説明

監視システム、デバイスサーバ、ホストコンピュータ、監視方法、及び監視プログラム

【課題】ホスト装置においてUSBデバイスのより詳しい接続状態を監視する。
【解決手段】デバイスサーバに接続される周辺機器の状態を監視する監視システムであって、デバイスサーバは、周辺機器を接続するための接続コネクタと、接続コネクタに前記周辺機器の接続を検知するための検知部と、接続コネクタを介して周辺機器へ電源を供給する周辺機器電源供給部と、周辺機器への電源の供給と遮断を制御し、周辺機器の情報を取得する第1の制御部と、を備え、ホストコンピュータは、デバイスサーバから周辺機器の情報を取得する第2の制御部と、周辺機器の情報を表示する表示部と、を備え、第2の制御部は、検知部からデバイスサーバに周辺機器が接続されているか否かについての検知結果を取得し、周辺機器が接続されている場合には、周辺機器に電源が供給されているか否かを区別する表示態様で周辺機器の情報を表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスサーバ装置に接続されるUSBデバイスの管理に関する。
【背景技術】
【0002】
USBデバイスの待機時のバスパワーによる無駄な電力消費をなくし、必要なときのみ電力を供給できる方法および装置が知られている(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−310796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、USBデバイスサーバは、ホスト装置からUSBデバイスの情報の取得の要請があると、USBデバイスの電源がオンしている場合には、USBデバイスから情報を取得し、ホスト装置にUSBデバイスの情報を通知していた。USBデバイスサーバは、USBデバイスの電源がオフの場合であってUSBデバイスの情報を保持していない場合、USBデバイスの電源をオンにしてUSBデバイスの情報を取得すると共にホスト装置にUSBデバイスの情報を通知していた。この場合、その後USBデバイスサーバは、USBデバイスの電源をオフにするが、USBデバイスの情報を一定期間保持する。USBデバイスサーバは、USBデバイスの電源がオフの場合であってもUSBデバイスの情報を保持している場合、USBデバイスの電源がオンのときに取得していた情報をホスト装置にレスポンスしていた。そのため、ホスト装置は、USBデバイスの情報を得ることが出来ても、USBデバイスの電源が入っているか否かが分からず、USBデバイスの接続状態を詳しく監視することができない場合があった。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決し、ホスト装置においてUSBデバイスのより詳しい接続状態を監視することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
デバイスサーバとホストコンピュータとを備え、前記デバイスサーバに接続される周辺機器の状態を監視する監視システムであって、前記デバイスサーバは、前記周辺機器を接続するための接続コネクタと、前記接続コネクタに前記周辺機器が接続されているか、否か、を検知するための検知部と、前記接続コネクタを介して前記周辺機器へ電源を供給する周辺機器電源供給部と、前記周辺機器への電源の供給と遮断を制御するとともに接続された前記周辺機器の情報を取得する第1の制御部と、を備えており、前記ホストコンピュータは、前記デバイスサーバから前記周辺機器の情報を取得する第2の制御部と、前記周辺機器の情報を表示する表示部と、を備え、前記第2の制御部は、前記検知部から前記デバイスサーバに前記周辺機器が接続されているか否かについての検知結果を取得し、前記第1の制御部から、前記周辺機器電源供給部から前記接続コネクタを介して前記周辺機器に対して電源が供給されているか否かを取得し、あるいは、利用者の指示を受けて前記第1の制御部に対して前記周辺機器への電源の供給または遮断を指示し、前記周辺機器が接続されている場合には、前記周辺機器に電源が供給されているか否かを区別する表示態様で前記周辺機器の情報を前記表示部に表示する、監視システム。
この適用例によれば、周辺機器に電源が供給されているか否かを区別して周辺機器の情報を前記表示部に表示することができるので、ホスト装置においてUSBデバイスのより詳しい接続状態を監視することが可能となる。
【0008】
[適用例2]
適用例1に記載の監視システムにおいて、前記第1の制御部は、前記ホストコンピュータの前記第2の制御部の指示に基づいて周辺機器電源供給部から前記周辺機器への電源供給を制御するとともに、前記周辺機器へのアクセスが予め定められた期間生じなかった場合には、周辺機器電源供給部から前記周辺機器への電源供給を停止するとともにその旨を前記第2の制御部に通知する、監視システム。
この適用例によれば、ホストコンピュータの指示ではなく、デバイスサーバの制御部の指示により周辺機器への電源供給が停止された場合でも、ホスト装置においてUSBデバイスのより詳しい接続状態を監視することが可能となる。
【0009】
[適用例3]
適用例1又は適用例2に記載の監視システムにおいて、前記接続コネクタが複数ある場合には、前記第1の制御部は、前記複数の接続コネクタに対して、独立して電源供給を制御可能である、監視システム。
この適用例によれば、複数の周辺機器を独立して監視できるので、USBデバイスごとの接続状態を監視することが可能となる。
【0010】
[適用例4]
ホストコンピュータと接続されるとともに、少なくとも1台の周辺機器が接続され得るデバイスサーバであって、前記周辺機器を接続するための接続コネクタと、前記接続コネクタに前記周辺機器が接続されているか、否か、を検知するための検知部と、前記接続コネクタを介して前記周辺機器へ電源を供給する周辺機器電源供給部と、前記周辺機器への電源の供給と遮断を制御するとともに接続された前記周辺機器の情報を取得して前記情報を前記ホストコンピュータに送る制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知部により前記周辺機器が接続されているか否かを検知し、前記周辺機器電源供給部から前記周辺機器に対して電源を供給させているか否かを判断し、前記周辺機器が接続され、かつ、前記周辺機器に電源が供給されている場合には、前記周辺機器の情報を前記ホストコンピュータに送信し、前記周辺機器が接続され、かつ、前記周辺機器に対する電源供給をさせていない場合には、前記周辺機器が接続されていたときに取得された前記周辺機器の情報を前記ホストコンピュータに送信すると共に、前記周辺機器に対する電源供給をさせていないことを示す情報を前記ホストコンピュータに送信し、前記検知部により前記周辺機器が接続されていないことを検知した場合には、前記周辺機器の情報を破棄する、デバイスサーバ。
【0011】
[適用例5]
デバイスサーバにおける周辺機器の接続状態を監視するホストコンピュータであって、前記デバイスサーバから前記周辺機器の情報を取得する制御部と、前記周辺機器の情報を表示する表示部と、を備え、前記制御部は、前記デバイスサーバに設けられている検知部であって、前記デバイスサーバの前記周辺機器を接続するための接続コネクタに前記周辺機器が接続されているか、否か、を検知するための検知部から前記デバイスサーバに前記周辺機器が接続されているか否かについての検知結果を取得し、前記デバイスサーバの周辺機器電源供給部から前記接続コネクタを介して前記周辺機器に対して電源が供給されているか否かを取得し、あるいは、利用者の指示を受けて前記デバイスサーバに対して前記周辺機器への電源の供給または遮断を指示し、前記周辺機器が接続されている場合には、前記周辺機器に電源が供給されているか否かを区別する表示態様で前記周辺機器の情報を前記表示部に表示する、ホストコンピュータ。
【0012】
[適用例6]
デバイスサーバにおける周辺機器の接続状態を監視する監視方法であって、前記デバイスサーバは、前記周辺機器を接続するための接続コネクタと、前記接続コネクタに前記周辺機器が接続されているか、否か、を検知するための検知部と、前記接続コネクタを介して前記周辺機器へ電源を供給する周辺機器電源供給部と、前記周辺機器への電源の供給と遮断を制御するとともに接続された前記周辺機器の情報を取得する第1の制御部と、を備え、前記ホストコンピュータは、前記デバイスサーバから前記周辺機器の情報を取得する第2の制御部と、前記周辺機器の情報を表示する表示部と、を備えており、前記監視方法は、前記検知部から前記デバイスサーバに前記周辺機器が接続されているか否かについての検知結果を取得し、前記第1の制御部から、前記周辺機器電源供給部から前記接続コネクタを介して前記周辺機器に対して電源が供給されているか否かを取得し、あるいは、利用者の指示を受けて実行される前記第1の制御部に対して前記周辺機器への電源の供給または遮断を検知し、前記第2の制御部は、前記周辺機器が接続されている場合には、前記デバイスサーバの動作状態について、前記周辺機器に電源が供給されているか否かを区別する表示態様で前記表示部に表示させる、監視方法。
【0013】
[適用例7]
デバイスサーバにおける周辺機器の接続状態を監視する監視プログラムであって、前記デバイスサーバは、前記周辺機器を接続するための接続コネクタと、前記接続コネクタに前記周辺機器が接続されているか、否か、を検知するための検知部と、前記接続コネクタを介して前記周辺機器へ電源を供給する周辺機器電源供給部と、前記周辺機器への電源の供給と遮断を制御するとともに接続された前記周辺機器の情報を取得する第1の制御部と、を備え、前記ホストコンピュータは、前記デバイスサーバから前記周辺機器の情報を取得する第2の制御部と、前記周辺機器の情報を表示する表示部と、を備えており、前記監視プログラムは、前記ホストコンピュータに対し、前記検知部から前記デバイスサーバに前記周辺機器が接続されているか否かについての検知結果を取得させる機能と、前記第1の制御部から、前記周辺機器電源供給部から前記接続コネクタを介して前記周辺機器に対して電源が供給されているか否かを取得し、あるいは、利用者の指示を受けて実行される前記第1の制御部に対して前記周辺機器への電源の供給または遮断を検知させる機能と、前記周辺機器が接続されている場合には、前記デバイスサーバの動作状態について、前記周辺機器に電源が供給されているか否かを区別する表示態様で前記表示部に表示させる機能と、を実現させる監視プログラム。
【0014】
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、監視システムの他、デバイスサーバ、ホストコンピュータ、監視方法、監視プログラム等、様々な形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施例のUSBデバイス監視システムを示す説明図である。
【図2】USBデバイス監視システムの動作フローチャートを示す説明図である。
【図3】USBデバイスの監視状態の遷移を示す説明図である。
【図4】USBデバイス接続時の動作を示す説明図である。
【図5】USBデバイスの切断動作を示す説明図である。
【図6】USBデバイスの再接続時の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本実施例のUSBデバイス監視システムを示す説明図である。USBデバイス監視システムは、ホストコンピュータ10と、デバイスサーバ20と、を備える。本実施例では、USBデバイス監視システムは、USBデバイスであるハードディスク30と、TVチューナー40と、を監視する。なお、本実施例では、ハードディスクを監視する場合を例にとり説明するが、監視対象であるUSBデバイスは、ハードディスクに限られず、プリンタ、スキャナなどUSBケーブルで接続可能な様々な周辺機器を監視対象とすることができる。
【0017】
ホストコンピュータ10と、デバイスサーバ20とは、LANケーブル50により接続されており、デバイスサーバ20と、ハードディスク30とは、USBケーブル60により接続され、デバイスサーバ20と、TVチューナー40とは、USBケーブル61により接続されている。デバイスサーバ20は、請求項のデバイスサーバに相当し、ハードディスク30とTVチューナー40は、USBデバイスであり、請求項の周辺機器に相当する。ホストコンピュータ10は、ディスプレイ11を備えており、ディスプレイ11に、USBデバイスの監視状態を表示させる。
【0018】
ホストコンピュータ10は、CPU100と、RAM110と、ROM120と、ハードディスク130と、LAMポート140と、出力インターフェース150と、を備える。ハードディスク130には、USBデバイス管理プログラム131が格納されている。USBデバイス管理プログラム131は、デバイスサーバ20に接続されたUSBデバイスの動作状態の監視及び管理を行う。出力インターフェース150には、ディスプレイ11が接続されている。
【0019】
デバイスサーバ20は、CPU200と、RAM210と、ROM220と、LANポート240と、USBポートA250、USBポートB251と、スイッチ260、261と、USBバス電源供給部270と、を備える。LANポート240には、LANケーブル50が接続され、LANケーブル50を介してホストコンピュータ10とデバイスサーバ20とが、接続されている。USBポートA250には、USBケーブル60を介して、ハードディスク30が接続され、USBポートB251には、USBケーブル61を介して、TVチューナー40が接続されている。なお、USBポートA250とUSBポートB251は等価であるので、USBポートA250にTVチューナー40を接続し、USBポートB251にハードディスク30を接続してもよい。スイッチ260は、USBポートA250にUSBケーブル60が接続されているか否かを検知し、スイッチ261は、USBポートB251にUSBケーブル61が接続されているか否かを検知する。
【0020】
USBバス電源供給部270は、CPU200からの指示を受けて、USBポートA250、USBポートB251へのバス電源の供給を制御する。CPU200は、ホストコンピュータ10からの指示あるいは、一定期間USBデバイスへの通信が要求されなかった時に、USBポートA250、USBポートB251へのバス電源の供給を停止する。なお、CPU200は、USBポートA250へのバス電源の供給と、USBポートB251へのバス電源の供給とを、独立して制御する。例えば、CPU200は、一方のUSBポートA250へはバス電源を供給させ、他方のUSBポートB251へはバス電源の供給を停止させるができる。
【0021】
図2は、USBデバイス監視システムの動作フローチャートを示す説明図である。このフローチャートの説明においては、USBデバイス監視システムの動作状態を、スタート状態、デバイス無し状態、電源オフ状態、使用可能状態、使用中状態の5つの状態に分けて、説明する。
【0022】
スタート状態では、先ず、ステップS200において、デバイスサーバ20が起動する。具体的には、管理者によりデバイスサーバ20の電源スイッチ(図示せず)を入れられることにより、デバイスサーバ20が起動する。この段階で、ホストコンピュータ10とデバイスサーバがLANケーブル50を介して通信可能となる。ホストコンピュータ10のCPU100は、デバイスサーバ20が起動したことを検知すると、ハードディスク130からUSBデバイス管理プログラム131を読み出して起動し、USBデバイスの監視及び管理を開始する。なお、CPU100は、デバイスサーバ20の起動の有無にかかわらず、管理者からの指示により、USBデバイス管理プログラム131を実行することができる。
【0023】
ステップS202において、デバイスサーバ20のCPU200は、USBポートA250にUSBケーブル60が接続された否かを判断する。USBケーブル60が接続された場合には、デバイスサーバ20のCPU200は、処理をステップS230に移行する。CPU200は、USBポートA250にUSBケーブル60が接続されたか否かについて、スイッチ260の状態に基づいて容易に判断することができる。CPU200は、スイッチ260の状態を、ホストコンピュータ10に伝える。処理がステップS230に移行すると、監視システムの動作状態は、使用可能状態に移行する。USBケーブル60が接続されない場合には、接続されるまで待機する。USBケーブル60がUSBポートA250に接続されていない場合、監視対象のUSBデバイスが存在しないことになる。
【0024】
USBデバイス監視システムの状態が使用可能状態に遷移すると、USBデバイス監視システムは、以下のように動作する。ステップS230において、デバイスサーバ20のCPU200は、ハードディスク30を起動する。この処理には、後述するように、USBポートA250へのバス電源を供給するVbus通電処理と、ハードディスク30をデバイスサーバ20にソフト的に接続するマウント処理と、ハードディスク30がソフト的に接続され、デバイスサーバ20とオンラインになったことをホストコンピュータ10に通知するオンライン情報通知処理とを含んでいる。ハードディスク30と、デバイスサーバ20との間の通信がオンラインとなると、デバイスサーバ20のCPU200は、ハードディスクの情報を取得することが可能となる。
【0025】
ステップS234では、CPU200は、ホストコンピュータ10からのハードディスク30の接続要求を待機する。ホストコンピュータ10からハードディスク30の接続要求があれば、CPU200は、処理をステップS240に移行し、USBデバイス監視システムの動作状態を使用中状態に移行する。一方、ハードディスクの接続要求が無ければ、CPU200は、処理をステップS236に移行する。
【0026】
ステップS236では、CPU200は、ホストコンピュータ10からのハードディスク30に対する電源供給のオフの指示を待機する。ホストコンピュータ10から、ハードディスク30に対する電源供給オフの指示があれば、CPU200は、処理をステップS220に移行し、USBデバイス監視システムの動作状態を電源オフ状態に移行する。なお、上述したように、CPU200は、ハードディスクとの通信が一定期間以上行われなかった場合にもUSBデバイス監視システムの動作状態を電源オフ状態に移行することができる。一方、ハードディスク30に対する電源供給オフの指示が無ければ、CPU200は、処理をステップS238に移行する。
【0027】
ステップS238では、CPU200は、ハードディスク30に接続されたUSBケーブル60がUSBポートA250から引き抜かれたか、否か、を判断する。CPU200は、スイッチ260の状態を監視することにより、この判断を容易に行うことが出来る。USBケーブル60がUSBポートA250から引き抜かれた場合には、CPU200は、処理をステップS210に移行し、USBデバイス監視システムの動作状態をデバイス無し状態に移行する。一方、USBケーブル60がUSBポートA250から引き抜かれていない場合には、CPU200は、処理をステップS234に移行し、上記説明した処理(ステップS234〜S238)を繰り返す。
【0028】
次に、USBデバイス監視システムの動作状態が使用中状態の場合について説明する。ステップS240では、ホストコンピュータ10とハードディスク30とを接続する。具体的には、ステップS242で、ホストコンピュータ10のCPU100は、ハードディスク接続用のソフトウエア(ドライバ)をインストールする。これにより、ホストコンピュータ10と、ハードディスク30とは、ソフトウエア的に接続され、ホストコンピュータ10は、ハードディスク30内のファイルを読み書きすることが可能となる。ステップS244において、ホストコンピュータ10から切断要求があると、CPU100は、ハードディスクのアンマウントを実行する。これにより、USBデバイス監視システムの処理はステップS234に移行し、動作状態は使用可能状態に戻る。なお、切断要求がない場合には、CPU200は、ステップS246において予め定められた時間が経過したか否かを判断する。予め定められた時間が経過した場合には、CPU200は、処理をステップS234に移行し、動作状態を使用可能状態に移行させる。一方、経過していない場合には、処理をステップS244に移行し、ステップS244、S246の処理を繰り返す。
【0029】
次に、USBデバイス監視システムの動作状態が電源オフ状態である場合について説明する。ステップS220では、CPU200は、ハードディスク30をアンマウントする。これにより、ハードディスク30は、デバイスサーバ20にハードウエア的には接続されているが、ソフトウエア的には接続されていない状態となる。次いで、ステップS222において、CPU200は、USBバス電源供給部270に対しハードディスク30への電源供給停止を指示し、ハードディスク30への電源供給を停止する。ステップS224では、CPU200は、ホストコンピュータ10に対してオフライン情報を通知する。これにより、CPU200は、ホストコンピュータ10に対し、ハードディスク30がオフラインになったことを知らせる。例えば、ハードディスク30へのアクセスが一定期間無かった場合には、上述したように、デバイスサーバ20のCPU200が、ハードディスク30への電源供給を停止させてオフラインにする。かかる場合、ホストコンピュータ10は、デバイスサーバ20がバス電源の供給を停止したことが分からない。したがって、デバイスサーバのCPU200は、ホストコンピュータ10に対してオフライン情報を通知する。
【0030】
ステップS226では、CPU200は、ホストコンピュータ10からの、ハードディスク30への電源供給の開始(再接続)の指示を待機する。ホストコンピュータ10から、ハードディスク30への電源供給の開始の指示があれば、CPU200は、処理をステップS230に移行し、USBデバイス監視システムの動作状態を、使用可能状態に移行する。
【0031】
次に、USBデバイス監視システムの動作状態がデバイス無し状態の場合について説明する。ステップS210では、USBデバイスの情報を、デバイスサーバ20にUSBデバイスが接続されている状態から、デバイスが接続されていない状態(デバイスが無い状態)に変更する。ステップS212では、予め定められた時間、デバイス情報を保持する。この期間が経過すると、CPU200は、デバイス情報を破棄し、処理をステップS202に移行して、スタート状態に移行する。一方、この期間が経過しない間は、ステップS214において、CPU200は、再びUSBポートA250にUSBケーブル60が接続されるのを待機する。USBポートA250にUSBケーブル60が接続された場合には、CPU200は、処理をステップS230に移行し、ハードディスク30を起動する。一方、接続されない場合には、処理をステップS212に移行する。以後、CPU200は、ステップS212、S214の処理を繰り返す。
【0032】
図3は、USBデバイスの監視状態の遷移を示す説明図である。USBデバイスの監視システムは、図に示すように、使用可能状態を中心として、相互に遷移することが可能である。
【0033】
例えば、スタート状態から使用可能状態への遷移は、図2のステップS202の処理、すなわち、使用したいUSBデバイスに接続されたUSBケーブル60をデバイスサーバ20のUSBポートA250(図1)に接続することにより、実行される。なお、使用可能状態からスタート状態へは、直接遷移することはできない。
【0034】
使用可能状態から使用中状態への遷移は、図2のステップS234の処理、すなわち、ホストコンピュータ10からの接続要求により実行される。逆に、使用中状態から使用可能状態への遷移は、図2のステップS244の処理、すなわち、ホストコンピュータ10(図1)からの切断要求、あるいはステップS246の処理、すなわち一定期間アクセスがないとき(タイムアウト)に実行される。
【0035】
使用可能状態から電源オフ状態への遷移は、図2のステップS236の処理、すなわちホストコンピュータ10(図1)からのUSBバス電源の電源供給停止要求(電源オフ要求)により、実行される。一方、電源オフ状態から使用可能状態への遷移は、図2のステップS226の処理、すなわちホストコンピュータ10からのUSBバス電源の電源供給要求(電源オン要求)により実行される。
【0036】
使用可能状態からバイス無し状態への遷移は、図2のステップS214の処理、すなわちUSBポートA250(図1)からUSBケーブル60を引き抜くことにより、実行される。一方、デバイス無し状態から使用可能状態への遷移は、図2のステップS214の処理、すなわちUSBポートA250にUSBケーブル60を差し込むことにより実行される。
【0037】
デバイス無し状態からスタート状態への遷移は、図2のステップS212の処理、すなわち、USBケーブル60(図1)がUSBポートA250から引き抜かれてから、予め定められた情報保持時間が経過したときに実行される。なお、スタート状態からデバイス無し状態に遷移することはできない。
【0038】
図4は、USBデバイス接続時の動作を示す説明図である。図4(A)は、ディスプレイ11に表示される管理画面を示す説明図であり、図4(B)は、動作フローチャートである。ここでは、すでにUSBポートB251にTVチューナー40が接続されており、新たにUSBポートA250にハードディスク30が接続される場合について説明する。また、フローチャートでは、各処理ステップについて、ホストコンピュータ10が行うのか、デバイスサーバ20が行うのか、を区別して表示している。ハードディスク30のUSBケーブル60がUSBポートA250に接続される前の状態では、USBポートB251のみにTVチューナー40が接続されている状態であるので、図4(A)に示すように、USBデバイスの管理画面には、「USB Device B」の表示のみがされている。
【0039】
ステップS202では、CPU200は、USBポートA250にUSBケーブル60が接続されるか否かを判断する。この処理については図2のフローチャートの説明において、すでに説明している。なお、図4以降において、図2のフローチャートと同じ処理ステップについては同じ符合を付している。ステップS231では、デバイスサーバ20のCPU200は、USBバス電源供給部270に対しハードディスク30への電源供給を指示する。ステップS232では、CPU200は、ハードディスク30のマウント処理を実行する。そして、ステップS233では、CPU200は、ハードディスク30がオンラインとなったことをホストコンピュータ10に通知する。この3つの処理により、ハードディスク30(USBデバイス)の起動が完了する。図2においては、ステップS231〜S233の処理を合わせてUSBデバイス起動(ステップS230)としている。
【0040】
ステップS242では、ホストコンピュータ10のCPU100は、ハードディスク接続用のソフトウエア(ドライバ)をインストールする。そして、ステップS243でホストコンピュータ10とハードディスク30との間の接続が完了し、ハードディスク30は、ホストコンピュータ10からファイルを読み書き可能な動作可能状態となる。ハードディスク30の接続が完了すると、USBデバイスの管理画面には、「USB Device B」の表示に加えて、「USB Device A」の表示がされる。
【0041】
図5は、USBデバイスの切断動作を示す説明図である。図5(A)は、ディスプレイ11に表示される管理画面を示す説明図であり、図5(B)は、動作フローチャートである。ステップS235では、ホストコンピュータ10は、デバイスサーバ20に対して、デバイス切断コマンドを送る。ステップS236では、デバイスサーバ20は、電源オフ指示を受信し、処理をステップS220に移行する。ステップS220では、CPU200は、ハードディスク30のアンマウント処理を実行し、次いでステップS222において、バス電源の供給を停止する。ステップS224では、CPU200は、ハードディスク30がオフラインにした旨をホストコンピュータに送信する。なお、CPU200は、ホストコンピュータ10からの切断要求が無い場合であっても、ホストコンピュータ10からハードディスク30へのアクセスが一定期間なかった場合には、上記処理を実行することができる。
【0042】
ステップS225においては、CPU100は、USBデバイスの管理画面の状態を変更する。具体的には、図5(A)に示すように「USB Device A」の表示をグレー表示にする。このグレー表示により、利用者に対し、ハードディスク30は、デバイスサーバに対して接続されているが、ハードディスク30の電源がオフになっていることを知らしめることが出来る。すなわち、本実施例によれば、管理画面に表示されるUSBデバイスの表示を変更することにより、利用者に対し、当該USBデバイスの電源がオン状態なのか、オフ状態なのかを知らせることが可能となる。
【0043】
図6は、USBデバイスの再接続時の動作を示す説明図である。図6(A)は、ディスプレイ11に表示される管理画面を示す説明図であり、図6(B)は、動作フローチャートである。ステップS226では、ホストコンピュータ10のCPU100は、ハードディスク30の再接続要求を実行する。この要求は、例えば、ハードディスク30への電源供給指示によっても行うことが出来る。ステップS231ではバス電源の供給処理が実行され、ステップS232ではハードディスクのマウント処理が実行され、ステップS233ではオンライン情報の通知がされ、ハードディスクの起動が完了するが、これらについてはUSBデバイス接続時の動作の説明ですでに説明しているので、説明を省略する。ステップS241では、ハードディスク接続用のソフトウエア(ドライバ)がインストールされていることを確認する。通常、再接続の場合には、ハードディスク接続用のソフトウエア(ドライバ)は、インストールされている状態にある。しかし、何らかの理由でドライバがアンインストールされていた場合には、ホストコンピュータ10のCPU100は、ステップS242において、ドライバをインストール(再インストール)する。そして、ステップS243でハードディスク30の接続が完了し、ハードディスク30は、動作可能状態となる。ステップS243においては、ホストコンピュータ10は、ハードディスク30のファイルの読み書きが可能となる。このとき、CPU100は、図6(A)に示すように、USBデバイスの管理画面の「USB Device A」のグレー表示を通常の表示に変更する。
【0044】
以上、本実施例によれば、CPU100は、ハードディスク30が接続されている場合には、ハードディスクに電源が供給されているか否かを区別してハードディスク30の情報をディスプレイ11に表示させるので、ホストコンピュータ10においてハードディスク30のより詳しい接続状態を監視することが可能となる。
【0045】
本実施例では、ハードディスク30の監視を例にとり説明したが、監視対象は、TVチューナー40であってもよく、他のUSBデバイスが接続される場合には、そのUSBデバイスであってもよい。
【0046】
本実施例では、周辺機器がUSBにより接続される場合を例にとり説明したが、デバイスサーバと周辺機器の接続はUSBに限られず、他の接続、例えばIEEE1394による接続であってもよい。
【0047】
本実施例では、USBポートA250にUSBケーブル60が接続されているか否かをスイッチ260により検知しているが、スイッチ以外の検知機器、例えばセンサを用いてもよい。
【0048】
本実施例では、USBポートA250にUSBケーブル60が接続されていない状態では、ハードディスク30(USBデバイス)の情報を表示せず、USBポートA250にUSBケーブル60が接続されている状態では、ハードディスク30に電源が供給されている状態では通常表示、電源が供給されていない状態ではグレー表示し、区別しているが、区別の方法はグレー表示に限らず様々な表示が可能であり、電源が供給されていない場合には、「×」などの表示を加えてもよく、また、電源供給されている場合にフラグを立てるようにしてもよい。
【0049】
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【符号の説明】
【0050】
10…ホストコンピュータ
11…ディスプレイ
20…デバイスサーバ
30…ハードディスク
40…TVチューナー
50…LANケーブル
60、61…USBケーブル
100…CPU
110…RAM
120…ROM
130…ハードディスク
131…USBデバイス管理プログラム
140…LANポート
150…出力インターフェース
200…CPU
210…RAM
220…ROM
240…LANポート
250、251…USBポート
260、261…スイッチ
270…USBバス電源供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスサーバとホストコンピュータとを備え、前記デバイスサーバに接続される周辺機器の状態を監視する監視システムであって、
前記デバイスサーバは、
前記周辺機器を接続するための接続コネクタと、
前記接続コネクタに前記周辺機器が接続されているか、否か、を検知するための検知部と、
前記接続コネクタを介して前記周辺機器へ電源を供給する周辺機器電源供給部と、
前記周辺機器への電源の供給と遮断を制御するとともに接続された前記周辺機器の情報を取得する第1の制御部と、を備えており、
前記ホストコンピュータは、
前記デバイスサーバから前記周辺機器の情報を取得する第2の制御部と、
前記周辺機器の情報を表示する表示部と、
を備え、
前記第2の制御部は、
前記検知部から前記デバイスサーバに前記周辺機器が接続されているか否かについての検知結果を取得し、
前記第1の制御部から、前記周辺機器電源供給部から前記接続コネクタを介して前記周辺機器に対して電源が供給されているか否かを取得し、あるいは、利用者の指示を受けて前記第1の制御部に対して前記周辺機器への電源の供給または遮断を指示し、
前記周辺機器が接続されている場合には、前記周辺機器に電源が供給されているか否かを区別する表示態様で前記周辺機器の情報を前記表示部に表示する、監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視システムにおいて、
前記第1の制御部は、
前記ホストコンピュータの前記第2の制御部の指示に基づいて周辺機器電源供給部から前記周辺機器への電源供給を制御するとともに、
前記周辺機器へのアクセスが予め定められた期間生じなかった場合には、周辺機器電源供給部から前記周辺機器への電源供給を停止するとともにその旨を前記第2の制御部に通知する、監視システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の監視システムにおいて、
前記接続コネクタが複数ある場合には、前記第1の制御部は、前記複数の接続コネクタに対して、独立して電源供給を制御可能である、監視システム。
【請求項4】
ホストコンピュータと接続されるとともに、少なくとも1台の周辺機器が接続され得るデバイスサーバであって、
前記周辺機器を接続するための接続コネクタと、
前記接続コネクタに前記周辺機器が接続されているか、否か、を検知するための検知部と、
前記接続コネクタを介して前記周辺機器へ電源を供給する周辺機器電源供給部と、
前記周辺機器への電源の供給と遮断を制御するとともに接続された前記周辺機器の情報を取得して前記情報を前記ホストコンピュータに送る制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記検知部により前記周辺機器が接続されているか否かを検知し、
前記周辺機器電源供給部から前記周辺機器に対して電源を供給させているか否かを判断し、
前記周辺機器が接続され、かつ、前記周辺機器に電源が供給されている場合には、前記周辺機器の情報を前記ホストコンピュータに送信し、
前記周辺機器が接続され、かつ、前記周辺機器に対する電源供給をさせていない場合には、前記周辺機器が接続されていたときに取得された前記周辺機器の情報を前記ホストコンピュータに送信すると共に、前記周辺機器に対する電源供給をさせていないことを示す情報を前記ホストコンピュータに送信し、
前記検知部により前記周辺機器が接続されていないことを検知した場合には、前記周辺機器の情報を破棄する、
デバイスサーバ。
【請求項5】
デバイスサーバにおける周辺機器の接続状態を監視するホストコンピュータであって、
前記デバイスサーバから前記周辺機器の情報を取得する制御部と、
前記周辺機器の情報を表示する表示部と、
を備え、
前記制御部は、
前記デバイスサーバに設けられている検知部であって、前記デバイスサーバの前記周辺機器を接続するための接続コネクタに前記周辺機器が接続されているか、否か、を検知するための検知部から前記デバイスサーバに前記周辺機器が接続されているか否かについての検知結果を取得し、
前記デバイスサーバの周辺機器電源供給部から前記接続コネクタを介して前記周辺機器に対して電源が供給されているか否かを取得し、あるいは、利用者の指示を受けて前記デバイスサーバに対して前記周辺機器への電源の供給または遮断を指示し、
前記周辺機器が接続されている場合には、前記周辺機器に電源が供給されているか否かを区別する表示態様で前記周辺機器の情報を前記表示部に表示する、ホストコンピュータ。
【請求項6】
デバイスサーバにおける周辺機器の接続状態を監視する監視方法であって、
前記デバイスサーバは、
前記周辺機器を接続するための接続コネクタと、
前記接続コネクタに前記周辺機器が接続されているか、否か、を検知するための検知部と、
前記接続コネクタを介して前記周辺機器へ電源を供給する周辺機器電源供給部と、
前記周辺機器への電源の供給と遮断を制御するとともに接続された前記周辺機器の情報を取得する第1の制御部と、を備え、
前記ホストコンピュータは、
前記デバイスサーバから前記周辺機器の情報を取得する第2の制御部と、
前記周辺機器の情報を表示する表示部と、
を備えており、
前記監視方法は、
前記検知部から前記デバイスサーバに前記周辺機器が接続されているか否かについての検知結果を取得し、
前記第1の制御部から、前記周辺機器電源供給部から前記接続コネクタを介して前記周辺機器に対して電源が供給されているか否かを取得し、あるいは、利用者の指示を受けて実行される前記第1の制御部に対して前記周辺機器への電源の供給または遮断を検知し、
前記第2の制御部は、前記周辺機器が接続されている場合には、前記デバイスサーバの動作状態について、前記周辺機器に電源が供給されているか否かを区別する表示態様で前記表示部に表示させる、監視方法。
【請求項7】
デバイスサーバにおける周辺機器の接続状態を監視する監視プログラムであって、
前記デバイスサーバは、
前記周辺機器を接続するための接続コネクタと、
前記接続コネクタに前記周辺機器が接続されているか、否か、を検知するための検知部と、
前記接続コネクタを介して前記周辺機器へ電源を供給する周辺機器電源供給部と、
前記周辺機器への電源の供給と遮断を制御するとともに接続された前記周辺機器の情報を取得する第1の制御部と、を備え、
前記ホストコンピュータは、
前記デバイスサーバから前記周辺機器の情報を取得する第2の制御部と、
前記周辺機器の情報を表示する表示部と、
を備えており、
前記監視プログラムは、前記ホストコンピュータに対し、
前記検知部から前記デバイスサーバに前記周辺機器が接続されているか否かについての検知結果を取得させる機能と、
前記第1の制御部から、前記周辺機器電源供給部から前記接続コネクタを介して前記周辺機器に対して電源が供給されているか否かを取得し、あるいは、利用者の指示を受けて実行される前記第1の制御部に対して前記周辺機器への電源の供給または遮断を検知させる機能と、
前記周辺機器が接続されている場合には、前記デバイスサーバの動作状態について、前記周辺機器に電源が供給されているか否かを区別する表示態様で前記表示部に表示させる機能と、
を実現させる監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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