説明

皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボールとその製造方法

【課題】
皮膚の表面を刺激するとともに毛孔に深く浸透した油分と老廃物を効果的に除去し、人工的な材料を使用せず、天然材料を利用することにより、人工材料による皮膚トラブルが発生しない皮膚美容道具を提供する。
【解決手段】
火山石を微細な粉末に粉碎し、粉末化された火山石に吸着水を添加して練り物を造成し、この練り物にさらに接着性物質を添加して球形のボールに成形し、成形されたボールを釜に投入して水分含有量を一定水準以下に乾燥し、乾燥したボールを釜に再投入して高温に加熱して焼結処理し、焼結されたボールの表面を研磨加工することでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚の表面や毛孔に深く積もった油分と老廃物を吸収して除去する皮膚美容のためのマッサージボールに係り、より詳しくは水分を吸収する機能を有する鉱物質を利用して球形のマッサージボールを製作し、このボールを皮膚に転がすようにマッサージしながら経穴を刺激して血液循環を促進し、皮膚から排出される老廃物と毛孔に深く浸透した油分を圧迫しながら吸収するようにした皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボールとその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚美容において最も重要な過程は皮膚表面についた異物と毛孔に積もった油分を除去する過程である。
【0003】
このような皮膚表面の異物除去と毛孔に積もった油分及び老廃物を除去するための手段として、クリームを用いるマッサージの後、洗顔する手段が一般的に使用されている。
【0004】
このような手段は、マッサージ用クリームが毛孔に残って皮膚美容の効果を半減させる欠点があり、皮膚表面と毛孔に残った老廃物を除去するために、マッサージパックなどの吸着手段を利用したパック手段が多様に提案されて使用されているが、このようなパックを利用した手段は座るか横になった姿勢でパックが充分に乾くまで20〜30分間姿勢を維持しなければならない不便さがあるものである。
【0005】
さらに、前記パックを利用する皮膚美容の手段は、皮膚表面の異物除去には卓越した効果を果たしているが、単純に皮膚表面についた異物を除去する効果以外の他の機能を付与することができないという欠点があるものである。
【0006】
特に、近年、人為的に生産された化学原料を利用せず、黄土、粘土、炭、緑茶などの自然成分を利用したパックが提案されているが、これらも共通して水分を吸収するための化学成分が必須に含有されるものである。
【0007】
このような人工的な化学成分の材料は使用者の皮膚条件によってトラブルを発生させる深刻な原因になるものである。
【0008】
さらに、黄土などのような天然成分を利用して製造されたパックは、オイル、化粧水、吸着剤などを黄土に添加して製造されるもので、このようなパックを顔面全体にわたって均一に塗り、一定時間(20〜30分)が経過した後に取り外すことにより、毛孔に浸透した老廃物を除去するものである。
【0009】
しかし、このような黄土を利用したパックは、基本的にオイル、化粧水及び吸着剤などが含有して製造されるので、皮膚に付着したとき、老廃物の吸着力が低下する欠点があり、皮膚の各部位別に油分のような老廃物の排出量が異なり、人の皮膚状態によって相当な違いがあるにもかかわらず、前記のような従来のパックは画一化した使用方法にしたがって使用するものであるので、皮膚が部分別にひどく乾燥するなどの逆反応をもたらすものである。
【0010】
また、皮膚美容のための他の手段としては、気泡発生器を利用した皮膚美容手段のように、道具を利用した皮膚美容手段が提案されているが、このような皮膚美容のための各種道具はその価格が高価であるので、一般人が使用するのには多少無理があるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明の皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボールは、火山石を微細な粉末に粉碎し、これに吸着水を添加して練り物を造成し、この練り物にシリコン系接着性物質とアルミナを添加して15〜30mmの直径を持つボールを成形し、乾燥及び焼結の段階によって球形のマッサージボールを成形する。
【0017】
より具体的には、火山石を300〜700メッシュ(mesh)に粉碎して粉末化し、この粉末85%に吸着水15%を混合して練り、この練り物12〜17gに、シリコン系接着性物質0.5〜1.5g、アルミナ0.8gを添加した後、直径15〜30mmのマッサージボールを成形し、100〜200℃の温度で24〜28時間加熱して、マッサージボールの水分含有量が10%以下になるまで乾燥した後、400〜1250℃の高温で1〜2時間加熱して焼結することでなる。
【0018】
前記マッサージボールの製造工程は、火山石を300〜700メッシュの粉末に粉碎する粉砕段階;粉末化された火山石に吸着水を添加して練り物を造成し、この練り物にさらに接着性物質を添加して球形のボールに成形するボール成形段階;成形されたボールを釜に投入して水分含有量を一定水準以下に乾燥する乾燥段階;乾燥したボールを釜に再投入して高温に加熱して焼結処理する焼結段階;及び焼結されたボールの表面を研磨加工する表面加工段階;を含んでなるものである。
【0019】
本発明において、前記粉砕段階は、小さな岩盤形態の火山石原石を破砕機で破砕して小さな岩石形態に破砕した後、破砕された原石を粉砕機に投入して粉末形態に粉碎し、この原石粉末をろ過網に通過させることで、300〜700メッシュのものだけ通過させ、それ以上の大きさを持つ原石粉末はさらに粉砕機に投入して、所定の大きさに粉砕されるまで繰り返して粉碎するものである。
【0020】
前記ボール成形段階は、前記多孔性原石粉末原料85%と吸着水15%を混合して練る。ついで、前記練り物12〜17gにシリコン系接着性物質0.5〜1.5g、アルミナ0.8〜1.0gを添加した後、成形機を利用して直径15〜30mmのマッサージボールを成形するものである。
【0021】
前記乾燥段階は、前記マッサージボールを釜に投入し、100〜200℃の温度で24〜28時間加熱して、マッサージボールの水分含有量が10%以下になるまで乾燥するものである。
【0022】
前記焼結段階は、乾燥したマッサージボールを400〜1250℃の高温で1〜2時間加熱して焼結するものである。
【0023】
前記焼結段階において、乾燥したマッサージボールに含有された不純物と揮発性物質が完全に除去されて多孔性原石成分だけ残り、焼結処理されたマッサージボールの色相が酸化過程によって淡黄土色に近い色相に変形される。
【0024】
このような黄土色の色相に変形されたマッサージボールは、皮膚表面をマッサージしたとき、油分と老廃物がマッサージボールに吸着された状態を肉眼で確認することができるようにする。
【0025】
前記表面加工段階は、焼結処理されたマッサージボールの不規則な表面を表面研磨機械であるボールミルに通過させて表面を研磨加工するものである。
【0026】
前記段階によって製造されるマッサージボールには微細な気孔が無数に存在し、この気孔を通じて老廃物と油分を吸収する。
【0027】
すなわち、マッサージボールを皮膚に当て、指または手の平を利用してマッサージするように転がせば、マッサージボールが皮膚を圧迫して、毛孔に深く積もった油分と老廃物を圧迫しながら吸収して効果的に油分と老廃物を除去することができ、マッサージボールが皮膚面を圧迫しながらマッサージするので、血液循環を円滑にする指圧効果を得ることができる。
【0028】
前記マッサージボールの粒径は15〜30mmに制限する。マッサージボールの粒径が15mm以下であれば、ボールの粒径が小さすぎて顔面全体をマッサージするのに長い時間を消費しなければならない欠点が発生し、30mm以上であれば、顔面の屈曲部分をマッサージすることができなくなる欠点が発生する。
【0029】
本発明の一実施例において、多孔性原石を火山石に代わって適用することができる。
【0030】
多孔性原石を粉末化して前記のような本発明の工程で製造しても同様な効果を得ることができる。
【0031】
すなわち、麦飯石、黄土、粘土鉱物などを活用して火山石に代わって製造することができる。
【0032】
ただ、前記麦飯石を粉末化して本発明の工程によって製造されたマッサージボールは、麦飯石の特性のため、焼結処理した後にも灰色を帯びるので、色相の変化があり、他の吸着機能は同様に発現される。
【0033】
本発明において、皮膚表面に対するマッサージ効果を極大化するために球形のマッサージボールを基本にして説明したが、マッサージのための他の形態にも製造されることができる。
【0034】
すなわち、前記火山石を粉末化し、これを練って一定の形態に成形し、成形された練り物を乾燥及び焼結加工することにより、完成のマッサージ物品を製造することができる。このような物品は、四角形パッド状、円形パッド状、半球状などの多様な外観を持つように製作して皮膚マッサージ兼用老廃物除去器具として活用することができる。
【0035】
このような形態の変更は本発明の範疇に属するもので、単純な設計変更に過ぎないものであるので、その具体的な図示及び説明は省略する。
【0036】
本発明のマッサージボールは多孔性物体でなるので、皮膚美容に使用した後には脱臭剤及び除湿剤として再活用することができる。
【0037】
すなわち、本発明のマッサージボールは、製造後の実験結果、29.55の吸収率を表した。
【0038】
次の表は韓国化学試験研究院でKS F 2518の試験方法で吸収率試験を行った試験成績書である。
【0039】
【表1】

【0040】
次の表2は本発明のマッサージボールに対する脱臭効果を試験した試験結果を示す表である。
【0041】
【表2】

(前記表2は韓国遠赤外線協会で実験した結果表である。)
【0042】
前記実験結果表に表すように、本発明のマッサージボールを10〜20回程度使用した後には、下駄箱や冷蔵庫などに備えることにより、脱臭効果と湿気除去効果を得ることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、皮膚の表面や毛孔に深く積もった油分と老廃物を吸収して除去する皮膚美容のためのマッサージボールに適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火山石を微細な粉末に粉碎する粉砕段階;
粉末化された火山石に吸着水を添加して練り物を造成し、この練り物にさらに接着性物質を添加して球形のボールに成形するボール成形段階;
成形されたボールを釜に投入して水分含有量を一定水準以下に乾燥する乾燥段階;
乾燥したボールを釜に再投入して高温に加熱して焼結処理する焼結段階;及び
焼結されたボールの表面を研磨加工する表面加工段階;を含んでなることを特徴とする、皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボールの製造方法
【請求項2】
前記粉砕段階は、小さな岩盤形態の火山石原石を破砕機に破砕し、破砕された原石を粉末の粒径が300〜700メッシュの粉末形態に粉碎することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボールの製造方法。
【請求項3】
前記ボール成形段階は、前記多孔性原石の粉末原料85%と吸着水15%を混合して練り、この練り物12〜17gにシリコン系接着性物質0.5〜1.5g、アルミナ0.8〜1.0gを添加した後、成形機を利用して直径15〜30mmのマッサージボールを成形することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボールの製造方法。
【請求項4】
前記乾燥段階は、前記マッサージボールを釜に投入して100〜200℃の温度で24〜28時間加熱して、マッサージボールの水分含有量が10%以下になるまで乾燥することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボールの製造方法。
【請求項5】
前記焼結段階は、乾燥したマッサージボールを400〜1250℃の高温で1〜2時間加熱して焼結することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボールの製造方法。
【請求項6】
前記火山石を麦飯石に取り替えることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボールの製造方法。
【請求項7】
前記火山石を黄土に取り替えることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボールの製造方法。
【請求項8】
火山石を微細な粉末に粉碎し、これに吸着水を添加して練り物を造成し、この練り物にシリコン系接着性物質とアルミナを添加して15〜30mmの直径を持つボールを成形し、乾燥と焼結の段階によって成形されることを特徴とする、皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボール。
【請求項9】
火山石を300〜700メッシュに粉碎して粉末化し、この粉末85%に吸着水15%を混合して練り、この練り物12〜17gにシリコン系接着性物質を0.5〜1.5g、アルミナ0.8gを添加した後、直径15〜30mmのマッサージボールを成形し、100〜200℃の温度で24〜28時間加熱して、マッサージボールの水分含有量が10%以下になるまで乾燥した後、400〜1250℃の高温で1〜2時間加熱して焼結することによりなることを特徴とする、請求項8に記載の皮膚老廃物及び油分吸着用マッサージボール。

【公開番号】特開2009−153987(P2009−153987A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2009−82660(P2009−82660)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(509119027)ケイ.エム.コミュニケーション カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】