説明

監視制御装置

【課題】本体ユニットにパネルユニットを装着する際における不具合を抑制しながらも、パネルユニットの装着を検知するための機械スイッチが不要な監視制御装置を提供する。
【解決手段】本体ユニット6は、パネル側コネクタ80に接続されている検知用電路Leに対して両コネクタ68,80間の接続時に通電する検知用電源23を有しており、検知手段21は、検知用電源23と本体側コネクタ68との接続点の電位を監視することによって両コネクタ68,80間の接続の成否を検知する。通電制御手段22は、電源回路10と本体側コネクタ68との間に挿入された通電スイッチ24をオンオフ制御するものであって、両コネクタ68,80間が接続されたと検知手段21にて判断されたときに、検知手段21から制御入力を受けて通電スイッチ24をオンして電源回路10から本体側コネクタ68への通電を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信によって負荷の監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられる監視制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、負荷の遠隔監視制御を行うために信号線を通してスイッチのオンオフ情報を含む伝送信号を伝送し、負荷の電源を入切するリレーを伝送信号によって開閉させる技術が知られている。
【0003】
この種の遠隔監視制御システムとしては、スイッチを有する操作端末器と負荷への電源を入切するリレーを有する制御端末器とを端末装置として備え、伝送ユニットをセンタ装置として備えた集中制御型のものがある。操作端末器および制御端末器はそれぞれ複数台ずつ設けられていてもよい。伝送ユニットと操作端末器と制御端末器とは2線式の信号線に接続されており、操作端末器および制御端末器に個別に設定されている端末アドレスを用いて伝送ユニットが操作端末器および制御端末器を各別に認識する。
【0004】
伝送ユニットは、操作端末器と制御端末器とをアドレスによって対応付けたデータテーブルである制御テーブルを格納したメモリを備えている。この伝送ユニットは、いずれかの操作端末器におけるスイッチのオンオフ情報が伝送信号(時分割多重伝送信号を用いている)を用いて通知されると、制御テーブルによって当該操作端末器に対応付けられている制御端末器に対して伝送信号を用いてリレーを開閉する指示を伝送する。この指示を受けた制御端末器においてリレーが開閉される。そのため、スイッチのオンオフに応じて負荷が制御されることになる。
【0005】
ところで、上述した遠隔監視制御システムに操作端末器として用いられる監視制御装置として、複数の負荷を監視制御対象として通信コマンドを伝送する通信回路と、液晶表示器よりなる表示パネルと、表示パネルの画面に重ねて配置された透明なタッチスイッチからなる操作入力部とを備え、表示パネルの表示内容に関連付けられている操作入力部の操作入力に応じた負荷制御および負荷状態に応じた画面表示を行うものが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0006】
この監視制御装置は、表示パネルの表示内容(画面表示)および操作入力部の操作に対する応答(負荷制御)に関して任意に設定可能に構成されているため、設定内容に応じて操作入力部に種々の機能を持たせることができる。しかも、操作入力部の機能に合わせて表示パネルの表示内容を変更することができるから、限られたスペースで多機能の操作が可能になり、多数の負荷を操作する場合であっても操作端末器の占有スペースを小さくすることができる。
【0007】
さらに、この種の監視制御装置に関しては、壁に固定される本体ユニットと、本体ユニットの前面側に着脱可能に装着されるパネルユニットとに分割し、本体ユニット側に、電源回路と信号線が接続される通信回路とを備え、パネルユニット側に、表示パネルと操作入力部と制御部とを備えることが考えられる。この構成では、パネルユニットは、本体ユニットの前面側に設けられているコネクタと電気的に接続されるコネクタを有し、本体ユニットへの装着時に両コネクタを介して電源回路から電力供給を受けて動作する。これにより、本体ユニットとパネルユニットとが個別に交換可能となり、たとえばパネルユニットのみを変更することで表示パネルの画面サイズの異なる監視制御装置を構成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−243478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述のように本体ユニットとパネルユニットとに分割した構成では、監視制御装置の設置作業時や本体ユニットあるいはパネルユニットの交換作業時などにおいて、予め電源線や信号線が接続された本体ユニットを壁に取り付け、通電状態にある本体ユニットに対してパネルユニットが取り付けられることになる。そのため、本体ユニットにパネルユニットを装着する際、本体ユニット側のコネクタとパネルユニット側のコネクタとの相対的な位置がずれた状態で両コネクタの接触子同士が接触して異常な電流が流れたり、各コネクタにおいて接触子ごとに他方のコネクタの接触子と接触するタイミングにばらつきを生じて通電開始のタイミングに回路間で時間差が生じたりすることで、本体ユニットやパネルユニットに故障等の不具合を発生する可能性がある。
【0010】
上記不具合の発生を抑制するために、本体ユニットにおけるパネルユニットとの対向面に、パネルユニットの装着を検知するための機械スイッチの操作子を設け、パネルユニットが装着されたときに機械スイッチがオンしてパネルユニットへの電力供給が開始される構成とすることも考えられる。しかし、機械スイッチの操作子のような可動部を設けると、この可動部の分だけ本体ユニットの構造が複雑になる。また、本体ユニットにおけるパネルユニットとの対向面については、たとえば機能拡張用の端子を設けるなど様々な有効利用の可能性が考えられるが、この面に機械スイッチの操作子が設けられると、有効利用できるスペースが前記操作子の分だけ狭くなるという問題もある。
【0011】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、本体ユニットにパネルユニットを装着する際における不具合の発生を抑制しながらも、パネルユニットの装着を検知するための機械スイッチが不要な監視制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、通信によって負荷の監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられ、壁に固定される本体ユニットと、本体ユニットの前面側に着脱可能に装着されるパネルユニットとに分割され、本体ユニットには、駆動用電力を出力する電源回路と、複数の負荷を監視制御対象として通信コマンドを伝送する通信回路とを備え、パネルユニットには、文字および図形を表示可能な表示パネルと、ユーザによる操作入力を受け付ける操作入力部と、表示パネルの表示内容に関連付けられている操作入力部の操作入力に応じた負荷制御および負荷状態に応じた画面表示を表示パネルに行わせる制御部とを備えた監視制御装置であって、パネルユニットが、本体ユニットの前面側に設けられているコネクタと電気的に接続されるコネクタを有し、本体ユニットへの装着時に両コネクタを介して電源回路から電力供給を受け、本体ユニットが、パネルユニット内でコネクタに接続されている検知用電路に対して両コネクタ間の接続時に通電する検知用電源と、検知用電源が検知用電路に通電して検知用電源とコネクタとの接続点の電位が変化したときに両コネクタ間の接続を検知する検知手段と、検知手段で接続が検知されるとパネルユニットへの電力供給をオンする通電制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、パネルユニットが本体ユニットに装着され両コネクタ間が接続されたことを検知手段で検知したときに、通電制御手段がパネルユニットへの電力供給をオンするので、両コネクタ間が接続されるまでは本体ユニット側のコネクタからパネルユニットへの電力供給は開始されない。したがって、本体ユニットにパネルユニットを取り付ける際、両コネクタの相対的な位置がずれた状態で両コネクタの接触子同士が接触したり、各コネクタにおいて接触子ごとに他方のコネクタの接触子と接触するタイミングにばらつきを生じたりすることがあっても、両コネクタ間が接続される前であれば、異常な電流が流れたり、回路間で通電開始のタイミングに時間差が生じたりすることはない。結果的に、パネルユニットを装着する際の不具合の発生を抑制することができ、信頼性が向上するという利点がある。しかも、検知手段は検知用電源が検知用電路に通電して検知用電源とコネクタとの接続点の電位が変化することから両コネクタ間の接続を検知するので、機械スイッチを用いてパネルユニットの装着を検知する構成に比べると、機械スイッチの操作子のような可動部が必要ない分だけ構造が簡単になる。また、機能スイッチの操作子が不要な分だけ、本体ユニットにおけるパネルユニットとの対向面のスペースを有効利用できるという利点もある。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記検知手段が、前記検知用電源と前記検知用電路との間が遮断されて前記電位が変化したときに両コネクタ間の接続の解除を検知し、前記通電制御手段が、前記検知手段で接続の解除が検知されるとパネルユニットへの電力供給をオフすることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、本体ユニットからパネルユニットを取り外した状態で、本体ユニット側のコネクタが通電状態のまま露出することがなくなるので、通電状態にある本体ユニット側のコネクタに異物が付着することで異物を介して電流が流れ本体ユニットに不具合が発生することを回避できる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記検知用電路が、前記パネルユニット側の前記コネクタの複数箇所に接続されており、前記検知手段が、前記検知用電源が全ての検知用電路に通電したときに両コネクタ間の接続を検知することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、パネルユニット側のコネクタの複数箇所に接続された検知用電路の一部に通電しただけでは、本体ユニット側のコネクタからパネルユニットへの電力供給はオンされない。そのため、本体ユニットにパネルユニットを取り付ける際に、本体ユニット側のコネクタに対してパネルユニット側のコネクタに対して斜めに接触して片当り状態となっても、その後、全ての検知用電路が導通するまではパネルユニットへの電力供給は開始されることはない。したがって、両コネクタ間の接続が不完全な状態で電力供給が開始されることによって本体ユニットやパネルユニットに不具合が生じることを防止できる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、全ての前記検知用電路が互いに直列接続されており、前記検知手段が、前記検知用電源が当該直列回路に通電して前記電位が変化したときに、両コネクタ間の接続を検知することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、パネルユニット側のコネクタの複数箇所に接続された検知用電路の全てに通電したか否かを1箇所でまとめて判断することができるため、各検知用電路の通電状態を個別に監視する場合に比べて、たとえばマイコンなどによる監視のために必要な入力ポート数を少なくでき、また、処理負荷を軽減できるという利点がある。
【0020】
請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記検知用電源が各検知用電路に対して個別に通電し、前記検知手段が、前記電位の変化を各検知用電路ごとに監視し、当該監視結果の論理積をとることで両コネクタ間の接続を検知することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、パネルユニット側のコネクタの複数箇所に接続された検知用電路の導通状態を個別に監視するので、検知用電路同士を接続する必要がなく、検知用電路の配置の自由度が高いという利点がある。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、パネルユニットが本体ユニットに接続され両コネクタ間が接続されたことを検知手段で検知したときに、通電制御手段により本体ユニット側のコネクタからパネルユニットへの電力供給が開始される。そのため、本体ユニットにパネルユニットを取り付ける際、両コネクタ間が接続される前であれば、両コネクタ間で接触子の誤接触などがあっても、故障等の不具合の発生を回避できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】同上を用いた遠隔監視制御システムの構成を示す図である。
【図3】同上の概略ブロック図である。
【図4】同上の斜視図である。
【図5】同上の本体ユニットとパネルユニットとを分離した状態を示す斜視図である。
【図6】同上のパネルユニットを背面側から見た斜視図である。
【図7】本発明の実施形態2の構成を示す概略ブロック図である。
【図8】本発明の実施形態3の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の実施形態において説明する監視制御装置は、図2に示す遠隔監視制御システムに操作端末器として用いられるものである。この遠隔監視制御システムの基本構成は背景技術の欄で説明した遠隔監視制御システムと同様である。
【0025】
具体的に説明すると、図2の例では、負荷Lとして白熱灯L、インバータ式の点灯装置を有した蛍光灯L、空調機のファンコイルL、スピーカLを備えている。白熱灯Lは、灯数に応じた容量の白熱灯調光用制御端末器(1500W,800W,500W)33A〜33Cにより制御される。蛍光灯Lは、点灯・消灯を制御するリレーを有した制御端末器33Dおよび光出力を制御する蛍光灯調光用制御端末器33Eにより制御される。ファンコイルLはファンコイル制御端末器33Fにより動作強度が強中弱の3段階に制御され、スピーカLはボリューム制御端末器33Gにより音量が制御される。その他の負荷として電動カーテン、電動スクリーン、換気用のファンなどを用いることも可能である。
【0026】
操作端末器としては、スイッチSを備えた操作端末器31A、および調光用操作端末器31B,31C、接点出力が得られる各種センサを接続する接点入力操作端末器31Dが設けられる。さらに、ワイヤレス送信器34aに操作部を設け、ワイヤレス受信機34bと組み合わせることで操作端末器を構成することができる。また、信号線Lsを延長するために図示例では信号線Ls上に中継器(増幅器)35を挿入して伝送信号を減衰させずに伝送できるようにしてある。操作端末器としての監視制御装置1A,1B(以下、両者を区別しないときは単に監視制御装置1という)は図示例では2台接続してあり、一方の監視制御装置1Aには、商用電源(たとえば交流100V)を降圧して出力する降圧トランスであるリモコントランス36から交流24Vの電源が供給されている。以下、操作端末器1A,1B,31A〜31Dを区別しないときには単に操作端末器31とし、制御端末器33A〜33Gを区別しないときには単に制御端末器33とする。
【0027】
ここでは、伝送ユニット30が伝送信号を信号線Lsに定期的に送出しており、伝送信号としてはたとえば±24Vの双極性のパルス幅変調信号が用いられる。監視制御装置1以外の操作端末器31および制御端末器33では、この伝送信号を全波整流することによって内部電源を確保している。また、伝送ユニット30には商用電源によって電源が供給されている。
【0028】
ここに、各操作端末器31はそれぞれ複数回路の入力部(スイッチS、センサ等)を有し、また各制御端末器33にはそれぞれ複数回路の負荷Lが接続される。伝送ユニット30に設けた制御テーブルでは入力部および負荷Lの回路別に対応付けが可能になっている。つまり、たとえば操作端末器31Aのように複数のスイッチSを有する場合、操作端末器31Aに固有の端末アドレスだけでは、当該操作端末器31Aに設けられたスイッチSが全て該当することになり、実際に操作された唯一のスイッチSを特定することはできない。そこで、操作端末器31Aにおいては、それぞれスイッチSごとに負荷番号を割り振り、操作端末器31の端末アドレスの後に負荷番号を付加したものをスイッチSのアドレスとして用いることによって、実際に操作された唯一のスイッチSを特定できるようにしてある。同様に、制御端末器33においては負荷Lごとに負荷番号を割り振り、各制御端末器33の端末アドレスの後に負荷番号を付加したものを負荷Lのアドレスとする。なお、1台の制御端末器33に接続される複数の負荷Lで1つの負荷回路を構成してもよく、この場合には各制御端末器33の端末アドレスが負荷Lのアドレスとして用いられる。
【0029】
ところで、制御テーブルでは、スイッチSと負荷Lとを一対一に結びつけるほか、一対多に結びつけることも可能になっている。たとえば、上記遠隔監視制御システムにて負荷Lとしての蛍光灯Lへの電源を入切するとすれば、伝送ユニット30では、1個のスイッチSで1回路の蛍光灯Lの点灯と消灯とを行う個別制御と、1個のスイッチSで複数回路の蛍光灯Lの点灯と消灯とを一括して行う一括制御との設定が可能になっている。言い換えると、個別制御は1指示で1回路の負荷Lを制御することを意味し、一括制御は1指示で複数回路の負荷Lを制御することを意味する。このような一括制御には、グループ制御とパターン制御とがある。グループ制御では、制御対象となる負荷Lの範囲をスイッチSに予め対応付けておき、1個のスイッチSの操作によって当該範囲の負荷Lを一括してオンまたはオフにする。パターン制御では、制御対象となる負荷Lのアドレスの範囲と各アドレスに対応する負荷Lのオンとオフとの別とをスイッチSに予め対応付けておき、1個のスイッチSの操作によって当該範囲の負荷Lをそれぞれオンまたはオフにする。
【0030】
上述したグループ制御あるいはパターン制御を行うため、伝送ユニット30の制御テーブルにおいては、グループ制御あるいはパターン制御を行うスイッチSに対応するグループ番号またはパターン番号に、制御対象となる範囲の負荷Lのアドレスを対応付けてある。そして、グループ制御あるいはパターン制御を行うスイッチSが操作されたときに、伝送ユニット30では、制御テーブルと照合することにより制御対象となる負荷Lのアドレスを展開し、さらに負荷Lのオンおよびオフの状態を決定した後、制御テーブルの参照により得られたアドレスを持つ制御端末器33に指示を与える。
【0031】
すなわち、たとえば会議室のように多数の負荷Lが存在する場所で各負荷Lの動作を個別制御しようとすると、多数のスイッチSが必要となり、操作端末器31の占有スペースが大きくなるという問題がある。ここで、グループ制御やパターン制御を行えば、複数の負荷Lの個々の動作を1つのスイッチ操作で制御することが可能である。
【0032】
ここにおいて、グループ制御を行うには、どの負荷Lを一括して制御するかを予め設定する必要があり、パターン制御を行うには、どの負荷Lをどのような状態に制御するかを予め設定する必要がある。以下の実施形態で説明する監視制御装置1では、表示パネルの表示内容に関連付けられている操作入力部の操作に応答して負荷を制御する操作モードと、負荷制御(グループ制御やパターン制御の内容)に関する設定を行う設定モードとが切替可能になっている。
【0033】
以下に、上述の遠隔監視制御システムの動作について簡単に説明する。
【0034】
伝送ユニット30は、常時、端末アドレスをサイクリックに変更した伝送信号を周期的に信号線Lsに送出する常時ポーリングを行っている。伝送信号には、信号送出開始を示すスタートパルス、信号モードを示すモードデータ、操作端末器31や制御端末器33を各別に呼び出すための端末アドレスを伝送するアドレスデータ、負荷Lを制御するための制御データを伝送する制御データ(負荷番号を含む)、伝送エラーを検出するためのチェックサムデータ、操作端末器31や制御端末器33からの返送信号を受信するタイムスロットである信号返送期間を含む双極性の信号を用いている。
【0035】
いずれかの操作端末器31においてスイッチ操作等による監視入力が発生すると、当該操作端末器31は伝送信号のスタートパルスに同期する割込信号を信号線Lsに送出する。割込信号を発生した操作端末器31は割込フラグを設定したラッチ状態になる。一方、伝送ユニット30は割込信号を検出すると、モードデータをサーチモードとした伝送信号を送出する。ラッチ状態になっている操作端末器31は、サーチモードの伝送信号を受信すると信号返送期間において端末アドレスを返送し、端末アドレスを受け取った伝送ユニット30は、当該端末アドレスの操作端末器31にラッチ状態の返送を要求する伝送信号を伝送し、ラッチ状態か否かを確認することによって割込信号を発生した操作端末器31であることを確認する。割込信号を発生した操作端末器31であることが確認されると、ラッチ状態を解除させる伝送信号を伝送し、当該操作端末器31のラッチ状態を解除させる。
【0036】
伝送ユニット30は、上述の動作によって操作端末器31からの要求を受け取ると、制御テーブルに従って当該操作端末器31に対応付けられた制御端末器33に対して負荷Lの制御を要求する。次に、制御対象である負荷Lの状態を確認するための伝送信号を送出し、制御端末器33から負荷状態を返送させる。制御端末器33から受け取った負荷状態は、伝送ユニット30で確認され、現状の負荷状態がオフであれば負荷状態をオンに反転させる内容の伝送信号を監視入力があった操作端末器31に送信するとともに、制御端末器33にも同内容の伝送信号を送信する。なお、制御端末器33を制御する内容の伝送信号を操作端末器31にも伝送するのは、操作端末器31に設けたオンオフ表示用の表示灯などの表示状態に反映させるためである。負荷状態を指示する伝送信号を受け取った制御端末器33は、受信確認を返送する。
【0037】
以上説明した遠隔監視制御システムでは、操作端末器31のスイッチSが操作されると、伝送ユニット30においてこのスイッチSのアドレス(端末アドレス+負荷番号)が制御テーブルで照合され、スイッチSとの対応関係が設定されている負荷Lに接続された制御端末器33に対して、負荷Lの制御を指示する伝送信号が伝送ユニット30から伝送される。このような動作によって、スイッチSのオンオフ情報を負荷Lの制御に反映させることができる。
【0038】
(実施形態1)
本実施形態の監視制御装置1は、図3に示すように、液晶表示器にバックライトを一体化した表示パネル2と、表示パネル2の画面(前面)に重ねて配置された透明な板状のタッチスイッチからなる操作入力部3とを備えている。表示パネル2には多数の画素を縦横にマトリクス状に配列したマトリクス表示型のものを用い、画素の組み合わせによって図形を表示するようになっている。操作入力部3は、透明なシート状部材に透明電極からなる接点部を多数個配列し、シート状部材に指などが触れた際にどの部位に触れたのかを出力する抵抗感圧方式のタッチスイッチであり、表示パネル2と共にタッチパネルディスプレイを構成する。
【0039】
この監視制御装置1は、伝送ユニット30に接続された信号線Lsに接続され伝送信号(通信コマンド)を授受する通信回路11を備えている。通信回路11は制御部としてのメインマイコン12に接続され、メインマイコン12は、監視制御装置1の内蔵メモリとして設けられたフラッシュメモリ13に書き込まれているプログラムおよびデータに従って動作する。フラッシュメモリ13には少なくとも操作端末器31としてのアドレスが書き込まれる。
【0040】
さらにフラッシュメモリ13には、少なくともSDメモリカード(登録商標)からなるメモリカードMC(図6参照)のデータをコピーするための領域が確保されている。メモリカードMCは、後述するパネルケースの側面に開口した挿入口81(図6参照)から導入され、ソケット4に対して着脱自在に装着される。このメモリカードMCには、表示パネル2の画面表示および負荷制御に関する設定情報が記憶されており、当該設定情報を用いて各種設定が行われることで設定作業を簡略化することができる。
【0041】
メインマイコン12は、表示パネル2の表示内容を指示するデータをラッチ回路14を通して液晶コントローラ15に出力する。液晶コントローラ15は、DRAM16に予め登録してあるデータを用いて表示パネル2の所定位置に所定の内容を表示する。なお、表示パネル2のコントラストやバックライトの明るさは、メインマイコン12がコントラスト調整部17やバックライト用インバータ回路18を制御することによって自動的に調節される。さらに、メインマイコン12は操作入力部3の操作に応じてブザー19を鳴動させる機能を有している。
【0042】
ところで、本実施形態の監視制御装置1は、図4に示すように略直方体状の器体5を備え、埋込型の配線器具と同様に、器体5の後部を壁内に埋め込む形で壁に取り付けられる。この監視制御装置1は、後部が壁内に埋め込まれる形で壁に固定される本体ユニット6と、前部を壁面から前方に突出させる形で本体ユニット6の前面側に着脱可能に装着されるパネルユニット7とに分離される(図5参照)。以下では、監視制御装置1を壁に取り付けた状態での上下左右を上下左右として監視制御装置1の構成を説明する。
【0043】
ここに、監視制御装置1の内部回路は、本体ユニット6とパネルユニット7とに分割して設けられている。本実施形態では、内部回路に直流電源を供給する電源回路10(図3参照)と通信回路11とは本体ユニット側に設けられ、その他の回路(表示パネル2と操作入力部3とメインマイコン12とを含む)はパネルユニット7側に設けられている。
【0044】
本体ユニット6は、図5に示すように、前面に矩形状の開口部を有する箱状に形成された本体ボディ61と、本体ボディ61の前面に覆着される本体カバー62とで構成される本体ケース60を具備し、種々の電気部品が実装されている回路基板(図示せず)が本体ケース60内に収納された構成を有する。本体ユニット6は、電源供給用の電源線が接続される電源端子部T1(図1参照)と、信号線Lsが接続される信号端子部T2(図1参照)とを背面側に備えている。
【0045】
パネルユニット7は、前面に矩形状の開口部を有する薄箱状に形成されたパネルボディ71と、パネルボディ71の前面に覆着されるパネルカバー72とで構成されるパネルケース70を具備し、メインマイコン12など種々の電気部品が実装されている回路基板がパネルケース70内に収納された構成を有する。さらに、パネルユニット7は、パネルケース70の前壁の一部に矩形状の表示窓74が形成されており、表示パネル2および操作入力部3を表示窓74内に備えている。パネルケース70の前壁における表示窓74の下方においては、左右方向の中央部に押釦スイッチSW(図1参照)を操作するための操作部75が設けられ、当該操作部75の左側方にLED(図示せず)からの光を取り出すためのLED窓76が設けられている。
【0046】
押釦スイッチSWは、たとえば操作入力部3の操作を強制的に無効にするために設けられる。つまり、押釦スイッチSWが押操作されると以降は操作入力部3の操作が無効になって、パネルユニット7前面の拭き掃除などを行う際に操作入力部3が誤操作されることを回避可能となる。この状態で押釦スイッチSWが再度押操作されると、以降は操作入力部3の操作が有効となる。
【0047】
ここで、本実施形態の監視制御装置1は、壁面からの器体5の突出量を小さく抑え、且つ、一般に普及している埋込型の配線器具との外観上の統一感を出すとともに、取り付けに用いる部材の低コスト化を図るために、壁内に設置された埋込型の配線器具用の埋込ボックス(図示せず)を用いて壁に取り付けられる。
【0048】
本体ユニット6は、壁面に設けた施工孔を通して前方から埋込ボックスに取り付けられるのであって、本体ケース60が後部を埋込ボックス内に収納可能な形状および寸法に形成されている。また、本実施形態では、本体ユニット6の本体ケース60は1連用の取付枠(図示せず)を2個まで取付可能な埋込ボックスに対応する大きさに形成されている。ここでいう1連用の取付枠とは、埋込型の配線器具用にJISで規格化されている単位寸法の配線器具を幅方向(上下方向)に3個並べて取付可能な取付枠を意味しており、1連用の取付枠が左右方向に2個連接された寸法を「2連用」と呼ぶ。すなわち、本実施形態の本体ユニット6は2連用の埋込ボックスに取付可能な寸法に設定される。
【0049】
より具体的に説明すると、本体ケース60は、上下方向の各端面のそれぞれから互いに離れる向きに延設された一対の取付片63を連続一体に有する。一対の取付片63は、本体ケース60の前端部から上下方向に突出する形で設けられており、本体ケース60の左右方向の略全長にわたって形成される。各取付片63には、埋込型の配線器具を埋込ボックスに固定する際に用いられる取付枠と同様に、取付ねじを挿通するボックス用孔64がそれぞれ複数個(ここでは2個)ずつ形成されている。なお、上下方向において取付片63におけるボックス用孔64の外側には、器体5の前端部の周囲に取付片63を覆う形で取着される化粧プレート(図示せず)をねじ固定するためのプレート取付孔65が形成されている。
【0050】
本体ケース60とパネルケース70とのそれぞれには、互いに係合することで本体ユニット6にパネルユニット7を結合する取付手段が設けられている。本体ケース60は、図5に示すように、前面に嵌合凹所66を有し、嵌合凹所66の左右各側面に設けた係止孔67を取付手段として備えている。嵌合凹所66はその底面が壁面よりも後方となるように深さ寸法が設定されており、係止孔67は上下方向に2個ずつ並設されている。
【0051】
パネルケース70においては、図6に示すように、背面側に突出し嵌合凹所66に嵌合する嵌合突部78を有し、嵌合突部78の左右各側面に設けた係止片79を取付手段として備えている。係止片79は、嵌合突部78を嵌合凹所66に嵌合させた状態で係止孔67に対応する各位置に設けられており、その先端部からパネルケース70外側に突出した係止爪79aを係止孔67に対して挿抜自在とする片持ち梁型のスナップフィット形状からなる。これにより、嵌合突部78が嵌合凹所66に嵌合されると、係止片79はその先端部に設けた係止爪79aを係止孔67に挿入することによって係止孔67と係合し、本体ユニット6にパネルユニット7が機械的に結合される。
【0052】
ここにおいて、パネルユニット7は前面の左右方向の寸法が本体ユニット6と略同等の大きさに形成され、上下方向の寸法が本体ユニット6よりやや小さく設定されている。そのため、パネルユニット7を本体ユニット6に装着した状態で、本体ユニット6の前面の全域がパネルユニット7に覆われることはなく、取付片63のうちのプレート取付孔65が形成された部分がパネルユニット7の上下両側に露出する。ただし、この露出した部分は取付片63に化粧プレートを装着することで隠れることになる。ここに、パネルユニット7の厚み寸法(前後方向の寸法)は、化粧プレートを装着した状態で当該化粧プレートとパネルユニット7との壁面からの突出量が略同じになるように設定される。
【0053】
また、パネルユニット7は、本体ユニット6を接続するためのパネル側コネクタ80(図6参照)を背面側(嵌合突部78の先端面)に有し、本体ユニット6はパネル側コネクタ80に接続される本体側コネクタ68(図5参照)を前面側(嵌合凹所66の底面)に有し、パネル側コネクタ80と本体側コネクタ68とを互いに接続することにより、本体ユニット6とパネルユニット7とが互いに電気的に接続される。しかして、パネルユニット7は、本体ユニット6への装着時に本体側コネクタ68とパネル側コネクタ80とを介して電源回路10から電力供給を受けて動作する。
【0054】
ここに、本体側コネクタ68とパネル側コネクタ80との少なくとも一方は、器体5の前面に沿う面内において器体5に対して所定範囲で変位可能(上下左右に変位可能)な可動式のスタックコネクタからなる。これにより、本体ケース60やパネルケース70の寸法ばらつきや回路基板上の部品(コネクタ)実装位置のばらつきなどに起因して、本体側コネクタ68とパネル側コネクタ80との間に相対的な位置ずれが生じたとしても、本体ユニット6とパネルユニット7とを確実に接続することができる。なお、本体側コネクタ68およびパネル側コネクタ80としては、多数の接触子が左右方向に列設された横長形状のものを用いている。
【0055】
ところで、本実施形態の監視制御装置1においては、図1に示すように、本体側コネクタ68とパネル側コネクタ80との接続を検知する検知手段21と、検知手段21の出力に応じて電源回路10から本体側コネクタ68への通電をオンオフ制御する通電制御手段22とを本体ユニット6に設け、検知手段21にて両コネクタ68,80間の接続が検知されてからパネルユニット7への電力供給が開始される構成としてある。なお、図1では、パネルユニット7におけるメインマイコン12およびその周辺回路を制御部20として図示し、以下の説明に関係のない構成要素の図示を省略している。
【0056】
本体ユニット6は、パネルユニット7内でパネル側コネクタ80に接続されている検知用電路Leに対して両コネクタ68,80間の接続時に通電する検知用電源23を有しており、検知手段21は、検知用電源23と本体側コネクタ68との接続点の電位を監視することによって両コネクタ68,80間の接続の成否を検知する。
【0057】
具体的に説明すると、ここでは本体側コネクタ68およびパネル側コネクタ80の接触子のうち、互いに対となる(互いに接触する)少なくとも1組の接触子を検知ピンP1a,P1bとし、本体ユニット6側の検知ピンP1aを検知用電源23に接続し、パネルユニット7側の検知ピンP1bを検知用電路Leに接続している。検知用電源23は、検知用ピンP1aにプルアップ抵抗を介して接続された正電位点Vcを有する。さらに、検知用電路Leにおける検知ピンP1bと反対側の端部は回路グランドに接続されている。検知手段21は、検知用電源23と本体側コネクタ68(検知ピンP1a)との接続点に接続されており、当該接続点の電位を検知入力として監視する。
【0058】
しかして、検知手段21は、検知入力が規定値以上(Hレベル)であれば、検知ピンP1a,P1b同士が接続されていない(つまり、検知用電源23から検知用電路Leに通電されていない)から両コネクタ68,80間は接続されていないと判断する。一方、検知入力が規定値未満(Lレベル)であれば、検知ピンP1a,P1b同士が接続されている(つまり、検知用電源23から検知用電路Leに通電されている)から両コネクタ68,80間は接続されていると判断する。
【0059】
ここで、本体ユニット6とパネルユニット7との間における回路グランド同士の接続(グランド接続)は、インピーダンスを比較的低くして信頼性を確保するために複数組の接触子(図1ではグランド接続用の接触子の図示を省略する)にて実現されている。そのため、パネルユニット7を本体ユニット6に装着する際、通常はグランド接続用の接触子同士が接続された後、検知ピンP1a,P1b同士が接続されて検知用電源23が検知用電路Leに通電することになる。
【0060】
通電制御手段22は、電源回路10と本体側コネクタ68との間に挿入された通電スイッチ24をオンオフ制御するものであって、両コネクタ68,80間が接続されたと検知手段21にて判断されたときに、検知手段21から制御入力を受けて通電スイッチ24をオンする。通電スイッチ24がオンすると、電源回路10から本体側コネクタ68への通電が開始するので、本体側コネクタ68およびパネル側コネクタ80を通して電源回路10からパネルユニット7への電力供給が開始する。なお、検知手段21および通電制御手段22は、たとえばマイコンなどを用いて実現される。通電スイッチ24は有接点スイッチであってもよいが、無接点スイッチであってもよい。
【0061】
ここで、通電制御手段22は、検知手段21から制御入力を受けている間(つまり、両コネクタ68,80間が接続されていると検知手段21が判断している間)のみ通電スイッチ24をオンする。つまり、パネルユニット7が取り外されることで本体側コネクタ68とパネル側コネクタ80との接続が解除されて検知用電源23と検知用電路Leとの間が遮断されると、通電制御手段22は通電スイッチ24をオフとすることで、電源回路10から本体側コネクタ68への通電を停止する。
【0062】
以上説明した構成によれば、パネルユニット7を本体ユニット6に装着する際、本体側コネクタ68とパネル側コネクタ80との間の接続が検知手段21で検知されるまでは、電源回路10と本体側コネクタ68との間は遮断されることとなり、非通電状態にある本体側コネクタ68にパネル側コネクタ80を接続することができる。これにより、コネクタ68,80間の接続時に生じ得る不具合の発生を回避することができる。
【0063】
つまり、通電状態にある本体側コネクタ68にパネル側コネクタ80を接続する活線接続を行った場合、接続する際に両コネクタ68,80間の相対的な位置がずれた状態で両コネクタ68,80の接触子同士が接触することにより、パネル側コネクタ80の接触子が本体側コネクタ68において対となる接触子以外の接触子と接触し、異常な電流が流れて本体ユニット6やパネルユニット7において故障等の不具合を生じる可能性がある。さらに、パネル側コネクタ80において接触子ごとに本体側コネクタ68の接触子と接触するタイミングにばらつきが生じて、通電開始のタイミングに回路間で時間差が生じる(たとえば、メインマイコン12の通電が開始した後で遅れて表示パネル2の通電が開始する)ことにより、パネルユニット7の動作に不具合を生じる可能性がある。
【0064】
本発明の監視制御装置1では、上述したような活線接続時に生じ得る不具合の発生を回避することで、信頼性の向上を図ることができるという利点がある。特に、本実施形態のように本体ユニット6を壁に埋め込む構造を採用している場合、通常、本体ユニット6は電源線や信号線Lsが予め接続された状態で壁に取り付けられ、その後、パネルユニット7が装着されることとなるので、活線接続時における不具合の発生を回避できる上記構成は非常に有用である。
【0065】
しかも、本体ユニット6からパネルユニット7が取り外された状態では、電源回路10から本体側コネクタ68への通電が停止されることになるので、通電状態にある本体側コネクタ68が外部に露出することはない。そのため、通電状態にある本体側コネクタ68に異物が付着し、当該異物を介して電流が流れて本体ユニット6に故障等の不具合を生じることを防止できる。
【0066】
また、本体ユニット6にパネルユニット7が装着されたことを、機械スイッチを用いて検知することも考えられるが、この場合、本体ユニット6におけるパネルユニット7との対向面に、機械スイッチの操作子を設ける必要がある。これに対して、本実施形態の構成では、両コネクタ間68,80の電気的接続を検知するようにしているから、機械スイッチの操作子のような可動部が不要な分だけ構造を簡単にすることができる。また、本体ユニット6におけるパネルユニット7との対向面については、たとえば機能拡張用の端子を設けるなど様々な有効利用の可能性が考えられるので、この面に機械スイッチの操作子を設ける場合に比べると、有効利用できるスペースが広くなるという利点もある。
【0067】
なお、本体側コネクタ68およびパネル側コネクタ80としては、接触子が左右方向に列設された横長形状のものを用いているため、本実施形態のように検知ピンP1a,P1b同士が接続されたことをもって両コネクタ68,80間の接続を検知する場合、各検知ピンP1a,P1bをそれぞれ本体側コネクタ68、パネル側コネクタ80における左右方向の中央部に配置することが望ましい。これにより、パネルユニット7が本体ユニット6に対して斜めに取り付けられ、本体側コネクタ68に対して左右方向の一端側でのみパネル側コネクタ80が接触した状態(片当り状態)となることがあっても、両コネクタ68,80の中央部同士が接触するまでは両コネクタ68,80間の接続は検知されることはなく、検知手段21における接続検知の信頼性が高くなる。
【0068】
ところで、通電制御手段22は、検知手段21で両コネクタ68,80間の接続が検知された時点で電源回路10から本体側コネクタ68への通電をオンする構成に限らず、検知時点から所定の時間遅れをもって通電をオンする構成であってもよい。これにより、本体ユニット6にパネルユニット7を装着する際、両コネクタ68,80が接離を繰り返すことがあっても、時間遅れをもって本体側コネクタ68への通電が開始するので、チャタリングを生じることなくパネルユニット7への通電を開始することができる。
【0069】
また、本体ユニット6の電源回路10は、たとえばメインマイコン12とその周辺回路(インタフェース回路等)とのそれぞれに対して別系統の電源を供給する場合のように、パネルユニット7に対して電圧値の異なる複数系統の電源を供給する場合がある。このような場合に、各電源の供給路上にそれぞれ通電スイッチ24を設け、通電制御手段22が各通電スイッチ24を個別に制御する構成とすることが望ましい。これにより、各電源ごとに通電開始のタイミングに時間差(タイムラグ)を付与することができ、たとえばメインマイコン12への通電を行ってから、遅れてその周辺回路に通電を開始するということが可能となる。
【0070】
なお、検知手段21は、検知用電源23が検知用電路Leに通電して検知用電源23と本体側コネクタ68との接続点の電位(検知入力)が変化したときに両コネクタ68,80間の接続を検知するものであればよく、上記実施形態の構成に限るものではない。たとえば、本体側コネクタ68の2つの接触子を検知ピンとするとともにこれらの検知ピンと対になるパネル側コネクタ80の接触子間を検知用電路で短絡し、本体側コネクタ68の一方の検知ピンを正電位点Vcに接続して、他方の検知ピンの電位を検知入力とすることが考えられる。この構成では、両コネクタ68,80間が接続されて検知用電源23から検知用電路Leに通電されると、検知入力がLレベルからHレベルに変化する。
【0071】
(実施形態2)
本実施形態の監視制御装置1は、本体側コネクタ68およびパネル側コネクタ80のそれぞれについて複数箇所に検知ピンを設けた点が実施形態1の監視制御装置1と相違する。
【0072】
本実施形態では、図7に示すように本体側コネクタ68の左端部(図7の下方を左方とする)に検知ピンP1a、中央部に検知ピンP2a、右端部に検知ピンP3aを設け、パネル側コネクタ80における検知ピンP1a,P2a,P3aに対応する各部位にそれぞれ検知ピンP1b,P2b,P3bを設けてある。ここに、パネル側コネクタ80の各検知ピンP1b〜P3bは、それぞれ別々の検知用電路Le1〜Le3に接続される。検知用電源23は各検知用電路Le1〜Le3ごと(つまり、各検知ピンP1a〜P3aごと)にそれぞれ設けられる。
【0073】
検知手段21は、検知用電源23と本体側コネクタ68(検知ピンP1a〜P3a)との各接続点からそれぞれ検知入力を受け、これら検知入力が全てLレベルとなったときに、両コネクタ68,80間が接続されていると判断する。すなわち、検知手段21は検知用電路Le1〜Le3ごとに取得した検知入力の論理積をとることで、検知用電路Le1〜Le3のうち1つでも通電されていないものがあれば、両コネクタ68,80間が接続されていないものと判断する。これにより、検知用電源23が検知用電路Le1〜Le3の全てに通電するまでは、通電制御手段22が電源回路10からパネルユニット7への電力供給を開始することはない。
【0074】
したがって、パネルユニット7が本体ユニット6に対して斜めに取り付けられることがあっても、本体側コネクタ68に対して、左端部、中央部、右端部の全てでパネル側コネクタ80が接触するまでは、両コネクタ68,80間の接続が検知されることはなく、検知手段21における接続検知の信頼性が高くなる。その結果、本体側コネクタ68に対して左右方向の一端側でのみパネル側コネクタ80が接触した状態(片当り状態)のように、両コネクタ68,80間の接続が不完全な状態でパネルユニット7に電力供給が開始されることを防止できる。
【0075】
なお、本実施形態では、各コネクタ68,80にそれぞれ3本の検知ピンを設ける例を示したが、この例に限らず、検知ピンが各コネクタ68,80の複数箇所に形成されていれば、両コネクタ68,80間の接続が不完全な状態でパネルユニット7に電力供給が開始されることを防止できる。
【0076】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0077】
(実施形態3)
本実施形態の監視制御装置1は、パネル側コネクタ80の複数箇所に接続された検知用電路を全て直列に接続し1本の検知用電路Leとしている点が実施形態2の監視制御装置1と相違する。
【0078】
本実施形態では、図8に示すようにパネルユニット7内において検知ピンP1bと検知ピンP2bとを互いに接続し、本体ユニット6内において検知ピンP2aと検知ピンP3aとを互いに接続することで、実施形態2における検知用電路Le1〜Le3を1本の検知用電路Leとしてある。ここで、検知用電源23は本体側コネクタ68の検知ピンP1aにのみ接続されている。
【0079】
検知手段21は、検知用電源23と本体側コネクタ68(検知ピンP1a)との接続点から検知入力を受け、実施形態1で説明したように当該検知入力がLレベルであれば、検知用電源23から検知用電路Leに通電されており両コネクタ68,80間は接続されていると判断する。
【0080】
この構成によれば、パネル側コネクタ80の複数箇所に接続された検知用電路の導通状態の監視を1つの検知入力で行うことができ、実施形態2のように複数の検知入力を監視する場合に比べて、たとえばマイコンなどによる検知入力の監視のために必要な入力ポート数を少なくでき、処理負荷も軽減できるという利点がある。
【0081】
その他の構成および機能は実施形態2と同様である。
【0082】
ところで、上記各実施形態では、本体モジュール6を埋込型とした監視制御装置1について説明したが、本体モジュール6は埋込型に限るものではなく、壁面に背面を対向させる形で壁に固定される露出型の本体モジュール6を備えた監視制御装置1に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 監視制御装置
2 表示パネル
3 操作入力部
6 本体ユニット
7 パネルユニット
10 電源回路
11 通信回路
12 メインマイコン(制御部)
21 検知手段
22 通電制御手段
23 検知用電源
24 通電スイッチ
68 本体側コネクタ
80 パネル側コネクタ
Le 検知用電路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信によって負荷の監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられ、壁に固定される本体ユニットと、本体ユニットの前面側に着脱可能に装着されるパネルユニットとに分割され、本体ユニットには、駆動用電力を出力する電源回路と、複数の負荷を監視制御対象として通信コマンドを伝送する通信回路とを備え、パネルユニットには、文字および図形を表示可能な表示パネルと、ユーザによる操作入力を受け付ける操作入力部と、表示パネルの表示内容に関連付けられている操作入力部の操作入力に応じた負荷制御および負荷状態に応じた画面表示を表示パネルに行わせる制御部とを備えた監視制御装置であって、パネルユニットは、本体ユニットの前面側に設けられているコネクタと電気的に接続されるコネクタを有し、本体ユニットへの装着時に両コネクタを介して電源回路から電力供給を受け、本体ユニットは、パネルユニット内でコネクタに接続されている検知用電路に対して両コネクタ間の接続時に通電する検知用電源と、検知用電源が検知用電路に通電して検知用電源とコネクタとの接続点の電位が変化したときに両コネクタ間の接続を検知する検知手段と、検知手段で接続が検知されるとパネルユニットへの電力供給をオンする通電制御手段とを有することを特徴とする監視制御装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記検知用電源と前記検知用電路との間が遮断されて前記電位が変化したときに両コネクタ間の接続の解除を検知し、前記通電制御手段は、前記検知手段で接続の解除が検知されるとパネルユニットへの電力供給をオフすることを特徴とする請求項1記載の監視制御装置。
【請求項3】
前記検知用電路は、前記パネルユニット側の前記コネクタの複数箇所に接続されており、前記検知手段は、前記検知用電源が全ての検知用電路に通電したときに両コネクタ間の接続を検知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の監視制御装置。
【請求項4】
全ての前記検知用電路は互いに直列接続されており、前記検知手段は、前記検知用電源が当該直列回路に通電して前記電位が変化したときに、両コネクタ間の接続を検知することを特徴とする請求項3記載の監視制御装置。
【請求項5】
前記検知用電源は各検知用電路に対して個別に通電し、前記検知手段は、前記電位の変化を各検知用電路ごとに監視し、当該監視結果の論理積をとることで両コネクタ間の接続を検知することを特徴とする請求項3記載の監視制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−177923(P2010−177923A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17104(P2009−17104)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】