説明

監視システム、警備システム、および侵入者検知方法

【課題】警備を継続した状態で警報の誤報を防止する。
【解決手段】制御装置100は、信号送信部103が送信した通信信号と第1信号受信部104が受信した通信信号とが一致した場合人体通信が確立したと判定する判定部105と、人体通信が確立した場合、人体通信が確立した旨と受信したRFID信号とを監視センタ200に送信し、警報の出力の有無を受信する送受信部107と、受信した警報の出力の有無により警報を出力または出力解除する警報出力部108とを備え、監視センタ200は、人体通信が確立した旨とRFID信号とを受信する送受信部201と、受信したRFID信号と信号一覧情報のRFID信号とが一致したか否かにより、RFIDタグ10の携帯者が侵入者か否かを判断する判断部202とを備え、送受信部201は、侵入者か否かにより警報の出力の有無を制御装置100に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性を有するフェンスを乗り越えようとする侵入者を検知する監視システム、警備システム、および侵入者検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、金網フェンス(導電性を有するフェンス)は、重要施設(発電所など)や危険区域(変電所、崖、河川など)等に対する人の侵入を困難にすることを目的として設置されており、侵入を困難にはするが、侵入そのものを防御することができない。このため、侵入者が金網フェンスの網の目に手と足をかけてよじ登り、これを乗り越えて侵入してしまう場合がある。
【0003】
上述のような、侵入者による金網フェンスの乗り越えを検知する方法として、例えば、光ファイバーを用いることが考えられる。この方法では、あらかじめ光ファイバーを、金網のラインに沿って配線しておき、光ファイバーの一端から光を投光し、他端からその光を観測する。そして、侵入者が金網フェンスをよじ登ろうとして、金網フェンスの網の目に手や足をかけると、その重みによって光ファイバーの形状が変化するため、光の屈折が発生し、観測している光にひずみが生じる。これをセンシングすることにより、侵入者による金網フェンスの乗り越えを検知できる。
【0004】
しかしながら、光ファイバーによる侵入検知には、以下のような問題がある。まず、侵入の意思がない人が、金網フェンスに寄りかかったり、網の目に手をかけたりした場合であっても、光の屈折が発生するため誤検知が生じてしまう。また、強風が金網フェンスに吹きつけた場合も、光の屈折が発生するため誤検知が生じてしまう。さらに、鳥などの小動物が金網フェンスに留まったり、ある程度の大きさのものが金網フェンスに当たった場合も、光の屈折が発生するため誤検知が生じてしまう。
【0005】
上記問題を解決するには、物理的な圧力をトリガーとしない検知技術が必要となる。ここで、例えば、人体通信技術を利用した通信機器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この人体通信技術とは、人体が微弱な電流を流したり、電荷をためたりすることを応用したものであり、人体を通信媒体として信号を送受信させる技術である。上記特許文献1の通信機器では、ユーザ(人)が移動端末と表示装置とに触れた場合に、ユーザの人体を介して、表示装置から移動端末に表示装置の機器識別情報が送信される。そして、当該機器識別情報に基づいて、移動端末と表示装置との通信を確立し、画像などの情報を送信するものである。
【0006】
このような人体通信技術の特徴として、ユーザが電極に直接触れなくても、すなわち、電極と人体との間に薄い絶縁物があったとしても、人体を介して信号が送受信できることが挙げられる。このため、薄い絶縁物でコーティングされている金網フェンスを、送信電極と受信電極に見立てることで、人体通信技術を利用し、侵入者による金網フェンスの乗り越えを検知して、警報を出力することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−260800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のような人体通信技術を利用して侵入者検知および警報出力を行った場合、金網フェンスの部分的な補修を行ったりするために金網フェンスをよじ登る作業者など、正当な理由で金網フェンスの乗り越えようとする者を検知した場合でも、誤って警報を出力してしまうという問題があった。
【0009】
また、そのように正当な理由で金網フェンスを乗り越えようとする者を検知した場合に、誤って警報を出力しないようにするには、補修などの作業中は金網フェンスを乗り越えようとする侵入者を検知する警備を解除し、作業が終了した時に警備を再度開始する必要があった。この場合、所定の監視処理を行う監視センタに金網フェンスの作業の開始および終了を連絡したり、金網フェンスの警備解除および警備開始の操作を行なう必要があった。さらに、金網フェンスの警備を解除してから再度開始するまでの間や、警備開始の操作を失念した場合には、金網フェンスの警備が行われていない無防備な状態が生ずるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、金網フェンス等を乗り越えようとする侵入者と正当な理由で金網フェンスの乗り越えようとする者とを識別することで、侵入者検知の警備を継続した状態で、警報の誤報を防止する監視システム、警備システム、および侵入者検知方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、導電性を有するフェンスにおける第1領域である送信電極と、前記フェンスにおける第2領域である受信電極と、制御装置と、所定の監視処理を実行する監視センタとを備えた監視システムにおいて、前記制御装置は、前記送信電極に第1信号を送信する信号送信手段と、前記受信電極から第2信号を受信する第1信号受信手段と、人が携帯する媒体であって、第3信号を送信する携帯型記録媒体と、前記携帯型記録媒体から識別情報を含む前記第3信号を受信する第2信号受信手段と、前記信号送信手段が送信した前記第1信号と、前記第1信号受信手段が受信した前記第2信号とが一致した場合、人体が前記送信電極と前記受信電極とに接触し、人体を通信媒体として信号が送受信される人体通信が確立したと判定する判定手段と、前記人体通信が確立した場合、人体通信が確立した旨と、前記第3信号とを、前記監視センタに送信する第1送信手段と、前記監視センタから、警報の出力を解除する旨または警報を出力する旨を受信する第1受信手段と、警報の出力を解除する旨を受信した場合は警報の出力を解除し、警報を出力する旨を受信した場合は警報を出力する警報出力手段と、を備え、前記監視センタは、前記第3信号の識別情報と、前記携帯型記録媒体を携帯する者の属性とを対応付けた信号一覧情報を記憶する記憶手段と、前記制御装置から、人体通信が確立した旨と、前記第3信号とを受信する第2受信手段と、受信した前記第3信号の識別情報と、前記信号一覧情報における前記第3信号の識別情報とを照合し、受信した前記第3信号と前記信号一覧情報の前記第3信号とが一致した場合、前記携帯型記録媒体を携帯する者は侵入者ではないと判断し、受信した前記第3信号と前記信号一覧情報の前記第3信号とが一致しなかった場合、前記携帯型記録媒体を携帯する者が侵入者であると判断する判断手段と、侵入者ではないと判断された場合、警報の出力を解除する旨を前記制御装置に送信し、侵入者であると判断された場合、警報を出力する旨を前記制御装置に送信する第2送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、導電性を有するフェンスにおける第1領域である送信電極と、前記フェンスにおける第2領域である受信電極と、制御装置とを備えた警備システムにおいて、前記制御装置は、前記送信電極に第1信号を送信する信号送信手段と、前記受信電極から第2信号を受信する第1信号受信手段と、人が携帯する媒体であって、第3信号を送信する携帯型記録媒体と、前記携帯型記録媒体から前記第3信号を受信する第2信号受信手段と、前記信号送信手段が送信した前記第1信号と、前記第1信号受信手段が受信した前記第2信号とが一致した場合、人体が前記送信電極と前記受信電極とに接触し、人体を通信媒体として信号が送受信される人体通信が確立したと判定する判定手段と、前記人体通信が確立した場合、人体通信が確立した旨と、前記第3信号とを、所定の監視処理を実行する監視センタに送信する送信手段と、前記監視センタから、警報の出力を解除する旨または警報を出力する旨を受信する受信手段と、警報の出力を解除する旨を受信した場合は警報の出力を解除し、警報を出力する旨を受信した場合は警報を出力する警報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、導電性を有するフェンスにおける第1領域である送信電極と、前記フェンスにおける第2領域である受信電極と、制御装置と、所定の監視処理を実行する監視センタとを備えた監視システムで実行される侵入者検知方法において、前記制御装置が、前記送信電極に第1信号を送信する信号送信ステップと、前記制御装置が、前記受信電極から第2信号を受信する第1信号受信ステップと、前記制御装置が、携帯型記録媒体から識別情報を含む前記第3信号を受信する第2信号受信ステップと、前記制御装置が、前記信号送信手段が送信した前記第1信号と、前記第1信号受信手段が受信した前記第2信号とが一致した場合、人体が前記送信電極と前記受信電極とに接触し、人体を通信媒体として信号が送受信される人体通信が確立したと判定する判定ステップと、前記制御装置が、前記人体通信が確立した場合、人体通信が確立した旨と、前記第3信号とを、前記監視センタに送信する第1送信ステップと、前記監視センタが、前記制御装置から、人体通信が確立した旨と、前記第3信号とを受信する第2受信ステップと、前記監視センタが、受信した前記第3信号の識別情報と、記憶手段に記憶された前記第3信号の識別情報と、前記携帯型記録媒体を携帯する者の属性とを対応付けた信号一覧情報における前記第3信号の識別情報とを照合し、受信した前記第3信号と前記信号一覧情報の前記第3信号とが一致した場合、前記携帯型記録媒体を携帯する者は侵入者ではないと判断し、受信した前記第3信号と前記信号一覧情報の前記第3信号とが一致しなかった場合、前記携帯型記録媒体を携帯する者が侵入者であると判断する判断ステップと、前記監視センタが、侵入者ではないと判断された場合、警報の出力を解除する旨を前記制御装置に送信し、侵入者であると判断された場合、警報を出力する旨を前記制御装置に送信する第2送信ステップと、前記制御装置が、前記監視センタから、警報の出力を解除する旨または警報を出力する旨を受信する第1受信ステップと、前記制御装置が、警報の出力を解除する旨を受信した場合は警報の出力を解除し、警報を出力する旨を受信した場合は警報を出力する警報出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、金網フェンス等を乗り越えようとする侵入者と正当な理由で金網フェンスの乗り越えようとする者とを識別することで、侵入者検知の警備を継続した状態で、警報の誤報を防止するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、RFIDタグの詳細を示す説明図である。
【図3】図3は、実施の形態1における制御装置による侵入者検知方法の流れを示すフローチャートである。
【図4】図4は、実施の形態1における監視センタによる侵入者検知方法の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施の形態1の変形例にかかる金網フェンスの説明図である。
【図6】図6は、実施の形態2にかかる監視システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、実施の形態2における制御装置による侵入者検知方法の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施の形態2における監視センタによる侵入者検知方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる監視システム、警備システム、および侵入者検知方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる監視システムの構成を示すブロック図である。監視システム1は、警備システム2および監視センタ200を有しており、警備システム2は、金網フェンスFと、制御装置100とを備えている。そして、制御装置100と監視センタ200とは、電話回線、無線ネットワーク、インターネットなどのネットワーク50で接続されている。
【0018】
まず、金網フェンスFについて説明する。金網フェンスFは、導電性を有するフェンスであって、重要施設や危険区域等に対する人の侵入を困難にするために設置されており、送信電極101と受信電極102とを有している。
【0019】
送信電極101は、図1に示すように、金網フェンスFを上下2つの領域に分割し、その2つの領域の境界を絶縁した場合の下部領域である。また、受信電極102は、上述した上記2つの領域のうちの上部領域である。
【0020】
次に、制御装置100について説明する。制御装置100は、人体通信技術を利用して金網フェンスFに登っている者を検知するものであり、信号送信部103と、第1信号受信部104と、判定部105と、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ10と、第2信号受信部106と、送受信部107と、警報出力部108とを主に備えている。
【0021】
信号送信部103は、送信電極101に人体通信を確立するための通信信号を送信するものである。
【0022】
第1信号受信部104は、受信電極102から通信信号を受信するものである。具体的には、金網フェンスFを乗り越えようとする者がいた場合、例えば、その者が送信電極101側である下部領域に足を掛け、受信電極102である上部領域に手を掛けると、その者の人体が送信電極101と受信電極102とに接触することになる。そうすると、送信電極101と受信電極102との間で人体通信が確立され、受信電極102は送信電極101から人体を介して通信信号を受信し、第1信号受信部104に送出する。従って、第1信号受信部104は、人体通信が確立すると、受信電極102から通信信号を受信できる。
【0023】
判定部105は、人体通信が確立したか否かを判定するものである。すなわち、信号送信部103が送信した通信信号と、第1信号受信部104が受信した通信信号とが一致するか否かを判定し、両信号が一致した場合には人体通信が確立したと判定し、両信号が一致しなかった場合には人体通信が確立しなかったと判定するものである。
【0024】
ここで、送信電極101である下部領域を人の背丈よりも高くすれば、人が金網フェンスFに寄りかかったり、網の目に手を掛けたりしただけでは、人体通信が確立されないため、人が金網フェンスFを乗り越えようとしているとは判定されない。また、強風が金網フェンスFに吹きつけただけでは、人体通信が確立されないため、人が金網フェンスFを乗り越えようとしているとは判定されない。さらに、鳥などの小動物が金網フェンスFのいずれかの領域に留まったり、ある程度の大きさのもの(ここでは、不導体)が金網フェンスFに当たったりしただけでは、人体通信が確立されないため、人が金網フェンスFを乗り越えようとしているとは判定されない。
【0025】
RFIDタグ10は、金網フェンスFの部分的な補修を行ったりするために金網フェンスFをよじ登る作業者Pなど、正当な理由で金網フェンスFの乗り越えを行う作業者Pに携帯させる携帯可能な記録媒体である。
【0026】
図2は、RFIDタグの詳細を示す説明図である。RFIDタグ10は、作業者Pが携帯しており、信号受信部11と、信号送信部12とを主に備えている。信号受信部11は、人体が送信電極101と受信電極102とに接触して人体通信が確立すると、送信電極101から人体を介して通信信号を受信し、信号送信部12は、RFIDタグ10を特定することが可能な信号として、信号の内容とRFIDタグ10のIDを含むRFID信号を送信する。ここで、本実施の形態では、携帯型記録媒体としてRFIDを使用しているが、これに限定されることなく、識別情報を記憶し、携帯可能な記録媒体であればいずれの記録媒体を使用してもよい。
【0027】
第2信号受信部106は、人体が送信電極101と受信電極102とに接触して人体通信が確立した際にRFID10から送信されたRFID信号を受信するRFIDリーダである。
【0028】
送受信部107は、人体が送信電極101と受信電極102とに接触し、判定部105により人体通信が確立したと判定された場合、人体通信が確立した旨と、第2信号受信部106が受信したRFID信号とを、監視センタ200に送信するものである。また、送受信部107は、人体通信が確立した旨とRFID信号とを監視センタ200に送信した後、監視センタ200から、警報の出力を解除する旨または警報を出力する旨を受信するものである。
【0029】
警報出力部108は、警報の出力を解除する旨を受信した場合は、送受信部107により送信された人体通信が確立した旨と、RFID信号とにより、監視センタ200において金網フェンスFを乗り越えようとした者は侵入者ではなく作業者P等であると判断されたことになり、警報の出力を解除する。一報、警報出力部108は、警報を出力する旨を受信した場合は、送受信部107により送信された人体通信が確立した旨と、RFID信号とにより、監視センタ200において金網フェンスFを乗り越えようとした者が侵入者であると判断されたことになり、不図示のスピーカー等から警報を出力する。
【0030】
次に、監視センタ200について説明する。監視センタ200は、制御装置100(警備装置)からの異常を検知した旨の通報を受信した場合に、待機中の警備員に対して異常が検知された監視領域へ向かう旨の指示を出すとともに、必要に応じて警察や消防など関係機関への通報を行うセンタである。監視センタ200は、送受信部201と、判断部202と、信号一覧表210とを主に備えている。
【0031】
信号一覧表210は、RFIDタグ10から送信されるRFID信号の内容と、RFIDタグ10の識別情報であるIDと、RFIDタグ10を携帯する作業者の属性とを対応付けて登録したものであり、種々のデータを保存するHDD(Hard Disk Drive)やメモリ等の記憶媒体に記憶されている。図1に示すように、ここでは、作業者の属性として例えば、作業者の名前(日本太郎等)と、所属する会社名(A社)とが記憶されている。なお、図1では、2つのRFIDタグ10についての一覧表であるが、1つまたは3つ以上のRFIDタグ10を登録可能となっている。
【0032】
送受信部201は、制御装置100から、人体通信が確立した旨と、RFID信号とを受信するものである。また、送受信部201は、後述する判断部202により金網フェンスFを乗り越えようとする者が侵入者ではないと判断された場合、すなわち作業者Pであると判断された場合、警報の出力を解除する旨を制御装置100に送信する。また、送受信部201は、判断部202により金網フェンスFを乗り越えようとする者が侵入者であると判断された場合、警報を出力する旨を制御装置100に送信する。
【0033】
判断部202は、制御装置100から受信したRFID信号における信号の内容およびIDと、監視センタ200において記憶されている信号一覧表210におけるRFID信号の内容およびIDとを照合する。そして、判断部202は、受信したRFID信号と信号一覧表210におけるRFID信号とが一致した場合、RFID信号を送信してきたRFIDタグ10を携帯する者は侵入者ではないと判断する。また、判断部202は、受信したRFID信号と信号一覧表210におけるRFID信号とが一致しなかった場合、RFID信号を送信してきたRFIDタグ10を携帯する者が侵入者であると判断する。
【0034】
ここで、RFIDタグ10が送信する「RFID信号」は、システムのセキュリティを維持するために、RFIDタグ10を使用する都度変更することが望ましい。具体的には、RFIDタグ10に「RFID信号変更機能」を付加し、RFID信号の内容(たとえば、ビット列の内容)を自由に変更できるようにすることが考えられる。
【0035】
次に、以上のように構成された監視システムによる侵入者検知方法について説明する。図3は、実施の形態1における制御装置による侵入者検知方法の流れを示すフローチャートである。
【0036】
まず、信号送信部103は、送信電極101に人体通信を確立するための通信信号を送信する(ステップS11)。そして、金網フェンスFを乗り越えようとする者の人体が送信電極101と受信電極102とに接触した場合、第1信号受信部104は、受信電極102が送信電極101から人体を介して受信した通信信号を、受信電極102から受信する(ステップS12)。
【0037】
次に、判定部105は、信号送信部103が送信した通信信号と、第1信号受信部104が受信した通信信号とが一致するか否かを判定する(ステップS13)。両信号が一致しなかった場合(ステップS13:No)、ステップS11に戻って処理を繰り返す。一方、両信号が一致した場合(ステップS13:Yes)、人体通信が確立したと判定する(ステップS14)。
【0038】
そして、送受信部107は、第2信号受信部106によりRFIDタグ10からRFID信号を受信したか否かを判断する(ステップS15)。RFID信号を受信した場合(ステップS15:Yes)、送受信部107は、人体通信が確立した旨とRFID信号とを監視センタ200に送信する(ステップS16)。一方、RFID信号を受信しなかった場合(ステップS15:No)、送受信部107は、人体通信が確立した旨を監視センタ200に送信する(ステップS17)。
【0039】
図4は、実施の形態1における監視センタによる侵入者検知方法の流れを示すフローチャートである。
【0040】
まず、送受信部201は、人体通信が確立した旨を受信したか否かを判断する(ステップS21)。受信していない場合(ステップ21:No)、ステップS21に戻って受信するまで待機する。
【0041】
一方、受信した場合(ステップS21:Yes)、送受信部201は、RFID信号を受信したか否かを判断する(ステップS22)。RFID信号を受信した場合(ステップS22:Yes)、判断部202は、受信したRFID信号と信号一覧表210におけるRFID信号とが一致したか否かを判断する(ステップS23)。
【0042】
一致した場合(ステップS23:Yes)、判断部202は、人体通信を確立させた者が作業者Pであると判断し(ステップS24)、送受信部201は、警報の出力を解除する旨を制御装置100に送信する(ステップS25)。
【0043】
一方、RFID信号を受信しなかった場合(ステップS22:No)、および受信したRFID信号と信号一覧表210におけるRFID信号とが一致しなかった場合(ステップS23:No)、判断部202は、人体通信を確立させた者が侵入者であると判断し(ステップS26)、送受信部201は、警報を出力する旨を制御装置100に送信する(ステップS27)。
【0044】
このように、本実施の形態の制御システムでは、正当な理由により金網フェンスFの乗り越えを行う者にRFIDタグ10を携帯させ、人体通信の確立とともにRFIDタグ10から送信されるRFID信号によって、金網フェンスFを乗り越えようとする侵入者と正当な理由で金網フェンスFの乗り越えようとする作業者とを識別する。そして、金網フェンスFを乗り越えようとする者が作業者であった場合は、警報の出力を解除することで、警報の誤報を防止することができる。また、制御装置100による侵入者検知のための警備を継続した状態で、作業者が金網フェンスFの部分的な補修を行ったり、通信信号の送受信確認を行ったりすることができる。さらに、RFIDタグ10から受信したRFID信号と、信号一覧表210におけるRFID信号の内容およびIDとを照合して判断することで、いずれの作業者が人体通信を確立させたのかがわかるため、作業者が通信信号の送受信の確認を実施しているか否かを把握することができる。
【0045】
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1では、金網フェンスFを上下2つの領域に分割し、その下部領域を送信電極101とし、上部領域を受信電極102とする構成であった。これに対し、実施の形態1の変形例では、金網フェンスFの金網部分の領域と金網フェンスFの上部の枠部分とを各電極とする構成である。
【0046】
図5は、実施の形態1の変形例にかかる金網フェンスの説明図である。本実施の形態では、図5に示すように、送信電極121は、金網フェンスFの金網部分の領域と金網フェンスFの上部の枠部分との間を絶縁した場合の金網部分の領域である。また、受信電極122は、金網フェンスFの上部の枠部分である。このように構成した場合、金網フェンスFをよじ登った者が上部の枠に触れたときに人体通信が確立されるため、金網フェンスFを乗り越えようとしていると判断できる。ここで、制御システムは実施の形態1と同様であるため説明を省略する。なお、送信電極121は、実施の形態1における信号送信部103に接続され、受信電極122は、第1信号受信部104に接続されている。
【0047】
ここで、金網フェンスF全体を人の背丈よりも高くすれば、人が金網フェンスFに寄りかかったり、網の目に手をかけたりしただけでは、人体通信が確立されないため、人が金網フェンスFを乗り越えようとしているとは判定されない。また、強風が金網フェンスFに吹きつけただけでは、人体通信が確立されないため、人が金網フェンスFを乗り越えようとしているとは判定されない。さらに、鳥などの小動物が金網部分あるいは上部の枠に留まったり、ある程度の大きさのもの(ここでは、不導体)が金網部分あるいは上部の枠に当たったりしただけでは、人体通信が確立されないため、人が金網フェンスFを乗り越えようとしているとは判定されない。
【0048】
ここで、監視システムによる侵入者検知方法については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図3、4参照)。
【0049】
このように、本実施の形態の制御システムでは、正当な理由により金網フェンスFの乗り越えを行う者にRFIDタグ10を携帯させ、人体通信の確立とともにRFIDタグ10から送信されるRFID信号によって、金網フェンスFを乗り越えようとする侵入者と正当な理由で金網フェンスFの乗り越えようとする作業者とを識別する。そして、金網フェンスFを乗り越えようとする者が作業者であった場合は、警報の出力を解除することで、警報の誤報を防止することができる。また、本実施の形態では、金網フェンスFの金網部分の領域を送信電極121とし、上部の枠部分を受信電極122としているため、侵入者が金網フェンスFの上部の枠部分に手を触れて乗り越えている状態を確実に検知できるため、検知精度が向上する。また、制御装置100による侵入者検知のための警備を継続した状態で、作業者が金網フェンスFの部分的な補修を行ったり、通信信号の送受信確認を行ったりすることができる。さらに、RFIDタグ10から受信したRFID信号と、信号一覧表210におけるRFID信号の内容およびIDとを照合して判断することで、いずれの作業者が人体通信を確立させたのかがわかるため、作業者が通信信号の送受信の確認を実施しているか否かを把握することができる。
【0050】
(実施の形態2)
実施の形態1では、金網フェンスFを上下2つの領域に分割し、その下部領域を送信電極101とし、上部領域を受信電極102とする構成であった。これに対し、実施の形態2では、金網フェンスFを上下複数の領域に分割し、複数の送信電極と複数の受信電極とする構成である。
【0051】
図6は、実施の形態2にかかる監視システムの構成を示すブロック図である。監視システム3は、警備システム4および監視センタ400を有しており、警備システム4は、金網フェンスFと、制御装置300とを備えている。
【0052】
まず、金網フェンスFについて説明する。図6に示すように、本実施の形態では、金網フェンスFを複数の領域に分割し、各領域の境界を絶縁する。そして、下部の領域から上部の領域に向かって、第1送信電極301a、第1受信電極302a、第2送信電極301b、第2受信電極302bとしている。
【0053】
次に、制御装置300について説明する。制御装置300は、人体通信技術を利用して金網フェンスFに登っている者を検知するものであり、信号送信部303と、第1信号受信部304と、判定部305と、RFIDタグ10と、第2信号受信部306と、送受信部307と、警報出力部108とを主に備えている。ここで、RFIDタグ10と、警報出力部108は、実施の形態1の構成および機能と同様であるため説明を省略する(図2、3参照)。
【0054】
信号送信部303は、第1送信電極301aおよび第2送信電極301bに人体通信を確立するための通信信号を送信するものである。
【0055】
第1信号受信部304は、通信信号を第1受信電極302aおよび第2受信電極302bから受信するものである。具体的には、金網フェンスFを乗り越えようとする者がいた場合、例えば、その者が第1送信電極301aに足を掛け、第1受信電極302aに手を掛けると、第1送信電極301aと第1受信電極302aとの間で人体通信が確立され、第1受信電極302aは第1送信電極301aから人体を介して通信信号を受信し、第1信号受信部304に送出する。従って、第1信号受信部304は、人体通信が確立すると、第1受信電極302aから通信信号を受信できる。
【0056】
同様に、金網フェンスFを乗り越えようとする者が、第2送信電極301bに足を掛け、第2受信電極302bに手を掛けると、第2送信電極301bと第2受信電極302bとの間で人体通信が確立され、第2受信電極302bは第2送信電極301bから人体を介して通信信号を受信し、第1信号受信部304に送出する。
【0057】
判定部305は、人体通信が確立したか否かを判定するものである。本実施の形態では、信号送信部303が第1送信電極301aに送信した通信信号と、第1信号受信部304が第1受信電極302aから受信した通信信号とが一致するか否かを判定し、両信号が一致した場合には人体通信が確立したと判定し、両信号が一致しなかった場合には人体通信が確立しなかったと判定するものである。同様に、信号送信部303が第2送信電極301bに送信した通信信号と、第1信号受信部304が第2受信電極302bから受信した通信信号とが一致するか否かを判定し、人体通信が確立したか否かを判定する。
【0058】
また、判定部305は、人体通信が確立した順番により、人体の移動方向を判定する。具体的には、第1送信電極301aと第1受信電極302aとの間の人体通信の確立した後、第2送信電極301bと第2受信電極302bとの間の人体通信の確立した場合、すなわち昇順で人体通信が確立した場合は、人体が下から上方向に移動したと判定し、反対に降順で人体通信が確立した場合は、人体が上から下方向に移動したと判定する。
【0059】
第2信号受信部306は、人体が第1送信電極301aと第1受信電極302aとに接触して人体通信が確立した場合、および人体が第2送信電極301bと第2受信電極302bとに接触して人体通信が確立した場合に、RFID10から送信されたRFID信号を受信するRFIDリーダである。
【0060】
送受信部307は、人体が第1送信電極301aと第1受信電極302aとに接触し、判定部305により人体通信が確立したと判定され、人体が第2送信電極301bと第2受信電極302bとに接触して人体通信が確立したと判定された場合、人体通信が確立した旨と、判定した人体の移動方向と、第2信号受信部306が受信したRFID信号とを、監視センタ400に送信するものである。また、送受信部307は、人体通信が確立した旨と人体の移動方向とRFID信号とを監視センタ400に送信した後、監視センタ400から、警報の出力を解除する旨または警報を出力する旨を受信するものである。
【0061】
次に、監視センタ400について説明する。監視センタ400は、送受信部401と、判断部202と、信号一覧表210と、表示部403と、記録部404と、ディスプレイ430と、HDD420とを主に備えている。ここで、信号一覧表210と、判断部202の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図1参照)。
【0062】
送受信部401は、制御装置300から、人体通信が確立した旨と、人体の移動方向と、RFID信号とを受信するものである。また、送受信部401は、判断部202により金網フェンスFを乗り越えようとする者が侵入者ではないと判断された場合、すなわち作業者Pであると判断された場合、警報の出力を解除する旨を制御装置300に送信する。また、送受信部401は、判断部202により金網フェンスFを乗り越えようとする者が侵入者であると判断された場合、警報を出力する旨を制御装置300に送信する。
【0063】
表示部403は、送受信部401から受信した人体の移動方向を、文字や画像を表示するディスプレイ430に表示するものである。
【0064】
記録部404は、送受信部401から受信した人体の移動方向を、種々のデータを保存するHDD420に記録するものである。
【0065】
次に、以上のように構成された監視システムによる侵入者検知方法について説明する。図7は、実施の形態2における制御装置による侵入者検知方法の流れを示すフローチャートである。
【0066】
まず、信号送信部303は、第1送信電極301aおよび第2送信電極301bに人体通信を確立するための通信信号を送信する(ステップS41)。そして、金網フェンスFを乗り越えようとする者の人体が第1送信電極301aと第1受信電極302aとに接触した場合、第1信号受信部304は、第1受信電極302aから通信信号を受信する。同様に、金網フェンスFを乗り越えようとする者の人体が第2送信電極301bと第2受信電極302bとに接触した場合、第1信号受信部304は、第1受信電極302aから通信信号を受信する(ステップS42)。
【0067】
次に、判定部305は、信号送信部303が送信した通信信号と、第1信号受信部304が受信したそれぞれの通信信号とが一致するか否かを判定する(ステップS43)。両信号が一致しなかった場合(ステップS43:No)、ステップS41に戻って処理を繰り返す。一方、両信号が一致した場合(ステップS43:Yes)、人体通信が確立したと判定する(ステップS44)。
【0068】
そして、判定部305は、人体通信が昇順で確立したか否かを判定する(ステップS45)。昇順に確立した場合(ステップS45:Yes)、人体が上方向に移動したと判定する(ステップS46)。一方、昇順に確立しなかった場合、すなわち降順に確立した場合(ステップS45:No)、人体が下方向に移動したと判定する(ステップS47)。
【0069】
そして、送受信部307は、第2信号受信部306によりRFIDタグ10からRFID信号を受信したか否かを判断する(ステップS48)。RFID信号を受信した場合(ステップS48:Yes)、送受信部307は、人体通信が確立した旨と、人体の移動方向と、RFID信号とを監視センタ400に送信する(ステップS49)。一方、RFID信号を受信しなかった場合(ステップS48:No)、送受信部307は、人体通信が確立した旨と、人体の移動方向とを監視センタ400に送信する(ステップS50)。
【0070】
図8は、実施の形態2における監視センタによる侵入者検知方法の流れを示すフローチャートである。
【0071】
まず、送受信部401は、人体通信が確立した旨と、人体の移動方向とを受信したか否かを判断する(ステップS61)。受信していない場合(ステップ61:No)、ステップS61に戻って受信するまで待機する。一方、受信した場合(ステップS61:Yes)、送受信部401は、RFID信号を受信したか否かを判断する(ステップS62)。
【0072】
ここで、受信したRFID信号と信号一覧表210のRFID信号とが一致したか否かの判断から警報を出力する旨を制御装置300に送信するまでの処理(ステップS63〜67)は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図4:ステップS23〜27参照)。
【0073】
送受信部401が警報を出力する旨を制御装置300に送信した後(ステップS67)、表示部403は、ディスプレイ430に人体の移動方向を表示し、記録部404は、HDD420に人体の移動方向を記録する(ステップS68)。
【0074】
このように、本実施の形態の制御システムでは、正当な理由により金網フェンスFの乗り越えを行う者にRFIDタグ10を携帯させ、人体通信の確立とともにRFIDタグ10から送信されるRFID信号によって、金網フェンスFを乗り越えようとする侵入者と正当な理由で金網フェンスFの乗り越えようとする作業者とを識別する。そして、金網フェンスFを乗り越えようとする者が作業者であった場合は、警報の出力を解除することで、警報の誤報を防止することができる。また、制御装置100による侵入者検知のための警備を継続した状態で、作業者が金網フェンスFの部分的な補修を行ったり、通信信号の送受信確認を行ったりすることができる。さらに、RFIDタグ10から受信したRFID信号と、信号一覧表210におけるRFID信号の内容およびIDとを照合して判断することで、いずれの作業者が人体通信を確立させたのかがわかるため、作業者が通信信号の送受信の確認を実施しているか否かを把握することができる。
【0075】
また、金網フェンスFの乗り越えを行う者の人体の移動方向を判定することで、侵入者の動きを把握することができる。
【0076】
なお、実施の形態1〜2では、金網フェンスFを乗り越えようとする者が侵入者であった場合は、警報を出力する旨を制御装置に送信し、制御装置において警報が出力されていたが、これに限定されることはなく、金網フェンスFを乗り越えようとする者が侵入者であった場合は警備員を現場に出動させ、侵入者でなかった場合は警備員の出動を解除する構成としてもよい。
【0077】
また、実施の形態2では、監視センタ400側において、侵入者であると判断された者の人体の移動方向の表示および記録を行っているが、これに限定されることなく、制御装置300側において行う構成としてもよい。
【0078】
さらに、実施の形態1〜2では、金網フェンスの場合について説明しているが、フェンスの種類はこれに限定されるものではない。具体的には、例えば、非導電性のフェンスの表面等に導電部材を配置することにより、フェンスに導電性を持たせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10 RFIDタグ
11 信号受信部
12 信号送信部
50 ネットワーク
100、300 制御装置
101、121 送信電極
102、122 受信電極
103、303 信号送信部
104、304 第1信号受信部
105、305 判定部
106、306 第2信号受信部
107、307 送受信部
108 警報出力部
200、400 監視センタ
201、401 送受信部
202 判断部
210 信号一覧表
301a 第1送信電極
301b 第2送信電極
302a 第1受信電極
302b 第2受信電極
403 表示部
404 記録部
420 HDD
430 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有するフェンスにおける第1領域である送信電極と、前記フェンスにおける第2領域である受信電極と、制御装置と、所定の監視処理を実行する監視センタとを備えた監視システムにおいて、
前記制御装置は、
前記送信電極に第1信号を送信する信号送信手段と、
前記受信電極から第2信号を受信する第1信号受信手段と、
人が携帯する媒体であって、第3信号を送信する携帯型記録媒体と、
前記携帯型記録媒体から識別情報を含む前記第3信号を受信する第2信号受信手段と、
前記信号送信手段が送信した前記第1信号と、前記第1信号受信手段が受信した前記第2信号とが一致した場合、人体が前記送信電極と前記受信電極とに接触し、人体を通信媒体として信号が送受信される人体通信が確立したと判定する判定手段と、
前記人体通信が確立した場合、人体通信が確立した旨と、前記第3信号とを、前記監視センタに送信する第1送信手段と、
前記監視センタから、警報の出力を解除する旨または警報を出力する旨を受信する第1受信手段と、
警報の出力を解除する旨を受信した場合は警報の出力を解除し、警報を出力する旨を受信した場合は警報を出力する警報出力手段と、
を備え、
前記監視センタは、
前記第3信号の識別情報と、前記携帯型記録媒体を携帯する者の属性とを対応付けた信号一覧情報を記憶する記憶手段と、
前記制御装置から、人体通信が確立した旨と、前記第3信号とを受信する第2受信手段と、
受信した前記第3信号の識別情報と、前記信号一覧情報における前記第3信号の識別情報とを照合し、受信した前記第3信号と前記信号一覧情報の前記第3信号とが一致した場合、前記携帯型記録媒体を携帯する者は侵入者ではないと判断し、受信した前記第3信号と前記信号一覧情報の前記第3信号とが一致しなかった場合、前記携帯型記録媒体を携帯する者が侵入者であると判断する判断手段と、
侵入者ではないと判断された場合、警報の出力を解除する旨を前記制御装置に送信し、侵入者であると判断された場合、警報を出力する旨を前記制御装置に送信する第2送信手段と、
を備えたことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
導電性を有するフェンスにおける第1領域である送信電極と、前記フェンスにおける第2領域である受信電極と、制御装置とを備えた警備システムにおいて、
前記制御装置は、
前記送信電極に第1信号を送信する信号送信手段と、
前記受信電極から第2信号を受信する第1信号受信手段と、
人が携帯する媒体であって、第3信号を送信する携帯型記録媒体と、
前記携帯型記録媒体から前記第3信号を受信する第2信号受信手段と、
前記信号送信手段が送信した前記第1信号と、前記第1信号受信手段が受信した前記第2信号とが一致した場合、人体が前記送信電極と前記受信電極とに接触し、人体を通信媒体として信号が送受信される人体通信が確立したと判定する判定手段と、
前記人体通信が確立した場合、人体通信が確立した旨と、前記第3信号とを、所定の監視処理を実行する監視センタに送信する送信手段と、
前記監視センタから、警報の出力を解除する旨または警報を出力する旨を受信する受信手段と、
警報の出力を解除する旨を受信した場合は警報の出力を解除し、警報を出力する旨を受信した場合は警報を出力する警報出力手段と、
を備えたことを特徴とする警備システム。
【請求項3】
前記第1領域は、上下2つの領域に分割された前記フェンスの下部領域であり、
前記第2領域は、上下2つの領域に分割された前記フェンスの上部領域であることを特徴とする請求項2に記載の警備システム。
【請求項4】
前記第1領域は、前記フェンスの内部の領域であり、
前記第2領域は、前記フェンスの上部の枠部分であることを特徴とする請求項2に記載の警備システム。
【請求項5】
前記送信電極は、第1送信電極と第2送信電極とを有し、
前記受信電極は、第1受信電極と第2受信電極とを有し、
前記信号送信手段は、前記第1送信電極および前記第2送信電極に前記第1信号を送信し、
前記第1信号受信手段は、前記第1受信電極および前記第2受信電極から前記第2信号を受信し、
前記判定手段は、さらに、人体通信が確立した順番により人体の移動方向を判定し、
前記送信手段は、前記人体通信が確立した場合、人体通信が確立し旨と、人体の移動方向と、前記第3信号とを、前記監視センタに送信することを特徴とする請求項2に記載の警備システム。
【請求項6】
導電性を有するフェンスにおける第1領域である送信電極と、前記フェンスにおける第2領域である受信電極と、制御装置と、所定の監視処理を実行する監視センタとを備えた監視システムで実行される侵入者検知方法において、
前記制御装置が、前記送信電極に第1信号を送信する信号送信ステップと、
前記制御装置が、前記受信電極から第2信号を受信する第1信号受信ステップと、
前記制御装置が、携帯型記録媒体から識別情報を含む前記第3信号を受信する第2信号受信ステップと、
前記制御装置が、前記信号送信手段が送信した前記第1信号と、前記第1信号受信手段が受信した前記第2信号とが一致した場合、人体が前記送信電極と前記受信電極とに接触し、人体を通信媒体として信号が送受信される人体通信が確立したと判定する判定ステップと、
前記制御装置が、前記人体通信が確立した場合、人体通信が確立した旨と、前記第3信号とを、前記監視センタに送信する第1送信ステップと、
前記監視センタが、前記制御装置から、人体通信が確立した旨と、前記第3信号とを受信する第2受信ステップと、
前記監視センタが、受信した前記第3信号の識別情報と、記憶手段に記憶された前記第3信号の識別情報と、前記携帯型記録媒体を携帯する者の属性とを対応付けた信号一覧情報における前記第3信号の識別情報とを照合し、受信した前記第3信号と前記信号一覧情報の前記第3信号とが一致した場合、前記携帯型記録媒体を携帯する者は侵入者ではないと判断し、受信した前記第3信号と前記信号一覧情報の前記第3信号とが一致しなかった場合、前記携帯型記録媒体を携帯する者が侵入者であると判断する判断ステップと、
前記監視センタが、侵入者ではないと判断された場合、警報の出力を解除する旨を前記制御装置に送信し、侵入者であると判断された場合、警報を出力する旨を前記制御装置に送信する第2送信ステップと、
前記制御装置が、前記監視センタから、警報の出力を解除する旨または警報を出力する旨を受信する第1受信ステップと、
前記制御装置が、警報の出力を解除する旨を受信した場合は警報の出力を解除し、警報を出力する旨を受信した場合は警報を出力する警報出力ステップと、
を含むことを特徴とする侵入者検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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