報を記録する番組情報記録ステップと、各番組について、前記番組情報に含まれる語句とカテゴリ辞書に登録されたキーワードとを照合し、キーワードに一致したとき、各カテゴリ毎に寄与度を累計し、その累計値に応じたカテゴリ評価値を算出する評価値算出ステップと、ユーザの嗜好傾向をカテゴリ毎に前記カテゴリ評価値に対応して数値化したユーザ嗜好度を記録するユーザ嗜好度記録ステップと、各番組についてのカテゴリ評価値と前記ユーザ嗜好度との類似度からユーザの嗜好に合った番組を推薦する推薦ステップとを実行させるためのプログラムによって達成できる。
【0017】
このようなプログラムを番組推薦装置に適用することによって、ユーザの嗜好に合った番組を推薦することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
[図1]本発明に係る番組推薦装置の実施の形態1の構成図である。
[図2]EPG取得部で取得されるEPGの一例を示す図である。
[図3]カテゴリ辞書の一例を示す図である。
[図4]評価値算出部における各番組についてのカテゴリ毎の評価値算出処理のフローを示す図である。
[図5](a)各番組についてのカテゴリ毎の評価値を示す図である。(b)各番組の番組カテゴリ属性を示す図である。
[図6]ユーザ嗜好度分析部におけるカテゴリ分析処理のフローを示す図である。
[図7]カテゴリ別のユーザ嗜好度についての画面表示を示す図である。
[図8]番組推薦部におけるカテゴリ毎の推薦番組決定処理のフローを示す図である。
[図9](a)ユーザ嗜好度に対する閾値を上回ったカテゴリを「旅行」と判断していることを示す図である。(b)カテゴリ「旅行」に属する番組を抽出していることを示す図である。
[図10]カテゴリ「旅行」についての推薦番組を画面表示していることを示す図である。
[図11]番組推薦部におけるカテゴリを区別せずに推薦番組決定処理のフローを示す図である。
[図12]番組毎の推薦ランク値を示す図である。
[図13]番組毎の推薦ランク値に基づいて、推薦された番組を画面表示していることを示す図である。
[図14]キーワード更新部におけるキーワードの追加処理のフローを示す図である。
[図15]キーワード更新部におけるキーワードのマイカテゴリに対する寄与度更新処理のフローを示す図である。
[図16]キーワード更新部におけるキーワードのマイカテゴリ以外のカテゴリに対する寄与度更新処理のフローを示す図である。
[図17]キーワード更新部におけるキーワードの削除処理のフローを示す図である。
[図18]カテゴリ辞書の一例を示す図である。
[図19]各番組の番組説明に含まれているキーワードと、これらの番組がユーザの嗜好番組か否かについて示す図である。
[図20](a)各番組についてのカテゴリ毎の評価値を示す図である。(b)各番組の番組カテゴリ属性を示す図である。
[図21](a)全てのキーワードについて寄与度を更新した結果を示す図である。(b)全てのカテゴリについて寄与度が“0.00”のキーワードをカテゴリ辞書から削除した結果を示す図である。
[図22]本発明に係る番組推薦装置の実施の形態2の構成図である。
[図23]上記実施の形態のカテゴリ辞書記憶領域に記憶されているカテゴリ辞書の一例を示す図である。
[図24]上記実施の形態のカテゴリ識別情報記憶領域に記憶されているカテゴリ識別情報の一例を示す図である。
[図25]上記実施の形態の番組カテゴリ評価値記憶領域に記憶されている番組カテゴリ評価値の一例を示す図である。
[図26]上記実施の形態の番組カテゴリ記憶領域に記憶されている番組カテゴリの一例を示す図である。
[図27]上記実施の形態のユーザ嗜好度記憶領域に記憶されているユーザ嗜好度の一例を示す図である。
[図28]上記実施の形態の番組推薦度記憶領域に記憶されている番組推薦度の一例を示す図である。
[図29]上記実施の形態のGUI管理情報記憶領域に記憶されている番組表を表示するためのテンプレートの一例を示す図である。
[図30]上記実施の形態のGUI管理情報記憶領域に記憶されているユーザ嗜好度を表示するためのテンプレートの一例を示す図である。
[図31]上記実施の形態の番組推薦度算出のための番組カテゴリ評価値とユーザ嗜好度の具体例を示す図である。
[図32]上記実施の形態のユーザ嗜好度分析部で分析されたユーザ嗜好度をGUI制御部が表示させた表示例を示す図である。
[図33]上記実施の形態のGUI制御部の詳細な構成図である。
[図34]上記実施の形態の番組表と番組のおすすめ度をGUI制御部が表示させた表示例を示す図である。
[図35]上記実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0019】
1 入力受付部
2 EPG取得部
3 予約履歴取得部
4 RAM
5 CPU
6 ROM
7 評価値算出部
8 カテゴリ判定部
9 ユーザ嗜好度分析部
10 推薦番組決定部
11 キーワード更新部
12 表示制御部
2201 RAM
2202 制御部
2203 番組情報取得部
2204 ユーザ入力受付部
2205 デコーダ
2210 番組情報記憶領域
2211 ユーザ嗜好番組記憶領域
2212 カテゴリ辞書記憶領域
2213 カテゴリ識別情報記憶領域
2214 番組カテゴリ評価値記憶領域
2215 番組カテゴリ記憶領域
2216 ユーザ嗜好度記憶領域
2217 番組推薦度記憶領域
2218 推薦番組記憶領域
2219 GUI管理情報記憶領域
2220 キーワード更新部
2221 番組カテゴリ評価値算出部
2222 番組カテゴリ判定部
2223 ユーザ嗜好度分析部
2224 番組推薦度算出部
2225 推薦番組決定部
2226 ユーザ嗜好度調整部
2227 GUI制御部
2230 GUI生成部
2231 AVデコーダ
3301 期間番組情報取得部
3302 指定番組情報取得部
3303 カテゴリ識別部
3304 番組表作成部
3305 指定番組説明枠作成部
3306 評価値グラフ化部
3307 指定番組内容枠作成部
3308 表示情報合成部
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る番組推薦装置の実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る番組推薦装置の実施の形態1の構成図である。番組推薦装置は、入力受付部1、EPG取得部2、予約履歴取得部3、RAM4、CPU5、ROM6、表示制御部12から構成される。
【0021】
入力受付部1は、ユーザからの入力を受け付けて番組推薦装置における操作を行う機能を有する。入力受付部1における操作には、外部接続されたテレビ等の表示装置を見ながら、ユーザが視聴して面白かった番組をEPGから選択したり、ユーザがどのカテゴリの番組を好んでいるかを示すカテゴリ別のユーザ嗜好度を調整したりすること等が挙げられる。
【0022】
EPG取得部2は、放送波やインターネットを介して配信されるEPG等の番組情報を取得する。図2は、EPG取得部2で取得されるEPGの一例を示す図である。EPGは、本図で示されるように番組名、放送日時、放送局、出演者、番組説明、及びジャンルから構成される。そして、取得したEPGは、RAM4へ格納される。
予約履歴取得部3は、ユーザがどの番組を録画予約したかを示す予約履歴を、外部接続されたDVDレコーダなどの録画装置から取得する。そして、取得された予約履歴は、RAM4へ格納される。ここで取得される予約履歴とは、ユーザが録画予約した番組を特定するための放送日時と放送局などの情報のことである。また個々の番組に対してIDが割り付けられている場合には、IDのみを取得すればよい。
【0023】
RAM4は、推薦番組を決定する処理に用いられる各種情報を格納するメモリであり、EPG記憶領域、ユーザ嗜好番組記憶領域、カテゴリ辞書記憶領域、評価値記憶領域、番組カテゴリ記憶領域、ユーザ嗜好度記憶領域とがある。
EPG記憶領域は、EPG取得部2で取得したEPGが格納される記憶領域である。
ユーザ嗜好番組記憶領域は、ユーザ嗜好番組を特定する情報を格納する記憶領域である。予約履歴取得部3で取得された予約履歴によって示される番組がユーザが好んでいる番組として扱われる。そして、予約履歴で示される番組のみならず、ユーザが視聴した番組で面白かったものを、EPGでその番組を選択することによって、ユーザ嗜好番組として扱われる。そしてここでも、EPGのデータを全て格納するのではなく、番組を特定できる情報が格納される。
【0024】
カテゴリ辞書記憶領域は、カテゴリ辞書が格納される記憶領域である。カテゴリ辞書とは、複数のカテゴリと、複数のキーワードと、キーワードの各カテゴリに対する寄与度とが登録された辞書のことである。カテゴリ辞書で定義されているカテゴリとは、EPGで示されているジャンルとは別に設けられるものであり、EPGで示される番組を各カテゴリに属するキーワードを用いてカテゴリ毎に点数化し、ユーザの好んでいるカテゴリに属している番組から推薦するための枠組みである。そして、カテゴリ毎の点数化は、カテゴリ辞書のキーワードを用いて、EPGで示される番組の番組説明の項目を検索し、キーワードの出現回数をカウントした結果に、キーワードに付与された寄与度を掛け算することによってなされる。
【0025】
図3は、カテゴリ辞書の例を示している。本図で示されるように、複数のキーワードから構成されており、それぞれのキーワードに対して、各カテゴリに対する寄与度に応じて“0.00〜1.00”までの数値が付与されている。ここで、寄与度とは、各カテゴリに対するそれぞれのキーワードの重要度を示す数値であり、そのカテゴリでしか用いられないような特殊性を帯びたキーワードほど高い数値が付与される。例えば「宿泊」というキーワードは、カテゴリ「旅行」に対する寄与度が“1.00”となっており、そのキーワードは、そのカテゴリの評価値を算出するに際して、重要であることを示している。また、そのカテゴリに関連がなく、評価値を算出するに際して必要のないキーワードの場合には“0.00”が付与される。例えば「献立」というキーワードは、カテゴリ「旅行」に対して“0.00”が付与されているので、そのキーワードはカテゴリ「旅行」で評価値を算出する際には、考慮されないキーワードであることを示している。そして、本発明においては、“0.00”や“1.00”以外の数値を寄与度として与えることができる。これは、ある特定のカテゴリでのみ用いられるのではなく、複数のカテゴリで用いられるような一般的なキーワードの場合に与えられるものである。その例として「フランス」というキーワードが挙げられる。本図では、キーワード「フランス」の寄与度は、カテゴリ「旅行」では“0.30”、カテゴリ「グルメ」では“0.50”、カテゴリ「クッキング」では“0.10”と設定されている。これは、このような複数のカテゴリで用いられているキーワードがEPGの番組説明に多く含まれている場合において、カテゴリにとっての重要性を考慮した評価値の算出を行って、カテゴリの評価値の信頼性を高めている。そして、これらのキーワードとそれに対応する寄与度は、初期段階では予め初期設定された数値を使用するだけでなく、ユーザ嗜好番組に関する情報から更新させることができる。これにより、さらにユーザの嗜好に即した番組推薦を行うことが可能となる。
【0026】
評価値記憶領域は、カテゴリ辞書に登録されているキーワードを用いて、EPGの番組説明を検索しキーワードの出現回数をカウントして、それに対して重み付けして点数化された結果である、番組のカテゴリ毎の評価値が格納される記憶領域である。
番組カテゴリ記憶領域は、番組のカテゴリ毎の評価値に基づいて、番組がどのカテゴリに属しているかを判定された情報が格納される領域である。
【0027】
ユーザ嗜好度記憶領域は、ユーザがどのカテゴリの番組を好んでいるかの番組嗜好の傾向を示す、カテゴリ毎のユーザ嗜好度が格納される記憶領域である。
CPU5は、ROM6に格納されているプログラムを実行することによって、番組推薦装置における統合制御を行う。
ROM6は、番組推薦装置における様々な処理を実現するためのプログラムが格納される。本プログラムは、CPU5に読み取られてハードウェア資源と協働することで、評価値算出部7、カテゴリ判定部8、ユーザ嗜好度分析部9、推薦番組決定部10、キーワード更新部11と呼ばれる具体的手段として機能する。続いてROM6内の各機能部について説明する。
【0028】
評価値算出部7は、RAM4から読み出されたEPGの番組説明に含まれるキーワードについて、カテゴリ辞書のキーワードの寄与度を用いて、各番組についてのカテゴリ毎の評価値を算出する。そして、算出されたカテゴリ毎の評価値をRAM4の評価値記憶領域に格納する。図5(a)は、ここで算出された各番組についてのカテゴリ毎の評価値を示す図である。ここで、評価値が“0.00”というのは、EPGの番組説明の項目に含まれるキーワードの寄与度が、そのカテゴリにおいて全て“0.00”である、あるいはカテゴリ辞書には存在しないことを意味する。
【0029】
カテゴリ判定部8は、評価値算出部7で算出された各番組についてのカテゴリ毎の評価値が、設定されている閾値を上回っているか、あるいは下回っているかによって番組がどのカテゴリに属しているかを判定して、番組のカテゴライズを行う。そして、その結果をRAM4の番組カテゴリ記憶領域に格納する。図5(b)は、判定された番組カテゴリ属性を示す図である。ここで、属性が“TRUE”となっている項目は、その項目の評価値が閾値を上回っているので、そのカテゴリに属していると判定されたことを意味する。また、“FALSE”となっている項目は、その項目の評価値が閾値を下回っているので、そのカテゴリには属していないと判定されたことを意味する。
【0030】
ユーザ嗜好度分析部9は、ユーザが過去の所定期間内に録画予約した実績をカテゴリ分析してカテゴリ毎のユーザ嗜好度を得るための処理を行う。具体的には、RAM4のユーザ嗜好番組記憶領域に格納されている番組の中から過去の所定期間内の番組に基づいて分析がなされて、ここで得られたユーザ嗜好度をRAM4のユーザ嗜好度記憶領域に格納する。
推薦番組決定部10は、評価値算出部7で算出された番組についてのカテゴリ毎の評価値に対して、ユーザ嗜好度分析部9で得られたカテゴリ毎のユーザ嗜好度を重み付けし、番組の推薦ランク値を算出し、その結果に基づいて推薦番組を決定する。そして、決定された推薦番組に関する情報を表示制御部12へ受け渡す。
【0031】
キーワード更新部11は、カテゴリ辞書へのキーワードの追加処理と、キーワードの各カテゴリに対する寄与度の更新処理、そしてキーワードの削除処理を行う。キーワードの追加処理は、過去の所定期間内におけるユーザ嗜好番組に対する評価値に基づいてなされる。ユーザ嗜好番組の評価値が全カテゴリに対して“0.00”の場合、つまりユーザ嗜好番組に対応する番組説明に含まれるキーワードが、カテゴリ辞書に存在しない場合に行われる。そして、新たに追加されたキーワードも含めた、カテゴリ辞書内の全キーワードについて各カテゴリに対する寄与度の更新処理が行われる。過去の所定期間内における全番組の番組説明に含まれる対象となるキーワードの個数と、ユーザ嗜好番組の番組説明に含まれる対象となるキーワードの個数の割合に応じてカテゴリ毎に算出され更新される。そして、全キーワードについての処理が終了後、各カテゴリに対する寄与度が全カテゴリで“0.00”のキーワードが存在する場合には、そのキーワードはカテゴリ辞書より削除される。
【0032】
表示制御部12は、推薦番組決定部10で決定された推薦番組や、ユーザ嗜好度分析部9でカテゴリ分析して得られたユーザ嗜好度を、外部接続されたテレビ等の表示装置を用いてグラフ表示させるための制御を行う。また、グラフ表示を見て、入力受付部1でユーザが操作することによってユーザ嗜好度を変更させることができる。
ここでは、本発明に係る番組推薦装置の動作について具体例を交えながら説明する。
【0033】
図2にEPGの一例を示し、図3にカテゴリ辞書の一例を示す。図2、図3については既に説明を行っているのでここでは説明を割愛する。そして、このEPGで示された6つの番組から推薦番組を決定する方法について説明することとする。
最初に、EPGの番組説明に含まれるキーワードをカテゴリ辞書内のキーワードを用いて検索し、カテゴリ毎のキーワードの出現回数に対して、それぞれのキーワードに割り付けられた寄与度を重み付けして各番組についてのカテゴリ毎の評価値を算出する。ここでは、図4で示された評価値算出部7における各番組についてのカテゴリ毎の評価値算出処理のフローを用いて説明する。
【0034】
まず、RAM4に格納されているEPGより番組Pの番組説明を読み出す(ステップS1)。次に、カテゴリ辞書内のキーワードを用いて番組Pの番組説明を順に検索し、キーワードの出現回数をカウントして、それぞれのキーワードのカテゴリCに対する寄与度をRAM4のカテゴリ辞書より読み出す(ステップS2)。読み出されたキーワードのカテゴリCに対する寄与度を総和することによって、番組PのカテゴリCに対する評価値PE[C,P]を算出する(ステップS3)。全てのカテゴリについて、ステップS2からステップS3までの処理を行い(ステップS4)、そして全ての番組についてステップS1からステップS4までの処理を行った場合には(ステップS5)、各番組についてのカテゴリ毎の評価値算出処理を終了する。
【0035】
図5(a)は、上述のフローに基づいて算出された各番組についてのカテゴリ毎の評価値を示す図である。
そして、図5(b)は、図5(a)の結果に基づいて判定された各番組の番組カテゴリ属性を示す図である。ここでは閾値を“0.50“に設定しており、図5(a)で示された評価値に対して、この閾値を上回った場合は”TRUE“とし、そのカテゴリに属していると判定される。また、閾値を下回った場合には”FALSE“とし、そのカテゴリには属しないと判定を行ってそれぞれの番組をカテゴライズしている。本図で示されるように、番組「海外の歩き方」はカテゴリ「旅行」と「グルメ」の二つのカテゴリに属している。このように閾値の設定によっては、複数のカテゴリに渡って属しているケースもあり、カテゴリ毎に番組を推薦させる場合に影響がある。例えば閾値を低く設定すれば、カテゴリの判定が甘くなるので、広範囲の番組をユーザに推薦させることが可能であり、反対に閾値を高く設定すれば、カテゴリの判定が厳しくなるので、よりポイントを絞った推薦を行うこともできる。
【0036】
次に、ユーザ嗜好度を得るためのカテゴリ分析処理について説明する。図6で示されたユーザ嗜好度分析部9におけるカテゴリ分析処理のフローを用いて説明する。
まず、全ユーザ嗜好番組のカテゴリCに対する総評価値UPEsum[C]を“0”に設定する(ステップS11)。全てのカテゴリについてステップS11の処理を行い(ステップS12)、全ユーザ嗜好番組の総評価値TotalUPEsumを“0”に設定する(ステップS13)。次に、RAM4よりユーザ嗜好番組UPのカテゴリCに対する評価値PE[C,UP]を読み出す(ステップS14)。全ユーザ嗜好番組のカテゴリCに対する総評価値UPEsum[C]に、ユーザ嗜好番組UPのカテゴリCに対する評価値PE[C,UP]を加算する(ステップS15)。そして、全ユーザ嗜好番組の総評価値TotalUPEsumに、ユーザ嗜好番組UPのカテゴリCに対する評価値PE[C,UP]を加算する(ステップS16)。全てのカテゴリについてステップS14からステップS16までの処理を行い(ステップS17)、全てのユーザ嗜好番組について、ステップS14からステップS17までの処理を行った場合には(ステップS18)、全ユーザ嗜好番組のカテゴリCに対する総評価値UPEsum[C]を全ユーザ嗜好番組の総評価値TotalUPEsumで割り算することによって、カテゴリCに対するユーザ嗜好度UD[C]を算出する(ステップS19)。そして、全てのカテゴリについてステップS19の処理を行った場合には(ステップS20)、カテゴリ分析処理を終了する。
【0037】
このようにして得られたユーザ嗜好度は、図7のように画面表示させることができる。図7は、カテゴリ別のユーザ嗜好度を棒グラフで示す画面であり、外部接続された表示装置で表示される。本図のように、ユーザ嗜好度を棒グラフで表示させることによって、自らの番組嗜好傾向が、番組推薦装置側でどのように認識されているかを、ユーザが一目で確認できるという利点がある。ユーザ嗜好度分析部9によりカテゴリ別に得られたユーザ嗜好度は、一旦RAM4に格納される。そして、ユーザからの画面表示をさせる旨の指示を入力受付部1で受け付けることによって、RAM4からユーザ嗜好度を読み出し、表示制御部12で表示情報を生成する。ユーザはこの画面を見て、得られた結果に対して不満がある場合には、番組推薦装置のフロントパネルに配された入力部やリモコンからの操作によって、対象となるカテゴリの棒グラフgp1を選択し、一般的なテレビでの画質調整を行う場合と同様の操作を行って、自分の好みに合うように数値を変更することができる。また、ユーザ嗜好度を更新させる際に、あるカテゴリの数値を変更させずに固定しておきたい場合には、本図で示されるように対象となるカテゴリについて固定ボタンbn1を選択しておけばよい。
【0038】
次に、番組の推薦処理について説明する。番組の推薦方法には、カテゴリ毎に推薦させる方法と、カテゴリの区別をせずに全番組から推薦させる方法とがある。まずは、カテゴリ毎に推薦させる方法について図8で示されるフローを用いて説明する。
最初にRAM4よりカテゴリ別のユーザ嗜好度を読み出す(ステップS21)。読み出されたユーザ嗜好度の中で予め設定されている閾値を上回っているカテゴリを判断する(ステップS22)。ユーザ嗜好度が閾値を上回っていると判断されたカテゴリの属性値が“TRUE”の番組をRAM4より読み出す(ステップS23)。読み出された番組を評価値の大きい
順にソートし、推薦番組を決定する(ステップS24)。
【0039】
図9(a)、(b)は、上記のフローに基づいて推薦番組の決定方法を示す図である。図9(a)は、図7で説明したカテゴリ別のユーザ嗜好度を示す図であり、閾値を“70%”と設定されているものとすると、それを上回っているカテゴリである、カテゴリ「旅行」にカテゴライズされた番組が番組推薦の対象となる。そして図9(b)は、各番組におけるカテゴリ「旅行」の評価値と属性値とを示す図であり、属性値が“TRUE”である番組について、評価値の大きい順にソートすることで推薦番組が決定され、その結果を図10に示す。
【0040】
図10は、カテゴリ「旅行」における推薦番組を外部接続された表示装置で表示していることを示す図である。本図で示されるように、番組名、放送局、放送日時が表示される。本図では、カテゴリ「旅行」に属している4つの番組が全て推薦番組として表示されている。これは、予め番組の評価値に対する閾値を設定しておき、閾値を上回った番組だけを推薦させている。ここでは、閾値として“1.00”が設定されているものとする。
【0041】
次に、カテゴリの区別をせずに全番組から推薦させる方法について、図11で示されるフローを用いて説明する。
まずは、カテゴリCに対するユーザ嗜好度UD[C]を読み出す(ステップS31)。全てのカテゴリについてステップS31の処理を行う(ステップS32)。番組Pの推薦ランク値R[P]を“0”設定する(ステップS33)。番組PのカテゴリCに対する評価値PE[C,P]を読み出す(ステップS34)。カテゴリCに対するユーザ嗜好度UD[C]と番組PのカテゴリCに対する評価値PE[C,P]とを掛け合わせた値を、推薦ランク値R[P]に加算する(ステップS35)。全てのカテゴリについて、ステップS34からステップS35までの処理を行い(ステップS36)、全ての番組について、ステップS33からステップS36までの処理を行った場合には(ステップS37)、推薦ランク値の大きい順に番組をソートして推薦番組を決定する(ステップS38)。
【0042】
図12は、上述のフローで算出された番組毎の推薦ランク値を示す図である。ここで得られた番組毎の推薦ランク値が大きい順にソートされ、上位の番組がユーザに推薦される。
図13は、図12で示された番組毎の推薦ランク値に基づいて、推薦された番組を外部接続された表示装置で表示していることを示す図である。本図で示されるように、番組名、放送局、放送日時、カテゴリが表示される。ここで、番組「海外の歩き方」のカテゴリとしては、「旅行」が表示されているが、図5(b)で示されたようにカテゴリは「グルメ」にも属している。本実施形態では、このように複数のカテゴリに属している場合には、その中で評価値の最も高いカテゴリが代表カテゴリとして表示されているが、複数のカテゴリが表示されていてもよい。そして、本図では6つの番組が全て推薦番組として表示されている。これは、予め推薦ランク値に対する閾値が設定されており、その閾値を上回った番組が推薦されている。
【0043】
これまで、カテゴリ辞書に予め登録されているキーワードとそれに対応する寄与度を用いて各番組についてのカテゴリ毎の評価値や、ユーザ嗜好度の算出を行ってきた。本発明においては、それだけではなくカテゴリ辞書に登録されているキーワードと、それぞれのキーワードの各カテゴリに対する寄与度とを、ユーザ嗜好番組に基づいて更新させることができる。EPGの番組説明に使用されるキーワードには流行り廃りがあることから、番組説明に含まれるキーワードが初期段階で設定されているカテゴリ辞書には存在しないために、番組に対するカテゴリ毎の評価値が算出できない場合が考えられる。そうするとユーザの好みのカテゴリに属する番組であっても推薦されないという問題がある。また、全然使用されないキーワードが出てくることも考えられる。全然使用されないキーワードをカテゴリ辞書に残したままではメモリ容量を余分に消費してしまうという問題も起こる。そのため、カテゴリ辞書のキーワードと、その寄与度とを定期的に見直す必要がある。
【0044】
次に、キーワード更新部11でなされる処理について説明する。
図14〜図17で示されるキーワードの追加処理、マイカテゴリに対する寄与度更新処理、マイカテゴリ以外のカテゴリに対する寄与度更新処理、そしてキーワードの削除処理に関するフローを用いて、それぞれの処理についての説明を行う。
最初に図14で示されるキーワード追加処理について説明する。まず、RAM4より読み出したユーザ嗜好番組から、対象となる番組に対応するカテゴリ毎の評価値を読み出し、全てのカテゴリについて総和する(ステップS41)。そして、全てのカテゴリについて総和された評価値が0であるか否かを判断する(ステップS42)。0である場合、つまり、EPGで示される対象となる番組の番組説明に含まれている全てのキーワードがカテゴリ辞書に存在しない場合には、RAM4に格納されている名詞辞書を用いて、その番組説明に含まれるキーワードを抽出し、カテゴリ辞書に追加する(ステップS43)。そして全てのユーザ嗜好番組について処理を行った場合には(ステップS44)、キーワードの追加処理を終了する。
【0045】
次に図15で示されるキーワードのマイカテゴリに対する寄与度更新処理のフローについて説明する。ここでマイカテゴリとは、RAM4に格納されている全てのユーザ嗜好番組が、マイカテゴリという一つのカテゴリに属しているものとして定義されたものである。そして、実際にそれぞれの番組がカテゴリ判定部8によってカテゴライズされたカテゴリとは無関係なものである。マイカテゴリに属するキーワードの寄与度は、他のカテゴリの場合と同様に、評価値やユーザ嗜好度の算出などカテゴリ毎になされる処理に用いられる。キーワードの更新が一度も行われていない初期段階においては、マイカテゴリにおける全てのキーワードの寄与度は“0.00”であるため、図3で示されたカテゴリ辞書ではその記載は割愛している。それでは、フローについて説明を行う。
【0046】
まず、キーワードKの全番組の番組説明における出現回数NinPsum[K]と、キーワードKのユーザ嗜好番組の番組説明における出現回数NinUPsum[K]を“0”に設定する(ステップS51)。RAM4に格納されているEPGのうち過去の所定期間内の番組Pの番組説明を読み出す(ステップS52)。キーワードKの番組Pの番組説明における出現回数NinP[P,K]をカウントする(ステップS53)。キーワードKの番組Pの番組説明における出現回数NinP[P,K]を、キーワードKの全番組の番組説明における出現回数NinPsum[K]に加算する(ステップS54)。そして、番組Pがユーザ嗜好番組である場合には(ステップS55)、キーワードKの番組Pの番組説明における出現回数NinP[P,K]を、キーワードKのユーザ嗜好番組の番組説明における出現回数NinUPsum[K]に加算する(ステップS56)。そして、全ての番組について、ステップS52からステップS56までの処理を行った場合には(ステップS57)、キーワードKの全番組の番組説明における出現回数NinPsum[K]が“0”であるか否かの判断を行う(ステップS58)。
NinPsum[K]が“0”でない場合には、キーワードKのユーザ嗜好番組の番組説明における出現回数NinUPsum[K]をキーワードKの全番組の番組説明における出現回数NinPsum[K]で割り算することによって、キーワードKのマイカテゴリMCに対する寄与度KW[MC,K]を算出し、カテゴリ辞書内の寄与度KW[MC,K]を更新する(ステップS59)。ステップS58でNinPsum[K]が“0”の場合には、キーワードKのマイカテゴリMCに対する寄与度KW[MC,K]を更新しない(ステップS60)。あるいは寄与度を0に更新するとしてもよい。そして、カテゴリ辞書内の全てのキーワードについて処理を行った場合には(ステップS61)、キーワードのマイカテゴリに対する寄与度更新処理を終了する。
【0047】
次に図16で示されるキーワードのマイカテゴリ以外のカテゴリに対する寄与度更新処理のフローについて説明する。ここでは、マイカテゴリ以外のカテゴリとしてカテゴリCの場合について説明を行うこととする。まず、キーワードKの全番組の番組説明における出現回数NinPsum[K]と、キーワードKのカテゴリCに属するユーザ嗜好番組の番組説明における出現回数NinUPsum[C,K]を“0”に設定する(ステップS71)。RAM4に格納されているEPGのうち過去の所定期間内の番組Pの番組説明を読み出す(ステップS72)。キーワードKの番組Pの番組説明における出現回数NinP[P,K]をカウントする(ステップS73)。キーワードKの番組Pの番組説明における出現回数NinP[P,K]を、キーワードKの全番組の番組説明における出現回数NinPsum[K]に加算する(ステップS74)。そして、番組PがカテゴリCに属するユーザ嗜好番組である場合には(ステップS75)、キーワードKの番組Pの番組説明における出現回数NinP[P,K]を、キーワードKのカテゴリCに属するユーザ嗜好番組の番組説明における出現回数NinUPsum[C,K]に加算する(ステップS76)。そして、全ての番組について、ステップS72からステップS76までの処理を行った場合には(ステップS77)、キーワードKの全番組の番組説明における出現回数NinPsum[K]が“0”であるか否かの判断を行う(ステップS78)。NinPsum[K]が“0”でない場合には、キーワードKのカテゴリCに属するユーザ嗜好番組の番組説明における出現回数NinUPsum[C,K]をキーワードKの全番組の番組説明における出現回数NinPsum[K]で割り算することによって、キーワードKのカテゴリCに対する寄与度KW[C,K]を算出し、カテゴリ辞書内の寄与度KW[C,K]を更新する(ステップS79)。ステップS78でNinPsum[K]が“0”の場合には、キーワードKのカテゴリCに対する寄与度KW[MC,K]を更新しない(ステップS80)。あるいは寄与度を0に更新するとしてもよい。そして、カテゴリ辞書内の全てのキーワードについて処理を行った場合には(ステップS81)、キーワードのマイカテゴリ以外のカテゴリに対する寄与度更新処理を終了する。
【0048】
次に、図17で示されるキーワードの削除処理のフローについて説明する。まず、カテゴリ辞書からキーワードとそれに対応する各カテゴリに対する寄与度を読み出す(ステップS91)。全てのカテゴリで寄与度が“0”の場合には(ステップS92)、カテゴリ辞書から対象となるキーワードを削除する(ステップS93)。全てのキーワードについて処理を行った場合には(ステップS94)、キーワードの削除処理を終了する。
【0049】
次に、これまで説明を行ったキーワード更新部11におけるキーワードの追加処理と、寄与度更新処理と、キーワードの削除処理について具体例を交えながら説明を行う。
図18は、カテゴリ辞書の内容を示す図であり、図3で示されたカテゴリ辞書から抜粋したものである。
図19は、「番組A」〜「番組E」と、それぞれの番組の番組説明にどのようなキーワードが含まれているかを示した図であり、またこれらの番組がユーザの嗜好番組か否かについても示したものである。ここで、「番組A」〜「番組E」はRAM4に格納されているEPGのうち過去の所定期間の全番組を示すものである。また、これらの番組がユーザの嗜好番組であるか否かは、RAM4に格納されているユーザ嗜好番組に対象となる番組が存在するか否かで判断される。そして、本図で示されるように、「番組A」、「番組B」、「番組D」の番組情報に含まれている「市場」というキーワードが、図18で示されたカテゴリ辞書には存在しないことが分かる。
【0050】
図20(a)は、図4のフローで各番組についてのカテゴリ毎の評価値を算出した結果を示す図であり、図20(b)は、算出された各番組についてのカテゴリ毎の評価値から閾値を“0.50”として各番組をカテゴライズした結果を示す図である。「番組D」の番組説明は、カテゴリ辞書には存在しない「市場」というキーワードしか含まれていないことから、全てのカテゴリにおいて評価値は“0.00”となる。そこで、キーワード「市場」はカテゴリ辞書に追加される。
【0051】
次にキーワード「市場」の寄与度の算出方法について説明する。まず、マイカテゴリの場合について説明する。寄与度は、ユーザ嗜好番組に含まれるキーワードの個数を全番組に含まれるキーワードの個数で割ることによって算出される。全番組に含まれるキーワードの個数は3個、嗜好番組に含まれるキーワードの個数は2個であることから、マイカテゴリにおけるキーワード「市場」の寄与度は“0.67”と算出される。
【0052】
次に、マイカテゴリ以外のカテゴリの場合について説明する。マイカテゴリの場合と異なる点は、対象となるカテゴリにおけるユーザ嗜好番組に含まれるキーワードの個数を全番組に含まれるキーワードの個数で割る点である。カテゴリ「旅行」に属しているユーザ嗜好番組に含まれるキーワードの個数は0個であることから、カテゴリ「旅行」に対する寄与度は“0.00”と算出される。そして、カテゴリ「グルメ」、「クッキング」に属しているユーザ嗜好番組に含まれるキーワードの個数はそれぞれ1個なので、カテゴリ「グルメ」、「クッキング」に対する寄与度はそれぞれ“0.33”となる。その他のキーワードについても同様の方法で算出される。
【0053】
そして、全てのキーワードについて寄与度を更新した結果を図21(a)に示す。ここで得られた結果によって、全てのカテゴリについて寄与度が“0.00”のキーワードについてカテゴリ辞書から削除する。削除された結果を図21(b)に示す。
このように、カテゴリ辞書内のキーワードを定期的に更新させることによって、ユーザが好んでいるカテゴリに属する番組であるにもかかわらず、カテゴリ毎の評価値が算出できなかったために推薦されないという事態を防ぐことができる。
<補足>
以上、本発明に係る番組推薦装置について実施の形態1に基づいて説明したが、このような番組推薦装置を部分的に更に変形することもでき、本発明は上述した形態に限られないことは勿論である。即ち、
(1)実施の形態1では、カテゴリ辞書に登録されているキーワードの一例として名詞だけを示したが、勿論これに限定される必要はない。例えば、動詞であってもよいし、形容詞であってもよい。
【0054】
(2)実施の形態1では、各番組についてキーワードの検索を行うに当たって、EPGに示される番組説明に含まれるキーワードを対象とすると説明を行ったが、勿論これに限定される必要はない。例えば、番組名、出演者、ジャンル等、EPGの他項目に含まれるキーワードであってもよい。
(3)実施の形態1では、ユーザが視聴して面白いと感じた番組についてEPGで選択したものと、外部接続された録画装置にて録画予約した予約履歴に示された番組をユーザ嗜好番組とみなしたが、勿論これらに限定される必要はない。外部接続されたテレビでユーザが視聴した番組についてもユーザ嗜好番組とみなしてもよいし、録画予約した番組について、全ての番組をユーザ嗜好番組とみなすのではなく、再生された番組のみをユーザ嗜好番組とみなしてもよい。具体的な構成としては、テレビで視聴された番組に関する履歴を取得する視聴履歴取得部と、録画装置でどの番組が再生されたかの履歴を取得する再生履歴取得部と、取得した再生番組に関する履歴を参照して、それが予約履歴に存在する番組であるか否かを判断する再生判断部を設けることで実現される。視聴履歴と、EPGで選択した番組を示す情報については、RAM4のユーザ嗜好番組記憶領域に直接格納される。予約履歴に関しては一旦、RAM4の別領域に格納しておき、そして再生履歴取得部から再生番組に関する履歴を得て、再生判断部で読み出された予約履歴を照合し、予約履歴に存在する番組が再生されたと判断した番組についてのみRAM4のユーザ嗜好番組記憶領域に格納される。
【0055】
(4)実施の形態1では、番組推薦装置自身には、EPGや推薦された番組についての表示機能や、録画機能を有しないために、テレビや録画装置等のAV機器と接続して使用すると説明を行ったが、勿論このような構成に限定される必要はなく、テレビや録画装置に番組推薦装置の機能が備わった一体型の装置であってもよい。
(5)実施の形態1では、ユーザ嗜好度を得るためのカテゴリ分析の方法を、ユーザ嗜好番組について全カテゴリの評価値の総数における、各カテゴリの評価値の総数の占める割合から得られるとして説明を行ったが、勿論これに限定される必要はない。例えば、ユーザ嗜好番組全体における、各カテゴリに属するユーザ嗜好番組の占める割合であってもよいし、全番組での各カテゴリの評価値の総数における、ユーザ嗜好番組での当該カテゴリの評価値の総数の占める割合であってもよい。また、各カテゴリに属する番組における、ユーザ嗜好番組の占める割合であってもよい。
【0056】
(6)実施の形態1では、ユーザ嗜好度の画面表示方法を棒グラフで表示されるとして説明を行ったが、勿論これに限定される必要はない。例えば、円グラフ等であってもよい。また、ユーザ嗜好度の変更についても同様に、番組推薦装置のフロントパネルに配された入力部やリモコンからの操作に限定される必要はない。例えば、キーボード、タッチパネル、マウス、パッド、トラックボール等の入力機器による、クリック操作、ドラッグ操作等であってもよい。
【0057】
(7)実施の形態1では、カテゴリ毎の番組推薦を行う方法として、ユーザ嗜好度に対する閾値を設定しておき、設定された閾値を上回ったカテゴリに属する番組から推薦することとして説明を行ったが、勿論これに限定される必要はない。例えば、ユーザ嗜好度の最も大きいカテゴリに属する番組から推薦するとしてもよい。
(8)実施の形態1では、カテゴリ毎の番組推薦を行う方法としてカテゴリ「旅行」の評価値が高い番組から推薦したが、勿論これに限定される必要はない。カテゴリの区別をせずに推薦する場合と同様に推薦ランク値を算出し、その結果から番組を推薦してもよい。具体的には、カテゴリ毎の評価値と、それに対応するユーザ嗜好度とを掛け合わせて、それらを全カテゴリで総和した数値をそれぞれの番組の推薦ランク値とし、カテゴリ「旅行」に属する番組から、推薦ランク値の高い番組を推薦してもよい。
【0058】
(9)実施の形態1では、カテゴリ毎の番組推薦の際に推薦される番組数として、番組の評価値に対する閾値を設定しておき、閾値を上回った番組だけを推薦させることとして説明を行ったが、勿論これに限定される必要はない。例えば、対象となるカテゴリに属する番組数に当該カテゴリのユーザ嗜好度を掛け合わせて算出された値を推薦番組数としてもよい。
【0059】
また、与えられた推薦番組数に対して、全カテゴリのユーザ嗜好度を合計した値における対象となるカテゴリのユーザ嗜好度の割合を掛け合わせて算出された値を当該カテゴリの推薦番組数としてもよい。
(10)実施の形態1では、キーワード更新部11でなされるキーワード追加処理について、RAM4に格納されている名詞辞書を用いて、その番組説明に含まれる名詞をキーワードとして抽出すると説明を行ったが、勿論これに限定される必要はない。例えば、動詞や形容詞なども含んだ辞書を用いて、動詞や形容詞などがキーワードとして抽出されてもよい。
【0060】
(11)図4、図6、図8、図11、図14〜17に示したプログラムによる情報処理は、CPU、RAM、といったハードウェア資源を具体的に利用していることから、このプログラムは、単体で発明として成立する。実施の形態1は、番組推薦装置に組み込まれた態様で、本発明に係るプログラムの実施行為についての実施形態を示したが、番組推薦装置から分離して、実施の形態1に示したプログラム単体を実施してもよい。プログラム単体の実施行為には、これらのプログラムを生産する行為(I)、有償・無償によりプログラムを譲渡する行為(II)、貸与する行為(III)、輸入する行為(IV)、双方向の電子通信回線を介して公衆に提供する行為(V)、店頭展示、カタログ勧誘、パンフレット配布により、プログラムの譲渡や貸渡を、一般ユーザに申し出る行為(VI)がある。
【0061】
双方向の電子通信回線を介した提供行為(V)の類型には、提供者が、プログラムをユーザに送り、ユーザに使用させる行為や(プログラムダウンロードサービス)、プログラムを提供者の手元に残したまま、そのプログラムの機能のみを電子通信回線を通じて、ユーザに提供する行為(機能提供型ASPサービス)がある。
(実施の形態2)
図22は、本発明に係る番組推薦装置の実施の形態2の構成図である。この番組推薦装置は、RAM2201と、制御部2202と、番組情報取得部2203と、ユーザ入力受付部2204と、デコーダ2205とを備えている。
【0062】
RAM2201には、番組情報取得部2203で取得された番組情報を記憶する番組情報記憶領域2210と、ユーザ嗜好番組を記憶するユーザ嗜好番組記憶領域2211と、カテゴリ辞書を記憶するカテゴリ辞書記憶領域2212と、カテゴリ識別情報を記憶するカテゴリ識別情報記憶領域2213と、番組カテゴリ評価値を記憶する番組カテゴリ評価値記憶領域2214と、番組カテゴリを記憶する番組カテゴリ記憶領域2215と、ユーザ嗜好度を記憶するユーザ嗜好度記憶領域2216と、番組推薦度を記憶する番組推薦度記憶領域2217と、推薦番組を記憶する推薦番組記憶領域2218と、GUI管理情報を記憶するGUI管理情報記憶領域2219とが設けられている。
【0063】
制御部2202は、CPUからなり、キーワード更新部2220と、番組カテゴリ評価値演算部2221と、番組カテゴリ判定部2222と、ユーザ嗜好度分析部2223と、番組推薦度算出部2224と、推薦番組決定部2225と、ユーザ嗜好度調整部2226と、GUI制御部2227とを有する。
デコーダ2205は、GUI生成部2230とAVデコーダ2231とを有する。
【0064】
上記実施の形態1と共通する構成部分の説明は簡単にし、本実施の形態固有の構成部分について詳述する。
番組情報記憶部2210は、上記実施の形態1のRAM4のEPG記憶領域に相当し、番組情報を記憶している。
ユーザ嗜好番組記憶領域2211は、ユーザが過去に視聴した番組をユーザ嗜好番組として記憶している。上記実施の形態1では、予約履歴取得部3で録画予約履歴を取得して、録画予約された番組をユーザ嗜好番組としてその番組を識別する情報を記憶したけれども、本実施の形態では、ユーザ入力受付部2204において、ユーザが番組の視聴を選択したとき、その番組をユーザ嗜好番組として記憶させている。なお、このユーザ嗜好番組は、ユーザ毎に記憶される。例えば、ユーザ入力受付部2204は、テレビのリモコンでのチャネル選択や番組情報を表示して1つの番組の選択を受けたとき、併せてユーザを識別する情報の入力を受ける。ユーザが「太郎」の場合は、「1」、「花子」の場合は「2」と予め決められた識別子の入力を受け、識別子毎に番組を識別する情報が記憶される。
【0065】
カテゴリ辞書記憶領域2212には、カテゴリ辞書が記憶されている。
図23は、カテゴリ辞書の一例を示している。カテゴリ辞書2301には、番組情報に記載されている多数の語句をキーワード2302として登録し、各キーワードの各カテゴリへの寄与度2303が付与されている。このカテゴリは、番組を大まかに分類するとともに、カテゴリの組合わせによって番組を正確に分類することができる。
【0066】
ここで、寄与度2303は、各キーワードが汎用的な語句の場合、小さな値が付与され、カテゴリと強く結びついた特殊な語句の場合、大きな値が付与されている。
カテゴリ識別情報記憶領域2213には、各カテゴリを視覚的に識別するカテゴリ識別情報が記憶されている。
図24は、カテゴリ識別情報の一例を示す図である。カテゴリ識別情報2401には、各カテゴリ2402毎にカテゴリを識別する色彩2403が設定されている。この色彩2403は、例えば、番組情報を表示する際、各番組をカテゴリで大まかに分類して、各番組欄の背景色として表示するものである。また、キーワードに大きな寄与度が付与されている番組の説明文の語句は、その色彩で表示される。
【0067】
なお、ここでは、カテゴリ識別情報は、各カテゴリを色彩の異なる表示態様とすることにしているけれども、この表示態様に限るものではなく、例えば、各カテゴリのフォントを異なる表示態様とする等して、各カテゴリを視覚的に識別できる表示態様であれば何でもよい。
番組カテゴリ評価値記憶領域2214は、上記実施の形態1の評価値記憶領域に相当し、番組カテゴリ評価値を記憶している。
【0068】
図25は、番組カテゴリ評価値の一例を示す図である。番組カテゴリ評価値2501は、各番組2502に対する各カテゴリ毎の評価値2503を示している。ここで、評価値2503は、各番組の番組情報に含まれる各キーワードの寄与度をカテゴリ毎に集計した値である。
番組カテゴリ記憶領域2215には、番組カテゴリが記憶されている。
【0069】
図26は、番組カテゴリの一例を示す図である。番組カテゴリ2601は、各番組2062毎に番組の大まかな分類であるカテゴリ2603を示している。ここで、カテゴリ2603は、番組カテゴリ評価値2501の各番組2502で評価値2503が最大のカテゴリを示している。
ユーザ嗜好度記憶領域2216には、各ユーザの嗜好傾向を示すユーザ嗜好度が記憶されている。図27に示すように、ユーザ嗜好度2701は、ユーザ2702が過去に視聴した番組即ち、ユーザ嗜好番組記憶領域2211に記憶されている番組についての番組カテゴリ評価値の各カテゴリ毎の嗜好度2703をパーセント表示している。なお、上記実施の形態1の図7に示したユーザ嗜好度に相当するものである。
【0070】
番組推薦度記憶領域2217は、番組推薦度算出部2224で算出される、例えば現在接続されているTV画面に表示中の番組表に表示された番組についての番組推薦度を記憶している。
図28は、番組推薦度の一例を示す図である。番組推薦度2801は、ユーザ2802毎に各番組2803の推薦度2804が記載されている。ここで、推薦度は、カテゴリの総数を最大とする数値で表され、大きいほうがユーザの嗜好に一致していることを示している。ここでは、カテゴリの総数を「5」としている。この番組推薦度の算出方法については、後述する。
【0071】
推薦番組記憶領域2218は、ユーザに推薦した番組を記憶している。
GUI管理情報記憶領域2219は、番組表とユーザ嗜好度とを可視化するためのテンプレートを記憶している。
図29は、番組表を表示するためのテンプレートの一例を示す図である。テンプレート2901には、表示する番組表の放送月日の表示領域2902と、各カテゴリの識別情報2903と、番組表の表示領域2904と、指定された番組のおすすめ度2905と、番組紹介欄2906と、レーダーグラフ2907の表示領域が設けられている。
【0072】
各カテゴリの識別情報2903は、カテゴリ識別情報2401で示した色彩が表示されるが、この図では、まだ□内には何も表示されていない。
番組表の表示領域2904には、番組情報記憶領域2210から読み出された番組情報が表示される。
おすすめ度2905は、黒く表示された星の数で表されるが、テンプレートでは白抜きの星がカテゴリの総数分表示されている。
【0073】
番組紹介欄2906には、選択された番組の番組説明が表示される。
レーダーグラフ2907は、各カテゴリに対応する軸だけが表示されている。このレーダーグラフ2907には、ユーザ嗜好度2701と番組カテゴリ評価値2501との正規化された値がグラフ表示される。
図30は、ユーザ嗜好度を表示するためのテンプレートを示している。テンプレート3001には、レーダーグラフ3002の各カテゴリに対応する軸と、各カテゴリ3003に対応する棒グラフの表示領域3004と、棒グラフに対応した「固定」ボタン3005と「可変」ボタン3006とが設けられている。
【0074】
制御部2202は、図示しないROMに記憶された各プログラムに従い各処理動作を行う。
キーワード更新部2220は、上記実施の形態1のキーワード更新部11と対応する。
キーワード更新部2220は、ユーザ嗜好番組記憶領域2211に記憶されている番組において、番組カテゴリ評価値記憶領域2214に記憶されている全てのカテゴリのカテゴリ評価値の合計が「0」である番組について、番組情報記憶領域2210に記憶されている番組情報を読み出し、当該番組情報に含まれる語句を例えば名詞辞書等を用いてキーワードとして抽出し、カテゴリ辞書記憶領域2212に登録する。
【0075】
次に、登録したキーワードに寄与度を付与するため、以下の処理を行う。
キーワード更新部2220は、現時点から所定期間以前、例えば、最新の1ヶ月間の全番組の番組情報を取得し、キーワードとして抽出した語句Wが何回出現しているかを数える。例えば出現回数AT=10とする。次に、全番組が番組カテゴリ記憶領域2215でいずれのカテゴリに分類されているかを取得する。例えばカテゴリAに分類された番組が「3」番組ある場合に、その「3」つの番組の番組情報にキーワードとして抽出した語句Wが何回出現しているかを数える。例えば、出現回数AC=7とする。この場合に、キーワードとして抽出した語句Wの寄与度はAC/AT=0.7となる。この寄与度「0.7」を追加登録した語句WのカテゴリAの寄与度として付与し、カテゴリ辞書記憶領域2212に記載する。また、語句WがカテゴリBに分類された番組の番組情報に一度も出現しなければAC=0となり、カテゴリBの寄与度が「0」として記載される。
【0076】
番組カテゴリ評価値算出部2221及び番組カテゴリ判定部2222は、上記実施の形態1の評価値算出部7及びカテゴリ判定部8にそれぞれ相当する。
ユーザ嗜好度分析部2223は、ユーザ嗜好番組記憶領域2211に記憶されている各ユーザが視聴した番組の番組カテゴリ評価値算出部2221で算出された番組カテゴリ評価値2501からカテゴリ毎の嗜好度を求める。求められたユーザ嗜好度2701をユーザ嗜好度記憶領域2216に記録する。
【0077】
なお、上記実施の形態1では、本番組推薦装置を一人のユーザが使用するものとして、ユーザ毎の区別をしていなかったけれども、本実施の形態では、番組の視聴に当たり、視聴しているのがどのユーザであるのかをユーザ入力受付部2204から受け付けておき、ユーザ毎にユーザ嗜好度を求める。
番組推薦度算出部2224は、GUI制御部2227によって番組表が表示されているとき、表示されている番組の番組カテゴリ評価値記憶領域2214に記憶されている番組カテゴリ評価値と、番組表を表示させているユーザ嗜好度との類似度として、番組推薦度を算出する。算出した番組推薦度を番組推薦度記憶領域2217に記録する。
【0078】
図31は、番組推薦度を算出するための番組カテゴリ評価値とユーザ嗜好度との具体例を示している。ここで、番組カテゴリ評価値3101は、図25で示した評価値2503を0.0<=評価値<=1.0の範囲となるよう正規化している。ユーザ嗜好度3102も図27ではパーセント表示としていたけれども、ここでは、0.0<=嗜好度<=1.0で表している。
【0079】
番組推薦度Rは、以下の式(1)で算出される。
【0080】

【0081】
ここで、Nはカテゴリの総数である。図31ではカテゴリA−カテゴリEの「5」である。
番組推薦度算出部2224が「太郎」と「花子」との番組推薦度Rを式(1)を用いて算出する。
ユーザ「太郎」の番組Xの番組推薦度Rは、
R=5−(|1.0−1.0|+|0.0−0.0|+|0.1−0.3|+|0.9−0.8|+|1.0−1.0|)=5−(0+0+0.2+0.1+0)=5−0.3=4.7
ユーザ「花子」の番組Xの番組推薦度Rは
R=5−(|1.0−0.0|+|0.0−1.0|+|0.1−1.0|+|0.9−0.0|+|1.0−1.0|)=5−(1.0+1.0+0.9+0.9+0)=5−3.8=1.2
この算出結果から、番組Xの番組推薦度Rは、「太郎」に対しては「4.7」、「花子」に対しては「1.2」となり、番組Xは、太郎の嗜好には非常に類似度が大きく一致するけれども、花子の嗜好には適さないことになる。
【0082】
推薦番組決定部2225は、番組推薦度記憶領域2217に記憶されている番組推薦度の上位の番組を推薦番組として決定する。なお、上述の実施の形態の推薦番組決定部10についても、本実施の形態の番組推薦度算出部2224で算出された番組推薦度Rの上位の番組を推薦番組として決定してもよい。この場合、番組推薦度算出部2224は、指定された番組の番組推薦度Rを算出するだけでなく、番組情報に示されている各番組について、番組推薦度を算出するようすればよい。
【0083】
ユーザ嗜好度調整部2226は、ユーザからユーザ入力受付部2204を介して、ユーザ嗜好度の初期設定と、変更設定とを受け付け、ユーザ嗜好度記憶領域2216に記憶されているユーザ嗜好度2701を調整する。
ユーザ嗜好度2701は、ユーザが過去に視聴したユーザの好みの番組からカテゴリ毎のユーザ嗜好度が求められている。したがって、この番組推薦装置を導入した初期段階では、まだユーザ嗜好度が求められていない。そこで、ユーザからカテゴリ毎の好み、即ち、嗜好度を受け付け、ユーザ嗜好度としてユーザ嗜好度記憶領域2216に記録する。
【0084】
また、本装置を使用していると、ユーザ嗜好度は、ユーザ嗜好度分析部2223によって求められるけれども、そのユーザ嗜好度をユーザが変更したいと考えた場合、記憶されているユーザ嗜好度を変更できるようしている。
具体的には、初期設定の場合、図30に示したテンプレート3001を表示させ、各カテゴリ3003について「可変」ボタン3006を設定した後、各カテゴリの棒グラフの表示領域3004に棒グラフを描いた後、「固定」ボタン3005を設定する。これによって、ユーザのユーザ嗜好度がカテゴリ毎に設定できる。
【0085】
ユーザ嗜好度の変更の場合には、現在、ユーザ嗜好度記憶領域2216に記憶されているユーザ嗜好度を図32に示すように表示させたあと、変更したいカテゴリの「可変」ボタン3201を設定し、棒グラフ3202を伸縮した後、「固定」ボタン3203を設定する。ユーザ嗜好度調整部2226は、ユーザ嗜好度記憶領域2216に棒グラフの長さによって、変更後のカテゴリの嗜好度を記録する。
【0086】
GUI制御部2227は、本装置が接続されたTV画面に、推薦番組の表示、番組表の表示、指定された番組の番組推薦度の表示やユーザ嗜好度の設定や変更のための表示を行う。なお、詳細は後述する。
番組情報取得部2203は、上記実施の形態1のEPG取得部2と同様の構成である。
ユーザ入力受付部2204は、同様に入力受付部1と対応している。ユーザ入力受付部2204は、視聴番組が選択されているとき、ユーザの誰がその番組を視聴しているのかの入力を受け付け、ユーザ嗜好度分析部2223に通知する。これによって、ユーザ毎のユーザ嗜好度が分析でき、ユーザ毎の番組推薦が可能となる。
【0087】
GUI生成部2230は、GUI制御部2227の制御によって、表示画面を生成する。
AVデコーダ2231は、GUI生成部2230で生成された表示画面を映像出力する。
次に、GUI制御部2227の詳細について説明する。図33は、GUI制御部の詳細な構成図である。
【0088】
GUI制御部2227は、期間番組情報取得部3301と、指定番組情報取得部3302と、カテゴリ識別部3303と、番組表作成部3304と、指定番組説明枠作成部3305と、評価値グラフ化部3306と、指定番組内容枠作成部3307と、表示情報合成部3308とを有している。
期間番組情報取得部3301は、ユーザ入力部2204から番組表の表示指示の通知を受けると、番組情報記憶領域2210から現在時刻を含む所定時間、例えば2時間の番組の番組情報を取得し、番組表作成部3304に通知する。また、ユーザ入力受付部2204から表示された番組表から指定番組の通知を受けると、指定番組情報取得部3302に当該番組の番組情報を通知する。
【0089】
指定番組情報取得部3302は、ユーザ入力受付部2204から指定番組の通知を受け、期間番組情報取得部3301から指定番組の番組情報の通知を受けると、指定番組説明枠作成部3305とカテゴリ識別部3303とに番組紹介欄2906に表示させる番組説明文を通知する。また、評価値グラフ化部3306に指定された番組名を通知する。
カテゴリ識別部3303は、カテゴリ識別情報記憶領域2213から各カテゴリのカテゴリ識別情報を取り出し、番組表作成部3304と指定番組説明枠作成部3305と評価値グラフ化部3306とに通知する。また、指定番組情報取得部3302から通知された番組情報に含まれるキーワードについて、カテゴリ辞書記憶領域2212に記憶されているカテゴリ辞書を検索し、各キーワードに付与された寄与度の大きなカテゴリを指定番組説明枠作成部3305に通知する。
【0090】
番組表作成部3304は、期間番組情報取得部3301から通知された番組情報をGUI管理情報記憶領域2219に記憶されているテンプレート2901を取得して、番組表を作成する。この際、番組表の各番組の番組欄は、カテゴリ識別部3303から通知された識別情報に従い色彩を付す。また、番組表作成部3304は、番組表の表示領域2904の上方の各カテゴリの識別情報2903にも色彩を付し、番組表の月日2902にも数字を表示する。作成した番組表を表示情報合成部3308に通知する。
【0091】
指定番組説明枠作成部3305は、指定番組情報取得部3302から指定された番組の番組情報の通知を受けると、GUI管理情報記憶領域2219からテンプレート2901を読み出し、番組情報と番組紹介欄2906とを指定番組内容枠作成部3307に通知する。併せて、番組情報の説明に含まれるキーワードの色彩を通知する。
評価値グラフ化部3306は、カテゴリ識別部3303からカテゴリ識別情報の通知を受け、指定番組情報取得部3302から指定された番組名の通知を受けると、指定された番組名の番組のカテゴリ評価値を番組カテゴリ評価値記憶領域2214から読み出し、また、番組名を指定したユーザのユーザ嗜好度をユーザ嗜好度記憶領域2216から読み出す。GUI管理情報記憶領域2219から読み出したテンプレート2901のレーダーグラフ2907にカテゴリ評価値とユーザ嗜好度のグラフを表示し、指定番組内容枠作成部3307に通知する。
【0092】
指定番組内容枠作成部3307は、番組推薦度記憶領域2217から指定された番組の番組推薦度を読み出し、おすすめ度2905の☆印を番組推薦度に応じて色彩を変えて表示する。
併せて、指定番組説明枠作成部3305から通知された番組説明欄と評価値グラフ化部3306から通知されたレーダーグラフとを表示情報合成部3308に通知する。
【0093】
表示情報合成部3308は、番組表作成部3304で作成された番組表と、指定番組内容枠作成部3307から通知されたレーダーグラフ等を合成し、GUI生成部2230に通知する。
GUI生成部2230は、図34に示すようなGUI画面を生成する。GUI画面3401では、カテゴリ識別情報3402と番組表3403に斜線等でカテゴリを識別しているけれども、実際には、カテゴリ識別情報で識別される色彩が付与されている。
【0094】
このGUI画面3401では、おすすめ度3404、番組説明欄3405及びレーダーグラフ3407の「●」印で示す番組のカテゴリ評価値3408は、ユーザが指定した番組表3403の番組3409に関するものである。
この番組表3403では、各番組をカテゴリ評価値が最大のカテゴリに大まかに分類して表示させ、ユーザが番組を指定すると、その番組についてのおすすめ度3405を色彩を変えた星の数で表し、ユーザ嗜好度3410と番組のカテゴリ評価値3408とをレーダーグラフに表し、番組説明欄3406に番組説明を表示している。これによって、ユーザは、番組を視聴するか否かを簡単に判断することができる。
【0095】
例えば、おすすめ度3405の色彩を変えた星の数が少ないときには、別の番組を指定して、ユーザ嗜好度に合った番組を選ぶことができる。
次に、本実施の形態の主要動作である番組推薦度の表示動作について、図35のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ユーザ入力受付部2204は、ユーザからの番組表の表示指示を待つ(S3502)。番組表の表示指示が有れば、期間番組情報取得部3301は、所定期間の番組情報を取得する(S3504)。
【0096】
番組表作成部3304は、この番組情報に従い、番組表を作成し、GUI生成部2230を介して、TV画面に番組表を表示させる(S3506)。
次に、ユーザ入力受付部2204は、ユーザから表示中の番組表の中から1つの番組の指定を受けるのを待つ(S3508)。
評価値グラフ化部3306は、番組カテゴリ評価値記憶領域2214から指定された番組の正規化されたカテゴリ評価値を取得し(S3510)、ユーザ嗜好度記憶領域2216から正規化されたユーザ嗜好度を取得する(S3514)。
【0097】
なお、ここで正規化されたカテゴリ評価値とは、番組についての各カテゴリのカテゴリ評価値の最大値を「1.0」とし、最小値を「0.0」としたカテゴリ評価値をいい、また、正規化されたユーザ嗜好度とは、各ユーザについて、各カテゴリのユーザ嗜好度の最大値を「1.0」とし、最小値を「0.0」としたユーザ嗜好度をいう。
評価値グラフ化部3306は、レーダーグラフを生成し(S3514)、GUI生成部2230を介して、TV画面にレーダーグラフを表示させる。
【0098】
番組推薦度算出部2224は、指定された番組のカテゴリ評価値とユーザ嗜好度とから番組推薦度Rを式(1)により計算し、番組推薦度記憶領域2217に記録する(S3516)。
指定番組内容枠作成部307は、番組推薦度記憶領域2217から指定された番組の番組推薦度Rを読み出し、四捨五入して整数値とし、おすすめ度の星の色をRの数だけ変えて、GUI生成部2230を介して表示画面に表示させる(S3518)。
【0099】
指定された番組のおすすめ度等を見たユーザが指定番組を視聴番組として選択したか否かを判定し(S3520)、選択されれば処理を終了し、選択されなければS3508に戻る。
なお、本実施の形態では、番組推薦装置を外部のテレビ等に接続して使用するよう説明したけれども、テレビ受信機や録画装置更にセットトップボックスと一体的に組み込まれて用いられてもよいのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明に係る番組推薦装置は、それぞれのキーワードに対して、カテゴリにとっての重要度を考慮した番組の評価値を算出できるので、より高い精度でユーザの嗜好に適う番組を推薦することができる。よって、録画装置、テレビ等と接続して又は一体化して使用するAVシステムに有用である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの嗜好に合ったテレビ番組を推薦する番組推薦装置であって、
各番組についての番組情報を記憶する番組情報記憶手段と、
番組情報に含まれる語句をキーワードとして登録し、番組内容を分類するための各カテゴリ毎に前記キーワードの寄与度を記載したカテゴリ辞書と、
各番組について、前記番組情報に含まれる語句とカテゴリ辞書に登録されたキーワードとを照合し、キーワードに一致したとき、各カテゴリ毎に寄与度を累計し、その累計値に応じたカテゴリ評価値を算出する評価値算出手段と、
ユーザの嗜好傾向をカテゴリ毎に前記カテゴリ評価値に対応して数値化したユーザ嗜好度を記憶するユーザ嗜好度記憶手段と、
各番組についてのカテゴリ評価値と前記ユーザ嗜好度との類似度からユーザの嗜好に合った番組を推薦する推薦手段とを備えることを特徴とする番組推薦装置。
【請求項2】
ユーザの過去の視聴番組又は録画番組の履歴を記憶する履歴記憶手段と、
前記評価値算出手段で算出された各番組についてのカテゴリ評価値を記憶しているカテゴリ評価値記憶手段と、
前記履歴記憶手段に記憶されている各番組について、前記カテゴリ評価値記憶手段からカテゴリ評価値を取得し、カテゴリ毎にカテゴリ評価値を累計し、全てのカテゴリについての累計値に対する割合に応じて各カテゴリの前記ユーザ嗜好度として、前記ユーザ嗜好度記憶手段に記録するユーザ嗜好度分析手段とを更に備えることを特徴とする請求項1記載の番組推薦装置。
【請求項3】
前記推薦手段は、
各カテゴリについて、前記カテゴリ評価値と前記ユーザ嗜好度との差を計算し、この差を全カテゴリについて合算した値をカテゴリ数から減算した値を番組推薦度として算出する番組推薦度算出部と、
番組推薦度算出部で算出された番組推薦度の高い番組を推薦番組として決定する推薦番組決定部とを有することを特徴とする請求項2記載の番組推薦装置。
【請求項4】
各カテゴリを視覚的に識別する識別情報を記憶する記憶手段と、
番組表内の各番組を当該番組についてのカテゴリ評価値が最大のカテゴリに分類するカテゴリ分類手段と、
前記分類手段で分類されたカテゴリの識別情報に従い、各番組を分類されたカテゴリとして視認させる番組表を表示させる番組表表示制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項2記載の番組推薦装置。
【請求項5】
表示された番組表から一の番組の指定を受け付ける番組指定受付手段を更に備え、
前記表示制御手段は、指定された番組の前記番組推薦度を前記番組表とともに表示させることを特徴とする請求項4記載の番組推薦装置。
【請求項6】
前記ユーザ嗜好度記憶手段に記憶されているユーザ嗜好度を各カテゴリ毎に視覚的に識別できるよう表示させるユーザ嗜好度表示制御手段と、
前記表示されているカテゴリ毎のユーザ嗜好度の変更指示をユーザから受け付ける変更指示受付手段と、
受け付けられた変更指示に従い、前記ユーザ嗜好度記憶手段の内容を変更する変更手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の番組推薦装置。
【請求項7】
前記履歴記憶手段に記憶されている番組で、前記評価値算出手段で算出された全てのカテゴリのカテゴリ評価値の合計が「0」である場合に、当該番組の番組情報に含まれる語句からキーワードを抽出して前記カテゴリ辞書に追加登録するキーワード追加手段と、
所定期間に放送される各番組についてのカテゴリ評価値が最大のカテゴリに分類するカテゴリ分類手段と、
前記キーワード追加手段で追加されたキーワードが所定期間の全番組の番組情報に出現する回数を分母とし、所定期間の前記カテゴリ分類手段で分類された一のカテゴリの番組の番組情報に出現する回数を分子とする値を当該一のカテゴリにおけるキーワードの寄与度として付与する寄与度付与手段とを更に備えることを特徴とする請求項2記載の番組推薦装置。
【請求項8】
番組情報に含まれる語句をキーワードとして登録し、番組内容を分類するための各カテゴリ毎に前記キーワードの寄与度を記載したカテゴリ辞書を有し、ユーザの嗜好に合ったテレビ番組を推薦する番組推薦装置の番組推薦方法であって、
各番組についての番組情報を記録する番組情報記録ステップと、
各番組について、前記番組情報に含まれる語句とカテゴリ辞書に登録されたキーワードとを照合し、キーワードに一致したとき、各カテゴリ毎に寄与度を累計し、その累計値に応じたカテゴリ評価値を算出する評価値算出ステップと、
ユーザの嗜好傾向をカテゴリ毎に前記カテゴリ評価値に対応して数値化したユーザ嗜好度を記録するユーザ嗜好度記録ステップと、
各番組についてのカテゴリ評価値と前記ユーザ嗜好度との類似度からユーザの嗜好に合った番組を推薦する推薦ステップとを有することを特徴とする番組推薦方法。
【請求項9】
番組情報に含まれる語句をキーワードとして登録し、番組内容を分類するための各カテゴリ毎に前記キーワードの寄与度を記載したカテゴリ辞書を有し、ユーザの嗜好に合ったテレビ番組を推薦する番組推薦装置に、
各番組についての番組情報を記録する番組情報記録ステップと、
各番組について、前記番組情報に含まれる語句とカテゴリ辞書に登録されたキーワードとを照合し、キーワードに一致したとき、各カテゴリ毎に寄与度を累計し、その累計値に応じたカテゴリ評価値を算出する評価値算出ステップと、
ユーザの嗜好傾向をカテゴリ毎に前記カテゴリ評価値に対応して数値化したユーザ嗜好度を記録するユーザ嗜好度記録ステップと、
各番組についてのカテゴリ評価値と前記ユーザ嗜好度との類似度からユーザの嗜好に合った番組を推薦する推薦ステップとを実行させるためのプログラム。

【国際公開番号】WO2005/048587
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【発行日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515442(P2005−515442)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016739
【国際出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】