説明

発光機能を有する靴

【課題】種々の変化に富んだ発光態様を実現し、以て、当該靴を履用する子供たちに十分な興味を抱かせることができる発光装置付き靴を提供することを課題とする。
【解決手段】赤色、緑色及び青色のLED2〜4と、LED2〜4を点灯させる電池5と、LED2〜4の点滅を制御するLED点滅駆動用IC基板6と、IC基板6を振動又は荷重によって起動させるスイッチ7とから成る発光ユニット1を任意の位置に備えた靴であり、発光ユニット1は、靴の任意の位置に配した透視性樹脂カバー10内に収められ、透視性樹脂カバー10には、キャラクターの図柄、絵模様その他の装飾要素11が外部から視認可能に表現されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光機能を有する靴に関するものであり、より詳細には、物理的刺激を受けることにより動作し、変化に富んだ動きのある発光をすることにより、殊に、小児に興味を持って受け入れられる発光機能を有する靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の態様の発光装置付き靴が知られている。例えば、靴の表面側に配設されるLEDと靴底に配設されるスイッチと、靴底内に埋設される前記LEDの電源となる電池を備えていて、スイッチが所定量の荷重を感知すると電池からLEDへ電気が流れてこのLEDを自己発光させるものが開示されている(特許文献1:実開平4−96205号公報)。
【0003】
また、電池、荷重スイッチ、及び前後2個の発光体を備えた発光装置を、透明なる外底と発泡塩化ビニールからなる中間底によって構成された靴底の踵部に埋設し、発光装置の2個の発光体のうち1個を土踏まず部方向に、1個を踵部方向に配設し、発光装置の埋設部分から爪先方向に向かって、中間に末広がりの溝を施し、光の通過する道を設けたことを特徴とした光る靴について開示されている(特許文献2:特開平11−99006号公報)。
【0004】
しかしながら、これらの従来の発光装置付き靴の場合は、歩行時における電力消費等については種々考慮されているが、歩行以外の場所での省電力化については、何ら考慮されていないという問題があり、また、靴を昼間履く場合や、地下街等を歩く場合等のように、靴を履いている場合においても発光を欲しない場合もあるところ、上記従来の靴においては自らの意思で発光を止めたり、発光させたりすることができないという問題もあった。
【0005】
そこで本願出願人は、これらの問題を解決するために先に、電池と、靴底後面及び靴底側面に配置されてなる発光器と、発光器の点灯を制御する制御装置と、該制御装置を振動によって起動させる検知スイッチとを備えた発光装置付き靴であって、靴の外側側面の甲被部分に、前記電池からの電力供給を外部から制御できる手動スイッチを備えたことを特徴とする発光装置付き靴を提唱した(特許文献3:特開平8−332102号公報)。
【0006】
しかし、その発光装置付き靴は、発光の態様にさほどの変化がないため、その靴を履用する子供たちに対し、大きな興味を抱かせることはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平4−96205号公報
【特許文献2】特開平11−99006号公報
【特許文献3】特開平8−332102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来の発光装置付き靴は、発光の態様にさほどの変化がないため、その靴を履用する子供たちに対し、十分な興味を抱かせることができなかった。そこで本発明は、種々の変化に富んだ発光態様を実現し、以て、当該靴を履用する子供たちに十分な興味を抱かせることができる発光装置付き靴を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、赤色、緑色及び青色のLEDと、前記LEDを点灯させる電池と、前記LEDの点滅を制御するLED点滅駆動用IC基板と、前記IC基板を振動又は荷重によって起動させるスイッチとから成る発光ユニットを任意の位置に備えた靴であって、前記発光ユニットは、前記靴の任意の位置に配した透視性樹脂カバー内に収められ、前記透視性樹脂カバーには、キャラクターの図柄、絵模様その他の装飾要素が外部から視認可能に表現されていることを特徴とする、発光機能を有する靴である。
【0010】
一実施形態においては、前記発光ユニットは、靴の甲被を横切るバンドの中央部に組み込まれる。また、その場合前記発光ユニットは、前記バンドの裏面から出し入れ可能にされることがある。
【0011】
一実施形態においては、前記発光ユニットの前記IC基板は、前記LEDを1つずつ順次点滅させるように制御し、また、前記LEDを2つずつ順次点滅させるように制御する。これらの場合において、前記IC基板は、前段の1つ又は2つのLEDが滅動作を完了する前に後段の1つ又は2つのLEDの点灯動作を開始させるように制御することがある。
【0012】
また、一実施形態においては、前記発光ユニットの前記IC基板は、前記3つのLEDの全部の点滅、そのうちの2つの点滅、そのうちの1つの点滅をこの順に反復するように制御する。その場合、前記発光ユニットの前記IC基板は、前記3つのLEDのうちの2つの点滅とそのうちの1つの点滅が、順次色を変えて行われるように制御することがある。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記のとおりであって、本発明に係る発光機能を有する靴は、赤色、緑色及び青色のLEDを点滅させる発光ユニットを任意の位置に備えていて、前記発光ユニットは、前記靴の任意の位置に配した透視性樹脂カバー内に収められ、前記透視性樹脂カバーは、キャラクターの図柄、絵模様その他の装飾要素が外部から視認可能に表現されているので、靴装着時にその装飾要素がきれいに光るため、特に、小児が興味を抱いて好んで装着する効果がある。
【0014】
また、本発明に係る発光機能を有する靴においては、赤色、緑色及び青色のLEDが変化に富んだ点滅動作をするので、その装飾要素の装飾効果が助長され、一層興味を持って人目を惹く効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る発光機能を有する靴の一実施形態の外観例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る発光機能を有する靴の一実施形態の要部の構成例を示す斜視図である。
【図3】図2におけるA−A線断面拡大図である。
【図4】本発明に係る発光機能を有する靴に用いる発光ユニットの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ、更に詳細に説明する。本発明に係る発光機能を有する靴は、赤色、緑色及び青色のLED2、3、4と、これらLED2〜4を点灯させる電池5と、これらLED2〜4の点滅を制御するLED点滅駆動用IC基板6と、LED点滅駆動用IC基板6を振動又は荷重によって起動させるスイッチ7とから成る発光ユニット1を任意の位置に備えたものである。
【0017】
電池5は、LED2〜4を点灯させ得るものであればよく、通例、ボタン型(コイン型)のリチウム電池やアルカリマンガン電池等が利用される。
【0018】
スイッチ7は、靴を履いた状態での歩行による振動、あるいは、手や足による打叩刺激を検知して、一定時間(例えば、5秒間)電源を供給するように形成される。このスイッチ7としては、例えば、導電性の材質で作成されたバネを配し、このバネの振動方向に対して一定距離離れた場所に端子を設けて構成される。この構成の場合、歩行等における振動や打叩刺激を受けてバネが端子方向に揺れ、端子に接触することにより通電する。この通電により制御装置6が作動し、所定時間、所定態様にて各LED2〜4を点滅させる。
【0019】
上述したスイッチ7の構成は、あくまで一例を示すもので、歩行等における振動や打叩刺激を受けて通電するタイプのスイッチであれば、その他の任意の構成のものを採用し得ることは言うまでもない。
【0020】
図示した例では、発光ユニット1は、最も目立つ位置である、靴の甲被12を横切るバンド部13の中央部に組み込まれている。そこにおいて発光ユニット1は、バンド13に設置した透視性樹脂カバー10内に収められ、その透視性樹脂カバー10の通例内面に、外から透視可能に、例えば、キャラクターの図柄や絵模様、あるいは、写真、その他適宜の装飾要素11が印刷される。
【0021】
好ましくは、バンド13を2枚の素材13a、13bを重合して構成するものとし、上側の素材13aに透視性樹脂カバー10よりも少し小径の開口14を設ける。そして、発光ユニット1を収めた状態にて透視性樹脂カバー10を下側の素材13b上に載置し、その上に上側の素材13aを被せ、透視性樹脂カバー10の端縁を開口14の端縁で押えて縫着する(図3参照)。
【0022】
発光ユニット1は、バンド13の下側の素材13bに形成される、例えば、半円形の切込み15から、出し入れ可能にされることがある。そのように構成した場合は、発光ユニット1の交換、あるいは、発光ユニット1を取り出しての電池5の交換等が可能となる。
【0023】
発光ユニット1のLED2〜4の点滅駆動を制御するIC基板6は、LED2〜4が、種々の態様で点滅するように制御する。その点滅態様としては、以下のものが考えられる。
a)各LED2〜4が1つずつ順次点滅する態様
b)各LED2〜4が2つずつ順次点滅する態様
c)上記a)又はb)の態様において、前段の1つ又は2つのLEDが滅動作を完了す
る前に後段の1つ又は2つのLEDの点灯動作を開始させる態様
d)3つのLED2〜4の全部の点滅、そのうちの2つの点滅、そのうちの1つの点滅
をこの順に反復させる態様
e)3つのLED2〜4のうちの1つの点滅、2つの点滅、全部の点滅、2つの点滅、
1つの点滅をこの順に反復させる態様
f)上記d)又はe)の態様において、3つのLEDのうちの2つの点滅とそのうちの
1つの点滅を、順次色を変えて行わせる態様
【0024】
上記a)乃至e)の態様は、それぞれ独立させて一定時間反復させることとしてもよいが、より変化を持たせるために、それらの態様を適宜組み合わせることが好ましい。例えば、d)の態様を2順、e)の態様を2順、a)の態様を4順、b)の態様を4順を1サイクルとして、スイッチ7の1度のトリガーの都度実行させるようにすることができる。
【0025】
そして更に、c)やf)の態様を加えることにより、色の異なるLED2〜4が種々組み合わされることで、種々の色光が生成されて、更に種々の変化に富んだ色彩効果が得られる。
【0026】
そして、透視性樹脂カバー10には、キャラクターの図柄、絵模様その他の装飾要素11が外部から視認可能に表現されており、これがその中側から種々の変化に富んだ色の光で照射されるため、その装飾要素11による装飾効果が一層高められ、子供の興味を大いにそそるものとなる。
【0027】
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
【符号の説明】
【0028】
1 発光ユニット
2、3、4 LED
5 電池
6 IC基板
7 スイッチ
10 透視性樹脂カバー
11 装飾要素
12 靴の甲被
13 バンド
14 開口
15 切込み


【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色、緑色及び青色のLEDと、前記各LEDを点灯させる電池と、前記各LEDの点滅を制御するLED点滅駆動用IC基板と、前記IC基板を振動又は荷重によって起動させるスイッチとから成る発光ユニットを任意の位置に備えた靴であって、
前記発光ユニットは、前記靴の任意の位置に配した透視性樹脂カバー内に収められ、前記透視性樹脂カバーには、キャラクターの図柄、絵模様その他の装飾要素が外部から視認可能に表現されていることを特徴とする、発光機能を有する靴。
【請求項2】
前記発光ユニットは、靴の甲被を横切るバンドの中央部に組み込まれる、請求項1に記載の発光機能を有する靴。
【請求項3】
前記発光ユニットは、前記バンドの裏面から出し入れ可能にされる、請求項2に記載の発光機能を有する靴。
【請求項4】
前記発光ユニットの前記IC基板は、前記LEDを1つずつ順次点滅させるように制御する、請求項1に記載の発光機能を有する靴。
【請求項5】
前記発光ユニットの前記IC基板は、前記LEDを2つずつ順次点滅させるように制御する、請求項1に記載の発光機能を有する靴。
【請求項6】
前記発光ユニットの前記IC基板は、前段の1つ又は2つのLEDが滅動作を完了する前に後段の1つ又は2つのLEDの点灯動作を開始させるように制御する、請求項4又は5に記載の発光機能を有する靴。
【請求項7】
前記発光ユニットの前記IC基板は、前記3つのLEDの全部の点滅、そのうちの2つの点滅、そのうちの1つの点滅、をこの順に反復するように制御する、請求項1に記載の発光機能を有する靴。
【請求項8】
前記発光ユニットの前記IC基板は、前記3つのLEDのうちの2つの点滅とそのうちの1つの点滅が、順次色を変えて行われるように制御する、請求項7に記載の発光機能を有する靴。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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