説明

皮膚保護用シート

【課題】シリコンジェルシート及びポリエチレンとポリスチレンを共重合した皮膚保護用シートは両方とも粘着性があり、ベトベトしており、皮膚の患部に当てる場合は密着するので非常に良いのであるが、その反対の面が衣類等に貼り着いてしまうという使用に際しての不都合があった。そこで、皮膚の患部に当てた反対側の面が衣類等に粘着しないようにしたシリコンジェルシート、又はポリエチレンとポリスチレンを共重合した皮膚保護用シート提供すること。
【解決手段】ポリエチレンとポリスチレンを共重合したジェル状の皮膚保護用シートの片面、又はシリコンジェルシートの片面にポリウレタンフィルムを貼り着け、さらに当該片面の反対側の面は剥離紙を貼り着けたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚保護用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、褥瘡、ケロイド及び肥厚性瘢痕等の皮膚治療にはシリコンジェルシートが使用されてきた(例えば、非特許文献1参照。)。
又、シリコンジェルシートは値段が高いので、シリコンジェルシートを使用せず、褥瘡、ケロイド及び肥厚性瘢痕等の皮膚治療の予防に用いる皮膚保護用シートとしてポリエチレンとポリスチレンを共重合した皮膚保護用シートがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−315980号公報
【非特許文献1】「ケロイド・肥厚性瘢痕等の治療とシリコーン・ジェルシート」臨床医薬、第20巻、第4号、別冊、平成16年4月発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、シリコンジェルシート及びポリエチレンとポリスチレンを共重合した皮膚保護用シートは両方とも粘着性があり、ベトベトしており、皮膚の患部に当てる場合は密着(粘着)するので非常に良いのであるが、その反対の面が衣類等に貼り着いてしまうという使用に際しての不都合があった。
【0005】
そこで、本発明は皮膚の患部に当てた反対側の面が衣類等に粘着しないようにしたシリコンジェルシート、又はポリエチレンとポリスチレンを共重合した皮膚保護用シート提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明の皮膚保護用シートは、
ポリエチレンとポリスチレンを共重合したジェル状の皮膚保護用シートの片面、又はシリコンジェルシートの片面にポリウレタンフィルムを貼り着け、さらに当該片面の反対側の面は剥離紙を貼り着けたことからなる。
【0007】
ポリウレタンとは、通常イソシアネート基とアルコール基が縮合してできるウレタン結合で、モノマーを共重合させた高分子化合物であり、繊維製品(ストレッチ素材)等の他、幅広く使用されている。
【0008】
本発明においてポリウレタンのフィルムを使用したのはポリウレタンフィルムは伸縮性があるが、粘着性がなく衣類等に貼り着かないからである。
【0009】
シリコンジェルシート、又はポリエチレンとポリスチレンを共重合した皮膚保護用シートを皮膚の患部、即ち、一部に貼着するのであるが、皮膚の一部は体の一部であり、体はたえず動くものであるから、前記シートは伸縮性がないと都合が悪く、伸縮性を必要とするものである。
【発明の効果】
【0010】
したがって、本発明は皮膚の患部に粘着するが、衣類等には貼着せず、かつ伸縮性があるという効果を生じるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は皮膚保護用シートにポリウレタンフィルム及び剥離紙を貼着しようとする状態を示す図である。
シリコンジェルシート、又はポリエチレンとポリスチレンを共重合した皮膚保護用シート(以下、皮膚保護用シートという。)1の片面(上面)2にポリウレタンフィルム3を貼着し、その反対側の面(下面)4に剥離紙5を貼着しようとする状態を示している。
【0012】
図2は皮膚保護用シートの片面(上面)にポリウレタンフィルムを貼着し、その反対側の面(下面)に剥離紙を貼着した状態を示す図である。皮膚保護用シート1の上面2にポリウレタンフィルム3を貼着し、その下面4に剥離紙5を貼着する。
【0013】
皮膚保護用シート1を使用する場合、剥離紙5を剥がして皮膚保護用シート1の下面4を皮膚の患部に当てるものである。当該上面2にはポリウレタンフィルム3が貼着してあるので、貼着してある皮膚保護用シート1の上から衣服を着ても衣服に皮膚保護用シート1が粘着しないものである。
【0014】
皮膚保護用シート1、ポリウレタンフィルム3、及び剥離紙5は縦約6cm、横約12cmの大きさが好適であり、皮膚保護用シート1の厚さは約2mm、ポリウレタンフィルム3の厚さは約0.03mmが好適であるが、用途に応じてこの大きさ、特に縦と横の長さは変えることが出来るものである。
【0015】
又、皮膚保護用シート1の上面2にポリウレタンフィルム3を貼着し、当該下面4に剥離紙5を貼着し、裁断機で裁断するだけなので、製造方法も非常に簡単であり、コストもこの点からは安くすることが出来るものである。
【0016】
剥離紙5は、皮膚保護用シート1が粘着性があるので、その下面4に貼っておかないとゴミ等が付着したりするので、それを防げば良く、又当該皮膚保護用シート1を使用する際、すぐに剥がれれば良いので、市販の剥離紙で良い。この点からも製造方法が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】皮膚保護用シートにポリウレタンフィルム及び剥離紙を貼着しようとする状態を示す図である。
【図2】皮膚保護用シートの片面(上面)にポリウレタンフィルムを貼着し、その反対側の面(下面)に剥離紙を貼着した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
1 皮膚保護用シート
2 皮膚保護用シートの上面
3 ポリウレタンフィルム
4 皮膚保護用シートの下面
5 剥離紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンとポリスチレンを共重合したジェル状の皮膚保護用シートの片面、又はシリコンジェルシートの片面にポリウレタンフィルムを貼り着け、さらに当該片面の反対側の面は剥離紙を貼り着けたことを特徴とする皮膚保護用シート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−266232(P2008−266232A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112982(P2007−112982)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(500379912)原沢製薬工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】