説明

発光ダイオードパッケージ及びその製造方法

【課題】発光ダイオードパッケージおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】上面40および底面を有し、その上面上に複数の上部導電性要素および上部導熱性要素を有するサブマウント32を備えるLEDパッケージ30で、LEDが、上部要素に印加された電気信号がLEDを発光させるように、上部要素の1つの上に設けられ、導電性要素は、LEDからの熱をサブマウントの上面の大部分にわたって拡散し、下部導熱性要素が、サブマウントの底面上に設けられ、サブマウントからの熱を拡散し、レンズが、LEDの上に直接に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードに関し、より詳細には、モールドレンズを有する発光ダイオードパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LEDまたはLEDs)は、電気エネルギーを光に変換する固体デバイスであり、一般的に、反対にドープされた層の間に挟まれた1つ又は複数の半導体材料の活性層を備える。ドープ層間にバイアスがかけられると、正孔および電子が活性層中に注入され、活性層で再結合して光を生成する。光は、活性層から及びLEDの全表面から発せられる。
【0003】
回路または他の同様の構成物(arrangement)においてLEDチップを使用するために、パッケージの中にLEDチップを封入して、環境的および/または機械的保護、色の選択、集束などを可能にすることが知られている。また、LEDパッケージは、外部回路にLEDパッケージを電気的に接続するためのリード線(electrical
lead)、コンタクトまたはトレース(trace)を備える。図1aに図示される典型的なLEDパッケージ10においては、LEDチップ12が、はんだ接合剤(solder bond)または導電性エポキシ樹脂(conductive epoxy)を用いて反射カップ13上に取り付けられる。1つ又は複数のワイヤボンド11が、リード15Aおよび/または15BにLEDチップ12のオーミックコンタクトを接続しており、リード15Aおよび/または15Bは、反射カップ13に付着されていても、反射カップ13と一体化されていてもよい。反射カップ13は、燐光体などの波長変換物質を含む封入材料(encapsulant material)16を充填されていてもよい。LEDによって第1の波長で発せられた光が燐光体によって吸収されてもよく、燐光体はそれに応答して第2の波長で光を発してもよい。次に、アセンブリ全体が、透明の保護樹脂14内に封入されるが、透明の保護樹脂14は、LEDチップ12から発せられる光を平行にするために、レンズ形状に成形されてもよい。反射カップ13は上方向に光を方向付けることができるが、光が反射される際に光学的損失が生じる場合がある(すなわち、光の幾分かが反射されずに、反射体カップに吸収される場合がある。)。さらに、図1aに図示されるパッケージ10などのパッケージに関して、リード15A、15Bを介して熱を取り出すことが困難な場合があるため、保熱(heat retention)が問題となることがある。
【0004】
図1bに図示される従来のLEDパッケージ20は、熱をより生成する場合のある高出力動作にさらに適したものである。LEDパッケージ20において、1つ又は複数のLEDチップ22が、プリント回路基板(PCB)キャリア、基板またはサブマウント23などのキャリア(carrier)の上に取り付けられている。サブマウント23上に取り付けられた金属反射体24が、LEDチップ(または複数のLEDチップ)22を包囲し、LEDチップ22により発せられる光をパッケージ20から離れる方向に反射する。また、反射体24は、LEDチップ22に対して機械的保護を与える。1つ又は複数のワイヤボンド接続部11が、LEDチップ22上のオーミックコンタクトと、キャリア23上の電気トレース25A、25Bとの間に形成される。次いで、取り付けられたLEDチップ22は封入材料26で覆われるが、封入材料26は、チップに対して環境的および機械的保護を与えると同時にレンズとしても機能することができる。一般的に、金属反射体24は、はんだ接合剤またはエポキシ樹脂接合剤を用いてキャリアに付着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第Re.34861号明細書
【特許文献2】米国特許第4946547号明細書
【特許文献3】米国特許第5200022号明細書
【特許文献4】米国特許出願第11/656759号明細書
【特許文献5】米国特許出願第11/899790号明細書
【特許文献6】米国特許出願第11/473089号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1bに図示されるパッケージ20などのパッケージは、高出力動作に関するいくつかの利点を有しうるが、金属反射体として別個の金属部材を使用することに伴ういくつかの潜在的な問題が存在する場合がある。例えば、小さな金属パーツは、手頃な費用で高精度に再現可能に製造することが困難な場合がある。さらに、反射体は一般的に接着剤を使用してキャリアに固着されるため、反射体を慎重に位置合わせして取り付けるためのいくつかの製造ステップが必要となる場合があり、これによって、そのようなパッケージの製造プロセスの費用および複雑性が増す場合がある。
【0007】
また、より高出力の動作に関しては、LEDチップ22により生成される熱を分散することが困難な場合がある。サブマウントは、頑丈ではあるが熱を効率的に伝達しないセラミックスなどの材料から構成することが可能である。LEDチップからの熱は、LEDチップの下方のサブマウント内に移動するが、LEDの下方から、熱を分散することのできる外方へ効率的に広がらない。LEDからの熱は、LEDの下方に集中する傾向があり、LEDパッケージの作動時に上昇するおそれがある。この熱の上昇により、パッケージの寿命の短縮または故障がもたらされる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるLEDパッケージの一実施形態は、上面および底面を有し、その上面の上に複数の上部導電性および導熱性要素(top electrically and thermally conductive element)を有するサブマウントを備える。LEDが、前記上部要素のうちの1つの上に備えられ、前記上部要素に印加された電気信号がLEDを発光させる。また、前記導電性要素は、LEDからの熱をサブマウントの上面の大部分にわたって拡散する。下部導熱性要素(bottom thermally conductive element)が、前記サブマウントの底面の上に備えられ、サブマウントからの熱を伝達する。レンズが、LEDの上に直接に形成される。
【0009】
本発明によるLEDパッケージの別の実施形態は、上面および底面を有するサブマウントを備え、付着パッド(attach pad)が前記上面の上にあり、前記上面の上の第1のコンタクトパッドが前記付着パッドと一体化されており、第2のコンタクトパッドが前記上面の上にある。LEDが、前記付着パッドに取り付けられ、電気信号が前記第1のコンタクトパッドおよび前記第2のコンタクトパッドに印加されると、LEDを発光させる。また、パッドは、前記LEDからの熱を前記上面の大部分に拡散するために、前記上面のほとんどを覆う導熱性層を備える。光学素子が、前記LEDの上に直接に形成される。
【0010】
本発明によるLEDパッケージの別の実施形態は、上面および底面を有するサブマウントを備え、LEDが前記上面の上に取り付けられる。レンズが、前記LEDおよび前記上面の一部分の上に直接に形成される。前記上面の上の上部熱拡散要素が、前記LEDからの熱を前記上面の大部分にわたって拡散し、前記サブマウントの底面の上の下部熱拡散要素が、サブマウントからの熱を伝達する。
【0011】
本発明によるLEDパッケージを製造する方法の一実施形態は、複数のLEDパッケージサブマウントに分離されるように寸法を設定されたサブマウントパネルを設けるステップを含む。上部導電性要素が、複数のLEDパッケージのためのサブマウントパネルの1つの表面の上に形成される。LEDが前記上部要素に付着され、前記LEDは、前記上部導電性要素に電気的に接続される。レンズが前記LEDの上に成形され、基板パネルが個片化されて複数のLEDパッケージに分離される。
【0012】
本発明による複数の表面実装LEDパッケージを製造する方法は、複数のLEDパッケージの形成に適合するように寸法を設定されたサブマウントパネルを設けるステップを含む。付着パッド及びコンタクトパッドの組が、サブマウントパネルの1つの表面の上に形成され、それらの組のそれぞれは、前記サブマウントパネルから形成されることになるLEDパッケージの1つに対応する。複数のLEDがサブマウントパネルに付着され、前記LEDのそれぞれは、前記付着パッド及びコンタクトパッドの組のうちの1つに付着され、電気的に接続される。複数のレンズが前記サブマウントパネル上に成形され、前記レンズはそれぞれ、前記LEDのうちの1つの上に位置する。表面実装コンタクトの組が、前記付着パッド及びコンタクトパッドの組とは反対側の前記サブマウントパネルの表面上に形成され、前記表面実装コンタクトの組のそれぞれは、前記付着パッド及びコンタクトパッドの組のそれぞれに対応する。基板パネルが個片化されて複数のLEDパッケージに分離される。
【0013】
本発明のこれら及びその他の側面および利点は、本発明の特徴を例示として示す以下の詳細な説明および添付図面より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1a】先行技術のLEDパッケージの断面図である。
【図1b】別の先行技術のLEDパッケージの断面図である。
【図2a】本発明によるLEDパッケージの一実施形態の上面図である。
【図2b】図2aに図示されるLEDパッケージの側面図である。
【図2c】図2aに図示されるLEDパッケージの底面図である。
【図2d】図2aに図示されるLEDパッケージの上面斜視図である。
【図2e】図2aに図示されるLEDパッケージの底面斜視図である。
【図2f】図2aに図示されるLEDパッケージの分解図である。
【図2g】図2aに図示されるLEDパッケージの、切断線2g−2gに沿った断面図である。
【図3a】本発明によるLEDパッケージの別の実施形態の側面図である。
【図3b】図3aに図示されるLEDパッケージの上面図である。
【図3c】図3aに図示されるLEDパッケージの底面図である。
【図3d】図3aに図示されるLEDパッケージの上面斜視図である。
【図3e】図3aに図示されるLEDパッケージの底面斜視図である。
【図4a】本発明によるLEDパッケージの別の実施形態の上面斜視図である。
【図4b】図4aに図示されるLEDパッケージの底面斜視図である。
【図5】本発明による製造方法の一実施形態に関する流れ図である。
【図6a】本発明によるレンズモールドの一実施形態の断面図である。
【図6b】図6aに図示されるレンズモールドの別の断面図である。
【図7a】本発明にしたがって構成されたレンズを有するサブマウントパネルの一実施形態の平面図である。
【図7b】図7aに示されたサブマウントパネルの、切断線7b−7bに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、コンパクトで簡易で効率的なLEDパッケージと、その製造方法とを対象とする。種々の実施形態は、一般的に高温で作動する1つ又は複数の高出力LEDを備えることが可能である。本発明によるパッケージは、LEDから熱を拡散することによる改善された温度管理を可能にする形体を備えることが可能である。さらに、熱は、大気中に分散させることが可能である。また、本発明によるパッケージは、LEDを保護しつつ、さらに効率的な発光特性を可能にする、1つ又は複数のLEDの上に直接に成形されたレンズを備えることが可能である。
【0016】
また、本発明は、複数のパッケージの同時形成を可能にする加工ステップを利用した、LEDパッケージの製造方法を対象とする。これにより、LEDパッケージ製造の製造複雑性およびコストを低下させることが可能となる。
【0017】
本発明は、効率的であるにもかかわらず小サイズの光源を実現する、低コストで比較的小サイズのLEDパッケージを提供する。特に、本発明によるこのパッケージは、表面実装技術に適合し、良好な放熱を可能にする形体を提供して、パッケージが過熱することなく高出力レベルで作動することを可能にする。
【0018】
層、領域または基板などのある要素が別の要素「の上に」存在する、と言及される場合、ある要素は他方の要素の上に直接に存在しても、介在要素が存在してもよいことが理解される。さらに、本明細書において、「内方」、「外方」、「上部(upper)」、「上方(above)」、「下部(lower)」、「下方(beneath)」、および「下(below)」、ならびに同様の語などの相対的な語が、ある層や領域の関係性を説明するために使用される場合がある。これらの語は、図中に示されたデバイスの方向付けに加えて、デバイスの別の方向付けを包含することが意図されることが理解される。
【0019】
本明細書において、第1、第2などの語が、様々な要素、コンポーネント、領域、層および/または区域を説明するために使用されることがあるが、これらの要素、コンポーネント、領域、層および/または区域は、これらの語によって限定されるべきではない。これらの語は、ある要素、コンポーネント、領域、層または区域を、別の要素、コンポーネント、領域、層または区域から区別するために使用されるにすぎない。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、以下で説明される第1の要素、コンポーネント、領域、層または区域を、第2の要素、コンポーネント、領域、層または区域と呼ぶことが可能である。
【0020】
本発明の実施形態は、本発明の理想的な実施形態の概略図である断面図を参照して説明される。そのため、例えば製造技術および/または製造公差による、図の形状からの変形が予期される。本発明の実施形態は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されるものと解釈されるべきではなく、例えば製造方法による形状の偏差が含まれるべきである。典型的には、正方形または矩形として図示または説明される領域が、通常の製造公差により丸みのある又は湾曲した形体を有する。したがって、図示される領域は、本質的に概略的なものであり、それらの形状は、デバイスの領域の正確な形状を図示することを意図されておらず、本発明の範囲を限定することを意図されていない。
【0021】
本発明は、多数の様々な固体エミッタにおいて使用することが可能であり、以下では、本発明の実施形態を、LEDに、特に白色発光LEDおよびLEDパッケージに関して説明する。また、本発明は、示される実施形態以外の他の固体エミッタパッケージを使用することが可能であることが理解される。また、本発明は、複数のLEDを有するLEDパッケージなどの複数のエミッタパッケージと共に使用することが可能である。本発明は、エミッタからの光の波長を下降変換するために変換材料を使用する任意の用途において使
用することが可能であり、以下の実施形態を参照する本発明の説明は、そのような特定の実施形態または同様の実施形態に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0022】
図2aから図2gは、本発明によるLEDパッケージ30の一実施形態を示し、同実施形態は、同一または種々の色を発光する1つ又は複数のLEDを有する基板/サブマウント(「サブマウント」)32を概して備える。図示される実施形態において、単一のLED34がサブマウント32上に取り付けられる。LED34は、様々に構成された多数の種々の半導体層を有することが可能である。LED構造ならびにその製造および作動は、当技術分野において一般的に知られており、本明細書においては簡単にのみ説明する。LED34の層は、既知のプロセスを使用して製造することが可能であり、適切なプロセスは、有機金属化学気相成長法(MOCVD)を使用する製造である。概して、LED34の層には、反対にドープされた第1および第2のエピタキシャル層の間に挟まれた活性層/領域が含まれ、それらはすべて、成長用基板の上に連続的に形成される。LEDをウェーハの上に形成し、次いでパッケージ内に取り付けるために個片化することが可能である。成長用基板は、個片化された最終LEDの一部として残るか、完全に又は部分的に除去することが可能であることが理解される。
【0023】
また、LED34内には、バッファ層、核形成層、コンタクト層および電流拡散層、ならびに光抽出層および光抽出要素を含むがそれらに限定されない他の層および要素を備えることも可能であることが理解される。活性領域には、単一量子井戸(SQW)、多重量子井戸(MQW)、ダブルヘテロ構造または超格子構造を含むことが可能である。活性領域およびドープ層は、種々の材料系から製造することができ、好ましい材料系は、III族窒化物ベースの材料系である。III族窒化物とは、窒素と、周期表のIII族中の元素(通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In))との間で形成される半導体化合物を指す。また、III族窒化物という語は、アルミニウムガリウム窒化物(AlGaN)及びアルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)などの三元化合物および四元化合物を指す。好ましい実施形態においては、ドープ層はガリウム窒化物(GaN)であり、活性領域はInGaNである。代替実施形態においては、ドープ層は、AlGaN、アルミニウムガリウムヒ化物(AlGaAs)またはアルミニウムガリウムインジウムヒ化リン化物(AlGaInAsP)であってもよい。
【0024】
成長用基板は、サファイア、炭化ケイ素、窒化アルミニウム(AlN)、GaNなどの多くの材料から構成することが可能であり、適切な基板は4Hポリタイプの炭化ケイ素であるが、3C、6Hおよび15Rのポリタイプを含む他の炭化ケイ素ポリタイプを使用することも可能である。炭化ケイ素は、サファイアに比べて、III族窒化物に対する結晶格子の整合性がより近いなどのいくつかの利点を有し、より高品質のIII族窒化物膜をもたらす。また、炭化ケイ素は、非常に高い熱伝導性を有し、そのため一般的に、炭化ケイ素上のIII族窒化物の総出力は、基板の熱散逸(dissipation)により制限されない(サファイア上に形成されたいくつかのデバイスでは制限される。)。SiC基板は、米国ノースカロライナ州、DurhamのCree Research社より市販されており、その製造方法は、科学文献および特許文献1〜3に記載されている。
【0025】
また、LED34は、その上面上に導電性の電流拡散構造体36およびワイヤボンドパッド38を備えることが可能であり、電流拡散構造体36およびワイヤボンドパッド38は共に導電性材料から構成され、既知の方法を使用して堆積することが可能である。これらの要素のために使用することが可能ないくつかの材料としては、Au、Cu、Ni、In、Al、Agまたはそれらの組合せ、ならびに導電性酸化物および透明導電性酸化物が含まれる。一般的に、電流拡散構造体36は、LED34上にグリッド状に配置された導電性フィンガー37を備え、これらのフィンガーは、パッド38からLEDの上面への電流拡散を高めるために離間される。作動時に、電気信号が、以下で説明されるワイヤボン
ドを介してなど、パッド38に印加され、電気信号は、電流拡散構造体36のフィンガー37とLEDの上面とを介して、LED34内に拡散する。電流拡散構造体は、LEDにおいてしばしば使用され、上面はp型であるが、n型材料についても使用することが可能である。
【0026】
LEDを1つ又は複数の燐光体で被覆することが可能であり、燐光体は、LED光の少なくとも幾分かを吸収して異なる波長の光を発し、それによって、LEDは、LEDおよび燐光体からの光の組合せを発する。好ましい実施形態においては、LEDは、LEDおよび燐光体の光の組合せの白色光を発する。LEDは、多数の様々な方法を使用して被覆し製造することが可能であり、1つの適切な方法が、共に「Wafer Level Phosphor Coating Method and Devices Fabricated Utilizing Method」と題された特許文献4および5
に記載されており、これらは共に参照により本明細書に組み込まれる。あるいは、電気泳動堆積法(EPD)などの他の方法を使用してLEDを被覆することが可能であり、1つの適切なEPD方法が、「Close Loop Electrophoretic Deposition of Semiconductor Devices」と題された特許文献6に記載されており、これもまたは参照により本明細書に組み込まれる。また、本発明によるLEDパッケージは、種々の色の複数のLEDを有することが可能であり、それらの中の1つ又は複数が白色発光であってもよいことが理解される。
【0027】
サブマウント32は、多数の様々な材料から形成することが可能であり、好ましい材料は電気的に絶縁性のものである。適切な材料としては、酸化アルミニウムおよび窒化アルミニウムなどのセラミック材料、またはポリイミド(PI)およびポリフタルアミド(PPA)などの有機絶縁体が含まれるが、それらに限定されない。他の実施形態においては、サブマウント32は、プリント回路基板(PCB)、サファイアまたはシリコン、あるいは米国ミネソタ州ChanhassenのBergquist社より市販の、T−Clad thermal clad insulated substrate materialなどの他の適切な材料を含むことができる。PCBの実施形態に関して、標準FR−4PCB、メタルコアPCB、または任意の他のタイプのプリント回路基板などの種々のPCBのタイプを使用することが可能である。以下でさらに十分に説明されるように、本発明によるLEDパッケージは、複数のサブマウントを収容するように寸法が設定されたサブマウントパネルを使用する方法を用いて製造することが可能である。複数のLEDパッケージをこのパネルの上に形成することが可能であり、個々のパッケージが、このパネルから個片化される。
【0028】
サブマウント32は、一体化された第1のコンタクトパッド44を有するダイ付着パッド42を備えることが可能なパターニングされた導電性形体を備える上面40を有する。また、第2のコンタクトパッド46が、サブマウントの上面40上に設けられ、LED34は、付着パッド42のほぼ中央に取り付けられる。これらのパターニングされた導電性形体は、既知の接触方法を使用して、LED34への電気的接続のための導電性パスを提供する。LEDは、導熱性および導電性のものであってもよいフラックス(flux)材料またはディスペンスト・ポリマー(dispensed polymeric)材料を含むことがある、または含まないことがある、従来のはんだ材料などを使用した、既知の方法および材料実装法を使用して、付着パッド42に取り付けることが可能である。
【0029】
パッケージ30におけるサブマウント32のサイズは、種々の要因に応じて変わることが可能であり、1つとしては、LEDのサイズがある。例えば、パッケージ30のサイズは、付着パッド42、第1のコンタクトパッド44および第2のコンタクトパッド46内の有効熱拡散領域と実質的に同一の寸法であることが可能である。1mmのLEDを有するパッケージにおいては、サブマウントは、約3.5mm×3.5mmであることが可能であり、0.7mmのチップを有するパッケージについては、サブマウントは、3.2m
m×3.2mmであることが可能であり、どちらの場合でも概して正方形の形状である。さらに、サブマウントは、円形、矩形または他の多辺形の形状を含む他の形状を有することが可能であることが理解される。
【0030】
付着パッド42、ならびに、第1および第2のコンタクトパッド44、46は、金属その他の導電性材料などの大きく異なる材料を含むことが可能である、一実施形態においては、パッド42、44、46は、めっきなどの既知の技術を使用して堆積された銅を含む。典型的なめっきプロセスにおいては、チタン接着層および銅シード層が、基板上に連続してスパッタされる。次いで、約75ミクロンの銅が、この銅シード層上にめっきされる。堆積された結果として得られる銅層は、次いで標準的なリソグラフィプロセスを使用してパターニングすることが可能である。他の実施形態においては、この層を、所望のパターンを形成するためのマスクを使用してスパッタすることが可能である。
【0031】
本発明によるいくつかの実施形態においては、導電性形体のあるものが銅のみを含み、導電性形体の他のものが他の材料を含むことが可能である。例えば、付着パッド42をLED34の取付により適したものにするために、付着パッド42を追加の金属または材料でめっき又は被覆することが可能である。例えば、付着パッド42は、接着材料またはボンディング材料、あるいは反射層およびバリア層でめっきすることが可能である。
【0032】
第2のパッド46と付着パッド42との間に、サブマウント32の表面に至るギャップ48(図2aおよび図2dにおいて最も良く図示される)が含まれ、このギャップは、付着パッド42と第2のパッド46との間に電気的絶縁を与える。以下でさらに説明されるように、電気信号が、第2のパッド46および第1のパッド44を介してLED34に印加され、第1のパッド44への電気信号は、付着パッド42を介してLED34へ直接に進み、第2のパッドからの信号は、ワイヤボンドを介してLED34に進む。ギャップ48は、LED34に印加された信号の短絡を回避するために、第2のパッド46と付着パッドとの間に電気的絶縁を与える。
【0033】
いくつかの実施形態においては、PCBへのはんだコンタクトその他の導電性パスなどにより、第1および第2のボンドパッド44、46への外部からの電気的接触を可能にすることによって、電気信号をパッケージ30に印加することが可能である。図示される実施形態においては、LEDパッケージ30は、表面実装技術を使用して実装し、内部導電性パスを有するように構成されている。LED30は、第1および第2のコンタクトパッド44、46のそれぞれに少なくとも部分的に整列された状態でサブマウントの背面54上に形成することが可能な第1および第2の表面実装パッド50、52(図2cおよび2eに最もよく示されている)を備える。導電性ビア56が、第1の実装パッド50と第1のコンタクトパッド44との間にサブマウント32を貫通して形成され、それにより、信号が第1の実装パッド50に印加されると、その信号は、第1のコンタクトパッド44に伝達される。同様に、導電性ビア56は、第2の実装パッド52と第2のコンタクトパッド46との間に形成されて、第2の実装パッド52と第2のコンタクトパッド46との間で電気信号を伝達する。第1および第2の実装パッド50、52は、LED34に印加されるべき電気信号が第1および第2の実装パッド50、52の間に印加される状態でのLEDパッケージ30の表面実装を可能にする。ビア56および実装パッド50、52は、付着パッド42およびコンタクトパッド44、46について使用される技術などの種々の技術を用いて堆積される多数の様々な材料から形成することが可能である。
【0034】
実装パッド50、52およびビア56は、多数の様々な様式で構成することが可能であり、多数の様々な形状およびサイズを有することが可能であることが理解される。また、ビアの代わりに、1つ又は複数の導電性トレースを、サブマウントの側部表面に沿ってなど、実装パッドとコンタクトパッドとの間にサブマウントの表面上に設けることが可能で
あることが理解される。
【0035】
従来の材料から構成されるソルダマスク(solder mask)58をサブマウントの上面40上に設け、付着パッド42と第1および第2のコンタクトパッド44、46とを少なくとも部分的に覆い、ギャップ48を少なくとも部分的に覆うことが可能である。ソルダマスク58は、その後の加工ステップの間、特にLED34を付着パッド42に取り付けてワイヤボンディングする間、これらの形体を保護する。これらのステップの間に、望ましくない領域にはんだその他の材料が堆積する危険がある可能性があり、これは、この領域に損傷を与える、または電気的短絡をもたらすおそれがある。ソルダマスクは、これらの危険を減らす又は回避させることが可能な絶縁および保護材料としての役割を果たす。ソルダマスクは、付着パッド42にLED34を実装するための、かつ第2のコンタクトパッド46にワイヤボンドを装着するための開口を備える。また、ソルダマスクは、製造の際のパッケージ30の検査のための、コンタクトパッド44、46への好都合な電気的アクセスを可能にする側部開口60を備える。また、ソルダマスク58は、パッケージ30の製造の際の位置合わせを可能にし、またエンドユーザが定位置に取り付ける際の位置合わせを可能にするアラインメントホールを有する。
【0036】
いくつかの実施形態においては、ソルダマスクは、パッケージに印加すべき信号のプラスまたはマイナスに、LEDパッケージ30のどちらの側を結合すべきかを示すための記号または標識69を備えることが可能である。これによって、機械または手作業のいずれによってかにかかわらず、PCBその他の固定物(fixture)にLEDパッケージ30を確実に正確に実装することが可能となる。図示される実施形態においては、記号69は、第1のコンタクトパッド44の上にプラス(+)の符号を備えており、正の信号が第1の実装パッド50に結合される状態でパッケージ30が実装されるように指示する。したがって、負の信号が第2の実装パッド52に結合されることとなる。多数の様々な記号タイプを使用することが可能であり、また第2の導電性パッド46の上に記号を含むことが可能であることが理解される。また、ソルダマスク58以外の他の位置に記号を配置することが可能であることが理解される。
【0037】
また、パッケージ30は、静電放電(ESD)による破壊から保護するための素子を備えることが可能である。図示される実施形態においては、この素子はオンチップのものであり、様々な垂直シリコン(Si)ツェナーダイオード、並列に配置され、LED34に対して逆バイアスが印加される様々なLED、表面実装バリスタおよび水平Siダイオードなどの、種々の素子を使用することが可能である。図示される実施形態においては、ツェナーダイオード62が使用され、既知の実装技術を使用して付着パッド42に実装される。このダイオードは、比較的小さく、そのためサブマウント32の表面上の過大な領域を覆わない。
【0038】
ソルダマスク58は、ESDダイオード62を付着パッド42に取り付けることが可能となるように、ESDダイオード62のための開口を備えることが分かる。付着パッド42にLED34を実装するために使用される材料および方法などの、様々な実装材料および方法を使用することが可能である。ESDワイヤボンド64が、ソルダマスク開口の位置の第2のコンタクトパッド46と、ESDダイオード62との間に設けられる。また、2つのLEDワイヤボンド65が、第2のコンタクトパッド46中のソルダマスク開口と、LED34上のワイヤボンドパッド38との間に設けられる。他の実施形態においては、1つのワイヤボンドだけを、LED34と第2のコンタクトパッドとの間に設けることが可能である。このLED34とESDダイオード62との構成は、ESDの発生によりLEDパッケージ30を貫流する過剰電圧および/または過剰電流が、LED34の代わりにダイオード62を貫流するのを可能にし、LED34を損傷から保護する。ワイヤボンド64および65は、既知の方法を用いて適用することが可能であり、既知の導電性材
料を含むことが可能であり、適切な材料は金(Au)である。ESD素子/ダイオードを伴わずに、またはLEDパッケージ30の外部に存在するESD素子/ダイオードを伴って、本発明によるLEDパッケージの他の実施形態を提供することが可能であることが理解される。
【0039】
上述のように、熱は一般的に、サブマウント32、特にセラミックなどの材料から構成されるサブマウント中に効率的に拡散しない。LEDが、LEDの下方にのみ概して延在する付着パッドの上に設けられる場合には、熱は、サブマウントのほとんどの部分にわたり拡散せず、LEDの直下の領域に概して集中する。これは、LEDパッケージの作動出力レベルを制限するおそれのあるLEDの過熱を引き起こす可能性がある。
【0040】
LEDパッケージ30における放熱性の改善のため、熱がLED34の直下の領域を越えてサブマウントの他の領域に拡散することが可能となるように、LED34から離れるように熱を側方に伝達するための導熱性パスが、パッド42、44、46によって実現される。付着パッド42は、LED34よりも広くサブマウント32の表面を覆い、付着パッドは、LED34の端部からサブマウント32の端部の方に延在する。図示される実施形態においては、付着パッド42は、全体的に円形であり、LED34からサブマウント32の端部の方に径方向に延在する。付着パッド42の一部分が、第1および第2のコンタクトパッド44、46と交差し、ギャップ48が、第2のコンタクトパッド46に隣接する付着パッドの一部を分離する。コンタクトパッド42は多数の他の形状であることが可能であり、いくつかの実施形態では、コンタクトパッド42はサブマウント32の端部まで延在することが可能であることが理解される。
【0041】
また、コンタクトパッド44、46が、ビアから外方に延在してサブマウント32の表面を覆い、ビア56の間の領域と、ビア56とサブマウント32の端部との間の領域とを覆う。このようにパッド42、44、46を延在させることにより、LED34からの熱拡散が改善される。これは、LED34において生成される熱の放熱性を改善し、これにより、LED34の作動寿命が向上し、より高い作動出力が可能となる。パッド42、44、46は、サブマウント32の上面40の様々なパーセンテージを覆うことが可能であり、覆う面積は、典型的には50%を超える。このLEDパッケージ30では、パッド42、44、46は、サブマウントの約70%を覆うことが可能である。他の実施形態においては、覆う面積は75%を超えることが可能である。
【0042】
さらに、LEDパッケージ30は、サブマウントの背面54の上に、第1の実装パッド50と第2の実装パッド52との間に金属領域66を備えることが可能である。この金属領域は、好ましくは導熱性材料から構成され、好ましくはLED34に少なくとも部分的に垂直方向に整列される。一実施形態においては、金属領域は、サブマウント32の上面上の素子と、またはサブマウント32の背面上の第1および第2の実装パッドと電気的接触状態にない。LEDからの熱は、付着パッド42およびパッド44、46によってサブマウントの上面にわたって側方に拡散するが、より多くの熱が、LED34の直下および周囲のサブマウント32中に進む。金属領域は、この熱がより容易に分散可能である金属領域中へのこの熱の拡散を可能にすることによって、この拡散を補助することが可能である。また、熱はサブマウント32の上面からビア56を介して伝達することが可能であり、熱はビア56において第1および第2の実装パッド50、52中に拡散することが可能であり、熱は第1および第2の実装パッド50、52で分散することも可能であることを指摘しておく。表面実装において使用されるパッケージ30について、金属領域66(図2cおよび図2eにおいて最も良く図示される)と、第1および第2のパッド50、52とは、これら3つが全てPCBなどの外側面に接触するように、ほぼ同一の厚さにすべきである。
【0043】
LED34の実装のために、付着パッド42の領域の周囲に3つのはんだダム67を設けることが可能であり、これらのはんだダムは、LEDを中央に置くのを補助し、実装用はんだが液体状態にある間にLEDが実装領域から移動するのを低減させる役割を果たす。液状はんだがそれらのダムのうちの任意の1つに接触すると、移動が弱まる、または止まる。これは、はんだが硬化するまで、LEDの移動を低減させるのに役立つ。
【0044】
光学素子またはレンズ70が、環境的および/または機械的保護を実現するために、LED34の上方に、サブマウント32の上面40上に形成される。レンズ70は、上面40上の様々な位置に位置することが可能であり、レンズベースのほぼ中央にLED34がある状態ではレンズは図示されるように配置される。いくつかの実施形態においては、レンズは、LED34およびサブマウントの上面40に直接に接触する状態で形成することが可能である。他の実施形態においては、介在する材料または層が、LED34および/または上面40の間にあってもよい。LED34に直接に接触させることにより、光抽出の向上および製造の容易化などのいくつかの利点がもたらされる。
【0045】
以下でさらに説明されるように、レンズ70は、様々な成形技術を用いて成形することが可能であり、レンズは、光出力の所望の形状に応じて多数の様々な形状のものが可能である。図示される1つの適切な形状は、半球形であり、他の形状のいくつかの例としては、楕円弾(ellipsoid bullet)形、平形、六角形および正方形がある。シリコーン、プラスチック、エポキシ樹脂またはガラスなどの多数の様々な材料をレンズ用に使用することが可能であるが、適切な材料は、成形プロセスに適合するものである。シリコーンは、成形に適しており、適切な光伝送特性を実現する。また、シリコーンは、後のリフロープロセスに耐えることが可能であり、経時的に著しく劣化することがない。また、光抽出を向上させるためにレンズ70をテクスチャリングすることが可能であり、あるいはレンズ70が燐光体または散乱粒子などの材料を含むことが可能であることが理解される。
【0046】
また、LEDパッケージ30は、レンズ70とサブマウント32の端部との間に、サブマウントの上面40を覆う保護層74を備えることが可能である。この層74は、上面上の素子に対して追加の保護を与えて、後の加工ステップの際および使用の際の損傷および汚染を低減させる。保護層74は、レンズ70の形成の際に形成することが可能であり、レンズ70と同一の材料を含むことが可能である。しかし、LEDパッケージ30は、保護層74を伴わずに提供することも可能であることが理解される。
【0047】
また、レンズ70は、サブマウント32から移動させられる前にいくらかの剪断力に耐えることが可能であるべきである。一実施形態においては、レンズは、1キログラム(kg)またはそれ以上の剪断力に耐えることが可能である。硬化後にはより硬くなり、ショアA(Shore A)70またはそれ以上などのより高いデュロメータ(durometer)測定値を有するシリコーンを用いたLEDパッケージの実施形態は、剪断力に対して耐えることにより優れている傾向がある。また、高密着性および高引張強度などの特性が、剪断力に耐えるレンズの能力に寄与することがある。
【0048】
また、LEDパッケージ30のレンズ構成は、ビーム成形を容易にするためにエンドユーザがレンズの上に設けることが可能な二次レンズまたは光学素子と共に使用するように容易に適合される。これらの二次レンズは、当技術分野において一般的に知られており、それらの多くは市販されている。
【0049】
図3aから図3eは、LEDパッケージ30におけるものと同様の形体を有する、本発明によるLEDパッケージの別の実施形態100を図示する。同様の形体については、上述の説明がこの実施形態に対して等しく適用されるという理解により、本明細書および以
下の図4aおよび図4bにおいて同一の参照番号が使用される。LEDパッケージ100は、サブマウント32、LED34、レンズ70およびワイヤボンド64、65を備える。LEDパッケージ30と同様に、LEDパッケージ100は、表面実装用に構成されるが、サブマウント32の一側部での接触を可能にする導電性パッドについて異なる構成を有する。
【0050】
LEDパッケージは、第2のコンタクトパッド106からギャップ108によって離隔される、一体化された第1のコンタクトパッド104を有する付着パッド102を備える。ギャップ108は、上述のような電気的絶縁を与える。LED34は、上述の方法を用いて付着パッドに実装され、ワイヤボンド65は、第2のコンタクトパッド106との間に延びて、LED34に第2のコンタクトパッド106の電気信号を伝達する。第1および第2のコンタクトパッド104、106は、サブマウント32の対向する側に位置しているのではなく同一の側に位置する。付着パッド102は、サブマウントの上面40の大部分を覆って、上述のような熱拡散の向上を可能にする。また、第1および第2のコンタクトパッド104、106は、上面の一部分を覆って、電流拡散を補助する。
【0051】
サブマウントの背面54上には、第1および第2のコンタクトパッド104、106のそれぞれに少なくとも部分的に垂直に整列された状態で、第1および第2の表面実装コンタクト110、112が設けられる。導電性ビア114が、第1の表面実装コンタクト110と第1のコンタクトパッド104との間、および第2の表面実装コンタクト112と第2のコンタクトパッド106との間でサブマウントを貫通して延び、それによって、表面実装コンタクト110、112上の電気信号が、ビアを介してコンタクトパッド104、106に伝達される。次いで、この信号は、LED34に伝達される。また、LEDパッケージ100は、LED34およびサブマウント32からの熱拡散をさらに向上させるために、金属領域(metallized area)116を備える。しかし、金属領域116は、表面実装コンタクト110、112の間にはなく、それらに対向する背面54の領域を覆う。
【0052】
図示されるLEDパッケージ100は、レンズ70の端部と上面40の端部との間に、サブマウントの上面40を覆う保護層を有しないが、他の実施形態においてはそのような保護層を備えることが可能である。また、LEDパッケージ100は、上述のように、ESD保護素子62およびソルダマスク58を備えることが可能である。LEDパッケージ100は、LEDパッケージ30における場合のように、改善された温度管理を可能にするが、サブマウントの両側に沿ってではなく、サブマウントの一側部に沿った表面実装接触を可能にする。また、このLEDパッケージは、エンドユーザによる位置合わせを補助する記号118を備えることが可能である。
【0053】
図4aおよび図4bが、サブマウント32、LED34、第1および第2のコンタクトパッド50、52、ビア56、ESDダイオード62、ワイヤボンド64、65、金属領域66、レンズ70ならびに保護層74を概して備える、本発明によるLEDパッケージのさらに別の実施形態150を示している。しかし、この実施形態においては、付着パッドは、円形ではなく、第1のコンタクトパッドと共に、サブマウント32の大部分の上を覆う矩形形状の第1の導電性層152を備える。ビア56は、第1の層152の一側方で、第1の層152と第1のコンタクトパッド50との間に延び、LEDおよびESDダイオードは、付着パッド領域にその反対側で実装される。
【0054】
第2の導電性層154が、サブマウントの上面の残りの部分のほとんどを覆い、ギャップ156が、第1および第2の層152、154の間にある。ビア56は、第2の層154と第2のコンタクトパッド52との間に延び、ワイヤボンド64、65は、第2の層154とLED34及びESDダイオード62との間に延びる。上述の実施形態と同様に、
第1および第2のコンタクトパッド50、52に印加される電気信号が、LED34に伝達され、LED34を発光させる。
【0055】
この実施形態においては、第1および第2の層152、154は、サブマウントの上面の全てを実質的に覆い、LED34からの広い側方への熱拡散の能力をもたらす。しかし、この構成は、組立ての際のパターン認識のために最小限のパターンを呈している。比較によれば、図2a〜図2gに図示されるパッドの構成は、組立てのためのより優れたパターン認識を可能にするとともに、同時に適切な側方電流拡散を実現する。
【0056】
また、本発明は、複数のパッケージを同時に製造することが可能な、LEDパッケージを製造するための改善された方法を提供する。これは、製造におけるコストおよび複雑性を軽減し、制御された形体および発光特性を有するデバイスの製造を可能にする。図5は、本発明によるLEDパッケージ製造方法の一実施形態200を示している。202において、その後の製造ステップにおいてさいの目状に切断して、複数の個別のサブマウントを提供することが可能な基板(サブマウント)パネルが、複数のパッケージの同時製造を可能にするために提供される。このパネルの上にLEDパッケージ導電性形体(LED package conductive feature)を形成するために、独立した加工ステップが必要であることが理解される。これらの形体としては、付着パッド、コンタクトパッド、表面実装パッド、ビアおよび金属領域が含まれることが可能であり、それらは全て、LEDにより生成される熱の放散を補助するように構成することが可能である。パネルは、組として構成された複数のこれらの形体を備え、これらの組のそれぞれが、パネルから形成されることとなる複数のパッケージの1つに対応する。例えば3インチ×4インチ、2インチ×4インチ、および4インチ×4インチなどの、多数の様々なパネルサイズを使用することが可能である。
【0057】
204において、複数のLEDが提供され、LEDはそれぞれ、基板パネルの上の付着パッドのそれぞれに実装される。一実施形態においては、複数のLEDは、白色発光LEDチップを備え、多数の様々な白色チップを使用することが可能であるが、適切な白色チップは、上述のおよび本明細書に組み込まれる特許文献において説明されるものである。他の実施形態においては、付着パッドのそれぞれに実装するために2つ以上のLEDを提供することが可能である。また、このステップにおいては、複数のESD保護素子を提供することが可能であり、ESD保護素子はそれぞれ、そのLEDパッケージのESD保護を行うために、付着パッドの1つと組み合わせて実装することが可能である。
【0058】
206において、LEDはそれぞれ、付着パッドの1つにダイ付着され、上述のように、多数の様々な取付方法および材料を使用することが可能であるが、適切な方法は、従来のはんだ材料および方法を用いた取付方法である。また、このステップにおいては、ESD素子はそれぞれ、同一の取付方法および材料を用いて各付着パッドに実装することが可能である。また、ESD素子は、他の方法を用いて他の位置に実装することが可能であることが理解される。
【0059】
208において、パネルは、前の加工ステップの際に蓄積される場合がある任意のフラックスを除去するために、はんだフラックス洗浄を受ける。210において、ワイヤボンドが、各LEDおよびESD素子の上に形成され、各コンタクトパッドの適切な1つに各LEDおよびESD素子を電気的に接続する。上述のように、LEDおよび付随するESD素子はそれぞれ、第2のコンタクトパッドにワイヤボンディングすることが可能である。ワイヤボンドは、既知のプロセスを用いて形成することが可能であり、金などの既知の導電性材料から形成することが可能である。
【0060】
いくつかの実施形態においては、LEDは、所望の変換物質を伴わずに設け、パネルに
実装することが可能である。これらの実施形態においては、変換材料は、ワイヤボンディングの後にLED上に堆積させることが可能である。任意の212において、従来の材料または燐光体をLED上に堆積するが、電気泳動堆積またはEPDなどの多数の様々な既知の燐光体堆積方法を使用することが可能である。多数の様々な燐光体堆積プロセスを、上述の特許文献中に説明される適切なEPDプロセスと共に用いることが可能である。
【0061】
214において、レンズが、LEDのそれぞれの上に成形されるが、多数の様々な成形方法を使用することが可能である。一実施形態においては、サブマウントパネル内のLEDの上にレンズを同時形成する成形プロセスを使用する。そのような1つの成形プロセスは、圧縮成形プロセス(compression molding process)と呼ばれる。次に図6aおよび図6bを参照すると、圧縮成形の一実施形態が図示され、レンズと逆の形状をそれぞれが有する複数の空洞(cavity)252を有するモールド(mold)250が提供され、各空洞252は、基板パネル256の上のLED254のそれぞれと整列するように構成されている。モールド250は、空洞252を満たす液体状態のレンズ材料257を充填されるが、好ましい材料は、液状硬化可能シリコーンである。図6bを参照すると、パネル256は、空洞の方向に移動され、LED254はそれぞれ、空洞252のそれぞれの中の液状シリコーン中に嵌め込まれる。また、一実施形態においては、サブマウントの上面の上に保護層を提供するシリコーンの層が、隣接し合うレンズ間に残ることが可能である。次いで、液状シリコーンは、既知の硬化プロセスを用いて硬化させることが可能である。次いで、モールドからパネルを除去することが可能であり、図7aおよび図7bに図示されるように、パネルは、複数のレンズ258を備えることが可能であり、レンズ258はそれぞれ、LED254のそれぞれの上にある。次いで、個々のLEDパッケージは、図示される破線に沿ってなど、パネルから分離することが可能である。
【0062】
再度図5を参照すると、次いで216において、パネルをさいの目状に切断/個片化して、個々のLEDパッケージに分離するが、既知のソーによる個片化方法(saw singulation method)などの様々な方法を使用することが可能である。この方法を用いる場合には、パネルおよび個々のLEDパッケージを保持し安定化させるために、個片化の前にパネルにテープを装着することが可能である。個片化に続いて、LEDパッケージを洗浄し乾燥させることが可能である。
【0063】
218において、LEDパッケージが正確に作動していることを確認するために、かつ各デバイスの出力光特性を測定するために、LEDパッケージのそれぞれを検査することが可能である。また、サブマウントパネルをプロービングすることによって、この方法において様々な位置でパッケージを検査することが可能であることが理解される。220において、LEDパッケージは、それらの出力特性に応じて分類し、各分類に応じてパッケージし、顧客に配送することが可能である。
【0064】
本明細書においては方法の一実施形態が説明されたが、本発明による方法の様々な実施形態が、異なる順序で同一のステップを使用することが可能であり、または異なるステップを有することが可能であることが理解される。LEDパッケージに関して、そのいくつかの好ましい構成を参照として本発明が詳細に説明されてきたが、他の変形形態が可能である。したがって、本発明の精神および範囲は、上述の形態に限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および底面を有するサブマウントと、
前記サブマウントの前記上面の上の複数の上部導電性要素および上部導熱性要素と、
前記上部要素のうちの1つの上のLEDであって、前記上部要素に印加された電気信号が前記LEDを発光させ、前記導電性要素は前記LEDからの熱を前記サブマウントの前記上面の大部分にわたって拡散するものであるLEDと、
前記上部要素と電気的接触状態になく、前記サブマウントからの熱を伝達する、前記底面の上の下部導熱性要素と、
前記LEDの上に直接に形成されたレンズと
を備えることを特徴とするLEDパッケージ。
【請求項2】
前記上部要素は、一体化された第1のコンタクトパッドと、第2のコンタクトパッドとを有する付着パッドを備えることを特徴とする請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項3】
前記LEDは、前記付着パッドに取り付けられ、
前記付着パッドは、前記サブマウントの前記上面の上で、前記LEDの端部を越えて延在することを特徴とする請求項2に記載のLEDパッケージ。
【請求項4】
前記付着パッドは、前記上面の上で、前記LEDの前記端部を越えて径方向に延在することを特徴とする請求項3に記載のLEDパッケージ。
【請求項5】
前記上部要素は、前記上面の50%超を覆うことを特徴とする請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項6】
前記底面の上の第1および第2の実装パッドと、
前記サブマウントを貫通して延在する複数の導電性ビアと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項7】
前記第1および第2の実装パッドは、前記第1および第2のコンタクトパッドと少なくとも部分的にそれぞれ整列され、
前記ビアは、前記実装パッドと前記コンタクトパッドとの間の電気パスの間を延在すること、および、前記電気パスを提供することを特徴とする請求項6に記載のLEDパッケージ。
【請求項8】
静電放電から前記LEDを保護するためにESD素子をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項9】
前記上部要素の少なくとも一部分を覆うソルダマスクをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項10】
前記レンズの端部と前記上面の端部との間に存在し、前記上面および前記上部要素を覆う保護層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項11】
LEDパッケージを製造する方法であって
複数のLEDパッケージサブマウントに分離されるように寸法を設定されたサブマウントパネルを設けるステップと、
複数のLEDパッケージのための前記サブマウントパネルの1つの表面の上に上部導電性要素を形成するステップと、
前記上部要素にLEDを付着するステップであって、前記LEDは前記上部導電性要素
に電気的に接続されるステップと、
前記LEDの上にレンズを成形するステップと、
前記基板パネルを個片化して、複数のLEDパッケージに分離するステップと
を含むことを特徴とする方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【公開番号】特開2013−93604(P2013−93604A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−288000(P2012−288000)
【出願日】平成24年12月28日(2012.12.28)
【分割の表示】特願2008−281533(P2008−281533)の分割
【原出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】