説明

発光装置

【課題】高出力の発光ダイオードであっても、光量を減らすことなく発光ダイオードの発熱量を抑制し、発光ダイオードの過熱を防止する。
【解決手段】発光装置10は、2以上の発光ダイオード11と、これらの発光ダイオード11を点灯させる点灯回路12とを備える。上記発光ダイオード11は第1発光部11aと第2発光部11bとからなる。また上記点灯回路12は、入力された直流電力を互いに補完する第1及び第2パルス電力として第1及び第2発光部11a,11bにそれぞれ出力するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯回路により発光ダイオード(LED)を点灯する発光装置に関する。更に詳しくは自動車のヘッドライト(前照灯)やデイライト(昼間灯)などに適する発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、複数の発光ダイオードを配列するとともにこれらの発光ダイオードを互いに接続して発光ユニットが構成され、点灯回路が直流電源から直流電力の供給を受けて発光ユニットの発光ダイオードを同時に点灯させる発光装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この発光装置では、点灯回路のスイッチングレギュレータに直流電源から直流電力が入力され、このスイッチングレギュレータが発光ユニットを流れる電流の大きさに応じたスイッチング動作を行うように構成される。またスイッチングレギュレータのスイッチング動作によって得られるパルス電流が平滑化回路により直流に平滑化されて、発光ユニットに供給されるように構成される。このように構成された発光装置では、スイッチングレギュレータと平滑化回路により定電流回路が構成されるので、電流制限用の抵抗を設ける必要がなく、電圧降下による効率の低下が発生せず、高い効率を維持できる。また直流電源の電圧変動や、温度変化による発光ダイオードの電圧降下の変動が発生しても、発光ダイオードに流れる電流が一定値に維持され、適正な負荷状態が保たれるので、十分な発光輝度と高い信頼性が得られるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−68161号公報(請求項1、段落[0006]、段落[0017])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の特許文献1に示された発光装置では、高出力の発光ダイオードを用いた場合、その光量を増すために発光ダイオードに流す電流を増加させると、発光ダイオードの発する熱量が増大し、発光ダイオードが過熱して損傷するおそれがあった。また、上記従来の特許文献1に示された発光装置では、発光ダイオードの接続数量を増やした場合、スイッチングレギュレータにより発光ダイオードに流れる電流が制限されてしまうため、発光ダイオードの輝度、即ち発光ダイオードの発する光量が低下してしまう問題点もあった。本発明の目的は、高出力の発光ダイオードであっても、光量を減らすことなく発光ダイオードの発熱量を抑制でき、発光ダイオードの過熱を防止できる、発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点は、図1に示すように、2以上の発光ダイオード11と、これらの発光ダイオード11を点灯させる点灯回路12とを備えた発光装置の改良である。その特徴ある構成は、発光ダイオード11が第1発光部11aと第2発光部11bとからなり、点灯回路12が、入力された直流電力を互いに補完する第1及び第2パルス電力として第1及び第2発光部11a,11bにそれぞれ出力するように構成されたところにある。この第1の観点の発光装置では、点灯回路12が、入力された直流電力を第1パルス電力に変換して第1発光部11aに出力するので、この第1パルス電力の供給を受けて第1発光部11aが発光して点灯し、点灯回路12が、入力された直流電力を第2パルス電力に変換して第2発光部11bに出力するので、この第2パルス電力の供給を受けて第2発光部11bが発光して点灯する。このとき上記第1及び第2パルス電力は互いに補完して交互に出力されるパルス電力であるため、第1及び第2パルス電力の1周期において、第1パルス電力が第1発光部11aに出力されて第1発光部11aが発光している間は第2パルス電力は第2発光部11bに出力されず第2発光部11bは発光せず、第2パルス電力が第2発光部11bに出力されて第2発光部11bが発光している間は第1パルス電力は第1発光部11aに出力されず第1発光部11bは発光しない。
【0006】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、点灯回路12の入力端子12aに直流電圧が9〜30Vのバッテリに接続され、点灯回路12が、上記バッテリから入力された直流電力を30kHz〜40kHzのパルス電力に変換するスイッチングレギュレータ13と、スイッチングレギュレータ13で変換されたパルス電力を直流電力に変換しかつその電圧を上記入力された直流電力の電圧より降下又は上昇させる平滑回路14と、平滑回路14で降圧又は昇圧された直流電力を60〜100Hzのパルス電力であって互いに補完する第1及び第2パルス電力としてそれぞれ出力するパルス電力出力回路16と、パルス電力出力回路16から出力された第1パルス電力をその電流を制限して第1発光部11aに出力する第1制限抵抗器17aと、パルス電力出力回路16から出力された第2パルス電力をその電流を制限して第2発光部11bに出力する第2制限抵抗器17bとを有することを特徴とする。
【0007】
この第2の観点の発光装置では、先ずスイッチングレギュレータ13により、バッテリから入力された直流電力を30kHz〜40kHzのパルス電力に変換し、このパルス電力の電圧を平滑回路14により平滑化して直流電力とするとともにその電圧を降下又は上昇させる。次にこの降圧又は昇圧された直流電力をパルス電力出力回路16により60〜100Hzのパルス電力であって互いに補完する第1及び第2パルス電力としてそれぞれ交互に出力する。更にこれらの第1及び第2パルス電力を、その電流を第1及び第2制限抵抗器17a,17bにより制限して、第1及び第2発光部11a,11bにそれぞれに出力する。このときパルス電力出力回路16が60〜100Hzの第1パルス電力を第1制限抵抗器17aを通して第1発光部11aに出力するので、この第1パルス電力に基づいて第1発光部11aが第1発光部11aが発光して点灯し、パルス電力出力回路16が60〜100Hzの第2パルス電力を第2制限抵抗器17bを通して第2発光部11bに出力するので、この第2パルス電力に基づいて第2発光部11bが発光して点灯する。上記第1及び第2パルス電力は互いに補完して交互に出力されるパルス電力であるため、第1及び第2パルス電力の1周期において、第1パルス電力が第1発光部11aに出力されて第1発光部11aが発光している間は第2パルス電力は第2発光部11bに出力されず第2発光部11bは発光せず、第2パルス電力が第2発光部11bに出力されて第2発光部11bが発光している間は第1パルス電力は第1発光部11aに出力されず第1発光部11aは発光しない。なお、第1及び第2発光部11a,11bに60〜100Hzの第1及び第2パルス電力を出力すると、厳密には第1及び第2発光部11a,11bは高速で点滅するけれども、第1及び第2発光部11a,11bの発する光が人間の目に非連続光ではなく連続光として映る場合は、本明細書及び特許請求の範囲では『点灯する』ことに含めている。
【0008】
本発明の第3の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、パルス電力出力回路16が、60〜100Hzのパルス電流を出力するタイマ24と、このタイマ24と第1及び第2発光部11a,11bとの間に接続されタイマ24から出力された上記パルス電流に基づいて第1及び第2発光部11a,11bに交互にかつ互いに補完する第1及び第2パルス電力を出力する第1及び第2トランジスタ41,42とを有することを特徴とする。この第3の観点の発光装置では、パルス電力出力回路16のタイマ24が60〜100Hzのパルス電流を出力し、第1及び第2トランジスタ41,42が上記パルス電流に基づいて、上記パルス電流の周波数と同一の周波数であって逆位相である第1パルス電力を、その電流を第1制限抵抗器17aにより制限して、第1発光部11aに出力するとともに、上記パルス電流の周波数と同一の周波数であって同位相である第2パルス電力を、その電流を第2制限抵抗器17bにより制限して、第2発光部11bに出力する。このため第1及び第2パルス電力の1周期において、第1パルス電力が第1発光部11aに出力されて第1発光部11aが発光している間は、第2パルス電力が第2発光部11bに出力されず第2発光部11bは発光せず、第2パルス電力が第2発光部11bに出力されて第2発光部11bが発光している間は、第1パルス電力が第1発光部11aに出力されず第1発光部11aは発光しない。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の観点の発光装置では、発光ダイオードが第1発光部と第2発光部とからなり、点灯回路が、入力された直流電力を互いに補完する第1及び第2パルス電力としてそれぞれ前記第1及び第2発光部にそれぞれ出力するように構成したので、第1及び第2発光部に直流電力を出力する場合と比べ、第1及び第2発光部に電流が間欠的に流れることにより、第1及び第2発光部の発熱を抑制できる。また第1及び第2発光部に同時にパルス電力を出力する場合と比較し、点灯回路から出力されるパルス電圧を同一とすると、点灯回路から出力されるパルス電流が少なくなるので、消費電力を少なくでき、点灯回路から出力されるパルス電流を同一とすると、点灯回路から出力されるパルス電圧を高くすることができるので、第1及び第2発光部の輝度をそれぞれ高くすることができる。更に第1及び第2発光部における発光ダイオードの接続数量を増やした状態で、第1及び第2発光部に同時にパルス電力を出力すると、これらの発光部で必要とする電力が入力電力を超えるおそれがあるため、各発光部に流れる電流が少なくなって、各発光部の輝度が低下してしまうのに対し、本発明では第1及び第2発光部における発光ダイオードの接続数量を増やしても、これらの発光部で必要とする電力が入力電力を超えるおそれが少ないため、各発光部に流れる電流が低下せず、各発光部の輝度が低下するのを防止できる。従って、高出力の発光ダイオードであっても、その発光ダイオードの第1及び第2発光部に最適なパルス電力を効率良く出力できるので、第1及び第2発光部の光量を減らすことなく発熱量を抑制でき、第1及び第2発光部の過熱を防止できる。
【0010】
本発明の第2の観点の発光装置では、点灯回路のスイッチングレギュレータが直流電圧9〜30Vのバッテリから入力された直流電力を30kHz〜40kHzのパルス電力に変換し、このパルス電力を平滑回路が直流電力に変換するとともにその電圧を降下又は上昇させ、この降圧又は昇圧された直流電力をパルス電力出力回路が60〜100Hzのパルス電力であって互いに補完する第1及び第2パルス電力としてそれぞれ出力し、更に第1及び第2パルス電力の電流を第1及び第2制限抵抗器が制限して第1及び第2発光部に第1及び第2パルス電力をそれぞれ出力したので、点灯回路に入力された直流電力の電圧が高い場合に、この直流電力の電圧をスイッチングレギュレータ及び平滑回路で降圧した直流電力に変換でき、第1及び第2発光部に過大なパルス電圧が印加されることなく、所定のパルス電圧を印加できる。この結果、第1及び第2発光部の損傷を防止できる。また点灯回路に入力された直流電力の電圧が低い場合には、この直流電力の電圧をスイッチングレギュレータ及び平滑回路で昇圧した直流電力に変換できるので、第1及び第2発光部に低いパルス電圧が印加されることなく、所定のパルス電圧を印加できる。この結果、第1及び第2発光部が所定の輝度で発光する。従って、点灯回路に入力された直流電力の電圧が一定せず不安定であっても、点灯回路により第1及び第2発光部に安定したパルス電力を供給できるので、第1及び第2発光部の光量を減らすことなく、また第1及び第2発光部を過熱させることなく、第1及び第2発光部を所定の輝度で発光させることができる。
【0011】
本発明の第3の観点の発光装置では、パルス電力出力回路が、60〜100Hzのパルス電流を出力するタイマと、このタイマと第1及び第2発光部との間に接続されタイマから出力された上記パルス電流に基づいて第1及び第2発光部に交互にかつ互いに補完する第1及び第2パルス電力を出力する第1及び第2トランジスタとを有するので、第1及び第2パルス電力の1周期において、第1パルス電力が第1発光部に出力されて第1発光部が発光している間は、第2パルス電力が第2発光部に出力されず第2発光部は発光せず、第2パルス電力が第2発光部に出力されて第2発光部が発光している間は、第1パルス電力が第1発光部に出力されず第1発光部は発光しない。この結果、上記と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明第1実施形態及び実施例1の発光装置の点灯回路図である。
【図2】その発光装置のスイッチングレギュレータの回路ブロック線図である。
【図3】その発光装置のパルス電力出力回路の回路ブロック線図である。
【図4】そのスイッチングレギュレータにより変換されたパルス電力のパルス電圧とパルス電流の位相差を示す図である。
【図5】その発光装置の発光ダイオードとレンズと放熱部材を含む要部断面図である。
【図6】図1のS2点に流れるパルス電流と、第1及び第2発光部に流れるパルス電流をそれぞれ示す図である。
【図7】発光ダイオードを左右のデイライトとして用いた状態を示す自動車の要部平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示す図7に対応する自動車の要部平面図である。
【図9】本発明第3実施形態の発光装置の点灯回路図である。
【図10】発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数が高くなるに従って、発光ダイオードの発熱量が増加する理由を示すオシロスコープ写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1及び図7に示すように、発光装置10は、12個の発光ダイオード11と、これらの発光ダイオード11を点灯させる点灯回路12とを備える。12個のダイオード11のうち、6個の発光ダイオード11により第1発光部11aが構成され、残りの6個の発光ダイオード11により第2発光部11bが構成される。この実施の形態では、第1発光部11aは自動車20の右側のデイライト20aとして用いられ、第2発光部11bは自動車20の左側のデイライト20bとして用いられる。第1及び第2発光部11a,11bとも同一の定格仕様を有する高出力の発光ダイオードであり、例えば、日亜化学工業社製の白色チップタイプLED:NCCW022Sが用いられる。なお、図1では、第1及び第2発光部11a,11bとして、1個ずつの発光ダイオードを代表して示している。また、この実施の形態では、点灯回路に発光ダイオードを第1及び第2発光部としてそれぞれ6個ずつ接続したが、発光ダイオードを第1及び第2発光部としてそれぞれ1個ずつ、2〜5個ずつ又は7個ずつ以上接続してもよい。発光ダイオードを第1及び第2発光部としてそれぞれ2個ずつ以上接続する場合、これらのダイオードを直列又は並列に接続してもよく、或いは直列に接続したものを更に並列に接続してもよい。
【0014】
図1に詳しく示すように、点灯回路12の入力端子12aには直流電圧が9〜30Vのバッテリ(図示せず)が接続される。点灯回路12は、バッテリから入力された直流電力を30kHz〜40kHzのパルス電力に変換するスイッチングレギュレータ13と、スイッチングレギュレータ13で変換されたパルス電力を直流電力に変換しかつその電圧を降下させる平滑回路14と、平滑回路14で降圧された直流電力を60〜100Hzのパルス電力であって互いに補完する第1及び第2パルス電力としてそれぞれ出力するパルス電力出力回路16と、このパルス電力出力回路16から出力された第1パルス電力をその電流を制限して第1発光部11aに出力する第1制限抵抗器17aと、パルス電力出力回路16から出力された第2パルス電力をその電流を制限して第2発光部11bに出力する第2制限抵抗器17bとを有する。ここで、バッテリの直流電圧を9〜30Vの範囲に限定したのは、主に乗用車やトラック等の自動車20に搭載されたバッテリを考慮したものである。またバッテリの入力電力は5〜15Wであることが好ましい。
【0015】
一方、スイッチングレギュレータ13は、この実施の形態では、8ピン(端子X1〜X8)のSOP(Small Outline Package)に収容され、基準電圧比較ブロックと、発振回路ブロックと、スイッチングブロックとからなる(図2)。ここで、図2に示すスイッチングレギュレータ13の8つの端子X1〜X8は、図1に示すスイッチングレギュレータ13の8つの端子X1〜X8に対応する。基準電圧比較ブロックでは、基準電圧発生器13aで1.25Vの基準電圧を発生させ、出力電圧を分圧した比較電圧が基準電圧より低いか又は高いかを電圧比較器13bで検出し、比較電圧が基準電圧より低ければ入力から電力を送り込み、高ければ出力への電力を抑制するように構成される。また発振回路ブロックでは、発振器13cの出力がスイッチング制御用のフリップフロップ13dに伝えられて、スイッチングトランジスタ13eを駆動するように構成される。更にスイッチングブロックでは、スイッチングトランジスタ13eが電圧比較器13bの出力及び発振器の出力により制御されて、30kHz〜40kHz、好ましくは36kHzの周波数のパルス電力を出力するように構成される。なお、発振器13cは過電流検出抵抗器18の電圧を検出して過電流状態のときに発振動作を抑止してスイッチングトランジスタ13eの破損を防止するとともに、一端がスイッチングレギュレータ13の端子X3に接続され他端が接地されたタイミングコンデンサ19により発振周波数(スイッチング周波数)を変化させることができるようになっている。また上記パルス電力の周波数はスイッチングレギュレータ13の端子X3とタイミングコンデンサ19との間のS1点(図1)で測定したものである。ここで、スイッチングレギュレータ13により変換されたパルス電力の周波数を30kHz〜40kHzの範囲に限定したのは、パルス電力出力回路16によるパルス電力のパルス幅の調整を行い易くするためである。過電流検出抵抗器18の抵抗値はこの実施の形態では0.2Ωであり、タイミングコンデンサ19の静電容量はこの実施の形態では1000pFである。また図1中の符号21は静電容量100μFの電解コンデンサであり、符号22はバリスタ(サージアブソーバ)であり、符号23はダイオードである。更にスイッチングレギュレータ13により変換されたパルス電力のパルス電圧とパルス電流との位相差は±π/2の範囲内で設定でき、この実施の形態では、図4に示すように、鋸歯形のパルス電流を鋸歯形のパルス電圧に対して約π/2程度位相を進ませている。
【0016】
平滑回路14は、一端がスイッチングレギュレータ13の電圧比較器13bの比較電圧入力に端子X5を介して接続され他端が平滑用コンデンサ14cを介して接地された第1抵抗器14aと、一端が上記電圧比較器13bの比較電圧入力に端子X5を介して接続され他端が接地された第2抵抗器14bと、一端がスイッチングレギュレータ13のスイッチングトランジスタ13eのエミッタに端子X2を介して接続され他端が平滑用コンデンサ14cに接続された平滑用コイル14dと、一端が上記スイッチングトランジスタ13eのエミッタに端子X2を介して接続され他端が接地されたショットキーダイオード14eとを有する。上記第1抵抗器14aの抵抗値は3.0kΩ〜9.0kΩ、好ましくは3.5kΩ〜8.5kΩに設定され、第2抵抗器14bの抵抗値は1.0kΩ〜2.0kΩ、好ましくは1.0kΩ〜1.8kΩに設定され、第1抵抗器14aの抵抗値に対する第2抵抗器14bの抵抗値の比は1.5〜9.0、好ましくは2.0〜7.0に設定される。上記平滑用コンデンサ14c及び平滑用コイル14dはスイッチングレギュレータ13から出力されたパルス電力を平滑化して直流電力にするためのLC回路の構成部品であり、この実施の形態では、平滑用コイル14cのインダクタンスは220μHに設定され、平滑用コンデンサ14dの静電容量は220μFに設定される。また第1及び第2抵抗器14a,14bは上記平滑化された直流電力の電圧を5〜12V、好ましくは6〜9Vに降下させるための構成部品である。ここで、第1抵抗器14aの抵抗値を3.0kΩ〜9.0kΩの範囲内に限定し、第2抵抗器14bの抵抗値を1.0kΩ〜2.0kΩの範囲内に限定し、更に第1抵抗器14aの抵抗値に対する第2抵抗器14bの抵抗値の比を1.5〜9.0の範囲内に限定したのは、平滑回路14で平滑化された直流電力の電圧を上記5〜12V、好ましくは6〜9Vに降下させるためである。また平滑回路14で平滑化された直流電力の電圧を5〜12Vの範囲内に限定したのは、5V未満では発光ダイオードの発光量が不足してしまい、12Vを越えると発光ダイオードの発熱量が過大になってしまうからである。
【0017】
パルス電力出力回路16は、60〜100Hzのパルス電流を出力するタイマ24と、タイマ24に接続された第1及び第2パルス幅調整用抵抗器31,32と、タイマ24に接続されたパルス幅調整用コンデンサ26と、タイマ24と第1及び第2発光部11a,11bとの間に接続されタイマ24から出力された上記パルス電流に基づいて第1及び第2発光部11a,11bに交互にかつ互いに補完する第1及び第2パルス電力を出力する第1及び第2トランジスタ41,42とを有する。上記タイマ24は、この実施の形態では、8ピン(端子Y1〜Y8)のSOP(Small Outline Package)に収容されたNE555というICにより構成される。また図3に示すタイマ24の8つの端子Y1〜Y8は、図1に示すタイマ24の8つの端子Y1〜Y8に対応する。タイマ24は、第1及び第2電圧比較器24a,24bと、フリップフロップ24cと、放電用トランジスタ24dと、3つの抵抗器24e,24f,24gとを有する(図3)。3つの抵抗器24e,24f,24gは直列に接続され、端子Y8に印加されるパルス電圧(以下、Y8電圧という)が3分割される。即ち、第1電圧比較器24aのプラス入力端子にY8電圧の1/3の電圧が印加され、第2電圧比較器24bのマイナス端子にY8電圧の2/3の電圧が印加される。また端子Y2(trigger)に印加されるパルス電圧がY8電圧の1/3以下になると、フリップフロップ24cのS端子がHレベルになってフリップフロップ24cがセット状態になるように構成される。更に端子Y6(threshold)に印加されるパルス電圧がY8電圧の2/3以上になると、フリップフロップ24cのR端子がHレベルになってフリップフロップ24cがセット状態になるように構成される。
【0018】
一方、第1パルス幅調整用抵抗器31はタイマ24の端子Y4と端子Y7との間に接続され、第2パルス幅調整用抵抗器32はタイマの端子Y7と端子Y2との間に接続される。またパルス幅調整用コンデンサ26の一端はタイマ24の端子Y2に接続され、他端は接地される。第1トランジスタ41のベースは抵抗器33を介してタイマ24の端子Y3に接続され、また第2トランジスタ42のベースは抵抗器36,34を介してタイマ24の端子Y8に接続される。第1トランジスタ41のコレクタは第2発光部11bに接続されるとともに抵抗器33及び抵抗器34間の回路に接続され、第2トランジスタ42のコレクタは第1発光部11aに接続されるとともに抵抗器33と抵抗器34とを接続する回路に接続される。更に第1トランジスタ41のエミッタ及び第2トランジスタ42のエミッタはそれぞれ接地される。上記のようにパルス電力出力回路16を構成すると、タイマ24の端子Y3から60〜100Hz、好ましくは70〜90Hz、更に好ましくは80Hzの所定の矩形波状のパルス電流が第1トランジスタのベース及びエミッタ間に流れることにより、60〜100Hz、好ましくは70〜90Hz、更に好ましくは80Hzの互いに補完する第1及び第2パルス電力が第1及び第2発光部11a,11bにそれぞれ出力される。ここで、パルス電力出力回路16から出力される第1及び第2パルス電力の周波数を60〜100Hzの範囲内に限定したのは、60Hz未満では第1及び第2発光部11a,11bの発する光が非連続光として目に映ってしまい、100Hzを越えると第1及び第2発光部11a,11bの発熱を抑える効果が薄れてしまうからである。
【0019】
一方、「新労働衛生ハンドブック」(発行:財団法人 労働科学研究所、以下、文献1という)の第643頁左欄4行目〜6行目には、『光を断続させて、それが連続光としてみえるか、断続光としてみえるかの境いめの弁別いき値をそのときの断続回数(Hz)で示したものが、フリッカー値(ちらつき値)である。』と記載されている。上記文献1の第643頁左欄下から8行目〜下から7行目には、『光断続頻度が20〜50Hzの範囲をスムーズに毎秒1Hz前後の速さで変化し、明滅比を1:1とする。』と記載されている。また、「携帯用フリッカー測定器の試作について」(産業医学 22巻,Jap.J.Ind.Health,Vol.22,1980、以下、文献2という)の第54頁左欄の「IC−携帯用フリッカー測定器のブロックダイアグラム」2行目〜8行目には、『ブロックダイアグラムにおいて、27〜55Hz発振器は、27〜55Hzの矩形波を発生し、ちらつきの規準周波数を作る。周波数調整器は、発振器の周波数を変える部分であり、可変抵抗器は回路に含むFig.2の周波数変化用つまみ(2)と連動している。中心光源駆動回路は、発振器からの矩形波によりちらつき視標の発光ダイオードを点滅比1:1で点滅させる。』と記載されている。上記文献2の第55頁左欄のFig.3のグラフの縦軸には、Flicker value(フリッカー値)が42〜50Hzの範囲で目盛られており、第55頁右欄4行目〜5行目には、『フリッカー値の平均値は、44.9Hz、個々の値の限界値は42.0Hzと47.6Hzであった。』と記載されている。また、「障害者の高齢化と疲労に関する基礎的研究」(発行:日本障害者雇用促進協会障害者職業総合センター、以下、文献3という)の第70頁の図5−10のグラフの横軸及び縦軸には、作業前及び作業後のフリッカー値が30〜46c/s(Hz)の範囲で目盛られており、第68頁20行目〜27行目には、『図5−10に示した作業前と作業後のフリッカー値を、17歳〜30歳グループと55歳〜69歳グループの2グループに区分して比較検討した場合、その特徴は、55歳〜69歳の高齢者は、作業前後とも17歳〜30歳の若年齢者に比べてフリッカー値が低いレベルにある、作業前後の関係についてみると、疲労が顕著である場合、グラフ上の原点方向へ片寄りがみられるはずであるが、若年齢層、高年齢層のいずれもそのような分布とはなっていないことがみてとれる。若年齢層と高年齢層のフリッカー値の分散をみてみると、若年齢層に比べて高年齢層で大きいことがわかる。』と記載されている。更に、「調理過程における疲労自覚とフリッカー値の変化」(以下、文献4という)の第90頁の図8のグラフの縦軸には、フリッカー値が31〜37の範囲で目盛られている。ここで、文献4の図8の縦軸には単位は記載されていないけれども、フリッカー値の定義が『光を断続させて、それが連続光としてみえるか、断続光としてみえるかの境いめの弁別いき値をそのときの断続回数(Hz)で示したものが、フリッカー値(ちらつき値)である。』であることからすると、文献4の図8の縦軸のフリッカー値31〜37の単位は『Hz』であると考えられる。上記文献4の第90頁左欄7行目〜12行目には、『前夜の睡眠時間によるフリッカー値の比較を図8に示した。1回目実習では睡眠の少ない群は多い群より有意に低い数値で推移した。2回目実習では統計的に有意ではないものの睡眠時間が少ない場合に低い値をとる傾向が見られた。』と記載されている。上記文献1〜4から明らかなように、フリッカー測定器のフリッカー値の最大値が55Hzであり、十分に睡眠をとった若年齢層であっても、フリッカー値(ちらつき値)は55Hz以下である。従って、パルス電力出力回路16から出力される第1及び第2パルス電力の周波数を60Hz以上とすれば、十分に睡眠をとった若年齢層であっても『ちらつき』を感ずることはない。
【0020】
なお、パルス電力出力回路16から出力される第1及び第2パルス電力の周波数を80Hzに調整する場合には、第1及び第2パルス幅調整用抵抗器31,32の抵抗値はそれぞれ1kΩ及び91kΩに設定され、パルス幅調整用コンデンサ26の静電容量は0.1μFに調整される。また一端がタイマ24のY5に接続され他端が接地されたコンデンサ27の静電容量は0.1μFに設定され、抵抗器33,34,36の抵抗値は2kΩ、1.5kΩ、1.5kΩにそれぞれ設定される。更にパルス電力出力回路16から出力される第1及び第2パルス電力のデューティ比は50%に設定される。ここで、デューティ比とは、パルス電力出力回路16から出力された第1及び第2パルス電力の1周期の幅に対するハイパルス側の幅の比率を百分率で表した値をいう。
【0021】
一方、第1発光部11aのアノードはタイマ24の端子Y8に接続され、第1発光部11aのカソードは第1制限抵抗器17aを介して第2トランジスタ42のコレクタに接続され、第2発光部11bのアノードはタイマ24の端子Y8に接続され、第2発光部11bのカソードは第2制限抵抗器17bを介して第2トランジスタ42のコレクタに接続される。上記第1及び第2制限抵抗器17a,17bの抵抗値はそれぞれ1.0Ω〜100.0Ω、好ましくは1.0Ω〜40.0Ωに設定される。ここで、第1及び第2制限抵抗器17a,17bの抵抗値をそれぞれ1.0Ω〜100.0Ωの範囲内に限定したのは、1.0Ω未満では第1及び第2発光部に多くの電流が流れて第1及び第2発光部の発熱量が過大になってしまい、100.0Ωを越えると第1及び第2制限抵抗器自体の発熱量が過大になってしまうからである。
【0022】
図5に示すように、第1及び第2発光部11a,11bは、発光素子を内蔵した基部11cと、基部11cの表面に取付けられた第1レンズ11dと、基部11cの裏面に取付けられた第1放熱部材11eとをそれぞれ有する。第1及び第2発光部11a,11bは第2放熱部材52にそれぞれ取付けられる。第2放熱部材52は、大径の円柱状に形成された大径部52aと、大径部52aより小径の円柱状に形成された小径部52bとからなる。大径部52aの外周面には所定の間隔をあけて大径部52aの中心線方向に延びる複数の放熱溝52cが形成され、小径部52bには上記第1及び第2発光部11a,11bが挿着される凹部52dがそれぞれ形成される。第1及び第2発光部11a,11bが上記凹部52dにそれぞれ挿着された後に、小径部52bに透明アクリル製の第2レンズ62が嵌着される。また第2放熱部材52の大径部52aはベース部材53の穴53aに挿着される。穴53aは所定の間隔をあけて第1及び第2発光部11a,11bの数だけベース部材53に形成される。第1放熱部材11eとしては、アルマイト処理されたアルミ板等の熱伝導性の良好な金属板が用いられ、第2放熱部材52及びベース部材53は高熱伝導性樹脂により形成されることができる。この高熱伝導性樹脂としては、PP(ポリプロピレン)及びPA6(Polyamide 6)に、グラファイト粉を主とするフィラーを充填したものを用いることが好ましい。また第2放熱部材52の大径部52aをベース部材53の穴53aに挿着する直前に、大径部52aの外周面又は穴の内周面のいずれか一方又は双方に塩化メチルを塗布することが好ましい。これは、第2放熱部材52とベース部材53とが塩化メチルの化学重合反応により接着され、この接着後、塩化メチルが蒸発してしまうため、第2放熱部材52及びベース部材53の接着部の熱伝導性が低下しない。この結果、第1及び第2発光部11a,11bの発した熱が第2放熱部材52及びベース部材53の接着部をスムーズに伝わって放散されるという効果を奏する。なお、放熱溝52c内を含む第2放熱部材52の外周面にクロムめっき等(樹脂表面への金属めっき)を施すとともに、穴53a内周面を含むベース部材53の全面にクロムめっき等(樹脂表面への金属めっき)を施した後に、第2放熱部材52の大径部52aをベース部材53の穴53aに挿入してもよい。この場合、大径部52aとベース部材53の接触部の熱伝導性が低下せず、かえって熱伝導性が向上するため、第1及び第2発光部11a,11bの発した熱が第2放熱部材52及びベース部材53の接触部をスムーズに伝わって放散されるという効果を奏する。なお、この場合、塩化メチルは用いずに、バンドやビス等を用いて第2放熱部材52がベース部材53に固定される。
【0023】
このように構成された発光装置10の動作を説明する。先ずバッテリが出力した直流電力(例えば、電圧12V)が点灯回路12の入力端子12aからスイッチングレギュレータ13に入力され、このスイッチングレギュレータ13により30kHz〜40kHz、好ましくは36kHzのパルス電力に変換される。次にこのパルス電力の電圧が平滑回路14により平滑化されて直流電力にされるとともに、その直流電力の電圧が5〜12V、好ましくは6〜9Vまで降下される。具体的には、スイッチングレギュレータ13から出力された上記パルス電力が平滑回路14により平滑化されて直流電力に変換されるけれども、この直流電力の電圧は第1及び第2抵抗器14a,14b間の回路からスイッチングレギュレータ13の端子X5にフィードバックされる。このフィードバックされた直流電力の電圧が、設定された直流電力の電圧(5〜12V、好ましくは6〜9V)より高い場合には、スイッチングレギュレータ13がパルス電力のパルス波の間隔を広げて平滑回路14に出力し、フィードバックされた直流電力の電圧が、設定された直流電力の電圧(5〜12V、好ましくは6〜9V)より低い場合には、スイッチングレギュレータ13がパルス電力のパルス波の間隔を狭めて平滑回路14に出力することにより、平滑回路14からパルス電力出力回路16に出力される直流電力の電圧を一定に保つ。
【0024】
更に平滑回路14から出力された直流電力は、パルス電力出力回路16により60〜100Hzのパルス電力であって互いに補完する第1及び第2パルス電力として第1及び第2発光部に交互に出力される。具体的には、タイマ24の端子Y3から第1トランジスタ41のベース及びエミッタ間に図6(a)に示す矩形波状のパルス電流が流れる(この電流は図1のS2点で測定した電流である。)。第1トランジスタ41のベース及びエミッタ間に矩形波状のパルス電流が流れている間、即ち図6(a)のT1秒の間、第1トランジスタ41のコレクタ及びエミッタ間には大電流が、抵抗器34を設けた回路と、第2発光部11b及び第2制限抵抗器17bを設けた回路を通って流れる。このため第2発光部11bには比較的大きな電流が流れるので、第2発光部11bは発光して点灯する。しかし、このとき第2トランジスタ42のベース及びエミッタ間には電流が流れないので、第2トランジスタ42のコレクタ及びエミッタ間には電流が流れず、第1発光部11aは発光せず消灯している。一方、第1トランジスタ41のベース及びエミッタ間に矩形波状のパルス電流が流れない間、即ち図6(a)のT2秒の間、第1トランジスタ41のコレクタ及びエミッタ間には電流が流れない。このため第2発光部11bには電流が流れないので、第2発光部11bは発光せず消灯している。しかし、このとき第2トランジスタ42のベース及びエミッタ間には抵抗器34,36を通って電流が流れるので、第1トランジスタ41のコレクタ及びエミッタ間に大電流が流れる。このため第1発光部11aに比較的大きな電流が流れるので、第1発光部11aは発光して点灯する。なお、第1発光部11aに流れる電流は図6(c)に示すような矩形波状のパルス電流となり、第2発光部11bに流れる電流は図6(b)に示すような矩形波状のパルス電流となる。また、図6(a)のT1秒とT2秒は同一である。
【0025】
換言すれば、パルス電力出力回路16が60〜100Hzの第1パルス電力を第1制限抵抗器17aを通して第1発光部11aに出力するので、この第1パルス電力の供給を受けて第1発光部11aが発光して点灯し、パルス電力出力回路16が60〜100Hzの第2パルス電力を第2制限抵抗器17bを通して第2発光部11bに出力するので、この第2パルス電力の供給を受けて第2発光部11bが発光して点灯する。このとき上記第1及び第2パルス電力は互いに補完して交互に出力されるパルス電力であるため、第1及び第2パルス電力の1周期において、第1パルス電力が第1発光部11aに出力されて第1発光部11aが発光している間は第2パルス電力は第2発光部11bに出力されず第2発光部11bは発光せず、第2パルス電力が第2発光部11bに出力されて第2発光部11bが発光している間は第1パルス電力は第1発光部11aに出力されず第1発光部11aは発光しない。
【0026】
更に換言すれば、パルス電力出力回路16のタイマ24が60〜100Hzのパルス電流を出力し、第1及び第2トランジスタ41,42が上記パルス電流に基づいて、上記パルス電流の周波数と同一の周波数であって逆位相である第1パルス電力を、その電流を第1制限抵抗器17aにより制限して、第1発光部11aに出力するとともに、上記パルス電流の周波数と同一の周波数であって同位相である第2パルス電力を、その電流を第2制限抵抗器17bにより制限して、第2発光部11bに出力する。このため第1及び第2パルス電力の1周期において、第1パルス電力が第1発光部11aに出力されて第1発光部11aが発光している間は、第2パルス電力が第2発光部11bに出力されず第2発光部11bは発光せず、第2パルス電力が第2発光部11bに出力されて第2発光部11bが発光している間は、第1パルス電力が第1発光部11aに出力されず第1発光部11aは発光しない。
【0027】
従って、第1及び第2発光部11a,11bに直流電力を出力する場合と比べ、第1及び第2発光部11a,11bが発する光が非連続光ではなく連続光として目に映るとともに、第1及び第2発光部11a,11bの発熱を抑制できる。また第1及び第2発光部11a,11bに同時に60〜100Hzのパルス電力を出力する場合と比較し、点灯回路12から出力されるパルス電圧を同一とすると、点灯回路12から出力されるパルス電流が少なくなるので、消費電力を少なくでき、点灯回路12から出力されるパルス電流を同一とすると、点灯回路12から出力されるパルス電圧を高くすることができるので、第1及び第2発光部11a,11bの輝度をそれぞれ高くすることができる。更に第1及び第2発光部11a,11bにおける発光ダイオードの接続数量をそれぞれ増やした状態で、第1及び第2発光部11a,11bに同時に60〜100Hzのパルス電力を出力すると、これらの発光部11a,11bで必要とする電力がスイッチングレギュレータ13により制限されるおそれがあるため、各発光部11a,11bに流れる電流が少なくなって、各発光部11a,11bの輝度が低下してしまうのに対し、本発明では第1及び第2発光部11a,11bにおける発光ダイオードの接続数量を増やしても、これらの発光部11a,11bで必要とする電力がスイッチングレギュレータ13により制限されるおそれが少ないため、各発光部11a,11bに流れる電流が減少せず、各発光部11a,11bの輝度が低下するのを防止できる。上述のことから、点灯回路12に入力された直流電力の電圧が一定せず不安定であっても、点灯回路12により第1及び第2発光部11a,11bに安定したパルス電力を交互に供給できるので、第1及び第2発光部11a,11bの光量を減らすことなく、また第1及び第2発光部11a,11bを過熱させることなく、第1及び第2発光部11a,11bを所定の輝度で発光させることができる。
【0028】
<第2の実施の形態>
図8は本発明の第2の実施の形態を示し、図8において図7と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、第1及び第2発光部61a,61bがそれぞれ複数の発光ダイオード11からなり、第1発光部61aが自動車20の右側のデイライト20a及び左側のデイライト20bのそれぞれ一部として用いられ、第2発光部61bが自動車20の右側のデイライト20a及び左側のデイライト20bの残部として用いられる。具体的には、自動車20の右側のデイライト20aに6個の発光ダイオード11が用いられ、左側のデイライト20bに6個のダイオードが用いられる。そして、第1発光部61aは、自動車20の右側のデイライト20aに用いられた3個の発光ダイオード11と、左側のデイライト20bに用いられた3個の発光ダイオード11とからなり、第2発光部61bは、自動車20の右側のデイライト20aに用いられた3個の発光ダイオードと、左側のデイライト20bに用いられた3個の発光ダイオードとからなる。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。このように構成された発光装置では、自動車の左右のデイライトが第1の実施の形態のデイライトより均等に発光する。上記以外の動作は第1の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0029】
<第3の実施の形態>
図9は本発明の第3の実施の形態の発光装置80を示し、この発光装置80は、第1及び第2発光部11a,11bとして、多数の(例えば左右7個ずつ以上)の発光ダイオードをそれぞれ用いてバッテリからの電圧を上昇させる必要のある場合の車両のデイライト(昼間灯)や、数百個或いは数千個単位の発光ダイオードを用いる電光掲示板等のディスプレイ装置などに適する。但し、図9において、第1及び第2発光部11a,11bとして、1個ずつの発光ダイオードを代表して示している。また図9において図1と同一符号は同一部品を示す。なお、この実施の形態のスイッチングレギュレータ13は第1の実施の形態のスイッチングレギュレータと同一であるので、第1の実施の形態で用いた図2をこの実施の形態の説明においてそのまま用いた。この実施の形態では、平滑回路84が、スイッチングレギュレータ13で変換されたパルス電力を直流電力に変換するとともにその電圧を入力された直流電力の電圧より上昇させ、パルス電力出力回路16が上記平滑回路84で昇圧された直流電力を60〜100Hzのパルス電力であって互いに補完する第1及び第2パルス電力としてそれぞれ出力するように構成される。平滑回路84は、スイッチングレギュレータ13の端子X1と端子X8との間に接続された増幅用コイル84cと、一端が増幅用コイル84cに接続され他端が第1及び第2抵抗器84a,84bを介して接地されたショットキーダイオード84dと、一端がショットキーダイオード84dに接続され他端が接地された平滑用コンデンサ84eとを有する。増幅用コイル84cの一端は抵抗器84f及び端子X8を介してスイッチングレギュレータ13の2つのスイッチングトランジスタ13e,13eの一方のコレクタに接続され、増幅用コイル84cの他端は端子X1を介して2つのスイッチングトランジスタ13e,13eの他方のコレクタに接続される(図2及び図9)。上記第1抵抗器84aの抵抗値は例えば46kΩに設定され、第2抵抗器84bの抵抗値は例えば2kΩに設定され、抵抗器84fの抵抗値は例えば180Ωに設定される。
【0030】
上記増幅用コイル84cはスイッチングレギュレータ13で変換されたパルス電力の電圧を増幅するために設けられ、ショットキーダイオード84dはこの電圧が増幅されたパルス電力を整流するために設けられ、平滑用コンデンサ84eはこの整流されたパルス電力を平滑化して直流電力にするために設けられる。点灯回路82の入力端子12aにはバッテリの直流電源が接続され、その直流電圧を例えば14Vとする。また増幅用コイル84cのインダクタンスは例えば180μHに設定され、平滑用コンデンサ84eの静電容量は例えば150μFに設定される。更に過電流検出抵抗器18の抵抗値は例えば0.22Ωに設定され、タイミングコンデンサ19の静電容量は例えば1500pFに設定される。上記のように直流電源から入力される直流電圧を14Vとすると、スイッチングレギュレータ13で30kHz〜40kHzのパルス電力に変換された後に平滑回路84で平滑化された直流電力の電圧は30Vに上昇する。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0031】
このように構成された発光装置80の動作を説明する。先ずバッテリが出力した直流電力(例えば、電圧14V)が点灯回路82の入力端子12aからスイッチングレギュレータ13に入力され、このスイッチングレギュレータ13により30kHz〜40kHz、好ましくは36kHzのパルス電力に変換される。次にこのパルス電力の電圧が平滑回路84により平滑化されて直流電力にされるとともに、その直流電力の電圧が例えば30Vまで昇圧される。具体的には、スイッチングレギュレータ13で変換されたパルス電力の電圧が増幅用コイル84cにより増幅され、この電圧が増幅されたパルス電力がショットキーダイオード84dにより整流され、更にこの整流されたパルス電力が平滑用コンデンサ84eにより平滑化される。なお、この平滑化された直流電力の電圧は、上記入力された直流電力の電圧より高くなる。また、上記平滑化された直流電力の電圧は第1及び第2抵抗器14a,14b間の回路からスイッチングレギュレータ13の端子X5にフィードバックされる。このフィードバックされた直流電力の電圧が、設定された直流電力の電圧(30V)より高い場合には、スイッチングレギュレータ13がパルス電力のパルス波の間隔を広げて平滑回路84に出力し、フィードバックされた直流電力の電圧が、設定された直流電力の電圧(30V)より低い場合には、スイッチングレギュレータ13がパルス電力のパルス波の間隔を狭めて平滑回路84に出力することにより、平滑回路84からパルス電力出力回路16に出力される直流電力の電圧を一定に保つ。上記平滑回路84から出力された直流電力は、パルス電力出力回路16により60〜100Hzのパルス電力であって互いに補完する第1及び第2パルス電力として第1及び第2発光部11a,11bに交互に出力される。以下の動作は第1の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0032】
なお、上記第1及び第2実施の形態では、点灯回路として、スイッチングレギュレータ、平滑回路、パルス電力出力回路及び制限抵抗器を有したが、第1及び第2発光部に出力される第1及び第2パルス電力の電圧が常に所定値であって変動しなければ、スイッチングレギュレータ及び平滑回路は不要となり、点灯回路をパルス電力出力回路と制限抵抗器とにより構成してもよい。また、上記第1〜第3実施の形態では、発光ダイオードを自動車の左右のデイライト(昼間灯)として用いたが、発光ダイオードを自動車の左右のヘッドランプ、ウインカ、スモールランプ等として用いてもよい。
【実施例】
【0033】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1に示すように、点灯回路12に第1及び第2発光部11a,11bを接続することにより発光装置10を構成した。なお、図1では、点灯回路12に第1及び第2発光部11a,11bをそれぞれ1個ずつ接続しているが、ここでは第1発光部11a(発光ダイオード)を1個ずつ並列に合計2個接続し、第2発光部11b(発光ダイオード)を1個ずつ並列に合計2個接続した。またスイッチングレギュレータ13として新日本無線(株)製のNJM2360を用いた。一方、点灯回路12中の過電流検出抵抗器18の抵抗値を0.2Ωとし、タイミングコンデンサ19の静電容量を1nFとし、電解コンデンサ21の静電容量を100μFとし、第1抵抗器14aの抵抗値を7.5kΩとし、第2抵抗器14bの抵抗値を1.3kΩとし、平滑用コイル14cのインダクタンスを220μHとし、平滑用コンデンサ14dの静電容量を220μFとした。また点灯回路12中の第1パルス幅調整用抵抗器31の抵抗値を1kΩとし、第2パルス幅調整用抵抗器32の抵抗値を91kΩとし、パルス幅調整用コンデンサ26の静電容量を0.1μFとし、コンデンサ27の静電容量を0.1μFとし、抵抗器33の抵抗値を2kΩとし、抵抗器34の抵抗値を1.5kΩとし、抵抗器36の抵抗値を1.5kΩとし、パルス電力出力回路16から出力される第1及び第2パルス電力のデューティ比を50%とした。更に点灯回路12中の第1制限抵抗器17aの抵抗値を2.2Ωとし、第2制限抵抗器17bの抵抗値を2.2Ωとした。なお、第1及び第2発光部11a,11bを取付ける第2放熱部材52と、第2放熱部材52を取付けるベース部材53は高熱伝導性樹脂ではなくABS樹脂を用いた(図5)。この発光装置10を実施例1とした。この実施例1の発光装置10では、パルス電力出力回路16の端子Y3から80Hzの矩形波状のパルス電流が流れた。
【0034】
<比較例1>
パルス電力出力回路と第1及び第2制限抵抗器を有しない点灯回路に、第1及び第2発光部(発光ダイオード)を並列に接続した、即ち発光ダイオードを1個ずつ並列に合計4個接続してこれらのダイオードに直流電流を流したこと以外は実施例1と同一に構成した。この発光装置を比較例1とした。この比較例1の発光装置では、第1及び第2発光部に直流電力が出力された。
<比較例2>
パルス電力出力回路から第1及び第2発光部に第1及び第2パルス電力が同時に出力されるようにパルス電力出力回路を変更したこと以外は実施例1と同一に構成した。この発光装置を比較例2とした。この比較例2の発光装置では、パルス電力出力回路から80Hzのパルス電力が第1及び第2発光部に同時に出力された。
【0035】
<比較試験1及び評価>
実施例1と比較例1及び2の発光装置により発光ダイオードを点灯させたときの発光ダイオードの飽和温度と、発光ダイオードが85℃に達するまでの時間を測定するとともに、第1及び第2発光部の発光時の輝度を目視により観察した。その結果を表1に示す。なお、発光ダイオードの温度は図5の第1放熱部材の下面で測定した。また、表1には、点灯回路に入力される直流電力の電圧及び電流と、第1及び第2発光部に出力される出力電力の電圧、電流、周波数及び出力方法も記載した。更に表1の第1及び第2発光部に出力される出力電力のうち比較例2の電流値はパルス波形がオンしているときの電流値である。
【0036】
【表1】

表1から明らかなように、比較例1では、発光ダイオード1個当たりに流れる電流が約301mA(1203mA/4個)と比較的少なかったにも拘らず、飽和温度が128℃と高くなり、85℃への到達時間が30秒と短くなったのに対し、実施例1では、発光ダイオード1個当たりに流れる電流が約388mA(775mA/2個)と比較的多かったにも拘らず、飽和温度が99℃と低くなり、85℃への到達時間が88秒と長くなった。これは、比較例1では、各発光ダイオードに電流が連続的に流れて、各発光ダイオードが発熱したのに対し、実施例1では、各発光ダイオードに電流が間欠的に流れて、各発光ダイオードの発熱が抑制されたためである。また比較例2では、各発光ダイオードの輝度が低くなったのに対し、実施例1では、各発光ダイオードの輝度が高くなった。これは、スイッチングレギュレータの出力電流が1200mAに制限されているため、比較例2では、発光ダイオード1個当たり約308mA(1230mA/4個)と比較的少ない電流しか出力できなかったのに対し、実施例1では、発光ダイオード1個当たり約388mA(775mA/2個)と比較的多くの電流を出力できたからである。このことから、実施例1では、各発光ダイオードに流れる電流が出力制限電流まで達していないため、スイッチングレギュレータを余裕を持って使用できることが分かった。
【0037】
<実施例2>
図5に示すように、発光ダイオード11(日亜化学工業社製の白色チップタイプLED:NCCW022S)を用意し、この発光ダイオード11を第2放熱部材42に取付け、第2放熱部材42をベース部材43に取付けた。ベース部材43は高熱伝導性樹脂ではなくABS樹脂を用いた。この状態で上記発光ダイオード11に制限抵抗器を介して周波数60Hzのパルス電力を出力した。このパルス電力のパルス電圧は1.6Vであった。この回路を実施例2とした。
<実施例3>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を65Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を実施例3とした。
<実施例4>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を70Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を実施例4とした。
<実施例5>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を80Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を実施例5とした。
<実施例6>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を90Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を実施例6とした。
<実施例7>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を95Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を実施例7とした。
<実施例8>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を100Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を実施例8とした。
【0038】
<比較例3>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を40Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を比較例3とした。
<比較例4>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を50Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を比較例4とした。
<比較例5>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を55Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を比較例5とした。
<比較例6>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を120Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を比較例6とした。
<比較例7>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を140Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を比較例7とした。
<比較例8>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を160Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を比較例8とした。
<比較例9>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を180Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を比較例9とした。
<比較例10>
発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数を200Hzとしたこと以外は、実施例2と同様に回路を構成した。この回路を比較例10とした。
【0039】
<比較試験2及び評価>
実施例2〜8及び比較例3〜10の回路により発光ダイオードを点灯させたときの発光ダイオードの温度と負荷電流をそれぞれ測定した。発光ダイオードの温度は、本願の図5の第1放熱部材の下面で発光ダイオードの点灯開始から1分後に測定した。その結果を表2に示す。なお、発光ダイオードの仕様から、温度が34℃以下であった回路を合格とした。また、表2には、パル電力の周波数及び電圧と、制限抵抗器の抵抗値も示した。
【0040】
【表2】

表2から明らかなように、発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数が60Hz未満である比較例3〜5では、負荷電流が106.7〜106.8mAと少なく、発光ダイオードの温度が33.2〜33.3℃と低かったけれども、発光ダイオードの発する光が非連続光(点滅する光)として目に映ってしまった。また発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数が100Hzを超えた比較例6〜10では、発光ダイオードの発する光が連続光として目に映ったけれども、負荷電流が107.5〜108.6mAと多くなり、発光ダイオードの温度が34.2〜34.8℃と高くなって、発光ダイオードが規定値(34℃)を超えてしまい発熱量が多かった。これらに対し、発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数が60〜100Hzの範囲内にある実施例2〜8では、負荷電流が106.8〜107.2mAと比較例3〜5と比較例6〜10の中間の値を示し、発光ダイオードの温度が33.4〜34.0℃と規定値(34℃)以下であり、しかも発光ダイオードの発する光は連続光として目に映った。
【0041】
なお、発光ダイオードに出力するパルス電力の周波数が高くなるに従って、発光ダイオードの発熱量が増加するのは次の理由に基づく。発光ダイオードにパルス電力を出力すると、図10(a)〜(c)のオシロスコープ写真に示すように、各パルス電圧の立上がり部で鋭いひげ状の過電圧が現れ、その後下がって一定値となる。このひげ状の過電圧部分の面積が不必要な負荷、即ち発熱量に比例する。周波数が60Hz(図10(a)のオシロスコープ写真)や100Hz(図10(b)のオシロスコープ写真)と比較的低い場合には、上記ひげ状の過電圧部分の面積が比較的小さいので、発熱量は少ないけれども、周波数が例えば200Hz(図10(c)のオシロスコープ写真)と高くなると、ひげ状の過電圧部分の面積が大きくなって、発熱量が増加する。
【符号の説明】
【0042】
10,80 発光装置
11 発光ダイオード
11a,61a 第1発光部
11b,61b 第2発光部
12,82 点灯回路
12a 点灯回路の入力端子
13 スイッチングレギュレータ
14,84 平滑回路
16 パルス電力出力回路
17a 第1制限抵抗器
17b 第2制限抵抗器
20 自動車
20a 右側のデイライト
20b 左側のデイライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の発光ダイオード(11)と、これらの発光ダイオード(11)を点灯させる点灯回路(12,82)とを備えた発光装置において、
前記発光ダイオード(11)が第1発光部(11a)と第2発光部(11b)とからなり、
前記点灯回路(12,82)が、入力された直流電力を互いに補完する第1及び第2パルス電力として前記第1及び第2発光部(11a,11b)にそれぞれ出力するように構成されたことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
点灯回路(12,82)の入力端子(12a)に直流電圧が9〜30Vのバッテリに接続され、
前記点灯回路(12,82)が、
前記バッテリから入力された直流電力を30kHz〜40kHzのパルス電力に変換するスイッチングレギュレータ(13)と、
前記スイッチングレギュレータ(13)で変換されたパルス電力を直流電力に変換しかつその電圧を前記入力された直流電力の電圧より降下又は上昇させる平滑回路(14,84)と、
前記平滑回路(14,84)で降圧又は昇圧された直流電力を60〜100Hzのパルス電力であって互いに補完する第1及び第2パルス電力としてそれぞれ出力するパルス電力出力回路(16)と、
前記パルス電力出力回路(16)から出力された第1パルス電力をその電流を制限して前記第1発光部(11a)に出力する第1制限抵抗器(17a)と、
前記パルス電力出力回路(16)から出力された第2パルス電力をその電流を制限して前記第2発光部(11b)に出力する第2制限抵抗器(17b)と
を備えた請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
パルス電力出力回路(16)が、60〜100Hzのパルス電流を出力するタイマ(24)と、前記タイマ(24)と第1及び第2発光部(11a,11b)との間に接続され前記タイマ(24)から出力された前記パルス電流に基づいて前記第1及び第2発光部(11a,11b)に交互にかつ互いに補完する第1及び第2パルス電力を出力する第1及び第2トランジスタ(41,42)とを有する請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
第1発光部(11a)が自動車(20)の右側のデイライト(20a)又はヘッドライトとして用いられ、第2発光部(11b)が前記自動車(20)の左側のデイライト(20b)又はヘッドライトとして用いられる請求項1ないし3いずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
第1及び第2発光部(61a,61b)がそれぞれ複数の発光ダイオード(11)からなり、前記第1発光部(61a)が自動車(20)の右側のデイライト(20a)又はヘッドライト及び左側のデイライト(20b)又はヘッドライトのそれぞれ一部として用いられ、前記第2発光部(61b)が前記自動車(20)の前記右側のデイライト(20a)又はヘッドライト及び前記左側のデイライト(20b)又はヘッドライトの残部として用いられる請求項1ないし3いずれか1項に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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