説明

発電プラントの軸受用潤滑油供給装置

【課題】ガスタービンの開放点検を効率的に実施することが可能な発電プラントの軸受用潤滑油供給装置を提供する。
【解決手段】本発明に関わる発電プラントの軸受用潤滑油供給装置は、ガスタービン1、発電機17、および蒸気タービン2、3を備えるコンバインドサイクルの発電プラントの軸受用潤滑油供給装置Pであって、ガスタービン1および蒸気タービン2、3のタービンロータを支承する軸受4、5、6、2a、2b、2s、3aにそれぞれ潤滑油を供給する潤滑油供給系統10、10Tと、ガスタービン1の開放点検を行う場合にガスタービン1の軸受4、5、6への潤滑油供給系統に配置されガスタービン1の軸受4、5、6への潤滑油の供給を阻止する閉止部材28、29とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電プラントにおける発電用の蒸気タービン、ガスタービン等に使用される軸受用潤滑油供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスタービン、発電機、蒸気タービン等を備え、共通の潤滑油タンク付油ポンプからガスタービンと蒸気タービンに潤滑油が供給されているコンバインドサイクル発電プラントにおいて、発電プラント停止後にガスタービンの車室メタル温度(ガスタービンを囲うケーシングの温度)は、運転停止後のターニング運転の自然冷却により、ロータの湾曲のおそれがなくなるターニング運転停止可能温度となり、また、間もなく軸受けの金属の劣化のおそれがない潤滑油を供給する油ポンプの停止可能温度となる。
【0003】
一方、蒸気タービンの車室メタル温度(蒸気タービンを囲うケーシングの温度)は、ターニング運転停止可能温度となるが、高温の蒸気等の関係で直ぐには油ポンプ停止可能の温度にはならないため、蒸気タービンの車室メタル温度が油ポンプ停止可能の温度になるまで低下するのを待つか、或いは、蒸気タービン強制冷却装置にて蒸気タービンの車室メタル温度を油ポンプが停止可能な温度まで低下させている。
なお、本願に係る先行技術文献として、下記の特許文献1〜4がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−146811号公報
【特許文献2】特開平06−159588号公報
【特許文献3】特開平02−055807号公報
【特許文献4】特開平01−138305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のコンバインドサイクル発電プラントにおいて、ガスタービンの開放点検を効率的に実施するためには、油ポンプを止める必要があるが、蒸気タービンの車室メタル温度が潤滑油を供給する油ポンプの停止可能温度にならないため、ガスタービンの開放点検を効率的に実施できないという問題がある。
そこで、ガスタービンの開放点検を迅速に行うために、蒸気タービン強制冷却装置を用いるが、新たにコストアップを招来するという問題が生じる。
本発明は上記実状に鑑み、ガスタービンの開放点検を効率的に実施することが可能な発電プラントの軸受用潤滑油供給装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するべく、本発明に関わる発電プラントの軸受用潤滑油供給装置は、ガスタービン、発電機、および蒸気タービンを備えるコンバインドサイクルの発電プラントの軸受用潤滑油供給装置であって、前記ガスタービンおよび前記蒸気タービンのタービンロータを支承する軸受にそれぞれ潤滑油を供給する潤滑油供給系統と、前記ガスタービンの開放点検を行う場合に前記ガスタービンの軸受への潤滑油供給系統に配置され前記ガスタービンの軸受への潤滑油の供給を阻止する閉止部材とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガスタービンの開放点検を効率的に実施することが可能な発電プラントの軸受用潤滑油供給装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に関わる実施形態のコンバインドサイクル発電プラントの軸受用潤滑油供給装置を示す概念的構成図である。
【図2】実施形態のガスタービンを含む軸受用潤滑油供給装置を制御する制御装置を示すブロック図である。
【図3】(a)は、図1に示す第1軸受給油オリフィス廻りの配管の構成を示した図であり、(b)は、配管に取り付けられる第1軸受給油オリフィスの正面図および右側面図であり、(c)は、配管の第1軸受給油オリフィスと交換して配管に取り付けられる閉止板の正面図および右側面図である。
【図4】実施形態の発電プラントの軸受用潤滑油供給装置のジャッキングオイルポンプの起動許可ロジック図である。
【図5】実施形態の発電プラントの軸受用潤滑油供給装置のターニング運転起動許可ロジック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、実施形態のコンバインドサイクル発電(複合火力発電)プラントの軸受用潤滑油供給装置Pを示す概念的構成図である。
実施形態のコンバインドサイクル発電プラント(以下、発電プラントと称す)は、ガスタービン1を用いて発電機17で発電した後、その排熱を利用して作った蒸気により蒸気タービン(2、3)を回転させ、発電機17で発電するプラントであり、以下詳述する軸受用潤滑油供給装置Pは、特にガスタービン1の開放点検の効率化を図ったものである。
【0010】
実施形態の発電プラントは、液体燃料の高圧な燃焼ガスの衝撃力を回転羽根に受けて回転運動を生じるガスタービン1と、後記の復水器(図示せず)の水からガスタービン1の排熱等を用いて高温高圧の蒸気を生成する排熱回収ボイラ(図示せず)と、排熱回収ボイラからの高温高圧の蒸気の衝撃力を回転羽根に受けて回転運動を生じる高圧蒸気タービン3と、高圧蒸気タービン3から排出される中低圧蒸気の衝撃力を回転羽根に受けて回転運動を生じる中低圧蒸気タービン2と、ガスタービン1、高圧・中低圧蒸気タービン3、2のそれぞれの回転運動による磁界と導線との相対運動により起電力を誘起させる発電機17と、中低圧蒸気タービン2から排出される蒸気を水に戻す復水器とを備えている。
【0011】
ガスタービン1は、第1軸受4と第2軸受5で軸が支持(支承)されるとともに、第1スラスト軸受6で軸方向に働くスラストが支えられている。
中低圧蒸気タービン2は、第3軸受2aと第4軸受2bで軸が支持されるとともに、第2スラスト軸受2sで軸方向に働くスラストが支えられている。また、高圧蒸気タービン3は、第4軸受2bと第5軸受3aとで軸が支持されるとともに、第2スラスト軸受2sで軸方向に働くスラストが支えられている。
【0012】
図1に示す発電プラントの軸受用潤滑油供給装置Pは、潤滑油を貯留する潤滑油タンク10Tと、潤滑油をガスタービン1の軸受(4、5、6)および高圧・中低圧蒸気タービン3、2の軸受(2a、2b、2s、3a)に送油する主油オイルポンプ10とを備えている。本発電プラントは、ガスタービン1と中低圧・高圧蒸気タービン2、3とが、共通の潤滑油タンク(10T)付の主油オイルポンプ10からそれぞれの軸受(4、5、6、2a、2b、2s、3a)に潤滑油が供給される一軸発電プラントである。
なお、図1において、潤滑油タンク10Tの主油オイルポンプ10からの太実線は、主油オイルポンプ10による潤滑油の送油のラインを示しており、ガスタービン1の軸受(4、5、6)と中低圧・高圧蒸気タービン2、3の軸受(2a、2b、2s、3a)から潤滑油タンク10Tに続く細実線は、それぞれの軸受(4、5、6)、軸受(2a、2b、2s、3a)から潤滑油タンク10Tへの排油のラインを示している。
【0013】
潤滑油タンク10Tの主油オイルポンプ10から軸受(4、5、6、2a、2b、2s、3a)までの送油のラインには、発電プラントの運転によって高温になった軸受(4、5、6、2a、2b、2s、3a)の循環によって高温となった潤滑油を冷却するための主油冷却器12と、循環により潤滑油に混入した異物を濾し取るための潤滑油フィルタ13とを備えている。
また、発電プラントの軸受用潤滑油供給装置Pは、潤滑油タンク10Tから軸受(4、5、2a)までの配管にジャッキングオイルポンプ11が接続されており、ジャッキングオイルポンプ11は、ガスタービン1の起動または停止時にロータの回転摩擦を減らすため、第1軸受4、第2軸受5にジャッキングオイルとなる潤滑油を注油するとともに、中低圧蒸気タービン2の起動または停止時にロータの回転摩擦を減らすため、第3軸受2aにジャッキングオイルの潤滑油を注油している。
【0014】
図1において、ジャッキングオイルポンプ11に接続される潤滑油タンク10Tの配管から、ジャッキングオイルポンプ11を介してのガスタービン1の第1軸受4、第2軸受5までの送油のラインおよび中低圧蒸気タービン2の第3軸受2aまでの送油のラインは、太破線で示している。
ここで、高圧蒸気タービン3については、ロータの重量がガスタービン1、中低圧蒸気タービン2に比較して小さく軸荷重が小さいため、ジャッキングオイルポンプ11によるジャッキングオイルは供給していない。
なお、高圧蒸気タービン3の軸受(2b、3a)にジャッキングオイルポンプ11によるジャッキングオイルを供給するように構成してもよい。
【0015】
<圧力検出器20、21、7A、7B>
次に、発電プラントの軸受用潤滑油供給装置Pに設けられる潤滑油の圧力を検出する圧力検出器20、21、7A、7Bについて説明する。
軸受用潤滑油供給装置Pには、潤滑油タンク10Tからの潤滑油の供給配管に圧力検出器20が設けられ、該圧力検出器20は、潤滑油タンク10Tから送られる潤滑油の圧力を検出する。また、ジャッキングオイルポンプ11の出口には圧力検出器21が設けられ、該圧力検出器21は、ジャッキングオイルポンプ11の出口の潤滑油の圧力を検出している。
【0016】
また、ガスタービン1の第1軸受4に供給される潤滑油の流量を制限する第1軸受給油オリフィス8の下流側には、圧力検出器7Aが設けられ、該圧力検出器7Aは、第1軸受給油オリフィス8下流での潤滑油の圧力を検出している。また、第2軸受5、第1スラスト軸受6に供給される潤滑油の流量を制限する第2軸受給油オリフィス9の下流側には、圧力検出器7Bが設けられ、該圧力検出器7Bは、第2軸受給油オリフィス9下流での潤滑油の圧力を検出している。
圧力検出器20、21、7A、7Bは、例えば潤滑油の圧力によって生じるダイアフラムの機械的変位をリンク、電磁石等を用いて電気信号として取り出す圧力センサ等が使用されるが、限定されないのは勿論であり、適宜任意の圧力検出器を選択できる。
【0017】
<温度計t1、t2、t3>
次に、発電プラントの軸受用潤滑油供給装置Pに設けられるガスタービン1の車室メタル温度および中低・高圧蒸気タービン2、3の車室メタル温度をそれぞれ検出する温度計t1、t2、t3について説明する。
ガスタービン1の外郭を形成するケーシング1cには、ガスタービン1の車室メタル温度(ケーシング1cの温度)を測定するための温度計t1が設けられている。
【0018】
また、中低圧蒸気タービン2の外郭を形成するケーシング2cには、中低圧蒸気タービン2の車室メタル温度(ケーシング2cの温度)を測定するための温度計t2が設けられており、同様に、高圧蒸気タービン3の外郭を形成するケーシング3cには、高圧蒸気タービン3の車室メタル温度(ケーシング3cの温度)を測定するための温度計t3が設けられている。
温度計t1、t2、t3は、例えば、ゼーベック効果の熱起電力で温度を検知する熱電対を使用した接触式温度センサが用いられるが、限定されない。
【0019】
<軸受用潤滑油供給装置Pの制御装置14>
次に、発電プラントのガスタービン1を含む軸受用潤滑油供給装置Pを制御する制御装置14について説明する。
図2は、ガスタービン1を含む軸受用潤滑油供給装置Pを制御する制御装置14を示すブロック図である。
制御装置14は、第1軸受給油オリフィス8の下流での圧力を検出する圧力検出器7A、第2軸受給油オリフィス9の下流での圧力を検出する圧力検出器7B、軸受に供給される潤滑油の圧力を検出する圧力検出器20、およびジャッキングオイルポンプ11の出口での潤滑油の圧力を検出する圧力検出器21の検出値に基づき、ガスタービン1の回転、停止や、主油オイルポンプ10、ジャッキングオイルポンプ11の稼動、停止等を制御している。
なお、制御装置14は、コンピュータ、回路等の公知の手段で実現できる。
【0020】
また、発電プラントは、制御装置14以外に、中低圧・高圧蒸気タービン2、3を制御する制御装置(図示せず)、発電プラントPの共通の制御装置(図示せず)等が設けられている。
ここで、これらの制御装置の態様は、例示したものに限定されず、1つの制御装置で構成してもよいし、または、任意の複数の制御装置で構成してもよいし、制御装置の態様は、適宜選択可能である。
【0021】
<第1、第2軸受給油オリフィス8、9廻りの配管の構成>
次に、図1に示すガスタービン1の第1軸受4に潤滑油を供給する第1軸受給油オリフィス8廻りの配管8A、8Bの構成と、ガスタービン1の第2軸受5、第1スラスト軸受6に潤滑油を供給する第2軸受給油オリフィス9廻りの配管9A、9Bの構成について詳細に説明する。
なお、第1軸受給油オリフィス8廻りの配管8A、8Bの構成と、第2軸受給油オリフィス9廻りの配管9A、9Bの構成とは、同様な構成であるから、第1軸受給油オリフィス8廻りの配管8A、8Bの構成について説明し、第2軸受給油オリフィス9廻りの配管9A、9Bの構成については、説明を省略する。
【0022】
図3(a)は、図1に示す第1軸受給油オリフィス8廻りの配管8A、8Bの構成を示した図であり、図3(b)は、配管8A、8Bに取り付けられる第1軸受給油オリフィス8の正面図および右側面図であり、図3(c)は、配管8A、8Bの第1軸受給油オリフィス8と交換して配管8A、8Bに取り付けられる閉止板28の正面図および右側面図である。なお、図3(a)における矢印は、第1軸受4への潤滑油の供給の流れの向きを示している。
【0023】
図1に示す配管8A、8Bに取り付けられる第1軸受給油オリフィス8は、図3(b)に示す第1オリフィス部材18の中央部に形成されている。
第1オリフィス部材18は、例えばステンレス鋼板を用いて板金加工で略矩形状に形成されており、その周辺部4箇所に固定用のボルトbが挿通されるボルト挿通孔18aが4つ穿孔されている。また、第1オリフィス部材18の一辺には、ロボットでチャッキングされたり、作業員に把持される把持部18bが外方に突出して形成されている。
【0024】
一方、ガスタービン1の開放点検作業に際しては、図3(b)に示す第1オリフィス部材18に代えて、配管8A、8Bに閉止板28(図3(c)参照)が取り付けられる。
閉止板28は、例えばステンレス鋼板を用いて板金加工で略矩形状に形成されており、その周辺部4箇所に固定用のボルトbが挿通するボルト挿通孔28aが4つ穿孔されるとともに、一辺に、ロボットでチャッキングされり、作業員に把持される把持部28bが外方に突出して形成されている。
なお、第1、第2オリフィス部材18、19、閉止板28、29は、ステンレス鋼板を用いる場合を例示して説明したが、潤滑油の供給を阻止できる強度をもつ材料あれば、ステンレス以外の金属、樹脂材料等でもよく、第1、第2オリフィス部材18、19、閉止板28、29の材料は、ステンレスに限定されず適宜選択可能である。
【0025】
次に、配管8A、8Bへの第1軸受給油オリフィス8が形成された第1オリフィス部材18(図3(b)参照)の取り付け作業と、配管8A、8Bに設置した第1オリフィス部材18を閉止板28(図3(c)参照)に交換する作業について説明する。
図3(a)に示すように、第1軸受給油オリフィス8が形成された第1オリフィス部材18は、フランジ8A1が形成された第1配管8Aとフランジ8B1が形成された第2配管8Bとで挟まれ、ボルトbがフランジ8A1とフランジ8B1とを挿通してナットnで止めることにより、第1オリフィス部材18が第1配管8Aと第2配管8Bとに固定される。なお、固定用のボルトb、ナットnは、4つの場合を例示しているが、4つに限定されないのは勿論である。
【0026】
一方、ガスタービン1の開放点検に際しては、ボルトbからナットnを外し、第1オリフィス部材18を配管8A、8Bから取り外す。そして、潤滑油を通さない閉止板(閉止部材)28を、第1配管8Aのフランジ8A1と第2配管8Bのフランジ8B1とで挟み、4本のボルトbをフランジ8A1とフランジ8B1とに挿通してナットnで止めることにより、閉止板28が第1配管8Aと第2配管8Bとの間に固定される。
これにより、第1配管8Aと第2配管8Bとの間に、潤滑油を通さない閉止板28が設置されるので、第1軸受4への潤滑油の供給が停止される。
なお、前記したように、図1に示すガスタービン1の第2軸受5、第1スラスト軸受6に潤滑油を供給する第2軸受給油オリフィス9廻りの配管9A、9Bの構成は、図3の第1軸受給油オリフィス8廻りの配管8A、8Bの構成と同様であり、同様にして、第2軸受給油オリフィス9が形成された第2オリフィス部材19と、潤滑油を通さない閉止板29とが交換される構成である。
【0027】
この構成により、ガスタービン1の開放点検を行う場合には、ターニング運転により、ガスタービン1の車室メタル温度(ケーシング1cの温度)を油ポンプ停止可能温度(例えば、150℃)に低下させるとともに、中低圧・高圧蒸気タービン2、3の車室メタル温度(ケーシング2c、3cの温度)をターニング運転停止可能温度まで低下させる。この時点で、中低圧・高圧蒸気タービン2、3の車室メタル温度(ケーシング2c、3cの温度)が油ポンプ停止可能温度に低下せずとも、主油オイルポンプ10を一時停止させ潤滑油の供給を停止し、第1オリフィス部材18を閉止板28に交換するとともに第2オリフィス部材19を閉止板29に交換し、ガスタービン1の第1軸受4、第2軸受5、第1スラスト軸受6への潤滑油の供給を停止させる。そして、主油オイルポンプ10の稼働を開始して中低圧・高圧蒸気タービン2、3に潤滑油を供給して冷却を行いつつ、ガスタービン1の開放点検を行うことができる。
なお、第1軸受給油オリフィス8が形成された第1オリフィス部材18と閉止板28との交換作業、および、第2軸受給油オリフィス9が形成された第2オリフィス部材19と閉止板29との交換作業は、ロボットで行ってもよいし、人手で行ってもよい。
【0028】
<ガスタービン1の開放点検の過程>
次に、発電プラントの定常運転を停止して行われるガスタービン1の開放点検の作業過程について説明する。
なお、以下の制御は、ガスタービン1を含む軸受用潤滑油供給装置Pの制御装置14等を用いて行われる。
発電プラントPの定常運転が停止された後、ガスタービン1、中低圧・高圧蒸気タービン2、3が、羽根車全体のロータが湾曲しないように、低速回転であるターニング運転に移行し、自然冷却が行われる。
【0029】
この自然冷却により、ガスタービン1の車室メタル温度(ケーシング1cの温度)が、ロータの湾曲のおそれがなくなるターニング運転停止可能温度(例えば、180℃)まで低下し、かつ、第1軸受4、第2軸受5、第1スラスト軸受6の金属が損傷を受けるおそれがない油ポンプ停止可能温度(例えば、150℃)に低下する。また、中低圧蒸気タービン2、高圧蒸気タービン3が、ロータの湾曲のおそれがないターニング運転停止可能温度に至った場合、主油オイルポンプ10を停止させる。
その後、ガスタービン1の第1軸受4に潤滑油を供給している配管8A、8Bに設置されている第1軸受給油オリフィス8(第1オリフィス部材18)と閉止板28とを、前記のように速やかに交換する。
【0030】
具体的には、図3に示すように、第1配管8Aと第2配管8Bとの間に固定された第1軸受給油オリフィス8を有する第1オリフィス部材18を、ボルトbに螺着したナットnを外すことで取り外し、第1配管8Aのフランジ8A1と第2配管8Bのフランジ8B1との間に、閉止板28を挟み、第1配管8Aのフランジ8A1と第2配管8Bのフランジ8B1とに4本のボルトbをそれぞれ挿通してナットnを螺着する。これにより、閉止板28が第1配管8Aのフランジ8A1と第2配管8Bのフランジ8B1との間に固定され、第1軸受4への潤滑油の供給を停止することができる。
同様な作業にて、図1に示すガスタービン1の第2軸受5、第1スラスト軸受6に潤滑油を供給する第1配管9Aと第2配管9Bとの間に固定された第2軸受給油オリフィス9が形成された第2オリフィス部材19を、潤滑油を通さない閉止板29に交換する。
【0031】
閉止板28、29への交換作業が終了した後、主油オイルポンプ10の稼働を開始し、中低圧・高圧蒸気タービン2、3の第3軸受2a、第4軸受2b、第2スラスト軸受2s、第5軸受3aに潤滑油を供給して中低圧・高圧蒸気タービン2、3の自然冷却を行いつつ、ガスタービン1の開放点検を実施する。
ガスタービン開放点検終了後、次のようにして閉止板28、29を第1、第2軸受給油オリフィス8、9(第1、第2オリフィス部材18、19)に交換する。
【0032】
具体的には、主油オイルポンプ10の稼働を停止し、図3に示す第1配管8Aと第2配管8Bとの間に固定された潤滑油を通さない閉止板28を、ボルトbに螺着したナットnを外し、第1配管8Aのフランジ8A1と第2配管8Bのフランジ8B1との間に、第1軸受給油オリフィス8が形成された第1オリフィス部材18を挟み、第1配管8Aのフランジ8A1と第2配管8Bのフランジ8B1とに4本のボルトbをそれぞれ挿通してナットnを螺着する。これにより、第1配管8Aと第2配管8Bとの間に第1軸受給油オリフィス8が形成された第1オリフィス部材18が固定され、第1軸受給油オリフィス8を介して、第1軸受4への潤滑油の供給が可能となる。
同様にして、図1に示すガスタービン1の第2軸受5、第1スラスト軸受6に続く配管9A、9Bに固定した潤滑油を通さない閉止板29を、第2軸受給油オリフィス9が形成された第2オリフィス部材19に交換し、第2軸受給油オリフィス9を介して、第2軸受5、第1スラスト軸受6への潤滑油の供給を可能とする。
【0033】
その後、主油オイルポンプ10の稼働を開始し、発電プラントは、定常運転に移行するため、ジャッキングオイルポンプ11の運転およびガスタービン1、中低圧・高圧蒸気タービン2、3のターニング運転を開始する。
ここで、開放点検終了後の閉止板28、29から第1、第2軸受給油オリフィス8、9への交換作業が行われないことに起因する無給油状態でのターニング運転の可能性がある。
そこで、第一軸受4の圧力(図1の圧力検出器7Aで検出した潤滑油の圧力)が0.10MPa以上、かつ、第二軸受5、第1スラスト軸受6の圧力(図1の圧力検出器7Bで検出した潤滑油の圧力)が0.10MPa以上をターニング起動許可条件とするとともに、ジャッキングオイルポンプ11の起動許可条件としている。
なお、ターニング起動許可条件、ジャッキングオイルポンプ起動許可条件は例示した値に限定されるものでなく、発電プラントの仕様に従い適宜設定可能である。
【0034】
ガスタービン1の開放点検終了後の発電プラントの定常運転の移行に際しては、以下に記す図4のジャッキングオイルポンプ11の起動がなされた後、図5に示すターニング運転が起動され、所定時間のターニング運転後、回転速度を上げ、発電プラントPの定常運転に移行する。なお、図4は、発電プラントの軸受用潤滑油供給装置Pのジャッキングオイルポンプ11の起動許可ロジック図であり、図5は、発電プラントの軸受用潤滑油供給装置Pのターニング運転起動許可ロジック図である。なお、図4、図5は、IBD(Interlock Block Diagram)であり、図中の(WO)は、(WO)に矢印で示す情報が入った場合、(WO)――>で示す処理が停止することを意味する。
一方、発電プラントの定常運転後、ガスタービン1の開放点検に移行するに際しては、定常運転から低速運転に移行し、図4に示すジャッキングオイルポンプ11の起動がなされた後、図5に示すターニング運転が起動される。
【0035】
<ジャッキングオイルポンプ11の起動許可>
次に、ジャッキングオイルポンプ11の起動許可について説明する。
図4に示すように、ガスタービン1、中低圧蒸気タービン2の起動時のロータの回転摩擦を減らすためのジャッキングオイルポンプ11の起動は、ガスタービン1の回転速度が規定(所定)回転速度以下、例えば、定常回転数3000rpmの場合に2000rpm以下を条件としている。
そして、図1に示す圧力検出器20で測定した送油される潤滑油の圧力が規定(所定)値未満である場合、ジャッキングオイルポンプ11の起動は行われない。
また、圧力検出器7Aで測定した第一軸受4の圧力が規定(所定)値(0.10MPa)未満または圧力検出器7Bで測定した第二軸受5、第1スラスト軸受6の圧力が規定(所定)値(0.10MPa)未満の場合は第一軸受4または第二軸受5、第1スラスト軸受6の潤滑油の圧力が低いことから、開放点検終了後の第一軸受4側での閉止板28から第1軸受給油オリフィス8への交換作業が行われていないか、或いは、第二軸受5、第1スラスト軸受6側での閉止板29から第2軸受給油オリフィス9への交換作業が行われていないことがあるので、ジャッキングオイルポンプ11の起動は行われない。
【0036】
別言すれば、ジャッキングオイルポンプ11の起動は、ガスタービン1の回転速度が規定(所定)回転速度以下であって、供給される潤滑油圧力が規定(所定)値以上であることが条件である。
また、第一軸受4の圧力が規定(所定)値(0.10MPa)以上かつ第二軸受5、第1スラスト軸受6の圧力が規定(所定)値(0.10MPa)以上の場合には第一軸受4と第二軸受5、第1スラスト軸受6の潤滑油の圧力が規定(所定)値以上あることから、開放点検終了後の第一軸受4側での閉止板28から第1軸受給油オリフィス8への交換作業および第二軸受5、第1スラスト軸受6側での閉止板29から第2軸受給油オリフィス9への交換作業が行われていることが明らかなので、ジャッキングオイルポンプ11の起動が行われる。
【0037】
<ターニング運転起動許可>
次に、発電プラントのターニング運転起動許可について説明する。
図5に示すように、ガスタービン1の定常運転の起動前または停止後にロータの温度の急変による湾曲の抑制を目的とするターニング運転は、ターニングを開始するためのタービン1のロータが規定(所定)の回転速度(例えば、2/3rpm)以下であることが条件である。
そして、図1に示す圧力検出器21で測定したジャッキングオイルポンプ11の出口の圧力が規定(所定)値未満である場合、または、圧力検出器20で測定した供給される潤滑油の圧力が規定(所定)値未満である場合、ターニング運転は行われない。
【0038】
また、圧力検出器7Aで測定した第一軸受4の圧力が規定(所定)値(0.10MPa)未満または圧力検出器7Bで測定した第二軸受5、第1スラスト軸受6の圧力が規定(所定)値(0.10MPa)未満の場合は第一軸受4または第二軸受5、第1スラスト軸受6の潤滑油の圧力が低いことから、開放点検終了後の第一軸受4側での閉止板28から第1軸受給油オリフィス8への交換作業が行われないか、または、第二軸受5、第1スラスト軸受6側での閉止板29から第2軸受給油オリフィス9への交換作業が行われないことがあるので、ターニング運転は行われない。
【0039】
別言すれば、ターニング運転は、ガスタービン1のロータが規定(所定)の回転速度(例えば、2/3rpm)以下であって、ジャッキングオイルポンプ11の出口の圧力が規定(所定)値以上、かつ、供給される潤滑油の圧力が規定(所定)値以上であることが条件である。
また、第一軸受4の圧力が規定(所定)値(例えば、0.10MPa)以上かつ第二軸受5、第1スラスト軸受6の圧力が規定(所定)値(例えば、0.10MPa)以上である場合には第一軸受4と第二軸受5、第1スラスト軸受6との潤滑油の圧力が規定(所定)値以上あることから、開放点検終了後の第一軸受4側での閉止板28から第1軸受給油オリフィス8への交換作業および第二軸受5、第1スラスト軸受6側での閉止板29から第2軸受給油オリフィス9への交換作業が行われているので、ターニング運転が行われることになる。
【0040】
<ジャッキングオイルポンプ11を設けない発電プラントの場合>
以上説明した発電プラントは、ジャッキングオイルポンプ11を設けた発電プラントの場合であるが、発電プラントの規模が小さい場合にはジャッキングオイルポンプを設けないことになる。
この場合、本実施形態において、図1に示すジャッキングオイルポンプ11および該ジャッキングオイルポンプ11による潤滑油の供給ラインを無くした構成となる。
また、ジャッキングオイルポンプ11がないため、図4に示すジャッキングオイルポンプ11の起動許可は行われず、図5のターニング運転起動許可ロジックにおける閉止板28、29とオリフィス(8、9)との交換作業後の起動時のジャッキングオイルポンプ11出口の圧力が規定(所定)値未満の条件をなくすことで、前記実施形態のジャッキングオイルポンプ11を設けた発電プラントの場合と同様、本発明が適用可能である。
つまり、発電規模の大きい発電プラントでは、軸受にジャッキングオイルを供給するジャッキングオイルポンプと、ジャッキングオイルポンプ出口での圧力検出器で検出した圧力値を用いてターニング起動制御を行う制御装置とを有する構成となる。
【0041】
<作用効果>
上記構成によれば、ガスタービン1、発電機17、高圧・中低圧蒸気タービン3、2等により構成され、ガスタービン1と高圧・中低圧蒸気タービン3、2で共通の潤滑油タンク付油ポンプの主油オイルポンプ10から潤滑油が供給されるコンバインドサイクル発電プラントにおいて、ガスタービン1の開放点検時には、主油オイルポンプ10を一時的に停止し、図3に示すように、第一軸受4側および第二軸受5、第1スラスト軸受6側の第1・第2軸受給油オリフィス8、9を、それぞれ閉止板28、29と交換する。そして、主油オイルポンプ10の運転を開始し、主油オイルポンプ10から供給された潤滑油は、第1・第2軸受給油オリフィス8、9と交換された閉止板28、29で供給が阻止され、ガスタービン1の軸受(4、5、6)には供給されない。
【0042】
これによって、蒸気タービンの高圧・中低圧蒸気タービン3、2の車室メタル温度が油ポンプ停止可能温度になるまで待つことなく、主油オイルポンプ10を運転し高圧・中低圧蒸気タービン3、2を冷却しつつ、ガスタービン1の開放点検を行える。このように、高圧・中低圧蒸気タービン3、2の車室メタル温度が油ポンプ停止可能温度になるまで高圧・中低圧蒸気タービン3、2の軸受(2a、2b、2s、3a)に主油オイルポンプ10により潤滑油が供給され続けるので、ガスタービン1の開放点検を迅速かつ効率的に実施できる。
【0043】
すなわち、ガスタービン1に潤滑油を供給する配管8A、8B、9A、9Bに設置されているオリフィス(8、9)を、閉止板28、29に交換することによって、高圧・中低圧蒸気タービン3、2の車室メタル温度が油ポンプ停止可能温度にならなくても、ガスタービン1に潤滑油が流入するのを閉止板28、29で阻止し、高圧・中低圧蒸気タービン3、2に潤滑油を供給しつつ、ガスタービン1の開放点検を効率的に実施することができる。
そのため、ガスタービン、発電機、高圧・中低圧蒸気タービン3、2により構成されるコンバインドサイクル発電設備において、蒸気タービン強制冷却装置を使用しなくてもガスタービンの開放点検の効率化が図れ、ガスタービン1の開放点検を行う際のコスト低下が図れる。
【0044】
なお、前記実施形態では、蒸気タービンとして、中低圧・高圧蒸気タービン2、3の2つの蒸気タービンを備える場合を例示したが、1つの蒸気タービンを備える場合も本発明を適用可能であり、本発明の適用に蒸気タービンの数が限定されないのは勿論である。
また、前記実施形態では、第1・第2軸受給油オリフィス8、9と閉止板28、29とを交換する構成は、第1・第2軸受給油オリフィス8、9を有する第1・第2オリフィス部材18、19または閉止板28、29を配管にスライドさせてボルトb、ナットnで配管8A、8B、9A、9Bにネジ止めする構成を例示したが、第1・第2オリフィス部材18、19と閉止板28、29とを配管に回転自在に設け、第1・第2軸受給油オリフィス8、9と閉止板28、29とをそれぞれ配管に対して回転させることで、第1・第2軸受給油オリフィス8、9と閉止板28、29との交換を行ってもよい。この構成によれば、第1・第2軸受給油オリフィス8、9と閉止板28、29との交換作業が回転動作で行えるので、交換作業がスムーズかつ容易になる。
【0045】
また、前記実施形態では、ガスタービン1の第1軸受4、第2軸受5、第1スラスト軸受6への潤滑油の供給を停止する閉止部材として、閉止板28、29を例示したが、閉止部材は、軸受(4、5、6)への潤滑油の供給を阻止できれば、その形状は特に限定されない。
また、前記実施形態では、オリフィス(8、9)と閉止板28、29とを交換する構成を例示したが、閉止板28、29をオリフィス(8、9)と交換することなく、ガスタービン1の開放点検に際して、閉止板28、29を潤滑油供給系統に配置し、ガスタービン1の軸受(4、5、6)への潤滑油の供給を阻止する構成にしてもよい。
【0046】
或いは、ガスタービン1の開放点検時に閉止板28、29を潤滑油供給系統に配置し、ガスタービン1の軸受(4、5、6)への潤滑油の供給を阻止できれば、必ずしもオリフィス(8、9)を設けなくともよい。
また、前記実施形態では、ガスタービン1の開放点検後の閉止板28、29からオリフィス(8、9)への交換を圧力検出器7A、7Bで検出する構成を例示したが、圧力検出器7A、7Bを設けることなく、他の磁気センサ、赤外線センサ等で検知してもよく、圧力検出器7A、7Bに限定されない。なお、圧力検出器7A、7Bの場合は、潤滑油の圧力を直接検知するので、最も望ましい。
また、前記実施形態で例示したジャッキングオイルポンプ11の起動許可条件、ターニング運転起動許可条件は一例であり、発電プラントの仕様等により、適宜設定可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1 ガスタービン
2 中低圧蒸気タービン(蒸気タービン)
2a 第3軸受(蒸気タービンの軸受)
2b 第4軸受(蒸気タービンの軸受)
2s 第2スラスト軸受(蒸気タービンの軸受)
3 高圧蒸気タービン(蒸気タービン)
3a 第5軸受(蒸気タービンの軸受)
4 第1軸受(ガスタービンの軸受)
5 第2軸受(ガスタービンの軸受)
6 第1スラスト軸受(ガスタービンの軸受)
7A 圧力検出器(第1圧力検出器)
7B 圧力検出器(第1圧力検出器)
8 第1軸受給油オリフィス(オリフィス)
9 第2軸受給油オリフィス(オリフィス)
10 主油オイルポンプ(潤滑油供給系統)
10T 潤滑油タンク(潤滑油供給系統)
11 ジャッキングオイルポンプ
14 制御装置(第1制御装置、第2制御装置)
17 発電機
20 圧力検出器(第2圧力検出器)
21 圧力検出器(第3圧力検出器)
28 閉止板(閉止部材)
29 閉止板(閉止部材)
P 軸受用潤滑油供給装置(発電プラントの軸受用潤滑油供給装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン、発電機、および蒸気タービンを備えるコンバインドサイクルの発電プラントの軸受用潤滑油供給装置であって、
前記ガスタービンおよび前記蒸気タービンのタービンロータを支承する軸受にそれぞれ潤滑油を供給する潤滑油供給系統と、
前記ガスタービンの開放点検を行う場合に前記ガスタービンの軸受への潤滑油供給系統に配置され前記ガスタービンの軸受への潤滑油の供給を阻止する閉止部材とを
備えることを特徴とする発電プラントの軸受用潤滑油供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の発電プラントの軸受用潤滑油供給装置において、
前記ガスタービンの軸受への前記潤滑油供給系統に、前記閉止部材と交換可能に設けられるオリフィスを備え、
前記ガスタービンの開放点検を行う場合には前記閉止部材が前記ガスタービンの軸受への潤滑油供給系統に配置され前記潤滑油の供給を阻止する一方、前記ガスタービンの運転時は、前記ガスタービンの軸受への潤滑油供給系統に前記オリフィスが配置され前記潤滑油の供給が行われる
ことを特徴とする発電プラントの軸受用潤滑油供給装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の発電プラントの軸受用潤滑油供給装置において、
前記閉止部材が配置される箇所の下流側に設けられ、前記下流側の潤滑油の圧力を検出する第1圧力検出器を備える
ことを特徴とする発電プラントの軸受用潤滑油供給装置。
【請求項4】
請求項3記載の発電プラントの軸受用潤滑油供給装置において、
前記第1圧力検出器で検出した圧力値に基づいて、前記ガスタービンのロータの回転を制御する第1制御装置を備えることを特徴とする発電プラントの軸受用潤滑油供給装置。
【請求項5】
請求項4記載の発電プラントの軸受用潤滑油供給装置において、
前記潤滑油供給系統で供給される潤滑油の圧力を検出する第2圧力検出器をさらに備え、
前記第1制御装置は、前記ガスタービンのロータ回転速度が所定回転速度以下、かつ、前記潤滑油供給系統の潤滑油の圧力が所定圧力以上、かつ、前記閉止部材が配置される箇所下流の前記潤滑油の圧力が所定圧力以上の場合、前記ガスタービンのターニング運転を行うことを特徴とする発電プラントの軸受用潤滑油供給装置。
【請求項6】
請求項5記載の発電プラントの軸受用潤滑油供給装置において、
前記軸受にジャッキングオイルの前記潤滑油を供給するジャッキングオイルポンプと、
前記第1、第2圧力検出器で検出した圧力値に基づいて、前記ジャッキングオイルポンプを起動制御する第2制御装置とを
備えることを特徴とする発電プラントの軸受用潤滑油供給装置。
【請求項7】
請求項6記載の発電プラントの軸受用潤滑油供給装置において、
前記第2制御装置は、前記ガスタービンの回転速度が所定回転速度以下、かつ、前記潤滑油供給系統の潤滑油の圧力が所定圧力以上、かつ、前記閉止部材が配置される箇所下流の前記潤滑油の圧力が所定圧力以上の場合、前記ジャッキングオイルポンプを起動制御する
ことを特徴とする発電プラントの軸受用潤滑油供給装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7記載の発電プラントの軸受用潤滑油供給装置において、
前記ジャッキングオイルポンプ出口の圧力を検出する第3圧力検出器をさらに備え、 前記第1制御装置は、前記ガスタービンのロータ回転速度が所定回転速度以下、かつ、前記ジャッキングオイルポンプ出口の圧力が所定圧力以上、かつ、前記潤滑油供給系統の潤滑油の圧力が所定圧力以上、かつ、前記閉止部材が配置される箇所下流の前記潤滑油の圧力が所定圧力以上の場合、前記ガスタービンのターニング運転を行う
ことを特徴とする発電プラントの軸受用潤滑油供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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