説明

異形断面糸及び芯鞘型異形断面糸

【要旨】
【課題】 優れた赤外線反射効果を有し、保温性に優れた布帛や各種の製品を得ることが可能であり、かつ製糸性、加工性よく得ることができる異形断面糸及び芯鞘型異形断面糸を提供する。
【解決手段】 マルチフィラメントを構成する各単繊維が、繊維軸方向に対して垂直方向に切断した断面形状において3個以上の突起部を有し、かつ、赤外線反射能を有する無機微粒子を0.5〜5.0質量%含有してなるポリマーのみからなる異形断面糸。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線反射能を有する無機微粒子を含有するポリマーからなる繊維であって、保温性能の優れた布帛や各種の製品を得ることが可能となる異形断面糸及びこのような優れた製品を加工性よく得ることが可能となる芯鞘型異形断面糸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の防寒衣料、スキー、登山等のスポーツ衣料等には、中綿を用いた三層構造(布帛の間に中綿を挟みこんだ構造であって、表地、中綿、裏地の順に積層された構造)の布帛を用いることが多かった。つまり、このような布帛は中綿により空気保温層を作り、保温性能を高めることを目的とするものであった。
【0003】
しかしながら、このような三層構造の布帛は重量が重く、嵩が高く、デザイン性、スポーティー性に欠けるという欠点があった。
【0004】
また、保温性能に優れる布帛として、アルミニウムやクロム等の金属を布帛にコーティングしたものも提案されている。このような布帛は、耐洗濯性に劣り、繰り返し使用するうちに金属が剥がれ落ちて保温性能が低下するという問題があり、また、金属のコーティングにより布帛がゴワつくため、柔軟性に劣り、デザイン性、スポーティー性に欠けるという欠点があった。
【0005】
上記のような問題点を解決するものとして、芯鞘複合糸の芯部に炭化ジルコニウム、珪化ジルコニウム、酸化錫等の赤外線反射効果を有する機能性無機微粒子を含有させ、鞘部を熱可塑性樹脂で構成した複合繊維が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
この複合繊維は、芯部に含有させた機能性無機微粒子が赤外線を反射することにより、保温性能が向上するものである。しかしながら、この複合繊維においては、鞘部には機能性無機微粒子を含まず、芯部にのみ含むものであるため、繊維表面による赤外線の反射効果が不十分となり、保温効果の向上が不十分となるものであった。
【0007】
上記の複合繊維において芯鞘形状とし、芯部にのみ無機微粒子を含有させているのは、繊維全体に機能性無機微粒子が分散されていると、製糸時に糸切れや単糸切れが生じて製糸性が悪化したり、加工糸とする際の加工時や織編物にする際の製編織時にも糸切れや単糸切れが生じて加工性が悪化するためである。
【0008】
赤外線の反射効果を向上させるためには、繊維全体に機能性無機微粒子が分散されていることが好ましいが、上記したような製糸性や加工性の悪化を解消することができず、繊維全体に機能性無機微粒子が分散されている繊維は未だ提案されていない。
【特許文献1】特開平11−50354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決し、優れた赤外線反射効果を有し、保温性に優れた布帛や各種の製品を得ることが可能であり、かつ製糸性、加工性よく得ることができる異形断面糸及び芯鞘型異形断面糸を提供することを技術的な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、次の(1)、(2)を要旨とするものである。
(1)マルチフィラメントを構成する各単繊維が、繊維軸方向に対して垂直方向に切断した断面形状において3個以上の突起部を有し、かつ、赤外線反射能を有する無機微粒子を0.5〜5.0質量%含有してなるポリマーのみからなることを特徴とする異形断面糸。
(2)芯鞘型複合繊維の芯部が請求項1又は2記載の異形断面糸であり、鞘部は芯部を構成するポリマーよりもアルカリ減量速度が速いアルカリ易溶出成分で構成されており、芯鞘質量比率が芯/鞘=9/1〜6/4であることを特徴とする芯鞘型異形断面糸。
【発明の効果】
【0012】
本発明の異形断面糸は、繊維表面にも赤外線反射能を有する無機微粒子を有することから、赤外線反射効果に優れ、保温性能の優れた布帛や各種の製品を得ることが可能となる。そして、本発明の芯鞘型異形断面糸は、本発明の異形断面糸及び本発明の異形断面糸からなる布帛や各種の製品を製糸性、加工性よく得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の異形断面糸について説明する。本発明の異形断面糸は、赤外線反射能を有する無機微粒子を0.5〜5.0質量%含有してなるポリマーのみからなるものである。
【0014】
繊維を構成するポリマーとしては、ポリエステルが好ましく、アルカリ難溶出性のポリエステルが好ましい。ポリエステルとしては特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等を用いることができ、これらを単独あるいはブレンドや共重合したものも用いることができる。さらにはこれらを主体として、イソフタル酸、5−アルカリイソフタル酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸成分やジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールやP−ヒドロキシ安息香酸等のオキシカルボン酸成分等を本発明の効果を損なわない範囲で共重合したものも使用することができる。
【0015】
本発明における赤外線反射能を有する無機微粒子とは、波長領域が0.8μm〜1mm程度の赤外線を反射する能力を有する無機微粒子のことであり、ジルコニウム系微粒子、チタン系微粒子等が挙げられる。これらの無機微粒子は、体温を赤外線として蓄え反射することにより、保温効果が向上するものである。
【0016】
赤外線反射能を有する無機微粒子としては、中でも炭化ジルコニウム微粒子が好ましい。炭化ジルコニウム微粒子は、太陽光を選択的に吸収し、0.8〜25μmの波長域での吸収が大きく、吸収された光が転換された後の赤外域では熱の反射率が大きいため、特に保温性に優れたものとなる。
【0017】
そして、上記のような赤外線反射能を有する無機微粒子は、ポリマー中に0.5〜5.0質量%、中でも1.0〜3.0質量%含有されていることが好ましい。そして、本発明の繊維はこのような赤外線反射能を有する無機微粒子を含有するポリマーのみから構成されているものである。赤外線反射能を有する無機微粒子を含有するポリマーのみから構成されていることによって、繊維の外周面や表面にも赤外線反射能を有する無機微粒子が存在することにより、赤外線の反射能力が向上し、保温性に優れた布帛や製品を得ることが可能となる。
【0018】
赤外線反射能を有する無機微粒子のポリマー中の含有量が0.5質量%未満であると、十分な赤外線反射能力が得られず、保温性の向上効果が得られない。一方、5.0質量%を超えると、紡糸時の操業性が悪化したり、製糸性や加工性が悪化するため好ましくない。
【0019】
そして、本発明の異形断面糸は、マルチフィラメントを構成する各単繊維が、繊維軸方向に対して垂直方向に切断した断面形状において3個以上の突起部を有するものである。
【0020】
マルチフィラメントを構成する各単繊維が3個以上の突起部を有することによって、繊維の表面積が増大し、無機微粒子による赤外線反射効果が向上し、保温性に優れた布帛や製品とすることができる。また、突起部の存在により嵩高になり、隣接する単繊維間に空間が生じることによって空気層を保持することができ、保温性が向上する。
【0021】
中でも、上記のような表面積の増大効果と嵩高性の増大効果を向上させるためには、突起部の数を10〜35個とすることが好ましい。35個を超えると、突起部の形成が困難となりやすく、コストが高くなったり、繊維の形状を保持することが困難となりやすい。また、1つの突起部の大きさが小さくなることから表面積の増大効果と嵩高性の増大効果が小さくなり、保温性の向上効果が十分でなくなりやすい。
【0022】
また、突起部の形状は、略台形形状のものが好ましく、突起部と突起部との間にはU字形状の溝が存在していることが好ましい。このような形状について図面を用いて説明する。
【0023】
図1は、本発明の異形断面糸(マルチフィラメント)を構成する単繊維の一実施態様を示す断面模式図(繊維軸方向に対して垂直方向に切断した断面形状を示す)である。図1に示す単繊維は、略台形形状の突起部1を20個有し、突起部と突起部との間にU字形状の溝2を有するものである。
【0024】
このように、突起部1の形状を略台形形状とし、突起部と突起部との間にU字形状の溝2を有する歯車型の断面形状とすることにより、突起部の形状が安定したものとなり、上記したような表面積の増大効果と、嵩高性の増大効果を安定して得ることが可能となる。
【0025】
次に、本発明の芯鞘型異形断面糸について説明する。本発明の芯鞘型異形断面糸は、芯部が前記した本発明の異形断面糸であり、鞘部は芯部を構成するポリマーよりもアルカリ減量速度が速いアルカリ易溶出成分で構成されており、芯鞘質量比率が芯/鞘=9/1〜6/4であるものである。
【0026】
つまり、本発明の異形断面糸は、繊維全体に赤外線反射能を有する無機微粒子が含有されているため、微粉末が紡糸機や加工機、織機、各種ローラやガイド等を摩擦によって損傷させやすい。これにより、糸切れが生じ、工程通過性が悪くなりやすい。そこで、本発明の異形断面糸を鞘部のポリマーが覆う形状の本発明の芯鞘型異形断面糸とすることにより、このような工程通過性の悪化を防ぐものである。
【0027】
図2は本発明の芯鞘型異形断面糸(マルチフィラメント)を構成する単繊維の一実施態様を示す断面模式図(繊維軸方向に対して垂直方向に切断した断面形状を示す)である。芯部Aが略台形形状の突起部1を20個有し、鞘部Bで芯部Aの全体を覆っているものである。
【0028】
芯鞘質量比率は芯/鞘=9/1〜6/4であり、芯部の割合がこの範囲よりも少なくなると、溶出する部分が多くなり、コスト的に好ましくない。一方、鞘部の割合がこの範囲よりも少なくなると、鞘部が芯部の表面を完全に覆うことが困難となりやすい。
【0029】
そして、鞘部はアルカリ減量速度が速いアルカリ易溶出成分からなるものであるので、アルカリ減量処理を施すことによって、鞘部はアルカリ溶出し、芯部のみの繊維となるものである。
【0030】
そこで、本発明の芯鞘型異形断面糸は、製織後にアルカリ減量処理を施すことが好ましく、これによって、紡糸、延伸、加工、製織等の工程においては鞘部が存在するので、一連の工程通過性の悪化を防ぐことができる。そして、アルカリ減量処理により芯部のみの繊維からなる布帛や製品となるので、赤外線反射性能が向上した保温性に優れた布帛や製品を得ることができる。
【0031】
本発明の芯鞘型異形断面糸の鞘部は、芯部を構成するポリマーよりもアルカリ減量速度が速いアルカリ易溶出成分で構成されている。芯部を構成するポリマーは、前記した本発明の異形断面糸を構成するポリマーであるので、これらのポリマーよりもアルカリ減量速度が速いアルカリ易溶出成分であれば特に限定するものではない。中でも芯部にPETを用いた場合、鞘部としてスルホン酸金属塩を2.5モル%以上共重合したPETや,スルホン酸金属塩と比較的高分子量のポリアルキレングリコールを所定量共重合したPET等を使用することが好ましい。
【0032】
なお、本発明において、鞘部ポリマーと芯部ポリマーのアルカリ減量速度の比較は、NaOH濃度4%、処理温度95℃、処理時間40分の条件でアルカリ減量処理を行ったときの両ポリマーの溶出量の比較で行うものである。つまり、溶出量の多いポリマーがアルカリ減量速度が速いポリマーである。
【0033】
中でも、上記のアルカリ減量処理条件において、芯部ポリマーはほとんど溶出することなく、鞘部ポリマーがほぼ完全に溶出できるものが好ましい。
【0034】
そして、本発明の異形断面糸、芯鞘型異形断面糸ともに、長繊維でも短繊維であってもよく、長繊維とする場合は、単糸繊度が0.7〜6.0dtex、単糸数が12〜48フィラメント程度とすることが好ましい。
【0035】
また、本発明の異形断面糸、芯鞘型異形断面糸ともに、その効果を損なわない範囲であれば、各種顔料、染料、撥水剤、吸水剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、抗菌剤、香料その他の添加剤を混合していてもよい。
【0036】
次に、本発明の芯鞘型異形断面糸(長繊維の場合)の製造方法について説明する。まず、芯部ポリマーと鞘部ポリマーを通常使用される複合紡糸装置を用いて、複合紡糸する。このとき、芯部の形状を考慮して作成された紡糸口金を用いる。そして溶融紡糸された糸条を横吹付や環状吹付等の冷却装置を用いて、吹付風により冷却した後、油剤を付与する。そして、必要に応じて延伸や熱処理を行う。このとき、紡糸速度を2000m/分未満の低速で行い、一旦巻き取った後、別工程で延伸、熱処理する二工程方法を採用したり、紡糸速度を高速とし、一旦巻き取ることなく続いて延伸、熱処理を行う一工程法を採用することができる。また紡糸速度を高速とし、半未延伸状態の糸を得るPOY法を採用してもよい。
【0037】
また、本発明の異形断面糸(長繊維の場合)の製造方法について説明する。赤外線反射能を有する無機微粒子を0.5〜5.0質量%含有するポリマーを用い、突起部を有する所望の形状となるように設計された紡糸口金より紡糸し、必要に応じて延伸、熱処理することにより製造することができる。しかしながら、この方法では、製糸時や加工時において、繊維表面に存在する無機微粒子の影響により操業性が悪化しやすい。そこで、本発明の芯鞘型異形断面糸を上記のような方法で得た後、アルカリ減量処理を施すことにより得ることが好ましい。特に、加工時(製織時)の操業性を考慮すると、布帛にした後でアルカリ減量処理を施し、本発明の異形断面糸からなる布帛を得ることが好ましい。
【実施例】
【0038】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、実施例における特性値等の測定法及び評価は次の通りである。
(1)相対粘度
フェノールと四塩化エタンとの等質量溶媒を用い、20℃で測定した。
(2)赤外線反射能力
島津製作所製磁器分光光度計UV−3100を用いて、得られた布帛(アルカリ減量処理後)の0.7〜2.0μmの波長の分光反射率と分光透過率を測定した。1.7μmの波長の測定結果より、下記の3段階で評価した。
〔分光反射率〕
50%以上・・・◎ 40%以上〜50%未満・・・○ 40%未満・・・×
〔分光透過率〕
20%未満・・・◎ 20%以上〜25%未満・・・○ 25%以上・・・×
(3)紡糸性
24時間連続して紡糸した際の糸切れ回数をカウントし、以下の3段階で評価した。
1〜2回・・・○ 3〜5回・・・△ 6回以上・・・×
【0039】
実施例1
相対粘度が1.38のPETに炭化ジルコニウムを1.5質量%含有したポリマーを芯部となるようにし、5−ナトリウムイソフタル酸2モル%と平均分子量が6000のポリエチレングリコールを6質量%共重合した相対粘度が1.44のPETを鞘部となるようにして、両ポリマーを複合紡糸装置に導入した。複合比(芯/鞘)を85/15として、図2に示すような断面形状を呈し、芯部の突起部1の数が18個となるようにした紡糸口金(孔数48個)より、吐出量43g/分、290℃で複合紡糸した。紡糸速度を3500m/分として半未延伸糸を巻き取った。次いで、温度90℃の加熱ローラと非加熱ローラ間に150℃に加熱したヒートプレートを設置し、得られた半未延伸糸をローラ間で延伸倍率1.6倍で延伸して、84デシテックス/48フィラメントの芯鞘型異形断面糸を得た。
得られた芯鞘型異形断面糸を用いて、経密度120本/2.54cm、緯密度90本/2.54cm、幅130cmの平織物を製織した。次いで、この織物にNaOH濃度4%、処理温度95℃、処理時間40分の条件でアルカリ減量処理を行い、鞘部の成分を溶出させ、本発明の異形断面糸のみからなる織物を得た。
【0040】
実施例2〜8、比較例1〜3
芯部ポリマー中の炭化ジルコニウムの含有量、芯鞘複合比、芯部の突起部の数を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に行い、芯鞘型異形断面糸を得た。なお、比較例3においては、芯部の形状を丸断面形状とした。
そして、実施例1と同様にして平織物を製織、アルカリ減量処理を行い、本発明の異形断面糸のみからなる織物を得た。
【0041】
実施例1〜8、比較例1〜3で得られた芯鞘型異形断面糸の形状、異形断面糸の赤外線反射能力、紡糸性の評価結果を表1に示す。
【0042】
【表1】

【0043】
表1より明らかなように、実施例1〜8の繊維は紡糸性よく得ることができ、本発明の繊維からなる布帛は赤外線反射能力が良好であり、保温性に優れていた。なお、実施例1〜8において、アルカリ減量処理後の布帛より単糸を取り出して断面形状を顕微鏡にて観察したところ、鞘部のポリマーがほぼ完全に溶出し、芯部のみの糸となっていた。
一方、比較例1の繊維は、炭化ジルコニウムの含有量が少なかったため、赤外線反射能力に劣ったものとなった。比較例2の繊維は、炭化ジルコニウムの含有量が多すぎたため、紡糸性が非常に悪く、繊維を得ることができなかった。比較例3の繊維は、芯部が突起部を有していないものであったため、表面積の増大効果に乏しく、赤外線反射能力に劣ったものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の異形断面糸(マルチフィラメント)を構成する単繊維の一実施態様を示す断面模式図である。
【図2】本発明の芯鞘型異形断面糸(マルチフィラメント)を構成する単繊維の一実施態様を示す断面模式図である。
【符号の説明】
【0045】
1 突起部
2 溝
A 芯部
B 鞘部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチフィラメントを構成する各単繊維が、繊維軸方向に対して垂直方向に切断した断面形状において3個以上の突起部を有し、かつ、赤外線反射能を有する無機微粒子を0.5〜5.0質量%含有してなるポリマーのみからなることを特徴とする異形断面糸。
【請求項2】
断面形状において、突起部の数が10〜35個である請求項1記載の異形断面糸。
【請求項3】
芯鞘型複合繊維の芯部が請求項1又は2記載の異形断面糸であり、鞘部は芯部を構成するポリマーよりもアルカリ減量速度が速いアルカリ易溶出成分で構成されており、芯鞘質量比率が芯/鞘=9/1〜6/4であることを特徴とする芯鞘型異形断面糸。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−200061(P2006−200061A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−11586(P2005−11586)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(000228073)日本エステル株式会社 (273)
【Fターム(参考)】