説明

異方性光拡散フィルム、面光源装置および表示装置

【課題】異方性光拡散機能を有した異方性光拡散フィルムを提供する。
【解決手段】異方性光拡散フィルム10は、方向性を持って配置された複数の細長状の突出部24を含むシート状の第1部分20と、第1部分の突出部が形成されている面上に設けられたバインダー部32およびバインダー部中に分散された長手方向を有した光拡散性粒子34を有する第2部分30と、を含む。第2部分の光拡散性粒子は、第1部分の突出部の方向性に関連してある方向への規則性を持って、配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を拡散させる拡散機能を有した光拡散フィルムに係り、とりわけ、指向性を持って(非等方的に)光を拡散させる異方性拡散機能を有した異方性光拡散フィルムに関する。また、本発明は、この異方性光拡散フィルムを含む面光源装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光を拡散させる機能を有した光拡散性フィルムが使用されている。とりわけ、光を等方的(均一)に拡散させる等方性光拡散フィルムだけでなく、特定の方向に偏って光を拡散させる異方性光拡散フィルムも、種々の分野において、用いられている。
【0003】
例えば特許文献1では、異方性光拡散フィルムが、表示装置の視野角の調節を目的として用いられている。また、面状に光を発光する面光源装置では、冷陰極管等に代表されるように、光源をなす発光体の発光特性が指向性を有していることがあり、この場合、特定方向に沿った光学特性を調節する必要が生じる。そして、特許文献2の開示されているように、このような面光源装置においても、異方性光拡散フィルムが、主として、特定方向に沿った光学特性を主として調節することを目的として、用いられてきた。なお、特許文献2には、面光源装置の一例として、液晶表示パネルを背面側から照明するバックライトに異方性光拡散フィルムを用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−314522号公報
【特許文献2】特開2008−129546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の異方性光拡散フィルムの多くは、特許文献1に代表されるように、光拡散性粒子を含有した光拡散フィルムを一軸延伸して、長手方向を有した光拡散性粒子の向きを揃えることによって、作製されてきた。しかしながら、この方法で光拡散性フィルムを作製しようとすると、延伸時に光拡散性粒子とその周囲の樹脂との間に空隙やクラック等が生じてしまう。また、延伸された光拡散フィルムはレターデーションが高くなり、バックライトとしての面光源装置の利用に好ましくないことがある。
【0006】
特許文献2では、長手方向を有した光拡散性粒子が一定方向に配向するようにして、当該光拡散性粒子を含有した樹脂組成物を基材上に塗工することにより、異方性光拡散フィルムが作製されている。特許文献2に開示された方法によれば、光拡散フィルムを一軸延伸することに起因して生じる不具合を解消することができるが、実際には、塗工時に光拡散性粒子の向きを制御することは困難であり、結果として、特許文献2に開示された方法を採用して、光拡散フィルムの異方性拡散機能を所望の程度に制御することは実際上難しい。
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであって、異方性光拡散機能を有した異方性光拡散フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による異方性光拡散フィルムは、
方向性を持って配置された複数の細長状の突出部を含む、シート状の第1部分と、
前記第1部分の前記突出部が形成されている面上に設けられたバインダー部、および、前記バインダー部中に分散された長手方向を有する光拡散性粒子を含む第2部分と、を備え、
前記第2部分の前記光拡散性粒子は、前記第1部分の前記突出部の方向性に関連してある方向への規則性を持って、配置されている。
【0009】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記第1部分は、シート状の本体部と、前記本体部上に並べて配列された前記複数の突出部と、を有し、前記複数の突出部は、前記本体部上に並べて配列され、各突出部は、前記複数の突出部の配列方向と交差する方向に延びていてもよい。
【0010】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝内に、前記光拡散性粒子の全体が位置していてもよい。
【0011】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の幅は、前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における最大幅Pwよりも、大きく、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の深さは、前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における最大幅よりも、大きくなっていてもよい。
【0012】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記光拡散性粒子の前記長手方向に沿った長さをPlとし、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の幅をGwとした場合に、次の関係が満たされるようにしてもよい。
Gw < (Pl)/(21/2
【0013】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記光拡散性粒子の前記長手方向に沿った長さをPlとし、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の深さをGdとした場合に、次の関係が満たされるようにしてもよい。
Gd < (Pl)/(21/2
【0014】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝内に、前記光拡散性粒子の一部分のみが位置していてもよい。
【0015】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の幅は、前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における最大幅Pwよりも、小さくなっていてもよい。
【0016】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の深さは、前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における最大幅Pwよりも、小さくなっていてもよい。
【0017】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における前記光拡散性粒子の最大断面積と同一の面積を有する円の半径をPrとし、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の幅をGwとした場合、次の関係が満たされるようにしてもよい。
((Pr)×2)/(21/2) ≦ Gw
【0018】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における前記光拡散性粒子の最大断面積と同一の面積を有する円の半径をPrとし、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の深さをGdとした場合、次の関係が満たされるようにしてもよい。
Pr−((Pr)/(21/2)) ≦ Gd
【0019】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記第2部分によって、異方性光拡散フィルムの一方の表面の少なくとも一部が構成され、前記第1部分によって、異方性光拡散フィルムの他方の表面が構成されるようにしてもよい。
【0020】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記第1部分の前記突出部の先端面および前記第2部分によって、異方性光拡散フィルムの一方の表面が構成され、前記第1部分によって、異方性光拡散フィルムの他方の表面が構成されるようにしてもよい。
【0021】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記一方の表面のうちの前記第2部分によって構成される位置に、凹部が形成されていてもよい。
【0022】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記一方の表面のうちの前記第1部分の前記突出部によって構成される位置に、凸部が形成されていてもよい。
【0023】
本発明による異方性光拡散フィルムにおいて、前記一方の表面には、前記光拡散性粒子に起因した凸部が形成されていてもよい。
【0024】
本発明による異方性光拡散フィルムが、反射防止機能、防眩機能、耐擦傷機能の少なくともいずれか一以上を有した機能層を、さらに備えるようにしてもよい。
【0025】
本発明による異方性光拡散フィルムが、並べて配列された単位光学要素をさらに備えるようにしてもよい。
【0026】
本発明による面光源装置は、上述した本発明による異方性光拡散フィルムのいずれかを備える。
【0027】
本発明による第1の表示装置は、上述した本発明による面光源装置のいずれかを備える。
【0028】
本発明による第2の表示装置は、上述した本発明による異方性光拡散フィルムのいずれかを備える。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、第1部分の突出部によって光拡散性粒子の向きを安定して制御することができ、これにより、異方性光拡散機能を光拡散フィルムに安定して付与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明による一次実施の形態を説明するための図であって、異方性光拡散フィルムを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示された異方性光拡散フィルムを、当該当該異方性光拡散フィルムのフィルム面への法線方向から示す平面図である。
【図3】図3は、図1に示された異方性光拡散フィルムを、図2のIII−III線に沿った断面において、すなわち当該異方性光拡散フィルムのフィルム面への法線方向に沿った断面において、示す断面図である。
【図4】図4は、図1に示された異方性光拡散フィルムが組み込まれた表示装置および面光源装置の一例を示す図である。
【図5】図5は、図3に対応する図であって、異方性光拡散フィルムの一変形例を示す断面図である。
【図6】図6は、図3に対応する図であって、異方性光拡散フィルムの他の変形例を示す断面図である。
【図7】図7は、図2に対応する図であって、異方性光拡散フィルムのさらに他の変形例を示す平面図である。
【図8】図8は、図3に対応する図であって、図7に示された異方性光拡散フィルムの他の変形例を図7のVIII−VIII線に沿った断面において示す断面図である。
【図9】図9は、図3に対応する図であって、異方性光拡散フィルムのさらに他の変形例を示す断面図である。
【図10】図10は、図3に対応する図であって、異方性光拡散フィルムのさらに他の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0032】
図1〜図4は本発明による一実施の形態を説明するための図である。図1〜図3は、それぞれ、本実施の形態に係る異方性光拡散フィルム10を示す斜視図、平面図および断面図である。
【0033】
図1〜図3に示された異方性光拡散フィルム10は、シート状の第1部分20と、第1部分20上に設けられた第2部分30と、を有している。第2部分30は、第1部分20上に設けられたバインダー部32と、バインダー部32内に分散された光拡散性粒子34と、を含んでいる。このうちまず、第1部分20について説明し、次に、第2部分30について説明する。
【0034】
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「フィルム」はシートや板と呼ばれ得るような部材も含む概念であり、したがって、「光拡散フィルム(異方性光拡散フィルム)」は、「光拡散シート(異方性光拡散シート)」や「光拡散板(異方性光拡散板)」と呼ばれる部材と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
【0035】
また、「フィルム面(シート面、板面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるフィルム状部材の平面方向と一致する面のことを指す。
【0036】
さらに、本件明細書において用いる形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」等の用語は、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差範囲を含めて解釈することとする。
【0037】
図1〜図3に示すように、第1部分20は、シート状の本体部22と、本体部22上に設けられた多数の突出部24と、を有する。本体部22は、突出部24を支持する部位として機能する。本体部22は、突出部24が配置された平坦な一方の面22aと、一方の面22aに対向する他方の平坦な面22bと、を有したシート状の部材として形成されている。一方の面22aおよび他方の面22bは、互いに平行な平坦面として形成されている。
【0038】
図1〜図3によく示されているように、突出部24は、細長状に形成されて、長手方向を有している。そして、細長状の突出部24は、シート状の本体部22の一方の面22a上に方向性を持って配置されている。言い換えると、長手方向を有する突出部24は、方向または向きに関する規則性を持って配置されている。結果として、本体部22の一方の面22a上に配置された各突出部24の長手方向が本体部22のシート面と平行なある一つの方向od(該長手方向のなす角度の基準となる方向、図1参照)に対してなす角度は、0°以上45°未満となる。
【0039】
図1〜図3に示された一実施の形態において、多数の突出部24は、本体部22のシート面と平行な配列方向(図2においては左右方向)に並べられて、本体部22の一方の面22a上に、配列されている。各突出部24は、本体部22の一方の面22a上を、その配列方向と交差する方向に線状に延びている。とりわけ図示する例において、各突出部24は、配列方向と直交する方向に沿って、互いに平行となるように、直線状に延びている。さらに、各突出部24は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。また、本実施の形態において、複数の突出部24は、互いに同一に構成されている。
【0040】
本実施の形態では、図3に示す断面、つまり、突出部24の配列方向および本体部22の一方の面22a(シート状の本体部の22のシート面)への法線方向ndの両方向に平行な断面(以下においては、単に「異方性光拡散フィルムの主切断面」とも呼ぶ)において、各突出部24は、本体部22の一方の面22a上に一辺が位置する四角形形状、より詳細には、長方形形状となっている。
【0041】
このような、第1部分20は、透明材料を原料として形成される。具体的には、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂を原料として押し出し成形することによって、第1部分20を作製することができる。あるいは、第1部分20を、ポリエチレンテレフタレート等からなる透明な基材上に、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の透明な反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を用いて突出部24を賦型することにより、第1部分20を作製することもできる。
【0042】
次に、第2部分30について説明する。第2部分30は、第1部分20の突出部24が形成された一方の面上に設けられたバインダー部32と、バインダー部32内に分散された光拡散性粒子34と、を含んでいる。
【0043】
図2よく示されているように、本実施の形態では、第2部分30は、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26を埋めるように配置されている。結果として、図2に示すように、異方性光拡散フィルム10の一方の面10aは、突出部24の先端面24aおよび第2部分30によって形成された平坦な面として、構成されている。なお、異方性光拡散フィルム10の他方の面10bは、第1部分20の本体部22の他方の面22bから構成され、したがって上述したように平坦な面として構成されている。
【0044】
バインダー部32は、第1部分20上において、光拡散性粒子34を保持する部位であり、透明材料から形成され得る。異方性光拡散フィルム10において、光反射機能は、バインダー部32と光拡散性粒子34との屈折率を相違させ、両者の界面での反射や屈折等に起因して、発現されるようになる。尚、バインダー部32と第1部分20とは屈折率が同じであっても、或いは相違しても何れでも良い。ただし、バインダー部32の屈折率を、第1部分20の屈折率と相違させることにより、具体的には、0.0001以上0.5以下の範囲、さらに好ましくは、0.001以上0.3以下の範囲で相違させることにより、第1部分20と第2部分30のバインダー部34との界面においても、光拡散機能、とりわけ異方性光拡散機能を発現させることが出来、より大きな光拡散を実現することが出来る。
【0045】
図1および図2に示すように、光拡散性粒子34は、細長状に形成されて、長手方向ldを有している。そして、図3によく示されているように、細長状の光拡散性粒子34は、第1部分20の突出部24の方向性に関連し、方向性を持って、すなわち、ある所定の方向odへの規則性持って、配置されている。言い換えると、細長状の光拡散性粒子34は、第1部分20の突出部24の方向性に関連して、方向または向きに関する規則性を持って配置されている。より具体的には、第2部分30の光拡散性粒子34は、その長手方向ldが本体部22のシート面と平行なある一つの方向に対してなす角度θaが0°以上45°未満となるように、第2部分20内に分散されている。図2に示された例において、長手方向ldを有した光拡散性粒子34が規則性を持って配置されるようになる所定の一方向odは、第1部分20の突出部24が方向性を持つ方向(突出部24の長手方向が規則性を持って揃えられる方向)と同一となっている。
【0046】
なお、光拡散性粒子34の長手方向は、その長さが最も長くなる直線方向として特定することができる。
【0047】
光拡散性粒子34が、それ自体の表面において反射性を有していることにより、あるいは、バインダー部32とは異なる屈折率を有していることにより、光拡散性粒子34とバインダー部32との界面での反射や屈折に起因した光拡散機能が発現されるようになる。この光拡散機能は、光拡散性粒子34の長手方向ldに直交する方向へ主として光を拡散させるようになる。したがって、光拡散性粒子34の長手方向ldが所定の一方向odに沿うように、光拡散性粒子34が規則性を持って配置されている第2部分30(異方性光拡散フィルム10)は、所定の一方向odに直交する方向に偏って光を拡散させるようになる。すなわち、本実施の形態による異方性光拡散フィルム10は、所定の一方向odに直交する方向に主として光を向ける、異方性光拡散機能を発揮するようになっている。
【0048】
なお、光拡散性粒子34とバインダー部32との屈折率差に起因した光拡散性粒子34とバインダー部32との界面での反射や屈折等によって光拡散機能を発現する場合、光拡散性粒子34とバインダー部32との屈折率差は、0・001以上3以下の範囲、さらに好ましくは、0.01以上1以下の範囲となっていることが好ましい。
【0049】
上述したように、本実施の形態において、第2部分30は、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26内に形成されている。したがって、図1〜図3に示すように、本実施の形態では、隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26内に、光拡散性粒子34の全体が位置している。言い換えると、光拡散性粒子34は、隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26内にその全体が入り込むようにして、第1部分20上に配置されている。
【0050】
本実施の形態では、このような光拡散性粒子34の配置を可能とするため、図2に示すように、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26の幅Gw(または、この幅の平均値としての幅Gw)、すなわち、溝26の第1部分20のシート面に沿った長さGwが、光拡散性粒子34の長手方向ldに直交する断面における最大の幅Pw(または、この幅の平均値としての幅Pw)よりも、大きくなっている。同時に、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26の深さGd(または、この深さの平均値としての深さGd)、すなわち、溝26の第1部分20のシート面への法線方向に沿った長さGdが、光拡散性粒子34の長手方向ldに直交する断面における最大の幅Pw(または、この幅の平均値としての幅Pw)よりも、大きくなっている。
【0051】
ところで、以上の構成からなる本実施の形態において、隣り合う二つの突出部24および本体部22によって画成される溝26内に位置する光拡散性粒子34が、突出部24の長手方向と平行な一方向odに対する規則性を持って、配置されるようにするためには、すなわち、溝26内の各光拡散性粒子34の長手方向ldが、突出部24の長手方向(溝26の長手方向)と平行な一方向odに対して45°未満の角度をなすように分布して配置するためには、実際上、次のように各寸法を定めることが好ましい。
【0052】
まず、光拡散性粒子34の長手方向ldに沿った長さPl(または、この長さの平均値としての長さPl)が、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26の幅Gw(または、この幅の平均値としての幅Gw)よりも大きくなっていることが好ましい。この場合、溝26内に配置された光拡散性粒子34の向きを、溝26を形成する突出部24によって、構造上規制することができる。言い換えると、光拡散性粒子34が溝26内で自由に回転することを突出部24によって防止され、光拡散性粒子34が溝26内で取り得る向きを特定の範囲に規制することが可能となる。
【0053】
更には、光拡散性粒子34の長手方向ldに沿った長さPl(または、この長さの平均値としての長さPl)と、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26の幅Gw(または、この幅の平均値としての幅Gw)と、が次の関係(1a)を満たすように設計しておくことが好ましく、次の関係式(1b)を満たすように設計しておくことがさらに好ましい。
Gw < (Pl)/(21/2) ・・・式(1a)
Gw < (Pl)/2 ・・・・式(1b)
このような式(1a)が満たされる場合には、図2に示された平面視において、すなわち、異方性光拡散フィルム10のフィルム面への法線方向からの観察において、光拡散性粒子34の長手方向ldが、突出部24の長手方向(溝26の長手方向)、つまり、所定の一方向odに対して45°以上の角度をなすように、光拡散性粒子34が配置されることを規制(阻止)することができる。また、式(1b)が満たされる場合には、平面視において、光拡散性粒子34の長手方向ldが所定の一方向odに対して30°以上の角度をなすように、光拡散性粒子34が配置されることを規制(阻止)することができ、これにより、異方性光拡散フィルム10の異方性光拡散機能がより強い指向性を呈するようにすることができる。
【0054】
また、光拡散性粒子34の長手方向ldに沿った長さPl(または、この長さの平均値としての長さPl)と、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26の深さGd(または、この深さの平均値としての深さGd)と、が次の関係(2a)を満たすように設計しておくことが好ましく、次の関係式(2b)を満たすように設計しておくことがさらに好ましい。
Gd < (Pl)/(21/2) ・・・式(2a)
Gd < (Pl)/2 ・・・・式(2b)
このような式(2a)が満たされる場合には、図2における矢印Aの方向からの観察において、すなわち、異方性光拡散フィルム10のフィルム面に平行であるとともに所定の一方向odに直交する方向からの観察において、光拡散性粒子34の長手方向ldが、突出部24の長手方向(溝26の長手方向)、つまり、所定の一方向odに対して45°以上の角度をなすように、光拡散性粒子34が配置されることを規制(阻止)することができる。また、式(2b)が満たされる場合には、図3における矢印Aの方向からに観察において、光拡散性粒子34の長手方向ldが所定の一方向odに対して30°以上の角度をなすように、光拡散性粒子34が配置されることを規制(阻止)することができ、これにより、異方性光拡散フィルム10の異方性光拡散機能がより強い指向性を呈するようにすることができる。
【0055】
このような第2部分30は、上述した第1部分20の突出部24が形成されている側の面上に、一例として、次のようにして形成することができる。まず、長手方向ldを有する光拡散性粒子34を、バインダー部24をなすようになる樹脂材料と混練してなる樹脂組成物を準備する。バインダー部24をなすようになる樹脂材料としては、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の透明な反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を用いることができる。次に、準備された樹脂組成物を、第1部分20の突出部24が形成されている側の面上に塗工し、突出部24間に形成された溝26内に充填する。このとき、必要に応じて、スキージ、ドクターブレード、ローラ等を用いたワイピング(溝外の余剰インキの掻き取り)により、樹脂組成物を溝26内に充填するようにしてもよい。
【0056】
その後、樹脂組成物を溝26内で硬化(固化)させることにより、バインダー部32と、バインダー部32内に分散された光拡散性粒子34と、からなる第2部分30が形成され、結果として、第1部分20および第2部分30からなる異方性光拡散フィルム10が得られる。第1部分20の溝26の寸法および光拡散性粒子34の寸法を、上述した式(1a)、(1b)、(2a)、(2b)を満たすように設定しておいた場合、このようにして得られた異方性光拡散フィルム10において、光拡散性粒子34の溝26内における向きが構造上拘束され、結果として、光拡散性粒子34は、第1部分20の突出部24の方向性に関連した所定の一方向odへの規則性を持って、配置されるようにすることができる。
【0057】
長手方向ldを有する光拡散性粒子34の形状としては、一例として、回転楕円体、粒状(米粒状)、針状、鱗状、微細板状等の種々の形状を採用することができる。また、具体的な例として、平均アスペクト比(長手方向ldに沿った光拡散性粒子34の長さPlの、長手方向ldに直交する方向に沿った当該光拡散性粒子34の最大幅Pwに対する比の平均値)が、1.5以上50以下であって、光拡散性粒子34の平均粒径(体積相当法で算出された粒径、すなわち体積相当径の算術平均値)が0.5μ以上100μm以下の範囲の粒子を、長手方向ldを有した光拡散性粒子34として、用いることができる。このような光拡散性粒子34として、有機繊維からなる光拡散性粒子、例えば、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド繊維等の耐熱性有機繊維からなる光拡散性粒子を用いることができる。さらに、光拡散性粒子34として、無機繊維からなる光拡散性粒子、例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維等の繊維状フィラーからなる光拡散性粒子を用いることもできる。さらに、光拡散性粒子34として、薄板状フィラー(マイカ)からなる光拡散性粒子を用いることもできる。さらに、光拡散性粒子34として、不定形フィラーからなる光拡散性粒子、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、二酸化チタン等の無機系白色顔料からなる光拡散性粒子を用いることもできる。
【0058】
以上のような異方性光拡散フィルム10において、これまでに言及していない各寸法として、第1部分20の本体部22の厚みBtを10μm以上1mm以下の範囲とすることができ、第1部分20の突出部24の幅Bwを0.1μm以上1mm以下とすることができる。
【0059】
以上のような構成からなる異方性光拡散フィルム10は、次のような作用効果を奏することができる。
【0060】
まず、光拡散性粒子34が、それ自体の表面において反射性を有していることにより、あるいは、バインダー部32とは異なる屈折率を有していることにより、光拡散性粒子34とバインダー部32との界面での反射や屈折に起因した光拡散機能が発現されるようになる。光拡散性粒子34とバインダー部32との界面にて光学作用を受ける光は、光拡散性粒子34の長手方向ldに直交する面内において、進行方向を大きく変化させるようになる。つまり、この光拡散機能は、光拡散性粒子34の長手方向ldに直交する方向へ主として光を拡散させるようになる。
【0061】
一方、異方性光拡散フィルム10内の光拡散性粒子34は、各光拡散性粒子34の長手方向ldが所定の一方向odに沿うように、規則性を持って配置されている。したがって、光拡散性粒子34とバインダー部32との界面での光拡散は、所定の一方向odに直交する方向に偏って光を拡散させるようになる。すなわち、本実施の形態による異方性光拡散フィルム10は、相対的に、所定の一方向od方向には狭い拡散角を、又所定の一方向odに直交する方向に広い拡散角を発現する様な異方性光拡散機能を発揮するようになる。これは即ち、各光拡散性粒子34の長手方向の平均配向方向とも言える該所定の一方向odと一方の面22aの法線nd方向(図3に於いて言えば上下方向(図示は略))を含む面S内に於ける出射光の拡散角θよりも、該方向odに直交する面S内に於ける出射光の拡散角θの方が大きくなることを意味する。不等式で表示すると、
θ(od方向の拡散角)<θ(od方向と直交方向の拡散角)
となることを意味する。尚、此処で、各拡散角とは、面S及び面S内の各々に於ける光強度(或いは輝度)が最大となる方向を間に含み、光強度(或いは輝度)が最大光強度(或いは輝度)の半分以上となる角度範囲、所謂半値角と定義される。
【0062】
また、上述したように、第1部分20と第2部分30のバインダー部32との間に屈折率差がある場合には、第1部分20と第2部分30との界面、より詳細には、突出部24または本体部22とバインダー部32との間の界面によっても、当該界面における反射や屈折に起因した光拡散機能が発現されるようになる。そして、本実施の形態によれば、第1部分20の突出部24が、光拡散性粒子34が方向付けられている所定の一方向odと平行な方向に、方向性を持って配置されている。より詳細には、第1部分20の突出部24の長手方向が、光拡散性粒子34が方向付けられている方向と平行となっている。したがって、この第1部分20と第2部分30との界面での光拡散も、所定の一方向odに直交する方向に偏って光を拡散させるようになる。すなわち、この第1部分20と第2部分30との界面での光学作用によっても、相対的に、所定の一方向od方向には狭い拡散角を、又所定の一方向odに直交する方向に広い拡散角を発現する様な異方性光拡散機能が呈されるようになる。
【0063】
このようにして本実施の形態に係る異方性光拡散フィルム10は、所定の一方向odに直交する方向に主として光を向ける異方性光拡散機能を発揮することができる。とりわけ、本実施の形態では、長手方向ldを有した光拡散性粒子34の取り得る向きは、第1部分20の突出部24によって構成上拘束されている。このため、長手方向ldを有した光拡散性粒子34の配置に関する方向性は、第1部分20の突出部24によって、安定して確保されるようになり、結果として、異方性光拡散フィルム10は安定して異方性光拡散機能を発現することができる。また、第1部分20の突出部24の構成および第2部分30の光拡散性粒子34の構成によって、長手方向ldを有した光拡散性粒子34の取り得る向きを制御することができ、これにより、異方性光拡散フィルム10が発現し得る異方性光拡散機能の程度を、高い自由度で、調節することもできる。
【0064】
このような、異方性光拡散フィルム10は、一例として、図4に示された表示装置Aに組み込んで使用され得る。図4に示された表示装置Aは、液晶表示装置として構成されており、液晶表示パネルCと、液晶表示パネルCを背面側から照明するバックライトとしての面光源装置Bと、を有している。表示装置10に求められる水平視野角特性および垂直視野角特性は、通常、異なっている。例えば、テレビ受像機としての表示装置には、広い水平視野角が求められる一方で、垂直視野角を広くする必要は通常存在しない。また逆に、モバイル機器に組み込まれる表示装置には、覗き見防止の観点から水平方向視野角(横方向視野角)を絞り込むことが求められる一方で、垂直方向視野角(縦方向視野角)を水平方向視野角よりも広く設定することが求められる。このような表示装置Aの視野角特性への要望に対して、異方性光拡散フィルム10が有効に使用され得る。
【0065】
尚、ここで、水平方向とは画像観察者の左右方向、即ち横方向の意味で用いる。テレビ受像機の場合は、通常、重力が働く方向と直交する狭義の水平方向と一致する。又、垂直方向とは該水平方向と直交する方向を意味し、必ずしも、重力方向(鉛直方向)とは一致し無い。尚、テレビ受像機の場合は、通常は、該垂直方向は、概ね、鉛直方向乃至はこれに近い方向となる。
【0066】
具体的には、図4に示すように、液晶表示パネルCの出光面上に異方性光拡散フィルム10Aを所定の向きで配置する。例えば、テレビ受像器としての表示装置に対しては、長手方向ldを有した光拡散性粒子34が方向性を呈するようになる所定の一方向odが垂直方向と平行になるように、異方性光拡散フィルム10Aを配置する。この場合、異方性光拡散フィルム10Aは、液晶表示パネルCからの映像光を水平方向に偏って拡散させるようになり、垂直方向への拡散を抑制することによって限られた映像光を有効に使用しながら、広い水平方向視野角を確保することができる。また、モバイル機器に組み込まれる表示装置Aには、長手方向ldを有した光拡散性粒子34が方向性を呈するようになる所定の一方向odが水平方向(横方向)と平行になるように、異方性光拡散フィルム10Aを配置する。この場合、異方性光拡散フィルム10Aは、液晶表示パネルCからの映像光を垂直方向(縦方向)に偏って(広い拡散角で)拡散させるようになり、水平方向への拡散を抑制(拡散角を狭く)することによって左右方向(水平方向)からの覗き見防止機能を表示装置Aに付与しながら、垂直方向への拡散を促進することによって優れた視認性を表示装置Aに付与することができる。
【0067】
また、他の例として、異方性光拡散フィルム10を、面状に光を発光する面光源装置Bに組み込んで使用することができる。この例として、図4には、液晶表示パネルに使用され得るバックライトとしての面光源装置Bに、異方性光拡散フィルム10Bを適用した例が開示されている。図4に示された面光源装置Bは、複数の発光体B1aを有する光源B1と、発光体Blaからの光の進行方向を変化させるための多数の光学シートと、を含んでおり、所望の光学特性で液晶表示パネルCを照明することができるように設計されている。図4に示された面光源装置Bの一例では、光源B1の発光体B1aの側から順に、拡散板B2、集光シート(プリズムシート)B3および異方性光拡散フィルム10Bが設けられている。また、光源B1の背面側には、反射板B4が設けられている。
【0068】
図4の例では、各発光体B1aは、第1方向に延びる細長状の冷陰極管からなり、複数の発光体B1aは、その長手方向が互いに平行となるようにして、第2方向に並べて配列されている。集光シートB3は、各々が第1方向に延びるとともに第2方向に並べて配列された単位プリズムB3aを多数含んでなるプリズムシートとして構成されている。集光シートCは、光の進行方向を正面方向へ絞り込み正面方向輝度を向上させる機能(集光機能)を有している。併せて、この集光シートB3は、発光体B1aの配列に応じて発生する第2方向に沿った明るさのムラ(輝度ムラ、管ムラ)を低減する機能を有している。
【0069】
このような図4に示された面光源装置Bでは、集光シートB3および拡散板B2によって、発光体B1aの配列に応じて発生する第2方向に沿った明るさのムラ、所謂光源像(Light image)を十分に解消することができないこともある。この場合、長手方向ldを有した光拡散性粒子34が方向性を呈するようになる所定の一方向odが第1方向と平行になるように、異方性光拡散フィルム10Bを配置して、当該異方性光拡散フィルム10Bが第2方向に偏って光を拡散させるようにしてもよい。この態様によれば、第2方向に沿った明るさのムラを効果的目立たなくすることができる。その一方で、第1方向に沿って過度に光を拡散することが効果的に防止されるので、不要な拡散(反射)にともなった光量損失を回避することができる。
【0070】
また、集光シートB3によって、発光体B1aの配列に応じて発生する第2方向に沿った明るさのムラを十分に解消することができる場合には、長手方向ldを有した光拡散性粒子34が方向性を呈するようになる所定の一方向odが第2方向と平行になるように、異方性光拡散フィルム10Bを配置して、当該異方性光拡散フィルム10Bが第1方向に偏って光を拡散させるようにしてもよい。この態様によれば、集光シートB3の集光機能によって正面方向へ集光された光の第2方向に沿った成分の進行方向が異方性光拡散フィルム10Bによって大きく乱されることがないので、高い正面方向輝度を確保することができる。加えて、集光シートB3によって、発光体B1aの配列に応じて発生する第2方向に沿った明るさのムラを十分に解消することができるとともに、当該異方性光拡散フィルム10Bが第1方向に偏って光を拡散させる場合には、拡散板B2を削除することも可能となる。この場合、面光源装置Bの製造コストを直接的に低減することができるとともに、面光源装置Bの薄型化、軽量化等を実現することも可能となる。
【0071】
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
【0072】
例えば、上述した実施の形態において、第1部分20の突出部24が、異方性光拡散フィルム10の主切断面において、長方形形状となっている例を示したがこれに限られず、図5に示すように台形形状であってもよいし、三角形、五角形、六角形等の四角形以外の多角形形状であってもよいし、楕円の一部分に相当する形状や円の一部分に相当する形状であってもよい。
【0073】
なお、図5に示された例のように、突出部24の幅Bwが一定でない場合には、隣り合う二つの突出部24によって形成される溝26の幅Gwも変化することになる。この場合、溝26の幅Gwの最大値Gwmaxが、光拡散性粒子34の長手方向ldに沿った長さPlよりも小さく、光拡散性粒子34の長手方向ldに直交する断面における最大の幅Pwよりも大きくなっていることが好ましい。この場合、光拡散性粒子34が取り得る向きを特定の範囲に効果的に規制することが可能となり、結果として、光拡散性粒子34の配置に規則性を付与することが可能となる。
【0074】
また、光拡散性粒子34の配置に規則性を付与する上で、溝26の幅Gwの最小値Gwminが、光拡散性粒子34の長手方向ldに沿った長さPlとの間で、上述した式(1a)、(1b)を満たすことが有効であり、溝26の幅Gwの最大値Gwmaxが、光拡散性粒子34の長手方向ldに沿った長さPlとの間で、上述した式(1a)、(1b)を満たすことがさらに有効である。
【0075】
なお、第1部分の製造の容易さを考慮すると、及び/又は、第2部分30をなす光拡散性粒子34が溝26内に配置されて、光拡散性粒子34の配置に規則性を付与することを考慮すると、図5に示すように、突出部24の幅Bwは、先端から基端に向けて、すなわち本体部22寄りとなるにつれて、大きくなっていくことが好ましい。つまり、溝26の幅Gwが、本体部22寄りとなるにつれて、小さくなっていくことが好ましい。この場合
図5に示すように、溝の幅Gwは、本体部22に接続する位置において最小値Gwminをとり、本体部22から最も離間する位置において最大値Gwmaxをとるようになる。
【0076】
また、上述した実施の形態において、異方性光拡散フィルム10の一方の面10aが、第1部分20の突出部24および第2部分30によってなされる平坦面として構成されている例を示したが、これに限られない。例えば、図5に示すように、第2部分30の表面と、突出部24の先端面24aとが異なる高さ位置に配置されるようにして、異方性光拡散フィルム10の一方の面10aを凹凸面として構成するようにしてもよい。図5に示す例においては、異方性光拡散フィルム10の一方の面10aのうちの第1部分20の突出部24によって構成される位置に凸部が形成され、異方性光拡散フィルム10の一方の面10aのうちの第2部分30によって構成される位置に凹部が形成されている。このような例によれば、第1部分20の突出部24および第2部分30が、長手方向ldを有した光拡散性粒子34が方向性を呈するようになる所定の一方向odに、方向性を持っている場合(例えば、所定の一方向odと平行に延びている場合)、異方性光拡散フィルム10の一方の面10aに形成された凸部および凹部によっても、異方性光拡散フィルム10の異方性光拡散機能が強化されるようにすることができる。
【0077】
さらに、上述した実施の形態において、突出部24の先端面24aが、異方性光拡散フィルム10のフィルム面と平行な平坦面として形成されている例を示したが、これに限られない。突出部24の先端が、図5に二点鎖線で示すように曲面として形成されていてもよいし、面ではなく頂点として形成されていてもよい。このような変形例によれば、突出部24が、長手方向ldを有した光拡散性粒子34が方向性を呈するようになる所定の一方向odに、同様に方向性を持っている場合(例えば、所定の一方向odと平行に延びている場合)、突出部24の先端においても、異方性光拡散フィルム10の異方性光拡散機能が強化されるようにすることができる。
【0078】
さらに、上述した実施の形態においては、第2部分30が、第1部分20の多数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26内のみに設けられている例を示したが、これに限られない。第2部分30が、第1部分20の突出部24が形成されている側の面上を延び広がるように、すなわち突出部24の少なくとも一部分上を覆うようにして形成されていてもよい。図6〜図8に示された例においては、第2部分30のバインダー部32が、第1部分20の突出部24が形成されている側の面を覆うように配置されている。また、図6〜図8に示された例に限られず、第2部分30が、第1部分20の突出部24が形成されている側の面を完全に覆うとともに、第2部分30のバインダー部32が、異方性光拡散フィルム10の一方の面10aを平坦面として形成するようにしてもよい。これらの例によっても、第2部分30の細長状の光拡散性粒子34の向きを、第1部分20上において、第1部分20の細長状の突出部24によって制御することが可能となる。
【0079】
また、第2部分30が、第1部分20の溝26以外の部分を覆うように配置される場合、図6に示すように、異方性光拡散フィルム10の一方の面10aに、光拡散性粒子34に起因した凸部が形成されるようにしてもよい。より具体的には、光拡散性粒子34が露出して或いは光拡散性粒子34の輪郭が浮き出て、凸部が形成されるようにしてもよい。このような構成は、例えば、第2部分30のバインダー部32をなす樹脂材料の量等を調節することによって、実現することが可能となる。このような例によれば、異方性光拡散フィルム10の一歩の面10a上における光拡散性粒子34に起因した凸部によっても、異方性光拡散フィルム10の異方性光拡散機能が強化されるようにすることができる。
【0080】
さらに、図8に示すように、異方性光拡散フィルム10の一方の面10aに、突出部24に起因した凸部が形成されるようにしてもよい。より具体的には、突出部24が露出して或いは突出部24の輪郭が浮き出て、凸部が形成されるようにしてもよい。このような構成は、例えば、第1部分20の突出部24の高さや第2部分30のバインダー部32をなす樹脂材料の量等を調節することによって、実現することが可能となる。このような例によれば、突出部24が、長手方向ldを有した光拡散性粒子34が方向性を呈するようになる所定の一方向odに、方向性を持っている場合(例えば、所定の一方向odと平行に延びている場合)、異方性光拡散フィルム10の一方の面10a上における突出部24に起因した凸部によっても、異方性光拡散フィルム10の異方性光拡散機能が強化されるようにすることができる。
【0081】
さらに、上述した実施の形態では、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26内に、光拡散性粒子34の全体が位置している例を示した。しかしながら、図6に示すように、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26内に、光拡散性粒子34の一部分のみが位置するようにしてもよい。このような例においても、例えば、光拡散性粒子34のバインダー部32に対する比重または第2部分30を作製するための樹脂組成物に対する光拡散性粒子34の比重を調整しておくことにより、あるいは、第2部分30のバインダー部32をなす樹脂材料の量等を調節することによって、第2部分30の細長状の光拡散性粒子34の向きを、第1部分20上において、第1部分20の細長状の突出部24によって制御することが可能となる。
【0082】
なお、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、図6に示されているような光拡散性粒子34の一部分のみが溝26内に位置する態様において、光拡散性粒子34の断面形状が概ね円形状とみなせる場合には、当該円の円弧の1/4の部分が隣り合う二つの突出部24の間の溝26内に位置するような条件を作ることによって、細長状の光拡散性粒子34の向きを、第1部分20上において、細長状の溝26(突出部24)によって制御することが特に安定して可能となった。すなわち、光拡散性粒子34の一部分のみが溝26内に位置する態様においては、光拡散性粒子34の長手方向ldに直交する断面における光拡散性粒子34の最大断面積と同一の面積を有する円の半径Pr(または、この半径の平均値としての半径Pr)と、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26の幅Gw(または、この幅の平均値としての幅Gw)と、が次の関係(3a)を満たすように設計しておくことが好ましい。
((Pr)×2)/(21/2) ≦ Gw ・・・式(3a)
【0083】
加えて、光拡散性粒子34が溝26上に安定して位置するようにするためには、隣り合う二つの突出部24によって支持された光拡散性粒子34が、当該二つの突出部24間に形成された溝26の底に接触していない状態、若しくは、その溝26の底に接している状態となっていることが好ましい。すなわち、光拡散性粒子34の長手方向ldに直交する断面における光拡散性粒子34の最大断面積と同一の面積を有する円の半径Pr(または、この半径の平均値としての半径Pr)と、複数の突出部24のうちの隣り合う二つの突出部24の間に形成された溝26の深さGd(または、この深さの平均値としての深さGd)と、が次の関係(3b)を満たすように設計しておくことが好ましい。
Pr−((Pr)/(21/2)) ≦ Gd ・・・式(3b)
【0084】
また、上述した実施の形態において、第1部分20の突出部24が、本体部22上に並列配置され、互いに同一に構成され、且つ、各突出部24がその長手方向に一定の断面形状を有する例を示したが、これに限られない。突出部24の構成が上述した実施の形態での構成と異なっていても、第2部分30の細長状の光拡散性粒子34の向きを、第1部分20上において、第1部分20の細長状の突出部24によって制御することが可能となり、結果として、第2部分20の光拡散性粒子34が、第1部分20の突出部24の方向性に関連した所定の一方向odへの規則性を持って、配置されるようにすることができる。
【0085】
図7および図8に示された例において、細長状の突出部24は、互いに平行に配置されていないが、所定の一方向odに方向性をもって配置されている。具体的には、細長状の突出部24は、異方性光拡散フィルム10のフィルム面への法線方向からの観察において、すなわち図7に示された平面視において、その長手方向が所定の一方向に対してなす角度が0°以上45°未満となるように配置されている。とりわけ、図7および図8に示された例では、各突出部24は、その長手方向だけでなく、任意の位置において延び出す方向(直線状の場合は直線の方向、曲線状の場合は接線の方向)が所定の一方向に対して0°以上45°未満の角度をなすように、構成されている。また、図7および図8に示された例において、複数の突出部24は異なる形状、寸法、配置で構成されており、さらに、各突出部24の断面形状は、当該突出部24の長手方向の沿って一定ではない。図7および図8に示された変形例においても、第2部分20の光拡散性粒子34が、第1部分20の突出部24の方向性に関連した所定の一方向odへの規則性を持って、配置されている。
【0086】
さらに、上述した実施の形態において、異方性光拡散フィルム10が、第1部分20および第2部分30のみから形成されている例を示したが、これに限られない。例えば、図4における異方性光拡散フィルム10Aのように、液晶表示パネルCの出光面上等に配置されて、表示装置Aの表示面を構成する場合等には、図9に示すように、異方性光拡散フィルム10が、さらに、何らかの機能を有する機能層40、例えば、最表面層として機能する機能層40を有するようにしてもよい。ここで、最表面層に配置され得る機能層40としては、光の反射を防止する反射防止層、映り込みを防止する防眩層、耐擦傷性の改善を目的としたハードコート層が例示され得る。なお、図9に示された例においては、異方性光拡散フィルム10の第1部分20のみよって形成される面(上述した他方の面10b)上に機能層40が形成されているが、これに限られず、異方性光拡散フィルム10の第2部分30が形成されている側の面(上述した一方の面10a)上に機能層40が形成されてもよい。
【0087】
また、図4における異方性光拡散フィルム10bのように、面光源装置Bに組み込まれる場合には、図10に示すように、異方性光拡散フィルム10が、さらに、異方性光拡散機能以外の光学機能を発揮し得る光学要素45を有するようにしてもよい。図10に示す例において、異方性光拡散フィルム10は、一例として並列配置された多数の細長状の単位光学要素(単位プリズム、単位レンズ)50を含んでおり、この多数の単位光学要素50によって、集光機能を発揮し得るプリズム面(レンズ面)を構成する光学要素45が形成されている。
【0088】
なお、図10に示された例においては、異方性光拡散フィルム10の第2部分30が形成されている側の面(上述した一方の面10a)上に単位光学要素50が設けられているが、これに限られず、異方性光拡散フィルム10の第1部分20のみよって形成される面(上述した他方の面10b)上に単位光学要素50が設けられていてもよい。また、図10に示された例においては、一次元配列された単位光学要素50が、異方性光拡散フィルム10に設けられている例を示したが、これに限られず、マイクロレンズ(フライアイレンズ)として機能する光学要素を構成するようになる二次元配列された単位光学要素が、異方性光拡散フィルム10に設けられてもよい。
【0089】
なお、上述した実施の形態において、異方性光拡散フィルム10を、液晶表示装置Aとの組み合わせで用いる例を示したがこれに限られない。テレビジョン受像装置、各種測定機器や計器類、各種事務用機器、各種医療機器、電算機器、電話機、電飾看板、各種遊戯機器等の表示部に適用され得る、プラズマディスプレイ(PDP)装置、ブラウン管ディスプレイ(CRT)装置、電場発光ディスプレイ(EL)装置、投射型表示装置(プロジェクションディスプレイ)といった種々の表示装置に対して、異方性光拡散フィルム10を用いることができる。また、上述した実施の形態には、異方性光拡散フィルム10を、液晶表示パネルCを背面側から照明するバックライトとしての面光源装置Bに適用した例を示したが、これに限られず、一例として照明装置として用いられる面光源装置等にも適用することができる。
【0090】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【実施例】
【0091】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0092】
実施例1〜3に係る光拡散フィルム、比較例1および2に係る光拡散フィルムを実際に用意し、異方性光拡散機能が発揮され得るか否かを調査した。
【0093】
<光拡散フィルム>
各光拡散フィルムは、上述の実施の形態で説明したように、まず、シート状の第1部分を準備し、次に、光拡散性粒子およびバインダー部を含んだ第2部分をなすようになる樹脂組成物を第1部分上に塗布し、その後、樹脂組成物中のバインダー部を固化させることにより作製した。すなわち、各光拡散フィルムは、シート状の第1部分と、第1部分上に設けられたバインダー部およびバインダー部中に分散された光拡散性粒子を有する第2部分と、から構成されるようにした。第1部分の屈折率および第2部分のバインダー部の屈折率は同一となるようにした。一方、第2部分において、バインダー部と光拡散性粒子とが0.1の屈折率差を有するようにした。
【0094】
実施例1〜3に係る光拡散フィルムにおいて、ポリカーボネート樹脂から成る第1部分は、本體部の厚みが50μmであり、その一方の面上には互いに平行となるように配列された直線状に延びる多数の突出部(図1に示された配列で設けられた突出部)を含むようにした。そして、実施例1〜3に係る光拡散フィルムでは、第1部分の突出部が形成されている面上に第2部分を形成した。ただし、実施例1〜3に係る光拡散フィルムの間で、突出部の寸法を変化させることにより、溝の深さGdおよび溝の幅Gwを変化させた。実施例1〜3に係る光拡散フィルムでは、光拡散性粒子は長手方向を有した細長状の粒子を用いた。また、実施例1〜3に係る光拡散フィルムの間で、細長状の光拡散性粒子の形状、寸法、及びバインダー部への添加量は同一のものとし、又バインダー部も全て同一のアクリル樹脂とした。実施例1〜3に係る光拡散フィルムでは、第2部分の光拡散性粒子が、第1部分の突出部の長手方向への規則性を持って、配置されるようになった。
【0095】
比較例1に係る光拡散フィルムは、突出部が設けられていないシート状の突出部を用いた点において、実施例1〜3に係る光拡散フィルムと異なるようにした。一方、第2部分を作製するための樹脂組成物は、実施例1〜3に係る光拡散フィルムと同一のものを使用した。したがって、比較例1に係る光拡散フィルムに含まれた光拡散性粒子は、実施例1〜3に係る光拡散フィルムに含まれた光拡散性粒子と同一にした。
【0096】
比較例2に係る光拡散フィルムは、実施例1に係る光拡散フィルムの第1部分と同一の第1部分を有するようにした。ただし、第2部分を作製するための樹脂組成物に含まれた光拡散性粒子は、細長状(針状)ではなく球状とした。この点において、比較例2に係る光拡散フィルムは、実施例1に係る光拡散フィルムと異なるようにした。
【0097】
各光拡散フィルムに関する、隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の幅Gwの平均値、隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の深さGdの平均値、光拡散性粒子の形状、光拡散性粒子の長手方向に直交する断面における最大の幅Pwの平均値、および、光拡散性粒子の長手方向ldに沿った長さPlの平均値を、それぞれ、表1の「溝の幅」、「溝の深さ」、「粒子形状」、「粒子の幅」および「粒子の長さ」の欄に示す。
【0098】
<評価>
各光拡散フィルムを照明し、光拡散フィルムを透過した光の光学特性を調査した。具体的には、市販されている液晶表示装置(液晶テレビ受像機)に組み込まれていた面光源装置の発光面上に各光拡散フィルムを配置し、光拡散フィルムの面光源装置に対面しない側の面上においてフィルム面への法線方向に沿った種々の面内での輝度の角度分布を調査した。そして、各光拡散フィルムについて得られた輝度の角度分布のそれぞれについて、半値角を求めた。各光拡散フィルムについての最大の半値角と、当該最大の半値角が測定された測定面と直交する測定面で測定された半値角と、を比較することによって、各光拡散フィルムの光拡散機能について、異方性の有無を調査した。具体的には、当該光拡散フィルムについての最大半値角が、当該最大半値角が測定された測定面と直交する測定面で測定された半値角に対して、110%以上となっている場合に、異方性有りと評価した。評価結果を表1の「異方性」の欄に示す。
【0099】
【表1】

【符号の説明】
【0100】
10 異方性光拡散フィルム
10a 一方の面(一方の表面)
10b 他方の面(他方の表面)
20 第1部分
20a 一方の面
20b 他方の面
22 本体部
24 突出部
24a 先端面
26 溝
30 第2部分
32 バインダー部(バインダー樹脂部)
34 光拡散性粒子
40 機能層
45 光学要素
50 単位光学要素
A 表示装置
B 面光源装置
C 液晶表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方向性を持って配置された複数の細長状の突出部を含む、シート状の第1部分と、
前記第1部分の前記突出部が形成されている面上に設けられたバインダー部、および、前記バインダー部中に分散された長手方向を有する光拡散性粒子を含む第2部分と、を備え、
前記第2部分の前記光拡散性粒子は、前記第1部分の前記突出部の方向性に関連してある方向への規則性を持って、配置されている、異方性光拡散フィルム。
【請求項2】
前記第1部分は、シート状の本体部と、前記本体部上に並べて配列された前記複数の突出部と、を有し、
前記複数の突出部は、前記本体部上に並べて配列され、各突出部は、前記複数の突出部の配列方向と交差する方向に延びている、請求項1に記載の異方性光拡散フィルム。
【請求項3】
前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝内に、前記光拡散性粒子の全体が位置している、請求項1または2に記載の異方性光拡散フィルム。
【請求項4】
前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の幅は、前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における最大幅Pwよりも、大きく、
前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の深さは、前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における最大幅よりも、大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の異方性光拡散フィルム。
【請求項5】
前記光拡散性粒子の前記長手方向に沿った長さをPlとし、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の幅をGwとした場合に、次の関係が満たされる、請求項3または4に記載の異方性光拡散フィルム。
Gw < (Pl)/(21/2
【請求項6】
前記光拡散性粒子の前記長手方向に沿った長さをPlとし、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の深さをGdとした場合に、次の関係が満たされる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の異方性光拡散フィルム。
Gd < (Pl)/(21/2
【請求項7】
前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝内に、前記光拡散性粒子の一部分のみが位置している、請求項1または2に記載の異方性光拡散フィルム。
【請求項8】
前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の幅は、前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における最大幅Pwよりも、小さい、請求項1,2または7に記載の異方性光拡散フィルム。
【請求項9】
前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の深さは、前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における最大幅Pwよりも、小さい、請求項1,2,7または8に記載の異方性光拡散フィルム。
【請求項10】
前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における前記光拡散性粒子の最大断面積と同一の面積を有する円の半径をPrとし、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の幅をGwとした場合、次の関係が満たされる、請求項7〜9のいずれか一項に記載の異方性光拡散フィルム。
((Pr)×2)/(21/2) ≦ Gw
【請求項11】
前記光拡散性粒子の前記長手方向に直交する断面における前記光拡散性粒子の最大断面積と同一の面積を有する円の半径をPrとし、前記複数の突出部のうちの隣り合う二つの突出部の間に形成された溝の深さをGdとした場合、次の関係が満たされる、7〜10のいずれか一項に記載の異方性光拡散フィルム。
Pr−((Pr)/(21/2)) ≦ Gd
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載された異方性光拡散フィルムを備える面光源装置。
【請求項13】
請求項12に記載された面光源装置を備える表示装置。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれか一項に記載された異方性光拡散フィルムを備える表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−208428(P2012−208428A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75841(P2011−75841)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】