説明

盗難監視用模擬魚

【課題】本発明は、魚の生簀内に設置し、魚の盗難時に姿勢が変わることを検出し、盗難発生を早期に知らせることができるようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明による盗難監視用模擬魚は、中空ケース(1)内に警報装置(4)とスイッチ(5)を設け、この中空ケース(1)が横倒しになった場合、スイッチ(5)の重り(8)が弧状受け部(6)から落下して離脱し、スイッチ部(7)が作動し、警報装置(4)からの警報信号(11)が背びれ(9)のアンテナ(10)から発信されて盗難の予防となる構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難監視用模擬魚に関し、特に、魚の生簀内に設置し、魚の盗難時に姿勢が変わることを検出し、盗難発生を早期に知らせることができるようにするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の生簀の盗難防止方法としては、特に、特許文献等としては、特許出願していないため、開示していないが、例えば、侵入防止柵又は監視カメラ等が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の生簀の盗難防止方法は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、侵入防止柵は、破壊されることがあり、破壊された場合には、盗難を防ぐことは不可能であった。
また、監視カメラの場合には、監視カメラが覆われるか、破壊された場合には対抗策はなく、盗難を防ぐことは不可能であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による盗難監視用模擬魚は、全体が魚形状をなす中空ケースと、前記中空ケースの内底部に設けられた警報装置と、前記警報装置上に設けられたスイッチと、前記スイッチの上部に設けられた重りと、よりなり、前記中空ケースは水上で浮いていると共に、前記重りが前記スイッチから離脱した場合、前記スイッチがオン又はオフとなり、前記警報装置が作動する構成であり、また、前記中空ケースは、生簀内の養殖魚の魚体に似せて形成されている構成であり、また、前記中空ケースの上部に形成された背びれが、前記警報装置のアンテナを形成している構成であり、また、前記スイッチは、弧状受け部と、前記弧状受け部の中央位置に設けられたスイッチ部と、からなり、前記重りは前記スイッチ部上に位置している構成である。
【発明の効果】
【0005】
本発明による盗難監視用模擬魚は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、全体が魚形状をなす中空ケースと、前記中空ケースの内底部に設けられた警報装置と、前記警報装置上に設けられたスイッチと、前記スイッチの上部に設けられた重りと、よりなり、前記中空ケースは水上で浮いていると共に、前記重りが前記スイッチから離脱した場合、前記スイッチがオン又はオフとなり、前記警報装置が作動する構成としたことにより、中空ケースが横倒しとなるだけで盗難を知らせることができ、被害の拡大を確実に防止できる。
また、前記中空ケースは、生簀内の養殖魚の魚体に似せて形成されていることにより、魚との区別がつきにくく、盗難防止効果を高めることができる。
また、前記中空ケースの上部に形成された背びれが、前記警報装置のアンテナを形成していることにより、水面から離れた部分がアンテナとなり、倒れた状態でもアンテナからの電波発射を確保が可能である。
また、前記スイッチは、弧状受け部と、前記弧状受け部の中央位置に設けられたスイッチ部と、からなり、前記重りは前記スイッチ部上に位置していることにより、中空ケースが横倒しになれば、重りが弧状受け部から離脱し、スイッチ部が迅速にオンかオフに作動する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明による盗難監視用模擬魚の断面構成図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の状態から横倒れした状態を示す断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、魚の生簀内に設置し、魚の盗難時に姿勢が変わることを検出し、盗難発生を早期に知らせることができるようにした盗難監視用模擬魚を提供することを目的とする。
【実施例】
【0008】
以下、図面と共に本発明による盗難監視用模擬魚の好適な実施の形態について説明する。
図1において、符号1で示されるものは、樹脂等で二体等に形成された中空ケースであり、この中空ケース1の中空部2内の内底部3には、警報装置4が設けられている。
【0009】
前記警報装置4上には、スイッチ5が設けられ、このスイッチ5は、弧状に形成された弧状受け部6と、この弧状受け部6の中央位置に設けられたスイッチ部7と、この弧状受け部6のスイッチ部7上に位置する球形状の重り8と、から構成されている。
【0010】
前記警報装置4は、周知のように、電源が供給されると、図示しない増幅装置が作動してアラーム又は音声合成ICによるドロボー等の音をアンテナ10を経て電波発信できるように構成されている。
前記スイッチ部7は、周知の機械式、磁気式、近接式、静電式等のうちの何れかの周知構造で構成され、このスイッチ部7のオン又はオフ状態によって前記警報装置4の電源がオンとなるように構成されている。
前記スイッチ部7のオン/オフは、前記スイッチ部7上に位置している重り8の静止又は移動により、周知の機械式、電気式、磁気式、静電式、近接式等の何れかによって、検出することができるように構成されている。
【0011】
前記中空ケース1の頂部には背びれ9が設けられ、この背びれ9はアンテナ10の役目を形成し、前記警報装置4からの出力信号は、前記アンテナ10を経て外部の受信機(図示せず)により、この出力信号からなる警報信号11を受信することができるように構成されている。
【0012】
次に、前述の構成による本発明の盗難監視用模擬魚20を、魚を養殖している沖の生簀21内の水面22に浮かべると、図1及び図2の状態となり、この場合の中空ケース1の形状は、この生簀21内の魚の種類と同一種の外観及び大きさ、例えば、鮪であれば、鮪の形状として形成されている。
【0013】
前記盗難監視用模擬魚20は、生簀21内で通常時は、図1及び図2で示されるように、水面22で魚が泳いでいるような垂直状態で浮いているが、生簀21内に、例えば、外部から盗人が船で来て、網を入れて魚を盗もうとした場合、この水面22に浮いている盗難監視用模擬魚20は図3で示されるように横倒し状態となる。
【0014】
前述の状態で、前記重り8が弧状受け部6から落下して離脱するため、スイッチ部7がオン又はオフとなり、このスイッチ7の作動によって警報装置4が作動し、出力信号が警報信号11として漁師側の受信機に送信される。
この漁師側では、直ちに船を出して盗人を捕らえ、盗難の被害を最小限に抑えることができる。尚、中空ケース1は、泳ぐように構造を形成すると、水上又は水中で泳いでいる時に、持ち上げられると、アラームを発信させるようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明による盗難監視用模擬魚は、生簀だけではなく、プール内への他人の侵入や、沿岸の不法者の侵入検出等に応用可能である。
【符号の説明】
【0016】
1 中空ケース
2 中空部
3 内底部
4 警報装置
5 スイッチ
6 弧状受け部
7 スイッチ部
8 重り
9 背びれ
10 アンテナ
11 警報信号
20 盗難監視用模擬魚
21 生簀
22 水面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が魚形状をなす中空ケース(1)と、前記中空ケース(1)の内底部(3)に設けられた警報装置(4)と、前記警報装置(4)上に設けられたスイッチ(5)と、前記スイッチ(5)の上部に設けられた重り(8)と、よりなり、
前記中空ケース(1)は水上で浮いていると共に、前記重り(8)が前記スイッチ(5)から離脱した場合、前記スイッチ(5)がオン又はオフとなり、前記警報装置(4)が作動する構成としたことを特徴とする盗難監視用模擬魚。
【請求項2】
前記中空ケース(1)は、生簀(21)内の養殖魚の魚体に似せて形成されていることを特徴とする請求項1記載の盗難監視用模擬魚。
【請求項3】
前記中空ケース(1)の上部に形成された背びれ(9)が、前記警報装置(4)のアンテナ(10)を形成していることを特徴とする請求項1又は2記載の盗難監視用模擬魚。
【請求項4】
前記スイッチ(5)は、弧状受け部(6)と、前記弧状受け部(6)の中央位置に設けられたスイッチ部(7)と、からなり、前記重り(8)は前記スイッチ部(7)上に位置していることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の盗難監視用模擬魚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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