説明

盛り塩成形器

【課題】
盛り塩を成形する際に、手が汚れる、形状が整わない、時間がかかってしまう、盛り塩の交換に心的負担を感じるという不都合を解決する。
【解決手段】
先端に、適量の塩を挟み込む動作又は適量の塩に押し付ける動作により盛り塩を成形するための盛り塩成形用型やその型と組み合わせて使用する型取り用プレス栓を装着した支持部と、それに連なるつかみ部がU字型の折り返し部を介して連結した形状を特徴とする盛り塩成形器又は、盛り塩成形用型が取っ手の先端に固定された形状を特徴とする盛り塩成形器を用いて、容器や袋に収納された一定量の塩を挟み込む動作又は適量の塩に押し付けることによって、手を汚すことなく片手のみで簡便、迅速に同一形状の錐形の盛り塩を大量に成形することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風水、儀式などで使用する盛り塩に関するものであり、手を汚すことなく
簡易に錐形の盛り塩が成形できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、盛り塩を成形する際には手で盛るか、錐形の盛り塩成形器などが利用されて
いる。その例として、特許文献1に開示されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3082332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の方法のうち手で盛る方法では手が汚れ、同一形状の錐形の盛り塩を大量にきれいに成形することが難しく、完成させるまでに時間がかかり、新しい盛り塩の交換時には制作者の心的負担がかかっていた。また、錐形にくりぬいた型や錐形の容器に塩を詰め固めて作成する方法では、直接、手で押し固めたり、塩を詰めるためのへらなどの道具を必要とすることから作業中に手が汚れたり、簡便性や迅速性に欠けるなどの難点があった。本発明は、この課題を解消するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を解決するため、請求項1の発明は、一方の側を把持部とした取っ手の他方の側に錐形盛り塩成形用型を設け、該錐形盛り塩成形用型を適量の塩に押し付けて錐形盛り塩成形用型内に塩を収容し、それを反転して載置物上に載置し盛り塩を形成することを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、前記把持部は、U字型の折り返し部を形成した一対のつかみ部を備え、一方のつかみ部の先端には錐形盛り塩成形用型を設け、他方のつかみ部の先端には盛り塩型取り用プレス栓を設け、錐形盛り塩成形用型内の塩を押圧し、錐形の盛り塩を型取りすることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、U字型の折り返し部を形成して一対のつかみ部を備えた把持部と、前記つかみ部の端部に前記把持部と一体成形或いは前記つかみ部のそれぞれに固定した一対の半錐形盛り塩成形用型とを備え、前記半錐形盛り塩成形用型を重合し該半錐形盛り塩成形用型内に適量の塩を挟み込んで半錐形盛り塩成形用型内に収容し、載置物上で前記半錐形盛り塩成形用型を互いに離して盛り塩を形成することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、前記半錐形盛り塩成形用型のそれぞれは、内部が半錐形空洞であって底壁がなく一対の半錐形盛り塩成形用型が重合した際に内部に塩を収容する錐形の空洞を形成することを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、前記つかみ部は前記半錐形盛り塩成形用型の外側壁の上部から下部まで延設して該外側壁を固定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、以下に記述する優れた効果を示す。すなわち、請求項1の発明によれば、一方の側を把持部とした取っ手の他方の側に錐形盛り塩成形用型を設け、錐形盛り塩成形用型を適量の塩に押し付けて錐形盛り塩成形用型内に塩を収容し、それを反転して載置物上に載置し盛り塩を成形することにより、手を汚すことなく片手のみで簡便、迅速に同一形状の錐形の盛り塩を大量に成形することができる。これによって、盛り塩を新しいものに定期的に交換する際、その手間が従来の方法に比べて格段に省け、交換に心的負担を感じることなく錐形の盛り塩を成形することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、前記把持部は、U字型の折り返し部を形成した一対のつかみ部を備え、一方のつかみ部の先端には錐形盛り塩成形用型を設け、他方のつかみ部の先端には盛り塩型取り用プレス栓を設けてあり、つかみ部に左右から力を入れて挟む動作を行うと、錐形の盛り塩成形用型の底面に盛り塩型取り用プレス栓が合致して、錐形の盛り塩成形用型の底面に蓋ができる構造とすることにより、容器や袋に収納された一定量の塩を挟み込む動作を行うことで、手を汚すことなく片手のみで簡便、迅速に同一形状の錐形の盛り塩を大量に成形することができる。これによって、盛り塩を新しいものに定期的に交換する際、その手間が従来の方法に比べて格段に省け、交換に心的負担を感じることなく錐形の盛り塩を成形することができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、U字型の折り返し部を形成して一対のつかみ部を備えた把持部と、前記つかみ部の端部に前記把持部と一体成形或いは前記つかみ部のそれぞれに固定した一対の半錐形盛り塩成形用型とを備え、前記半錐形盛り塩成形用型を重合し該半錐形盛り塩成形用型内に適量の塩を挟み込んで半錐形盛り塩成形用型内に収容し、載置物上で前記半錐形盛り塩成形用型を互いに離して盛り塩を形成することで、手を汚すことなく片手のみで簡便、迅速に同一形状の錐形の盛り塩を大量に成形することができ、心的負担を感じることなく定期的な新しい盛り塩の交換に供することができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、前記半錐形盛り塩成形用型は、内部が空洞であって底壁がなく一対の半錐形盛り塩成形用型が重合した際に内部に塩を収容する錐形の空洞を形成することで、手を汚すことなく片手のみで簡便、迅速に同一形状の錐形の盛り塩を大量に成形することができる。これによって、盛り塩を新しいものに定期的に交換する際、その手間が従来の方法に比べて格段に省け、交換に心的負担を感じることなく錐形の盛り塩を成形することができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、前記つかみ部は前記半錐形盛り塩成形用型の外側壁の上部から下部まで延設して該外側壁を固定したことにより、つかみ部と半錐形盛り塩成形用型との固定が強固となりそれぞれの半錐形盛り塩成形用型の重合時にはつかみ部によるはさむ力を確実に、且つ無理なく半錐形盛り塩成形用型に伝えることができると共に手を汚すことなく片手のみで安定して把持でき、簡便、迅速に同一形状の錐形の盛り塩を大量に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の実施例1による盛り塩成形器の正面図である。
【図2】図2は同じく実施例2による盛り塩成形器の斜視図である。
【図3】図3は同じく実施例3による盛り塩成形器の正面図である。
【図4】図4は同じく図1のA−A拡大端面図である。
【図5】図5は同じく側面図である。
【図6】図6は同じく斜視図である。
【図7】図7は同じく盛り塩成形器のつかみ部に左右から力を加え、一対の盛り塩成形用型を重ね合わせた状態の正面図である。
【図8】図8は同じく盛り塩を成形している状態の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図1〜8に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものでない。また、以下に説明される構成のすべてが本発明の必要要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0017】
図1は実施例1を示しており、図1に示す本発明の盛り塩成形器1(以下、本器1と称する)の全体は、腐食等に強いステンレス製の金属製板状部材等により形成され、細長板材料をU字型に二つ折りにした形状を成しており、折り返し部2、つかみ部3,3を備えた把持部4,4を有する取っ手5及び錐形の盛り塩成形用型6を左右から密着するように固定した盛り塩成形用型支持部7,7を備えている。
【0018】
使用時は、本器1の一方及び他方のつかみ部3,3に指を掛け、次に、塩が収納されている容器や袋内に、本器1の盛り塩成形用型支持部7,7と一体化した盛り塩成形用型6を力強く差し込むと盛り塩成形用型6内に錐形状に成形された盛り塩Sを作ることができる。
【0019】
図1に示す本器1によって、手を汚さずに片手で簡易、迅速に錐形の盛り塩Sを成形することができる。
【実施例2】
【0020】
図2は実施例2を示しており、実施例1と同一部分には同一符号を付している。実施例2では、図2に示す本発明の盛り塩成形器8(以下、本器2と称する)の一方の先端の支持部9には錐形盛り塩成形用型6を、他方の支持部10には盛り塩型取り用プレス栓11を取り付けたものである。
【0021】
図2に示す本器2のつかみ部3,3に指を掛け、指に力を加えて両者間を狭めていくと錐形盛り塩成形用型6の底面に盛り塩型取り用プレス栓11が合致して、錐形盛り塩成形用型6の底面に蓋ができる構造となっている。
【0022】
使用時は、本器2の一方及び他方のつかみ部3,3に指を掛け、次に、塩が収納されている容器や袋内に、本器2の一方の先端部にあたる錐形盛り塩成形用型6の支持部9と一体化した錐形盛り塩成形用型6、及び他方の支持部10と一体化した盛り塩型取り用プレス栓11を差し込み、折り返し部2の弾力性に抗して指に力を加えると錐形盛り塩成形用型6と盛り塩型取り用プレス栓11の間が狭まって、互いに両者が合致すると、錐形盛り塩成形用型6内に錐形状に成形された盛り塩Sを作ることができる。
【0023】

一方及び他方のつかみ部3,3に対する力を緩め、折り返し部2の弾力性に従うと錐形盛り塩成形用型6と盛り塩型取り用プレス栓11は互いに開いた状態になる。次に、盛り塩成形用型6の底面に小皿Dの上面を密着させ、錐形盛り塩成形用型6内に成形された錐形の盛り塩Sが、水平にした小皿Dの上面に山形に載るよう本器2の位置や方向を調整する。錐形に成形された盛り塩Sの形状を保つよう盛り塩成形用型6を小皿Dから上方に離していくと、小皿D上に錐形の盛り塩Sが完成する。
【0024】
このように、図2に示す本器2によって、手を汚さずに片手で簡易、迅速に錐形の盛り塩Sを成形することができる。
【実施例3】
【0025】
図3〜8は実施例3を示しており、実施例1と同一部分には同一符号を付している。実施例3では、図3に示す本発明の盛り塩成形器12(以下、本器3と称する)の両端部には半錐形盛り塩成形用型の支持部13,13と半錐形盛り塩成形用型14,14とを有する。
【0026】
図3は錐形を縦に二分した半錐形盛り塩成形用型14,14を、その支持部13,13にそれぞれの開口側が対向するように取り付けた状態を示す本器3の正面図であり、図4は図3のA−A拡大端面図である。
【0027】
前記半錐形盛り塩成形用型14,14のそれぞれは、その支持部13,13にそれぞれの開口側を対向して設けられるとともに、それに連なるつかみ部3,3に指をかけ、相互に挟み込む動作を行なうと、半錐形盛り塩成形用型14,14の開口側が互いに合致し、錐形の形状を成形する。
【0028】
折り返し部2は、それぞれのつかみ部3,3に使用者による力がかかっていない状態では、折り返し部2の弾力性によって一方及び他方のつかみ部3,3及びその先端に設けられた半錐形盛り塩成形用型支持部13,13及び半錐形盛り塩成形用型14,14はそれぞれが離間した状態で保持されている。
【0029】
使用時は、本器の一方及び他方のつかみ部3,3に指を掛け、次に、塩が収納されている容器や袋内に本器の半錐形盛り塩成形用型支持部13,13と一体化した半錐形盛り塩成形用型14,14を差し込み、指に力を加えて両者間を狭めると折り返し部2の弾力性に抗して半錐形盛り塩成形用型14,14間が狭まって、両者が互いに合致すると半錐形盛り塩成形用型14,14内に錐形状に成形された盛り塩Sを作ることができる。
【0030】
このように、つかみ部3,3間をせばめて成形された盛り塩Sをその成形用型から落とさないように挟む動作を持続しながら、別に用意した小皿D上に移動し、半錐形盛り塩成形用型14を下方にして本器3を垂直に立て、本器3を左右に開くと図8のとおり、載置物となる小皿D上に錐形の盛り塩Sが完成する。
【0031】
図3に示す本器3によって、手を汚さずに片手で簡易、迅速に錐形の盛り塩Sを成形することができる。
【0032】
本発明の材料について説明すれば、ステンレスよりなる金属、耐屈曲性のあるABS樹脂等のプラスチックなどである。
【0033】
対向する半錐形盛り塩成形用型14,14を重ね合わせた形状は、円錐のほか三角錐、多角錐などとしてもよい。
【0034】
半錐形盛り塩成形用型14,14の支持部13,13、つかみ部3,3、折り返し部2及び半錐形盛り塩成形用型14,14はすべて同一材料の一体化した構造としてもよいし、部分的に異なる材料を使用しても良い。
【0035】
半錐形盛り塩成形用型14,14の支持部13,13は、半錐形盛り塩成形用型14,14の装着の安定性を高めるため、半錐形盛り塩成形用型の支持部13,13は半錐形盛り塩成形用型14,14の弧に適合するように樋状に湾曲する構造となっている。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は主に家屋内や敷地内に置いて、魔除け、厄除け、方位除けに用いる盛り塩成形器である。
【符号の説明】
【0037】
1 盛り塩成形器(本器1)
2 折り返し部
3 つかみ部
4 把持部
5 取っ手
6 錐形盛り塩成形用型
7 錐形盛り塩成形用型の支持部
8 盛り塩成形器(本器2)
9 錐形盛り塩成形用型の支持部
10 盛り塩型取り用プレス栓の支持部
11 盛り塩型取り用プレス栓
12 盛り塩成形器(本器3)
13 半錐形盛り塩成形用型の支持部
14 半錐形盛り塩成形用型
D 小皿(載置物)
S 盛り塩

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の側を把持部とした取っ手の他方側に錐形盛り塩成形用型を設け、該錐形盛り塩成形用型を適量の塩に押し付けて錐形盛り塩成形用型内に塩を収容し、それを反転して載置物上に載置し盛り塩を形成することを特徴とする盛り塩成形器。
【請求項2】
前記把持部は、U字型の折り返し部を形成した一対のつかみ部を備え、一方のつかみ部の先端には錐形盛り塩成形用型を設け、他方のつかみ部の先端には盛り塩型取り用プレス栓を設け、錐形盛り塩成形用型内の塩を押圧し、錐形の盛り塩を型取りすることを特徴とする請求項1に記載の盛り塩成形器。
【請求項3】
U字型の折り返し部を形成して一対のつかみ部を備えた把持部と、前記つかみ部の端部に前記把持部と一体成形或いは前記つかみ部のそれぞれに固定した一対の半錐形盛り塩成形用型とを備え、前記半錐形盛り塩成形用型を重合し該半錐形盛り塩成形用型内に適量の塩を挟み込んで半錐形盛り塩成形用型内に収容し、載置物上で前記半錐形盛り塩成形用型を互いに離して盛り塩を形成することを特徴とする盛り塩成形器。
【請求項4】
前記半錐形盛り塩成形用型は、内部が空洞であって底壁がなく一対の半錐形盛り塩成形用型が重合した際に内部に塩を収容する錐形の空洞を形成することを特徴とする請求項3に記載の盛り塩成形器。
【請求項5】
前記つかみ部は前記半錐形盛り塩成形用型の外側壁の上部から下部まで延設して該外側壁を固定したことを特徴とする請求項3に記載の盛り塩成形器。


















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−147702(P2012−147702A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7692(P2011−7692)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【特許番号】特許第4858735号(P4858735)
【特許公報発行日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(711000519)
【Fターム(参考)】