説明

異なるデータ・フォーマットの位置コンテンツデータを交換するための方法及びシステム

【課題】異なるデータ・フォーマットの位置コンテンツデータを交換するための方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】異なるデータ・フォーマットの位置コンテンツデータを交換するための方法及びシステムが開示される。第三者システムは、位置コンテンツを取得し、付加し、修正し、又は削除するための要求を行う。要求は、第1のデータ・フォーマットで行われる。データ交換システムは、要求を受信し、該要求を位置参照システムによりサポートされる第2のデータ・フォーマットに変換し、該要求を位置参照システムに送信する。位置参照システムは、要求への応答を準備し、該応答をデータ交換システムに送信する。データ交換システムは、応答を第1のデータ・フォーマットに変換し、該応答を第三者システムに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、位置ベースシステムに関し、より具体的には、異なるデータ・フォーマットの位置コンテンツデータを交換するための方法及びシステムに関する。
【0002】
(関連出願の参照)
本特許出願は、同じ日に出願された同時係属特許出願、すなわち「METHOD AND SYSTEM FOR ASSESSING QUALITY OF LOCATION CONTENT」という名称の特許出願番号第12/362,734号、「METHOD AND SYSTEM FOR MANAGING RELATIONSHIPS BETWEEN LOCATION IDENTIFIERS」という名称の特許出願番号第12/362,751号、「METHOD AND SYSTEM FOR REFRESHING LOCATION CODE DATA」という名称の特許出願番号第12/362,767号、及び「METHOD FOR REPRESENTING LINEAR FEATURES IN A LOCATION CONTENT MANAGEMENT SYSTEM」という名称の特許出願番号第12/362,786号に関連する。
【背景技術】
【0003】
ナビゲーション関連サービス及び地図関連サービスを提供する各種の技術が開発されている。例えば、車両ナビゲーション・システムは、車両が位置する場所を特定し、所望の目的地に移動するための方向を与えることができる。また、地図、指定されたスタート地点から所望の目的地に移動するための方向、及び他の地図関連サービスを提供するインターネットサイトも入手可能である。さらに、自分の位置を確認し、その周囲の地図を提供する手持ち式装置も利用可能である。
【0004】
これらの及びその他の地図関連機能及び特徴を提供するために、ナビゲーション・システムは、地理データを使用する。地理データは、地理的地域における物理的特徴を表すデータを含む、1つ又はそれ以上の地理データベースの形態とすることができる。地理データベースは、一方通行路のような表された地理的特徴、道路の位置、道路区間に沿った速度規制、道路区間に沿った住所範囲、道路の交差点における転回規制、一方通行路のような通行方向規制についての情報を含む。さらに、地理データは、レストラン、ホテル、空港、ガソリンスタンド、スタジアム、警察署などの、関心ある地点(point of interest)を含むことができる。
【0005】
この地理データは、イリノイ州シカゴ所在のNAVTEQ North America,LLC社が発行した地理データベースのような地理データベース内に格納することができる。地図提供業者(map vendor)が取得したデータに加えて、コンテンツ供給源は、地理的区域における位置に関するデータを保有する。コンテンツ供給源は、地理データベース内に含ませるために、それらのデータを地図提供業者に与えることができる。例えば、レストランチェーンの所有者は、それらの全ての位置の最新リストを地図提供者に与えることができ、その位置ごとに、このリストは、住所、電話番号、営業時間、メニュー、ウェブページアドレス、位置に関する他の情報を含むことができる。
【0006】
地理データベース内に格納された情報量が増加するにつれて、地図提供業者が第三者のデータを地理データベースに付加することがより困難になる。結果として、位置コンテンツ管理システムが開発され、複数の関係者(party)が、時として「位置コンテンツ」又は単に「コンテンツ」と呼ばれる位置に関連したデータを提供できるようになった。位置コンテンツ管理システムは、位置コンテンツ及びコンテンツと関連付けられた地理的位置との間のリンクを提供する。このリンクは、位置コンテンツ管理システムがある位置に割り当てた位置コードである。
【0007】
位置コードは、人が移動できる任意の位置に割り当てられる。例えば、ある人が、ある地理的区域内の特定のビルの特定の階にある事務所に行きたい場合がある。この例を使うと、位置コンテンツ管理システムはまた、事務所、階、及びビルのそれぞれにも位置コードを割り当てる。位置コンテンツ管理システムはまた、その階がビルの1階にない場合、階段及び/又はエレベータに位置コードを割り当てることもできる。このように位置コードを割り当てることにより、ナビゲーション・システムは、ビル内の事務所に行くための経路案内をユーザに提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
位置コンテンツ管理システムは、位置に関するコンテンツを提供する方法を複数の関係者)に提供するが、位置コンテンツ管理システムにおける新たな特徴及び改善の余地が引き続き存在する。1つの改善領域は、位置コンテンツ管理システムと位置コンテンツを位置コンテンツ管理システムに提供する及び/又は位置コンテンツ管理システムから位置コンテンツを取得するシステムとの間の通信を容易にすることである。これらのシステムにより様々なデータ・フォーマットが使用され得るため、通信においてどのデータ・フォーマットが用いられるかに関係なく、位置コンテンツ管理システムがシステムと通信できることは有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
異なるデータ・フォーマットの位置コンテンツデータを交換するための方法及びシステムが開示される。位置コンテンツ管理システムは、データ交換システムを含む。データ交換システムは、位置コンテンツ管理システムと他のデータ・フォーマットの位置コンテンツを提供する及び/又は消費する1つ又はそれ以上のシステムとの間のデータ交換を可能にする。データ交換システムは、位置コンテンツデータをあるフォーマットから別のフォーマットへと変換するための入力データ・トランスフォーマ(transformer)と、出力データ・トランスフォーマとを含む。入力データ・トランスフォーマ及び出力データ・トランスフォーマは、データ変換を行うために、データ・フォーマットについて定められた規則を用いる。
【0010】
当業者には、必要に応じて添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、これらの及び他の態様並びに利点が明らかになるであろう。さらに、この概要は、一例にすぎず、本発明の範囲を特許請求されたように限定することを意図するものではない。
【0011】
現在のところ好ましい実施形態が、種々の図において同様の参照番号が同様の要素を指す、添付図面と併せて以下に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一例による、位置コンテンツデータ交換システムのブロック図である。
【図2】一例による、図1に示す位置コンテンツデータ交換システムに用いるための入力データ・トランスフォーマ・サブシステムのブロック図である。
【図3】一例による、図1に示す位置コンテンツデータ交換システムに用いるための出力データ・トランスフォーマ・サブシステムのブロック図である。
【図4】一例による、位置コンテンツデータを交換する方法についての流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、位置コンテンツ管理システムと、他のデータ・フォーマットの位置コンテンツを提供する及び/又は消費する1つ又はそれ以上のシステムとの間のデータ交換のための位置コンテンツデータ交換システム100のブロック図である。ここでは第三者システムと呼ばれるこれらシステムは、位置コンテンツ管理システム内に格納されている位置コンテンツを取り出し、付加し、修正し、及び/又は削除するエンティティと関連付けられたシステムを含む。例えば、エンティティは、地図提供業者、位置の所有者及び/又は運営者、政府機関、商工会議所、個人、又はいずれかの他の関係者とすることができる。
【0014】
位置コンテンツは、位置と関連付けられたいずれかの情報である。情報は、所在地住所、電話番号、ファックス番号、及び営業時間などの静的コンテンツ(すなわち、頻繁には変化しない)であってもよい。情報は、ガソリン価格、天気予報、航空機旅行状況、及び交通情報のような動的コンテンツ(すなわち、頻繁に変化する)であってもよい。情報は、テキスト、二次元画像、三次元画像、映像、マルチメディアなど任意のフォーマットのものにすることができる。
【0015】
データ交換システム100は、位置コンテンツ管理システムのサブシステムであることが好ましいが、独立型システムであっても又は別のシステムに組み込まれていてもよい。データ交換システム100は、入力データ受信機101、入力データ・トランスフォーマ102、インボーカ(invoker)103、エラー・ハンドラ104、出力データ・トランスフォーマ105、出力データ送信機(sender)106、プラグイン・エンジン107、入力データ記憶装置108、出力データ記憶装置109、及びデータアクセス・コントローラ110を含む。データ交換システム100は、付加的なコンポーネントを含むことができ、又は図1に示すものとは異なる設計を有してもよい。
【0016】
入力データ受信機101は、異なるタイプのデータ・ネットワーク上で様々なデータ・フォーマットの位置コードと関連付けられた受信データを受け取るように動作可能なソフトウェア・コンポーネント及びハードウェア・コンポーネントの組み合わせを含む。例えば、第三者ウェブサイトが、ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル(Hypertext Transfer Protocol、HTTP)POST法を用いてインターネット上で、地理マークアップ言語(Geography Markup Language、GML)フォーマットの位置コンテンツを送る場合がある。他のデータ・フォーマットには、これらに限定されるものではないが、GarminのGPS交換フォーマット(GPS Exchange format、GPX)、Nokiaのランドマーク交換フォーマット(Landmark Exchange Format、LMX)、鍵穴マークアップ言語(Keyhole Markup Language、KML)、whereonearthID、トラフィック・メッセージ・チャネル(Traffic Message Channel、TMC)、AGORA−C、及び種の地図提供業者フォーマットが含まれる。
【0017】
入力データ受信機101は、受け取ったデータを入力データ・トランスフォーマ102に与える。入力データ・トランスフォーマ102は、入力データを検証し、各データ・フォーマットについて定められた1つ又はそれ以上の規則に基づいて適当な変換を適用する。例えば、Open Geospatial Consortium(OGC)は、GMLについての規則を定める。入力データ・トランスフォーマ102は、単一のデータ操作及びバッチロード操作の両方についての変換をサポートする。例示的な入力データ・トランスフォーマの設計が、図2を参照して説明される。
【0018】
入力データ・トランスフォーマ102は、変換されたデータをインボーカ103に与える。インボーカ103は、変換されたデータを位置参照システムに送信する。位置参照システムは、位置コンテンツ管理システムのコンポーネントであり、位置コードを関連した地理位置に割り当て、位置コードと関連した位置コンテンツを格納する。必要な場合は、インボーカ103は、伝送する前に、データを位置参照システムのフォーマット規則に準拠するようデータを変換する。
【0019】
入力データ・トランスフォーマ102はまた、データ変換の際にエラーが発生したときに、エラー・ハンドラ104にエラー・メッセージを送信する。付加的に、インボーカ103は、変換されたデータを位置参照システムに転送する際にエラーが発生したとき、エラー・メッセージをエラー・ハンドラ104に送信する。エラー・ハンドラ104は、システム及びメッセージ内のアプリケーション・エラーコードを解釈し、どのように進めるか、誰に通知するか等に関する規則に基づいた判断を行う。エラー・ハンドラ104の判断を管理する規則は、データ・フォーマット、コンテンツ、及び/又は状況メタデータ(例えば、試みられた変換及び/又は転送の日時)のような他の関連情報に基づいて定めることができる。
【0020】
出力データ・トランスフォーマ105は、位置参照システムからの応答を受信し、この応答を第三者システムにより使用される1つ又はそれ以上のデータ・フォーマットに変換する。応答は、位置コード、並びに、位置コードと関連した地理的位置に関する情報を含む。入力データ・トランスフォーマ102は、位置コンテンツを生成し、修正し、又は削除するために、第三者システム及びそれらのフォーマットとの相互運用性を提供するが、出力データ・トランスフォーマ105は、位置コンテンツを消費する第三者システムとの相互運用性を提供する。出力データ・トランスフォーマ105はまた、データ変換の際にエラーが発生したとき、エラー・メッセージをエラー・ハンドラ104に送信する。例示的な出力データ・トランスフォーマ設計が、図3を参照して説明される。
【0021】
出力データ送信機106は、変換された応答を1又はそれ以上の第三者システムに配信する。出力データ送信機106はまた、セキュア・ソケット層(Secure Socket Layer、SSL)などの、異なるネットワーク・プロトコル及びトランスポート層セキュリティの複雑さも処理する。第三者システムは、そのシステムが認識するデータ・フォーマットで応答を受信する。
【0022】
プラグイン・エンジン107は、システム・ユーザが、データ変換及びエラー処理手順を設定し、管理することを可能にする。データ交換システム100のユーザは、それぞれのデータ変換手順を登録し、その手順を他のユーザと共有するかどうかを判断することができる。プラグイン・エンジン107は、変換手順を入力データ・トランスフォーマ102及び出力データ・トランスフォーマ105に提供する。付加的に、プラグイン・エンジン107は、エラー処理手順をエラー・ハンドラ104に提供する。
【0023】
プラグイン・エンジン107はまた、変換手順の連鎖(chaining)も可能にする。変換手順の連鎖は、ユーザが、他のユーザにより開発された変換手順の一部又は全てを使用することを可能にする。結果として、ユーザは、自分が開発した手順に他者が開発した手順(又は、手順の一部)を付加することができる。しかしながら、プラグイン・エンジン107はまた、ユーザが、その変換手順を私的なものにすることも可能にする。別のユーザが私的なものとしてマーク付けされた変換手順を使用している場合、プラグイン・エンジン107は、この状況を検出し、適切なユーザに通知する。
【0024】
入力データ記憶装置108は、ある期間入力データを持続する一組のデータベース及びファイルベースの記憶サービスである。入力データ受信機101及び入力データ・トランスフォーマ102の両方が、入力データ記憶装置108を使用することができる。特定の入力データ持続するどうかの判断は、各データ交換フォーマット、データソース、及び/又は他のコンテンツ関連情報ごとに定められた規則に基づいて行われる。ユーザは、データ変換手順を定める際に、異なるデータ持続選択肢を選択することができる。
【0025】
出力データ記憶装置109は、入力データ記憶装置108と概念的及び構造的に類似している。出力データ記憶装置109は、データ交換システム100が非一時的なデータを生成しているとき、変換されたデータを持続することができる。これは、典型的には、システム100がバッチロード・プロセスを介して提出された大量のデータを変換しなければならない場合に当てはまる。
【0026】
データアクセス・コントローラ110は、入力データ受信機101、入力データ記憶装置108、出力データ送信機106、及び出力データ記憶装置109へのアクセスを管理する。データアクセス・コントローラ110は、入力データ受信機101及び/又は出力データ送信機106をイネーブルにする前に、位置コンテンツを生成し、修正し、及び/又は削除し、及び/又は、位置コンテンツを受信するために、第三者システムがアクセスを有しているかどうかを判断する。付加的に、データアクセス・コントローラ110は、入力データ記憶装置108又は出力データ記憶装置109においてデータを持続するかどうか及びどれくらいの期間持続するかを決定する。
【0027】
図2は、図1に示した入力データ・トランスフォーマ102として用いることができる例示的な入力データ・トランスフォーマ200のブロック図である。他の入力データ・トランスフォーマ設計を用いることもできる。入力データ・トランスフォーマ200は、データ・フォーマット検証装置(validator)201、変換プロセス・セレクタ(selector)202、リアルタイム変換器203、バッチジョブ・スケジューラ204、バッチ変換器205、フォーマット・ハンドラ選択器206、データ・ハンドラ207(例えば、テキスト・フォーマット・ハンドラ208、画像フォーマット・ハンドラ209、音声フォーマット・ハンドラ210、映像フォーマット・ハンドラ211、及びバイナリ・フォーマット・ハンドラ212)、入力データ・リスナ(listener)213、位置参照システム・アダプタ214、及び入力データ記録装置(recorder)215を含む。入力データ・トランスフォーマ200は、他のコンポーネントを有することもできる。
【0028】
データ・フォーマット検証装置201は、入力データがサポートされているフォーマットの1つになっているかどうかを判断する初期検証を行なう。バッチロードについては、ビジネス規則が、データ・フォーマット検証装置201に、バッチ全体ではなくデータの僅かなサンプルだけを検証するよう命令することができる。データ・フォーマット検証装置201はまた、ウェブサービス要求及びバッチファイルのコード化の修正など、システム定義の検証も行なう。特化された変換手順の作成者は、自らがそのデータソースを信頼できる場合、特化された検証規則を緩和するよう決定することができる。検証規則の簡単化は、より良いシステム性能をもたらす。
【0029】
検証後、データ・フォーマット検証装置201は、入力データをプロセス・セレクタ202に送信する。プロセス・セレクタ202は、各変換についての実行パス(すなわち、リアルタイム・モード又はバッチ・モード)を選択する。プロセス・セレクタ202はまた、変換がトランザクション方式で定められた場合、トランザクション・コントローラとしても働く。小量のデータセットの変換は、リアルタイムで又はほぼリアルタイムで行なわれることが好ましい。大量のデータセットの変換は、バッチジョブ・スケジューラ204にリダイレクトされることが好ましい。
【0030】
リアルタイム変換器203は、単一の入力要求を処理し、次いで、それらの要求を、さらなる処理のために必要な付加的なメタデータでラップする。例えば、メタデータは、要求の日時情報、時間帯、変換の優先順位レベル、ユーザ識別、セキュリティ・トークン、及びフォーマット・ハンドラが正しい選択を行うために必要な他の情報を含むことができる。リアルタイム変換器203は、次に処理済み入力データをフォーマット・ハンドラ・セレクタ206に与える。
【0031】
バッチジョブ・スケジューラ204は、特定のバッチ変換ジョブをいつ開始するかを決定する。この決定は、入手可能なシステム・リソースの量、サービスレベルの契約、及び/又はジョブ優先順位を決定するために状況データを用いる1つ又はそれ以上のビジネス規則に基づいて行われる。一旦バッチ変換ジョブがスケジュールされると、バッチジョブ・スケジューラ204は、スケジュールされた時間が来るまで、データセットを入力データ記憶装置108に格納する。
【0032】
スケジュールされた時間に、バッチジョブ・スケジューラ204は、データセットをバッチ変換器205に与える。必要に応じて、バッチ変換器205は、大量のデータセットを管理しやすい作業ユニットに分割する。バッチ変換器205はまた、バッチ操作をトランザクション方式で完了しなければならない場合、トランザクション・プランも作成する。次に、バッチ変換器205は、処理済み入力データをフォーマット・ハンドラ・セレクタ206に与える。
【0033】
フォーマット・ハンドラ・セレクタ206は、プロセス・セレクタ202の選択に基づいて、リアルタイム変換器203又はバッチ変換器205のいずれかから処理済み入力データを受信する。受信すると、フォーマット・ハンドラ・セレクタ206は、検出された処理済みデータのデータ・フォーマットに基づいて、データ・ハンドラ207の1つを起動する。図2は、テキスト・フォーマット・ハンドラ、画像フォーマット・ハンドラ209、音声フォーマット・ハンドラ210、映像フォーマット・ハンドラ211、及びバイナリ・フォーマット・ハンドラ212を示す。データ・ハンドラ207の数及びタイプは、データ交換システム100によりサポートされるデータ・フォーマットに基づいて変化し得る。
【0034】
テキスト・フォーマット・ハンドラ208は、GML、LMX、KML、及び位置に関する情報を含む他のテキストベース・フォーマットのために定められた変換ルーチンを適用する。テキスト・フォーマット・ハンドラ208は、テキストから位置データを抽出し、位置データを適切なフォーマットに変換する。変換されたデータは、位置コンテンツの生成、修正、削除、又は取り出しの際に用いられる。
【0035】
画像フォーマット・ハンドラ209は、ベクトル及びビットマップベースのグラフィックスファイルを処理する。例えば、GPS対応のカメラ付き電話によりJPEG/交換可能画像ファイルフォーマット(Exif)写真が撮られた場合、写真のExifヘッダが、位置情報を含むことがある。画像フォーマット・ハンドラ209は、Exifヘッダから位置データを抽出し、それを、位置コンテンツの生成、修正、削除、又は取り出しに適したフォーマットに変換する。
【0036】
音声フォーマット・ハンドラ210は、位置特有の情報を抽出するために、音声ファイル又はストリームを分析する。例えば、シカゴのあるラジオ局が地元ニュースを放送している場合、音声フォーマット・ハンドラ210は、位置特有情報を検出し、抽出し、再フォーマットすることができる。この例を続けると、音声ハンドラ210が、「one thousand north michigan avenue(ノース・ミシガン・アベニュー1000番地)」のビルの火災に関する緊急ニュースにおいて所在地住所情報を検出した場合、音声ハンドラ210は、都市名(シカゴ)、州名(イリノイ州)、及び国名(アメリカ合衆国)を追加することにより住所情報を完成し、「one thousand north michigan avenue」を「1000 N Michigan Ave.」に変換する。この変換された位置コンテンツは、位置参照システム内に格納することができる。
【0037】
映像フォーマット・ハンドラ211は、各フレーム又は他のコード化されたデータを分析することにより映像フィード(video feed)画像を処理する。映像フィードを個々のフレームに分割することにより、映像ハンドラ211は、画像ハンドラ209及び/又は音声ハンドラ210において用いられるものと類似した技術を適用することができる。映像フォーマット・ハンドラ211は、位置データを抽出し、これを位置コンテンツの生成、修正、削除、又は取り出しに適したフォーマットに変換する。
【0038】
バイナリ・フォーマット・ハンドラ212は、受信した位置データをバイナリ・フォーマットに変換する。バイナリ・フォーマット・ハンドラ212の出力は、処理済み入力データのバイナリ表現である。この入力データのバイナリ表現は、位置コンテンツの生成、修正、削除、又は取得に使用される。
【0039】
データ・ハンドラ207は、変換イベントに関する情報を入力データ・リスナ・インターフェース213、アダプタ214、及び入力データ記録装置215に送信する。入力データ・リスナ213は、入力データ・トランスフォーマ200と外部システムとの接続点として働く。例えば、入力データ・リスナ213は、データ・ハンドラが、初めて又はn回目に特定の地理的地域に関する情報を処理した時に第三者システムに通知する。この場合、第三者システムは、位置(位置基準コード、住所、緯度/経度、又は他の空間情報を介して)及び位置がデータ・ハンドラに現れた回数を特定する報告を受信することができる。入力データ・リスナ213を介する通知のための他のタイプの基準は、時間限界通知(例えば、中部標準時午前1時から午前3時までの間にシステムに現れた「Chicago,IL,USA(アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ)」に関連するあらゆる情報)を含むことができる。
【0040】
位置参照システム・アダプタ214は、第三者システムから受信した変換済み入力データに基づいて、位置コードデータを取り出し、作成し、修正し、又は削除するために位置参照システムを起動する。位置参照システムは、第三者システムからの要求を処理する。要求が位置コンテンツを付加し、修正し、又は削除することである場合、位置参照システムは、位置コンテンツデータに適切な変更を行う。要求が位置コンテンツを取り出すことである場合、位置参照システムは、適切な位置コンテンツデータを取得する。
【0041】
入力データ記録装置215は、非一時的な入力データを入力データ記憶装置108に保存する。ユーザは、ユーザがデータ変換手順を定める際に異なるデータ永続性の選択肢を選択する。
【0042】
図3は、図1に示した出力データ・トランスフォーマ105として使用できる例示的な出力データ・トランスフォーマ300のブロック図である。他の出力データ・トランスフォーマ設計を使用してもよい。出力データ・トランスフォーマ300は、出力データ受信機301、出力データ・アグリゲータ(aggregator)302、出力データ・マージャ(merger)303、出力フォーマット・セレクタ304、出力データ変換器(converter)305、出力データ・サブスクライバ306、チャネル・アダプタ307、システム・アダプタ308、出力データ・リスナ309、及び出力データ記録装置310を含む。出力データ・トランスフォーマ300は他のコンポーネントを有してもよい。
【0043】
出力データ受信機301は、インボーカ103が処理済み情報を送信する一組のハードウェア及びソフトウェアである。受信機301は、テキスト・ハンドラ208、画像ハンドラ209、音声ハンドラ210、映像ハンドラ211、及びバイナリ・ハンドラ212によってサポートされるフォーマットのいずれかでデータを処理することができるパススルー型コンポーネントである。1つ又はそれ以上のインボーカ103からデータを受領する1つより多い出力データ受信機301が存在し得る。
【0044】
出力データ・アグリゲータ302は、1つ又はそれ以上の出力データ受信機301から受信した出力データを集積する。出力データ・アグリゲータ302は、集積されたデータの重複排除(de−duplicate)又はブレンドを行なわないことが好ましい(重複排除は、データの冗長ブロックを識別して排除し、データを格納するのに必要なメモリ量を削減する)。出力データ・アグリゲータ302は、出力データ受信機301が受信した潜在的に多数のデータストリームからなる単一のデータフィードを生成する。
【0045】
出力データ・マージャ303は、さらなる処理及び配信のためにクリーンかつ最適化されたデータフィードを生成するために、データの重複排除及びブレンドを実行する。出力データ・マージャ303は、ビジネス規則駆動型であり、単一又は多数のデータ記録又はファイル内の重複データを排除するための一組のアルゴリズムを実行する。データブレンドについては、出力データ・マージャ303は、他のデータ片に対してどのデータ片が優先するかを定める一組の規則を使用する。
【0046】
出力フォーマット・セレクタ304は、最終的な配信のために用いられるべきデータ・フォーマットを選択する。この決定は、情報を受信したデータ・フォーマット、フィードのコンテンツ、ビジネス規則、及び情報を受信する又は配信する必要がある速度など、多数の要因に基づくものとすることができる。例えば、特定の地理的地域に関する大量の情報を受信した場合、出力データ・セレクタ304は、可能な限り早く配信するために、幾らかの無関係なデータ片を選択して廃棄することができる。
【0047】
出力データ変換器305は、出力フォーマット・セレクタ304により選択された1つ又はそれ以上のフォーマットに基づいて実際のデータ変換を実行する。現在のロード及びシステム容量に基づいて、出力データ変換器305は、データ変換要求を絞ることができる。あらゆるプロセスは、トランザクション操作又は非トランザクション操作として処理することができる。
【0048】
出力データ・サブスクライバ306は、外部及び内部のエンティティが、プラグイン・エンジン107を介して1つ又はそれ以上のデータ変換を制御することを可能にする。サブスクリプションが適所にあると、ユーザは、出力データ受信機301、出力データ変換器305、及び出力データ・リスナ309がデータ変換プロセスを完了するために行なう動作を定める選択肢を有する。
【0049】
チャネル・アダプタ307は、データ配信のために使用される物理的媒体に適合するために、必要なデータ変換を実行する。例えば、XM又はSirus衛星ラジオの聴取者にデータを配信するために使用するチャネルは、携帯電話利用者に情報を配信するために使用するチャネルとは異なる帯域制約を有する場合がある。
【0050】
システム・アダプタ308は、変換されたデータを1又はそれ以上の出力データ送信機106に送信する。
【0051】
出力データ・リスナ309は、出力データ・トランスフォーマ300と外部システムとの間の接続点として働く。例えば、出力データ・リスナ309は、「アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ」関連の情報がXM及びSirus衛星ラジオ聴取者に配信されたときに第三者システムに通知することができる。
【0052】
出力データ記録装置310は、非一時的な出力データを出力データ記憶装置109に保存する。ユーザは、ユーザがデータ変換手順を定める際に異なるデータ永続性の選択肢を選択することができる。出力データ記録装置310は、付加的なデータ記憶費用が発生した場合、内部又は第三者課金システムに通知することができる。
【0053】
図4は、位置コンテンツデータを交換する方法400についての流れ図である。ブロック402において、データ交換システム100は、第三者システムからメッセージを受信する。第三者システムは、地図提供業者、位置所有者/運営者、政府機関、商工会議所、個人、又は他の関係者と関連付けることができる。メッセージは、位置コンテンツと関連した位置コードと、位置コンテンツデータを取り出し、生成し、修正し、又は削除するための要求とを含む。
【0054】
ブロック404において、データ交換システム100は、要求の入力データ・フォーマットを判断する。例えば、データ・フォーマットは、GML、GPX、LMX、KML、whereinearthID、TMC、AGORA−C、及び種々の地図提供業者フォーマットのうちの1つとすることができる。データ交換システム100は、次に、データ・フォーマットがシステム100によりサポートされているかどうかを判断する。サポートされていない場合、データ交換システム100は、要求に用いられるデータ・フォーマットがサポートされていないことを示すメッセージを第三者システムに送信する。
【0055】
データ・フォーマットがデータ交換システム100によりサポートされている場合、ブロック406において、システム100は、要求を、位置参照システムと両立性のあるフォーマットに変換する。当然、要求が既に位置参照システムにより使用されているデータ・フォーマットになっている場合、データ変換は不必要である。あるフォーマットから別のフォーマットへのデータ変換は、実質的にリアルタイム・モード又はバッチ・モードで行われる。データ交換システム100は、データ・ハンドラ207のバンクを用いて、実際の変換を行なう。フォーマット・ハンドラ・セレクタ206は、検知されたデータ・フォーマットに基づいて適切なデータ・ハンドラを選択する。
【0056】
ブロック408において、データ交換システム100は、変換された要求を位置参照システムに提供する。位置参照システムは、第三者システムからの要求を処理する。要求が、位置コンテンツを付加し、修正し、又は削除することである場合、位置参照システムは、位置コンテンツデータに適切な変更を行う。要求が位置コンテンツを取り出すことである場合、位置参照システムは、適切な位置コンテンツデータを取得する。
【0057】
ブロック410において、データ交換システム100は、位置参照システムから応答を受信する。この応答は、位置コードと、要求された位置コンテンツデータ又は位置コンテンツデータが要求された通りに付加され、修正され、又は削除されたことの肯定応答のどちらかを含む。応答は、位置参照システムによって用いられるデータ・フォーマットのものである。
【0058】
ブロック412において、データ交換システム100は、ブロック402における要求に用いられるデータ・フォーマットに変換する。このデータ変換は、ブロック406を参照して説明されたものと類似した方法で行われる。
【0059】
ブロック414において、データ交換システム100は、変換された応答を第三者システムに提供する。結果として、種々の第三者システムが、位置コンテンツ管理システムと通信できる。通信を容易にすることによって、位置コンテンツは定期的に更新され、容易に取り出される。位置コンテンツ管理システムのユーザは、特定のデータ・フォーマットで通信する必要なしに、新しい位置コンテンツを受け取る。
【0060】
上記の詳細な説明は、限定ではなく例証とみなされることが意図され、全ての同等物を含む以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義するよう意図されることが理解される。特許請求の範囲は、その旨の記述がない限り、説明された順序又は要素に限定されるものとして読むべきではない。従って、以下の特許請求の範囲及び精神内に含まれる全ての実施形態、並びにその同等物を、本発明として特許請求する。
【符号の説明】
【0061】
100:データ交換システム
101:入力データ受信機
102:入力データ・トランスフォーマ
103:インボーカ
104:エラー・ハンドラ
105:出力データ・トランスフォーマ
106:出力データ送信機
107:プラグイン・エンジン
108:入力データ記憶装置
109:出力データ記憶装置
110:データアクセス・コントローラ
200:入力データ・トランスフォーマ
207:データ・ハンドラ
208:テキスト・フォーマット・ハンドラ
209:画像フォーマット・ハンドラ
210:音声フォーマット・ハンドラ
211:映像フォーマット・ハンドラ
212:バイナリ・フォーマット・ハンドラ
213:入力データ・リスナ
214:システム・アダプタ
215:入力データ記録装置
300:出力データ・トランスフォーマ
301:出力データ受信機
302:出力データ・アグリゲータ
303:出力データ・マージャ
304:出力フォーマット・セレクタ
305:出力データ・トランスフォーマ
306:出力データ・サブスクライバ
307:チャネル・アダプタ
308:システム・アダプタ
309:出力データ・リスナ
310:出力データ記録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置参照システムと第三者システムの間で位置コンテンツを交換する方法であって、
第三者システムから位置コンテンツと関連した位置コードを含む要求を受信し、
前記要求のデータ・フォーマットを判断し、
前記要求を位置参照システムにより使用されるデータ・フォーマットに変換し、
前記変換された要求を前記位置参照システムに提供し、
前記位置参照システムから前記位置コードを含む応答を受信し、
前記応答を前記要求の前記データ・フォーマットに変換し、
前記変換済み応答を前記第三者システムに送信する
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記要求は、前記位置参照システムに格納された位置コンテンツを取り出すものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記要求は、前記位置参照システム内に格納された位置コンテンツを付加し、修正し、削除するものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記要求の前記データ・フォーマットは、地理マークアップ言語(GML)フォーマット、GPS交換フォーマット(GPX)、ランドマーク交換フォーマット(LMX)、鍵穴マークアップ言語(KML)、whereonearthID、トラフィック・メッセージ・チャネル(TMC)、AGORA−C、及び地図提供業者のフォーマットからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記要求を変換するステップは、前記データを実質的にリアルタイムで変換するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記要求を変換するステップは、前記データをバッチ・プロセスで変換するステップ含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記要求を変換するステップは、前記要求の前記判断されたデータ・フォーマットに基づいてデータ・ハンドラを起動するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記応答は、要求された位置コンテンツデータをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記応答は、前記位置参照システムが前記位置コードと関連した位置コンテンツを付加し、修正し、又は削除したことの肯定応答をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
位置参照システムと第三者システムとの間で位置コンテンツデータを変換するためのシステムであって、
第三者から第1のデータ・フォーマットを有するメッセージを受信し、前記メッセージを第2のデータ・フォーマットに変換し、前記第2のデータ・フォーマット内の該メッセージを位置参照システムに送信するように動作可能な入力データ・トランスフォーマを含み、前記メッセージは、位置コードと関連した地理的位置に関連する位置コード及び情報を含み、
前記位置参照システムから前記第2のデータ・フォーマットの応答を受信し、前記応答を前記第1のデータ・フォーマットに変換し、前記第1のデータ・フォーマットの前記応答を前記第三者に送信するように動作可能な出力データ・トランスフォーマが設けられ、前記応答は、前記位置コードと関連した前記地理的位置に関連する前記位置コード及び情報を含むことを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記入力データ・トランスフォーマは、前記入力データ・トランスフォーマが前記第1のデータ・フォーマットをサポートするかどうかを判断するように動作可能なフォーマット検証装置を含むことを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記入力データ・トランスフォーマは、前記メッセージを第2のデータ・フォーマットに実質的なリアルタイム・モード又はバッチ・モードで変換するかどうかを選択するように動作可能なプロセス・セレクタを含むことを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記入力データ・トランスフォーマは、前記メッセージを前記第2のデータ・フォーマットに変換するためにデータ・ハンドラを選択するように動作可能なフォーマット・ハンドラ・セレクタを含むことを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記データ・ハンドラは、テキスト・ハンドラ、画像ハンドラ、音声ハンドラ、映像ハンドラ、及びバイナリ・ハンドラからなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記入力データ・トランスフォーマは、前記第2のデータ・フォーマットの前記メッセージを前記位置参照システムに送信するように動作可能なアダプタを含むことを特徴とする、請求項10に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−176135(P2010−176135A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−34054(P2010−34054)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(508351118)ナヴテック ノース アメリカ リミテッド ライアビリティ カンパニー (20)
【Fターム(参考)】