説明

皮革用塗料組成物

【課題】人体に有毒な溶剤を含まず、速乾性があり、塗膜のタック、割れなどが抑制され、塗膜の皮革表面に対する付着性、塗膜の柔軟性や耐水性に優れ、皮革特有の風合いが保持された塗膜を形成するための皮革用塗料組成物を提供すること。
【解決手段】上記課題を解決するため、本発明の皮革用塗料組成物は、ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤とを含むことを特徴とする。具体的に、本発明の皮革用塗料組成物は、上記アクリル系樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤との総量に対し、アセチルブチルセルロースを5〜20重量%、ポリエステル系可塑剤を20〜40重量%、上記アクリル系樹脂を40重量%以上の割合で含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮革用塗料組成物に関し、詳しくは、皮革製品の表面の補修に用いられる皮革用塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、建造物の内装品、車両の内装品、家具、靴、鞄類、衣料、皮革小物類などの、天然または合成の皮革製品における表面の損傷や色落ちの補修には、これら皮革製品の表面に塗料を塗布する方法が知られている。また、このような用途には、例えば、ウレタン系樹脂を主成分とする塗料組成物(特許文献1参照)や、硝化綿ラッカーが汎用されている。
【0003】
なかでも、ウレタン系樹脂を主成分とする塗料組成物は、皮革に対する塗膜の密着性や、塗膜の柔軟性(耐屈曲性)、耐摩耗性などが優れているため、多用されている。
【特許文献1】特開2002−188053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、ウレタン系樹脂を主成分とする塗料組成物は、通常、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)やトルエンなどの、人体に有害な溶剤が用いられるため、作業環境が低くなる。また、溶剤中でのウレタン系樹脂の溶解性や分散性が低く、樹脂組成物の固形分濃度を高くすることが困難になるため、塗料組成物の隠蔽性の低下や、塗膜の乾燥性の低下を生じる。しかも、ウレタン系樹脂は高価であって、コスト上も不利である。
【0005】
一方、硝化綿ラッカーは、ニトロセルロース(硝化綿)自体が極めて脆弱な素材であるため、柔軟な塗膜を形成するために多量の可塑剤が必要となり、塗膜の表面に可塑剤によるタック(粘着性)が顕著になる。また、硝化綿ラッカーは、塗膜のタックを増大させやすく、塗膜の割れを生じさせやすく、皮革製品の外観を損ないやすい。しかも、硝化綿ラッカーは、耐候性が低く、さらに、硝化綿ラッカーの原料となるニトロセルロースは、加熱や衝撃によって容易に発火するため、工業的に取り扱いにくい材料である。
【0006】
本発明の目的は、人体に有毒な溶剤を含まず、速乾性があり、塗膜のタック、割れなどが抑制され、塗膜の皮革表面に対する付着性、塗膜の柔軟性や耐水性に優れ、皮革特有の風合いが保持された塗膜を形成するための皮革用塗料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の皮革用塗料組成物は、ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤とを含むことを特徴としている。
本発明の皮革用塗料組成物は、ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤との総量に対し、前記アセチルブチルセルロースの含有割合が5〜20重量%であり、前記ポリエステル系可塑剤の含有割合が20〜40重量%であり、前記アクリル系樹脂の含有割合が40重量%以上であることが好適である。
【0008】
本発明の皮革用塗料組成物では、前記アクリル系樹脂の重量平均分子量が、10000〜100000であることが好適である。
本発明の皮革用塗料組成物では、前記アクリル系樹脂が、メチルメタクリレートと、重合性不飽和モノマーとの共重合体であり、前記共重合体のスチレン含有量が、20重量%以下であることが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の皮革用塗料組成物によれば、皮革表面に対する付着性や、柔軟性および耐水性に優れ、皮革特有の風合いが保持された塗膜を形成することができる。
また、本発明の皮革用塗料組成物は、人体に対する有害性の低い溶剤を使用でき、しかも、塗膜が速乾性を示すものであるため、例えば、エンドユーザによる皮革製品の簡易補修において、特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の皮革用塗料組成物は、ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤とを含んでいる。
ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂におけるアクリル系樹脂としては、例えば、メタクリレート、アクリレート、メタクリレートまたはアクリレートと重合性不飽和モノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0011】
なお、以下、メタクリレートとアクリレートとをまとめて「(メタ)アクリレート」という場合があり、また、メタクリレートまたはアクリレートと、重合性不飽和モノマーとの共重合体を「(メタ)アクリル系共重合体」という場合がある。
(メタ)アクリレートとしては、好ましくは、メタアクリル酸またはアクリル酸と、炭素数1〜20のアルキルとのエステルが挙げられ、より好ましくは、メチル(メタ)アクリレートが挙げられ、特に好ましくは、メチルメタクリレートが挙げられる。
【0012】
(メタ)アクリル系共重合体を形成する重合性不飽和モノマーとしては、
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜24のアルキルとのエステル、
例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物、
例えば、上記モノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物などの水酸基含有重合性不飽和モノマー、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、
例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和モノマー、
例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキル(メタ)アクリレート、
例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドメチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドブチルエーテルなどの(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体、
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどの、紫外線吸収性または紫外線安定性の重合性不飽和モノマー、
例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、ベオバモノマー(ビニルエーテルオブバーサティックアシッド(VEOVA)、Hexion スペシャリティ・ケミカルズ社製)、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
などが挙げられる。これらその他の重合性不飽和モノマーは、1種で、または、2種以上を組み合せて使用することができる。
【0013】
上記アクリル系樹脂が、メチルメタクリレートと、上記例示の重合性不飽和モノマー(但し、メチルメタクリレートを除く。)と、を含有するモノマー混合物の共重合体である場合において、上記共重合体のスチレン含有量は、20重量%以下、好ましくは、15重量%以下である。
上記共重合体のスチレン含有量が20重量%を上回ると、上記皮革塗料組成物を用いて得られる塗膜の艶がなくなる、脆くなる、耐水性が低下するなどの不具合が生じる。
【0014】
また、上記アクリル系樹脂が、メチルメタクリレートと、上記例示の重合性不飽和モノマー(但し、メチルメタクリレートを除く。)と、を含有するモノマー混合物の共重合体である場合において、上記モノマー混合物中での各モノマーの含有割合は、メチルメタクリレートが、好ましくは、10〜80重量%、より好ましくは、20〜70重量%であり、その他の重合性不飽和モノマーが、好ましくは、20〜90重量%、より好ましくは、30〜80重量%である。
【0015】
上記共重合体において、メチルメタクリレートの含有割合が10重量%を下回ると、上記皮革用塗料組成物を用いて得られる塗膜と、皮革の表面との付着性が不十分になる、塗膜のタックが顕著になる、ブロッキングが生じやすくなる、といったおそれがある。逆に、メチルメタクリレートの含有割合が80重量%を上回ると、上記皮革用塗料組成物を用いて得られる塗膜が脆くなり、塗膜の耐水性などが低下するおそれがある。
【0016】
アクリル系樹脂が、メチルメタクリレートと、その他の重合性不飽和モノマーとを含有するモノマー混合物の共重合体である場合において、メチルメタクリレートと、上記モノマー成分とを共重合体させるための重合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下での塊状重合法、溶液重合法または塊状重合法による重合後、懸濁重合する、塊状−懸濁二段重合法などが挙げられる。この方法では、上記の重合法のなかでも、特に、溶液重合法が好適である。
【0017】
溶液重合法による重合方法としては、例えば、モノマー混合物を有機溶媒に溶解または分散させ、ラジカル重合開始剤の存在下、通常、80℃〜200℃程度の温度で攪拌しながら加熱する方法が挙げられる。反応時間は、通常、3〜24時間程度が適当である。
アクリル系樹脂のガラス転移温度は、30〜100℃であり、この範囲のなかでも、好ましくは、30〜90℃であり、より好ましくは、50〜80℃である。
【0018】
アクリル系樹脂のガラス転移温度が30℃を下回ると、塗膜硬度が不十分となり、塗膜に傷が付きやすくなる。また、塗膜の粘着性が増大し、タックが顕著になり、ブロッキングが生じやすくなる。逆に、アクリル系樹脂のガラス転移温度が100℃を上回ると、塗膜が脆くなる。
なお、本発明において、アクリル系樹脂の「ガラス転移温度」は、静的ガラス転移温度を示している。この静的ガラス転移温度は、測定試料の熱量変化を示差走査熱量計で測定し、その測定結果より得られる、低温側での最初のベースラインの変化点によって決定される。具体的に、本発明では、測定試料から、真空吸引により完全に溶剤を除去後、示差走査熱量計(型番「DSC−50Q型」、(株)島津製作所製)により、昇温速度3℃/分で、−100〜+100℃の温度範囲での熱量変化を測定し、低温側の最初のベースラインの変化点を決定した。
【0019】
アクリル系樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法(標準ポリスチレン換算)による重量平均分子量Mwが、好ましくは、10000〜100000であり、より好ましくは、20000〜90000、さらに好ましくは、30000〜80000である。
アクリル系樹脂の重量平均分子量Mwが10000を下回ると、塗膜の耐水性、耐薬品性などが低下する。逆に、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mwが100000を上回ると、霧化塗装時の微粒子化の程度が低下し、得られる塗膜の仕上り性(例えば、塗膜表面の平坦性、つやなど)が低下する。
【0020】
アクリル系樹脂の酸価は、0.5〜20mgKOH/g、好ましくは、1〜10mgKOH/g、より好ましくは、1.5〜5mgKOH/gである。
アクリル系樹脂の酸価が0.5mgKOH/gを下回ると、皮革に対する塗膜の密着性が低下する。逆に、アクリル系樹脂の酸価が20mgKOH/gを上回ると、皮膜の耐水性が低下する。
【0021】
アクリル系樹脂の重合による調製に用いられる重合器、重合開始剤、重合禁止剤、その他の助剤、乳化重合における乳化補助剤、界面活性剤、その他の添加剤などについては、特に限定されず、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。
アセチルブチルセルロースは、セルロースの水酸基をアセチル化、ブチル化して得られるセルロース誘導体である。このアセチルブチルセルロースは、特に限定されないが、GPC法(標準ポリスチレン換算)による重量平均分子量Mwが、15000〜50000であることが好ましい。
【0022】
また、アセチルブチルセルロースは、例えば、アクリル成分とのグラフト共重合体であってもよい。
ポリエステル系可塑剤のポリエステルとしては、例えば、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの酸成分と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分と、からなるポリエステル、例えば、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどが挙げられる。
【0023】
これらポリエステルは、その末端が、単官能カルボン酸または単官能アルコールで封鎖されていてもよく、エポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。
ポリエステル系可塑剤は、GPC法(標準ポリスチレン換算)による重量平均分子量Mwが、好ましくは、500〜5000であり、より好ましくは、1000〜4000であり、さらに好ましくは、2000〜3000である。
【0024】
ポリエステル系可塑剤の重量平均分子量Mwが500を下回ると、ポリエステル系可塑剤の揮散、塗膜表面へのブリード、塗膜から皮革などへの移行などが生じ、皮革表面に塗布後、経時的に、塗膜に割れが発生しやすくなる。逆に、ポリエステル系可塑剤の重量平均分子量Mwが5000を上回ると、皮革用塗料組成物中でのアクリル系樹脂やアセチルブチルセルロースとの相溶性の低下や、塗膜の仕上り概観の不良、塗膜の柔軟性の低下を招くおそれがある。
【0025】
上記皮革用塗料組成物において、アセチルブチルセルロースの配合量は、ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤との総量(以下、単に「総量」という場合がある。)に対し、好ましくは、5〜20重量%であり、より好ましくは、6〜15重量%である。
アセチルブチルセルロースの配合量が上記範囲を下回ると、塗膜の乾燥性が低下する、塗膜のタックが顕著になる、といった不具合が生じる。逆に、上記範囲を上回ると、塗膜が脆くなる、密着性が低下する、といった不具合が生じる。
【0026】
上記皮革用塗料組成物において、ポリエステル系可塑剤の配合量は、上記総量に対し、好ましくは、20〜40重量%であり、より好ましくは、25〜39重量%である。
ポリエステル系可塑剤の配合量が上記範囲を下回ると、塗膜に割れが生じる、塗膜の風合いが低下する、といった不具合が生じる。逆に、上記範囲を上回ると、塗膜の乾燥性が低下する、塗膜のタックが顕著になる、といった不具合が生じる。
【0027】
また、上記皮革用塗料組成物において、ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂の配合量は、上記総量のうち、上記アセチルブチルセルロースと上記ポリエステル系可塑剤との配合量の残余の割合であり、具体的には、上記総量に対し、好ましくは、40重量%以上であり、より好ましくは、45〜75重量%である。
ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂の配合量が上記範囲を下回ると、塗膜のタックが顕著になる、密着性が低下する、といった不具合が生じる。逆に、上記範囲を上回ると、塗膜に割れが生じる、塗膜の乾燥性が低下する、といった不具合が生じる。
【0028】
上記皮革用塗料組成物は、ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤とを配合し、さらに必要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、顔料分散剤、硬化触媒などの添加剤を配合し、これらを溶剤中に溶解、分散させて調製される。
溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、キシレンなどの芳香族炭化水素類、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類、およびこれらの混合溶剤などが挙げられる。
【0029】
顔料としては、例えば、着色顔料、体質顔料、金属粉顔料、金属光沢顔料などが挙げられる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタンなどの白色顔料、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラックなどの黒色顔料、例えば、黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー、パーマネントイエローなどの黄色顔料、例えば、パーマネントオレンジなどの橙色顔料、例えば、赤色酸化鉄、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンなどの赤色顔料、例えば、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、パーマネントレッドなどの赤色顔料、例えば、コバルト紫、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレットなどの紫色顔料、例えば、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、スレンブルーなどの青色顔料、例えば、フタロシアニングリーンなどの緑色顔料、などが挙げられる。
【0030】
体質顔料としては、例えば、バリタ粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、マイカ粉などが挙げられる。
金属粉顔料および金属光沢顔料としては、例えば、アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、錫粉、鉛粉、亜鉛末、リン化鉄、パール状金属コーティング雲母粉、マイカ状酸化鉄などが挙げられる。
【0031】
上記皮革用塗料組成物において、固形分(各上記成分のうち、溶剤を除いた成分)の含有割合は、特に限定されないが、好ましくは、10〜60重量%であり、より好ましくは、13〜50重量%である。
固形分の含有割合が上記範囲を上回ると、皮革用塗料組成物の粘度が高くなって、塗膜形成時の作業性が低下するおそれがある。逆に、固形分の含有割合が上記範囲を下回ると、塗膜の隠蔽性や、仕上がりの外観が損なわれるおそれがある。
【0032】
また、上記皮革用塗料組成物において、ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤との3つの成分が、皮革用塗料組成物の総量に占める割合は、特に限定されないが、好ましくは、10重量%以上であり、より好ましくは、13〜30重量%である。
上記3つの成分が皮革用塗料組成物の総量に占める割合が、上記範囲を下回ると、皮革表面に対する塗膜の付着性、塗膜の耐水性、柔軟性、耐摩耗性などの物性が低下するおそれがある。
【0033】
上記皮革用塗料組成物は、例えば、その粘度が、フォードカップ試験方法(JIS K2306:2006、B法、フォードカップNo.4、測定温度25℃)による流下時間で、30〜45秒となるように調整することが好ましい。
皮革用塗料組成物の粘度が上記範囲にある場合には、例えば、刷毛を用いた塗布と、エアーブラシやスプレーガンを用いた塗布とで、皮革用塗料組成物の粘度を変える必要がなく、塗布方法を適宜選択することができる。
【0034】
上記皮革用塗料組成物を塗布する対象物(被塗装物)としての皮革製品は、特に限定されず、例えば、建造物の内装品、車両の内装品(例えば、シート、ハンドルなど)、家具(例えば、ソファー、椅子など。)、靴、鞄類、衣料、皮革小物類など、各種の皮革製品が挙げられる。
また、被塗装物である皮革は、天然皮革、皮革調基材のいずれであってもよく、種々の皮革が使用できる。
【0035】
天然皮革の由来動物としては、例えば、牛、豚、馬、羊、山羊、カンガルー、鹿などが挙げられる。天然皮革の表面には、樹脂フィルムがラミネートされていてもよい。
皮革調基材としては、人工皮革、合成皮革などが挙げられ、これらの基材を形成する樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
上記皮革用塗料組成物の皮革表面に対する塗布量は、特に限定されないが、好ましくは、30〜200g/m2となるように、より好ましくは、50〜100g/m2となるように塗布する。
【0036】
また、上記皮革用塗料組成物の皮革表面での塗装膜厚は、特に限定されないが、硬化時の厚みで、好ましくは、10〜40μmである。
上記皮革用塗料組成物は、皮革表面に対し、例えば、刷毛を用いて塗布することができ、また、エアーブラシやスプレーガンを用いて塗布することができる。塗布方法は、特に限定されず、皮革用塗料組成物を塗布する領域の大きさなどに合わせて、適宜選択すればよい。
【0037】
また、上記皮革用塗料組成物を塗布する際には、必要に応じて、脱脂処理や、プライマー塗装を施してもよい。
上記皮革用塗料組成物によれば、この皮革用塗料組成物を皮革表面に対し塗布し、乾燥させることにより、皮革表面に対する付着性や、柔軟性および耐水性に優れ、皮革特有の風合いが保持された塗膜を形成することができる。
【0038】
また、上記の皮革用塗料組成物は、溶剤として、例えば、ブチルアセテートとキシレンとの混合溶剤のように、DMFやトルエンと比べ人体に対する有害性の低い溶剤を使用することができ、塗膜形成時の作業環境を向上させることができる。
さらに、上記混合溶剤は、揮発性に富む溶剤であり、しかも、ガラス転移温度が所定の範囲にあるアクリル系樹脂や、アセチルブチルセルロースなどを、比較的高濃度で溶解、分散できることから、速乾性を有する塗料組成物を提供することができる。
【0039】
また、上記の皮革用塗料組成物によれば、硝化綿(ニトロセルロース)に代えて、アセチルブチルセルロースが配合されているため、皮革用塗料組成物の製造用原料の取扱い性が簡易なものとなり、しかも、塗膜に柔軟性を付与するための可塑剤の配合量を低減して、塗膜のタックや、割れを抑制することができる。
上記皮革用塗料組成物は、溶剤として、人体に対する有害性の低いものを使用することができ、しかも、塗膜が速乾性を示すものであるため、例えば、エンドユーザによる皮革製品の簡易補修などの用途に、特に好適である。
【実施例】
【0040】
次に、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
アクリル系樹脂溶液の製造
製造例1
温度計と、攪拌機と、還流冷却器と、滴下用ポンプとを備えた反応器に、酢酸ブチル50重量部と、キシレン50重量部とを仕込み、攪拌しながら、反応器内の液温を110℃まで昇温した。次いで、スチレン10重量部と、メチルメタクリレート40重量部と、n−ブチルメタクリレート29.5重量部と、イソブチルメタクリレート20重量部と、メタクリル酸0.5重量部と、t−ブチルパーオキシベンゾエート(重合開始剤)1.5重量部との混合液を、滴下漏斗により、上記反応器中に4時間かけて滴下し、その後、110℃の液温を4時間保持して、反応を終了した。
【0041】
得られたアクリル系樹脂溶液は、均一で透明な溶液であり、樹脂の固形分は50重量%であった。また、アクリル系樹脂は、ガラス転移温度Tgが63℃、酸価が3.0mgKOH/g、GPC法(標準ポリスチレン換算)による重量平均分子量Mwが50000であった。以下、このアクリル系樹脂を、「アクリル樹脂A」という。
製造例2
温度計と、攪拌機と、還流冷却器と、滴下用ポンプとを備えた反応器に、酢酸ブチル50重量部と、キシレン50重量部とを仕込み、攪拌しながら、反応器内の液温を110℃まで昇温した。次いで、スチレン10重量部と、メチルメタクリレート40重量部と、n−ブチルメタクリレート29.5重量部と、2−エチルヘキシルアクリレート20重量部と、メタクリル酸0.5重量部と、t−ブチルパーオキシベンゾエート(重合開始剤)1.5重量部との混合液を、滴下漏斗により、上記反応器中に4時間かけて滴下し、その後、110℃の液温を4時間保持して、反応を終了した。
【0042】
得られたアクリル系樹脂溶液は、均一で透明な溶液であり、樹脂の固形分は50重量%であった。また、アクリル系樹脂は、ガラス転移温度Tgが20℃、酸価が3.0mgKOH/g、GPC法(標準ポリスチレン換算)による重量平均分子量Mwが50000であった。以下、このアクリル系樹脂を、「アクリル樹脂B」という。
塗料組成物の調製
実施例1
製造例1で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分(アクリル樹脂A)10.2重量部と、アセチルブチルセルロース1.3重量部と、アジピン酸系ポリエステル(ポリエステル系可塑剤、ジェイ・プラス(株)製の品名「D623」)4.7重量部と、顔料8.3重量部と、混合溶剤75.5重量部とを配合し、混合、分散した。
【0043】
上記混合溶剤の内訳は、酢酸ブチル48重量部、キシレン20重量部、1−ブタノール2重量部およびメチルイソブチルケトン5.5重量部であった。
次いで、上記混合物中に、キシレンとブチルアセテートとの混合液(重量比50:50)を配合し、その粘度が、フォードカップ試験方法(JIS K2306:2006、B法、フォードカップNo.4、測定温度25℃)による流下時間が30秒となるように調整して、塗料組成物を得た。
【0044】
上記塗料組成物中でのアクリル樹脂Aと、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤との総量に対する各上記成分(アクリル樹脂A、アセチルブチルセルロースおよびポリエステル系可塑剤)の含有割合は、順に、63.0重量%、8.0重量%、29.0重量%であった。
実施例2
塗料組成物を形成するための混合物として、アクリル樹脂A 8.26重量部と、アセチルブチルセルロース3.24重量部と、ポリエステル系可塑剤4.7重量部と、顔料8.3重量部と、混合溶剤(実施例1と同じ組成のもの)75.5重量部とを配合し、混合、分散したものを使用した。すなわち、上記塗料組成物中でのアクリル樹脂Aと、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤との総量に対する各上記成分の含有割合を、順に、51.0重量%、20.0重量%、29.0重量%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物を得た。
【0045】
実施例3
塗料組成物を形成するための混合物として、アクリル樹脂A 8.42重量部と、アセチルブチルセルロース1.3重量部と、ポリエステル系可塑剤6.48重量部と、顔料8.3重量部と、混合溶剤(実施例1と同じ組成のもの)75.5重量部とを配合し、混合、分散したものを使用した。すなわち、上記塗料組成物中でのアクリル樹脂Aと、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤との総量に対する各上記成分の含有割合を、順に、52.0重量%、8.0重量%、40.0重量%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物を得た。
【0046】
比較例1
製造例1で得られたアクリル系樹脂溶液に代えて、製造例2で得られたアクリル系樹脂溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物を得た。
得られた塗料組成物中でのアクリル樹脂Bと、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤との総量に対する各上記成分(アクリル樹脂B、アセチルブチルセルロースおよびポリエステル系可塑剤)の含有割合は、順に、63.0重量%、8.0重量%、29.0重量%であった。
【0047】
比較例2
アセチルブチルセルロースに代えて、ニトロセルロースを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物を得た。
上記塗料組成物中でのアクリル樹脂Aと、ニトロセルロースと、ポリエステル系可塑剤との総量に対する各上記成分(アクリル樹脂A、ニトロセルロースおよびポリエステル系可塑剤)の含有割合は、順に、63.0重量%、8.0重量%、29.0重量%であった。
【0048】
比較例3
ポリエステル系可塑剤に代えて、フタル酸ジオクチル(フタル酸系可塑剤)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物を得た。
上記塗料組成物中でのアクリル樹脂Aと、アセチルブチルセルロースと、フタル酸系可塑剤との総量に対する各上記成分(アクリル樹脂A、アセチルブチルセルロースおよびフタル酸系可塑剤)の含有割合は、順に、63.0重量%、8.0重量%、29.0重量%であった。
【0049】
比較例4
ウレタン樹脂(三井化学ポリウレタン(株)製の商品名「MTオレスターNL2249E」)の固形分10.2重量部と、アセチルブチルセルロース1.3重量部と、アジピン酸系ポリエステル(ポリエステル系可塑剤、ジェイ・プラス(株)製の品名「D623」)4.7重量部と、顔料8.3重量部と、混合溶剤(実施例1と同じ組成のもの)75.5重量部とを配合し、混合、分散した。
【0050】
次いで、上記混合物中に、キシレンとブチルアセテートとの混合液(重量比50:50)を配合し、フォードカップ試験方法(JIS K2306:2006、B法、フォードカップNo.4、測定温度25℃)による流下時間が30秒となるように調整して、塗料組成物を得た。
上記塗料組成物中でのウレタン樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤との総量に対する各上記成分(ウレタン樹脂、アセチルブチルセルロースおよびポリエステル系可塑剤)の含有割合は、順に、63.0重量%、8.0重量%、29.0重量%であった。
【0051】
塗料組成物の物性評価
実施例1〜3および比較例1〜4の塗料組成物を用いて、以下の物性を評価した。物性評価用のサンプルには、塗料組成物を、塗布量が80g/m2となるように、牛革表面に塗布し、硬化させたものを使用した。
(1) 付着性
上記サンプルの塗膜面に対し、カッターナイフで、表面から素地(牛革表面)にまで達する切り込み線を入れ、大きさ2mm×2mmのマス目を100個形成した。
【0052】
次いで、上記塗膜の表面に市販のセロハン粘着テープを貼着し、25℃でセロハン粘着テープを急激に剥離した。こうして、セロハン粘着テープ剥離後の上記塗膜を目視で観察し、塗膜が残存していたマス目を計数した。
塗膜の付着性の評価は、塗膜が残存していたマス目の数が100個である場合をA(極めて良好)、99〜95個である場合をB(良好)、94個以下をC(不良)とした。
【0053】
(2) 耐水性
上記サンプルを、40℃の温水に10日間浸漬した。サンプルを引き上げて乾燥後、上記(1)と同様にして、塗膜の付着性を評価し、上記(1)と同様の基準で評価した。
(3) タック
上記サンプルの塗膜面について、初期の60度鏡面光沢度SG0を測定した。
【0054】
50℃の雰囲気中で、上記サンプルの塗膜面にガーゼを被せ、このガーゼの上から、1時間、20gf/cm2(約196mN/cm2)の荷重をかけた。次いで、荷重を取り除き、光沢度計で、サンプルの塗膜面の負荷後の60度鏡面光沢度SG1を測定した。
塗膜のタックは、初期の60度鏡面光沢度SG0に対する、負荷後の60度鏡面光沢度SG1の比率(保持率)で評価し、保持率が90%以上である場合を、タック(粘着性)が抑制され、良好であるとし、保持率が90%未満である場合を、タック(粘着性)が顕著であり、不良であるとした。
【0055】
(4) 柔軟性
上記サンプルを、その塗膜面を外側にして、180°屈曲させた後、塗膜表面での割れの有無を目視により判定した。
塗膜の柔軟性は、屈曲後のサンプルの塗膜を目視で観察した結果により評価し、塗膜の割れが観察されなかった場合をA(柔軟性が極めて良好)とし、目視では塗膜の割れが観察されなかったが、屈曲時に塗膜の破壊音が確認された場合をB(柔軟性良好)とし、目視で塗膜の割れが観察された場合をC(柔軟性不良)とした。
【0056】
(5) 耐摩耗性
上記サンプルの塗膜面を、耐洗浄性(Washability)評価用洗浄試験機(JIS K 5400-1990)により、JIS K 5600−11:1999(ISO/DIS 11998)「塗料一般試験方法 ― 第5部:塗膜の機械的性質 ― 第11節:耐洗浄性 3.4 耐湿潤摩耗性(wet scrub resistance)の規定に順じて100回擦った後、光沢度計で、摩耗試験後におけるサンプルの塗膜面の60度鏡面光沢度SG2を測定した。
【0057】
塗膜の耐摩耗性は、上記(3)で測定した初期の60度鏡面光沢度SG0に対する、摩耗試験後の60度鏡面光沢度SG2の比率(保持率)で評価し、保持率が90%以上である場合を、耐摩耗性が良好であるとし、保持率が90%未満である場合を、耐摩耗性が不良であるとした。
(6) 風合い
上記サンプルの塗膜面の風合いを、被験者(成人男性10名、成人女性10名)の触感により評価で、判定した。判定基準は、塗膜面が非常に柔軟である場合をA(風合いが極めて良好)とし、以下、塗膜面が柔軟である場合をB(良好)、中程度である場合をC、硬いと感じられる場合をD、非常に硬いと感じられる場合をEとした。風合いの評価は、B以上であることが求められる。
【0058】
上記(1)〜(6)の各評価結果を表1に示す。
【0059】
【表1】

【0060】
表1に示すように、実施例1〜3によれば、皮革(牛革)本来の柔軟性を維持しつつ、タックが抑制され、付着性、耐水性および耐摩耗性に優れ、風合いの良好な塗膜を形成することができた。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤とを含むことを特徴とする、皮革用塗料組成物。
【請求項2】
ガラス転移温度が30〜100℃のアクリル系樹脂と、アセチルブチルセルロースと、ポリエステル系可塑剤との総量に対し、前記アセチルブチルセルロースの含有割合が5〜20重量%であり、前記ポリエステル系可塑剤の含有割合が20〜40重量%であり、前記アクリル系樹脂の含有割合が40重量%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の皮革用塗料組成物。
【請求項3】
前記アクリル系樹脂の重量平均分子量が、10000〜100000であることを特徴とする、請求項1または2に記載の皮革用塗料組成物。
【請求項4】
前記アクリル系樹脂が、メチルメタクリレートと、重合性不飽和モノマーとの共重合体であり、前記共重合体のスチレン含有量が、20重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の皮革用塗料組成物。

【公開番号】特開2008−184603(P2008−184603A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−21965(P2007−21965)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000227331)株式会社ソフト99コーポレーション (84)
【Fターム(参考)】