説明

発泡剤並びにフッ素置換されたオレフィンおよびエーテルを含む組成物、および発泡方法

テトラフルオロプロペンを含むフルオロアルケンの様々な使用に関する。特に、1種または複数のフッ素化エーテルと組み合わせた、テトラフルオロプロペン、特にHFO−1234の、発泡剤を含む種々の用途が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に冷却システムなどの熱伝達システムを含む多くの用途において、ならびに発泡剤、発泡性組成物、発泡体および発泡体でまたは発泡体から作製された物品において有用性を有する組成物、方法およびシステムに関する。好ましい態様では、本発明は、本発明の少なくとも1種の多フッ素化オレフィンおよび少なくとも1種のフッ素化エーテルを含むような組成物を対象とする。
【背景技術】
【0002】
フルオロカーボン系流体は、エアロゾル噴射剤および発泡剤としての用途を含む多くの商業および工業の用途における広範な使用が見い出されている。これまでこれらの用途で使用されてきたいくつかの組成物の使用に付随する、比較的高い地球温暖化係数を含む、ある特定の懸念される環境問題の理由から、ヒドロフルオロカーボン類(「HFC類」)などの、低いかまたはまさに0のオゾン層破壊係数を有する流体を使用することがますます望ましくなっている。したがって、実質的な量のクロロフルオロカーボン類(「CFC類」)またはヒドロクロロフルオロカーボン類(「HCFC類」)を含まない流体を使用することが望ましい。さらに、一部のHFC流体は、それらに付随して比較的高い地球温暖化係数を有することがあり、使用時の特性において所望の性能を保持しながら、可能な限り低い地球温暖化係数を有するヒドロフルオロカーボンまたは他のフッ素化流体を使用することが望ましい。上記で示唆されたように、最近、地球の大気および気候に損害を与える可能性について関心が増大しており、ある種の塩素系化合物が、これに関して特に問題であると特定されている。多くの用途に塩素含有組成物(例えば、クロロフルオロカーボン類(CFC類)、ヒドロクロロフルオロカーボン類(HCFC類)等)を使用することは、多くのこのような化合物に付随するオゾン層破壊特性の理由で不利になっている。したがって、上記およびその他の用途にこれまで使用された組成物の魅力的な代替物である、新規なフルオロカーボンおよびヒドロフルオロカーボン化合物および組成物の増大する必要性が存在する。例えば、塩素含有化合物をヒドロフルオロカーボン類(HFC類)などの、オゾン層を激減させることのない塩素非含有化合物に置き換えることによって、発泡剤系または冷却系などの塩素含有系を改良することが望ましくなっている。産業界は、一般に、CFC類およびHCFC類に対する代替物を提供し、これらに代わって環境的に安全な代替物と考えられる新規なフルオロカーボン系混合物を継続的に探求している。しかし、多くの場合重要であると考えられることは、どんな潜在的代替物もまた、広範に使用されている大部分の流体に存在する、優れた断熱性、および発泡剤として使用される場合は、とりわけ適切な化学的安定性、低または無毒性、低または非燃焼性などの他の望ましい発泡体特性を付与するような特性を持たなければならないことである。
【0003】
さらに、CFC発泡剤代替物が、従来の発泡体生成システムに対して大きな技術的変更なく有効であることが一般的に望ましいと考えられる。
【0004】
例えば、熱可塑性材料および熱硬化性材料などの、従来の発泡材料を作製するための方法および組成物は長い間知られている。これらの方法および組成物は、ポリマーマトリックス中に発泡構造を形成するために、典型的には、化学的および/または物理的発泡剤を利用している。このような発泡剤には、例えば、アゾ化合物、様々な揮発性有機化合物(VOC類)およびクロロフルオロカーボン類(CFC類)が含まれる。化学的発泡剤は、典型的には、窒素、二酸化炭素、または一酸化炭素などのガスの放出が生じる、ポリマーマトリックスを形成する材料との化学的反応(通常、所定の温度/圧力で)を含むある種の化学的変化を受ける。使用されることが最も多い化学的発泡剤の1つは水である。物理的発泡剤は、典型的には、ポリマーまたはポリマー前駆体材料中に溶解し、次いで、容積が膨張して(ここでも、所定の温度/圧力で)、発泡構造を形成する一因となる。物理的発泡剤は、熱可塑性発泡体と関連して使用されることが多いが、化学的発泡剤は、熱可塑性発泡体と関連して物理的発泡剤の代わりにまたはそれに加えて使用することができる。例えば、化学的発泡剤を、ポリ塩化ビニル系発泡体の形成と関連して使用することが知られている。熱硬化性発泡体と関連して化学的発泡剤および/または物理的発泡剤を使用することが一般的である。当然、これらを含むある種の化合物(複数)および組成物(複数)は、同時に、化学的および物理的発泡剤を構成することができる。
【0005】
過去において、硬質および柔軟なポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体などの、イソシアネート系発泡体の調製における標準的な発泡剤として、CFC類を使用することが一般的であった。例えば、CClF(CFC−11)は、標準的発泡剤になっている。しかし、この物質の使用は、大気中へのその放出が、成層圏中のオゾン層に損害を与えるという理由で、国際条約により禁止されている。その結果、イソシアネート系発泡体およびフェノール系発泡体などの熱硬化性発泡体を形成するための標準的発泡剤として、ニートCFC−11を使用することは、もはや通常一般的ではない。
【0006】
CFC類に関する問題により、水素含有クロロフルオロアルカン(HCFC類)の利用がより多くなった。例えば、CHClCF(HCFC−123)、CHClCHClF(HCFC−141b)は、大気中で比較的短い寿命を有する。しかし、HCFC類は、CFC類に比較して環境に配慮した発泡剤であると考えられているが、このような化合物は、依然として多少の塩素を含み、したがって、「オゾン層破壊係数」(「ODP」と呼ばれる)を有する。ゼロではないODPの理由で、HCFC類は、最終的な使用からの撤廃の対象となっている。
【0007】
発泡剤の別の既知のクラスは、非塩素化の部分的に水素化されたフルオロカーボン(「HFC類」と呼ばれる)である。現在、発泡剤として使用されているある特定のHFCは、少なくとも1つの潜在的に重大な問題、即ち、これらは、全体的に比較的高い固有熱伝導性(即ち、不十分な熱絶縁性)を有する。それにひきかえ、CFCHCFH(HFC−245fa)などの、最新の特定のHFC発泡剤で作製された発泡体は、一部はHFC−245fa蒸気の低い熱伝導率のために、および一部はHFC−245faが発泡体に付与する微細な気泡構造のために、改良された断熱性を提供する。HFC−245faは、断熱用途、特に、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵庫/冷凍庫および吹付け発泡体用途に広範に使用されてきた。それにもかかわらず、多くのHFC流体は、比較的高い地球温暖化係数を有するという欠点を共通に有しており、使用特性において所望の性能を維持しながら、可能な限り低い地球温暖化係数を有するヒドロフルオロカーボンまたは他のフッ素化流体を使用することが望ましい。HFC−245fa、HFC−134a、HFC−365mfc、その他などの最新のHFC類であっても、他のHFC類に比較して低いにもかかわらず、望ましいものよりも高い地球温暖化係数を示す。したがって、発泡断熱、特に硬質発泡断熱における発泡剤としてHFC類の使用は、商業的発泡断熱における発泡剤に対するより望ましくない候補であるということに帰着する。
【0008】
炭化水素発泡剤も知られている。例えば、Hutzenの米国特許第5182309号は、様々なエマルジョン混合物中のイソ−およびノルマル−ペンタンの使用を教示している。炭化水素発泡剤の別の例には、Volkertの米国特許第5096933号によって教示されるように、シクロペンタンがある。シクロペンタン、およびペンタンの異性体などの多くの炭化水素発泡剤は、オゾン層破壊係数がゼロの物質であり、非常に低い地球温暖化係数を示すが、これらの発泡剤から生成した発泡体は、例えばHFC−245fa発泡剤で作製された発泡体と同程度に断熱効率が欠如しているので、このような材料は決して十分に望ましいものではない。さらに、炭化水素発泡剤は、極めて燃焼性であり、これは望ましくない。また、ある種の炭化水素発泡剤は、ある状況下では、ポリイソシアヌレート変性ポリウレタン発泡体に一般的に使用されている多くのポリエステルポリオールなどの、発泡体が形成される材料との不十分な混和性を有する。これらのアルカンの使用においては、適した混合物を得るために、化学的界面活性剤がしばしば必要である。
【0009】
したがって、これまで上記およびその他の用途に発泡剤として使用された組成物に対する魅力的な代替物である、新規な化合物および組成物の増大する必要性がある。したがって、本出願人らは、CFC類およびHCFC類に対する有効な代替物を提供し、これらより環境的に安全な代替物と考えられる、新規なフルオロカーボン系化合物および組成物に対する必要性を認識している。しかしながら、どんな潜在的代替物も、少なくとも最も広範に使用された発泡剤の多くに付随するものに匹敵する、とりわけ、気相熱伝導率(低いk−因子)、低いまたは無毒性などの特性を有するか、または発泡体にこれらの特性を付与することが一般的に極めて望ましいものと考えられる。
【0010】
多くの用途において、他の潜在的に重要な特性の1つは燃焼性である。即ち、特に発泡剤の用途を含む多くの用途において、低燃焼性または非燃焼性である組成物を使用することは、重要であるか、あるいは必須であると考えられる。本明細書では、「非燃焼性(nonflammable)」という用語は、参照により本明細書に援用する、2002年付けの、ASTM standard E−681に従って測定して、非燃焼性と決定された化合物または組成物を指す。残念ながら、さもなければ発泡体用発泡剤組成物中に使用するのが望ましい多くのHFC類は非燃焼性ではない。例えば、フルオロアルカンジフルオロエタン(HFC−152a)およびフルオロアルケン1,1,1−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)は、それぞれが燃焼性であり、従って、多くの用途に使用することは実行不可能である。
【0011】
比較的燃焼性な材料の他の例には、フッ素化エーテル1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル(これは、HFE−254pcまたは時にはHFE−254cbと称される)があり、約5.4%〜約24.4%の燃焼限界(体積%)を有することが測定されている。この一般的なタイプのフッ素化エーテルについては、参照により本明細書に援用される、Behemeらの米国特許第5137932号に発泡剤としての使用が開示されている。
【0012】
Tapscottの米国特許第5900185号には、発泡体用発泡剤を含む特定の材料の燃焼性を低下させるために、臭素含有ハロカーボン添加剤を使用することが提案されている。この特許中の添加剤は、高い効率ならびに短い大気寿命、即ち、低オゾン層破壊係数(ODP)および低い地球温暖化係数(GWP)を特徴とすると言われている。
【0013】
Tapscottの特許に記載の臭素化オレフィンは、ある種の材料と関連して燃焼防止剤としてある程度の効果は有し得るが、発泡剤としてのこのような材料の使用の開示は存在していない。さらに、このような化合物はまた、ある種の欠点を有するものと考えられる。例えば、本出願人らは、Tapscottの特許で特定された化合物の多くは、このような化合物の比較的高い分子量のために、発泡剤として比較的低い有効性を有することを認識するに至っている。さらに、Tapscottの特許で開示された化合物の多くは、発泡剤として使用した場合、このような化合物の比較的高い沸点に起因する問題に遭遇することであろう。さらに、高置換度を有する多くの化合物は、望ましくない毒性および/または潜在的に環境に望ましくない生物蓄積などの他の望ましくない特性を有すると本出願人らには解される。
【0014】
Tapscottは、2〜6個の炭素原子を有する臭素含有アルケンはフッ素置換基も含んでもよいことを示しているが、この特許は、「フッ素非含有ブロモアルカンは、対流圏のヒドロキシルフリーラジカルとの反応に起因して非常に短い大気寿命を有するであろう」と言及することによって(カラム8、34〜39行)、フッ素含有化合物は決して環境安全の観点から完全に望ましくはないことを示唆しているように思われる。
【0015】
さらに、発泡剤代替物が、発泡体の調製および成形に使用される従来の装置およびシステムへの大きな技術的変更なく有効であることが一般的に望ましいと考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本出願人らは、従って、有利な特性を提供しおよび/または上記の1つまたは複数の欠点を回避する、組成物、特に発泡剤、発泡性組成物、発泡物品ならびに発泡体を形成する方法およびシステムに対する必要性を認めるに至った。したがって、本出願人らは、多くの用途において潜在的に有用でありながら、一方で、上記の欠点の1つまたは複数を回避する、組成物、特に発泡剤の必要性を認めるに至った。
【0017】
本発明は、特にポリマー発泡体と関連する組成物、方法、システムおよび物質に関連した用途を含む、多くの用途において有用性を有する、組成物、方法およびシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本出願人らは、上記の必要性およびその他の必要性は、1種または複数のC2〜C6フルオロアルケン、より好ましくは1種または複数のC3〜C5フルオロアルケン、さらにより好ましくは1種または複数の以下の式Iの化合物:
XCF3−Z(I)
(式中、Xは、C、C、C、CまたはCの不飽和の、置換されているまたは置換されていない基であり、各Rは独立に、Cl、F、Br、IまたはHであり、zは1〜3である)
を含む、発泡剤組成物、発泡性組成物、発泡体および/または発泡物品によって満たすことができることを見出した。一般に、本発明のフルオロアルケンは、少なくとも4個のハロゲン置換基を有し、そのうち少なくとも3個はFであり、さらにより好ましくはそのいずれもがBrではないことが好ましい。
【0019】
少なくとも1個のBr置換基が存在する実施形態では、この化合物は水素を含まないことが好ましい。このような実施形態では、一般にまた、Br置換基が不飽和炭素上にあることが好ましく、さらにより好ましくは、Br置換基は非末端不飽和炭素上にある。このクラスの特に好ましい化合物の1つは、そのすべての異性体を含むCFCBr=CFである。
【0020】
特定の実施形態では、式Iの化合物が、3〜5個のフッ素置換基を有し、他の置換基は、存在するか、あるいは存在しない、プロペン、ブテン、ペンテンおよびヘキセンであることが極めて好ましい。ある特定の好ましい実施形態では、どのRもBrではなく、好ましくは、この不飽和基はBr置換基を含まない。プロペンの中で、ある特定の実施形態では、テトラフルオロプロペン類(HFO−1234)およびフルオロクロロプロペン類(例えば、トリフルオロ、モノクロロプロペン類(HFCO−1233))、さらにより好ましくはCFCCl=CH(HFO−1233xf)およびCFCH=CHCl(HFO−1233zd))が特に好ましい。
【0021】
特定の実施形態では、CFCF=CFH(HFO−1225yez)などの末端不飽和炭素上に水素置換基が存在するペンタフルオロプロペン類を特に含む、ペンタフルオロプロペン類が好ましい。なぜなら、特に、本出願人らは、このような化合物は、少なくとも化合物CFCH=CF(HFO−1225zc)に比較して、比較的低い程度の毒性を有することを見出しているからである。
【0022】
ブテンの中で、ある特定の実施形態ではフルオロクロロブテンが特に好ましい。
【0023】
本明細書で使用される「HFO−1234」という用語は、すべてのテトラフルオロプロペンを指す。テトラフルオロプロペンの中には、1,1,1,2−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)ならびにシス−およびトランス−1,1,1,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)の両方が含まれる。本明細書ではHFO−1234zeという用語は、シス形態であろうとトランス形態であろうと関係なく、1,1,1,3−テトラフルオロプロペンを指すのに一般に使用される。本明細書では、「シスHFO−1234ze」および「トランスHFO−1234ze」という用語は、それぞれ1,1,1,3−テトラフルオロプロペンのシス形態およびトランス形態を記述するのに使用される。したがって、「HFO−1234ze」という用語には、その範囲中にシスHFO−1234ze、トランスHFO−1234ze、およびすべてのその組合せおよび混合物が含まれる。
【0024】
本明細書では、「HFO−1233」という用語は、すべてのトリフルオロ、モノクロロプロペンを指すのに使用される。トリフルオロ、モノクロロプロペンの中には、1,1,1−トリフルオロ−2−クロロプロペン(HFCO−1233xf)ならびにシス−およびトランス−1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペン(HFCO−1233zd)の両方が含まれる。本明細書では、HFCO−1233zdという用語は、シス形態であろうとトランス形態であろうと関係なく、1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペンを指すのに一般に使用される。本明細書では、「シスHFCO−1233zd」および「トランスHFCO−1233zd」という用語は、それぞれ、1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペンのシス形態およびトランス形態を記述するのに使用される。したがって、「HFCO−1233zd」という用語には、その範囲中にシスHFCO−1233zd、トランスHFCO−1233zd、およびそのすべての組合せおよび混合物が含まれる。
【0025】
本明細書では、「HFO−1225」という用語は、すべてのペンタフルオロプロペンを指すのに使用される。このような分子の中には、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225yez)、そのシス形態およびトランス形態の両方が含まれる。したがって、本明細書ではHFO−1225yezという用語は、一般に、シス形態であろうとトランス形態であろうと関係なく、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペンを指すのに使用される。したがって、「HFO−1225yez」という用語には、その範囲中にシスHFO−1225yez、トランスHFO−1225yez、およびそのすべての組合せおよび混合物が含まれる。
【0026】
ある特定の好ましい実施形態では、本発明は、本明細書に言及された、任意の1種または複数の好ましい群および/または好ましい個々のフッ素化アルケン化合物を含む、1種または複数のC2〜C6フッ素化アルケン、より好ましくはC3〜C4フッ素化アルケン、ならびに1種または複数のフッ素化エーテル、より好ましくは1種または複数のヒドロ−フッ素化エーテル、さらにより好ましくは1種または複数のC3〜C5ヒドロ−フッ素化エーテルを含む、発泡剤組成物、発泡性組成物、発泡体および/または発泡物品を提供する。ある特定の非常に好ましい実施形態では、本発明のこの態様に従って使用されるフッ素化エーテル(単数または複数)は、以下の式(III):
−O−C(III)
(式中、
a=1〜6、より好ましくは2〜5、さらにより好ましくは3〜5であり、
b=1〜12、より好ましくは1〜6、さらにより好ましくは3〜6であり、
c=1〜12、より好ましくは1〜6、さらにより好ましくは2〜6であり、
d=1〜2であり、
e=0〜5、より好ましくは1〜3であり、
f=0〜5、より好ましくは0〜2であり、
前記Cの1つは、前記Cの1つと結合して、シクロフルオロエーテルを形成してもよい)
である。
【0027】
本発明は、発泡のための方法およびシステムを含む、本発明の組成物を使用する方法およびシステムも提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
組成物
本発明の組成物は、一般に、発泡剤組成物または発泡性組成物の形態とすることができる。いずれの場合も、本発明は、本明細書に記載の少なくとも1種のフルオロアルケン化合物および、場合により追加の成分を必要とし、そのいくつかが以下に詳細に説明されている。
【0029】
A.フルオロアルケン
本発明の好ましい実施形態は、2〜6個、好ましくは3〜5個の炭素原子、より好ましくは3〜4個の炭素原子、ある特定の実施形態では、最も好ましくは3個の炭素原子、および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む、少なくとも1種のフルオロアルケンを含む組成物を対象とする。本発明のフルオロアルケン化合物は、少なくとも1つの水素を含む場合、本明細書では簡便のためにヒドロフルオロ−オレフィンまたは「HFO類」と称されることもある。本発明のHFO類は、2つの炭素−炭素二重結合を含んでもよいと意図されるが、このような化合物は、現在のところ好ましくはないと考えられる。少なくとも1個の塩素原子をも含むHFO類には、本明細書では記号HFCOが使用されることもある。
【0030】
上記の通り、本発明の組成物は、式Iに従う1種または複数の化合物を含む。好ましい実施形態では、この組成物は、以下の式II:
【化1】

(式中、各Rは独立に、Cl、F、Br、IまたはHであり、
R’は(CRYであり、
YはCRFであり、
nは、0、1、2または3、好ましくは0または1である)の1種または複数の化合物であって、しかしながら、Brがこの化合物中に存在しないか、あるいは、Brがこの化合物中に存在する場合は、水素が化合物中に存在しないことが一般に好ましい。
【0031】
極めて好ましい実施形態では、YはCFであり、nは、0または1(最も好ましくは0)であり、残りの複数のRのうち少なくとも1つはFであり、好ましくは、RはBrではないか、またはBrが存在する場合は、この化合物中には水素は存在しない。ある場合は、式IIにおけるRはBrではないことが好ましい。
【0032】
本出願人らは、一般に、上記に特定された式IおよびIIの化合物は、本明細書に含まれる教示によれば、発泡剤組成物中で全体的に有効であり、有用性を示すものと考える。しかしながら、本出願人らは、驚くべきことには、且つ思いがけなく、上記の式に従う構造を有する特定の化合物は、他のこのような化合物に比較して極めて望ましい低レベルの毒性を示すことを見出した。容易に理解することができるように、この発見は、発泡剤組成物の配合に対して潜在的に極めて大きな利点および利益である。より特には、本出願人らは、比較的低毒性レベルは、式Iまたは式II(好ましくは、式中、YはCFであり、nは、0または1である)の化合物、ここで、不飽和末端炭素上の少なくとも1つのRはHであり、残りの複数のRの少なくとも1つは、FまたはClである化合物、に付随するものと考える。本出願人らは、このような化合物のすべての構造異性体、幾何異性体および立体異性体も有効であり、有利に低毒性であるものと考える。
【0033】
特定の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、CもしくはCのHFOまたはHFCO、好ましくはCのHFO、より好ましくは、式Iに従う化合物(ここで、Xはハロゲン置換Cアルキレンであり、zは3である)を含む。特定のこのような実施形態では、Xは、フッ素および/または塩素置換Cアルキレンであって、ある特定の実施形態では、以下のCアルキレン基が好ましい:
−CH=CF−CH
−CF=CH−CH
−CH−CF=CH
−CH−CH=CFH
【0034】
したがって、このような実施形態は、以下の好ましい化合物を含む:CF−CH=CF−CH;CF−CF=CH−CH;CF−CH−CF=CH;CF−CH−CH=CFH;ならびにこれらと、1つの別の化合物および/または式Iまたは式IIに従う他の化合物(複数)との組合せ。
【0035】
ある特定の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、C3またはC4のHFCO、好ましくはC3のHFCO、より好ましくは式IIに従う化合物(ここで、YはCFであり、nは0であり、不飽和末端炭素上の少なくとも1つのRはHであり、残りのRの少なくとも1つはClである)を含む。HFCO−1233はそのような好ましい化合物の一例である。
【0036】
極めて好ましい実施形態、特に、上記の低毒性化合物を含む実施形態では、nは0である。ある特定の極めて好ましい実施形態では、本発明の組成物は、HFO−1234yf、(シス)HFO−1234zeおよび(トランス)HFO−1234zeを含む1種または複数のテトラフルオロプロペンを含み、ある特定の実施形態では、HFO−1234zeが一般に好ましく、トランスHFO−1234zeが極めて好ましい。(シス)HFO−1234zeおよび(トランス)HFO−1234zeの特性は、少なくともどこか異なるが、これらの化合物のそれぞれは、本明細書に記載のそれぞれの用途、方法およびシステムと関連して、単独であるいはその立体異性体を含む他の化合物と一緒に使用するのに適合性があることが企図される。例えば、(トランス)HFO−1234zeは、その比較的低沸点(−19℃)の理由である特定のシステムに用いるのが好ましくあり得るが、+9℃の沸点を有する(シス)HFO−1234zeは、他の用途に好ましくあり得る。当然、おそらく、シス異性体およびトランス異性体の組合せは許容され、および/または多くの実施形態で好ましいであろう。したがって、「HFO−1234ze」という用語および1,3,3,3−テトラフルオロプロペンは、両方の立体異性体を指すと解され、この用語の使用は、別段の指示がなければ、シス形態およびトランス形態の各々は、提示された目的に適用されおよび/または有用であることを示すことを意図している。
【0037】
HFO−1234化合物は、既知の物質であり、Chemical Abstracts databasesに列挙されている。様々な飽和および不飽和の、ハロゲン含有C3化合物の接触的気相フッ素化による、CFCH=CHなどのフルオロプロペンの製造は、米国特許第2889379号;同4798818号および4465786号に記載されており、それぞれを参照により本明細書に援用する。また、参照により本明細書に援用される、EP974571には、気相中で1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)を高温でクロム系触媒と、あるいは液相中でKOH、NaOH、Ca(OH)またはMg(OH)のアルコール溶液と接触させることによる、1,1,1,3−テトラフルオロプロペンの調製を開示している。さらに、本発明による化合物を製造する方法は、代理人整理番号(H0003789(26267))を有する、「Process for Producing Fluorpropenes」という題の係属中の米国特許出願に関して全体的に記載されており、これも参照により本明細書に援用する。
【0038】
本発明により使用すための他の好ましい化合物には、そのすべての異性体(例えば、HFO−1225)を含むペンタフルオロプロペン、そのすべての異性体(例えば、HFO−1354およびHFO−1345)を含むテトラ−およびペンタ−フルオロブテンが含まれる。当然、本発明の組成物は、本発明の広い範囲中のまたは本発明の好ましい範囲中の任意の2つ以上の化合物の組合せを含むことができる。
【0039】
本発明の組成物、特に、HFO−1234(HFO−1234zeおよびHFO−1234yfを含む)を含むものは、いくつかの重要な理由のために、有利である特性を有するものと考えられる。例えば、本出願人らは、少なくとも一部は数学的モデリングに基づいて、本発明のフルオロオレフィンは、いくつかの他のハロゲン化化学種に比較してオゾン層破壊に対して無視し得る一因であるので、大気の化学作用には実質的に負の影響は及ぼさないものと考える。したがって、本発明の好ましい組成物は、オゾン層破壊に対して実質的に寄与しないという利点を有する。この好ましい組成物は、現在使用中の多くのヒドロフルオロアルカンに比較して地球温暖化に対しても実質的に寄与しない。
【0040】
ある特定の好ましい形態では、本発明の組成物は、約1000以下、より好ましくは約500以下、さらにより好ましくは約150以下の地球温暖化係数(GWP)を有する。ある特定の実施形態では、本発明の組成物のGWPは、約100以下、さらにより好ましくは約75以下である。本明細書では、「GWP」は、参照により本明細書に援用する、「The Scientific Assessment of Ozone Depletion、2002、A report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project」に定義されているように、二酸化炭素のGWPに比較して100年の時間範囲にわたり測定される。
【0041】
ある特定の好ましい形態では、本発明の組成物はまた、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.02以下、さらにより好ましくは約0のオゾン層破壊係数(ODP)を有する。本明細書では、「ODP」は、参照により本明細書に援用する、「The Scientific Assessment of Ozone Depletion、2002、A report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project」に定義されている。
【0042】
本発明の組成物中に含まれる、式Iの化合物、特にHFO−1234、さらにより好ましくはHFO−1234zeの量は、個々の用途に応じて広範に変化することができ、この化合物の痕跡量を超え100%未満を含む組成物は、本発明の広い範囲内である。さらに、本発明の組成物は、共沸、共沸混合物様または非共沸とすることができる。好ましい実施形態では、本発明の組成物、特に発泡剤組成物は、式Iおよび/または式II化合物、好ましくはHFO−1234およびより好ましくはHFO−1234zeおよび/またはHFO−1234yfを約1重量%〜約99重量%、より好ましくは約5重量%〜約95重量%、さらにより好ましくは40重量%〜約90重量%の量で含む。
【0043】
B.フルオロエーテル
本発明のある特定の好ましい実施形態は、本明細書に記載された少なくとも1種のフルオロアルケンと、2〜8個、好ましくは2〜7個、さらにより好ましくは2〜6個の炭素原子、およびある特定の実施形態では、最も好ましくは3個の炭素原子を含む、少なくとも1種のフルオロ−エーテル、より好ましくは少なくとも1種のヒドロ−フルオロエーテルとを含む組成物を対象とする。本発明のヒドロ−フルオロエーテル化合物は、これらが少なくとも1個の水素を含む場合、本明細書では簡便さの目的で、ヒドロフルオロ−エーテルまたは「HFE類」と称されることもある。
【0044】
本出願人らは、一般に、本開示によるフルオロエーテル、特に上記に特定された式(III)に従うフルオロエーテルは、本明細書に含まれる教示によるフルオロアルケン化合物と組み合わせると、全体的に有効であり有用性を示すものと考える。しかしながら、本出願人らは、ある特定の実施形態、特に、発泡剤組成物および発泡体および発泡法が関連する実施形態では、フルオロエーテルの中から、少なくともジフッ素化、より好ましくは少なくともトリフッ素化、さらにより好ましくは少なくともテトラ−フッ素化されたヒドロフルオロエーテルを使用することが好ましいことを見出している。特に好ましいある特定の実施形態は、3〜5個の炭素原子、より好ましくは3〜4個の炭素原子、さらにより好ましくは3個の炭素原子を有するテトラフッ素化フルオロエーテルである。
【0045】
ある特定の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、任意のおよびすべてのその異性体の形態を含む、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル(これは、本明細書ではHFE−245pcまたはHFE−245cb2と称されることもある)を含む。
【0046】
本発明の組成物中に含まれている式III化合物、特に1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテルの量は、個々の用途に応じて広範に変化することができ、この化合物の痕跡量を超え100%未満を含む組成物は、本発明の広い範囲内である。好ましい実施形態では、本発明の組成物、特に発泡剤組成物は、化合物の好ましい群を含む式III化合物を、約1重量%〜約99重量%、より好ましくは約5重量%〜約95重量%、さらにより好ましくは40重量%〜約90重量%の量で含む。
【0047】
以下の1種または複数の化合物は、本発明のある特定の好ましい実施形態による使用に好ましい:
【化2】

【0048】
【化3】

【0049】
本発明者らは、本発明の好ましい態様によれば、上記に示された任意の2つ以上のHFE類を組み合わせて使用してもよいことを企図すると理解されたい。例えば、本発明のある特定の好ましい実施形態によれば、メチルノナフルオロイソブチルエーテル約20%〜約80%と、メチルノナフルオロブチルエーテル約20%〜約80%との混合物であると解される、3Mによって商品名HFE−7100として販売されている材料を有利に使用し得ると企図される。他の例としては、本発明のある特定の好ましい実施形態によれば、エチルノナフルオロイソブチルエーテル約20%〜約80%と、エチルノナフルオロブチルエーテル約20%〜約80%との混合物であると解される、3Mによって商品名HFE−7200として販売されている材料を有利に使用し得ると企図される。
【0050】
任意の1種または複数の上記に列挙されたHFE類は、他の化合物と組み合わせて使用し得ることも企図される。この他の化合物としては、本明細書に具体的には列挙されていない他のHFE類および/または示されたフルオロエーテルがそれと共に共沸混合物を形成することが知られている他の化合物をも含む。例えば、以下の化合物はそれぞれ、トランス−ジクロロエチレンと共沸混合物を形成することが知られており、本発明の目的ではこのような共沸混合物の使用は、本発明の広い範囲中に入るものとみなされることが企図される:
【0051】
【化4】

【0052】
C.他の成分−発泡剤組成物
ある特定の本発明の実施形態では、この発泡剤組成物は、本発明の式Iに従う1種または複数の化合物からなるか、または実質的にそれからなることが企図される。したがって、本発明には、実質的な量の追加の成分が何も存在することなく、発泡剤として1種または複数の本発明の化合物を用いることを含む、方法およびシステムが含まれる。しかしながら、式Iまたは式IIの範囲内に含まれない1種または複数の化合物または成分が、本発明の発泡剤組成物中に場合により、しかし好ましくは含まれる。このような、場合により含まれる追加の化合物には、限定するものではないが、また、発泡剤としての役割を果たす他の化合物(以下、便宜上、限定するものではないが共発泡剤と呼ぶ)、界面活性剤、ポリマー改良剤、強靭化剤、着色剤、染料、溶解促進剤、レオロジー調整剤、可塑剤、燃焼抑制剤、抗菌剤、粘度低下調整剤、充填剤、蒸気圧調整剤、核形成剤、触媒等が含まれる。ある特定の好ましい実施形態では、分散剤、気泡安定剤、界面活性剤および他の添加剤も、本発明の発泡剤組成物に加えることができる。ある種の界面活性剤は、場合によるが好ましくは、気泡安定剤としての機能を果たすために添加される。いくつかの代表的な材料が、商品名DC−193、B−8404、およびL−5340として販売されており、これらは、一般的に、米国特許第2834748号、同2917480号、および同2846458号(それぞれを参照により本明細書に援用する)に開示されているような、ポリシロキサン ポリオキシアルキレン ブロックコポリマーである。この発泡剤混合物のためのその他の場合により含まれる添加剤は、難燃剤、例えば、トリ(2−クロロエチル)ホスフェート、トリ(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリ(2,3−ジブロモプロピル)−ホスフェート、トリ(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ジアンモニウムホスフェート、様々なハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物、ポリ塩化ビニル等を含むことができる。
【0053】
核形成剤に関しては、特にタルクを含む、核形成機能を有するすべての既知の化合物および材料が、本発明に使用するのに利用可能である。
【0054】
当然、この組成物のある種の特性(例えば、コストなど)を調節する、他の化合物および/または成分も本発明の組成物中に含めてもよく、すべてのこのような化合物および成分の存在は、本発明の広い範囲中に入る。
【0055】
したがって、本発明の組成物の好ましい実施形態は、式Iの化合物(特に、HFO−1234zeおよび/またはHFO−1234yfを含む)に加えて、1種または複数の共発泡剤を含む。本発明による共発泡剤は、物理的発泡剤、化学的発泡剤(好ましくは、特定の実施形態では水を含む)または物理的および化学的発泡性の組合せを有する発泡剤を含むことができる。式Iの化合物および共発泡剤を含む、本発明の組成物に含まれる発泡剤は、発泡剤として特徴付けられるのに必要なものに加えて、諸特性を示してもよいと解される。例えば、本発明の発泡剤組成物には、上記の式Iの化合物を含めて、それが添加される発泡剤組成物にまたは発泡性組成物にある有利な特性を付与する成分もまた含まれることが企図される。例えば、式Iの化合物または共発泡剤が、ポリマー改良剤としてまたは粘度低下調整剤としての役割を果たすことも本発明の範囲中に入る。
【0056】
本発明によれば、広範な共発泡剤を使用してもよいことが企図されるが、ある特定の実施形態では、本発明の発泡剤組成物は、共発泡剤として1種または複数のHFC類、より好ましくは1種または複数のC1〜C4のHFC類、および/または1種または複数の炭化水素、より好ましくはC4〜C6の炭化水素を含むことが好ましい。例えば、HFC類に関しては、本発明の発泡剤組成物は、1種または複数のジフルオロメタン(HFC−32)、フルオロエタン(HFC−161)、ジフルオロエタン(HFC−152)、トリフルオロエタン(HFC−143)、テトラフルオロエタン(HFC−134)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、ペンタフルオロプロパン(HFC−245)、ヘキサフルオロプロパン(HFC−236)、ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、ペンタフルオロブタン(HFC−365)、ヘキサフルオロブタン(HFC−356)およびすべてのこのようなHFC類のすべての異性体を含むことができる。炭化水素に関しては、本発明の発泡剤組成物には、ある特定の好ましい実施形態では、例えば、熱硬化性発泡体のためには、イソ、ノルマルおよび/またはシクロペンタン、および熱可塑性発泡体のためには、ブタンまたはイソブタンを含むことができる。当然、他の材料、例えば、水、CO、CFC類(トリクロロフルオロメタン(CFC−11)およびジクロロジフルオロメタン(CFC−12)など)、ヒドロクロロカーボン(HCC類、例えば、ジクロロエチレン(好ましくはトランス−ジクロロエチレン)、塩化エチルおよびクロロプロパン)、HCFC類、C1〜C5アルコール(例えば、エタノールおよび/またはプロパノールおよび/またはブタノールなど)、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケトン、C1〜C4エーテル((ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルなどの)エーテル、(ジメトキシメタンおよびジエトキシメタンなどの)ジエーテルを含む)、およびギ酸メチル、並びに任意のこれらの組合せを含めることもできるが、このような成分は、環境に悪影響を及ぼすために多くの実施形態で好ましくないと考えられる。
【0057】
ある特定の実施形態では、1種または複数の以下のHFC異性体は、本発明の組成物中に共発泡剤として使用するのに好ましい:
1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC−125)
1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)
1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)
1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa)
1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)および
1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)。
【0058】
任意の上記の追加の共発泡剤、および本発明の組成物中に含めることができる任意の追加の成分の相対量は、この組成物のための個々の用途に応じて本発明の一般的な広い範囲で広範に変化してもよく、すべてのこのような相対量は、本明細書の範囲中に入るものとみなされる。しかしながら、本出願人らは、少なくともある種の本発明による式Iの化合物、例えばHFO−1234zeの1つの特定の利点は、このような化合物の比較的低い燃焼性であることに注目する。したがって、ある特定の実施形態では、本発明の発泡剤組成物は、少なくとも1つの共発泡剤および全体的に非燃焼性である発泡剤組成物を製造するのに十分な量の式Iに従う化合物(単数または複数)を含むことが好ましい。したがって、このような実施形態では、式Iの化合物に対する共発泡剤の相対量は、少なくともある程度は、共発泡剤の燃焼性により決まる。
【0059】
本発明の発泡剤組成物は、本発明の化合物を広い範囲の量で含んでもよい。しかしながら、本発明による発泡剤として使用するのに好ましい組成物では、式I、さらにより好ましくは式IIに従う化合物(単数または複数)は、この組成物の少なくとも約1重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%、さらにより好ましくは少なくとも約15重量%である量で存在することが一般に好ましい。ある特定の好ましい実施形態では、この発泡剤は、本発明の発泡剤化合物(単数または複数)の少なくとも約50重量%を占め、ある特定の実施形態では、この発泡剤は、実質的に本発明による化合物からなる。これに関しては、1種または複数の共発泡剤の使用は、本発明の新規で基本的な特徴と整合することに留意されたい。例えば、多くの実施形態において、水を、共発泡剤として、あるいは他の共発泡剤(例えば、ペンタン、特にシクロペンタンなど)と組み合わせて使用することが企図される。
【0060】
本発明の発泡剤組成物は、HFO−1234yf、シスHFO−1234ze、トランスHFO1234zeまたはその2つ以上の組合せを、好ましくは、この組成物の少なくとも約15重量%の量で含んでもよいことが企図される。多くの好ましい実施形態では、水を含む共発泡剤がこの組成物中、最も好ましくは、熱硬化性発泡体を使用することを対象とする組成物中に含まれる。ある特定の好ましい実施形態では、本発明の発泡剤組成物は、シスHFOI234zeとトランスHFO1234zeの組合せを約1:99〜約50:50、より好ましくは約10:90〜約30:70のシス:トランス重量比で含む。ある特定の実施形態では、シスHFO1234zeとトランスHFO1234zeの組合せを約1:99〜約10:90、好ましくは約1:99〜約5:95のシス:トランス重量比で使用することが好ましいこともある。当然、ある特定の実施形態では、例えば、液体発泡剤と共に使用するのに適した発泡性組成物と使用する場合であり得るように、シス異性体がトランス異性体より高濃度で存在する組合せを使用することが望ましいこともある。
【0061】
ある特定の好ましい実施形態では、この発泡剤組成物は、約30重量%〜約95重量%、より好ましくは約30重量%〜約96重量%、より好ましくは約30重量%〜約97重量%、さらにより好ましくは約30重量%〜約98重量%、さらにより好ましくは約30重量%〜約99重量%の式Iの化合物、より好ましくは式IIの化合物、さらにより好ましくは1種または複数のHFO−1234化合物、および、約5重量%〜約90重量%、より好ましくは約5重量%〜約65重量%の、1種または複数のフルオロエーテルを含む共発泡剤を含む。ある特定のこのような実施形態では、この共発泡剤は、HO、HFC類、HFE類、炭化水素、アルコール(好ましくはC2、C3および/またはC4アルコール)、CO、およびその任意の2つ以上の組合せからなる群から選択される化合物を含み、好ましくは本質的にそれらからなる。
【0062】
以下の表Aは、ある特定の好ましい実施形態による、一般にHFO類、およびHFO−1234(より特にHFO−1234ze)とHFEとのいくつかの組合せを示す(すべての百分率(%)は重量%である)。
【0063】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【0064】
共発泡剤がHOを含む好ましい実施形態では、この組成物は、HOを総発泡剤組成物の約5重量%〜約50重量%、より好ましくは約10重量%〜約40重量%、さらにより好ましくは、総発泡剤の約10%〜約20重量の量で含む。
【0065】
共発泡剤がCOを含む好ましい実施形態では、この組成物は、COを総発泡剤組成物の約5重量%〜約60重量%、より好ましくは約20重量%〜約50重量%、さらにより好ましくは、総発泡剤の約40%〜約50重量の量で含む。
【0066】
共発泡剤がアルコール、好ましくは、C2、C3および/またはC4アルコール、を含む好ましい実施形態では、この組成物は、アルコールを総発泡剤組成物の約5重量%〜約40重量%、より好ましくは約10重量%〜約40重量%、さらにより好ましくは、総発泡剤の約15%〜約25重量の量で含む。
【0067】
HFC共発泡剤を含む組成物では、HFC共発泡剤(好ましくはC2、C3、C4および/またはC5のHFC、さらにより好ましくはジフルオロメタン(HFC−152a)(HFC−152aは押出熱可塑性樹脂のために特に好ましい)、および/またはペンタフルオロプロパン(HFC−245))は、好ましくは、総発泡剤組成物の約5重量%〜約80重量%、より好ましくは約10重量%〜約75重量%、さらにより好ましくは、総発泡剤の約25重量%〜約75重量%の量でこの組成物中に存在する。さらに、このような実施形態では、HFCは、好ましくはC2〜C4のHFC、さらにより好ましくはC3のHFCであり、HFC−245faなどのペンタ−フッ素化C3のHFCが、ある特定の実施形態では極めて好ましい。
【0068】
HFE共発泡剤を含む組成物では、HFE共発泡剤(好ましくは、C2、C3、C4および/またはC5のHFE)、さらにより好ましくはHFE−254(特にHFE−254pcを含む)は、好ましくは、総発泡剤組成物の約5重量%〜約80重量%、より好ましくは約10重量%〜約75重量%、さらにより好ましくは、総発泡剤の約25%〜約75重量%の量でこの組成物中に存在する。さらに、このような実施形態では、HFEは好ましくはC2〜C4のHFE、さらにより好ましくはC3のHFCであり、ある特定の実施形態では、テトラ−フッ素化C3のHFEが極めて好ましい。
【0069】
HC共発泡剤を含む組成物では、HC共発泡剤(好ましくはC3、C4および/またはC5のHC)は、好ましくは総発泡剤組成物の約5重量%〜約80重量%、さらにより好ましくは、総発泡剤の約20重量%〜約60重量%の量でこの組成物中に存在する。
【0070】
D.他の成分−発泡性組成物
本発明の一態様は発泡性組成物を提供する。当業者には知られているように、発泡性組成物は、一般に、発泡体を形成することが可能である1種または複数の成分を含む。本明細書では、「発泡体形成性物質」という用語は、発泡体構造、好ましくは、一般に気泡構造を形成することが可能である成分、または成分の組合せを指すのに使用される。本発明によれば、本発明の発泡性組成物は、このような成分(単数または複数)および発泡剤化合物、好ましくは式Iの化合物を含む。ある特定の実施形態では、発泡体を形成することが可能な1種または複数の成分は、発泡体を形成することが可能な熱硬化性組成物および/または発泡性組成物を含む。熱硬化性組成物の例には、ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体組成物、さらにフェノール系発泡体組成物が含まれる。この反応および発泡過程は、形成中に気泡サイズを制御および調整し、発泡体構造を安定化する役割を果たす、触媒および界面活性剤材料などの様々な添加剤の使用を介して促進することができる。さらに、本発明の発泡剤組成物に関して上述した1種または複数の追加の成分を、本発明の発泡性組成物中に加えることができることが考えられる。このような熱硬化性発泡体の実施形態では、1種または複数の本発明の組成物は、発泡性組成物中の発泡剤としてまたはその一部として、あるいは発泡体または気泡構造を形成する適正な条件下で反応および/または発泡することが可能な1種または複数の成分を好ましくは含む、2つ以上のパートの発泡性組成物の一部として含まれる。
【0071】
本発明のある特定の他の実施形態では、発泡することが可能な1種または複数の成分は、熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリマーおよび/または樹脂を含む。熱可塑性発泡体成分の例には、例えば、式Ar−CHCH(式中、Arは、ポリスチレン(PS)などの、ベンゼン系列の芳香族炭化水素基である)の、モノビニル芳香族化合物などのポリオレフィンが含まれる。本発明による適したポリオレフィン樹脂の他の例には、ポリエチレンなどのエチレンホモポリマーおよびエチレンコポリマーを含む様々なエチレン樹脂、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレンテレフタレート(PET)が含まれる。ある特定の実施形態では、この熱可塑性発泡性組成物は、押出し可能な組成物である。
【0072】
方法およびシステム
発泡体を形成するためのすべての現在既知で利用可能な方法およびシステムは、本発明と関連して使用するのに直ちに適合性があると考えられる。例えば、本発明の方法は、一般に、本発明による発泡剤を発泡性組成物または発泡体形成性組成物中に取り込むステップと、次いで、好ましくは、本発明による発泡剤の容積を膨張させることを含む、ステップまたは一連のステップによって、この組成物を発泡させるステップとが必要である。一般に、発泡剤を取り込むために、および発泡させるために現在使用されているシステムおよび装置は、本発明により使用するのに直ちに適合性があると考えられる。実際、本発明の1つの利点は、既存の発泡法およびシステムと全体的に互換性がある改良された発泡剤を提供することであると考えられる。
【0073】
したがって、本発明は、熱硬化性発泡体、熱可塑性発泡体および現場形成型の発泡体を含むすべてのタイプの発泡体を発泡させるための方法およびシステムを含むことが当業者には理解されよう。したがって、本発明の一態様は、ポリウレタン発泡装置などの従来の発泡装置と関連して従来の処理条件で本発明の発泡剤を使用することである。したがって、本発明の方法には、マスターバッチタイプ操作、混合タイプ操作、第3ストリーム発泡剤添加、フォームヘッドでの発泡剤添加が含まれる。
【0074】
熱可塑性発泡体に関して、好ましい方法には、通常、本発明による発泡剤を熱可塑性材料、好ましくはポリオレフィンなどの熱可塑性ポリマー中に導入するステップと、次いで、この熱可塑性材料を発泡させるのに効果的な条件にかけるステップとが含まれる。例えば、熱可塑性材料中に発泡剤を導入するステップは、熱可塑性樹脂を含むスクリュー押出機中に発泡剤を導入することを含み、発泡させるステップは、熱可塑性材料上の圧力を低下することにより、発泡剤を膨張させて、この材料が発泡するのに寄与することを含めてもよい。
【0075】
当業者には、特に本明細書に含まれる開示に照らして、本発明の発泡剤を形成し且つ/または発泡性組成物に添加する順序および方法は、本発明の実施可能性に全体に影響を及ぼさないことが理解されよう。例えば、押出し可能な発泡体の場合、発泡剤の様々な成分、および発泡性組成物の成分でさえ、押出装置への導入に先立って混合しないか、またはこれらの成分を押出装置の同じ場所に添加しないことも可能である。さらに、この発泡剤は、直接か、あるいは、その後この発泡性組成物の他の部分にさらに加えられる予混合物(プレミックス)の部分として投入してもよい。
【0076】
したがって、ある特定の実施形態では、この発泡剤の1種または複数の成分を、発泡剤の1種または複数の他の成分の添加位置の上流である押出機の最初の位置で投入することが望ましいことがあり、これらの成分は、押出機中で一緒になり、および/またはこのようにしてより効果的に働くことが期待される。しかしながら、ある特定の実施形態では、発泡剤の2つ以上の成分をあらかじめ組み合わせ、発泡性組成物中に、直接か、あるいは、その後この発泡性組成物の他の部分にさらに加えられる予混合物(プレミックス)の一部として一緒に投入される。
【0077】
本発明の一実施形態は、発泡体、好ましくはポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体を形成する方法に関する。この方法は、当技術分野で周知の通り、一般に、本発明の発泡剤組成物を提供するステップと、発泡剤組成物を発泡性組成物に添加する(直接または間接的に)ステップと、発泡体または気泡構造を形成するのに効果的な条件下で発泡性組成物と反応させるステップとを含む。「Polyurethanes Chemistry and Technology」IおよびII巻、SaundersおよびFrisch、1962、John Wiley and Sons、ニューヨーク、ニューヨーク州(参照により本明細書に援用する)に記載のものなどの、当技術分野で十分に知られている任意の方法を使用するか、または本発明の発泡体の実施形態により使用するのに適合させてもよい。一般に、このような好ましい方法は、イソシアネート、ポリオールまたはポリオールの混合物、1種または複数の本発明の組成物を含む発泡剤または発泡剤の混合物、ならびに、触媒、界面活性剤、および場合により、難燃剤、着色剤、または他の添加剤などの他の材料を組み合わせることによって、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体を調製することを含む。
【0078】
多くの応用例において、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体用成分を、予備ブレンド配合物で提供するのが好都合である。最も典型的には、この発泡体配合物は、2つの成分に予備ブレンドされる。イソシアネートおよび場合によりある種の界面活性剤および発泡剤が、第1の成分を構成し、普通「A」成分と称される。ポリオールまたはポリオール混合物、界面活性剤、触媒、発泡剤、難燃剤、および他のイソシアネート反応性成分が、第2の成分を構成し、普通「B」成分と称される。したがって、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体は、このAおよびB副成分を、少量の調製には手動で混合するか、あるいは好ましくは、ブロック、スラブ、積層板、現場注入型パネルおよび他の物品、スプレー適用発泡体、フロス等を形成するための機械混合技術によって一緒にすることにより容易に調製される。場合により、難燃剤、着色剤、補助の発泡剤などの他の成分、さらには他のポリオールを、1種または複数の追加のストリームとして混合ヘッドまたは反応場所に添加することができる。しかしながら、最も好ましくは、これらはすべて上記の1つのB−成分中に組み込まれる。
【0079】
本発明の方法およびシステムには、本発明による発泡剤を含む1成分発泡体、好ましくはポリウレタン発泡体を形成することも含まれる。ある特定の好ましい実施形態では、この発泡剤の一部は、発泡体形成性物質中に含まれており、好ましくは、この容器中の圧力で液体である発泡体形成性物質中に溶解して含まれており、発泡剤の第2の部分は、分離した気相として存在する。このような系では、含有された/溶解された発泡剤は、主に、発泡体を膨張させるように機能し、分離した気相は、発泡体形成性物質に推進力を付与するように働く。このような1成分系は、典型的にはおよび好ましくは、エアロゾルタイプ缶などの容器中に包装され、従って、本発明の発泡剤は、好ましくは、発泡体の膨張および/またはこの包装容器から発泡体/発泡性材料を運ぶエネルギーを、好ましくは両方を提供する。ある特定の実施形態では、このようなシステムおよび方法は、全体が配合された系(好ましくは、イソシアネート/ポリオール系)を包装容器に充填するステップと、本発明によるガス状発泡剤を包装容器、好ましくはエアロゾルタイプ缶に取り込むステップとを含む。
【0080】
「Polyurethanes Chemistry and Technology」IおよびII巻、SaundersおよびFrisch、1962、John Wiley and Sons、ニューヨーク、ニューヨーク州(参照により本明細書に援用する)に記載のものなどの、当技術分野で十分に知られている任意の方法を使用するか、または本発明の発泡体形成の実施形態により使用するのに適合させてもよい。
【0081】
ある特定の実施形態では、発泡剤として超臨界または近超臨界状態にある場合の本発明の組成物を使用することが望ましいこともあると考えられる。
【0082】
発泡体
本発明はまた、本発明の組成物を含む発泡剤を含む、ポリマー発泡体配合物から調製されるすべての発泡体(限定するものではないが、独立気泡発泡体(closed cell foam)、開放気泡発泡体(open cell form)、硬質発泡体、軟質発泡体、インテグラルスキン(integral skin)等を含む)に関する。本出願人らは、本発明による発泡体、特に、ポリウレタン発泡体などの熱硬化性発泡体の1つの利点は、好ましくは熱硬化性発泡体の実施形態と関連して、K−因子またはラムダによって測定することができるような、特に好ましくは極低温条件下での、格別の熱的性能を達成できることであることを見出した。本発明の発泡体、特に本発明の熱硬化性発泡体は、各種の用途に使用することができると考えられるが、ある特定の好ましい実施形態では、本発明は、冷蔵庫用発泡体、冷凍庫用発泡体、冷蔵庫/冷凍庫用発泡体、パネル発泡体、および他の低温または極低温での製造用途を含む、本発明による電気器具用発泡体を含む。
【0083】
ある特定の好ましい実施形態では、本発明による発泡体は、断熱効率(特に熱硬化性発泡体に関して)、寸法安定性、圧縮強さ、断熱性の経年変化(すべては、本発明の多くの好ましい発泡剤に付随する低オゾン層破壊係数および低地球温暖化係数に加えてである)を含む、1つまたは複数の格別の、特徴(features)、特性(characteristics)および/または性質(properties)を提供する。ある特定の極めて好ましい実施形態では、本発明は、同じ発泡剤(または、一般的に使用される発泡剤HFC−245fa)を同じ量用いるが、本発明による式Iの化合物なしで作製した発泡体に比較して、熱伝導率の改良を示す熱硬化性発泡体(発泡物品に形成されたこのような発泡体を含む)を提供する。ある特定の極めて好ましい実施形態では、本発明の熱硬化性発泡体、好ましくは、ポリウレタン発泡体は、4.4℃(40°F)において、約0.79W/mK(0.14BTU/hr・ft・°F)以下、より好ましくは0.77W/mK(0.135BTU/hr・ft・°F)以下、さらにより好ましくは0.74W/mK(0.13BTU/hr・ft・°F)以下のK−因子を示す。さらに、ある特定の実施形態では、熱硬化性発泡体、好ましくは本発明のポリウレタン発泡体は、23.9℃(75°F)において、約0.91W/mK(0.16BTU/hr・ft・°F)以下、より好ましくは0.85W/mK(0.15BTU/hr・ft・°F)以下、さらにより好ましくは0.82W/mK(0.145BTU/hr・ft・°F)以下のK−因子を示すことが好ましい。
【0084】
他の好ましい実施形態では、本発明の発泡体は、本発明の範囲外の発泡剤で作製した発泡体に比較して機械的特性の改良を示す。例えば、本発明のある特定の好ましい実施形態は、シクロペンタンからなる発泡剤を用いることによって実質的に同じ条件で作製した発泡体より、好ましくは少なくとも約10相対百分率(%)、さらにより好ましくは少なくとも約15相対百分率(%)優れている圧縮強さを有する発泡体および発泡物品を提供する。さらに、ある特定の実施形態では、本発明により作製された発泡体は、発泡剤がHFC−245faからなる以外は実質的に同じ条件下で発泡体を作製することによってもたらされた圧縮強さに、商業ベースで匹敵する圧縮強さを有することが好ましい。ある特定の好ましい実施形態では、本発明の発泡体は、少なくとも約12.5%の降伏率(平行および垂直方向における)、さらにより好ましくはそれぞれ前記の方向において少なくとも約13%の降伏率の圧縮強さを示す。
【実施例】
【0085】
以下の実施例は、本発明を例示する目的で提供されるが、その範囲を限定するものではない。
【0086】
実施例1A−ポリスチレン発泡体
この実施例は、本発明の2つの好ましい実施形態による発泡剤の使用、即ち、HFO−1234zeおよびHFO−1234yfの使用、およびポリスチレン発泡体の作製を例示する。試験装置および手順は、特定の発泡剤およびポリマーが発泡体を生成することができ、その発泡体の品質を生み出すことができるかどうかを決定するのを助けるものとして確立されている。粉砕ポリマー(Dow Polystylene 685D)および実質的にHFO−1234zeからなる発泡剤を容器中で混合する。この容器の見取図を以下に図示する。この容器の体積は200cmであり、容器は2個のパイプフランジおよび直径5.08cm(2インチ)の断面で、長さ10.2cm(4インチ)のスケジュール40ステンレス鋼パイプから作られている。この容器を約87.8℃〜約140.6℃(約190°F〜約285°F)、好ましくはポリスチレンについては129.4℃(265°F)の温度に設定したオーブンに収納し、温度平衡に達するまでそこに留める。
【0087】
【化5】

次いで、この容器中の圧力を放出して、発泡ポリマーを急速に生じさせる。この発泡剤はポリマー中に溶解するにつれてポリマーを可塑化する。この方法を用いてこのようにして作製された2種の発泡体の得られた密度を、トランス−HFO−1234zeおよびHFO−1234yfを用いて作製された発泡体の密度として表1に示す。このデータは、発泡体ポリスチレンが本発明により得られることを示す。これに関して、ポリスチレンの嵩密度は、ほぼ室温で1050kg/mまたは65.625lb/ftであることに留意されたい。
【0088】
【表2】

【0089】
実施例1B−ポリスチレン発泡体
この実施例は、二軸タイプ押出機中で形成されるポリスチレン発泡体のための発泡剤としてHFO−1234ze単独の性能を例示する。この実施例に使用した装置は、以下の特性を有するLeistritz二軸押出機である。
30mm共回転スクリュー
L:D比=40:1
【0090】
この押出機は、10区画に分割されており、それぞれが4:1のL:Dを示している。ポリスチレン樹脂を第1の区画に投入し、発泡剤を第6の区画に投入し、押出物が第10の区画から出てきた。この押出機は、主として溶融/混合押出機として運転した。これに続く冷却押出機をタンデム(縦一列)に接続し、これに対する設計特性は、次の通りである。
Leistritz二軸押出機:
40mm共回転スクリュー
L:D比=40:1
ダイ:5.0mm円形
【0091】
ポリスチレン樹脂、即ち、Nova Chemical汎用押出しグレードポリスチレン(Nova1600として識別される)を上記の条件下で押出機に供給する。この樹脂は、191℃〜274℃(375°F〜525°F)の提唱された溶融温度を有する。ダイにおける押出機の圧力は、約9.1MPa(1320lb/in(psi))であり、ダイにおける温度は約115℃である。
【0092】
実質的にトランスHFO−1234zeからなり、核形成剤として、総発泡剤に基づいて約0.5重量%のタルクを含む発泡剤を、上記の位置からこの押出機に添加する。本発明により、10重量%、12重量%、および14重量%の濃度の発泡剤を用いて発泡体を作製する。作製した発泡体の密度は、約0.1g/cm〜0.07g/cmの範囲であり、約49〜約68ミクロンの気泡サイズを有する。直径ほぼ30ミリメートルのこの発泡体は、視覚的に非常に良好な品質の非常に微細な気泡サイズであり、可視のまたは明らかなブローホール(blow holes)または空隙(voids)は有さない。
【0093】
実施例1C−ポリスチレン発泡体
発泡剤が、約50重量%のトランスHFO−1234zeおよび50重量%のHFC−245faならびに実施例1Bで示した濃度の核形成剤を含むこと以外は、実施例1Bのこの手順を反復する。発泡ポリスチレンをほぼ10%および12%の発泡剤濃度で調製する。作製された発泡体の密度は約0.09g/cmであり、約200ミクロンの気泡サイズを有する。直径ほぼ30ミリメートルのこの発泡体は、視覚的に非常に良好な品質の非常に微細な気泡構造であり、可視のまたは明らかな空隙は有さない。
【0094】
実施例1D−ポリスチレン発泡体
発泡剤が、約80重量%のHFO−1234zeおよび20重量%のHFC−245faならびに実施例1Bで示した濃度の核形成剤を含むこと以外は、実施例1Bのこの手順を反復する。発泡ポリスチレンをほぼ10%および12%の発泡剤濃度で調製する。作製された発泡体の密度は約0.08g/cmであり、約120ミクロンの気泡サイズを有する。直径ほぼ30ミリメートルのこの発泡体は、視覚的に非常に良好な品質の非常に微細な気泡構造であり、可視のまたは明らかな空隙は有さない。
【0095】
実施例1E−ポリスチレン発泡体
発泡剤が、約80重量%のHFO−1234zeおよび20重量%のHFC−245faならびに実施例1Bで示した濃度の核形成剤を含むこと以外は、実施例1Bのこの手順を反復する。発泡ポリスチレンをほぼ10%および12%の発泡剤濃度で調製する。この発泡体の密度は0.1g/cmの範囲であった。直径ほぼ30ミリメートルのこの発泡体は、視覚的に非常に良好な品質の非常に微細な気泡構造であり、可視のまたは明らかな空隙は有さない。
【0096】
実施例1F−ポリスチレン発泡体
核形成剤を除いたこと以外は、実施例1Eのこの手順を反復する。この発泡体の密度は0.1g/cmの範囲であり、気泡サイズは約400ミクロンであった。直径ほぼ30ミリメートルのこの発泡体は、視覚的に非常に良好な品質の非常に微細な気泡構造であり、可視のまたは明らかな空隙は有さない。
【0097】
実施例2−ポリウレタン発泡体の圧縮強さ
この実施例は、炭化水素共発泡剤と組み合わせて使用される、HFO−1234ze、およびその異性体の性能、および特に、ポリウレタン発泡体の圧縮強さ性能における、HFO−1234zeおよびシクロペンタン共発泡剤を含む組成物の有用性を例示する。
【0098】
市販されている冷却用電気器具タイプのポリウレタン発泡体配合物(発泡体形成性物質)を準備する。このポリオールブレンドは、市販のポリオール(単数または複数)、触媒(単数または複数)、および界面活性剤(単数または複数)で構成される。この配合物は、ガス状発泡剤と関連して使用するのに適合している。発泡体形成法には、標準的な市販のポリウレタン処理装置が使用される。総発泡剤のほぼ60モル%濃度のHFO−1234ze(その異性体を含む)、およびほぼ40モル%の濃度のシクロペンタンを含む、ガス状発泡剤の組合せを形成した。この実施例は、シクロペンタン共発泡剤と組み合わせたHFO−1234ze(その異性体を含む)の組合せの物理的特性を例示する。以下の表2は、HFC−245faからなる発泡剤およびシクロペンタンからなる発泡剤を用いて作製された発泡体と比較して、本発明の発泡剤を用いて同じ機械で作製されたポリウレタン発泡体の圧縮強さを報告している。
【0099】
【表3】

【0100】
この実施例で例証された1つの予想外の結果は、HFO−1234ze、およびHFC−1234ze/HFCブレンドを従来の発泡体処理装置、特にポリウレタン処理装置で処理できることである。このことは、この処理が、マスターバッチタイプ混合装置、ガス状発泡剤混合装置、発泡剤の第3ストリーム添加、またはフォームヘッドでの発泡剤添加を含む、様々なタイプのシステムおよび装置で発泡体処理を可能にする点で潜在的に大きな利点である。
【0101】
実施例3−ポリウレタン発泡体のK−因子
ポリウレタン発泡体を調製し、商業的な「電気器具タイプ」ポリウレタン配合物としての使用に適合させた。発泡体形成法としては、実施例2に記載の発泡体配合物を、同じ標準的な商業的ポリウレタンの処理装置について使用する。いくつかの系を調製し、各系には、発泡剤を除いて同じ成分、系、および装置を用いる。本発明による発泡剤に加えて、HFC−134a、HFC−245fa、およびシクロペンタンもそれぞれ発泡剤として試験した。各系で、発泡剤をポリオールブレンド中に実質的に同じモル濃度で添加する。このポリオールブレンドは、市販のポリオール(単数または複数)、触媒(単数または複数)、および界面活性剤(単数または複数)からなる。この発泡体を、標準的な商業的製造操作、例えば、冷却用途用発泡体を作製するための商業的操作により調製する。調製した発泡体をk−因子に関して評価し、この情報を以下の表3に報告する。基準のために、比較の目的で、発泡体をHFC−134aで調製したが、これについては商業的データを参照することができる。これらの発泡体に関するk−因子のデータを表3に示す。
【0102】
【表4】

【0103】
この実施例は、HFO−1234ze発泡剤がポリウレタン配合物中で置き換えられた場合の、HFO−1234ze、およびその異性体のk−因子性能を例示する。HFO−1234zeは、基準発泡体と同じモル濃度で置き換えられた。表3のデータは、HFO−1234ze発泡体のk−因子は、HFC−134aまたはシクロペンタン発泡体よりかなり改善されることを例示する。
【0104】
実施例4−ポリウレタン発泡体のK−因子
この実施例は、HFO−1234ze(その異性体を含む)とポリウレタン発泡体の調製と関連して使用される様々なHFC共発泡剤の組合せを含む発泡剤の性能を例示する。発泡剤を除いて、実施例2および3で使用したのと同じ発泡体配合物、装置および手順を使用する。HFO−1234ze(その異性体を含む)を総発泡剤のほぼ80重量%の濃度で、およびHFC−245faを総発泡剤のほぼ20重量%の濃度で含む発泡剤を調製する。本発明による発泡剤に加えて、発泡剤としてHFC−134aおよびシクロペンタンもそれぞれ試験した。それぞれの系で、この発泡剤をポリオールブレンド中に実質的に同じモル濃度で添加した。次いで、この発泡剤を用いて発泡体を形成し、この発泡体のk−因子を測定する。以下の表4は、HFC共発泡剤と併用した場合のHFO−1234ze(その異性体を含む)の組合せのk−因子性能を例示する。
【0105】
【表5】

【0106】
この実施例で例証された1つの予想外の結果は、HFO−1234ze、およびHFC−1234ze/HFCブレンドを従来のポリウレタン処理装置で処理できることである。このことは、この処理が、マスターバッチタイプ混合装置、ガス状発泡剤混合装置、発泡剤の第3ストリーム添加、またはフォームヘッドでの発泡剤添加を含む、様々なのタイプのシステムおよび装置で発泡体処理を可能にする点で潜在的に大きな利点である。
【0107】
実施例5−ポリウレタン発泡体のK−因子
この実施例は、ポリウレタン発泡体の製造に使用した場合の、本発明による発泡剤の予想外の性能をさらに例示する。3種の電気器具用ポリウレタン発泡体を作製し、それぞれを、異なる発泡剤を使用したことを除いて、実質的に同じ材料、手順、および装置を用いて形成する。このポリオール系は、液体発泡剤と共に使用するのに適合した市販の電気器具タイプ配合物である。発泡体を形成するのに発泡機を使用する。発泡剤は実質的に等モル濃度で使用する。形成した後、各発泡体をk−因子を測定するのに適した試料に切断し、k−因子は以下の表5Bに示した通りであることが判明した。この発泡剤の組成を以下の表5Aに、総発泡剤に基づいて重量百分率(%)で開示している。
【0108】
【表6】

【0109】
【表7】

【0110】
表5Bに報告したこの結果は、熱硬化性発泡体について、本発明の化合物(HFO−1234ze)を、共発泡剤として、これらの濃度のシクロペンタンおよびHFC−245faと組み合わせて使用すると、単独でまたはHFC−245faと共に使用された場合、HFO−1234zeのk−因子の性能に有害な影響を与えなかったことを例証する。従来は、かなりの量のシクロペンタンを発泡剤配合物中に使用すると、k−因子の性能に有害な影響を与えていたので、このことは予想外の結果である。
【0111】
実施例6−ポリウレタン発泡体のK−因子
実施例5と同じポリオール配合物およびイソシアネートを用いて、他の実験を実施した。発泡体を手動混合で調製する。この発泡剤は、実施例5における発泡剤とほぼ同じ、発泡性組成物のモル百分率(%)の、式IIに従う化合物、即ち、HFCO−1233zd(CFCH=CHCl)からなる。K−因子は、以下の表6に示した通りであることが判明した。
【0112】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種の式Iのフルオロアルケン
XCF3−Z(I)
(式中、Xは、C、C、C、CまたはCの不飽和の、置換されているまたは置換されていない基であり、各Rは独立に、Cl、F、Br、IまたはHであり、zは1〜3である)、および
(b)少なくとも1種のフッ素化エーテル
を含む発泡剤。
【請求項2】
さらなる共発泡剤(単数または複数)、界面活性剤(単数または複数)、ポリマー改良剤(単数または複数)、強靭化剤(単数または複数)、着色剤(単数または複数)、染料(単数または複数)、溶解促進剤(単数または複数)、レオロジー調整剤(単数または複数)、可塑剤(単数または複数)、燃焼抑制剤(単数または複数)、抗菌剤(単数または複数)、粘度低下調整剤(単数または複数)、充填剤(単数または複数)、蒸気圧調整剤(単数または複数)、核形成剤(単数または複数)、触媒(単数または複数)およびこれらの任意の2つ以上の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの補助剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種のフルオロアルケンが、3〜5個のフッ素置換基を有する、少なくとも3個の炭素および/(または)少なくとも4個の炭素のアルケンを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項4】
前記少なくとも1種のフルオロアルケンが、シスHFO−1234ze、またはトランスHFO−1234zeあるいはその組合せを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項5】
前記少なくとも1種のフルオロアルケンが、3〜5個のフッ素置換基を有する少なくとも1種のブテンを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項6】
前記少なくとも1種のフルオロアルケンが、式IIの化合物
【化1】

(式中、各Rは独立に、Cl、F、Br、IまたはHであり、
R’は(CRYであり、
YはCRFであり、
nは、0または1である)
である、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項7】
YがCFである、請求項6に記載の発泡剤。
【請求項8】
不飽和末端炭素上の少なくとも1つのRがFではない、請求項6に記載の発泡剤。
【請求項9】
不飽和末端炭素上の少なくとも1つのRがHである、請求項6に記載の発泡剤。
【請求項10】
約150以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項11】
約0.05以下のオゾン層破壊係数(ODP)を有する、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項12】
前記フルオロアルケンが、1個以下のF置換基を有する不飽和末端炭素を含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項13】
前記フルオロアルケンが、不飽和末端炭素を含み、前記不飽和末端炭素上の少なくとも1つの置換基がHである、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項14】
前記式Iの化合物がBrを含まない、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項15】
前記化合物が少なくとも1個の塩素置換基を含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項16】
前記化合物がHFCO−1233を含む、請求項15に記載の発泡剤。
【請求項17】
前記HFCO−1233が、HFCO−1233xfを含む、請求項15に記載の発泡剤。
【請求項18】
前記HFCO−1233がHFCO−1233zdを含む、請求項15に記載の発泡剤。
【請求項19】
前記少なくとも1種の式Iの化合物が、発泡剤の約5重量%〜約95重量%の量で組成物中に存在する、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項20】
前記補助剤が、少なくとも1種のさらなる共発泡剤を含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項21】
前記少なくとも1種のさらなる共発泡剤が、1種または複数のC1〜C4のHFC類を含む、請求項20に記載の発泡剤。
【請求項22】
前記1種または複数のHFC類が、ジフルオロメタン(HFC−32)、フルオロエタン(HFC−161)、ジフルオロエタン(HFC−152)、トリフルオロエタン(HFC−143)、テトラフルオロエタン(HFC−134)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、ペンタフルオロプロパン(HFC−245)、ヘキサフルオロプロパン(HFC−236)、ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、ペンタフルオロブタン(HFC−365)、ヘキサフルオロブタン(HFC−356)、これらすべてのすべての異性体、およびこれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される、請求項21に記載の発泡剤。
【請求項23】
前記少なくとも1種のさらなる共発泡剤が、1種または複数のC4〜C6炭化水素を含む、請求項20に記載の発泡剤。
【請求項24】
前記1種または複数の炭化水素が、イソペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン、ブタンおよびイソブタン、ならびにこれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される、請求項23に記載の発泡剤。
【請求項25】
発泡体形成性物質および発泡剤を含む発泡性組成物であって、前記発泡剤が、
少なくとも1種の式Iのフルオロアルケン
XCF3−Z(I)
(式中、Xは、C、C、C、CまたはCの不飽和の、置換されている基であり、各Rは、独立に、Cl、F、Br、IまたはHであり、zは1〜3である)、および
少なくとも1種のフッ素化エーテル
を含む組成物。
【請求項26】
前記発泡体形成性物質が、少なくとも1種の熱硬化性発泡体成分を含む、請求項25に記載の発泡性組成物。
【請求項27】
前記少なくとも1種の熱硬化性成分が、ポリウレタン発泡体を形成することが可能な組成物を含む、請求項26に記載の発泡性組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1種の熱硬化性成分が、ポリイソシアヌレート発泡体を形成することが可能な組成物を含む、請求項26に記載の発泡性組成物。
【請求項29】
前記少なくとも1種の熱硬化性成分が、フェノール系発泡体を形成することが可能な組成物を含む、請求項26に記載の発泡性組成物。
【請求項30】
前記発泡体形成性物質が、少なくとも1種の熱可塑性発泡体成分を含む、請求項25に記載の発泡性組成物。
【請求項31】
前記少なくとも1種の熱可塑性発泡体成分が、熱可塑性ポリマーを含む、請求項30に記載の発泡性組成物。
【請求項32】
前記少なくとも1種の熱可塑性成分が、ポリオレフィンを含む、請求項30に記載の発泡性組成物。
【請求項33】
前記ポリオレフィンが、モノビニル芳香族化合物、エチレン系化合物、プロピレン系ポリマー、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項32に記載の発泡性組成物。
【請求項34】
ポリオール、ならびに少なくとも1種の式Iのフルオロアルケン
XCF3−Z(I)
(式中、Xは、C、C、C、CまたはCの不飽和の、置換されている基であり、各Rは独立に、Cl、F、Br、IまたはHであり、zは1〜3である)、および
少なくとも1種のフッ素化エーテル
を含む発泡剤を含む発泡体プレミックス組成物。
【請求項35】
少なくとも1種の式Iのフルオロアルケン
XCF3−Z(I)
(式中、Xは、C、C、C、CまたはCの不飽和の、置換されている基であり、各Rは独立に、Cl、F、Br、IまたはHであり、zは1〜3である)、および
少なくとも1種のフッ素化エーテル
を含む発泡剤を発泡性および/または発泡組成物に添加することを含む、発泡体を形成する方法。
【請求項36】
複数のポリマー気泡および少なくとも1つの前記気泡中に含まれている組成物を含む発泡体であって、前記組成物が、
(a)少なくとも1種の式Iのフルオロアルケン
XCF3−Z(I)
(式中、Xは、C、C、C、CまたはCの不飽和の、置換されている基であり、各Rは独立に、Cl、F、Br、IまたはHであり、zは1〜3である)、および
(b)少なくとも1種のフッ素化エーテル
を含む少なくとも1種の発泡剤を含む発泡体。
【請求項37】
ブロック、スラブ、積層板、硬質発泡体、開放気泡発泡体、独立気泡発泡体、軟質発泡体、インテグラルスキン発泡体、冷蔵庫用発泡体、および冷凍庫用発泡体の1つまたは複数の形態の請求項36に記載の発泡体。
【請求項38】
4.4℃(40°F)において、約0.79W/mK(0.14BTU/hr・ft・°F)以下のk−因子を有する、請求項36に記載の発泡体。
【請求項39】
23.9℃(75°F)において、約0.91W/mK(0.16BTU/hr・ft・°F)以下のk−因子を有する、請求項36に記載の発泡体。
【請求項40】
平行方向において、少なくとも約12.5%の降伏率の圧縮強さを有する、請求項36に記載の発泡体。
【請求項41】
垂直方向において、少なくとも約12.5%の降伏率の圧縮強さを有する、請求項36に記載の発泡体。
【請求項42】
前記補助剤が、水、CO、CFC類、HCC類、HCFC類、C1〜C5アルコール、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケトン、C1〜C4エーテル、およびこれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される少なくとも1種の共発泡剤を含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項43】
発泡体形成性物質が熱可塑性であり、前記発泡剤が、C1〜C5アルコールからなる群から選択される化合物をさらに含む、請求項25に記載の発泡性組成物。
【請求項44】
発泡体形成性物質が熱可塑性であり、前記発泡剤がエタノールをさらに含む、請求項25に記載の発泡性組成物。
【請求項45】
発泡体形成性物質が熱可塑性であり、前記発泡剤が、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびこれらの組合せからなる群から選択される化合物をさらに含む、請求項25に記載の発泡性組成物。
【請求項46】
発泡体形成性物質が熱可塑性であり、前記発泡剤がギ酸メチルをさらに含む、請求項25に記載の発泡性組成物。
【請求項47】
前記式Iの化合物が、少なくとも4個のハロゲン置換基を有する、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項48】
前記少なくとも4個のハロゲン置換基が、少なくとも3個のF置換基を含む、請求項47に記載の発泡剤。
【請求項49】
前記フッ素化エーテルが、少なくとも1種のヒドロ−フッ素化エーテルを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項50】
前記フッ素化エーテルが、少なくとも1種のC3〜C5ヒドロ−フッ素化エーテルを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項51】
前記フッ素化エーテルが、以下の式(III)
−O−C(III)
(式中、
a=1〜6であり、
b=1〜12であり、
c=1〜12であり、
d=1〜2であり、
e=0〜5であり、
f=0〜5であり、
前記Cの1つが、前記Cの1つと結合して、シクロフルオロエーテルを形成してもよい)
である、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項52】
前記フッ素化エーテルが、CHFOCHF(HFE−143E)、CHFOCHF(HFE−152E)、CHFOCH(HFE−161E)、シクロ−CFCHOCFO(HFE−c234fEαβ)、シクロ−CFCFCHO(HFE−c234fEβγ)、CHFOCFCHF(HFE−236caE)、CFCFOCHF(HFE−236cbEβγ)、CFOCHFCHF(HFE−236eaEαβ)、CHFOCHFCF(HFE−236eaEβγ)、CHFOCFCHF(HFE−245caEαβ)、CHFOCFCHF(HFE−245caEβγ)、CFOCFCH(HFE−245cbEβγ)、CHFCHFOCHF(HFE−245eaE)、CFOCHFCHF(HFE−245ebEαβ)、CFCHFOCHF(HFE−245ebEβγ)、CFOCHCFH(HFE−245faEαβ)、CHFOCHCF(HFE−245faEβγ)、CHFCFOCHF(HFE−254caE)、CHFOCFCH(HFE−254cbEαβ)、CHFCFOCH(HFE−254caEβγ)、CHFOCHFCHF(HFE−254eaEαβ)、CFOCHFCH(HFE−254ebEαβ)、CFCHFOCH(HFE−254ebEβγ)、CHFOCHCHF(HFE−254faE)、CFOCHCHF(HFE−254fbEαβ)、CFCHOCHF(HFE−254fbEβγ)、CHOCFCHF(HFE−263caEβγ)、CFCHOCH(HFE−263fbEβγ)、CHOCHCHF(HFE−272fbEβγ)、CHFOCHFCFCF(HFE−338mceEγδ)、CHFOCFCHFCF(HFE−338mceEγδ)、CFCFOCHCF(HFE−338mfEβγ)、(CFCHOCHF(HFE−338mmzEβγ)、CFCFCFOCH(HFE−347sEγδ)、CHFOCHCFCF(HFE−347mfcEγδ)、CFOCHCFCHF(HFE−347mfcEαβ)、CHOCFCHFCF(HFE−356mecEγδ)、CHOCH(CF(HFE−356mmzEβγ)、CFCFOCHCH(HFE−365mcEβγ)、CFCFCHOCH(HFE−365mcEγδ)、CFCFCFOCHFCF(HFE−42−11meEγδ)、CFCFCFCFOCH、CFCFCFCFOCH、CFCFCFCFOCHCH、CFCFCFCFOCHCH、CFCFCFOCH、およびこれらの任意の2つ以上の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の発泡剤。

【公表番号】特表2009−530489(P2009−530489A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501726(P2009−501726)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/064570
【国際公開番号】WO2007/109748
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】