説明

病む土壌を蘇らす善玉菌・ステビア入り有機ペレットの製法

【課題】農薬・化学肥料の乱用によって、土壌中の有用微生物群が死滅したり、減少して微生物のバランスを失った土壌を有機栽培に適した健康な土壌に改善する土壌改良有機物を提供する。
【解決手段】農業副産物の茎葉・野草・落葉・建築廃材・風倒木・流木に肉骨粉を有機燐酸資源として添加し、牛糞・馬糞・鶏糞・豚糞、海草・カニ殻・貝殻、ステビア植物を混合して30〜40℃で72時間発酵タンクで熟成を行う。この発酵熟成物中に増殖した有用微生物群・遊離窒素固定菌・腐朽菌類・VA菌根菌などを休眠状態でペレットに加工する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は長期の農薬や化学肥料の連用によって土壌中の有用微生物群が死滅、又は壊滅状態にある土壌を活性化させ、農薬・化学肥料に頼らない本来の有機農業を目指すものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、高温で堆肥の中の窒素等有効成分が揮発した残渣物、又高温に耐えない有用微生物群を死滅させたものを堆肥として施肥するか、豆科植物の大豆やササゲ豆用の根粒菌を種子に添付する程度のもので、土壌を全面的に改善するというものではない。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は自然森林の表土のように、秋の落葉と同時に直ちに住み着いていた有効微生物菌が働き分解、無駄な温度を出さないから落葉の中の有効成分はそのまま有機物と共に蓄積され、次の生長に利用されているように、理想的な素晴らしい畑と言われるものは1g当たりの土の中に10億個の有用微生物群がバランスよく住み着き、与えられた有機物を発酵分解し発酵合成型土壌に改善すると共にステビアを加えることにより、土中の根瘤センチュウを駆除し、有機農業を全面的に支援し、アトピー等の起こらない作物が本来持っている、必須微量要素を含有する食料が生産される畑に改善し。合わせて地球の温暖化を阻止し環境を守る耕地に改善しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
有機材料は作物の副産物である茎葉・野草・落葉など乾燥させ、細かく粉砕し又家畜の敷藁もオガクズのように細かくしてから用いる方が、発酵工程をスムーズに行うことが出来る。廃材・風倒木・流木など大型のものは、そのまま集積し褐色腐朽菌・白色腐朽菌の増殖液を希釈して灌水、木質部が分解軟らかくなったところでチップ状に粉砕する。次いでBSEなど病気対策処理を完全に行った全ての肉骨粉を有機燐酸源として使用する。次に牛糞・馬糞・鶏糞・豚糞等を確保海草・カニ殻・貝殻等の粉末。ステビアの茎葉根の粉末。有機物材料は種類が多いほど望ましい。材料収集に当たって十分注意しなければならないことは、ダイオキシン等農産物中に入ってはならない化学物質については徹底的に吟味する必要がある。
それらの材料を適量づつ配合。平成17年3月2日整理番号2005−001で特許出願した土壌を健康にする培養液1000倍希釈で水分調整をしながら灌水調節し、発酵タンクで30〜40℃の低温でゆっくり攪拌72時間発酵熟成。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明の実施の形態について述べる。従来の有機質肥料は各単品で要素成分がまちまちで、総合的に組み合わせるのに大変で、有機栽培を行いたい農家も肥料問題を解決しなければ中々実施することが困難であったものを解決するものである。本発明はそれらの困難を解決すべく、今までの堆肥は畑全面にまき散らし耕していた方式を改め。堆肥・牛糞・馬糞・鶏糞・豚糞・肉骨粉・ステビア等有機材を高度に組み合わせ、肥料三要素のバランスを始め微量要素を考慮しながら、今日最も重要視しなければならない問題として、土壌中の有用微生物群の増殖とバランスである。有用微生物群に善玉菌である遊離窒素固定菌・VA菌根菌・腐朽菌などキノコ菌を有機物と共にタンクの中で増殖させ、休眠状態で施肥しやすくペレット状に加工するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の効果について述べる。従来の堆肥のように高温で発酵させ有機物の持つ肥料養分を大気中に揮発させた残骸でなく、三要素の形を備えた養分やアミノ酸などのようにタンパク質の分解過程で植物に吸収速効性のある状態で利用できるなど素晴らしい効果がある。
【0007】
第1例
ステビアの茎葉根の施用量が多いほど、作物の栄養分を横取りする根瘤センチューの被害が軽減され、3年程で解消されることが野菜類の実験で分かった。
【0008】
第2例
各有機材料の持つ肥料養分により、各材料の適量を組み合わせることによって化学肥料の必要が無くなり。有機質肥料養分を根から吸収させることが出来る。
【0009】
第3例
本発明の有機ペレットを作条に元肥として施肥し、平成15年4月22日特許出願2003−151660番号農薬・化学肥料に代わる植物発酵エキスの抽出法によるエキスを希釈作物の葉面に散布することにより。病気の予防・害虫の予防と化学肥料の不用により。完全な無農薬・無化学肥料で有機栽培が出来る。
【0010】
第4例
ペレット及び粒状に加工することにより、無駄なく施肥機で作条に施肥することが出来、初年度から有機栽培に近い生産物を収穫することができる。3年継続すると略有機栽培に移行できる。
【0011】
第5例
従来のオガクズバーク堆肥は施肥しても分解せず、窒素飢餓の一因となったり厄介なものであったが、本発明の一つである木質部のセルロースやリグニンなどを事前に腐朽菌などキノコ菌で処理分解させることにより立派な有機物材料として活用出来る、ときには軟らかい有機物だけより土壌中での有用微生物群の住処としても期待できる。
【0012】
第6例
除草剤・病害虫農薬・化学肥料の連用により土壌中の大切な遊離窒素固定菌である、根粒菌やアゾトバクター・クロストリジウムなどの細菌が死滅したり、減少して大気中の70%も占める遊離窒素を利用できない状態の土壌に、それらの有用微生物群を住み着かせ土壌を根底から改良するものである。
【0013】
第7例
VA菌根菌を土壌中に増殖させることにより、土中でアルミニウム・カルシウム・鉄等と結びついて不溶性の燐酸となって作物が吸収出来ない状態になっている。このような不溶性燐酸化合物をVA菌根菌の働きによって可溶性燐酸に分解して作物が吸収利用できるようにしてくれる効果がある。
【0014】
第8例
肉骨粉の全面的再利用。BSE問題で骨粉の行方が問われている。元々肉骨粉を同類の共食い的な飼料に使うことが間違いなのである。これは自然の理に背いた結果なのである、骨粉を自然の理に叶った微生物・植物・動物の循環に戻せば解決することである。今まで以上に肉骨粉の取扱には厳重な検査と処置を行った上で、有機燐酸資源として活用し食糧や飼料生産に役立てるべきである。又日本のように火山性の土壌の、やや酸性土の方が分解が早く効果が早い。
【0015】
第9例
本発明の有機物の中に、平成17年3月2日に特許出願した、土壌を健康にする培養液を配合し有用微生物群・遊離窒素固定菌・腐朽菌などキノコ菌・VA菌根菌等、有機ペレットの中で休眠。施肥と同時に土壌中で活性化、それぞれの分野を発揮し作物の生育に効果をあげる。今までの残留農薬や危険物質を細菌や菌類の相互協力で土壌の浄化促進効果が期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有用微生物群・褐色腐朽菌・白色腐朽菌・VA菌根菌・遊離窒素固定菌・ステビアを入れた土壌改良有機物。

【公開番号】特開2006−249397(P2006−249397A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109147(P2005−109147)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(503194370)
【Fターム(参考)】