説明

発光素子、発光装置、電子機器および発光素子の作製方法

【課題】 本発明の目的は,採光面から一様な発光を得ることが出来る発光素子を提供することにある。
【解決手段】 本発明の発光素子の一は、一対の電極間に、高分子ゲルから成る層を有する。そして、ゲルに、発光物質を含む溶液を浸潤させていることを特徴としている。また、本発明の発光素子の一は、一対の電極間に、高分子ゲルとスペーサとを含む層を有する。そして、高分子ゲルに、発光物質を含む溶液を浸潤させていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子に関し、特に電気化学反応を利用した発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラウン管に続く次世代型ディスプレイ用の発光表示素子について様々な発表がなされている。その一つに電気化学発光素子がある。溶液系の電気化学発光素子は発光分子を含む溶液を二つの電極で挟んだ構造になっている。
【0003】
この素子に通電すると陽極では酸化反応が起こり、また陰極では還元反応が起こる。そしてキャリア分子(多くの場合、一電子酸化還元によるラジカル)が生成する。この二種類のキャリア分子が衝突して再結合すると一方の分子は電子的に励起された状態となり、元の基底状態に戻る。このとき発光を伴う現象を電気化学発光と呼ぶ。
【0004】
電気化学発光素子の発光強度を大きくするには以下の三条件が求められる。
(1)ラジカルの生成量を多くする
(2)生成したキャリアを効率よく再結合させる
(3)発光量子収率の高い分子から発光させる
【0005】
ラジカルが生成しにくい場合、生成量を増加させるために電解質を加える事がある。またキャリアの再結合確率を上げるためには様々な試みがある。その一つに電極間距離を数μm以下にするという方法がある。ラジカル種の寿命はその強い反応性のため非常に短い。そのため電極間隔を短くするとラジカルの寿命内に電荷の再結合が起こりやすくなり、素子の発光効率が大きく向上する。
【0006】
非特許文献1に記載の溶液系の電気発光素子では溶液を間に含む二枚の電極間にプラスチックビーズ等のスペーサを挟むことで均一な電極間距離を保って面発光を得ている。先に述べたような、素子の発光効率を向上するために数μm以下の電極間距離にする際には、この方法ではムラが出来てしまい一様な面発光が得られないという問題がある。
【0007】
シリカの多孔質ゲルを用いた素子が提案されている。しかし細孔特性を利用する多孔質ゲルでは(乾燥ゲルの)細孔構造を制御することが難しく、再現性のある細孔分布を持つ薄膜ゲルを得るのはかなり困難である。また無機物を含むゲルは屈折率が高いものが多いため細孔での光の散乱が起こりやすく、損失が大きいという欠点がある。
【0008】
【非特許文献1】Journal of Applied Phys. 40 (2001) ppL945−947
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、採光面から一様な発光を得ることが出来る発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発光素子の一は、一対の電極間に高分子ゲルから成る層を有する。そして、高分子ゲルに、発光物質を含む溶液を浸潤させていることを特徴としている。
【0011】
本発明の発光素子の一は、一対の電極間に高分子ゲルとスペーサとを含む層を有する。そして、高分子ゲルに、発光物質を含む溶液を浸潤させていることを特徴としている。
【0012】
本発明の発光素子の作製方法の一は、第1の電極と第2の電極との間に、第1の電極上に形成されたゾルを挟むように、第1の電極が形成された第1の基板と、第2の電極が形成された第2の基板とを貼り合わせる工程を有する。ここで、ゾルは、塗布前に重合開始剤が加えられ、ゲル化が開始したものである。
【発明の効果】
【0013】
高分子ゲルを用いて発光層を形成することによって、電極間の距離のムラが少なく、採光面全体から一様な発光を得ることが出来る発光素子を得ることができる。
【0014】
高分子ゲルを用いて発光層を形成することによって、細孔での散乱が少なく、発光の損失が少ない発光素子を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施の形態1)
本発明の発光素子について図1を用いて説明する。
【0016】
図1において、基板100、104は、発光素子を支持するための支持体として機能するものである。基板100、104について特に限定はなく、ガラスまたは石英等の他、プラスチック等から成るものを用いることができる。なお、基板100と基板104のうちいずれか一方若しくは両方は可視光を透過できる材料で形成されていることが好ましい。
【0017】
図1に示すように、本発明の発光素子は、第1の電極101と第2の電極102との間に、発光層103を有する。ここで、発光層103は、発光物質を含む溶液を、ゲルに浸潤させて形成したものである。
【0018】
ゲルについて特に限定はないが、高分子から成るゲル(高分子ゲル)を用いることが好ましい。これによって、細孔での発光した光の散乱が少なくなる。これは高分子ゲルの屈折率が小さい(例えば600nm付近の光に対する高分子の屈折率は、1.3〜1.7である。)ためである。その結果、光の損失が少ない発光素子を得ることができる。また高分子ゲルは、細孔サイズや特性の制御もしやすい。
【0019】
高分子ゲルとしては、例えば、スチレン、またはアクリル酸、メタクリル酸メチル等のアクリル酸の誘導体、ポリエチレンオキシド、ポリオキサゾリン等を主鎖として含むゲルが挙げられる。これらのゲルは、イオン交換基や導電性高分子等を側鎖として含んでいてもよい。具体的には、ポリアクリルアミドゲル、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドゲル、ポリアクリル酸ゲル、スチレン−ジビニルベンゼン、ポリエチレンオキシド系化学架橋ゲル等を用いることができる。
【0020】
なお、高分子ゲルは、キャリア分子(つまり帯電した発光物質)がゲルの格子間を通過できるような架橋密度を有するものであることが好ましい。
【0021】
次に、発光物質を含む溶液の溶媒と溶質とについて説明する。
【0022】
溶質について特に限定はなく、蛍光または燐光を発光する発光物質であればよい。酸化還元に安定で量子収率が高いものが好ましい。また、純度が高いものが好ましい。ルブレン、トリス(2,2’−ジピリジル)ルテニウム、9,10−ジフェニルアントラセン、ビス(2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジネート(アセチルアセネート)イリジウム、ローダミン6G、アルミキノリノール錯体等が使用できる。
【0023】
溶媒としては、溶質が溶解し易いものが好ましい。また、酸化還元反応が起こりにくいものが好ましい。また、吸湿性が少ないものが好ましい。また、溶存する酸素や二酸化炭素等の量が少ないもの、または酸素や二酸化炭素等が溶存していないものが好ましい。
【0024】
なお、酸化もしくは還元され易い溶媒であっても、酸化若しくは還元された後、酸化若しくは還元によって生成されたイオンが溶質と反応することによって、キャリア分子(正若しくは負に帯電した発光物質)を生成することができるのであれば、溶媒として用いることができる。
【0025】
具体的には、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、ジクロロベンゼン、プロピレンカーボナート、N,N−ジメチルアセトアミド、蟻酸等を、溶媒として用いることができる。
【0026】
また、第1の電極101および第2の電極102について特に限定はないが、電気化学反応による溶解や、または溶媒との化学反応等を起こしにくいものが好ましい。また、電極表面の凹凸等が少なく、平坦性の高いものが好ましい。また、電極表面の清浄化が容易なものが好ましい。また、広い電位窓を有するが好ましい。広い電位窓を有することによって、溶質の選択性が広がる。溶質の酸化還元電位よりも、用いた溶液における電極の電位窓が広いことが好ましい。これによって、電極などが損傷を受けることを低減することができる。具体的には、金、アルミニウム、カーボン、メソポーラスシリカ、白金、酸化インジウム、インジウム錫酸化物等を用いて形成されたものを、第1の電極または第2の電極として用いることができる。また、第1の電極101と第2の電極102のいずれか一若しくは両方は、可視光を透過できることが好ましい。
【0027】
以上のような、本発明の発光素子は、通電したときに、陽極では酸化反応が起こり、また陰極では還元反応が起こる。そしてキャリア分子(多くの場合、一電子酸化還元によるラジカル)が生成する。負のキャリア分子(負に帯電した発光物質)と、正のキャリア分子(正に帯電した発光物質)が衝突して再結合すると一方の分子は電子的に励起された状態となり、元の基底状態に戻る。そして、このとき発光する。発光した光は、基板100と基板104のいずれか一又は両方から取り出すことが出来る。
【0028】
なお、本発明の発光素子では、高分子ゲルの架橋密度を調節することによって、第1の電極101および第2の電極102から離れた部位においてキャリア分子が再結合するように、キャリアの移動速度等を調節することができる。また、高分子ゲルの側鎖に置換基を導入することによっても、キャリアの移動速度等を調節することができる。
【0029】
(実施の形態2)
次に、本発明の発光素子の作製方法について図1を参照して説明する。
【0030】
先ず、基板100上に、第1の電極101を形成する。第1の電極101の形成方法について特に限定はなく、スパッタリング法または蒸着法等を用いて形成することができる。
【0031】
次に、ゾルに重合開始剤を加えてゲル化が始まった溶液を、第1の電極101の上に塗布する。塗布した溶液はゲル化が終了した後、発光層103となる。ここで、ゾルについて特に限定はなく、単量体または重合体のいずれか一または両方を含むものを用いることができる。また、ゲルを構成する高分子材料について特に限定はなく、スチレン、またはアクリル酸、メタクリル酸メチル等のアクリル酸の誘導体、ポリエチレンオキシド、ポリオキサゾリン等を主鎖として含み、網目状構造を有するものを用いることができる。また、重合開始剤についても特に限定はなく、2,2−アゾビスイソブチロニトリル等を用いることができる。また、ゾルに重合開始剤を加えてゲル化させる方法の他、ゾルを塗布した後、その溶液に紫外線等を照射して架橋反応させる方法(光重合等)によってゲル化させてもよい。
【0032】
塗布した溶液のゲル化が終了する前に、ゲル化が始まった溶液が塗布された基板100と、スパッタリング法や蒸着法を用いて予め第2の電極102が形成された基板104とを、ゲル化が始まった溶液を間に挟むように貼り合わせる。なお、貼り合わせるときに、第1の基板100と第2の基板104とに掛かる圧力を調節することによって、発光層103の厚さを調節することができる。
【0033】
次に、発光層103に発光物質を含む溶液を浸潤させる。
【0034】
以上のようにして、本発明の発光素子を作製することができる。
【0035】
なお、ゲル化が始まった溶液は、ゲル化が終了したときに0.5〜50μmの膜厚と成るように粘度等を調節して塗布することが好ましい。なお、膜厚は0.5〜2μmであることがより好ましい。
【0036】
また、発光物質を含む溶液は、アルゴンガス等の不活性ガスを用いてバブリングし、溶存している酸素または二酸化炭素等を除去されたものであることが好ましい。これによって、酸素若しくは二酸化炭素等に起因して電位窓が狭くなることを防ぐことができる。
【0037】
以上のようにして作製された本形態の発光素子において、高分子ゲルは、電極間の距離を一定に保つためのスペーサとして機能している。また、本形態の発光素子では、高分子ゲルによって第1の電極101及び第2の電極102の電極面全体を支えることができるため、電極間の距離のムラが少なく採光面全体から一様な発光を得ることが出来る。
【0038】
また、本形態の発光素子では、高分子ゲルを用いているため、屈折率の変化が小さい。その結果、光の損失が少ない発光素子を得ることができる。
【0039】
(実施の形態3)
実施の形態1または実施の形態2において説明したものと異なる構成を有する発光素子について図2を用いて説明する。
【0040】
先ず、基板200の上に第1の電極201を形成する。なお、第1の電極201は、実施の形態1及び実施の形態2において記載した第1の電極101と同様にして形成すればよい。
【0041】
次に、ゾルに重合開始剤を加えてゲル化が始まった溶液を、第1の電極201の上に塗布する。そして、塗布した溶液にスペーサ204を散布する。なお、高分子材料と重合開始剤とはそれぞれ実施の形態2に記載したものと同様のものを用いればよい。
【0042】
なお、ゲル化が始まった溶液の塗布する工程と、スペーサの散布する工程の工程順について特に限定はなく、例えば、スペーサを散布した後、ゲル化が始まった溶液を塗布しても構わない。
【0043】
また、ゲル化が始まった溶液中に予めスペーサを散布させておき、スペーサを含み、さらにゲル化が始まった溶液を、塗布してもよい。
【0044】
塗布した溶液のゲル化が終了する前に、ゲル化が始まった溶液が塗布された基板200と、予め第2の電極202が形成された基板205とを、ゲル化が始まった溶液を間に挟むように貼り合わせる。第2の電極202は、実施の形態1及び実施の形態2において記載した第2の電極102と同様のものを用いればよい。また、基板200、205についても実施の形態1において記載した基板100、104と同様のものを用いればよい。また、貼り合わせるときに、第1の基板200と第2の基板205とに掛かる圧力を調節することによって、発光層203の厚さを調節することができる。
【0045】
次に、発光層203に発光物質を含む溶液を浸潤させる。なお、発光物質を含む溶液は実施の形態1及び実施の形態2に記載のものを用いればよい。
【0046】
以上のようにして、本発明の発光素子を作製することができる。
【0047】
以上のようにして作製された本形態の発光素子において、高分子ゲルは、電極間の距離を一定に保つためのスペーサとして機能している。そして、本形態の発光素子では、高分子ゲルと共にスペーサを用いることによって第1の電極201及び第2の電極202の電極面全体を、より安定に支えることができる。そのため、電極間の距離のムラが一層少なく、採光面全体から一様な発光を得ることが出来る。
【0048】
また、本形態の発光素子では、高分子ゲルを用いているため、屈折率の変化が小さい。その結果、光の損失が少ない発光素子を得ることができる。
【0049】
(実施の形態4)
実施の形態1〜実施の形態3において説明した本発明は、表示機能を有する発光装置の画素部や、照明機能を有する発光装置の照明部に適用することができる。そして、本発明を適用した発光装置からは、ムラが少なく良好な画像等を得ることができる。
【0050】
本形態では、表示機能を有する発光装置の回路構成および駆動方法について図3〜6を用いて説明する。
【0051】
図3は本発明を適用した発光装置を上面からみた模式図である。図3において、基板6500上には、画素部6511と、ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とが設けられている。ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とは、それぞれ、配線群を介して、外部入力端子であるFPC(フレキシブルプリントサーキット)6503と接続している。そして、ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とは、それぞれ、FPC6503からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。またFPC6503にはプリント配線基盤(PWB)6504が取り付けられている。なお、駆動回路部は、上記のように必ずしも画素部6511と同一基板上に設けられている必要はなく、例えば、配線パターンが形成されたFPC上にICチップを実装したもの(TCP)等を利用し、基板外部に設けられていてもよい。
【0052】
画素部6511には、列方向に延びた複数のソース信号線が行方向に並んで配列している。また、電流供給線が行方向に並んで配列している。また、画素部6511には、行方向に延びた複数のゲート信号線が列方向に並んで配列している。また画素部6511には、発光素子を含む一組の回路が複数配列している。
【0053】
図4は、一画素を動作するための回路を表した図である。図4に示す回路には、第1のトランジスタ901と第2のトランジスタ902と発光素子903とが含まれている。
【0054】
第1のトランジスタ901と、第2のトランジスタ902とは、それぞれ、ゲート電極と、ドレイン領域と、ソース領域とを含む三端子の素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有する。ここで、ソース領域とドレイン領域とは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソース領域またはドレイン領域であるかを限定することが困難である。そこで、本形態においては、ソースまたはドレインとして機能する領域を、それぞれ第1電極、第2電極と表記する。
【0055】
ゲート信号線911と、書込用ゲート信号線駆動回路913とはスイッチ918によって電気的に接続または非接続の状態になるように設けられている。また、ゲート信号線911と、消去用ゲート信号線駆動回路914とはスイッチ919によって電気的に接続または非接続の状態になるように設けられている。また、ソース信号線912は、スイッチ920によってソース信号線駆動回路915または電源916のいずれかに電気的に接続するように設けられている。そして、第1のトランジスタ901のゲートはゲート信号線911に電気的に接続している。また、第1のトランジスタの第1電極はソース信号線912に電気的に接続し、第2電極は第2のトランジスタ902のゲート電極と電気的に接続している。第2のトランジスタ902の第1電極は電流供給線917と電気的に接続し、第2電極は発光素子903に含まれる一の電極と電気的に接続している。なお、スイッチ918は、書込用ゲート信号線駆動回路913に含まれていてもよい。またスイッチ919についても消去用ゲート信号線駆動回路914の中に含まれていてもよい。また、スイッチ920についてもソース信号線駆動回路915の中に含まれていてもよい。
【0056】
また画素部におけるトランジスタや発光素子等の配置について特に限定はないが、例えば図5の上面図に表すように配置することができる。図5において、第1のトランジスタ1001の第1電極はソース信号線1004に接続し、第2の電極は第2のトランジスタ1002のゲート電極に接続している。また第2トランジスタの第1電極は電流供給線1005に接続し、第2電極は発光素子の電極1006に接続している。ゲート信号線1003の一部は第1のトランジスタ1001のゲート電極として機能する。
【0057】
次に、駆動方法について説明する。図6は時間経過に伴ったフレームの動作について説明する図である。図6において、横方向は時間経過を表し、縦方向はゲート信号線の走査段数を表している。
【0058】
本発明の発光装置を用いて画像表示を行うとき、表示期間においては、画面の書き換え動作と表示動作とが繰り返し行われる。この書き換え回数について特に限定はないが、画像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないように少なくとも1秒間に60回程度とすることが好ましい。ここで、一画面(1フレーム)の書き換え動作と表示動作を行う期間を1フレーム期間という。
【0059】
1フレームは、図6に示すように、書き込み期間501a、502a、503a、504aと保持期間501b、502b、503b、504bとを含む4つのサブフレーム501、502、503、504に時分割されている。発光するための信号を与えられた発光素子は、保持期間において発光状態となっている。各々のサブフレームにおける保持期間の長さの比は、第1のサブフレーム501:第2のサブフレーム502:第3のサブフレーム503:第4のサブフレーム504=23:22:21:20=8:4:2:1となっている。これによって4ビット階調を表現することができる。但し、ビット数及び階調数はここに記すものに限定されず、例えば8つのサブフレームを設け8ビット階調を行えるようにしてもよい。
【0060】
1フレームにおける動作について説明する。まず、サブフレーム501において、1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。従って、行によって書き込み期間の開始時間が異なる。書き込み期間501aが終了した行から順に保持期間501bへと移る。当該保持期間において、発光するための信号を与えられている発光素子は発光状態となっている。また、保持期間501bが終了した行から順に次のサブフレーム502へ移り、サブフレーム501の場合と同様に1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。以上のような動作を繰り返し、サブフレーム504の保持期間504b迄終了する。サブフレーム504における動作を終了したら次のフレームへ移る。このように、各サブフレームにおいて発光した時間の積算時間が、1フレームにおける各々の発光素子の発光時間となる。この発光時間を発光素子ごとに変えて一画素内で様々に組み合わせることによって、明度および色度の異なる様々な表示色を形成することができる。
【0061】
サブフレーム504のように、最終行目までの書込が終了する前に、既に書込を終え、保持期間に移行した行における保持期間を強制的に終了させたいときは、保持期間504bの後に消去期間504cを設け、強制的に非発光の状態となるように制御することが好ましい。そして、強制的に非発光状態にした行については、一定期間、非発光の状態を保つ(この期間を非発光期間504dとする。)。そして、最終行目の書込期間が終了したら直ちに、一行目から順に次の(またはフレーム)の書込期間に移行する。これによって、サブフレーム504の書き込み期間と、その次のサブフレームの書き込み期間とが重畳することを防ぐことができる。
【0062】
なお、本形態では、サブフレーム501乃至504は保持期間の長いものから順に並んでいるが、必ずしも本実施例のような並びにする必要はなく、例えば保持期間の短いものから順に並べられていてもよいし、または保持期間の長いものと短いものとがランダムに並んでいてもよい。また、サブフレームは、さらに複数のフレームに分割されていてもよい。つまり、同じ映像信号を与えている期間、ゲート信号線の走査を複数回行ってもよい。
【0063】
ここで、書込期間および消去期間における、図4で示す回路の動作について説明する。
【0064】
まず書込期間における動作について説明する。書込期間において、n行目(nは自然数)のゲート信号線911は、スイッチ918を介して書込用ゲート信号線駆動回路913と電気的に接続し、消去用ゲート信号線駆動回路914とは非接続である。また、ソース信号線912はスイッチ920を介してソース信号線駆動回路と電気的に接続している。ここで、n行目(nは自然数)のゲート信号線911に接続した第1のトランジスタ901のゲートに信号が入力され、第1のトランジスタ901はオンとなる。そして、この時、1列目から最終列目迄のソース信号線に同時に映像信号が入力される。なお、各列のソース信号線912から入力される映像信号は互いに独立したものである。ソース信号線912から入力された映像信号は、各々のソース信号線に接続した第1のトランジスタ901を介して第2のトランジスタ902のゲート電極に入力される。この時第2のトランジスタ902のゲート電極に入力された信号によって、第2のトランジスタ902のオンオフが制御される。そして、第2のトランジスタ902がオンすると発光素子903に電圧が印加され、発光素子903に電流が流れる。つまり、第2のトランジスタ902のゲート電極に入力する信号によって、発光素子903の発光または非発光が決まる。例えば、第2のトランジスタ902がPチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にLow Levelの信号が入力されることによって発光素子903が発光する。一方、第2のトランジスタ902がNチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にHigh Levelの信号が入力されることによって発光素子903が発光する。
【0065】
次に消去期間における動作について説明する。消去期間において、n行目(nは自然数)のゲート信号線911は、スイッチ919を介して消去用ゲート信号線駆動回路914と電気的に接続し、書込用ゲート信号線駆動回路913とは非接続である。また、ソース信号線912はスイッチ920を介して電源916と電気的に接続している。ここで、n行目のゲート信号線911に接続した第1のトランジスタ901のゲートに信号が入力され、第1のトランジスタ901はオンとなる。そして、この時、1列目から最終列目迄のソース信号線に同時に消去信号が入力される。ソース信号線912から入力された消去信号は、各々のソース信号線に接続した第1のトランジスタ901を介して第2のトランジスタ902のゲート電極に入力される。この時第2のトランジスタ902に入力された信号によって、電流供給線917から発光素子903への電流の供給が阻止される。そして、発光素子903は強制的に非発光となる。例えば、第2のトランジスタ902がPチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にHigh Levelの信号が入力されることによって発光素子903は非発光となる。一方、第2のトランジスタ902がNチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にLow Levelの信号が入力されることによって発光素子903は非発光となる。
【0066】
なお、消去期間では、n行目(nは自然数)については、以上に説明したような動作によって消去する為の信号を入力する。しかし、前述のように、n行目が消去期間であると共に、他の行(m行目(mは自然数)とする。)については書込期間となる場合がある。このような場合、同じ列のソース信号線を利用してn行目には消去の為の信号を、m行目には書込の為の信号を入力する必要があるため、以下に説明するような動作させることが好ましい。
【0067】
先に説明した消去期間における動作によって、n行目の発光素子903が非発光となった後、直ちに、ゲート信号線と消去用ゲート信号線駆動回路914とを非接続の状態とすると共に、スイッチ918を切り替えてソース信号線とソース信号線駆動回路915と接続させる。そして、ソース信号線とソース信号線駆動回路915とを接続させる共に、ゲート信号線と書込用ゲート信号線駆動回路913とを接続させる。そして、書込用ゲート信号線駆動回路913からm行目の信号線に選択的に信号が入力され、第1のトランジスタがオンすると共に、ソース信号線駆動回路915からは、1列目から最終列目迄のソース信号線に書込の為の信号が入力される。この信号によって、m行目の発光素子は、発光または非発光となる。
【0068】
以上のようにしてm行目について書込期間を終えたら、直ちに、n+1行目の消去期間に移行する。その為に、ゲート信号線と書込用ゲート信号線駆動回路913を非接続とすると共に、スイッチ918を切り替えてソース信号線を電源916と接続する。また、ゲート信号線と書込用ゲート信号線駆動回路913を非接続とすると共に、ゲート信号線については、消去用ゲート信号線駆動回路914と接続状態にする。そして、消去用ゲート信号線駆動回路914からn+1行目のゲート信号線に選択的に信号を入力して第1のトランジスタに信号をオンする共に、電源916から消去信号が入力される。このようにして、n+1行目の消去期間を終えたら、直ちに、m行目の書込期間に移行する。以下、同様に、消去期間と書込期間とを繰り返し、最終行目の消去期間まで動作させればよい。
【0069】
なお、本形態では、n行目の消去期間とn+1行目の消去期間との間にm行目の書込期間を設ける態様について説明したが、これに限らず、n−1行目の消去期間とn行目の消去期間との間にm行目の書込期間を設けてもよい。
【0070】
また、本形態では、サブフレーム504のように非発光期間504dを設けるときおいて、消去用ゲート信号線駆動回路914と或る一のゲート信号線とを非接続状態にすると共に、書込用ゲート信号線駆動回路913と他のゲート信号線とを接続状態にする動作を繰り返している。このような動作は、特に非発光期間を設けないフレームにおいて行っても構わない。
【0071】
(実施の形態5)
本発明の発光素子を含む発光装置の断面図の一態様について、図7を用いて説明する。
【0072】
図7において、点線で囲まれているのは、本発明の発光素子12を駆動するために設けられているトランジスタ11である。発光素子12は、第1の電極13と第2の電極14との間に発光層15を有する本発明の発光素子である。トランジスタ11のドレインと第1の電極13とは、第1層間絶縁膜16(16a、16b、16c)を貫通している配線17によって電気的に接続されている。また、発光素子12は、隔壁層18によって、隣接して設けられている別の発光素子と分離されている。このような構成を有する本発明の発光装置は、本形態において、基板10と基板20とに挟まれるようにして設けられている。なお、実施の形態1では、発光素子の第1の電極は第1の基板上に直接形成されていたが、本形態のように回路等が設けられた層の上に形成されていてもよい。
【0073】
なお、図7に示されたトランジスタ11は、半導体層を中心として基板と逆側にゲート電極が設けられたトップゲート型のものである。但し、トランジスタ11の構造については、特に限定はなく、例えばボトムゲート型のものでもよい。またボトムゲートの場合には、チャネルを形成する半導体層の上に保護膜が形成されたもの(チャネル保護型)でもよいし、或いはチャネルを形成する半導体層の一部が凹状になったもの(チャネルエッチ型)でもよい。なお、21はゲート電極、22はゲート絶縁膜、23は半導体層である。
【0074】
また、トランジスタ11を構成する半導体層は、結晶性、非結晶性のいずれのものでもよい。また、セミアモルファス等でもよい。
【0075】
なお、セミアモルファスな半導体とは、次のようなものである。非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるものである。また少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでいる。ラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしている。X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。所謂微結晶半導体(マイクロクリスタル半導体)とも言われている。珪化物気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。珪化物気体としては、SiH4、その他にもSi26、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることが可。この珪化物気体をH2、又は、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020cm-1以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とする。なお、セミアモルファスなものを有する半導体を用いたTFT(薄膜トランジスタ)の移動度はおよそ1〜10m2/Vsecとなる。
【0076】
また、半導体層が結晶性のものの具体例としては、単結晶または多結晶性の珪素、或いはシリコンゲルマニウム等から成るものが挙げられる。これらはレーザー結晶化によって形成されたものでもよいし、例えばニッケル等を用いた固相成長法による結晶化によって形成されたものでもよい。
【0077】
なお、半導体層が非晶質の物質、例えばアモルファスシリコンで形成される場合には、トランジスタ11およびその他のトランジスタ(発光素子を駆動するための回路を構成するトランジスタ)は全てNチャネル型トランジスタで構成された回路を有する発光装置であることが好ましい。それ以外については、Nチャネル型またはPチャネル型のいずれか一のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよいし、両方のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよい。
【0078】
さらに、第1層間絶縁膜16は、図7(A)、(C)に示すように多層でもよいし、または単層でもよい。なお、16aは酸化珪素や窒化珪素のような無機物から成り、16bはアクリルやシロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。または、置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい)、塗布成膜可能な酸化珪素等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、16cはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第1層間絶縁膜16は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
【0079】
隔壁層18は、エッジ部において、曲率半径が連続的に変化する形状であることが好ましい。また隔壁層18は、アクリルやシロキサン、レジスト、酸化珪素等を用いて形成される。なお隔壁層18は、無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよいし、または両方を用いて形成されたものでもよい。
【0080】
なお、図7(A)、(C)では、第1層間絶縁膜16のみがトランジスタ11と発光素子12の間に設けられた構成であるが、図7(B)のように、第1層間絶縁膜16(16a、16b)の他、第2層間絶縁膜19(19a、19b)が設けられた構成のものであってもよい。図7(B)に示す発光装置においては、第1の電極13は第2層間絶縁膜19を貫通し、配線17と接続している。
【0081】
第2層間絶縁膜19は、第1層間絶縁膜16と同様に、多層でもよいし、または単層でもよい。19aはアクリルやシロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質)、塗布成膜可能な酸化珪素等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、19bはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第2層間絶縁膜19は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
【0082】
発光素子12において、第1の電極および第2の電極がいずれも透光性を有する物質で構成されている場合、図7(A)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側と第2の電極14側の両方から発光を取り出すことができる。また、第2の電極14のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図7(B)の白抜きの矢印で表されるように、第2の電極14側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第1の電極13は反射率の高い材料で構成されているか、または反射率の高い材料から成る膜(反射膜)が第1の電極13の下方に設けられていることが好ましい。また、第1の電極13のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図7(C)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第2の電極14は反射率の高い材料で構成されているか、または反射膜が第2の電極14の上方に設けられていることが好ましい。
【0083】
また、発光素子12は、第1の電極13が陽極として機能し、第2の電極14が陰極として機能する構成であってもよいし、或いは第1の電極13が陰極として機能し、第2の電極14が陽極として機能する構成であってもよい。但し、前者の場合、トランジスタ11はPチャネル型トランジスタであり、後者の場合、トランジスタ11はNチャネル型トランジスタである。
【0084】
(実施の形態6)
本発明を適用した発光装置はムラが少なく良好な画像等を提供出来るものであるため、そのような発光装置を備えた電子機器においても、良好な画像等を得ることがきる。
【0085】
本発明を適用した発光装置を実装した電子機器の一実施例を図8に示す。
【0086】
図8(A)は、本発明を適用して作製したノート型のパーソナルコンピュータであり、本体5521、筐体5522、表示部5523、キーボード5524などによって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことでパーソナルコンピュータを完成できる。
【0087】
図8(B)は、本発明を適用して作製した携帯電話であり、本体5552には表示部5551と、音声出力部5554、音声入力部5555、操作スイッチ5556、5557、アンテナ5553等によって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことでパーソナルコンピュータを完成できる。
【0088】
図8(C)は、本発明を適用して作製したテレビ受像機であり、表示部5531、筐体5532、スピーカー5533などによって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことでテレビ受像機を完成できる。
【0089】
以上のように本発明の発光装置は、各種電子機器の表示部として用いるのに非常に適している。
【0090】
なお、本形態では、ノート型のパーソナルコンピュータについて述べているが、この他に携帯電話、カーナビゲイション、或いは照明機器等に本発明の発光素子を有する発光装置を実装しても構わない。
【実施例1】
【0091】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0092】
電極の作製 : ITO(インジウム錫酸化物)電極をガラス基板上にスパッタ法を用いて成膜する。アルミニウム電極をガラス基板上に蒸着法を用いて成膜する。
【0093】
高分子ゲルの作製 : アクリルアミド(10%以上)を架橋剤であるN,N´−メチレンビスアクリルアミド(5%以上)の存在下、pH7.0になるよう緩衝剤を加えた水溶液中で2.5mM過酸化アンモニウムと7.5mM N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)を重合開始剤として室温でラジカル重合することによりポリアクリルアミドゲルが得られる。
【0094】
素子の作製 : 重合途中の溶液が粘性を帯びた所でITO電極上に塗布し、その上にAl電極を載せる。1日間静置して均一な電極間距離(2〜50μm)を持つ素子aを得る事が出来る。
【0095】
10mM ルブレンを含むDMSO溶液3mlを5分間Arバブリングする。この溶液を乾燥させた素子aに浸透させ、陽極をITO、陰極をAlとして通電することで発光が得られる。
【実施例2】
【0096】
高分子ゲルの作製 : メチルメタクリラート(MMA)と架橋剤であるポリエチレングリコールジメタクリラート(PEGDMA)の存在下、脱水アセトニトリル溶媒中で 2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を重合開始剤として80℃で重合を開始する。
【0097】
素子の作製 : 二枚のITO電極の間にスペーサおよび重合中のポリメチルメタクリラート−ポリエチレングリコールジメタクリラート(PMMA−PEGDMA)ゲル溶液を塗布し、均一に圧力をかけたまま80℃で固定する。これを素子bとする。重合開始から6時間でPMMA−PEGDMAゲルの重合が完了する。素子bを緩やかに室温に戻す。
【0098】
10mM ルブレンを含むフタル酸ジ−n―ブチル溶液3mlを5分間Arバブリングする。この溶液を乾燥させた素子bに浸透させ、通電することで発光が得られる。
【実施例3】
【0099】
高分子ゲルの作製 : ポリエチレン:4−クロロベンゾフェノン:2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジンを150:31:1の割合でトルエン溶液中に溶解させる。このポリマー溶液を室温で実施例2と同様にスペーサを併用して成膜し、高圧水銀灯を用いて所定時間UV照射することでゲル化して素子cを得る。
【0100】
10mM ルブレンを含むジクロロメタン:アセトニトリル混合溶液3mlを5分間Arバブリングする。この溶液を乾燥させた素子cに浸透させ、通電することで発光が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の発光素子について説明する図。
【図2】本発明の発光素子について説明する図。
【図3】本発明を適用した発光装置について説明する図。
【図4】本発明を適用した発光装置に含まれる回路について説明する図。
【図5】本発明を適用した発光装置の上面図。
【図6】本発明を適用した発光装置のフレーム動作について説明する図。
【図7】本発明を適用した発光装置の断面図。
【図8】本発明を適用した電子機器の図。
【符号の説明】
【0102】
100 基板
101 電極
102 電極
103 発光層
104 基板
200 基板
201 電極
202 電極
204 スペーサ
203 発光層
205 基板
6500 基板
6503 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
6504 プリント配線基盤(PWB)
6511 画素部
6512 ソース信号線駆動回路
6513 書込用ゲート信号線駆動回路
6514 消去用ゲート信号線駆動回路
901 トランジスタ
902 トランジスタ
903 発光素子
911 ゲート信号線
912 ソース信号線
913 書込用ゲート信号線駆動回路
914 消去用ゲート信号線駆動回路
915 ソース信号線駆動回路
916 電源
917 電流供給線
918 スイッチ
919 スイッチ
920 スイッチ
1001 トランジスタ
1002 トランジスタ
1003 ゲート信号線
1004 ソース信号線
1005 電流供給線
1006 電極
501 サブフレーム
502 サブフレーム
503 サブフレーム
504 サブフレーム
501a 書き込み期間
501b 保持期間
502a 書き込み期間
502b 保持期間
503a 書き込み期間
503b 保持期間
504a 書き込み期間
504b 保持期間
504c 消去期間
504d 非発光期間
10、20 基板
11 トランジスタ
12 発光素子
13 電極
14 電極
15 発光層
16 第1層間絶縁膜
16a 第1層間絶縁膜
16b 第1層間絶縁膜
16c 第1層間絶縁膜
17 配線
18 隔壁層
19 第2層間絶縁膜
19a 第2層間絶縁膜
19b 第2層間絶縁膜
5521 本体
5522 筐体
5523 表示部
5524 キーボード
5551 表示部
5552 本体
5553 アンテナ
5554 音声出力部
5555 音声入力部
5556 操作スイッチ
5531 表示部
5532 筐体
5533 スピーカー




【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極間に高分子ゲルから成る層を有し、
前記高分子ゲルから成る層には、発光物質を含む溶液が浸潤していること
を特徴とする発光素子。
【請求項2】
請求項1に記載の発光素子において前記高分子ゲルから成る層は、0.5〜50μmの厚さであることを特徴とする発光素子。
【請求項3】
一対の電極間に、
高分子ゲルから成る層と、
スペーサと、
を有し、
前記高分子ゲルから成る層には、発光物質を含む溶液が浸潤していること
を特徴とする発光素子。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の発光素子において、
前記高分子ゲルは、ポリアクリルアミドゲル、ポリメチルメタクリラート−ポリエチレングリコールジメタクリラートのいずれかであること
を特徴とする発光素子。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の発光素子において、前記発光物質はルブレンであることを特徴とする発光素子。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の発光素子を含むことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項6に記載の発光装置を表示部に用いていることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
第1の電極と第2の電極との間に、
前記第1の電極上に形成されたゾルを挟むように、
前記第1の電極が形成された第1の基板と、前記第2の電極が形成された第2の基板とを貼り合わせる工程を有し、
前記工程において、
前記ゾルは、ゲル化が開始したものであること
を特徴とする発光素子の作製方法。
【請求項9】
請求項8に記載の発光素子の作製方法において、前記ゾルは、単量体または重合体のいずれか一または両方を含むことを特徴とする発光素子の作製方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−11403(P2006−11403A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145652(P2005−145652)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】