説明

癒し環境を有する健康ベッド装置

【課題】遠赤外線とマイナスイオン効果、ホルミシス効果で精神をリラックスし、瞑想をすることができ、また、加温・加湿したことにより遠赤外線とマイナスイオンの効果により、血行を促進し新陳代謝を盛んにし体調を良好にするとともに、薬草抽出液等を蒸気にして吹き出す事によって、お灸的熱刺激や、皮膚や吸気で吸収することによって、予防的効果、調整、癒し効果を有する健康ベッド装置の提供。
【解決手段】ベッド装置上面を微量の放射線、遠赤外線を放射し、マイナスイオンを発生する材料で被覆した部材で構成し、原材料を含む材料で作成した敷物等を装備する、ベッド装置に使用者が寝ることができる面及び囲い内側面7と、ベッドを囲う外側面との二重構造になし、その空洞内に小熱源10を複数個設け、熱を効率よく分散させ、背面温度を平均的に維持する加温装置と、蒸気を発生させる装置、及び寝ている間、頭を置いた枕板がスライドする装置を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠赤外線並びにマイナスイオンを一定以上発生させ、使用者にストレスをリラックスさせる癒し効果とホルミシス効果により血行を促進し新陳代謝を活性化することができ、また、身体に生ずる不調を改善する、治療及び癒し環境を有するベッド装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題が重要視されている。日常生活の中で排気ガスなどによる空気中のプラスイオンが増大し、マイナスイオンが少なくなり、我々の身体や環境に悪影響を及ぼしていると言われている。その中で空気中のプラスイオンがマイナスイオンに比べ増大すると、酸化腐敗、体内異常、老化が進むと言われ、我々の身体や環境、植物体系、水系までが弱酸性化している。また、身体がプラスイオンが過剰な環境におかれると自律神経が興奮状態となり、人間はリラックスすることができず疲労困憊する。
【0003】
そこで、この疲れ果てた身体をリラックスさせるものとしてマイナスイオンが注目されている。マイナスイオンが多い環境では副交感神経が優位に働き自律神経を沈静化し、その結果として人間はリラックスすることができるとして、様々な電化製品、衣服等にマイナスイオンを発生する機構や物質が採用されている。しかし、電気的にマイナスイオンを発生するものは、マイナスイオンを発生するのと同時に、オゾンや窒素酸化物・硫黄酸化物を発生するものがあり、健康には不適なものがあった。また、マイナスイオンを発生する物質としては、トルマリンの粉末が知られているが、このトルマリンの粉末は摩擦を加えなければマイナスイオンを発生しないため、摩擦環境でなければマイナスイオンの効果を得られないものである。
【0004】
また、最近、放射線ホルミシス効果について話題となっており、わが国では電力中央研究所等の政府機関や複数の大学等の研究機関で研究が行われている。
【0005】
放射線ホルミシス効果とは、高線量では有害な放射線が低線量では生物活性を刺激する、あるいは適応応答と呼ぶ後続の高線量照射に対する抵抗性を誘導するなどの現象をいうもので、分子レベルでは、抗酸化能の上昇(SOD活性の亢進、グルタチオンの増加、解毒能の亢進)、DNA修復能の促進(DNA損傷の修復、DNA修復酵素の活性化)、遺伝子発現の変化、タンパク質の誘導合成(がん抑制遺伝子p53増加、ストレスタンパク質の誘導合成)、細胞膜の構造・機能変化(脂質過酸化の低減)、細胞レベルでは、適応応答の誘導(細胞増殖の促進、染色体異常の低下、細胞死抑制)、免疫能の活性化(幼若化反応の亢進、サイトカイン産生の亢進、アポトーシスの増加、リンパ球のアポトーシス)、細胞情報伝達系の関与(カルシウムイオンの関与、PKCの関与)、また、個体レベルでは、制がん・抗がん作用(がん転移の抑制、放射線発がん・化学発がんの発生低減・遅延疾病抑制、高血糖値の低下、実験糖尿病の発現遅延)、放射線抵抗性の誘導(放射線誘発致死の抑制、放射線誘発奇形の低減)中枢神経系への効果(心理ストレスの低減)、ヒトの疫学調査(がん以外の死亡率の低下)等の多様な放射線ホルミシス効果が見出され、さらに研究が進められている。
【0006】
一方、一日の疲れを癒すものとして家庭用サウナが普及してきている。この家庭用サウナは、木製あるいは合成樹脂製の躯体内をヒーター等で40℃〜60℃に加温し、その中に20〜30分間入って汗を流しリラックスすると言うものである。実開平5−68572号公報には、熱線透過難性材からなるシートの内側面に遠赤外線放射物質の複合剤からなる遠赤外線放射層を形成し、この層面に布材を被装した積層シートからなるボックスを形成し、このボックス内を加温する加温装置を具備した家庭用サウナが開示されている。
【0007】
また、特開2005−87724号公報には、サウナ室をコンクリートで作り、室内面を微量放射線等を発する天然鉱石あるいは天然鉱石の微粒粉体やセラミック含有モルタルで覆い、床暖房等の加熱装置と加湿器あるいはミスト発生装置を併用したサウナ室が開示されている。
【特許文献1】 実開平5−68572号公報
【特許文献2】 特開2005−87724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、前記の低温サウナは、サウナ室内に遠赤外線を発生する発熱装置を設け、この発熱装置に通電し発熱させることにより、45℃前後の室温としているものであるが、人体に作用する遠赤外線の波長は特定されており、発熱装置から輻射される遠赤外線のうち体に有効な遠赤外線は少ないため効果は低く、利用者が体温より高い温度の室内にいることで発汗を促すもので、利用者は体の芯から温まるという感じは得られにくいものであった。
【0009】
また、後記のサウナ室は、コンクリート製や床暖房パイプ等を施工、ボイラー等が必要であるため一般家庭に設置する場合には、新築家屋の設計時に組み込むようにするか、あるいはサウナ室を増築しなければならないものである。
【0010】
また、両者は加温・加湿することにより発汗を促し、血行を改善するとともに人間の持つ自然治癒力を増そうとするもので、また、使用者のその日の気分でマイナスイオンの豊富な環境でその効果、ホルミシス効果を十分に享受しながらリラックス・瞑想したり、あるいは加温・加湿することで汗をかいてさらに豊富なマイナスイオンの環境下でホルミシス効果を享受したいという使用者の様々な要求にかなうサウナ装置では無かった。また、サウナ浴で全身の血行を改善させながら、身体の部分浴もできるサウナ装置もなかった。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものでその目的とするところは、加温・加湿しない場合は、遠赤外線とマイナスイオン効果、ホルミシス効果で精神をリラックスし癒され、瞑想等をすることができ、また、加温・加湿したことにより放射量の増えた遠赤外線と発生量の増したマイナスイオンの効果により、血行を促進することで新陳代謝を盛んにして体調を良好にするとともに部分浴もすることができる癒し効果を有する、座るより寝るほうが、リラックスできる、寝る健康ベッド装置を提供しようとするものである。
【0012】
ところで、本発明者は特開平11−287899号公報に放射線源材料および放射線源材料の製造方法として、空気、水(生体の会合水を含む)の浄化、改質、生物(人間を含む)の健康に寄与する放射線源材料を開示している。この放射線源材料は、放射能濃度については原子力基本法に規定される370Bq/g以下に調整してあるもので、水や動物(人間を含む)の電磁波(粒子も含む)吸収特性について、水の場合は、短波長域(3μm〜5.1μm。9μm〜10μm)側にスペクトル吸収のピークがあり、人の皮膚の吸収特性は、3μm、6μm付近にスペクトル吸収のピークがあり、人体透過のピークは2μm、4μm、11.5μm付近にあること。また、米国航空宇宙局(NASA)の研究では、人体に有効な電磁波は、8μm〜14μmの電磁波が良いとされていることを考慮し、また、人体の温熱機構は、体内細胞の分子運動に依存するが、放射波長と吸収波長との差によって、表面反射、浸透力、内部吸収発熱等、種々影響するものと思われる。また、空気の電離(−イオン化)は、370Bq/gでは放射体周囲10cm位であることから、放射線源材料に他物質を添加して、上述の吸収スペクトルに適合し、遠赤外線・マイナスイオン・ホルミシス効果を得られる利用目的に適合した新放射線源体を提供したものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明における請求項1記載の癒し効果を有する健康ベッド装置は、ベッド装置を構成する各部分を所望の位置にて組立て設置する組立て式ベッド装置において、前記ベッド装置の内壁面を微量の放射線及び遠赤外線を放射し、マイナスイオンを発生する放射線源材料で被覆した部材で構成した躯体部と、前記ベッド装置上に使用者が寝ることでベッド装置上を約40℃前後に維持する加温装置と、ベッド上に複数個の蒸気吹き出し孔があり任意に蒸気吹き出し孔の位置を選び、蒸気浴が出来る装置とから構成されるものである。
【0014】
また、本発明における請求項2記載の、ベッド内を空洞にして中に、小熱源を複数個設置することで、ベッド上面の熱均一性を有すると同時に、小熱源につき、部分的に異常加熱、火災の心配がなく(因みに紙の発火温度は240℃、当小熱源は、熱源付近でも100度以下であり、更に紙の使用は無い)、低コストで熱バランスを良好に保てることと、ベッド上面に複数の蒸気吹き出し孔を設け、その内側ベッド内に金属のケースをセットする、その金属ケース内に任意で必要量の液体を入れると、蒸気となってでて来る、その蒸気吹き出し孔にし孔に穴の開いた蓋をつけることで、蒸気の吹き出し量や速度を調節できるようにする事で、必要なところに必要量発生させることが出来、更に薬草液にすることで治療効果が出せる、癒し効果と、治療効果を同時に味わうことが出来るものである。
【0015】
また、本発明における請求項3記載の、首を伸ばす枕板は、人が生活する上で、立っていることが多く、重い頭を支えていると頚椎に負担がかかり、様々な身体的障害の発生が起こり易くなる事や、近年はパソコン等の使用が多くなり、どうしても前傾姿勢、猫背になり気味で、疲労を誘引しているのである、そこで、横になり頭を乗せた枕が、ゆるい力で少し引き気味にすることで、癒し効果、治療効果を増すことが出来るものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の構成により、加温装置・加湿装置を作動しない静置状態においても、放射線源材料から遠赤外線とマイナスイオンが発生し、その効果で精神をリラックスし癒され瞑想することができ、また、加温したことにより放射量の増えた遠赤外線と加温・加湿したことにより空気の摩擦により発生量の増したマイナスイオンの効果により、血行を促進することで新陳代謝を盛んにして体調を良好にし、使用者に癒し効果を与えることができる。
【0017】
請求項2記載の構成により、請求項1の効果に加え、蒸気発生する構造で、任意に位置や蒸気量を決め、必要に合わせて発生液を替える事で、例えば古くから行われている、「お灸」これは熱刺激と薬効で有る、熱刺激は火を遣わずとも出せる、薬効は煙より蒸気のほうが吸収性は良い、蓬に勝るとも劣らない効果を有する植物は多い、ただ線香のような燃え方をする物は少ないが、燃やさなければより多くの薬草液が使える、例えば、どくだみは、「アレルギー、あせも、喘息、頭痛等」いちょうの葉は、「老化、呆け防止、肩凝り等」栗の葉は、肌の調子を良くする等」枇杷の葉は、「疲労回復、筋肉の緩和等々」桑の葉は、「血糖値、血圧の正常化等々」その他にも、蒸気で殺菌効果や蒸気を吸気することで、効果のあるものは公表されているものだけでも数多くある、これらを既存のフィトンチッドの抽出方以外でも低コスト簡易抽出できる、その様な蒸気の発生を浴びることで、体調を良好にし、免疫力向上の効果がある。
【0018】
請求項3記載の構成により、寝ている間、軽く首が引かれている状態を維持できて、筋肉や神経の緩和、体調調整に効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施例について図1〜図3を参照して説明する。本実施例は請求項1に対応し、ベッド装置1は木製のベッドで上面2,囲い部5,ベッド内暖気ボックス7,断熱材板8,及び足9の躯体部で構成されている。
【0020】
外周断熱材板8、囲い部5、囲い部内側面6、ベッド上面1からなる二重壁構造となっており、ベッド内暖気ボックス7の空間には熱源により暖気を蓄えられる様になっている。
【0021】
また、上面1には放射線源材料が塗布されているので、遠赤外線、マイナスイオン雰囲気になっているため、使用者は、精神がリラックスして癒され、リラックス状態で瞑想や沈静することができる。
【0022】
次に、本発明の第2実施例について図3、図4を参照しながら説明する。尚、第1実施例と同一部分については同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0023】
第2実施例は、草木より抽出した液等から発せられるフィトンチッドにより精神をリラックスさせることができ、その上、横たわる周囲を被覆する放射線源材料は、常時微量の放射線を放射していることからベッド上面1と囲い内側の空気中の水分をマイナスイオン化することでベッド上面1をマイナスイオンが豊富な雰囲気にすることができ、使用者は、さらに精神がリラックスして癒され、リラックス状態で瞑想や沈静することができる。
【0025】
また、この蒸気発生装置4は、ベッド内に配置される金属ケースが熱源の近くに配置される事で、そのケース内に液体を入れておくと、液体が加熱され水蒸気を発生する、その蒸気吹き出し孔3が、複数個設けてあるので使用者は、自分のつぼに近いところに、液体を入れセットする事でより効果を高められる事になる。
【0026】
第3実施例は、身体の下腹部の不調、詳しくは、男性では加齢とともに不具合が生ずる前立腺肥大による排尿障害、精力減退など、女性では、生理痛、生理不順、更年期障害などの婦人病、排尿障害など、男女共通では、痔、便秘などの不調を改善するものである。
【0024】
また、リラックス状態で寝ている場合において、頭を乗せている枕12が、胴体から首を引く状態になり、ただ寝ている状態より、すっきり感を味わう事ができる、頭や首のスッキリ感を味わいたいという使用者の要望に応えるものである、使用しない場合は跳ね上げて、ベッドの外側に出すことが出来る構造になっている。
【0027】
また、ベッドにカバー14、蓋、シート等覆う物を使用することで、健康ベッドサウナとしても使用できエステ効果も期待できる。
【0028】
以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明の前記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である、例えば前記実施例では室内面に放射線源材料を塗布したものを示したが、和紙に含浸させたものを貼り付けても良い。断熱材の代わりに炭を利用しても良い。また、図面では、横型ベッド装置を示したが、頭部側を上げていく、また屈折出来る形状として使用者が横臥して使用できるような形状としても、同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示すベッド装置の部分透視斜視図である。
【図2】 本発明のベッド装置の上面図である。
【図3】 同上ベッド装置の側面図である。
【図4】 スライド式枕上面図である。
【図5】 スライド式枕側面図である。
【図6】 うつ伏せ用枕図である。
【図7】 ベッドカバー設置図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ベッド装置
2 ベッド上面、遠赤外線マイナスイオン発生素材設置面
3 蒸気吹き出し口
4 蒸気発生用金属ケース
5 ベッドの囲い部
6 囲い部内側面
7 ベッド内暖気ボックス
8 断熱版
9 ベッドの足
10 熱源
11 電源スイッチ
12 スライド式枕
12A 枕部
12B 枕板部
12C スライド伸縮部
12D 伸縮ガイド
12E ストッパー固定部
13 うつ伏せ用枕
14 ベッドカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドの上面や囲いの内側に、遠赤外線発生素材や、マイナスイオン発生素材を塗布、又は素材を使用した敷物を敷く事を特徴とする。
【請求項2】
ベッドの中が空洞で、その中に小熱源を、複数個設置する事と、ベッドの上面に、複数の穴を開け、その内側に金属ケースを取り付け、その中の液体が蒸気になって出る様にする事を特徴とする。
【請求項3】
首を引き伸ばす為に、枕板をスライド出来るようにする事を特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−106712(P2009−106712A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306494(P2007−306494)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(507390114)
【出願人】(507117278)
【Fターム(参考)】