説明

発酵処理設備

【課題】強い排気促進力が必要とならない発酵処理設備とする。
【解決手段】建物1内に被処理物Pの発酵槽2を設け、被処理物Pから発生したガスGが排気路4を通して排気されるようにする。この際、発酵槽2上方のガス遮断面7は、長手方向に関して、一部位に向かうに応じて高くなるようにする。また、この最高部位近傍に流れたガスGは、この流れが利用されて排気されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵処理設備に関するものである。より詳しくは、発酵処理にともなって、アンモニアガス等のガスが発生する場合に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の発酵処理設備は、有機性排出物などの被処理物を、例えば、堆肥化、減容化、減水、乾燥する場合などに、使用される。
従来の発酵処理設備としては、例えば、図1及び図2に示す発酵処理設備100や、図3及び図4に示す発酵処理設備200などがある。前者の発酵処理設備100においては、屋根101Aを有する建物101(なお、本技術分野においては、建物101が、「建屋」などとも言われる。)が備えられており、この建物101内には、この建物101の長手方向に沿って延在するように、被処理物Pの発酵槽102が設けられている。また、本建物101内には、発酵槽101に沿って延在するように、作業スペース106が設けられる場合もある。そして、この場合、この作業スペース106は、発酵槽101側から、発酵にともなって被処理物Pから発生したアンモニアガス等のガスGが流れてこないように、発酵槽101側とカーテン107によって、仕切られる。本発酵処理設備100において、発酵にともなって被処理物Pから発生したアンモニアガス等のガスGは、建物101内を通る排気路104を通して、外部に排気される。一方、後者の発酵処理設備200においても、屋根101Aを有する建物101が備えられており、この建物101内には、この建物101の長手方向に沿って延在するように、被処理物Pの発酵槽102が設けられている。また、本建物101内にも、発酵槽101に沿って延在するように、作業スペース106が設けられる場合がある。この作業スペース106が、発酵槽101側と、カーテン107によって、仕切られているのも同様である。ただし、本発酵処理設備200においては、アンモニアガス等のガスGを外部に排気する排気路204が、建物101外を通っている。排気路104や204を、建物101内を通すか、建物101外を通すかは、例えば、施行容易性などに基づいて、適宜選択されている。
【0003】
しかしながら、これら従来の発酵処理設備100や200には、ガスGの排気に関して、問題がある。すなわち、従来の発酵処理設備100や200においては、図2及び図4に示すように、建物101の屋根101Aが、長手方向に関して水平であるため、長手方向の一部において、ガスGが滞留してしまうおそれがある。このガスGの滞留は、ガスGが作業スペース106や建物101外に漏れる原因となり、ガスGが漏れると、例えば、臭気の問題が生じる。
【0004】
そこで、従来の発酵処理設備100や200においては、排気路104,204内にガスGを取り入れる開口部103又は203を、排気路104,204の長手方向に適宜の間隔をおいて、複数設けている。しかしながら、開口部103又は203を、複数設けたとしても、相互に隣接する開口部103,103間又は203,203間において、ガスGの滞留が生じる可能性があり、この滞留を解消するためには、強いガス排気促進力が必要になる。もちろん、相互に隣接する開口部103,103間又は203,203間の間隔を狭めれば、各開口部103又は203におけるガス排気促進力を弱くすることができるが、開口部103又は203の数自体が増えるため、全体としてのガス排気促進力は、変わらない。ちなみに、従来の発酵処理設備100や200において、排気を促進するために用いる排気ファンや吸引ポンプなどの電気代は、発酵処理設備100や200を稼動するための総電気代の約6〜8割となっており、以上の排気促進力の問題は、重要な問題となっている。
【0005】
この点、ガスGの排気促進力を弱くすることができる形態としては、現在、発酵槽102に直接排気路104や204を接続する形態が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この形態においても、発酵槽102上方にガスGが拡散してしまうのを防止するためには、強い排気促進力が必要となる。特に、被処理物Pを撹拌手段105などによって撹拌するに際しては、一度に大量のガスGが拡散してしまうため、より強い排気促進力が必要となる。また、この形態には、例えば、近年注目されている、発酵槽102の長手方向長さが20m以上にわたるような大規模な発酵処理設備(いわゆる高速発酵処理設備)においては、あまりにもコストがかさむことになるとの問題もある。
【特許文献1】特開平8−309325号公報(図2、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする主たる課題は、強い排気促進力が必要とならない発酵処理設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
建物内に被処理物の発酵槽が設けられ、前記被処理物から発生したガスが排気路を通して排気される、発酵処理設備であって、
前記発酵槽上方のガス遮断面が、少なくとも長手方向に関しては、一部位に向かうに応じて高くなっており、この最高部位近傍に流れたガスが、この流れが利用されて排気されるように前記排気路が設けられている、ことを特徴とする発酵処理設備。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
建物内に発酵槽を覆う遮断板が設けられ、この遮断板の下側面が遮断面とされている、請求項1記載の発酵処理設備。
【0009】
〔請求項3記載の発明〕
長手方向一方端部が最高部位とされ、発酵槽は、前記長手方向を長手方向とし、かつ前記最高部位側が、被処理物の供給場所とされている、請求項1又は請求項2記載の発酵処理設備。
【0010】
〔請求項4記載の発明〕
最高部位側端部及び両側端部から下方に向かって、少なくとも発酵槽上端縁高さ位置まで延在するように封止材が設けられている、請求項3記載の発酵処理設備。
【0011】
〔請求項5記載の発明〕
排気路が、最高部位側端部から下方に延在する封止材に設けられている、請求項4記載の発酵処理設備。
【0012】
〔請求項6記載の発明〕
発酵槽内の被処理物を撹拌する手段と、ガスの排気促進力を変化させて前記発酵槽上方におけるガス濃度上昇を抑える排気促進手段と、が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発酵処理設備。
【0013】
〔請求項7記載の発明〕
発酵槽の長手方向長さが、20m以上ある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発酵処理設備。
【発明の効果】
【0014】
本発明の発酵処理設備によると、強い排気促進力が必要とならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
〔被処理物〕
本発明において、発酵処理の対象となる被処理物とは、有機性排出物等の有機物など、発酵する性質を有する物質を意味する。有機性排出物としては、例えば、下水処理施設、屎尿処理施設、汚水処理施設、浄化槽等から排出される有害金属を含む場合もある汚泥、汚水類や、家畜糞尿、水産魚介類残査物、食肉加工場や食品加工場等から排出される残査物、家庭や食堂、学校、レストラン、ホテル、旅館等から排出される生ゴミといわれる厨芥類、外食産業、スーパー、デパート等から排出される食品の売れ残り品や残査物、酒、焼酎、ビール、味噌、醤油、漬け物等の醸造産業から排出される残査物等を、例示することができる。
【0016】
〔用途〕
本発明の発酵処理設備は、被処理物を発酵処理して、例えば、堆肥化、減容化、減水、乾燥する場合などに、使用することができる。発酵処理による堆肥化に関しては、例えば、特開平6−345575号公報、特開平7−69765号公報、特開平7−133177号公報、特開平11−228270号公報、特開2001−48686号公報、特開2001−70744号公報、特開2001−70745号公報等に記載があり、これらの公報に記載の装置・方法と、本発明を組み合わせることもできる。他方、発酵処理による減容化に関しては、例えば、特開2000−15293号公報、特開2000−229277号公報、特開2003−305445号公報等に記載があり、これらの公報に記載の装置・方法と、本発明を組み合わせることもできる。
【0017】
〔発酵処理設備〕
図5及び図6に、本実施の形態の発酵処理設備10を示した。本発酵処理設備10においては、平面略長方形状の建物1内に、被処理物Pの発酵槽2が設けられている。また、建物1内には、図示例のように、発酵槽2に沿って延在する(広がる)ように作業スペース6が設けられる場合がある。
本発酵槽2は、その内部に仕切り壁2Aのない槽(容器)であっても、仕切り壁2Aが1つ、2つ、3つ又はそれ以上の複数設けられた槽であってもよい。本実施の形態では、仕切り壁2Aが2つ設けられて、3つの槽が並列的に並んだ形態となっている。もちろん、この仕切り壁2Aが設けられた形態は、これに替えて、複数の発酵槽2を並列的に並べた形態とすることもできる。これら仕切り壁2A設けられた形態や、複数の発酵槽2が並べられた形態においては、各槽における発酵処理内容が、同じであっても、例えば、特開2003−305445号公報等に開示されるような、上段(上流)、下段(下流)の関係にあってもよい。
【0018】
発酵槽2内の被処理物Pは、発酵にともなって、アンモニアガス等のガスGを発生する。そして、この被処理物Pから発生したガスGは、軽いため、あるいは温度が高いため、上方へ流れる(上昇)。したがって、本実施の形態においても、従来の形態と同様、発酵槽2の上方に、ガスGの上昇を限界付けるための、屋根1Aの下側面や本実施の形態のように遮断板7の下側面等からなるガス遮断面が存在する。ただし、本実施の形態においては、このガス遮断面(7)が、少なくとも長手方向に関して、好ましくは本実施の形態のように長手方向及び幅方向に関して、一部位に向かうに応じて高くなっており、(以下、一部位に向かうに応じて高くなることを、単に「傾斜」ともいう。)、この一部位たる最高部位近傍に流れたガスGが、この流れが利用されて、排気路4から、排気されるようになっている。このようにガスGの流れを利用すると、強い排気促進力が必要とならなくなる。
【0019】
この点、図1や図3から明らかなように、屋根101Aの下側面からなる遮断面が、幅方向に関して、傾斜する形態は、従来から存在していた。しかしながら、この幅方向に傾斜する形態では、前述したように、長手方向の一部におけるガス滞留の問題が生じてしまう。ここで、このガス滞留を防止するために、幅方向の傾斜を長手方向の傾斜に変更することは、一見容易に考えられるようにも思える。しかしながら、従来の幅方向の傾斜は、ガスGの流れを意識したものではなく、建物1が従来からもっていた構造をそのまま利用したものであったため、長手方向の傾斜という発想にはなりえなかった。また、小規模な発酵処理設備としては、例えば、特開2001−48686号公報等に示されるように、遮断面たる屋根1Aの下側面を、中央部が最も高くなった円錐状とした形態(以下、単に円錐形態ともいう。)もある。しかしながら、この円錐形態では、最高部位近傍に流れたガスGが、下方に向かって吸引されて、排気されるようになっている。つまり、本円錐形態では、ガスGが最高部位近傍まで流れてくるだけであり、この流れが利用されて排気されるようにはなっていない。これは、本円錐形態が、ガスGが流力を有していることまでは、意識していないことを示す。なお、流れの利用は、流力及び流れ方向(ベクトル)を意識して、はじめて可能になる。以上のほか、本円錐形態は、大規模な発酵処理設備に適用するのが困難である、との問題も有している。
【0020】
本実施の形態の発酵処理設備10は、ガスGが上昇する性質を利用するものであり、遮断面(7)を、長手方向に関して一部位に向かうに応じて高くなるようにしたものである。これにより、ガスGは、遮断面(7)の最高部位近傍(なお、ここで「近傍」という表現を用いたのは、「最高部位」自体は、遮断面の一部位を示すものであるため、その遮断面の「そば」「近く」ということを、示すためである。)に流れるため、長手方向の一部におけるガスGの滞留は防止される。
【0021】
本遮断面(7)は、例えば、屋根1Aを、少なくとも長手方向に関しては傾斜させて、この屋根1Aの下側面で構成することができる。ただし、本実施の形態のように、建物1内に発酵槽2を覆う遮断板7を設け、この遮断板7の下側面を遮断面とするのが好ましい。遮断板7を設けると、ガスGの拡散する空間(範囲)が狭くなるため、ガスGの排気促進力が弱くて足り、また、ガスGの流れ方向を制御し易くなる。加えて、遮断板7を設けると、例えば、二重窓(サッシ)などと同様の原理で、結露防止効果が得られる。遮断面に結露が生じると、この結露が発酵槽2内の被処理物P上に落ちて、例えば、均一な堆肥化の妨げなどとなるおそれがある。また、遮断板7を設けると、仮に結露が生じるとしても、それは少量であり、発酵槽2内の被処理物P上に落ちることがなくなる。そして、この場合、遮断板7は、幅方向に関して、両側端部が低くなる横断面略逆V字状にしておくのが好ましい。この形態によると、微量の結露は、遮断板7の下側面(遮断面)を伝わって、両側端部に集まることになる。この集まった結露は、本形態のように、そこが発酵槽2の上方でなければ、そのまま下方へ落ちるにまかせることができる。また、遮断板7の両側端部の位置いかんに関わらず、遮断板7の両側端部に樋を設けて、結露の回収を図ることもできる。結露回収用の樋としては、例えば、特開2003−246693号公報を参考にすることができる。
【0022】
一方、長手方向に関する遮断面(7)の傾斜は、例えば、任意の中央部に向かうに応じて高くなる形態(縦断面略逆V字状)とすることもできる。ただし、本実施の形態のように、一方端部に向かうに応じて高くなる形態とするのが好ましい。この形態によると、ガスGの流れが一方向のみとなるため、より大きな流力を得ることができるとともに、流れ方向も揃い易くなる。また、遮断面(7)は、本実施の形態ように断面略直線状に限定されるものではなく、例えば、上方又は下方に曲がる断面略円弧状とすることもできる。ただし、二以上の部位に向かうに応じて高くなるような形態、具体的には、例えば、両端部に向かうに応じて高くなる形態(縦断面略V字状)は、好ましくない。最高部位近傍におけるガスGの流力が半減してしまい、十分な排気促進力を得ることができないためである。
【0023】
ところで、遮断面(7)を、一方端部に向かうに応じて高くなる形態とする場合は、発酵槽2が、遮断面(7)の長手方向が長手方向となるように配置され、かつ最高部位側が、被処理物Pの供給場所とされているのが、好ましい。被処理物Pは、発酵に際して、最初60〜80℃と高い温度となり、また、ガス量も多く、それから40℃位まで徐々に温度が下がり、これにともなってガス量も減っていく。したがって、発酵槽2の最高部位側を、被処理物Pの供給場所とした方が、ガスGの流れが円滑なものとなる。
【0024】
なお、被処理物Pの供給方法は、特に限定されない。例えば、一時的に、図示しない貯留槽に貯留した後、必要に応じて発酵槽2に供給することや、貯留せずに必要に応じて発酵槽2に直接供給することなどができる。また、被処理物Pは、必要に応じて、図示しない解砕機で解砕してから、発酵槽2に供給することもできる。
【0025】
本実施の形態のように、遮断板7を設ける場合は、遮断板7の最高部位側端部及び両側端部から下方に向かって、少なくとも発酵槽2の上端縁高さ位置まで延在(連続的に存在)するように、封止材9及び8を設けるのが好ましい。封止材9及び8を設けると、ガスGの拡散が防止されて、ガスGの流れ方向が一方向に揃い易くなる。また、遮断板7の最低部位側端部には、封止材を設けないことによって、ここが空気の取り入れ口となり、ガスGの流れ方向が一方向により揃い易くなる。
【0026】
遮断板7や封止材8,9は、ガスGの流れを遮断することができるものであればよく、その素材は、特に限定されない。例えば、アルミ、スチール、ステンレス等の金属製とすることや、ビニール製、紙製、布製などとすることができる。また、例えば、先に従来例として示したカーテン107などと同様の素材とすることもできる。
【0027】
本実施の形態において、管などからなるガスGの排気路4は、最高部位近傍に流れたガスGが、この流れが利用されて排気されるように、設けられていればよい。この形態としては、例えば、排気路4を遮断板7に設けて、ガスGが最高部位近傍から上方に流れるようにすることができる。ただし、本実施の形態のように、最高部位側端部から下方に延在する封止材9に設けて、ガスGが最高部位近傍から、例えば、側方に流れるようにするのが好ましい。この形態によると、排気路4内において、結露が生じたとしても、この結露が、建物1内に落ちてしまうおそれがない。
【0028】
ところで、本発酵処理設備10にも、通常の発酵処理設備と同様に、ガスGの排気を促進するための、排気ファンや吸引ポンプなどの排気促進手段を設けることができ、また、発酵槽2内において、上側にある被処理物Pと下側にある被処理物Pとを、置き換えながら混ぜ合わせる(いわゆる、切り替えし。)などを目的として、被処理物Pの撹拌手段5を設けることができる。本撹拌手段5は、例えば、被処理物Pの混合及び移送を行うものであっても、いずれか一方のみを行うものであってもよい。
【0029】
本撹拌手段5を設ける場合においては、排気促進手段を、ガスGの排気促進力を変化させて発酵槽2の上方におけるガス濃度上昇を抑える、いわゆるインバータ制御可能なものとするのが好ましい。被処理物Pは、大量のガスGや水蒸気等を含んでしまうため、ガスGや水蒸気等は、被処理物Pの撹拌時に大量に放出され、他方、通常時はそれほど放出されないことになる。したがって、ガス濃度上昇を基準にインバータ制御することによって、電気代を節減する趣旨である。
【0030】
〔その他〕
(1)本実施の形態において、建物1や発酵槽2の大きさ、つまり発酵処理設備10の規模は、特に限定されない。ただし、発酵処理設備10が、発酵槽2の長手方向長さが20m以上にわたるような大規模な設備である場合は、本発明の効果がいかんなく発揮される(なお、特に発酵槽2の長手方向長さが40m以上にわたるような「超」大規模な設備の場合は本発明の効果が実に優れたものとなる。)。前述したように、特開平8−309325号公報に記載の設備(円錐形態)によると、規模拡大により著しいコストの増加が生じるが、本発明によると、ほとんどコストの増加が生じない。また、本発明によると、大規模な設備においては、ガスGの流力がより強いものとなるため、排気促進力がより強いものとなる。
【0031】
(2)本実施の形態では、最高部位近傍に流れたガスGが、排気路4を通して排気されるようになっているが、例えば、これとともに長手方向中央部近傍を流れるガスGも排気されるようにすることもできる。ただし、設備の単純化、ガスGの乱流防止、より強い排気促進力の取得などの観点からは、本実施の形態のように、最高部位近傍に流れたガスGのみが、排気されるようにするのが好ましい。
【0032】
(3)本実施の形態の発酵処理設備10は、バッチ式処理にも、連続式処理にも適用することができる。なお、バッチ式処理の場合は、例えば、発酵槽2内に供給した被処理物Pの発酵処理が終わるまでは、次の被処理物Pを供給せず、発酵処理を終えた後にこの被処理物Pを取り出すとともに次の被処理物Pを供給することになる。
【0033】
(4)本実施の形態の発酵処理設備10には、例えば、必要に応じて発酵槽2内の被処理物Pの水分量を測定し、この測定結果に基づいて、発酵槽2内に散水機等により水分を補給する水分量制御機構を設けることができる。また、例えば、発酵槽2内の被処理物Pの温度を測定し、この測定結果に基づいて、適宜の加熱、冷却手段等により発酵温度制御を行う発酵温度制御機構を設けることもできる。もちろん、現在汎用されている、発酵槽2の底部から空気を供給する、いわゆるエアーレーション行うことなどもできる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、有機性排出物などの被処理物を、例えば、堆肥化、減容化、減水、乾燥する場合などに、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来の発酵処理設備の横断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】従来の発酵処理設備の横断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】本実施の形態の発酵処理設備の横断面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1,101…建物、1A,101A…屋根、2,102…発酵槽、4,104…排気路、5,105…撹拌手段、6,106…作業スペース、7…遮断板、8,9…封止板、107…カーテン、P…被処理物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に被処理物の発酵槽が設けられ、前記被処理物から発生したガスが排気路を通して排気される、発酵処理設備であって、
前記発酵槽上方のガス遮断面が、少なくとも長手方向に関しては、一部位に向かうに応じて高くなっており、この最高部位近傍に流れたガスが、この流れが利用されて排気されるように前記排気路が設けられている、ことを特徴とする発酵処理設備。
【請求項2】
建物内に発酵槽を覆う遮断板が設けられ、この遮断板の下側面が遮断面とされている、請求項1記載の発酵処理設備。
【請求項3】
長手方向一方端部が最高部位とされ、発酵槽は、前記長手方向を長手方向とし、かつ前記最高部位側が、被処理物の供給場所とされている、請求項1又は請求項2記載の発酵処理設備。
【請求項4】
最高部位側端部及び両側端部から下方に向かって、少なくとも発酵槽上端縁高さ位置まで延在するように封止材が設けられている、請求項3記載の発酵処理設備。
【請求項5】
排気路が、最高部位側端部から下方に延在する封止材に設けられている、請求項4記載の発酵処理設備。
【請求項6】
発酵槽内の被処理物を撹拌する手段と、ガスの排気促進力を変化させて前記発酵槽上方におけるガス濃度上昇を抑える排気促進手段と、が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発酵処理設備。
【請求項7】
発酵槽の長手方向長さが、20m以上ある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発酵処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−231196(P2006−231196A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−49360(P2005−49360)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000172813)佐藤工業株式会社 (73)
【Fターム(参考)】