説明

発光型見本

【課題】この発明は、自動販売機が販売する商品の選択購入、販売促進、宣伝効果、注目度等を高めることができる発光型見本の提供を目的とする。
【解決手段】発光型見本の一例である幅広型見本1を自動販売機Aの見本陳列部Aaに対し正面向きに設置し、光源Cから投光される光を幅広型見本1の裏面側に照光する。光源Cから投光される光は、見本体2、張出し部3、見本部4A,4Bのいずれか一つ又は複数の表面に形成された丸孔8・長孔9から前方に向けて放射状に出光される。その出光される光によって、幅広型見本1の全体或いは見本部4A,4Bが光り輝くことになる。つまり、幅広型見本1或いは見本部4A,4Bが目立つことになり、人の注目を引くことができるので、見本部4A,4Bと対応する注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば缶型、瓶型、ボトル型、箱型、袋型等の商品を販売する自動販売機において、該商品の選択購入、販売促進、宣伝広告、注目度等を高めるために用いられる発光型見本に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記商品の見本を陳列する商品見本体としては、例えば自動販売機の装着台に取り付けられる本体の表面に、半割状の商品見本部と宣伝広告表示部を備えた特許文献1の自動販売機用商品見本体がある。しかし、本体及び商品見本部の表面には、商品と対応する表示内容或いは販売を促進する宣伝広告が印刷されているだけであり、他の商品見本より目立つような工夫がなされていない。そこで、特定の商品と対応する商品見本に、例えば販売促進用のラベルやシール等を取り付けて目立つように陳列していたが、平面的な視覚効果しか得られないため、購入者の注目を引くことが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−209307
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、自動販売機が販売する商品の選択購入、販売促進、宣伝効果、注目度等を高めることができる発光型見本を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、自動販売機の見本陳列部に設置される見本体の表面に、該自動販売機が販売する商品を前後に2つ割りしてなる縦断半割り形状の見本部が形成された幅広型の見本であって、前記見本体の表面及び/又は前記見本部の表面に、該見本体の裏面側に向けて光源から投光される光を該見本体の前方に向けて出光する透光部が設けられた発光型見本であることを特徴とする。
【0006】
この発明の態様として、前記透光部を、前記見本部の周囲又は該見本部の輪郭に沿って設けることができる。
【0007】
また、この発明の態様として、前記透光部を、前記見本体及び/又は前記見本部に印刷された表示内容の周囲又は該表示内容の上に設けることができる。
【0008】
また、この発明の態様として、前記透光部を、前記見本体及び/又は前記見本部に対し厚み方向に貫通してなる孔部で構成することができる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記透光部を、前記見本体及び/又は前記見本部の透明に形成された部分に対し印刷パターンを白抜き印刷してなる孔部で構成することができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記透光部の出光側に、該透光部から出光される光を偏光するレンズを設けることができる。
【0011】
前記発光型見本は、例えば同一の形状或いは異なる形状の見本部が複数配置された幅広型の見本で構成され、例えば真空成形、加圧成形、ブロー成形、押出し成形等の成形方法で製作することができる。
【0012】
見本体は、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネード、アクリル等の透光性を有するプラスチック、或いは、透明なプラスチック、所望する着色された半透明なプラスチックで形成することができる。
【0013】
見本部は、自動販売機が販売する商品の一例として、例えば缶型、瓶型、ボトル型、箱型等の商品を前後に2つ割りしてなる形状と酷似する外観及び意匠に形成された縦断半割り形状(例えば半円筒形状、半矩形状等)に構成することができる。
【0014】
透光部は、例えば丸形、楕円形、菱形、星形、ハート形、花形、雲形、卵形、或いは、正方形、矩形、三角形、五角形、六角形等の形状を有する孔部、或いは、弧形、波形、直線形、三角形等の形状を有する長尺の孔部、或いは、透明なプラスチック製シートからなる見本体及び見本部の裏面側に印刷パターンを印刷する際に、白抜き印刷にて形成される丸孔や長孔等の孔部で構成することができる。
【0015】
なお、孔部は、実施例におけるドット状の丸孔、スリット状の長孔等で構成されている。また、異なる形状の孔部を複数組み合わせてもよい。
【0016】
光源は、例えば蛍光灯、白熱灯、発光素子、或いは、見本の裏面側に向けて外光を反射する反射装置等の照明で構成することができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、自動販売機の見本陳列部内に設けられた光源から投光される光が、発光型見本の見本体及び/又は見本部に形成された透光部から前方に向けて出光されるので、その出光される光によって、発光型見本或いは見本部が光り輝くことになる。これにより、発光型見本或いは見本部が目立つことになり、自動販売機に近づく人や商品を購入しようとする人、或いは、遠方にいる人の注目を引くことができ、注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】発光型の幅広型見本が設置された自動販売機を示す正面図。
【図2】見本体及び張出し部に丸孔・長孔が形成された幅広型見本を示す斜視図。
【図3】見本体及び張出し部に丸孔・長孔が形成された幅広型見本及びその設置構造を示す正面図。
【図4】幅広型見本の発光状態及び設置状態を示す中央縦断側面図。
【図5】見本体及び張出し部の丸孔・長孔が形成された部分を示す拡大縦断側面図。
【図6】同一形状の見本部に丸孔・長孔が形成された幅広型見本の他の例を示す正面図。
【図7】図6の見本部の丸孔が形成された部分を示す拡大横断端面図。
【図8】図6の幅広型見本の発光状態及び設置状態を示す中央縦断側面図。
【図9】見本部の輪郭に沿って丸孔・長孔が形成された幅広型見本の他の例を示す正面図。
【図10】見本体及び異なる形状の見本部に丸孔・長孔が形成された幅広型見本の他の例を示す斜視図。
【図11】丸孔・長孔の出光側に凸レンズが形成された他の例を示す拡大縦断側面図。
【図12】丸孔・長孔が白抜き印刷方法にて形成された幅広型見本の他の例を示す拡大縦断側面図。
【図13】表示内容の周囲に丸孔・長孔が形成された幅広型見本の他の例を示す正面図。
【図14】表示内容が丸孔・長孔で形成された幅広型見本の他の例を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0019】
図1は、発光型の幅広型見本1が設置された自動販売機Aを示す正面図、図2は、見本体2及び張出し部3に丸孔8・長孔9が形成された幅広型見本1を示す斜視図、図3は、見本体2及び張出し部3に丸孔8・長孔9が形成された幅広型見本1及びその設置構造を示す正面図、図4は、幅広型見本1の発光状態及び設置状態を示す中央縦断側面図、図5は、見本体2及び張出し部3の丸孔8・長孔9が形成された部分を示す拡大縦断側面図である。
【0020】
実施例の幅広型見本1は、図1、図3、図4に示すように、自動販売機Aの前面に設けられた見本陳列部Aa内に設置され、該自動販売機Aが販売する商品の選択購入、販売促進、宣伝効果、注目度等を高める際に用いられるものである。
また、見本陳列部Aaの陳列パネルAbには、平面から見て丸形状の開口部Acが所定間隔に隔てて複数形成されている。また、陳列パネルAbの下方には、蛍光灯や発光素子からなる光源Cが開口部Acと対向して配設されている。
【0021】
幅広型見本1は、後述する見本体2が、透光性を有するプラスチック製シートを用いて図示しない真空成形装置によって真空成形されている。また、見本体2の裏面側には、商品の販売イメージと対応する印刷パターン2a(例えば商標、文字、模様、図柄、色彩等)が印刷されている。
【0022】
見本体2は、図2〜図4に示すように、見本陳列部Aaの陳列パネルAb上に設置される3個の見本Bを並列配置してなる横幅より幅広で、4個の見本Bを並列配置してなる横幅より幅狭に形成され、該陳列パネルAb上に設置が許容される奥行及び高さに形成されている。
また、見本体2の中央表面には、商品の販売イメージと対応する自然の風景を模した山形の張出し部3が該見本体2の表面より前方へ張り出すように形成されている。
【0023】
張出し部3の表面には、自動販売機Aが販売する缶型の商品と酷似する外観及び意匠に形成され、該商品を前後に2つ割りしてなる縦断半割り形状の見本部4Aが3個形成されている。
また、見本部4Aは、張出し部3の表面より前方へ張り出すように形成され、見本の一例である缶型の商品の前側半分と対応する曲率半径でもって半円筒形状に形成されている。
【0024】
見本部4Aの裏面側には、自動販売機Aが販売する缶型の商品に印刷された表示内容と同一か、或いは、該表示内容と酷似する内容(例えば商標、文字、模様、図柄、色彩等)の印刷パターン2aが印刷されている。また、商品と対応する表示内容の印刷パターン2aを印刷する代わりに、表示内容が印刷された表示ラベルを貼着してもよい。
【0025】
前記張出し部3の下部表面には、該見本体2と同一幅の台座部5が幅方向に形成されている。また、台座部5は、陳列パネルAb上に設置が許容される前後幅に形成され、見本部4Aの表面より前方へ張り出した状態に形成されている。
【0026】
台座部5の中央下面には、図3、図4に示すように、陳列パネルAbの陳列面に開口された平面視丸形状の開口部Acに対し係合される横断面視半円形状の第1挿入部6が形成されている。また、第1挿入部6を中心とする台座部5の左右下面には、第1挿入部6が係合される開口部Acの左右に開口された開口部Acに対し係合される横断面視台形状の第2挿入部7が形成されている。
【0027】
第1挿入部6の下端部外周面には、開口部Acの下面側周縁部に係止される凸状の鍔部6aが周方向に連続して形成されている。また、鍔部6aより上方の外周面には、開口部Acの前側周縁部が係止される凹状の溝部6bが周方向に連続して形成されている。
【0028】
第1挿入部6の前側外周面には、開口部Acの前側周縁部に形成された凹状の切欠き部Adに係止される凸状の突起6cが形成されている。また、第1挿入部6の両側外周面には、開口部Acの両側周縁部に形成された凹状の切欠き部Aeに係止される凸状の突起6dが形成されている。
【0029】
つまり、見本体2の第1挿入部6を陳列パネルAbの開口部Acに上方から挿入し、左右の第2挿入部7を左右の開口部Acにそれぞれ挿入する。また、第1挿入部6の鍔部6aを開口部Acの周縁部に係止し、第1挿入部6の溝部6bを開口部Acの周縁部に係止して抜止めする。また、第1挿入部6の突起6c,6dと開口部Acの切欠き部Ad,Aeを合致して位置決めする。
これにより、幅広型見本1が、自動販売機Aの前面と対応して見本体2の表面が正面向きとなるように、見本陳列部Aa内の陳列パネルAb上に対し略鉛直に起立した状態に設置固定される。
【0030】
前記見本体2及び張出し部3の上側表面には、光源Cから投光される光を、該見本体2及び張出し部3の表面側から前方に向けて出光するドット状の丸孔8とスリット状の長孔9が形成されている。
【0031】
丸孔8及び長孔9は、見本体2及び張出し部3に対し厚み方向に貫通して形成されており、光源Cから投光される光が、丸孔8・長孔9の出光側(見本体2の表面側)から前方に向けて放射状に出光される大きさ(孔径、孔幅)に形成されている。
【0032】
見本体2の張出し部3より上側表面には、同一孔径の丸孔8が、張出し部3の上縁部に沿って所定間隔に隔てて多数配列されている。
張出し部3の見本部4Aより上側表面には、同一孔径の丸孔8が、正面から見て弧状となるように張出し部3の表面に沿って幅方向に配列されている。
【0033】
弧状に配列された丸孔8の下側表面には、長孔9が、正面から見て弧状となるように張出し部3の表面に沿って幅方向に形成されている。また、長孔9の全長は、一端から他端に向けて同一の孔幅に形成されている。
【0034】
なお、丸孔8の代わりに、長孔9を、張出し部3の上縁部に沿って形成するか、丸孔8及び長孔9の両方を、張出し部3の上縁部に沿って形成する等してもよい。
また、丸孔8及び長孔9のいずれか一方を、張出し部3の見本部4Aより上側表面に沿って形成してもよい。
【0035】
見本体2及び張出し部3の裏面側には、見本部4Aを除いて、商品の販売イメージと対応する表示内容の印刷パターン2aが印刷されている。
印刷パターン2aの表示内容は、例えば商標、文字、模様、図柄等、或いは、キャッチコピー、メッセージなどの宣伝広告文、或いは、茶葉、茶畑、花、樹木等の植物、或いは、空や海、山、川等の自然、或いは、犬や猫、鳥等の動物等で構成されている。
【0036】
次に、前記自動販売機Aの見本陳列部Aaに、前記丸孔8・長孔9が形成された幅広型見本1を設置した際の作用及び効果を説明する。
【0037】
先ず、幅広型見本1を、自動販売機Aの前面と対応して見本体2の表面が正面向きとなるように、見本陳列部Aaの陳列パネルAb上に対し略鉛直に起立した状態に設置固定する(図1、図3、図4参照)。
【0038】
つまり、自動販売機Aの図示しない主電源をON操作して、見本陳列部Aaの陳列パネルAbの下方に配設された光源Cを点灯した際に、光源Cから投光される光が幅広型見本1の裏面側に照射され、幅広型見本1の全体が略均等に照光される。
【0039】
このとき、光源Cから投光される一部の光が、見本体2及び張出し部3の上側表面に形成された丸孔8・長孔9に導光される。また、丸孔8・長孔9を通り抜けた光が、丸孔8・長孔9の出光側から前方に向けて放射状に出光される(図4、図5参照)。
【0040】
つまり、丸孔8・長孔9から出光される光によって、幅広型見本1の全体或いは見本部4Aが光り輝くので、見本陳列部Aaに陳列された他の見本Bに比べて、幅広型見本1或いは見本部4Aの方が目立つことになる。
これにより、幅広型見本1或いは見本部4Aに、自動販売機Aに近づく人や商品を購入しようとする人、或いは、遠方にいる人の注目を引くことができ、見本部4Aと対応する注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。
【0041】
また、丸孔8・長孔9から出光される光によって、幅広型見本1或いは見本部4Aを光り輝かせることができるので、幅広型見本1或いは見本部4Aの全体を明るく照光する必要がなく、自動販売機Aの消費電力を抑えて、省エネルギー化及び維持費の低減を図ることができる。
【0042】
図6は、同一形状の見本部4Aに丸孔8・長孔9が形成された幅広型見本1の他の例を示す正面図、図7は、図6の見本部4Aの丸孔8が形成された部分を示す拡大横断端面図、図8は、図6の幅広型見本1の発光状態及び設置状態を示す中央縦断側面図である。
【0043】
本例の幅広型見本1は、前記丸孔8が、中央見本部4Aの下側表面と、左右見本部4Aの上側表面に形成されている。また、前記長孔9が、中央見本部4Aの上側表面と、左右見本部4Aの下側表面に対し波状に形成されている。
【0044】
つまり、光源Cから投光される光が、見本部4Aの上下表面に形成された丸孔8・長孔9を通り抜けて、丸孔8・長孔9の出光側から前方に向けて放射状に出光されるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
なお、丸孔8・長孔9のいずれか一方を、見本部4Aの上側表面又は下側表面又は表面全体に形成してもよい。
【0045】
図9は、見本部4Aの周囲又は輪郭に沿って丸孔8・長孔9が形成された幅広型見本1の他の例を示す正面図である。
【0046】
本例の幅広型見本1は、見本部4Aの下側縁部及び両側縁部からなる輪郭に沿って前記丸孔8が形成されている。また、見本部4Aの上側縁部からなる輪郭に沿って前記長孔9が形成されている。
【0047】
つまり、光源Cから投光される光が、見本部4Aの周囲又は輪郭に沿って形成された丸孔8・長孔9を通り抜けて、丸孔8・長孔9の出光側から前方に向けて放射状に出光されるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0048】
なお、丸孔8・長孔9のいずれか一方を、見本部4Aの輪郭に沿って全周に形成してもよい。また、丸孔8・長孔9の両方又はいずれか一方を、見本体2或いは後述する見本部4Bの輪郭に沿って形成してもよい。
【0049】
図10は、見本体2及び見本部4A,4Bの表面に丸孔8・長孔9が形成された幅広型見本1の他の例を示す斜視図である。
【0050】
本例の幅広型見本1は、前記張出し部3が形成されておらず、該見本体2の略フラットに形成された表面に、半円筒形状の見本部4Aと半矩形状の見本部4Bが形成されている。
【0051】
見本体2は、2個の見本Bを並列配置してなる横幅より幅広に形成されている。また、正面から見て見本体2の右側表面には、半円筒形状の見本部4Aが形成されている。また、見本体2の左側表面には、半矩形状の見本部4Bが形成されている。
さらに、見本体2の上側表面及び見本部4A,4Bの上下表面には、前記丸孔8・長孔9が形成されている。
【0052】
つまり、光源Cから投光される光が、見本体2及び見本部4A,4Bの表面に形成された丸孔8・長孔9を通り抜けて、丸孔8・長孔9の出光側から前方に向けて放射状に出光されるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0053】
なお、丸孔8・長孔9を、見本体2、見本部4A、見本部4Bのいずれか一つ又は複数の表面に形成するか、丸孔8・長孔9のいずれか一方を、見本体2、見本部4A、見本部4Bのいずれか一つ又は複数又は全ての表面に形成してもよい。
【0054】
図11は、図2又は図10の見本体2に形成された丸孔8・長孔9の出光側に、側面から見て断面が滑らかな半球形状の凸レンズ10が設けられた幅広型見本1の他の例を示す拡大縦断側面図である。
【0055】
本例の幅広型見本1は、前記丸孔8より大径の凸レンズ10が、前記見本体2の丸孔8の出光側に形成されている。また、前記長孔9の孔幅より幅広の凸レンズ10が、前記見本体2の長孔9に沿って該長孔9の出光側に形成されている。また、凸レンズ10は、透明なプラスチックで形成されている。
【0056】
つまり、光源Cから投光される光を見本体2の裏面側に照射した際、見本体2に形成された丸孔8・長孔9から出光される光が、出光側の凸レンズ10によって偏光されるとともに、丸孔8・長孔9の出光側から前方に向けて放射状に出光されるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0057】
なお、凸レンズ10を、張出し部3、見本部4A、見本部4Bのいずれか一つに形成された丸孔8・長孔9の出光側に設けてもよい。また、見本体2、張出し部3、見本部4A、見本部4Bの複数又は全てに形成された丸孔8・長孔9の出光側に設けてもよい。
【0058】
図12は、前記見本体2の裏面側に、光源Cから投光される光を通すための丸孔2b・長孔2cが白抜き印刷方法にて形成された幅広型見本1の他の例を示す拡大縦断側面図である。
【0059】
本例の幅広型見本1は、透明なプラスチック製シートで見本体2が形成されている。また、該見本体2の前記丸孔8・長孔9に相当する裏面部分には、後述する白抜き印刷方法によって光源Cから投光される光を通すための丸孔2b・長孔2cが形成されている。
【0060】
前記丸孔2b・長孔2cは、染色や印刷にて模様・図柄・文字を表す際に用いられる白抜き印刷方法によって、見本体2の裏面側に印刷パターン2aを印刷する際、該丸孔2b・長孔2cと対応する裏面部分にパターン印刷せず、残りの裏面部分のみにパターン印刷或いは着色する等して形成されている。また、見本体2は、透明なプラスチック製シートで光の透過が許容される厚みに形成されている。
【0061】
つまり、光源Cから投光される光が、見本体2の裏面側に白抜き印刷された印刷パターン2aの丸孔2b・長孔2cを通り抜けるとともに、透明なプラスチック製シートからなる見本体2を透過して、丸孔2b・長孔2cの出光側から前方に向けて放射状に出光されるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0062】
また、見本体2の表面に、前記丸孔8・長孔9を加工する必要がないので、加工に要する手間及び作業が省けるだけでなく、製作コストの低減を図ることができ、安価に製作することができる。
なお、丸孔2b・長孔2cを、張出し部3、見本部4A、見本部4Bのいずれか一つの裏面部分に形成するか、見本体2、張出し部3、見本部4A、見本部4Bの複数又は全ての裏面部分に形成してもよい。また、丸孔2b・長孔2cのいずれか一方を、見本体2、張出し部3、見本部4A、見本部4Bのいずれか一つ又は複数又は全ての裏面部分に形成してもよい。
【0063】
図13は、見本体2に印刷された表示内容Dの周囲に丸孔8・長孔9が形成された幅広型見本1の他の例を示す正面図である。
【0064】
本例の幅広型見本1は、前記張出し部3が形成されておらず、該見本体2の略フラットに形成された見本部4Aより上側裏面に、表示内容Dの一例である「新発売」が印刷されている。また、丸孔8が、表示内容Dの輪郭に沿って所定間隔に隔てて多数配列されている。また、三角形状の長孔9が、表示内容Dの周囲に所定間隔に隔てて複数配列されている。
【0065】
つまり、光源Cから投光される光が、表示内容Dの周囲に形成された丸孔8・長孔9から前方に向けて放射状に出光されるので、表示内容Dが光り輝くことになる。これにより、表示内容Dが目立つことになり、人の注目を引くことができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0066】
なお、丸孔8・長孔9のいずれか一方を、見本体2に印刷された表示内容Dの周囲に設けるか、丸孔8・長孔9のいずれか一方又は両方を、見本部4A,4Bに印刷された表示内容Dの周囲に設けてもよい。
【0067】
図14は、見本体2に印刷された表示内容Dが丸孔8・長孔9で形成された幅広型見本1の他の例を示す正面図である。
【0068】
本例の幅広型見本1は、丸孔8が、見本体2に印刷された表示内容Dの上に所定間隔に隔てて多数配列されている。また、長孔9が、表示内容Dの陰影側に当たる輪郭に沿って形成されている。
【0069】
つまり、光源Cから投光される光が、表示内容Dの文字上に形成された丸孔8と、表示内容Dの輪郭に沿って形成された長孔9から前方に向けて放射状に出光されるので、表示内容D自体が光り輝くことになる。これにより、表示内容Dが目立つことになり、人の注目を引くことができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0070】
なお、丸孔8・長孔9のいずれか一方を表示内容Dの上に形成してもよい。また、丸孔8・長孔9のいずれか一方又は両方を、見本部4A,4Bに印刷された表示内容Dの上に形成してもよい。
【0071】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の発光型見本は、実施例の幅広型見本1に対応し、
以下同様に、
透光部及び孔部は、丸孔8及び長孔9と、丸孔2b及び長孔2cに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0072】
なお、見本陳列部Aaに設置された幅広型見本1の裏面側に、該幅広型見本1の後方に配設された光源Cから投光される光を照射してもよい。
【0073】
また、丸孔2b,8の代わりに、例えば楕円形、菱形、星形、ハート形、花形、雲形、卵形、或いは、正方形、矩形、三角形、五角形、六角形等の形状を有する孔部を設けてもよい。
【0074】
また、一部又は全ての丸孔8を、異なる孔径及び/又は形状に形成するか、長孔9の一部又は全長を、一端から他端に至る全長において異なる孔幅に形成してもよい。
【0075】
本発明の幅広型見本1の構成は、自動販売機Aが販売する商品Bと酷似する外観及び意匠に形成された独立した見本にも適用することができ、実施例の幅広型見本1のみに用途が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0076】
A…自動販売機
Aa…見本陳列部
Ab…陳列パネル
Ac…開口部
C…光源
D…表示内容
1…幅広型見本
2…見本体
2a…印刷パターン
2b…丸孔
2c…長孔
3…張出し部
4A,4B…見本部
5…台座部
6…第1挿入部
7…第2挿入部
8…丸孔
9…長孔
10…凸レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機の見本陳列部に設置される見本体の表面に、該自動販売機が販売する商品を前後に2つ割りしてなる縦断半割り形状の見本部が形成された幅広型の見本であって、
前記見本体の表面及び/又は前記見本部の表面に、前記見本体の裏面側に向けて光源から投光される光を該見本体の前方に向けて出光する透光部が設けられた
発光型見本。
【請求項2】
前記透光部が、前記見本部の周囲又は該見本部の輪郭に沿って設けられた
請求項1に記載の発光型見本。
【請求項3】
前記透光部が、前記見本体及び/又は前記見本部に印刷された表示内容の周囲又は該表示内容の上に設けられた
請求項1に記載の発光型見本。
【請求項4】
前記透光部が、前記見本体及び/又は前記見本部に対し厚み方向に貫通してなる孔部で構成された
請求項1〜3のいずれか一つに記載の発光型見本。
【請求項5】
前記透光部が、前記見本体及び/又は前記見本部の透明に形成された部分に対し印刷パターンを白抜き印刷してなる孔部で構成された
請求項1〜3のいずれか一つに記載の発光型見本。
【請求項6】
前記透光部の出光側に、該透光部から出光される光を偏光するレンズが設けられた
請求項1〜5のいずれか一つに記載の発光型見本。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−282406(P2010−282406A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134984(P2009−134984)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(391034765)中井銘鈑株式会社 (29)
【Fターム(参考)】