説明

発光ダイオードを有する照明ユニット

本発明は、照明器具(1)に関する。照明器具(1)は、照明光源として支持体(20)に配置される発光ダイオード(2)と、ダイオードの支持体を収容し、ダイオードに面するガラス基板(3)によって閉塞されるレセプタクルとを備える。レセプタクルと支持体をレセプタクルに締結する手段とは、熱伝導性材料製である。さらに、光散乱手段(4)が少なくともダイオードに面する位置のゾーンに配置され、光を反射するリフレクタがレセプタクル内に配置される。したがって、照明器具は、薄くて、高効率で、眩惑をほとんど生じない器具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明分野に関し、特に、光源として発光ダイオードを使用する照明に関する。
【背景技術】
【0002】
本来は、電気および電子装置の状態灯または表示灯として使用されていた発光ダイオード(LED)は、ここ数年間は、自動車車両の信号灯(方向指示器、標識灯)のような信号装置または携帯用ランプまたは街灯を点灯させるのに使用されている。
【0003】
最近では、LEDは、白熱ハロゲン球に代わるものとして開発されている。
【0004】
LEDの利点は、寿命が長いことであり、つまり、LEDを使用した組立品はより長く稼働し、メンテナンスが少なくて済むということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、眩惑を生じずに十分な発光効率を有する新規なLEDベースの照明装置または照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、照明装置または照明器具は、レセプタクルと、照明光源としての発光ダイオードと、レセプタクル内に配置されダイオードが上に配置される支持体と、照明器具のカバーを形成し、ダイオードが光を発する方向にあるガラス基板とを備える。照明器具では、
ダイオードの支持体は熱伝導性金属材料製のレセプタクル底部に締結され、前記支持体は熱放散手段を組み込みおよび/または熱放散手段に結合され、熱放散手段はレセプタクル底部に接続され、
ガラス基板は散乱手段と呼ばれる光を散乱する手段を備え、散乱手段はダイオードに面して配置され、および
基板の方向に光線を反射させるようにリフレクタがレセプタクル内部に配置される。
【0007】
レセプタクル底部の熱伝導性材料と、支持体に組み込まれおよび/または結合されてレセプタクル底部に接続された熱放散手段とは、動作時のダイオードによって生じる熱を除去するための熱除去手段を形成する。
【0008】
したがって、熱を除去することは、ダイオードの効率が低下するのを防ぎ、ひいては、確実に照明器具に必要な発光効率が得られる。また、発光効率は、リフレクタがあることで最適化される。さらに、照明器具は、散乱手段を有するために眩惑がほとんど生じなくなる。
【0009】
さらに、照明装置のカバーをガラス製にすることで複数の利点が得られる。つまり、
ガラスは十分な耐熱性を有するので、LEDはホットスポットであるにも関わらず、ガラス基板をLEDの近くに配置できることから、ガラス基板によって薄いシステムを作ることができる、
高出力(100mWより高い)LEDを使用することができるので、より強力な光源になり、発光効率がより高くなる(40lm/Wに代わって約100lm/Wになる)、
ガラスは滑らかで機械的に強固である、つまり、掃除しやすくキズがつかないので、高水準の衛生状態が求められる場所に設置される照明器具の場合に特に有利である、
ガラスは防火基準の要件を満たす。
【0010】
一実施形態によれば、ダイオードの支持体はレセプタクル底部全体にほぼ平行に位置する全体領域を有するシートから成り、リフレクタは基板に面する前記シートの面に施された反射コーティングから成る。
【0011】
別の実施形態によれば、ダイオードの支持体はレセプタクル底部全体に分布している別個のストリップから成り、リフレクタは反射性材料から成るレセプタクル底部によって、および/またはレセプタクル底部に施された反射コーティングによって、および/または基板に面するストリップの面に施された反射コーティングによって形成される。施される反射コーティングは、例えば、ラッカーまたはペンキである。
【0012】
一特徴によれば、ダイオードは封入されていても裸のチップであってもよい。さらに、レンズを使用する必要はない。
【0013】
別の特徴によれば、ダイオードの支持体に組み込まれるおよび/または結合される熱放散手段は、支持体を形成する金属材料または支持体に組み込まれる金属領域から成り、任意で、レセプタクル底部に支持体を締結する手段から成り、締結手段は熱伝導性を有し、熱伝導性接着剤または接着テープのような電気絶縁材料製である。
【0014】
ダイオードに面する散乱手段は、小さい焦点ゾーン、すなわち、焦点に一致するゾーンに、ダイオードの直線上に、かつ前記焦点のすぐ近くに配置される。
【0015】
したがって、これらのダイオードに面する光散乱ゾーンは、基板の長い寸法に平行な平面内にある。各々の光散乱ゾーンは、各々のダイオードによって発せられた光ビームの基板上の投影に少なくとも一致する、さらには含む形状を有する。
【0016】
各々のゾーンは、例えば、少なくとも円で囲まれた領域に一致する。
【0017】
特に、散乱手段に面する各々のダイオードは円錐状の光ビームを発し、この円錐の中央長手方向平面における光ビームのビーム角は約100°〜140°であり、ダイオードの端部からガラス基板までの距離は約1mm〜20mm、好ましくは、約10mmである。
【0018】
散乱手段により、基板の光透過率が低減される。ダイオードの直線上に透過される光線がより少なくなり、ひいては照明装置を見る人の眩惑を効果的に低減することができる。しかしながら、適切な照明を確保するために、散乱手段のない基板の残りの領域全体にわたり光透過率は高いままである。
【0019】
変形形態では、散乱手段は、ガラス基板の全体領域に結合されてもよい。しかし、ダイオードに面して配置される散乱手段は、ガラスの残りの領域に配置される散乱手段の場合に比べて光透過率が低くなる。
【0020】
特に、裸のガラス基板(散乱手段のない基板)は少なくとも85%の光透過率を有するが、ダイオードに面して配置される散乱手段に結合された場合には、85%未満の光透過率、好ましくは、40%〜85%の光透過率になる。ダイオードに面する散乱手段を備えるゾーンを仕切るゾーンに他の散乱手段が配置される場合、これらの他の散乱手段に結合されたガラス基板は、ダイオードに面する散乱手段の光透過率より高い光透過率を有し、好ましくは、少なくとも70%〜90%の光透過率を有する。
【0021】
その結果、この場合も、ダイオードに面するガラス基板の光透過率は基板の残りの部分の光透過率より低くなる。この照明装置により発せられる光は、有利には、均一で、眩惑をほとんど生じない。
【0022】
基板は、散乱手段を備えるゾーンの外側に、照明ミラーを形成するようにレセプタクルに面する基板の内側面を覆う銀フィルムを備えてもよい。
【0023】
照明器具の動作を妨げることなく、外部環境に面する外側に傷防止コーティングを施す、またはガラス基板にプリント素子のような光学効果素子を配置することも考えられる。
【0024】
別の特徴によれば、散乱手段は、ガラスの厚さ内および/または照明装置内部のダイオードに面する基板の面に配置される。したがって、散乱手段は保護され、外部環境に接触する装置の外側は滑らかで掃除しやすくなる。
【0025】
基板に結合される散乱手段は、ガラス基板をサンドブラスト加工すること、またはガラス基板を酸でエッチング処理すること、またはガラス基板をいくつかの他の手段、好ましくは、レーザを使用してエッチング処理すること、またはエナメル層または散乱層をガラス基板にスクリーン印刷することによって得られ、または散乱手段はガラス基板に散乱樹脂を積層することで形成される。
【0026】
酸エッチング、サンドブラスト、他の手段を使用したエッチング(レーザを使用するのが有利である)、またはスクリーン印刷は、加工されるゾーンのサイズおよび位置を制御しやすく、工業的に再現しやすいので、好まれる可能性がある。
【0027】
基板は、ネジ留め、クリップ留め、または接着(好ましくは、密閉して)によって、または封入によって支持体に機械的に締結される。
【0028】
本発明の照明装置は、実用的な照明器具として、家庭、産業施設、または電車、船、航空機のような輸送手段などの任意の環境で使用される。
【0029】
好ましくは密閉式の本発明の照明装置は、その構成要素から、また掃除しやすいガラスカバーを有するために、平坦で薄いので(約10mm〜30mmの薄い厚さ)、特に、IP65の高い保護等級が必要な「衛生的な」施設(無菌室、病院、キッチンなど)の照明の市場に向いている。
【0030】
本発明の範囲を単に説明した非限定的な例および添付図面を使用して、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の装置の略断面図である。
【図2】ガラスカバー基板が取り外された状態の図1の上面図である。
【図3】ガラスカバー基板が取り外された状態の別の幾何学的形状の本発明の装置の上面図である。
【図4】図1の装置の基板の上面図である。
【図5】変形形態のLED支持体を有する本発明の照明器具の部分図である。
【図6】LEDから発せられる光の概略図である。
【図7】照明器具の実施形態の断面図である。
【図8】照明器具の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明の照明装置または照明器具1の概略図である。照明器具1は、照明器具の裏面を形成するレセプタクル10と、光源を成し、レセプタクル10内に配置される発光ダイオード(LED)2と、照明器具のカバーを形成するガラス基板3と、局在散乱手段4とを備える。
【0033】
レセプタクル10は、底部11と傾斜した側壁12とを備え、底部の反対側が開放している。レセプタクルは、LED2を収容し、その開放部はガラス基板3によって閉塞される。
【0034】
ガラス基板3は、ネジ、クリップ、接着剤、または封入材料などの締結手段5によって、レセプタクルの壁12に締結される。
【0035】
レセプタクル10とガラス基板3とは、接合されると、薄い平坦な構造になり、全厚はレセプタクルの厚さ、ダイオードのハウジングの高さ、およびガラス基板の厚さに相当する。このようにして設計される照明器具は、約10mm〜30mmの薄い厚さを有する。
【0036】
照明器具のサイズ(長さおよび幅)は、用途に適したサイズであり、したがって、ダイオードの数はサイズによって決まる。
【0037】
照明器具の前面は、長方形、正方形(図2)、もしくは円(図3)などの様々な形状、または所望の設計に適した任意の他の幾何学的形状にすることができる。
【0038】
照明器具のレセプタクル10は、本発明によれば、少なくとも底部は、アルミニウム、銅、またはステンレス鋼などの金属のような熱伝導性材料から成る。
【0039】
LED2は、基板3に面するレセプタクルの内側面13に配置される。レセプタクルの伝導性材料は熱を放散するので、LEDによって生じた熱を外部に向かって排出して、高いLED効率を保証し、LEDの寿命を長くする。
【0040】
LED2は、支持体20上に配置される。支持体20は、図1に示される第1の実施形態では、複数のストリップから成る、または図5の第2の実施形態では、照明器具の領域にほぼ一致する大きな領域を占めるプリント回路板のシートから成る。
【0041】
支持体は、シートの形であろうとストリップの形であろうと、プリント回路板PCBである。支持体は、プラスチックまたは金属製である。ほとんどの場合、ストリップは金属製であるが、シートはプラスチック製である。
【0042】
1枚のシートのPCBに対して複数のストリップの利点は、ダイオードを配置するのに使用される領域を最適にすることで製造コストが低減され、照明器具の領域全体にわたってダイオードを柔軟に分布させることができ、その設計に合わせられ最終的には、不良ストリップのみが交換される必要があるので、照明器具のメンテナンスコストが低減されるということである。
【0043】
支持体20は、締結手段21によってレセプタクルの内側面13に固定されるが、締結手段21は、使用される支持体20の種類によって決まる。
【0044】
図1では、支持体は金属ストリップから成る。ダイオードは、ストリップの金属から電気的に絶縁されたトラックにはんだ付けされる。ストリップの金属は熱を伝導するので、熱を放散するようにストリップは金属レセプタクルに直接押し付けられて、クリップまたはネジによって、または図1に示されるような熱伝導性締結手段21によって締結される。熱伝導性材料は、例えば、熱伝導性接着剤または両面接着テープであるが、電気絶縁体でもある。
【0045】
支持体20がプラスチックシートである場合(図5)、ダイオードは、シートの両側(22a、22c)に、シートの厚さ(22b)を介して対向配置された熱パッド22にはんだ付けされる。シート20は、熱パッド22cに結合された熱伝導性締結材料21によって締結される。熱伝導性締結材料21は、例えば、熱伝導性接着剤または両面接着テープであるが、電気絶縁体でもある。
【0046】
接着テープは厚さが較正できるという利点があるので、LEDの支持体を完全に平面状にして、確実にダイオードが基板から全て等距離になるようにする。さらに、接着テープは、予め支持体に固定されてもよい。
【0047】
本発明によれば、各々のダイオードは円錐状の光ビームを発し、円錐の中央長手方向平面における光ビームのビーム角α(より詳細には図1および図6)は約100°〜140°であり、ダイオードの端部からガラス基板3までの距離Dは約1mm〜20mm、好ましくは、約10mmである。基板に投影される光点は、2Dtan(α/2)に等しい直径Yの円によって囲まれる。
【0048】
本発明の照明器具は、有利には、ダイオードによって発せられ直接基板を透過せずにレセプタクルに閉じ込まれた光線が外部に漏れるように基板に向かって反射されるために、リフレクタ、すなわち、光線を反射する領域を備えて、照明器具の全発光効率を高める。
【0049】
リフレクタは、LEDの支持体20の実施形態に応じて異なる。
【0050】
ストリップの実施形態では、このリフレクタは、レセプタクルの内側面13に相当し、この内側面は、適切に加工され、および/またはラッカーまたはペンキのような適切なコーティングが塗布された表面を有する。
【0051】
シートの実施形態では、シートはレセプタクルの内側面13全体に平行に位置し、リフレクタは、シートの基板に面する面23全体を覆う反射領域(図5)から成るか、またはシートの面23に配置され、LEDを取り囲み、例えば、熱パッド22a(図5)またはラッカーまたはペンキのような適切な塗布コーティングから成る小さい反射領域から成る。
【0052】
確実に眩惑を生じない照明にするために、照明器具は散乱手段4を備える。基板3に結合されるこれらの散乱手段は、LEDによって生じる光に応じて適切に分布される。特に、散乱手段は、各々のLEDによって基板上に発せられる光ビームの投影領域に一致する形状を有する。この投影領域は、例えば、図4に示されるように、円形である。
【0053】
ガラス基板3は、少なくとも85%の高い光透過率を有する。例えば、ガラス基板は、特に、望まれる外観または光学的効果に応じて、および/または照明器具の設定に応じて、
Planilux(R)ガラス(Saint−Gobain Glass社製)のような淡緑色の標準的な組成のガラス、
Diamant(R)ガラス(Saint−Gobain Glass社製)のような無色(無彩色)の超透明ガラス、
Albarino(R)ガラス(Saint−Gobain Glass社製)のようなピラミッド構造がプリントされたガラスで、ピラミッド状のレリーフが照明器具の外部環境に面する基板の外側面3Aに形成されたガラス、
より頑丈な強化ガラス、および
積層ガラス
とすることができる。
【0054】
一実施形態によれば、ガラス基板は、図7に示されるような照明ミラーを形成してもよい。ガラス基板3は透明ガラス板であり、その片面、つまり、照明器具内部に面する内側面3Bは、確実に光を透過するように特定のゾーン32の外側に銀ベースのフィルムのような反射コーティング30が施される。散乱手段4は、ダイオードに面するこれらのゾーン32に配置される。好ましくは、この用途では、散乱手段は、製造を簡素化するために反射フィルムをサンドブラスト加工することで得られる。
【0055】
本発明によれば、ガラス基板3は、基板の光透過率が40%〜85%になるように、基板の光透過率を変更する散乱手段4を備える。
【0056】
散乱手段4は、少なくともLEDに面して配置および配列される。この場合、散乱手段は、ダイオードに面する、小さい、一般には円形の焦点ゾーンに配置される。
【0057】
散乱手段により、LEDにより発せられる光線が透過された時に強すぎるのを防いで、照明器具の方を見る人の眩惑をかなり低減することができる。
【0058】
基板を透過されなかった光線は、散乱手段によって装置の内部に向かって反射される。リフレクタ(レセプタクルの内側面13および/またはLEDを支持するシートの表面コーティング)は、有利には、前記光線を基板に向かって反射するので、漏れる光線は散乱されて、主に散乱手段のない基板31のゾーンから漏れることになる。
【0059】
したがって、照明は、少なくとも40lm/W(ルーメン/ワット)の特に高い発光効率を有すると同時に、均一で眩惑をほとんど生じない。発光効率は、通常、室温でゴニオメータを使用して測定される。
【0060】
例として、長さ600mm、幅600mmで、温度が安定した後に各々が70lm/Wの発光効率を達成できる50個のLEDを備える本発明の装置では、照明器具の全発光効率は54lm/Wを達成できる。照明器具の光学効率(ダイオードの発光効率に対する全発光効率の割合)は、この例では、77%である、すなわち70%より高い。また、照明器具は、70lm/Wより高い発光効率を有するLEDを使用してさらに高効率の照明器具にすることができる。
【0061】
散乱手段4は、ガラスの厚さ内および/または支持体に面する基板の内側面3Bに配置される。散乱手段は、サンドブラスト、またはSatinovo(R)ガラス(Saint−Gobain Glass社製)に施されるような酸エッチングによって、またはレーザエッチングによって、またはSmoothlite(R)ガラス(Saint−Gobain Glass社製)に施されるようなエナメル層または散乱層のスクリーン印刷によって得られる。スクリーン印刷は、任意のタイプのデザインが明瞭なエッジで達成されるという利点がある。
【0062】
別の変形形態では、基板が積層ガラスで作られている場合に、散乱手段を形成するのに散乱樹脂が使用される。
【0063】
散乱手段4は、上述したように、有利には、ダイオードに面する位置に分布し、これらの位置で得られる光透過率が基板の残りの位置で得られる光透過率より低いことが必須である。しかし、図8に示されるような実施形態では、前記散乱手段4を仕切るゾーンに他の散乱手段6が配置されてもよい。これらの他の手段は、同様の方法(エッチング、サンドブラスト、酸エッチングなど)によって作製される。しかし、これらの他の散乱手段6は、前記散乱手段4より高い光透過率を有する必要がある。
【0064】
したがって、本発明の照明器具は、LEDとLEDに面して散乱手段を備えるガラス基板とを組み合わせることで、均一で眩惑をほとんど生じない高効率の照明をもたらすことができる。散乱手段により、光の透過は確実にガラスの領域全体にわたって分布し、局所的に較正される。
【0065】
さらに、レセプタクル内に適切に配置されたリフレクタにより、光が基板に向かって反射されて、照明器具により得られる照明出力の効率を最大化する。
【0066】
また、レセプタクルの熱伝導性、LEDの支持体の熱伝導性、さらにレセプタクルに支持体を締結する手段の熱伝導性は、確実にLEDによって生じた熱を消散し、照明器具の効率を低減しない。
【0067】
最後に、光源としてLEDを使用することで、極端に薄い照明器具にすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクル(10)と、照明光源としての発光ダイオード(2)と、レセプタクル内に配置されダイオードが上に配置される支持体(20)と、照明装置のカバーを形成し、ダイオードが光を発する方向にあるガラス基板(3)とを備える照明装置(1)であって、
ダイオードの支持体(20)は熱伝導性金属材料製のレセプタクル底部(13)に締結され、前記支持体は熱放散手段を組み込みおよび/または熱放散手段に結合され、熱放散手段はレセプタクル底部(13)に接続され、
ガラス基板(3)は、散乱手段と呼ばれる光散乱手段(4)を備え、散乱手段はダイオードに面して配置され、および
基板の方向に光線を反射させるようにリフレクタ(13、22)がレセプタクル内部に配置される、照明装置(1)。
【請求項2】
ダイオードの支持体(20)は、レセプタクル底部(13)全体にほぼ平行に位置する全体領域を有するシートから成り、リフレクタは、基板に面する前記シートの面(23)に施された反射コーティングから成ることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
ダイオードの支持体(20)は、レセプタクル底部全体に分布している別個のストリップから成り、リフレクタは、反射性材料から成るレセプタクル底部(13)によって、および/またはレセプタクル底部に施された反射コーティングによって、および/または基板に面するストリップの面に施された反射コーティングによって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
ダイオードの支持体(20)に組み込まれるおよび/または結合される熱放散手段は、支持体を形成する金属材料または支持体に組み込まれる金属領域(22a、22b、22c)から成り、任意で、レセプタクル底部に支持体を締結する手段(21)から成り、締結手段(21)は熱伝導性を有し、熱伝導性接着剤または接着テープのような電気絶縁材料製であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
散乱手段(4)は、各々のダイオードによって発せられた光ビームの基板上の投影に少なくとも一致する形状を有する各々のゾーンに配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
各々のゾーンは、少なくとも円で囲まれた領域に一致し、各々のダイオードの光ビームは光円錐を形成し、この円錐の中央長手方向平面における光ビームのビーム角は約100°〜140°であることを特徴とする、請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
裸のガラス基板(3)は、少なくとも85%の光透過率を有するが、散乱手段(4)に結合された場合には、85%未満の光透過率、好ましくは、40%〜85%の光透過率を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
ダイオードに面する散乱手段(4)を備えるゾーンを仕切るゾーンに他の散乱手段(6)が配置され、これらの他の散乱手段に結合されたガラス基板は、ダイオードに面する散乱手段(4)の光透過率より高い光透過率を有し、好ましくは、少なくとも70%〜90%の光透過率を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
基板(3)は、散乱手段(4)を備えるゾーンの外側に、照明ミラーを形成するようにレセプタクルに面する基板の内側面(3B)を覆う銀フィルムのような反射フィルム(30)を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
散乱手段(4)は、ガラスの厚さ内および/またはダイオードに面する基板の内側面(3B)に配置されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
基板(3)は、ネジ留め、クリップ留め、または接着(好ましくは、密閉して)によって、または封入によってレセプタクル(10)に機械的に締結されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
薄い厚さ、特に、約10mm〜30mmの厚さのほぼ平坦で薄い形状を有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−508909(P2013−508909A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534743(P2012−534743)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052219
【国際公開番号】WO2011/048319
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】