説明

異形筒体の成形方法及び成形装置

【課題】断面形状が三角形状を含む異形筒体を成形することができ、且つしわや波打ちのない異形筒体を成形するための方法と装置を提供する。
【解決手段】円筒状の金属筒体10から角部1aが曲線状に成形されると共に角部1aと角部1aを結ぶ辺1b、1cが直線状又は曲線状に成形された異形筒体1を成形する方法であって、異形筒体1の各角部1aに対応させた複数のスライダーダイ11を配置すると共に、側面12bが異形筒体1の辺部1b、1cに対応する形状を持ち複数のスライダーダイ11を半径方向に移動させるドライバーダイ12を配置し、スライダーダイ11の外周に金属筒体10を設置した後、ドライバーダイ12を金属筒体10の軸方向に駆動して各スライダーダイ11を半径方向に移動させて金属筒体10の内周面に圧接させて拡径すると共にドライバーダイ12の側面12bを金属筒体10の内周面に圧接させることによって異形筒体1を成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状の金属筒体を角部及び辺部が曲線状の三角形を含む異形筒体に成形するための方法と装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車エンジンの排気系を構成する触媒装置や消音器は筒状のケースを有している。このケースは円筒形状或いは楕円形状に構成されるのが一般的であるが、自動車に於ける搭載位置によっては四角形を含む異形形状とせざるを得ないようなことがある。このような異形筒体は、例えば鋼管やステンレス鋼管等の筒体をプレス加工して目的の異形断面に成形して構成されるのが一般的である。
【0003】
例えば特許文献1に記載された発明は角鋼管の製造方法に関するものであり、一対の直角二等辺の角形金型を用いて円筒状の鋼管をプレスし、その後、鋼管の中心軸を回転中心として少なくとも二度、90度回転させてプレスすることで、角鋼管を製造するものである。このように、特許文献1に記載された発明では、角型金型によって鋼管の外周からプレスすることで、断面形状が略正方形の角鋼管を製造することができる。
【0004】
また、特許文献2に記載された発明はプレス装置を用いた角管の製造方法に関するものであり、第1の工程で断面V字形状の上下型によってV字形状の長辺を有し、角R部を有する形状に成形し、第2の工程で平坦な長辺に成形するための上下型によって平坦な長辺に成形して断面長方形状の角鋼管を製造するものである。このように、特許文献2に記載された発明では、上下型及び側型によって鋼管の外周からプレスすることで、断面が長方形状の角鋼管を製造することができる。
【0005】
上記した特許文献1、2に記載された発明では、夫々目的の角鋼管の形状に合わせた形状を持った成形型によって円筒状の鋼管を外周からプレスすることで、目的の形状を持った角鋼管を製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平03−285713号公報
【特許文献2】特開2006−326624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載された発明では、断面形状が正方形の角型鋼管の製造に限定されてしまうという問題や、成形途中で鋼管を複数回回転させることが必須であり、成形作業が煩雑になるという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載された発明では、断面形状が長方形を含む四角形に限定されてしまうという問題と、2段階の成形工程が必須であり、成形作業が煩雑になるという問題がある。
【0009】
更に、特許文献1、2に記載された発明では、円筒状の鋼管に外周側から力を加えてプレス成形するため、製造された角鋼管にしわや波打ちのような不具合が生じる虞がある。
【0010】
本発明の目的は、断面形状が三角形状を含む異形筒体を成形することができ、且つしわや波打ちのない異形筒体を成形するための方法と装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明に係る異形筒体の成形方法は、円筒状の金属筒体から角部が曲線状に成形されると共に角部と角部を結ぶ辺が直線状又は曲線状に成形された異形筒体を成形する方法であって、異形筒体の各角部に対応させた複数のスライダーダイを配置すると共に、側面が異形筒体の辺部に対応する形状を持ち前記複数のスライダーダイを半径方向に移動させるドライバーダイを配置し、前記複数のスライダーダイの外周に円筒状の金属筒体を設置した後、前記ドライバーダイを金属筒体の軸方向に移動させて各スライダーダイを半径方向に移動させることで金属筒体の内周面に圧接させて拡径すると共にドライバーダイの側面を金属筒体の内周面に圧接させることによって、前記円筒状の金属筒体を異形筒体に成形することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係る異形筒体の成形装置は、円筒状の金属筒体から角部が曲線状に成形されると共に角部と角部を結ぶ辺が直線状又は曲線状に成形された異形筒体を成形する装置であって、異形筒体の各角部の形状に対応させた形状を有し、金属筒体の半径方向に移動可能に構成された複数のスライダーダイと、側面が異形筒体の辺部に対応する形状を有し、金属筒体の軸方向に移動可能に構成されると共に該移動過程で前記複数のスライダーダイを半径方向に移動させるドライバーダイと、を有し、前記スライダーダイの外周に設置した円筒状の金属筒体を、軸方向に移動するドライバーダイの側面及びドライバーダイの移動に伴って半径方向に移動するスライダーダイによって異形筒体に成形し得るように構成されているものである。
【0013】
上記異形筒体の成形装置に於いて、前記各スライダーダイの背面に傾斜面が形成されると共にドライバーダイの前記スライダーダイの背面と対向する面にも傾斜面が形成され、前記スライダーダイの傾斜面とドライバーダイの傾斜面が互いに接触してドライバーダイの軸方向への移動に伴ってスライダーダイが半径方向に移動し得るように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る異形筒体の成形方法(以下「本成形方法」という)では、スライダーダイをドライバーダイによって移動させて円筒状の金属筒体の内周面に圧接させ、更に拡径させることで異形筒体に成形することができる。このように、成形に際し金属筒体を拡径させることで、成形された異形筒体にしわや波打ち等の不具合が生じることがない。
【0015】
特に、ドライバーダイを金属筒体の軸方向に移動させることでスライダーダイを半径方向に移動させるので、ドライバーダイを1往復させるという単純な作業工程で円筒状の金属筒体から異形筒体を成形することができる。
【0016】
また、本発明に係る異形筒体の成形装置(以下「成形装置」という)では、ドライバーダイを金属筒体の軸方向に移動させることで、複数のスライダーダイを夫々所定の半径方向に移動させて金属筒体の内周面に圧接させることができる。そして、圧接させたスライダーダイを更に移動させて拡径することで、金属筒体をスライダーダイに形成された角部の形状と、ドライバーダイの側面に形成された辺の形状に対応した形状に成形することができる。
【0017】
スライダーダイの形状は異形筒体の角部の形状に対応しているため、目的の異形筒体の断面形状に対応させてスライダーダイの数及び形状を設定することができる。そして、各スライダーダイは夫々半径方向に移動可能に構成されているため、目的の異形筒体の断面形状に対応させて最適な形状と数を配置することができる。このため、ドライバーダイを往復移動させるという簡単な作業工程によって、三角形断面を含む多角形状の異形筒体、或いは楕円形状や長円形状の異形筒体を成形することができる。
【0018】
各スライダーダイの背面に傾斜面を形成すると共にドライバーダイのスライダーダイの背面と対向する面に傾斜面を形成した場合には、両方の傾斜面を互いに接触させてドライバーダイの軸方向への移動に伴ってスライダーダイを半径方向に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】成形準備段階に於ける成形装置の構成を説明する図である。
【図2】成形完了段階に於ける成形装置の構成を説明する図である。
【図3】異形筒体をケースに利用した触媒装置の例を説明する図である。
【図4】三角形断面を有する異形筒体を成形する手順を模式的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る成形装置について説明すると共に本成形方法について説明する。本成形方法は、円筒状の金属筒体の内周面側に配置した複数のスライダーダイを、金属筒体の軸方向に移動するドライバーダイによって半径方向に移動させることで、該金属筒体を拡径して目的の異形筒体を成形するものである。
【0021】
このように、本成形方法では、金属筒体は複数のスライダーダイとドライバーダイとによって円周方向の引張力が付与されて異形筒体に成形される。従って、成形された異形筒体にはしわや波打ち等の不具合が生じることがなく、精度の良い良好な異形筒体を成形することが可能である。
【0022】
本発明に於いて、円筒状の金属筒体を構成する材料を限定するものではなく、鋼管やステンレス鋼管を含む鋼管、アルミニウム管や銅管を含む非鉄金属管等であって良く、最終製品が必要とする強度や耐食性等の条件に対応させて最適なものを選択することが好ましい。
【0023】
また、異形筒体の断面形状も特に限定するものではなく、三角形や四角形を含む多角形、或いは楕円形や長円形、等の種々の形状に成形することが可能である。
【0024】
次に、本実施例に係る成形装置Aの構成を説明するのに先立って、成形対象である異形筒体について図3により説明する。
【0025】
図に示す触媒装置Bは自動車エンジンの排気系に配置されるものであり、略四角形の断面形状を持って構成されている。触媒装置Bの両端部には図示しないエンジンからの排気管及び消音器への排気管が接続されており、エンジンから排気された高温の排気ガスが供給されて触媒と接触した後、消音器に排気されるように構成されている。
【0026】
触媒装置Bは、異形筒体(ケース)1の内部に触媒2を配置すると共に、この触媒2とケース1との間に耐熱性と弾力性を持った保持材3を配置して触媒2を保持することで構成されている。特に、異形筒体1は断面形状が四角形に成形されており、曲線状に成形された4つの角部1aと、略直線或いは曲率の小さい曲線状に成形された2つの短辺部1bと、略直線或いは曲率の小さい曲線状に成形された2つの長辺部1cと、を有して構成されている。
【0027】
次に、本実施例に係る成形装置Aの構成について図1、2を用いて説明する。本実施例に係る成形装置Aは、本成形方法を合理的に実施し得るように構成されたものである。
【0028】
図に於いて、成形装置Aは、複数(本実施例では2個)のスライダーダイ11と、各スライダーダイ11を半径方向に移動させるドライバーダイ12を有して構成されている。スライダーダイ11は異形筒体1の角部1aに対応させた形状を有しており、ドライバーダイ12は側面が異形筒体1の長辺部1cに対応させた形状を有している。
【0029】
複数のスライダーダイ11は、水平方向に設置された下部フレーム13の上面に配置され、該上面上を移動し得るように構成されている。即ち、下部フレーム13の上面にはスライダーダイ11の移動方向を案内する移動ガイド14が設けられており、この移動ガイド14によってスライダーダイ11が往復直線移動し得るように構成されている。
【0030】
移動ガイド14は、スライダーダイ11の下端部分を固定した摺動部材14aと、摺動部材14aの移動方向を案内する案内部材14bと、下部フレーム13に設けた固定部材13aと摺動部材14aとの間に配置され該摺動部材14aを常に下部フレーム13の中央方向に付勢する付勢部材15と、を有して構成されている。
【0031】
従って、複数のスライダーダイ11は付勢部材15によって常に互いに接近する方向に付勢されており、且つ上端部分が自由端となっている。このため、スライダーダイ11の上端を利用して該スライダーダイ11の外周に円筒状の金属筒体10を装着することが可能であり、且つ成形された異形筒体1を取り出すことが可能である。
【0032】
スライダーダイ11は目的の異形筒体1の角部の形状と対応した形状を有している。即ち、スライダーダイ11の異形筒体1を成形するための成形面となる外周面11aは、異形筒体1の角部1aの形状を有している。また、スライダーダイ11の背面(ドライバーダイ12に対向する面)11bには、上端側に向かって外周面11a側に接近するような傾斜面が形成されている。
【0033】
スライダーダイ11の形状は必ずしも異形筒体1に於ける1つの角部1aに対応している必要はなく、本実施例のように、異形筒体1の2つの角部1aと、これらの角部1aの間の短辺1bを含む形状に対応させたものであっても良い。
【0034】
ドライバーダイ12は金属筒体10の軸方向に移動し得るように構成されており、この方向への移動に伴ってスライダーダイ11を金属筒体10の半径方向に移動させるように構成されている。
【0035】
下部フレーム13には複数のガイドコラム18が設けられており、このガイドコラム18に沿って上部フレーム19が昇降(金属筒体10の軸心にそった方向の移動)し得るように構成されている。即ち、上部フレーム19は図示しない駆動装置によって下降及び上昇し得るように構成されている。
【0036】
上部フレーム19の下面に於ける略中央の位置にドライバーダイ12が固定されている。ドライバーダイ12のスライダーダイ11の背面11bと対向する面12aは、背面11bの傾斜角度と等しい傾斜角度を持った傾斜面として形成されている。このため、ドライバーダイ12は側面視が下端側に向かって寸法が小さくなる楔状に形成されている。そして、ドライバーダイ12の面12aが各スライダーダイ11の背面11bと接触することで、ドライバーダイ12の下降に伴って各スライダーダイ11は、下部フレーム13の上面を互いに離隔する方向に移動することになる。
【0037】
ドライバーダイ12の側面12bは異形筒体1の長辺部1cと対応する形状を有しており、ドライバーダイ12が下降することによるスライダーダイ11の移動にともなって、金属筒体10とドライバーダイ12の側面12bとが接触する。更なるスライダーダイ11の移動に応じて金属筒体10は拡径され、この拡径に伴って、ドライバーダイ12の側面12aが金属筒体10を成形することが可能である。
【0038】
次に、上記の如く構成された成形装置Aによって金属筒体10を異形筒体1に成形する過程について図1、2により説明する。
【0039】
先ず、上部フレーム19をガイドコラム18に沿って十分に上昇させ、ドライバーダイ12をスライダーダイ11から離脱させると共に、両ダイ11、12の間に金属筒体10を通過させ得る隙間を構成する。このとき、2つのスライダーダイ11は互いに最も接近した位置にある。そして、金属筒体10を前記隙間を通して2つのスライダーダイ11の外周に装着する。
【0040】
次に、上部フレーム19を下降させてドライバーダイ12をスライダーダイ11の間に挿入する(図1参照)。引き続きドライバーダイ12を下降させると、この下降に伴ってドライバーダイ12の面12aがスライダーダイ11の背面11bに接触し、これらの面12a、11bの傾斜角度に応じた水平分力がスライダーダイ11に付与される。このため、スライダーダイ11は移動ガイド14に案内されて金属筒体10の半径方向に移動する。
【0041】
スライダーダイ11の移動に伴って、該スライダーダイ11の外周面11aが金属筒体10の内周面と接触する。この段階では、ドライバーダイ12の側面12bは金属筒体10の内周面とは接触していない。
【0042】
ドライバーダイ12の更なる下降に伴ってスライダーダイ11は半径方向への移動を継続し、金属筒体10の成形を開始する。即ち、金属筒体10をスライダーダイ11の外周面11aの形状に成形すると共に、ドライバーダイ12の側面12bの形状に成形する。そして、スライダーダイ11の移動によって、金属筒体1の周長を予め設定された比率だけ延長させた時点で、ドライバーダイ12の下降を停止することで金属筒体10に対する成形を完了して異形筒体1を成形することが可能である(図2参照)。
【0043】
異形筒体1を成形するに際し金属筒体10の周長を何パーセント延長させるか、については限定するものではなく、金属筒体10を構成する材料の成分や厚さ、目的の製品の仕様等の条件に応じて最適な率を設定することが好ましい。
【0044】
上記の如くして異形筒体1を成形した後、上部フレーム19を上昇させることでドライバーダイ12を上昇させると、このドライバーダイ12の上昇に伴って、スライダーダイ11が付勢部材15に付勢されて互いに接近する。このため、スライダーダイ11は異形筒体1の内周面から離脱することとなり、成形された異形筒体1は何ら拘束されることのない自由な状態となる。
【0045】
引き続き上部フレーム19を上昇させ、ドライバーダイ12をスライダーダイ11から離脱させて両ダイ11、12の間に異形筒体1が通過し得るような隙間を構成して停止する。その後、自由な状態にある異形筒体1をドライバーダイ12とスライダーダイ11との隙間を通して離脱させることで、成形された異形筒体1を取り出すと共に、成形装置Aを初期の状態とする。
【0046】
引き続き、前述した作業を繰り返すことで、連続して金属筒体1を成形して異形筒体1を成形することが可能である。
【0047】
次に、図4により、円筒状の金属筒体30を断面が三角形状の異形筒体31に成形する際の手順について簡単に説明する。
【0048】
図に示すように、異形筒体31の各角部毎に、該角部に対応した形状を持ったスライダーダイ32、33、34が配置されており、各スライダーダイ32〜34の中央にドライバーダイ35が配置されている。各スライダーダイ32〜34は前述した実施例と同様に構成された下部フレームの上面に移動可能に構成されており、ドライバーダイ35は昇降可能に構成された上部フレームに配置されている。
【0049】
上記各スライダーダイ32〜34は、夫々金属筒体30の内周面を圧接して成形する外周面32a〜34aと、傾斜面として形成された背面32b〜34bを有している。またドライバーダイ35は各スライダーダイ32〜34の背面32a〜34aと対向する位置に面35aが形成されると共に、各面35aの間に側面35bが形成されている。
【0050】
同図(a)に示すように、スライダーダイ32〜34の外周に金属筒体30を装着した後、ドライバーダイ35を移動させて各スライダーダイ32〜34を夫々半径方向に移動させることで、金属筒体30を各スライダーダイ32〜34の外周面32a〜34a、及びドライバーダイ35の側面35bによって成形することが可能である。
【0051】
そして、同図(b)に示すように、金属筒体30から異形筒体31を成形した後、ドライバーダイ35を上昇させると共にスライダーダイ32〜34を異形筒体31の内周面から離脱させた後、成形された異形筒体31をスライダーダイ32〜34の外周から取り出すことが可能である。
【0052】
上記の如く、目的の異形筒体の断面形状に対応させてスライダーダイを配置し、このスライダーダイをドライバーダイによって移動させることで、断面が三角形、四角形を含む多角形状、或いは楕円形、長円形、等の異形筒体を成形することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る異形筒体の成形方法及び成形装置は、断面が三角形、四角形を含む多角形状、或いは楕円形、長円形、等の異形筒体を成形する際に利用して有利である。
【符号の説明】
【0054】
A 成形装置
B 触媒装置
1 異形筒体
1a 角部
1b 短辺部
1c 長辺部
2 触媒
3 保持材
10 金属筒体
11 スライダーダイ
11a 外周面
11b 背面
12 ドライバーダイ
12a 面
12b 側面
13 下部フレーム
13a 固定部材
14 移動ガイド
14a 摺動部材
14b 案内部材
15 付勢部材
18 ガイドコラム
19 上部フレーム
30 金属筒体
31 異形筒体
32〜34 スライダーダイ
32a〜34a 外周面
32b〜34b 背面
35 ドライバーダイ
35a 面
35b 側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の金属筒体から角部が曲線状に成形されると共に角部と角部を結ぶ辺が直線状又は曲線状に成形された異形筒体を成形する方法であって、
異形筒体の各角部に対応させた複数のスライダーダイを配置すると共に、側面が異形筒体の辺部に対応する形状を持ち前記複数のスライダーダイを半径方向に移動させるドライバーダイを配置し、
前記複数のスライダーダイの外周に円筒状の金属筒体を設置した後、前記ドライバーダイを金属筒体の軸方向に移動させて各スライダーダイを半径方向に移動させることで金属筒体の内周面に圧接させて拡径すると共にドライバーダイの側面を金属筒体の内周面に圧接させることによって、前記円筒状の金属筒体を異形筒体に成形することを特徴とする異形筒体の成形方法。
【請求項2】
円筒状の金属筒体から角部が曲線状に成形されると共に角部と角部を結ぶ辺が直線状又は曲線状に成形された異形筒体を成形する装置であって、
異形筒体の各角部の形状に対応させた形状を有し、金属筒体の半径方向に移動可能に構成された複数のスライダーダイと、
側面が異形筒体の辺部に対応する形状を有し、金属筒体の軸方向に移動可能に構成されると共に該移動過程で前記複数のスライダーダイを半径方向に移動させるドライバーダイと、を有し、
前記スライダーダイの外周に設置した円筒状の金属筒体を、軸方向に移動するドライバーダイの側面及びドライバーダイの移動に伴って半径方向に移動するスライダーダイによって異形筒体に成形し得るように構成されていることを特徴とする異形筒体の成形装置。
【請求項3】
前記各スライダーダイの背面に傾斜面が形成されると共にドライバーダイの前記スライダーダイの背面と対向する面にも傾斜面が形成され、前記スライダーダイの傾斜面とドライバーダイの傾斜面が互いに接触してドライバーダイの軸方向への移動に伴ってスライダーダイが半径方向に移動し得るように構成されていることを特徴とする請求項2に記載した異形筒体の成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−66268(P2012−66268A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211626(P2010−211626)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000138521)株式会社ユタカ技研 (134)