説明

発泡樹脂成形品の固定構造

【課題】締結具による締結部の破壊が抑制された発泡樹脂成形品の固定構造を提供する。
【解決手段】本発明の発泡樹脂成形品の固定構造では、表面がスキン層3bで形成され、内部が発泡層3aで形成されている発泡樹脂成形品1に、締結具14が挿入される貫通孔11が設けられた締結部20が設けられている。また、貫通孔11の周囲であり、発泡樹脂成形品1の表面に、締結具14からの荷重を発泡樹脂成形品1の内部に伝わりにくくする荷重軽減体17a〜17cが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出発泡成形によって成形される発泡樹脂成形品の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
射出発泡成形によって成形された発泡樹脂成形品は、表面に未発泡または微発泡のスキン層を有し、内部には多数の発泡セルからなる発泡層を有している。
【0003】
このような射出発泡成形によって成形された発泡樹脂成形品は、発泡セルからなる発泡層を有しているため、その軽量性やコストパフォーマンスなどが、非発泡の樹脂成形品と比べて優れている。そのため、発泡樹脂成形品は、ドアトリム等の自動車用内装部品として近年、採用が増えている。
【0004】
ドアトリムは、自動車の車体パネルにビスなどの締結具で固定される。そのため、ドアトリムとなる発泡樹脂成形品には、締結具が挿入される孔部が設けられている。特許文献1には、射出発泡成形によって、孔部を精度よく成形するための成形方法の一例が示されている。射出発泡成形を行う成形装置には、キャビティを形成する2つの金型である、可動側金型と固定側金型とが設けられている。可動側金型の内部には、孔部であるビス用孔を形成するために突起が設けられている。そして、発泡樹脂成形品のビス用孔の形状出しを精度よく行なうために、可動側金型の内部に設けられた突起の外周面に、シボ模様等の微小凹凸部を設けることが開示されている。このように構成された成形装置では、発泡樹脂成形品の孔部の開口の縁の形状出しを精度よく行なうことができる。したがって、成形された発泡樹脂成形品(ドアトリム)と、相手部材(車体パネル)との合わせ精度を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−130966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法によって、発泡樹脂成形品であるドアトリムを、精度よく車体パネルに固定することができる。しかしながら、上述したように、スキン層と発泡層とからなる発泡樹脂成形品は、従来の非発泡の射出成形品に比べて、軽量性や低コストといった優れた長所を有する一方で、耐荷重性に劣るという短所を有する。そのため、例えば、発泡樹脂成形品であるドアトリムを車体パネルに固定するときに、ビスやねじなどの締結具でドアトリムの締結部、つまり孔部周辺が押し付けられることにより、ドアトリムの孔部周辺に局所的に高荷重がかかり、耐荷重性に劣る発泡層が潰れるという不具合の発生が報告されている。このような不具合が発生すると、ドアトリムを設計どおりに車体パネルに固定することができず、締結具が緩んでしまう。それに伴い、ドアの開閉時や自動車の走行時に、ドアトリムのガタツキや、ガタツキによる異音等が発生する。さらに、ほとんどの場合、ドアトリムには、孔部周囲の潰れた部分を起点として、発泡層のみならずスキン層にも破断が生じてしまい、締結具でドアトリムを車体パネルに固定することができなくなる。
【0007】
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、締結具による締結部の破壊が抑制された発泡樹脂成形品の固定構造を提供すること、を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発泡樹脂成形品の固定構造では、表面がスキン層で形成され、内部が発泡層で形成されている発泡樹脂成形品に、締結具が挿入される貫通孔が設けられた締結部が設けられている。さらに、貫通孔の周囲であり、発泡樹脂成形品の表面に、締結具からの荷重を発泡樹脂成形品の内部に伝わりにくくする荷重軽減体が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、締結具による締結部の破壊を抑制することができるため、発泡樹脂成形品と相手部材とを強固に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る発泡樹脂成形品の固定構造の一実施形態の概略構成図である。
【図2】締結部の第1の実施例を示す上面図である。
【図3】図2のAA断面の概略図である。
【図4】第1の実施例の変形例を示した概略図であり、締結部を上方からみた図である。
【図5】締結部の第2の実施例を示す上面図である。
【図6】図5のBB断面の概略図である。
【図7】締結部の第3の実施例を示す、締結部の断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の機能を有する構成には添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。
【0012】
図1は、本発明に係る発泡樹脂成形品の固定構造の一実施形態の概略構成図である。なお、図1では、発泡樹脂成形品の一例としてドアトリムを示している。
【0013】
発泡樹脂成形品であるドアトリム1は、主にドアトリムアッパー2、ドアトリムロア3、およびオーナメント6の3つの構成部品からなる。これらの3つの構成部品2、3、6は、ポリプロピレンやポリエチレン等の熱可塑性樹脂に発泡材料を混入してなる発泡樹脂材料を射出発泡成形することによって所要の形状に成形される。表面には、未発泡または微発泡のスキン層3b(図3参照)を有し、内部には、多数の発泡セルからなる発泡層3a(図3参照)を有している。なお、これらの構成部品2、3、6は、超音波溶着、またはビス止めなど公知の締結手段によって互いに結合されている。
【0014】
ドアトリムアッパー2の表面には、オリフィン系エストラマなどの熱可塑性エラストマからなる表皮を、ホットメルト接着等の公知の接着手段によって貼り合せることにより、デザイン性を高めている。
【0015】
オーナメント6の表面には、ポリアミド、ポリウレタン、およびポリエチレン・テレフタレートからなる表皮を、ホットメルト接着等の公知の接着手段によって貼り合せることにより、デザイン性を高めるとともに、クッション性を付与している。
【0016】
ドアトリムロア3には、アームレスト5、スピーカー用開口部7、ドアポケット用開口部8、および凹陥部4が設けられている。凹陥部4には、不図示のインサイドドアハンドルユニットが装着される。
【0017】
図示しないが、ドアトリムロア3の裏面には、ドアポケット用開口部8と対向するように収納部が取り付けられており、ドアポケット用開口部8と収納部とでドアポケットが形成されている。また、ドアトリムロア3の裏面には、ポリウレタンからなる衝撃吸収パッドや射出成形品からなる衝撃吸収材や吸音用のフェルトなどが取り付けられている。
【0018】
凹陥部4には、ドアトリム1を、相手部材である車体パネル15(図3参照)に固定するため、締結部20が設けられている。ドアトリム1は、締結部20において、ビスやねじなどのスクリュー固定用の締結具14(図3参照)によって、車体パネル15に固定される。本発明では、締結部20において、後述する荷重軽減体を配置することを特徴としている。
【0019】
締結具14としては、スクリュー固定用の締結具であるビスやねじなどが用いられる。この他の手段でもドアトリム1の車体パネル15への固定は行われている。その場合でも、ビスなどの締結具14による締結も共に行なうことによって、ドアトリム1の車体パネル15への固定強度を高め、固定の信頼性を確保している。即ち、ビスなどの締結具14によるスクリュー固定を行なわなければ、ドアトリム1に荷重がかかった場合に、車体パネル15からドアトリム1の脱落が起きたり、車両走行中にドアトリム1のガタツキやガタツキによる異音の発生などの不具合が発生したりする。
【0020】
<第1の実施例>
図2は、締結部20の第1の実施例を示す上面図であり、図3は、図2のAA断面の概略図である。なお、締結具14については破線で示している。
【0021】
締結部20は、窪んだ凹部10と、凹部10に設けられ、締結具14が挿入される貫通孔11と、凹部10の、貫通孔11の周囲に設けられた、後述する荷重軽減体と、が設けられている。貫通孔11は、凹陥部4(図1参照)の底面からさらに一段窪んだ凹部10に形成されているため、締結具14を貫通孔11へ挿入する際の作業性が向上する。
【0022】
本実施例では、荷重軽減体として、凹部10に位置する貫通孔11を中心に同心円状に、それぞれ間隔をあけて、ドアトリム1のスキン層3bから突出するリブである、環状凸部17a〜17cが3つ設けられている。なお、環状凸部17a〜17cは、締結具14の頭部14aと当接する位置に配置する必要がある。
【0023】
環状凸部17a〜17cは、ドアトリム1のスキン層3bと同様に未発泡または微発泡となるように成形されている。ここで未発泡とは、目視で発泡セルが全く確認できない状態と定義し、微発泡とは、発泡層3aが全体の20%以下の状態と定義する。
【0024】
3つの環状凸部17a〜17cの高さは、最も貫通孔11から離れて位置する環状凸部17aが一番高く、貫通孔11の位置に近づくにつれて低くなり、最も貫通孔11の近くに位置する環状凸部17cが一番低い。一方、3つの環状凸部17a〜17cの幅は、最も貫通孔11から離れて位置する環状凸部17aが一番狭く、貫通孔11の位置に近づくにつれて広くなり、最も貫通孔11の近くに位置する環状凸部17cが一番広くなっている。なお、最も貫通孔11の近くに位置する環状凸部17cは、その幅が大きくなっているため、内部に発泡層3aができて微発泡状態となっている。
【0025】
このように、貫通孔11から離れるほど環状凸部17a〜17cの高さが漸増するとともに、幅が漸減するため、最も貫通孔11から離れて位置する環状凸部17aほどひずみ易く、座屈し易い。ここで、最も貫通孔11の近くに位置する環状凸部17cは、ひずみ、または座屈などが生じないように設計することが好ましい。このような構成にすることによって、締結具14でドアトリム1を車体パネル15に固定すると、締結具14から加わる荷重によって、最も貫通孔11から離れて位置する環状凸部17aが潰れる。このように、環状凸部17aが潰れることで、締結具14からドアトリム1に加わる荷重を吸収することができる。そのため、締結部20の位置における、環状凸部17a〜17cを介して発泡層3aに加わる荷重が小さくなる。したがって、発泡層3aの潰れを防止することができる。発泡層3aが潰れなくなるため、スキン層3bに破断が生じることがなくなり、締結具14でドアトリム1を車体パネル15に強固に固定することができる。
【0026】
一方、最も貫通孔11の近くに位置する環状凸部17cは変形しないため、締結具14の締結位置を規定することができ、ドアトリム1の車体パネル15への固定の信頼性が高められるとともに、ドアトリム1のガタツキや、ガタツキによる異音の発生を抑制することが可能となる。
【0027】
環状凸部17a〜17cは、ドアトリム1の成形と同時にドアトリム1と一体的に成形することができるため、コスト増加を抑制でき、新たな作業工程の増加も抑制できる。
【0028】
本実施例の特徴は、最も貫通孔11の近くに位置する環状凸部17cは、締結具14からの荷重によって潰れないようにして、他の位置の環状凸部17a、17bは、わざと潰れるようにして、締結具14からの荷重を吸収することである。この特徴さえあれば、環状凸部の数、高さ、幅は適宜変更することができる。
【0029】
図4は、本実施例の変形例を示した概略図であり、締結部20を上方からみた図である。なお、締結具14は破線で示している。
【0030】
最も貫通孔11の近くに位置する環状凸部17cは、上述の実施例と同様である。しかしながら、最も貫通孔11の近くに位置する環状凸部17c以外の環状凸部17a、17bには断続的に切欠部17dが形成されており、環状凸部17a、17bのリブが途切れ途切れとなっている。このため、上述の実施例よりもさらに環状凸部17a、17bは潰れやすくなっている。したがって、締結部20の位置における、締結具14による、環状凸部17a〜17cを介して発泡層3aに加わる荷重がさらに小さくなるため、発泡層3aの潰れを防止することができる。
【0031】
一方、環状凸部17cには、切欠部17dを設けないため、締結具14の位置を規制する機能が確保されている。
【0032】
<第2の実施例>
図5は、締結部20の第2の実施例を示す上面図であり、図6は、図5のBB断面の概略図である。なお、締結具14については破線で示している。
【0033】
本実施例では、荷重軽減体として、凹部10の底面を形成しているスキン層3bから突出しており、互いに独立している複数のリブが、貫通孔11から放射状に延びて形成された、放射状凸部18が設けられている。
【0034】
放射状凸部18は、貫通孔11に隣接する、凹部10の底面と略平行な平坦部18bと、平坦部18bとなだらかにつながっており、貫通孔11から離れるほど凹部10の底面からの高さが漸増する傾斜部18aと、からなる。さらに、放射状凸部18の幅は、貫通孔11から離れるほど狭くなるように形成されている。また、放射状凸部18は、締結具14が貫通孔11に挿入されたときでも、締結具14の頭部14aから露出するようになっている。
【0035】
このような構成にすることで、放射状凸部18において、傾斜部18aの、貫通孔11から遠い部分ほど、ひずみや座屈を起こし易い。そのため、上述の実施例と同様に、傾斜部18aが潰れることで、締結具14からの荷重を吸収することができる。一方、平坦部18bは、ほとんどひずみや座屈を起こすことはなく、締結具14の締結位置を規定する機能を確保している。さらに、放射状凸部18は、締結具14の頭部14aよりも、半径方向に大きいので、締結具14の頭部14aと放射状凸部18との接触面積よりも大きな面積で、締結具14からの荷重を受けることができる。つまり、締結具14からの荷重を、放射状凸部18全体に分散させることができるため、放射状凸部18を介して発泡層3aに加わる荷重が小さくなり、発泡層3aの潰れをさらに効果的に抑制することが可能となる。発泡層3aが潰れなくなることで、スキン層3bが破断することがなくなり、ドアトリム1と車体パネル15とを強固に固定することができる。
【0036】
なお、この放射状凸部18は、ドアトリム1と一体的に成形することができる。また、放射状凸部18の高さ、幅、数などは適宜調節すればよい。
【0037】
<第3の実施例>
図7は、締結部20の第3の実施例を示す断面の概略図である。
【0038】
前記した第1および第2の実施例では、荷重軽減体が発泡樹脂成形品(ドアトリム1)と一体的に形成されていたが、本実施例では、荷重軽減体として、発泡樹脂成形品(ドアトリム1)とは別に形成された座金13を、凹部10の底面上に貼付けている。座金13は、円盤状で、貫通孔11に対応した孔13aを有している。
【0039】
座金13の内径(孔13aの径)は貫通孔11の径と略同じ長さであって、外径は、凹部10と略同じ大きさとなるものが選択されている。
【0040】
発明者らが検討を行なったところ、座金13の厚みは、1.0mm程度あれば、荷重軽減体としての機能を達成できることがわかった。
【0041】
座金13としては、金属製、樹脂製など公知の座金を使用することができる。
【0042】
上述したように、発泡樹脂成形品であるドアトリム1の基材は、発泡層3aと、該発泡層3aを覆うように表面に非発泡または微発泡のスキン層3bが形成されている。すなわち座金13は、孔13aと貫通孔11とが一致するように、凹部10に配置される。座金13は、接着面に離型紙付きの粘着剤である両面テープ16を貼着しておくことにより、離型紙を剥がすだけで容易に座金13と凹部10を接着することができる。つまり、座金13とスキン層3bとを容易に接着して一体化することができる。
【0043】
これにより、ドアトリム1を車体パネル15に固定する際に、締結具14からの荷重は、座金13によって分散されるため、局所的に発泡層3aへ高荷重が加わらなくなる。そのため、締結具14によって、ドアトリム1を車体パネル15と固定する際に、発泡層3aが潰れてしまうことを防止できる。したがって、スキン層3bが潰れてしまうことがなくなるため、ドアトリム1と車体パネル15とを強固に固定することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ドアトリム(発泡樹脂成形品)
2 ドアトリムアッパー
3 ドアトリムロア
3a発泡層
3bスキン層
4 凹陥部
5 アームレスト
6 オーナメント
7 スピーカー開口
8 ドアポケット用開口部
10凹部
11貫通孔
13座金
13a孔
14締結具
14a締結具の頭部
15車体パネル
16両面テープ
17a〜17c環状凸部
17d切欠部
18放射状凸部
18a傾斜部
18b平坦部
20締結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結具が挿入される貫通孔が設けられた締結部を有しており、表面がスキン層で形成され、内部が発泡層で形成されている発泡樹脂成形品の固定構造であって、
前記貫通孔の周囲であり、前記発泡樹脂成形品の表面に、前記締結具からの荷重を前記発泡樹脂成形品の内部に伝わりにくくする荷重軽減体が設けられている、発泡樹脂成形品の固定構造。
【請求項2】
前記荷重軽減体は、前記貫通孔を中心として同心円状に設けられ、前記発泡樹脂成形品の表面から突出したリブ形状の複数の環状凸部である、請求項1に記載の発泡樹脂成形品の固定構造。
【請求項3】
最も前記貫通孔の近くに位置する前記環状凸部は、前記締結具の荷重で変形せず、最も前記貫通孔の近くに位置する前記環状凸部以外の前記環状凸部の少なくとも1つは、前記締結具の荷重で変形する、請求項2に記載の発泡樹脂成形品の固定構造。
【請求項4】
複数の前記環状凸部のうち、最も前記貫通孔の近くに位置する前記環状凸部以外の前記環状凸部には、切欠部が設けられている、請求項2または3に記載の発泡樹脂成形品の固定構造。
【請求項5】
前記荷重軽減体は、前記発泡樹脂成形品の表面から突出し、前記貫通孔から前記締結具と当接しない位置まで放射状に延びたリブ形状の複数の放射状凸部である、請求項1に記載の発泡樹脂成形品の固定構造。
【請求項6】
前記荷重軽減体は、前記発泡樹脂成形品と一体的に成形されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の固定構造。
【請求項7】
前記荷重軽減体は座金である、請求項1に記載の発泡樹脂成形品の固定構造。
【請求項8】
前記発泡樹脂成形品の、前記締結部の位置は窪んでいる、請求項1から7のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の固定構造。
【請求項9】
締結具が挿入される貫通孔が設けられた締結部を有しており、表面がスキン層で形成され、内部が発泡層で形成されている発泡樹脂成形品の固定方法であって、
前記貫通孔の周囲であり、前記発泡樹脂成形品の表面に、前記締結具からの荷重が前記発泡樹脂成形品の内部に伝わりにくくする、荷重軽減体を形成し、
前記締結具を前記貫通孔に挿入し、
前記締結具と前記荷重軽減体とを当接させて前記発泡樹脂成形品を相手部材に固定する、発泡樹脂成形品の固定方法。
【請求項10】
前記荷重軽減体として、前記貫通孔を中心として同心円状に、前記発泡樹脂成形品の表面から突出したリブ形状の複数の環状凸部を形成し、
前記発泡樹脂成形品を固定するステップでは、前記締結具の荷重によって、複数の前記環状凸部のうち、最も前記貫通孔の近くに位置する前記環状凸部以外の少なくとも1つが潰れるようにする、請求項9に記載の発泡樹脂成形品の固定方法。
【請求項11】
前記荷重軽減体として、前記発泡樹脂成形品の表面から突出し、前記貫通孔から前記締結具と当接しない位置まで放射状に延びる、複数の放射状凸部を形成し、
前記放射状凸部は、前記貫通孔に隣接して位置する平坦部と、前記平坦部と繋がっており、前記貫通孔から離れるにつれて高さが高くなっている傾斜部とを有しており、
前記放射状凸部は、前記貫通孔から離れるにつれて幅が狭くなっており、
前記発泡樹脂成形品を固定するステップでは、前記締結具の荷重によって、前記放射状凸部の前記傾斜部を潰れるようにし、かつ、複数の放射状凸部全体で前記締結具の荷重を受ける、請求項9に記載の発泡樹脂成形品の固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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