説明

発射器具

【課題】落下傘を備える噴出体を遠くまで飛ぶようにすることで、広い場所で十分に演出効果を発揮することができる発射器具を提供する。
【解決手段】筒体3と、筒体3の内部に収納された噴出体2と、噴出体2を発射させる発射体4とを備え、噴出体2は、噴出本体21と噴出本体21に紐体23を介して連結される落下傘22とを備える発射器具1において、紐体23が落下傘22に巻き付いている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火薬体を爆発させることにより、或いは、圧縮気体の圧力により、噴出体を発射させる発射器具であって、各種宴会や結婚式等の祝宴などを盛り上げるために用いられる発射器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種宴会や結婚式等の祝宴などを盛り上げるために用いられる発射器具としては、例えば、火薬体を爆発させることにより噴出体を発射させるものが知られている。該発射器具は、円錐状の筒体と、筒体の内部に収納された噴出体と、噴出体を発射させる発射体としての火薬体と、火薬体に固定され筒体の外部に引き出された引き紐とを備えたものが知られており、最近では特に、噴出体が噴出本体と噴出本体に紐体を介して連結される落下傘とを備えたものが知られている(下記特許文献1及び2参照)。
【0003】
このような発射器具の噴出体は、落下傘が筒体の内部で少し開いた状態となり、紐体が噴出本体と落下傘との間で緩んだ状態となるように筒体の内部に収納されている。よって、引き紐を強く引いて火薬体を発火・爆発させてその爆圧によって噴出体を発射させると、瞬時に落下傘が開く。そうすると、開いた落下傘が空気抵抗を受けることによって、噴出体全体の発射の勢いが瞬時に低減し、発射された噴出体の飛距離が短くなる。従って、上記発射器具は、例えば自宅の部屋等のような狭い場所での祝宴など(例えばホームパーティなど)に用いる場合には適しており、演出効果を十分に発揮することができる。
【特許文献1】実開平5−52600号公報
【特許文献2】登録実用新案第3006121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の発射器具にあっては、噴出体の飛距離が短いので、例えば、披露宴会場や庭等のような広い場所での祝宴などに用いる場合には適しておらず、演出効果を十分に発揮することができない。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされ、落下傘を備える噴出体を遠くまで飛ぶようにすることで、広い場所で十分に演出効果を発揮することができる発射器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係る発射器具は、筒体と、筒体の内部に収納された噴出体と、噴出体を発射させる発射体とを備え、噴出体は、噴出本体と噴出本体に紐体を介して連結される落下傘とを備える発射器具において、紐体が落下傘に巻き付いていることを特徴とする。
【0007】
該構成の発射器具にあっては、紐体は落下傘に巻き付いているので、発射体を操作すると、紐体は、発射後に空中を飛びながらほどけ、紐体が落下傘からほどけた後に、落下傘が開く。
【0008】
特に、落下傘は折畳まれていることが好ましい。落下傘が折畳まれていると、紐体が落下傘からほどけるまでの間だけでなく、落下傘が折畳んだ状態から開いた状態となるまでの間においても、噴出体は勢い良く飛ぶこととなる。よって、噴出体をより遠くまで飛ばすことができる。
【0009】
更に、落下傘は、その下部が内側となるように折畳まれていることが好ましく、発射器具を使用しないときに、落下傘の折畳み状態や紐体の巻き付け状態が保持され易くなる。
【0010】
また更に、紐体の巻き付け位置は、折畳まれた落下傘の中央であることが好ましく、発射前に不用意に紐体がほどけにくく、しかも、発射後にはスムーズにほどける。
【0011】
また、紐体の巻き付け方向は、筒体の軸線方向であることが好ましく、紐体がほどける方向が筒体の軸線方向となるので、噴出体が飛んでいる際中に、紐体が落下傘からほどけ易くなる。
【0012】
更に、噴出本体は、落下傘の前方側に配置されていることが好ましい。噴出体が飛んでいる際中に、噴出本体が落下傘に先行して落下傘を引っ張るように飛ぶので、落下傘を噴出本体の後方側で確実に開かせることができる。
【0013】
また更に、噴出本体と落下傘とが接していると、発射体からの動力を効率良く噴出体を発射させるための動力として利用することができる。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明に係る発射器具にあっては、紐体が落下傘に巻き付いているので、紐体は発射後に飛びながら落下傘からほどける。よって、落下傘は、従来のように発射すると瞬時に開くのではなく、紐体がほどけた後に開くこととなるので、噴出体は、落下傘が開くまでの間に勢い良く遠くまで飛ぶ。故に、例えば、披露宴会場や庭等のような広い場所での祝宴などに用いた場合に、十分に演出効果を発揮することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る発射器具の一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。
図1に、本実施形態における発射器具1が示されている。該発射器具1は、圧縮気体の圧力により噴出体2を発射させるものであり、筒体3と筒体3の内部に収納された噴出体2と噴出体2を発射させる発射体4とを備える。尚、発射器具1は、火薬体を用いて噴出体2を発射させるように構成してもよい。
【0016】
筒体3は、図2に示すように、前後方向に伸びる略円筒形状の筒部材31と、筒部材31の後端部に固定される接続部材32とを備える。筒部材31は、共に樹脂製の円筒部311と保持部312とで構成されている。
【0017】
円筒部311は、その外径及び内径がそれぞれ前後方向(軸線方向)全域に亘って略一定の円筒形状である。保持部312は、その略中心に所定の径の孔を有する円板形状であり、その外形が円筒部311の内径とほぼ等しい。
【0018】
保持部312は、その前後方向(軸線方向)の長さが円筒部311の前後方向の長さに比して短くなっており、その後面312aが円筒部311の後端縁311aに略面一となるように圧入されて固定されている。
【0019】
即ち、筒部材31は、その前後両端部が開口しており、後端部(保持部312)での内径が前端部での内径よりも小さくなっている。尚、筒体3は、前方に開口する中空の形状であれば特に限定されず、円柱形状、角柱形状、円錐形状、角錐形状、瓶形状(段差形状)であってもよい。また、筒を構成する壁を多重構造としてもよい。
【0020】
接続部材32は保持部312に圧入されて固定されている。具体的には、接続部材32は、その外径が保持部312の孔径にほぼ等しい樹脂製の略円筒形状であり、前後方向(軸線方向)の長さが円筒部311より短く保持部312より長くなっている。接続部材32は、その軸線方向の略中央付近まで保持部312の孔に圧入されて、例えばネジ等により円筒部311と保持部312とに締結固定されている。即ち、接続部材32は、筒部材31の後端縁31aから後方に突出するように筒部材31に固定されている。
【0021】
また、接続部材32には、筒部材31の後端縁31aよりも後方側に、その周方向全域に亘る第1溝部32aが設けられている。そして、第1溝部32aには、その外径が接続部材32の外径より大きい例えばウレタンゴム製の第1リングR1が嵌め込まれて固定されている。
【0022】
また、接続部材32には、第1リングR1より後方側にL溝部32cが設けられている。具体的には、図6に示すように、L溝部32cは、接続部材32の後端縁32bから前方へ向けて伸びる第1L溝部32dと、第1L溝部32dの前端部から接続部材32の周方向に伸びる第2L溝部32eとで構成され、略L字状に連続した形状の溝である。
【0023】
筒部材31の内部には、受圧体5が収納されている。具体的には、図2に示すように、受圧体5は、例えば発砲性樹脂製の円柱体であり、その外径が円筒部311の内径よりも若干大きくなっている。受圧体5は、円筒部311の内周面と気密状態で且つ、前後方向に移動可能となるように円筒部311に圧入されている。このように気密状態となるように圧入することで、圧縮気体からの圧力を逃しにくくなる。尚、受圧体5は、円筒部311の内周面との間に僅かに隙間が形成される所謂隙間嵌めの状態で円筒部311に収納してもよい。隙間嵌めとすると、受圧体5と円筒部311との間の摩擦抵抗が低減され、前後方向への移動がスムーズになる。
【0024】
また、受圧体5は、接続部材32より前方側に設けられており、本実施形態では接続部材32の前端縁32fとの間に若干の隙間が形成されている。尚、受圧体5は、接続部材32の前端縁32fに接するように配置してもよい。
【0025】
噴出体2は、図3に示すように、噴出本体21と噴出本体21に紐体23を介して連結される落下傘22とを備える。噴出本体21は、筒体3の内部に収納することができる大きさのものであり、その比重は落下傘22の比重よりも大きくなっている。本実施形態では、噴出本体21としてぬいぐるみを用いている。尚、噴出本体21は、例えばコットンボール等の球体や造花などでもよい。
【0026】
落下傘22は、樹脂製のシートを傘状(碗状)に形成したものであり、紐体23を介して噴出本体21に連結されている。具体的には、紐体23は、合計8本用意されており、それぞれの一端部が落下傘22の下部22aに周方向に等間隔に取り付けられ、他端部が束ねられて噴出本体21に取り付けられている。尚、各図においては、紐体23の本数は省略して示している。
【0027】
また、噴出体2は、図1に示すように、紐体23が落下傘22に巻き付いた状態で筒体3の内部に収納されている。具体的には、落下傘22は折畳まれており、紐体23は折畳まれた落下傘22に巻き付けられている。より具体的には、落下傘22は、その下部22aが内側となるように折畳まれており、紐体23は、その巻き付け方向が筒体3の軸線方向(縦巻き)となるように落下傘22に巻き付けられている。本実施形態では、落下傘22は、筒体3の内部が気密状態となるように折畳まれており、紐体23は、その巻き付け位置が折畳まれた落下傘22の中央となるように巻き付けられている。
【0028】
より詳細に説明すると、落下傘22は、図4(a)に示すように、その下部22aを束ねた状態(閉じた状態)にして、図4(b)に示すように、落下傘22の上下方向(落下傘22を閉じた状態としたときの頂部22bと下部22aとが並ぶ方向)の略中央付近(二点鎖線L1)で半分に折畳んで、更に、図4(c)に示すように、下部22aが外側となるように半折状態の落下傘22を半分(二点鎖線L2の位置)に折畳む。即ち、落下傘22をその下部22aが頂部22bよりも外側となるように四折状に折畳む。
【0029】
そして、図4(d)に示すように、全ての紐体23を束ねて、巻き付け位置が四折状の落下傘22の上下方向略中央付近となるように、束ねた紐体23を落下傘22の周方向に1周巻き付ける。つまり、巻き付け方向と落下傘22の折目(二点鎖線L1,L2)とが略平行となるように巻き付ける。
【0030】
そして、図3に示すように、落下傘22の下部22aが内側となるように、即ち、落下傘22の周方向に沿って折目ができ、しかも、落下傘22の下部22aが外部から見えないように、巻き付け位置にて四折状の落下傘22を折畳む。このとき、落下傘22は、筒体3の円筒部311の内部が気密状態となるように折畳む。即ち、落下傘22は、円筒部311の内径と略等しい径の円柱形状となるように折畳む。
【0031】
このように、落下傘22が略円柱形となるように下部22aを内側にして折畳まれ、且つ、紐体23の巻き付け位置が円柱形状の径方向略中央の位置となり、しかも、紐体23の巻き付け方向が円柱部311の軸線方向となるように、噴出体2は円筒部311の内部に収納されている。尚、紐体23の落下傘22への巻き付け方は、噴出体2が飛んでいる間にほどけるような巻き方であれば何れの巻き方であってもよい。例えば、巻き付け方向が周方向(横巻き)となるようにしてもよいし、落下傘22に複数回巻きつけてもよい。或いは、折畳んだ落下傘22の中央を避けて(即ち、折畳んだ落下傘22の端に編芯して)巻き付けてもよい。また、落下傘22は、三折、半折等に折畳んで収納してもよい。或いは、落下傘22を閉じた状態にするのみで折畳まずに収納してもよい。更に、落下傘22をロール状に巻き取った状態としてもよい。
【0032】
また、噴出本体21は、落下傘22の前方側に配置されている。具体的には、噴出本体21と落下傘22とが接した状態で、噴出本体21は落下傘22の前方側に配備されている。本実施形態では、噴出本体21は、その下端が落下傘22に接している。
【0033】
また、本実施形態では、噴出体2は、前後に2つ並べて収納されている。具体的には、後側の噴出体2に接するように前側の噴出体2が収納されている。尚、噴出体2は、1つだけでもよいし、3つ以上前後に並べて配置してもよい。
【0034】
発射体4は、圧縮気体による圧力によって噴出体2を発射させるものである。具体的には、図5に示すように、発射体4は、圧縮気体の流路となる通気孔411を備えた発射本体41と、圧縮気体を封入したボンベ(図示しない)を収納するボンベ収納部421を備えた把持体42と、ボンベ収納部421を閉塞する蓋体43とを備える。
【0035】
発射本体41は、前後方向に伸びる樹脂製の筒状体で後部が斜め下方に傾斜した形状であり、その後端部は、斜め下方に向けてねじが切られて第1おねじ部41aとなっている。また、発射本体41は、圧縮気体が通過する通気孔411を有する。具体的には、通気孔411は、発射本体41の前面41bから後方へ向けて形成された第1通気孔411aと、発射本体41の後面41cから斜め上方へ向けて形成された第3通気孔411cと、第1通気孔411aと第3通気孔411cとを繋ぐ第2通気孔411bとで構成されている。
【0036】
第1通気孔411aは、その径が接続部材32の外径より若干大きく、第1ピンP1が上方から径方向内側へ向けて突出している。また、第3通気孔411cは、その径が第1通気孔411aより小さい。また、第2通気孔411bは、その径が第3通気孔411cより小さく、前側が第1通気孔411aに連通し、後側が第3通気孔411cに連通することによって、第1通気孔411aと第3通気孔411cとを繋いでいる。即ち、通気孔411は、発射本体41を前面41bから後面41cにかけて貫通した孔であり、その中途部分で屈曲した孔である。
【0037】
また、第1おねじ部41aの基端部には、第1おねじ部41aの全周に亘る第2溝部41dが形成されている。そして、第2溝部41dには、その外径が第1おねじ部41aの外径より大きい例えばウレタンゴム製の第2リングR2が嵌め込まれて固定されている。
【0038】
また、発射本体41には、トリガーTが設けられている。具体的には、トリガーTは、第2通気孔411bの下方側に配備されており、横方向(前後方向と上下方向とに直行する方向)に伸びる支持ピンPTによって発射本体41に固定され、支持ピンPTを軸にして前後方向に回動自在となっている。
【0039】
トリガーTの上端部には、斜め上方に向けて突出する第2ピンP2が固定して設けられている。この第2ピンP2は、その軸線が第3通気孔411cの軸線に直交するように設けられており、トリガーTの前後方向の動きに連動して軸線方向に進退自在であり、第3通気孔411cに進退自在となっている。また、第2ピンP2の下方側で第2リングR2の上方側には、第2バネS2が設けられている。第2バネS2は、第2ピンP2が第3通気孔411c内に突出する方向にトリガーTを付勢している。
【0040】
つまり、トリガーTの支持ピンPTより下側の部分を後方側に引くと、第2ピンP2は第3通気孔411c内から突出しなくなり、トリガーTを引く力を解除すると、第2バネS2の付勢力によってトリガーTが回動し、これに連動して第2ピンP2が第3通気孔411c内に突出する。尚、支持ピンPTの下方には、支持ピンPTと略平行に伸びる安全ピンPSが設けられており、トリガーTの回動を防止している。
【0041】
第3通気孔411cには、第1バネS1と金属製の尖頭体44とが収納されている。尖頭体44は、第3通気孔411cの軸線方向に伸びる略円筒形状であり、上端部44aが軸線方向に開口し下端部44bが閉塞している。尖頭体44は、その外径が第3通気孔411cの径より小さく第2通気孔411bの径より大きい。また、尖頭体44の上端部44aには、全周に亘る係止溝44cが設けられており、下端部44bには、斜め下方に向けて突出するように先端が尖った孔開ピン44dが固定されて設けられている。
【0042】
尖頭体44は、第1バネS1が尖頭体44の上端部44aの開口に嵌め込まれた状態で第3通気孔411cに収納され、第2ピンP2と係止溝44cとが係合するまで押し込まれている。つまり、尖頭体44は、第2ピンP2と係止溝44cとが係合しているときは、第1バネS1によって斜め下方に付勢された状態で発射本体41に係止しており、第2ピンP2と係止溝44cとの係合が解除されると、第1バネS1の付勢力によって斜め下方に勢い良く移動する。
【0043】
把持体42は、第3通気孔411cに臨むように配置され、圧縮気体を封入したボンベを収納するボンベ収納部421を備えている。具体的には、把持体42は、斜め上下方向(第3通気孔411cの軸線方向)に伸びる樹脂製の略円筒形状で、内部の孔のうち上下両端部を除いた領域がボンベ収納部421となっている。そして、その上下両端部には、第1めねじ部422と第2めねじ部423とがそれぞれ形成されている。
【0044】
把持体42は、第1めねじ部422が発射本体41の第1おねじ部41aに螺合されることにより、第3通気孔411cの軸線と把持体42の軸線とが略一致した状態で発射本体41に接続される。このとき、第2リングR2が発射本体41と把持部との間に挟み込まれることによって、発射本体41と把持部とが気密状態で接続されている。
【0045】
圧縮気体を封入したボンベは、金属製の円筒容器に圧縮した気体を充填して密封したものである。封入される気体としては、空気等が好ましく、引火の危険もなくコンプレッサなどで容易に圧縮して封入することができる。
【0046】
ボンベ収納部421を閉塞する蓋体43は、把持体42の下端部に取り付けられる。具体的には、蓋体43は、ボンベ収納部421の軸線方向に伸びる樹脂製の円柱体であり、その上端部に第2おねじ部43aを有しており、第2おねじ部43aの基端部には、第2おねじ部43aの全周に亘る第3溝部43bが形成されている。そして、第3溝部43bには、その外径が第2おねじ部43aの外径より大きい例えばウレタンゴム製の第3リングR3が嵌め込まれて固定されている。
【0047】
蓋体43は、第2おねじ部43aが把持体42の第2めねじ部423に螺合されることによって、把持体42の下端部に接続され、ボンベ収納部421を閉塞する。このとき、第3リングR3が把持部と蓋体43との間に挟み込まれることによって、把持部と蓋体43とが気密状態で接続されている。
【0048】
以上のような構成の発射体4は、筒体3に着脱自在に接続されている。具体的には、図6に示すように、筒体3の接続部材32が発射本体41の第1通気孔411aに嵌め込まれた状態で接続されている。接続の際には、第1通気孔411aに上方から突出している第1ピンP1が接続部材32の第1L溝部32dに嵌るように位置合わせをして接続部材32を第1通気孔411aに挿入し、続けて、第1ピンP1が第2L溝部32eに嵌るように筒体3をその周方向に回転させる。このとき、第1リングR1が接続部材32と第1通気孔411aとの間の隙間を埋め、筒体3と発射体4とが気密状態で接続される。
【0049】
以上の構成からなる発射器具1を使用すべく、把持体42を持って筒部材31の前端部を斜め上方へ向け、トリガーTを引いて回動させると、第2ピンP2が第3通気孔411cから抜けて、第2ピンP2と係止溝44cとの係合が解除され、尖頭体44が第1バネS1の付勢力によって斜め下方に勢い良く移動する。そして、尖頭体44の孔開ピン44dがボンベ収納部421に収納したボンベに衝突して、ボンベの円筒容器に孔が開く。そうすると、円筒容器に封入されている圧縮気体は、開いた孔から勢い良く噴出し、第3通気孔411cと第2通気孔411bと第1通気孔411aとを順に通過し、更に、接続部材32の内部を通過して円筒部311の内部に進入し、受圧体5を前方へ押し出すことによって噴出体2を前方へ押し出す。
【0050】
こうして、噴出体2は、圧縮気体の圧力によって筒体3から前方へ発射されるのであるが、上述のように、落下傘22には紐体23が巻き付いているので、紐体23は、発射後に空中を飛びながら落下傘22からほどけ、紐体23が落下傘22からほどけると、落下傘22が開いた状態となる。
【0051】
即ち、噴出体2は、紐体23が空中を飛びながらほどけ、紐体23がほどけるまでの間に落下傘22による抵抗を受けることなく勢い良く遠くまで飛んで、最終的に落下傘22が開いてゆっくりと降下して着地する。従って、例えば、披露宴会場や庭等のような広い場所での祝宴などに用いた場合に、十分に演出効果を発揮することができる。
【0052】
また、落下傘22は折畳まれているので、紐体23が落下傘22からほどけるまでの間だけでなく、落下傘22が折畳んだ状態から開いた状態となるまでの間においても、噴出体2は勢い良く飛ぶこととなる。よって、噴出体2をより遠くまで飛ばすことができる。しかも、落下傘22は、空中で折畳んでコンパクトになった状態から開いた状態へと変化するので演出効果が増す。
【0053】
更に、落下傘22は、その下部22aが内側となるように折畳まれているので、発射器具1を使用しないときに、落下傘22の折畳み状態や紐体23の巻き付け状態が保持され易くなる。
【0054】
また更に、落下傘22は、円筒部311の内径と略等しい径の円柱形状に折畳まれているので、筒体3の内部が気密状態となる。よって、受圧体5だけでなく落下傘22でも圧縮気体による圧力を受けることができるという利点もある。
【0055】
また、紐体23の巻き付け位置は、円柱形状に折畳まれた落下傘22の径方向略中央の位置となっているので、発射前に不用意に紐体23がほどけにくく、しかも、発射後にはスムーズにほどける。
【0056】
更に、紐体23の巻き付け方向は、円柱部311の軸線方向となっている。即ち、紐体23の巻き付け方向は、噴出体2が飛ぶ方向に沿った方向となっているので、噴出体2が飛んでいる際中に、紐体23が落下傘22からスムーズにほどける。
【0057】
また、噴出本体21は、落下傘22の前方側に配置されているので、噴出本体21が落下傘22に先行して落下傘22を引っ張るように飛ぶこととなる。よって、落下傘22を噴出本体21の後方側で確実に開かせることができる利点がある。
【0058】
更に、噴出本体21と落下傘22とが接するように配置しているので、ボンベからの気体圧力を効率良く噴出体2が飛ぶための動力として利用できる。
【0059】
また更に、噴出本体21の比重は落下傘22の比重よりも大きいので、噴出体2全体として遠くに飛び易くなり、また、噴出本体21が落下傘22に先行して飛び易くなるので、紐体23が落下傘22からほどけ易くなり、スムーズに落下傘22が開くという利点がある。
【0060】
尚、本実施形態では、噴出本体21が落下傘22の前方側に配置されている場合について説明したが、これに限られず、落下傘22の後方側に配置されていてもよい。また、上下方向或いは横方向に並べて配置されていてもよい。
【0061】
尚、本実施形態では、噴出本体21と落下傘22とが接するように配置している場合について説明したが、これに限られず、噴出本体21と落下傘22とが離間するように配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係る発射器具を示す正面図。
【図2】同発射器具を構成する筒体を示す断面図。
【図3】噴出体を示す斜視図。
【図4】(a)乃至(d)は、落下傘の折畳み方と紐体の巻き付け方を示す概略図。
【図5】同発射器具を構成する発射体を示す断面図。
【図6】筒体と発射体とが接続される様子を示す斜視図。
【符号の説明】
【0063】
1…発射器具、2…噴出体、3…筒体、4…発射体、5…受圧体、21…噴出本体、22…落下傘、23…紐体、31…筒部材、32…接続部材、41…発射本体、42…把持体、43…蓋体、44…尖頭体、411…通気孔、421…ボンベ収納部、T…トリガー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体と、筒体の内部に収納された噴出体と、噴出体を発射させる発射体とを備え、噴出体は、噴出本体と噴出本体に紐体を介して連結される落下傘とを備える発射器具において、紐体が落下傘に巻き付いていることを特徴とする発射器具。
【請求項2】
落下傘は折畳まれていることを特徴とする請求項1に記載の発射器具。
【請求項3】
落下傘は、その下部が内側となるように折畳まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発射器具。
【請求項4】
紐体の巻き付け位置は、折畳まれた落下傘の中央であることを特徴とする請求項2又は3に記載の発射器具。
【請求項5】
紐体の巻き付け方向は、筒体の軸線方向であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の発射器具。
【請求項6】
噴出本体は、落下傘の前方側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の発射器具。
【請求項7】
噴出本体と落下傘とが接していることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の発射器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−252732(P2007−252732A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−82742(P2006−82742)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000136365)株式会社フジカ (13)
【Fターム(参考)】