説明

異常検知装置

【課題】監視対象の状態自体の変化に応じて、ニューラルネットワークのモデルを随時更新して、誤報を少なくすることができる異常検知装置を提供する。
【解決手段】監視対象に設けられた検出手段と、検出手段からの検出データに基づいてニューラルネットワークにより監視対象の状態を診断する演算手段と、診断手段による診断結果を報知する報知手段とを有する。所定のモデル作成データを用いてニューラルネットワークのモデルを形成し、ニューラルネットワークのモデルを用い、検出データに基づいて監視対象の状態を診断し、所定時点での検出データによる入力ベクトルを中間層として加えて、ニューラルネットワークのモデルを更新し、更新後は、ニューラルネットワークの更新したモデルを用いて監視対象の状態を診断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視対象の異常を検知する異常検知装置に関し、特に、プラントのような監視対象が正常に稼働しているか否かを検知するプラントの異常検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製油所では巡回員が五感を駆使して漏洩や回転機の不具合などを監視しているが、製油所は広いので常時巡回員のみで監視するには限界がある。また、構成される巡回員の年齢層も高くなっている事から、作業を低減することが期待される。更に、業務としては監視業務のような単純な作業は減らし、より付加価値の高いものを実施し、製油所の国際競争力を強化させる必要がある。
【0003】
このため、製油所が正常に稼働しているかどうかを作業員によらず自動的に診断する異常検知装置が求められている。製油所内に各種の検出手段を設け、その検出手段からの検出データに基づいて製油所が正常に稼働しているかどうかを診断し、異常であれば警報信号を発して、作業員に対処を求める。このような異常診断にニューラルネットワークを用いるものが知られている。
【特許文献1】特開平04−184686号公報
【特許文献2】特開平07−234988号公報
【特許文献3】特開2000−346681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ニューラルネットワークによる診断では、学習によりニューラルネットワークのモデルを形成し、そのモデルにより監視対象が正常か異常かを判定している。しかしながら、監視対象の定常状態は変化しており、ニューラルネットワークのモデルで学習していない検出データが発生すると、監視対象は正常に稼働しているのに異常と誤って判定されてしまう場合がある。
【0005】
そのような誤報を防止するためには、監視対象の検出データにより再学習してニューラルネットワークのモデルを常に更新しておく必要がある。しかしながら、ニューラルネットワークの学習のためには多くの時間を必要とするという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、監視対象の状態自体の変化に応じて、ニューラルネットワークのモデルを随時更新して、誤報を少なくすることができる異常検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者は、ニューラルネットワークのモデルを機械的に学習させる開発研究を行った。人間は過去に行った問題とよく似た問題を解決するとき、以前に解いた経験を基によりうまく解決できる学習能力を持っている。このような学習能力を計算機システムに持たせることを目的とする研究は機械学習と呼ばれる。一般に、機械学習は、帰納学習、演繹学習、類推学習、強化学習、事例に基く学習等に分類される。ここでは、事例に基づく学習を参考に、以下の機械学習を研究した。
【0008】
本願発明による機械学習のイメージを図1に示す。横軸は時間であり、図1(a)は、通常のモデル作成とその後の判定のイメージであり、図1(b)は、本願発明によるモデル作成とその後の判定のイメージである。
【0009】
通常は、図1(a)に示すように、ある期間に学習用データを収集し、判定モデルを作成する。判定開始当初は測定データが学習したデータと似ているため正常と判定される。しかし、プラントは正常であっても、徐々に学習していないパターンのデータが増え、異常と判定されることがある。これは誤報である。
【0010】
この対策として、本願発明者は、誤報が増える前に正常と判定されたデータ、又は、正常であるのに異常と判定された誤報のデータを利用することを考えた。本願発明は、図1(b)に示すように、ある期間に学習用データを収集し、判定モデルを作成する。判定開始当初は、前述したように、測定データが学習したデータと似ているため正常と判定される。そして、ある期間の間でプラントが正常に稼動した場合に、所定の時点でのデータを利用することを考えた。通常の場合のように、監視対象が稼働した全てのデータを用いて学習するのではなく、所定の時点でのデータによる入力ベクトルを中間層として加えて、ニューラルネットワークのモデルを更新する。そして、更新後は、ニューラルネットワークの更新したモデルを用いてプラントの状態を診断する。これにより、プラントは正常であっても異常と判定される誤報がなくなった。
【0011】
したがって、本発明の一態様による異常検知装置は、監視対象に設けられた検出手段と、前記検出手段からの検出データに基づいてニューラルネットワークにより前記監視対象の状態を診断する演算手段とを有する異常検知装置であって、前記演算手段は、所定のモデル作成データを用いて前記ニューラルネットワークのモデルを形成し、前記ニューラルネットワークのモデルを用い、検出データに基づいて前記監視対象の状態を診断し、所定時点での検出データによる入力ベクトルを中間層として加えて、前記ニューラルネットワークのモデルを更新し、更新後は、前記ニューラルネットワークの更新したモデルを用いて前記監視対象の状態を診断することを特徴とする。
【0012】
上述した異常検知装置において、前記所定時点での検出データは、前記監視対象が正常に稼働しているときの検出データでもよい。
【0013】
上述した異常検知装置において、前記所定時点での検出データは、前記監視対象が正常に稼働しているのに、前記演算手段により異常であると診断されたときの検出データでもよい。
【0014】
上述した異常検知装置において、前記演算手段は、正常と判定された検出データを定期的に蓄積しておき、前記監視対象が異常であると判定された場合には、蓄積された直近の検出データにより前記ニューラルネットワークのモデルを仮に更新し、仮に更新した前記ニューラルネットワークのモデルを用いて前記監視対象の状態を診断し、正常であると判定された場合には前記ニューラルネットワークのモデルを更新するようにしてもよい。
【0015】
上述した異常検知装置において、前記診断手段による診断結果を報知する報知手段を更に有するようにしてもよい。
【0016】
上述した異常検知装置において、前記監視対象は、プラントであり、前記検出手段は、前記プラントが発する音を検出するものでもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定のモデル作成データを用いてニューラルネットワークのモデルを形成し、ニューラルネットワークのモデルを用い、検出データに基づいて監視対象の状態を診断し、所定時点での検出データによる入力ベクトルを中間層として加えて、ニューラルネットワークのモデルを更新し、更新後は、ニューラルネットワークの更新したモデルを用いて監視対象の状態を診断するようにしたので、監視対象の状態自体の変化に応じて、ニューラルネットワークのモデルを随時更新して、誤報を少なくすることができる。
【0018】
また、本発明によれば、新しいニューラルネットワークモデルに更新するための時間も短時間で済み、ニューラルネットワークモデルが随時更新されることから、未知データに対しても判断を誤ることがなくなり、ニューラルネットワークモデルを更新するためのフィードバック学習が必要なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[一実施形態]
本発明の一実施形態による異常検知装置について図2乃至図4を用いて説明する。図2は本実施形態の異常管理装置の構成を示す図であり、図3は本実施形態の異常監視装置で用いられるニューラルネットワークの構成を示す図であり、図4は本実施形態の異常検知装置による診断方法のフローチャートである。
【0020】
本実施形態の異常検知装置では、製油所や工場等におけるプラント、装置、配管等の漏洩や回転機の不具合などを監視して異常を報知する。
【0021】
本実施形態の異常検知装置は、図2に示すように、製油所の各所の音響を検出する検出手段として音響センサ部10と、音響センサ部10から伝送された音響信号を処理する演算手段として音響信号処理部20とから構成されている。
【0022】
音響センサ部10には、プラントの運転音を常時監視するための防爆マイクロフォン12が設けられている。防爆マイクロフォン12は、製油所の随所に配置されている。防爆マイクロフォン12の音響信号は、信号レシーバー14により受信される。信号レシーバー14は、複数の防爆マイクロフォン12からの音響信号を切り換えるためのCH(チャネル)切替器16と、CH切替器16により切り替えられた音響信号をデジタル信号に変換するA/D変換器18により構成されている。
【0023】
音響信号処理部20は、音響センサ部10からの音響信号を処理することにより異常音を識別し、プラント、装置等の稼働状態が正常であるか否かを判断する。音響信号処理部20における異常音の識別にはニューラルネットワーク(NN)のモデルを使用する。ニューラルネットワーク(NN)作成にはPCのCPU負荷が大きくかかるので、音響信号処理部20は、異常音の診断を行うための異常音診断用PC22と、ニューラルネットワーク(NN)を作成するためのNN作成用PC24とに分けられ、モデル情報が共有できるシステムとなっている。
【0024】
異常音診断用PC22による判定結果は報知手段により作業員に報知される。報知手段としては、異常音診断用PC22の画面にその旨を表示することにより報知するようにしてもよいし、音や光等による警報信号を発することにより報知するようにしてもよいし、作業員への電子メールを送信することにより報知するようにしてもよいし、これらの方法を組み合わせてもよい。
【0025】
音響センサ部10の信号レシーバー14と、音響信号処理部20の異常音診断用PC22と、NN作成用PC24とは、LANにより相互に接続されている。
【0026】
図3は、本実施形態の異常検知装置におけるニューラルネットワーク(NN)モデルの構造である。
【0027】
ニューラルネットワーク(NN)モデルとしては、誤差逆伝播学習型が広く使用されている。これは学習済みのデータ群の識別を高精度に行うことができるが、学習データが大きく異なる場合には出力データを予測することが困難となる欠点がある。この理由から、本実施形態では、より高い信号特徴抽出性能が期待できるラジアルベース関数型を使用する。これは誤差逆伝播学習型に似た構造の階層型フィードフォワードネットワークであるが、入力層と中間層の間で中間層関数であるポテンシャル関数の最適化演算が行われること、上記演算に基づいて中間層ユニット数の調整が行われること、結合ウエイトの変更は中間層と出力層の間のみで行われることなどが特徴である。
【0028】
本実施形態のニューラルネットワークモデルでは、図3に示すように、入力データ(X1、…、Xn)に対する平均ベクトルとの偏差をベクトル距離として計算し、これに重みをつけて判定するアルゴリズムである。平均ベクトルは、モデル作成データから生成され、ベクトル距離が小さいものは平均ベクトルと似たパターンである。階層型のニューラルネットワークモデルは、ラジアルベーシックファンクションネットワークのように、入力層からの出力はベクトル距離が0に近いほど大きくなる。
【0029】
本実施形態における機械学習のイメージは、前述したとおり、図1(b)に示すように、ある期間に学習用データを収集し、判定モデルを作成し、判定開始当初はこの判定モデルを用いて診断する。そして、一定期間の間でプラントが正常に稼動した場合に、その時点での検出データによる入力ベクトルを、図3に示すニューラルネットワークの中間層に加えて、ニューラルネットワークのモデルを更新する。その後は、更新したモデルを用いてプラントの状態を診断する。
【0030】
プラント、装置等が正常に稼働している時点での検出データによる入力ベクトルを、平均ベクトルの学習に用いるのではなく、図3に示すニューラルネットワークの中間層に加えて、ニューラルネットワークのモデルを更新するので、短時間で更新でき、必要に応じて随時更新することができる。
【0031】
ニューラルネットワークのモデル更新の時期としては、プラント、装置等での運転条件等が変化したために、本当は正常であるのに異常と誤って判定されてしまう誤報が発生した時期か、そのような誤報が発生する可能性が高くなったと推測される時期が望ましい。
【0032】
本実施形態の異常検知装置による診断方法について図4を用いて説明する。図4は本実施形態の異常検知装置による診断方法を示すフローチャートである。
【0033】
当初は、ある期間に収集した学習用データにより学習したニューラルネットワークの初期モデルを用いて異常音の監視を行い(ステップS10)、判定値a1を得る(ステップS11)。判定値a1は、完全に正常であれば「0」となり、完全に異常であれば「1」となる。実際には、判定値a1は「0」と「1」の間の値となるので、しきい値bの値を定め、判定値a1がしきい値bより大きいか否かによりプラント、装置等の稼働状態の異常・正常を判断する。しきい値bを例えば「0.2」とする。
【0034】
次に、ステップS12において判定値a1がしきい値bより大きいか否か判断する。判定の結果、a1>bではない、すなわち、a1≦bであれば、プラント、装置等の稼働状態は「正常」と診断される(ステップS13)。
【0035】
ステップS12の判定の結果、a1>bであれば、プラント、装置等の稼働状態は異常であると判断されたことになる。しかし、本実施形態では直ちに「異常」と診断するのではなく、次のような処理を行う。
【0036】
本実施形態では、プラント、装置等の監視が始まったときから、正常と判断された検出データを所定の間隔、例えば、1週間に1回の頻度で保存して蓄積しておく。ステップS12において「異常」と判断されると、蓄積した正常音データの中から最近のデータ、例えば、その月の最初のデータを選定する(ステップS14)。
【0037】
そして、ニューラルネットワークのモデルに、選定した正常音データを加えて新たなモデルを作成する(ステップS15)。正常音データによる入力ベクトルを、図3に示すニューラルネットワークの中間層に加えて、ニューラルネットワークのモデルを仮に更新する。
【0038】
次に、正常音データを加えて新たに作成したニューラルネットワークのモデルを用いて、「異常」と判断された音響信号についての判定を再度行い、判定値a2を得る(ステップS16)。
【0039】
次に、ステップS17において判定値a2がしきい値bより大きいか否か判断する。判断の結果、a2>bであれば、直近の正常音データを加えたモデルにおいても異常と判断されたのであるから、ステップS18において最終的に「異常」と診断される。
【0040】
ステップS17の判定の結果、a2>bでなければ、すなわち、a1≦bであれば、プラント、装置等の稼働状態を「正常」と診断すると共に、仮に作成した新たなモデルにニューラルネットワークを更新する(ステップS19)。そして、その後は、更新した新たなモデルを用いてプラント、装置等の稼働状態を監視する。
【0041】
本実施形態の異常検知装置によるプラント、装置等の異常音診断の実例について説明する。
【0042】
図5は、製油所に設置された防爆マイクロフォン12により収集した音響データのFFTスペクトルを示す。横軸は周波数(Hz)であり、50Hz〜20kHzまである。縦軸は音圧(dB)である。
【0043】
図5では、2002年9月から2003年2月までの半年間について各月の正常データと、その比較のために2003年3月26日に異常と判定されたデータとをプロットした。図5からわかるように、製油所内の正常音のパターンはほとんど変わらず、そのスペクトルでのばらつきは10dB程度であった。
【0044】
図6は、音響信号のFFTスペクトルから求めたオーバーオールの音圧(dB)の変動を示す。音圧は90dB付近で変化も小さく、特に2002年12月から2003年2月にかけては略90dBと一定であった。プロットした6点の平均は90.3dBであり、最大が93.2dB、最小が87.8dBであった。
【0045】
一方、異常と判定された2003年3月26日の音響信号の音圧は96.0dBと大きく変化していた(図示せず)。
【0046】
2002年9月6日の正常データを基準に各FFTパターンのベクトル距離を求めた。正常データに対するベクトル距離は平均で7,688であり、最大で10,002であった。
【0047】
これに対し、2003年3月26日の異常データのベクトル距離は41,545と正常データによりベクトル距離の平均の5.4倍であった。正常データのベクトル距離の最大は正常平均の1.3倍であったので、ベクトル距離により正常と異常を識別できる。
【0048】
このように、ニューラルネットワークモデルで正常と判定されたデータはベクトル距離が近く、FFTパターンが似ていることから、限られた期間であれば生データが平均ベクトルとして使用できることがわかった。
【0049】
製油所において、2000年10月に異常判定が連続した。そのときの判定値を、図7の初期モデルの欄に示す。ニューラルネットワークの初期モデル作成のための学習では正常の判定値が「0」、異常の判定値が「1」となるように実施した。図7に示すように、これらの期間では判定値が0.47以上の値となり異常と判定された。
【0050】
しかし、作業員により調べたところ、このときの製油所は正常に稼動していた。このときのニューラルネットワークの初期モデルに対し、2000年10月4日における正常稼働時のデータを追加して再度判定値を求めた。そのときの判定値を、図7の中間層追加モデルの欄に示す。0.47以上であった判定値が0.001〜0.004と大きく変化して正常レベルとなった。
【0051】
以上の通り、本実施形態によれば、ニューラルネットワークの再学習の時間が不要であり、監視対象の状態自体の変化に応じて、ニューラルネットワークのモデルを随時更新して、誤報を少なくすることができる。また、人間は聞き分けることはできない長期間にわたるプラントの音の変化をニューラルネットワークのモデルに随時取り込むことができる。更に、監視対象の状態自体の変化には随時対応することができるので、ニューラルネットワークの初期モデルの作成には典型的な正常パターンだけを学習すれば良く、初期モデルの学習データの収集期間を短くすることができる。
【0052】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0053】
例えば、上記実施形態では、製油所の稼働状態の監視に本発明を適用したが、製油所以外の、石油化学プラント等のプラントや、発電所等の監視に本発明を適用してもよい。
【0054】
上記実施形態では、ニューラルネットワークモデルとしてはラジアルベース関数型を使用したが、他のニューラルネットワークモデル、例えば、シグモイド関数型等のニューラルネットワークモデルでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本願発明の原理の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態による異常管理装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による異常管理装置で用いるニューラルネットワークの構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による異常管理装置による診断方法のフローチャートである。
【図5】製油所内の防爆マイクロフォンにより収集した音響信号のFFTスペクトルを示すグラフである。
【図6】製油所内の防爆マイクロフォンにより収集した音響信号のFFTスペクトルから求めたオーバーオールの音圧の変動を示すグラフである。
【図7】製油所における誤報時の初期モデルでの判定値と更新モデルでの判定値を比較して示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10…音響センサ部
20…音響信号処理部
12…防爆マイクロフォン
14…信号レシーバー
16…CH(チャネル)切替器
18…A/D変換器
22…異常音診断用PC
24…NN作成用PC


【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象に設けられた検出手段と、前記検出手段からの検出データに基づいてニューラルネットワークにより前記監視対象の状態を診断する演算手段とを有する異常検知装置であって、
前記演算手段は、
所定のモデル作成データを用いて前記ニューラルネットワークのモデルを形成し、
前記ニューラルネットワークのモデルを用い、検出データに基づいて前記監視対象の状態を診断し、
所定時点での検出データによる入力ベクトルを中間層として加えて、前記ニューラルネットワークのモデルを更新し、
更新後は、前記ニューラルネットワークの更新したモデルを用いて前記監視対象の状態を診断する
ことを特徴とする異常検知装置。
【請求項2】
請求項1記載の異常検知装置において、
前記所定時点での検出データは、前記監視対象が正常に稼働しているときの検出データであることを特徴とする異常検知装置。
【請求項3】
請求項1記載の異常検知装置において、
前記所定時点での検出データは、前記監視対象が正常に稼働しているのに、前記演算手段により異常であると診断されたときの検出データであることを特徴とする異常検知装置。
【請求項4】
請求項1記載の異常検知装置において、
前記演算手段は、
正常と判定された検出データを定期的に蓄積しておき、
前記監視対象が異常であると判定された場合には、蓄積された直近の検出データにより前記ニューラルネットワークのモデルを仮に更新し、
仮に更新した前記ニューラルネットワークのモデルを用いて前記監視対象の状態を診断し、正常であると判定された場合には前記ニューラルネットワークのモデルを更新する
ことを特徴とする異常検知装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の異常検知装置において、
前記診断手段による診断結果を報知する報知手段を更に有することを特徴とする異常検知装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異常検知装置において、
前記監視対象は、プラントであり、前記検出手段は、前記プラントが発する音を検出することを特徴とする異常検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−163517(P2006−163517A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350110(P2004−350110)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年6月3日 財団法人石油産業活性化センター主催の「第18回 技術開発研究成果発表会」において文書をもって発表
【出願人】(590000455)財団法人石油産業活性化センター (249)
【出願人】(304003860)株式会社ジャパンエナジー (344)
【Fターム(参考)】