発熱機能付き家具
【課題】着席した人の足下を効果的に暖めることができる暖房機能付き家具を供すること。
【解決手段】天板12と、その天板12に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部16と、前記天板12に設けられた発熱層12bと、その発熱層12bへ給電するための電源ケーブル18とを備えた発熱機能付き家具である。天板12は、例えば一枚の板ガラス12aを有し、前記発熱層12bが、天板12の板ガラス12aの表面に形成されている。
【解決手段】天板12と、その天板12に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部16と、前記天板12に設けられた発熱層12bと、その発熱層12bへ給電するための電源ケーブル18とを備えた発熱機能付き家具である。天板12は、例えば一枚の板ガラス12aを有し、前記発熱層12bが、天板12の板ガラス12aの表面に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は発熱機能付き家具に係わり、特にデザイン性に優れ均一な加温効果を奏する発熱機能付き家具に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱機能を備えた家具として、古来こたつが広く知られ、また使用されている。今日、こたつの熱源としては赤外線ランプ等の電気発熱体が一般的に用いられており、このような熱源を天板の下面に設けてなる電気こたつが特に畳敷きの和室で広く使用される。また、近年ライフスタイルが洋風化する中、いわゆるフローリング床の洋室を備えた住宅も非常に多いが、このような洋室で使用するテーブルに電気こたつと同様の着想で発熱機能を付加したものも見受けられる。例えば特許文献1を参照されたい。
【特許文献1】特開平9−21535
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、こたつにしても、テーブルにしても、居室内で使用するものであるから、外観デザインは重要な要素である。この点、テーブルには例えば天板を板ガラスで構成したものなどが見受けられるが、特許文献1に記載されているこたつ的な発想から得られる発熱テーブルの構成では、特に透明な板ガラスを天板として使用するような構成は、放熱パネルやヒーターが上方から天板を通して丸見えとなってしまうので採用することができないといったデザイン上の制約がある。
【0004】
また、熱源が一般に天板下面の中央部に集中配置されることから、テーブルやこたつの下方空間を均一に暖めることが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の、及び他の課題を解決するためになされたもので、その一実施態様による発熱機能付き家具は、天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、前記天板は一枚の板ガラスを備え、前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのいずれかの表面に薄膜状に形成された発熱層でなり、前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の他の実施態様による発熱機能付き家具は、天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、前記天板は、互いに並行に配設された複数の板ガラスを有し、前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのうち、最も下方に位置している板ガラスの内側面に薄膜状に形成された発熱層でなり、前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっていることを特徴とする。
【0007】
さらに、本発明の別の実施態様による発熱機能付き家具は、天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、前記天板は、互いに並行に配設された複数の板ガラスを有し、前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのうち、最も下方に位置している板ガラス以外のいずれかの板ガラスの表面に薄膜状に形成された発熱層でなり、前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっていることを特徴とする。
【0008】
前記天板は、前記複数の板ガラスを、その間隔をあけて互いに固定して形成した複層ガラス、または、前記複数の板ガラスを、前記発熱層を介在させて密着させた合わせガラスとすることができる。
【0009】
また、前記天板は、前記合わせガラスの上方に間隔をあけて板ガラスを並設固定した複層ガラスとすることができる。
【0010】
前記天板を構成する板ガラスのうち、最も上面側に配置されている板ガラスを赤外線反射ガラスとすることができる。
【0011】
また、前記天板を構成する複数の板ガラスのうち、少なくとも最も上面側に配置されているものの平面寸法を、他の板ガラスの平面寸法よりも大とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、天板に設けた薄膜状の発熱層の全面から均一に放熱されるので、天板自体が暖まって暖房・加温効果を発揮するとともに、着席した人を効果的に暖めることができる。また、天板と別体の熱源を天板の下面側に設ける必要がないので、家具のデザイン上の自由度が高まると共に着席する人の足下が広くなる。天板に合わせガラスを用いれば、災害等により万一破損した場合でも破片の飛散がきわめて少なく安全である。また、前記天板を構成する板ガラスのうち、最も上面側に配置されている板ガラスを赤外線反射ガラスとすれば、天板の上面から逃げる熱が減少して天板の下方をより効果的に暖めることができ、最も上面側に配置されている板ガラスを赤外線反射ガラスとすれば、逆に天板の下面から熱が散逸するのを抑制して天板の上方をより効果的に暖めることができる。また、天板を構成する複数の板ガラスのうち、少なくとも最も上面側に配置されているものの平面寸法が他の板ガラスの平面寸法よりも大となるようにすれば、発熱層の面積と関係なく、デザイン、機能の要請に応じて天板上面の面積を設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をその実施形態に即して添付図面を参照しつつ説明する。
【0014】
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態に係る発熱機能付き家具を図1〜図3に示す。図1は天板の上方から見た平面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は、図2のIII部拡大断面図である。
【0015】
図1、図2に図示するように、この実施形態の発熱機能付き家具は発熱テーブル10として構成されており、天板12と、その天板12に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部16と、前記天板12に設けられた発熱手段である発熱層12bと、その発熱層12bへ給電するための給電手段である電源ケーブル18とを備えている。
【0016】
天板12は1枚の板ガラス12aによって構成されており、例えば不慮の衝撃に備えて強化ガラスや合わせガラスを採用することにより安全性を高めることができる。本実施形態では、この板ガラス12aは脚部16の内法寸法内に収まる形状寸法とされているが、脚部16の取り付け位置よりも外方へ張り出すような寸法としても良く、またその外形形状も図示のような矩形に限らず、円形、楕円形、他の多角形等の多様な形態を取ることができる。天板12の板ガラス12aには、その下面のほぼ全体にわたって、通電することにより発熱する発熱層12bが形成されている。発熱層12bは、典型的には光透過性を有する金属薄膜のコーティング層であり、スズ、金、銀、インジウム、亜鉛、チタン等の金属酸化物を用いて形成することができる。あるいは、発熱層12cは、水溶性の発熱塗料、例えば特開平8−41388号公報に記載されているものを用いて形成することもできる。なお、発熱層12bは、天板上に物を才知したときなどに損傷するのを防ぐために、本実施形態のように天板12の下面に設けることが一般的であるが、適宜の保護部材を適用することにより天板12の上面に設けることも可能である。
【0017】
図3を参照して天板12の構成をより詳しく説明する。発熱層12bには、電極12cが設けられる。この電極12cは細長い箔状の導電性部材であり、図3に示すように、天板12の板ガラス12aに設けられた発熱層12bの一端部に沿って板ガラス12aのほぼ全幅にわたって付設されている。なお、図示は省略しているが、板ガラス12aの他端部側にも同様の電極12cが設けられており、これら2つの電極12cの間にある発熱層12bが電流路となるように構成される。電極12cにはそれぞれ電極端子(図示せず)が設けられ、ここに後述する電源ケーブル18が接続される。
【0018】
電源ケーブル18は、発熱層12cを電源に接続する。電源としては、商用交流電源(AC100V、50/60Hz)を用いるのが一般的であるが、家具の設置環境に応じてそれ以外の電源を使用してもよい。また、電源と発熱層12bとの間に適宜電源スイッチや可変抵抗器等の電流調整手段を介在させてもよい。本実施形態では、図2に示すように、電極端子19に接続されている電源ケーブル18は脚部16の内部を配線され、脚部16の最下端から引き出され、その先端には適宜の接続器具が設けられる。したがって、電源ケーブル18を人が不用意に引っかけたりするおそれが減り使い勝手がよい。
【0019】
天板12は、上方が開放されている断面L字形状の支持枠14によってほぼ水平に支持される。支持枠14は天板12の自重とその許容荷重に耐えられる機械的な強度を有するものであれば、デザイン上の要求や経済性を勘案して適宜の材料をもって構成してよい。また天板12の全周にわたって支持する図示のような構成でもよいし、天板12の外周を必要に応じて部分的に支持する、例えば天板12の四隅だけを支持するような構成とすることもできる。
【0020】
天板12と支持枠14との間には、天板12の下面側に下部緩衝材15bが、側方側に横緩衝材15aが挟み込んであり、天板12と支持枠14との間の変位により天板12に無理な外力が作用するのを緩衝している。
【0021】
図3に符号Wで示しているのは、天板12の板ガラス12aの外周から所定寸法だけ内側に設けられた帯状の領域である。この領域をそのまま透明にしておくと、板ガラス12aを通して下部緩衝材15b等の構造部材が見えてしまうため、この領域Wにエッチングやサンドブラスト、印刷等による彩色、装飾板の取り付けといった加飾を施すことが好ましい。なお、このような加飾はデザイン上の要請によって上記以外の領域に適宜施して差し支えない。
【0022】
脚部16は支持枠14の四隅でこれを支持する構造材であって、所要の耐荷重性能等に応じて適宜に材料選択をすることができ、また形状寸法も自由に定めることができる。
【0023】
上記の構成を有する本実施形態の暖房テーブルによれば、電源ケーブル18を通じて天板12の発熱層12cに給電すると、板ガラス12bの全面に設けられた発熱層12cが均一に発熱して天板12を暖める。天板12と別体の熱源を天板12の下面側に設ける必要がないので、家具のデザイン上の自由度が高まると共に着席する人の足下が広くなる。
【0024】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態に係る発熱機能付き家具を図4〜図8に示す。図4は天板の上方から見た平面図、図5は図4のV−V矢視断面図、図6は、図5のVI部拡大断面図、図7は図4のVII部拡大平面図、図8は図7のVIII−VIII矢視断面図である。
【0025】
図4,図5に図示するように、この実施形態の発熱機能付き家具は、前記第1実施形態と同様に暖房テーブル10として構成されており、天板12と、脚部16と、前記天板12に設けられた発熱手段である発熱層12bと、その発熱層12bへ給電するための給電手段である電源ケーブル18とを備えている。
【0026】
天板12は、2枚の板ガラス12a,12dを、その間に空気層12eが形成されるように間隔をあけて設けて、互いにその外周縁部で固接してなる複層ガラスである。本実施形態では、2枚の板ガラス12a,12dの平面形状寸法は同一である。天板12としての下側に配置される一方の板ガラス12aには、その他方の板ガラス12dと対向する側の面に、発熱層12bが形成されている。すなわち、発熱層12bは、下側のガラス12aの空気層12e側の表面全体に形成されている。発熱層12bとしては、第1実施形態において例示したコーティング層等を用いればよい。最も上面側に配置されている板ガラス12dとしては、安全性の点から強化ガラス又は合わせガラスを採用することができる。また、板ガラス12dとして赤外線反射ガラス(Low−eガラス)を用いれば、発熱層12bから上方へ放射される赤外線が板ガラス12dで下方へ反射されるため、暖房効果がいっそう高まる。
【0027】
図6を参照して天板12の構成をより詳しく説明する。板ガラス12a,12dは、その外周縁部において、スペーサ13a及び二次封止材13bを介して互いに固定されている。スペーサ13aは例えば樹脂等電気絶縁性材料で形成した中空角材や表面に電気絶縁処理を施したアルミニウム等の金属中空押し出し型材などで構成することができ、板ガラス12a,12dの外周縁部に沿って連続する矩形状に配置され、それぞれの板ガラス12a,12dと接着剤によって接合されて、空気層12eを封止するための一次封止部を形成している。スペーサ13aの外側にはこれに隣接して例えば樹脂等電気絶縁性材料製の二次封止材13bが設けられる。スペーサ13aの内部には、空気層12e内の結露を防止するために乾燥剤13cが収装されていて、図示は省略するが、スペーサ13a内部と空気層12eとの間は通気できるように小孔等を通じて連絡している。
【0028】
発熱層12bには、電極12cが設けられる。この電極12cは細長い箔状の導電性部材であり、図6,7に示すように、天板12の下側の板ガラス12aに設けられた発熱層12bの一端部に沿って板ガラス12aのほぼ全幅にわたって付設されている。なお、図示は省略しているが、板ガラス12aの他端部側にも同様の電極12cが設けられており、これら2つの電極12cの間にある発熱層12bが電流路となるように構成される。電極12cには電極端子19が設けられ、ここに後述する電源ケーブル18の導体18aが接続される。電極端子19は、電極12eの長手に沿った電圧降下を補償するために、2ヶ所以上設けるようにしてもよい。
【0029】
電源ケーブル18は、発熱層12bを電源に接続するためのもので、第1実施形態と同様の構成を採用すればよい。
天板12は支持枠14によって支持されており、第1実施形態と同様の構成を採用しうる。
天板12と支持枠14との間には、天板12の下面側に下部緩衝材15bが、側方側に横緩衝材15aが挟み込んである。また加飾を施す領域Wを第1実施形態と同様に適宜に設けることができる。
脚部16も第1実施形態と同様の構成とすればよい。
【0030】
上記の構成を有する本実施形態の発熱テーブルによれば、電源ケーブル18を通じて天板12の発熱層12bに給電すると、板ガラス12aの全面に設けられた発熱層12bが均一に発熱して暖房効果を発揮する。この際、発熱層12bの上方には空気層12eがあるため、この空気層12eの断熱効果によって発熱層12bで生じた熱は天板12の下方へ主として放熱されるので、着席した人の足下を効果的に暖めることができる。また、天板12と別体の熱源を天板12の下面側に設ける必要がないので、家具のデザイン上の自由度が高まると共に着席する人の足下が広くなる。
【0031】
なお、図示は簡単のために省略するが、天板12を上記実施形態とは天地を逆にして設置してもよい。この場合、発熱層12bは最も上方側の板ガラス12aの内表面に付設され、その下方に空気層12eが介在する構成となる。このような構成にすれば、発熱層12bからの熱は上方の板ガラス12aにもっぱら伝わると共に下方への放熱は空気層12eによって妨げられるため、天板12の上面を構成する板ガラスが効果的に加温される。そして、これにより天板12の上面に載置したカップや湯飲みなどの内容物を保温する効果を得ることができる。このような構成を採用しうることは、後述する他の実施形態においても同様である。
【0032】
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態に係る発熱機能付き家具を図9〜図11に示す。図9は天板の上方から見た平面図、図10は図9のX−X矢視断面図、図11は、図10のXI部拡大断面図である。なお、第2実施形態と同様の構成部材には同じ符号を付してある。以下、第2実施形態との差異について主に説明する。
【0033】
本実施形態に係る暖房機能付き家具は、第1実施形態と同様の基本構成を有する暖房テーブル10である。ただし、上記の図から明らかであるが、本実施形態では、天板12に用いられている2枚の板ガラス12d,12aのうち、上面側の板ガラス12dが下面側の板ガラス12aよりも一回り大きく構成されている。これにより、下面側の板ガラス12aに形成されている発熱層12bの面積と関係なく、デザイン、機能の要請に応じて天板12の上面の面積を設定することができる。
【0034】
《第4実施形態》
本発明の第4実施形態に係る発熱機能付き家具を図12〜図15に示す。図12は天板の上方から見た平面図、図13は図12のXIII−XIII矢視断面図、図14は、図13のXIV部拡大断面図、図15は図12のXV−XV矢視断面図である。
【0035】
図12,図13に図示するように、この実施形態の発熱機能付き家具は基本構成において第2実施形態のものと類似しているが、脚部16が第2及び第3実施形態のものよりも短いこたつ風テーブル10として構成されており、天板12と、その天板12に連結されてこれを所定の高さに保持するための前記脚部16と、前記天板12に設けられた発熱層12bと、その発熱層12bへ給電するための電源ケーブル18とを備えている。
【0036】
ここで、本実施形態では、天板12は、第2及び第3実施形態と異なり、2枚の板ガラス12a,12dの間に中間層12fを狭持するように固定されてなる合わせガラスである。天板12としての下側に配置される一方の板ガラス12aの他方の板ガラス12dと対向する側の面には、発熱層12bが形成されている。すなわち、発熱層12bは、下側のガラス12aの中間層12f側の表面に形成されている。上側板ガラス12dとしては、安全性向上のために強化ガラスを使用することができる。なお、本実施形態のこたつ風テーブルでは天板上側の板ガラス12dが下側の板ガラス12aよりもわずかに大きく形成されており、これによって上側板ガラス12dの外周縁が支持枠14の外周縁と面一とされているが、板ガラス12d,12aに同一の形状寸法のものを用いてもよい。
【0037】
上述した天板12の構成の差異を除いては、本実施形態の構成は概ね第2実施形態と同様であり、本実施形態のこたつ風テーブルによれば、電源ケーブル18を通じて天板12の発熱層12bに給電すると、発熱層12bが発熱して暖房効果を発揮する。この際、発熱層12bの上方には合わせガラスの中間層12fがあるため、この中間層12fの断熱効果によって発熱層12bで生じた熱は天板12の下方へ主として放熱されるので、着席した人の足下を効果的に暖めることができる。暖房効果は、第2実施形態と同様に、板ガラス12aを赤外線反射ガラス(Low−eガラス)とすればいっそう高まる。また、天板12に合わせガラスを用いているので、災害等により万一破損した場合でも破片の飛散がきわめて少なく安全である。
【0038】
《第5実施形態》
本発明の第5実施形態に係る発熱機能付き家具を図16〜図19に示す。図16は天板の上方から見た平面図、図17は図16のXVII−XVII矢視断面図、図18は、図17のXVIII部拡大断面図、図19は図16のXIX−XIX矢視断面図である。
【0039】
図16,図17に図示するように、この実施形態の発熱機能付き家具は基本構成において第2乃至第4実施形態のものと類似しているが、天板12として第2実施形態の複層ガラスと第4実施形態の合わせガラスとを組み合わせた構成を備えている。図17を参照すると、天板12は、上面側の板ガラス12dと下面側の板ガラス12aとを中間層12fを狭持するように固定してなり、かつ下面側板ガラス12aの中間層12f側(内側)表面に発熱層12bが形成されている合わせガラスを有する。そして、この合わせガラスのさらに上方に空気層12eを介してさらに別の板ガラス12gを配置してこれと合わせガラスとを固定して天板12を構成している。
【0040】
本実施形態の他の構成は第2及び第4実施形態と同様であり、電源ケーブル18を通じて天板12の発熱層12bに給電すると、発熱層12bの上方に設けられている中間層12f及び空気層12eの断熱効果により、発熱層12bで生じた熱は下方へ主として放熱されるので、着席した人の足下をより効果的に暖めることができる。また、天板12と別体の熱源を天板の下面側に設ける必要がないので、家具のデザイン上の自由度が高まると共に着席する人の足下が広くなるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図であり、天板の上方から見た平面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図2のIII部拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す図であり、天板の上方から見た平面図である。
【図5】図4のV−V矢視断面図である。
【図6】図5のVI部拡大断面図である。
【図7】図4のVII部拡大平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示す図であり、天板の上方から見た平面図である。
【図10】図9のX−X矢視断面図である。
【図11】図10のXI部拡大断面図である。
【図12】本発明の第4実施形態を示す図であり、天板の上方から見た平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII矢視断面図である。
【図14】図13のXIV部拡大断面図である。
【図15】図12のXV−XV矢視断面図である。
【図16】本発明の第5実施形態を示す図であり、天板の上方から見た平面図である。
【図17】図16のXVII−XVII矢視断面図である。
【図18】図17のXVIII部拡大断面図である。
【図19】図16のXIX−XIX矢視断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10 暖房テーブル
10’ こたつ風テーブル
12 天板
12a,12d,12g 板ガラス
12b 発熱層
12e 空気層
12f 中間層
14 支持枠
16 脚部
18 電源ケーブル
【技術分野】
【0001】
この発明は発熱機能付き家具に係わり、特にデザイン性に優れ均一な加温効果を奏する発熱機能付き家具に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱機能を備えた家具として、古来こたつが広く知られ、また使用されている。今日、こたつの熱源としては赤外線ランプ等の電気発熱体が一般的に用いられており、このような熱源を天板の下面に設けてなる電気こたつが特に畳敷きの和室で広く使用される。また、近年ライフスタイルが洋風化する中、いわゆるフローリング床の洋室を備えた住宅も非常に多いが、このような洋室で使用するテーブルに電気こたつと同様の着想で発熱機能を付加したものも見受けられる。例えば特許文献1を参照されたい。
【特許文献1】特開平9−21535
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、こたつにしても、テーブルにしても、居室内で使用するものであるから、外観デザインは重要な要素である。この点、テーブルには例えば天板を板ガラスで構成したものなどが見受けられるが、特許文献1に記載されているこたつ的な発想から得られる発熱テーブルの構成では、特に透明な板ガラスを天板として使用するような構成は、放熱パネルやヒーターが上方から天板を通して丸見えとなってしまうので採用することができないといったデザイン上の制約がある。
【0004】
また、熱源が一般に天板下面の中央部に集中配置されることから、テーブルやこたつの下方空間を均一に暖めることが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の、及び他の課題を解決するためになされたもので、その一実施態様による発熱機能付き家具は、天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、前記天板は一枚の板ガラスを備え、前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのいずれかの表面に薄膜状に形成された発熱層でなり、前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の他の実施態様による発熱機能付き家具は、天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、前記天板は、互いに並行に配設された複数の板ガラスを有し、前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのうち、最も下方に位置している板ガラスの内側面に薄膜状に形成された発熱層でなり、前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっていることを特徴とする。
【0007】
さらに、本発明の別の実施態様による発熱機能付き家具は、天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、前記天板は、互いに並行に配設された複数の板ガラスを有し、前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのうち、最も下方に位置している板ガラス以外のいずれかの板ガラスの表面に薄膜状に形成された発熱層でなり、前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっていることを特徴とする。
【0008】
前記天板は、前記複数の板ガラスを、その間隔をあけて互いに固定して形成した複層ガラス、または、前記複数の板ガラスを、前記発熱層を介在させて密着させた合わせガラスとすることができる。
【0009】
また、前記天板は、前記合わせガラスの上方に間隔をあけて板ガラスを並設固定した複層ガラスとすることができる。
【0010】
前記天板を構成する板ガラスのうち、最も上面側に配置されている板ガラスを赤外線反射ガラスとすることができる。
【0011】
また、前記天板を構成する複数の板ガラスのうち、少なくとも最も上面側に配置されているものの平面寸法を、他の板ガラスの平面寸法よりも大とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、天板に設けた薄膜状の発熱層の全面から均一に放熱されるので、天板自体が暖まって暖房・加温効果を発揮するとともに、着席した人を効果的に暖めることができる。また、天板と別体の熱源を天板の下面側に設ける必要がないので、家具のデザイン上の自由度が高まると共に着席する人の足下が広くなる。天板に合わせガラスを用いれば、災害等により万一破損した場合でも破片の飛散がきわめて少なく安全である。また、前記天板を構成する板ガラスのうち、最も上面側に配置されている板ガラスを赤外線反射ガラスとすれば、天板の上面から逃げる熱が減少して天板の下方をより効果的に暖めることができ、最も上面側に配置されている板ガラスを赤外線反射ガラスとすれば、逆に天板の下面から熱が散逸するのを抑制して天板の上方をより効果的に暖めることができる。また、天板を構成する複数の板ガラスのうち、少なくとも最も上面側に配置されているものの平面寸法が他の板ガラスの平面寸法よりも大となるようにすれば、発熱層の面積と関係なく、デザイン、機能の要請に応じて天板上面の面積を設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をその実施形態に即して添付図面を参照しつつ説明する。
【0014】
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態に係る発熱機能付き家具を図1〜図3に示す。図1は天板の上方から見た平面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は、図2のIII部拡大断面図である。
【0015】
図1、図2に図示するように、この実施形態の発熱機能付き家具は発熱テーブル10として構成されており、天板12と、その天板12に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部16と、前記天板12に設けられた発熱手段である発熱層12bと、その発熱層12bへ給電するための給電手段である電源ケーブル18とを備えている。
【0016】
天板12は1枚の板ガラス12aによって構成されており、例えば不慮の衝撃に備えて強化ガラスや合わせガラスを採用することにより安全性を高めることができる。本実施形態では、この板ガラス12aは脚部16の内法寸法内に収まる形状寸法とされているが、脚部16の取り付け位置よりも外方へ張り出すような寸法としても良く、またその外形形状も図示のような矩形に限らず、円形、楕円形、他の多角形等の多様な形態を取ることができる。天板12の板ガラス12aには、その下面のほぼ全体にわたって、通電することにより発熱する発熱層12bが形成されている。発熱層12bは、典型的には光透過性を有する金属薄膜のコーティング層であり、スズ、金、銀、インジウム、亜鉛、チタン等の金属酸化物を用いて形成することができる。あるいは、発熱層12cは、水溶性の発熱塗料、例えば特開平8−41388号公報に記載されているものを用いて形成することもできる。なお、発熱層12bは、天板上に物を才知したときなどに損傷するのを防ぐために、本実施形態のように天板12の下面に設けることが一般的であるが、適宜の保護部材を適用することにより天板12の上面に設けることも可能である。
【0017】
図3を参照して天板12の構成をより詳しく説明する。発熱層12bには、電極12cが設けられる。この電極12cは細長い箔状の導電性部材であり、図3に示すように、天板12の板ガラス12aに設けられた発熱層12bの一端部に沿って板ガラス12aのほぼ全幅にわたって付設されている。なお、図示は省略しているが、板ガラス12aの他端部側にも同様の電極12cが設けられており、これら2つの電極12cの間にある発熱層12bが電流路となるように構成される。電極12cにはそれぞれ電極端子(図示せず)が設けられ、ここに後述する電源ケーブル18が接続される。
【0018】
電源ケーブル18は、発熱層12cを電源に接続する。電源としては、商用交流電源(AC100V、50/60Hz)を用いるのが一般的であるが、家具の設置環境に応じてそれ以外の電源を使用してもよい。また、電源と発熱層12bとの間に適宜電源スイッチや可変抵抗器等の電流調整手段を介在させてもよい。本実施形態では、図2に示すように、電極端子19に接続されている電源ケーブル18は脚部16の内部を配線され、脚部16の最下端から引き出され、その先端には適宜の接続器具が設けられる。したがって、電源ケーブル18を人が不用意に引っかけたりするおそれが減り使い勝手がよい。
【0019】
天板12は、上方が開放されている断面L字形状の支持枠14によってほぼ水平に支持される。支持枠14は天板12の自重とその許容荷重に耐えられる機械的な強度を有するものであれば、デザイン上の要求や経済性を勘案して適宜の材料をもって構成してよい。また天板12の全周にわたって支持する図示のような構成でもよいし、天板12の外周を必要に応じて部分的に支持する、例えば天板12の四隅だけを支持するような構成とすることもできる。
【0020】
天板12と支持枠14との間には、天板12の下面側に下部緩衝材15bが、側方側に横緩衝材15aが挟み込んであり、天板12と支持枠14との間の変位により天板12に無理な外力が作用するのを緩衝している。
【0021】
図3に符号Wで示しているのは、天板12の板ガラス12aの外周から所定寸法だけ内側に設けられた帯状の領域である。この領域をそのまま透明にしておくと、板ガラス12aを通して下部緩衝材15b等の構造部材が見えてしまうため、この領域Wにエッチングやサンドブラスト、印刷等による彩色、装飾板の取り付けといった加飾を施すことが好ましい。なお、このような加飾はデザイン上の要請によって上記以外の領域に適宜施して差し支えない。
【0022】
脚部16は支持枠14の四隅でこれを支持する構造材であって、所要の耐荷重性能等に応じて適宜に材料選択をすることができ、また形状寸法も自由に定めることができる。
【0023】
上記の構成を有する本実施形態の暖房テーブルによれば、電源ケーブル18を通じて天板12の発熱層12cに給電すると、板ガラス12bの全面に設けられた発熱層12cが均一に発熱して天板12を暖める。天板12と別体の熱源を天板12の下面側に設ける必要がないので、家具のデザイン上の自由度が高まると共に着席する人の足下が広くなる。
【0024】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態に係る発熱機能付き家具を図4〜図8に示す。図4は天板の上方から見た平面図、図5は図4のV−V矢視断面図、図6は、図5のVI部拡大断面図、図7は図4のVII部拡大平面図、図8は図7のVIII−VIII矢視断面図である。
【0025】
図4,図5に図示するように、この実施形態の発熱機能付き家具は、前記第1実施形態と同様に暖房テーブル10として構成されており、天板12と、脚部16と、前記天板12に設けられた発熱手段である発熱層12bと、その発熱層12bへ給電するための給電手段である電源ケーブル18とを備えている。
【0026】
天板12は、2枚の板ガラス12a,12dを、その間に空気層12eが形成されるように間隔をあけて設けて、互いにその外周縁部で固接してなる複層ガラスである。本実施形態では、2枚の板ガラス12a,12dの平面形状寸法は同一である。天板12としての下側に配置される一方の板ガラス12aには、その他方の板ガラス12dと対向する側の面に、発熱層12bが形成されている。すなわち、発熱層12bは、下側のガラス12aの空気層12e側の表面全体に形成されている。発熱層12bとしては、第1実施形態において例示したコーティング層等を用いればよい。最も上面側に配置されている板ガラス12dとしては、安全性の点から強化ガラス又は合わせガラスを採用することができる。また、板ガラス12dとして赤外線反射ガラス(Low−eガラス)を用いれば、発熱層12bから上方へ放射される赤外線が板ガラス12dで下方へ反射されるため、暖房効果がいっそう高まる。
【0027】
図6を参照して天板12の構成をより詳しく説明する。板ガラス12a,12dは、その外周縁部において、スペーサ13a及び二次封止材13bを介して互いに固定されている。スペーサ13aは例えば樹脂等電気絶縁性材料で形成した中空角材や表面に電気絶縁処理を施したアルミニウム等の金属中空押し出し型材などで構成することができ、板ガラス12a,12dの外周縁部に沿って連続する矩形状に配置され、それぞれの板ガラス12a,12dと接着剤によって接合されて、空気層12eを封止するための一次封止部を形成している。スペーサ13aの外側にはこれに隣接して例えば樹脂等電気絶縁性材料製の二次封止材13bが設けられる。スペーサ13aの内部には、空気層12e内の結露を防止するために乾燥剤13cが収装されていて、図示は省略するが、スペーサ13a内部と空気層12eとの間は通気できるように小孔等を通じて連絡している。
【0028】
発熱層12bには、電極12cが設けられる。この電極12cは細長い箔状の導電性部材であり、図6,7に示すように、天板12の下側の板ガラス12aに設けられた発熱層12bの一端部に沿って板ガラス12aのほぼ全幅にわたって付設されている。なお、図示は省略しているが、板ガラス12aの他端部側にも同様の電極12cが設けられており、これら2つの電極12cの間にある発熱層12bが電流路となるように構成される。電極12cには電極端子19が設けられ、ここに後述する電源ケーブル18の導体18aが接続される。電極端子19は、電極12eの長手に沿った電圧降下を補償するために、2ヶ所以上設けるようにしてもよい。
【0029】
電源ケーブル18は、発熱層12bを電源に接続するためのもので、第1実施形態と同様の構成を採用すればよい。
天板12は支持枠14によって支持されており、第1実施形態と同様の構成を採用しうる。
天板12と支持枠14との間には、天板12の下面側に下部緩衝材15bが、側方側に横緩衝材15aが挟み込んである。また加飾を施す領域Wを第1実施形態と同様に適宜に設けることができる。
脚部16も第1実施形態と同様の構成とすればよい。
【0030】
上記の構成を有する本実施形態の発熱テーブルによれば、電源ケーブル18を通じて天板12の発熱層12bに給電すると、板ガラス12aの全面に設けられた発熱層12bが均一に発熱して暖房効果を発揮する。この際、発熱層12bの上方には空気層12eがあるため、この空気層12eの断熱効果によって発熱層12bで生じた熱は天板12の下方へ主として放熱されるので、着席した人の足下を効果的に暖めることができる。また、天板12と別体の熱源を天板12の下面側に設ける必要がないので、家具のデザイン上の自由度が高まると共に着席する人の足下が広くなる。
【0031】
なお、図示は簡単のために省略するが、天板12を上記実施形態とは天地を逆にして設置してもよい。この場合、発熱層12bは最も上方側の板ガラス12aの内表面に付設され、その下方に空気層12eが介在する構成となる。このような構成にすれば、発熱層12bからの熱は上方の板ガラス12aにもっぱら伝わると共に下方への放熱は空気層12eによって妨げられるため、天板12の上面を構成する板ガラスが効果的に加温される。そして、これにより天板12の上面に載置したカップや湯飲みなどの内容物を保温する効果を得ることができる。このような構成を採用しうることは、後述する他の実施形態においても同様である。
【0032】
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態に係る発熱機能付き家具を図9〜図11に示す。図9は天板の上方から見た平面図、図10は図9のX−X矢視断面図、図11は、図10のXI部拡大断面図である。なお、第2実施形態と同様の構成部材には同じ符号を付してある。以下、第2実施形態との差異について主に説明する。
【0033】
本実施形態に係る暖房機能付き家具は、第1実施形態と同様の基本構成を有する暖房テーブル10である。ただし、上記の図から明らかであるが、本実施形態では、天板12に用いられている2枚の板ガラス12d,12aのうち、上面側の板ガラス12dが下面側の板ガラス12aよりも一回り大きく構成されている。これにより、下面側の板ガラス12aに形成されている発熱層12bの面積と関係なく、デザイン、機能の要請に応じて天板12の上面の面積を設定することができる。
【0034】
《第4実施形態》
本発明の第4実施形態に係る発熱機能付き家具を図12〜図15に示す。図12は天板の上方から見た平面図、図13は図12のXIII−XIII矢視断面図、図14は、図13のXIV部拡大断面図、図15は図12のXV−XV矢視断面図である。
【0035】
図12,図13に図示するように、この実施形態の発熱機能付き家具は基本構成において第2実施形態のものと類似しているが、脚部16が第2及び第3実施形態のものよりも短いこたつ風テーブル10として構成されており、天板12と、その天板12に連結されてこれを所定の高さに保持するための前記脚部16と、前記天板12に設けられた発熱層12bと、その発熱層12bへ給電するための電源ケーブル18とを備えている。
【0036】
ここで、本実施形態では、天板12は、第2及び第3実施形態と異なり、2枚の板ガラス12a,12dの間に中間層12fを狭持するように固定されてなる合わせガラスである。天板12としての下側に配置される一方の板ガラス12aの他方の板ガラス12dと対向する側の面には、発熱層12bが形成されている。すなわち、発熱層12bは、下側のガラス12aの中間層12f側の表面に形成されている。上側板ガラス12dとしては、安全性向上のために強化ガラスを使用することができる。なお、本実施形態のこたつ風テーブルでは天板上側の板ガラス12dが下側の板ガラス12aよりもわずかに大きく形成されており、これによって上側板ガラス12dの外周縁が支持枠14の外周縁と面一とされているが、板ガラス12d,12aに同一の形状寸法のものを用いてもよい。
【0037】
上述した天板12の構成の差異を除いては、本実施形態の構成は概ね第2実施形態と同様であり、本実施形態のこたつ風テーブルによれば、電源ケーブル18を通じて天板12の発熱層12bに給電すると、発熱層12bが発熱して暖房効果を発揮する。この際、発熱層12bの上方には合わせガラスの中間層12fがあるため、この中間層12fの断熱効果によって発熱層12bで生じた熱は天板12の下方へ主として放熱されるので、着席した人の足下を効果的に暖めることができる。暖房効果は、第2実施形態と同様に、板ガラス12aを赤外線反射ガラス(Low−eガラス)とすればいっそう高まる。また、天板12に合わせガラスを用いているので、災害等により万一破損した場合でも破片の飛散がきわめて少なく安全である。
【0038】
《第5実施形態》
本発明の第5実施形態に係る発熱機能付き家具を図16〜図19に示す。図16は天板の上方から見た平面図、図17は図16のXVII−XVII矢視断面図、図18は、図17のXVIII部拡大断面図、図19は図16のXIX−XIX矢視断面図である。
【0039】
図16,図17に図示するように、この実施形態の発熱機能付き家具は基本構成において第2乃至第4実施形態のものと類似しているが、天板12として第2実施形態の複層ガラスと第4実施形態の合わせガラスとを組み合わせた構成を備えている。図17を参照すると、天板12は、上面側の板ガラス12dと下面側の板ガラス12aとを中間層12fを狭持するように固定してなり、かつ下面側板ガラス12aの中間層12f側(内側)表面に発熱層12bが形成されている合わせガラスを有する。そして、この合わせガラスのさらに上方に空気層12eを介してさらに別の板ガラス12gを配置してこれと合わせガラスとを固定して天板12を構成している。
【0040】
本実施形態の他の構成は第2及び第4実施形態と同様であり、電源ケーブル18を通じて天板12の発熱層12bに給電すると、発熱層12bの上方に設けられている中間層12f及び空気層12eの断熱効果により、発熱層12bで生じた熱は下方へ主として放熱されるので、着席した人の足下をより効果的に暖めることができる。また、天板12と別体の熱源を天板の下面側に設ける必要がないので、家具のデザイン上の自由度が高まると共に着席する人の足下が広くなるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図であり、天板の上方から見た平面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図2のIII部拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す図であり、天板の上方から見た平面図である。
【図5】図4のV−V矢視断面図である。
【図6】図5のVI部拡大断面図である。
【図7】図4のVII部拡大平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示す図であり、天板の上方から見た平面図である。
【図10】図9のX−X矢視断面図である。
【図11】図10のXI部拡大断面図である。
【図12】本発明の第4実施形態を示す図であり、天板の上方から見た平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII矢視断面図である。
【図14】図13のXIV部拡大断面図である。
【図15】図12のXV−XV矢視断面図である。
【図16】本発明の第5実施形態を示す図であり、天板の上方から見た平面図である。
【図17】図16のXVII−XVII矢視断面図である。
【図18】図17のXVIII部拡大断面図である。
【図19】図16のXIX−XIX矢視断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10 暖房テーブル
10’ こたつ風テーブル
12 天板
12a,12d,12g 板ガラス
12b 発熱層
12e 空気層
12f 中間層
14 支持枠
16 脚部
18 電源ケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、
前記天板は一枚の板ガラスを備え、
前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのいずれかの表面に薄膜状に形成された発熱層でなり、
前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっている
ことを特徴とする発熱機能付き家具。
【請求項2】
天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、
前記天板は、互いに並行に配設された複数の板ガラスを有し、
前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのうち、最も下方に位置している板ガラスの内側面に薄膜状に形成された発熱層でなり、
前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっている
ことを特徴とする発熱機能付き家具。
【請求項3】
天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、
前記天板は、互いに並行に配設された複数の板ガラスを有し、
前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのうち、最も下方に位置している板ガラス以外のいずれかの板ガラスの表面に薄膜状に形成された発熱層でなり、
前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっている
ことを特徴とする発熱機能付き家具。
【請求項4】
前記天板が、前記複数の板ガラスを、その間隔をあけて互いに固定して形成した複層ガラスでなることを特徴とする請求項2又は3に記載の発熱機能付き家具。
【請求項5】
前記天板が、前記複数の板ガラスを、前記発熱層を介在させて密着させた合わせガラスでなることを特徴とする請求項2又は3に記載の発熱機能付き家具。
【請求項6】
前記天板が、前記合わせガラスの上方に間隔をあけて板ガラスを並設固定した複層ガラスでなることを特徴とする請求項5に記載の発熱機能付き家具。
【請求項7】
前記天板を構成する板ガラスのうち、最も上面側に配置されている板ガラスが赤外線反射ガラスであることを特徴とする請求項2から6までのいずれかに記載の発熱機能付き家具。
【請求項8】
前記天板を構成する板ガラスのうち、最も下面側に配置されている板ガラスが赤外線反射ガラスであることを特徴とする請求項2から6までに記載の発熱機能付き家具。
【請求項9】
前記天板を構成する複数の板ガラスのうち、少なくとも最も上面側に配置されているものの平面寸法が他の板ガラスの平面寸法よりも大であることを特徴とする請求項2から8までのいずれかに記載の発熱機能付き家具。
【請求項1】
天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、
前記天板は一枚の板ガラスを備え、
前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのいずれかの表面に薄膜状に形成された発熱層でなり、
前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっている
ことを特徴とする発熱機能付き家具。
【請求項2】
天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、
前記天板は、互いに並行に配設された複数の板ガラスを有し、
前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのうち、最も下方に位置している板ガラスの内側面に薄膜状に形成された発熱層でなり、
前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっている
ことを特徴とする発熱機能付き家具。
【請求項3】
天板と、その天板に連結されてこれを所定の高さに保持するための脚部と、前記天板に設けられた発熱手段と、その発熱手段へ給電するための給電手段とを備えた発熱機能付き家具であって、
前記天板は、互いに並行に配設された複数の板ガラスを有し、
前記発熱手段は、前記天板を構成する板ガラスのうち、最も下方に位置している板ガラス以外のいずれかの板ガラスの表面に薄膜状に形成された発熱層でなり、
前記給電手段は、前記発熱手段の発熱層に電気的に接続されてこれに電力を供給するようになっている
ことを特徴とする発熱機能付き家具。
【請求項4】
前記天板が、前記複数の板ガラスを、その間隔をあけて互いに固定して形成した複層ガラスでなることを特徴とする請求項2又は3に記載の発熱機能付き家具。
【請求項5】
前記天板が、前記複数の板ガラスを、前記発熱層を介在させて密着させた合わせガラスでなることを特徴とする請求項2又は3に記載の発熱機能付き家具。
【請求項6】
前記天板が、前記合わせガラスの上方に間隔をあけて板ガラスを並設固定した複層ガラスでなることを特徴とする請求項5に記載の発熱機能付き家具。
【請求項7】
前記天板を構成する板ガラスのうち、最も上面側に配置されている板ガラスが赤外線反射ガラスであることを特徴とする請求項2から6までのいずれかに記載の発熱機能付き家具。
【請求項8】
前記天板を構成する板ガラスのうち、最も下面側に配置されている板ガラスが赤外線反射ガラスであることを特徴とする請求項2から6までに記載の発熱機能付き家具。
【請求項9】
前記天板を構成する複数の板ガラスのうち、少なくとも最も上面側に配置されているものの平面寸法が他の板ガラスの平面寸法よりも大であることを特徴とする請求項2から8までのいずれかに記載の発熱機能付き家具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−330402(P2007−330402A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163957(P2006−163957)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000223986)フィグラ株式会社 (68)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000223986)フィグラ株式会社 (68)
【Fターム(参考)】
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