監視制御装置
【課題】平常時及び緊急時に表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルをグラフィック画面上に表示して、グラフィック画面の二重管理を不要とする監視制御装置を得る。
【解決手段】グラフィック画面のシンボルごとに、プラントの緊急事態に対応した緊急度を予め設定したテーブルをデータ記憶部1eに記憶し、プラントの緊急時の緊急度が設定されたアラームを、データ送受信部1dがプラント制御ネットワーク2から受信したとき、データ制御部1cで緊急時を判断して、監視制御装置1を緊急モードに設定し、表示制御部1bは、緊急モードを検知すると、アラームに設定された緊急度を基にして、テーブルのシンボルごとに設定された緊急度と比較し、アラームに設定された緊急度以上の緊急度が設定されたシンボルのみを画面1aに表示するようにした。
【解決手段】グラフィック画面のシンボルごとに、プラントの緊急事態に対応した緊急度を予め設定したテーブルをデータ記憶部1eに記憶し、プラントの緊急時の緊急度が設定されたアラームを、データ送受信部1dがプラント制御ネットワーク2から受信したとき、データ制御部1cで緊急時を判断して、監視制御装置1を緊急モードに設定し、表示制御部1bは、緊急モードを検知すると、アラームに設定された緊急度を基にして、テーブルのシンボルごとに設定された緊急度と比較し、アラームに設定された緊急度以上の緊急度が設定されたシンボルのみを画面1aに表示するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラントの設備運転状態を監視及び制御するために、プラントの状態を機器のシンボルの組み合わせで表すグラフィック画面を表示する監視制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプラント監視制御システムにおけるプラント監視制御装置では、豪雨や災害などの緊急時に重要な情報のみを迅速に確認したいというユーザの要求がある。それに応えるためには、重要性の低い故障等も含めた平常時用と、重要な情報のみを抽出した緊急時用の、それぞれのグラフィック画面を用意する必要があった。(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−29826号公報(第3〜4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、水処理プラントでは、監視制御の広域化と共に、プラント監視システムによって制御する機器の数が多くなり、グラフィック画面が煩雑になる傾向がある。そのため、豪雨や災害といった緊急時に迅速に判断するためには、緊急時には重要な情報のみを表示するグラフィック画面が必要である。
しかし、従来のプラント監視制御装置は、上述のように構成されているため、平常時用と、緊急時用の、それぞれのグラフィック画面を用意する必要があり、同様の画面を二重管理することによるコストアップの問題があった。
加えて、緊急時には、ユーザ自身により平常時用の画面から緊急時用の画面へと切り替える手間が必要であった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、平常時及び緊急時に表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルをグラフィック画面上に表示して、グラフィック画面の二重管理を不要とする監視制御装置を得ることを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わる監視制御装置においては、プラントの運転状態を監視制御するために、プラントの状態をプラントの機器のシンボルの組み合わせで表現するグラフィック画面を表示する監視制御装置であって、グラフィック画面のシンボルごとに、プラントの緊急事態に対応した緊急度を予め設定したシンボル緊急度テーブル、プラントの緊急事態発生時の緊急事態の緊急度が設定されたアラームを含むデータを受信するデータ受信部、及びグラフィック画面を表示する表示制御部を備え、表示制御部は、プラントの緊急事態発生時には、アラームに設定された緊急度を基準にして、シンボル緊急度テーブルのシンボルごとに設定された緊急度に応じて、グラフィック画面上へのシンボルの表示または非表示を選択するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、プラントの運転状態を監視制御するために、プラントの状態をプラントの機器のシンボルの組み合わせで表現するグラフィック画面を表示する監視制御装置であって、グラフィック画面のシンボルごとに、プラントの緊急事態に対応した緊急度を
予め設定したシンボル緊急度テーブル、プラントの緊急事態発生時の緊急事態の緊急度が設定されたアラームを含むデータを受信するデータ受信部、及びグラフィック画面を表示する表示制御部を備え、表示制御部は、プラントの緊急事態発生時には、アラームに設定された緊急度を基準にして、シンボル緊急度テーブルのシンボルごとに設定された緊急度に応じて、グラフィック画面上へのシンボルの表示または非表示を選択するので、緊急事態発生時には、表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面上に表示することにより、平常時と緊急事態発生時のグラフィック画面の二重管理を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1によるプラント監視システムを示すシステム構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による監視制御装置を示す詳細構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1による監視制御装置のグラフィック画面を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1による監視制御装置の緊急時の処理を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1による監視制御装置の緊急時のグラフィック画面を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの端末レベルを示す図である。
【図8】この発明の実施の形態3による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルのユーザレベルを示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4による監視制御装置の緊急時の処理を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態5による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態5による監視制御装置の緊急時の処理を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態6による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態6による監視制御装置の緊急時の処理を示すフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態6による監視制御装置の緊急時のグラフィック画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるプラント監視システムを示すシステム構成図である。
図1において、プラント監視システムは、次のように構成されている。
プラント機器4a〜4dは、モーターや弁等の機械や計測機器である。プラント情報処理装置3a、3bは、プラント機器4a〜4dを制御及び計測する。監視制御装置1は、プラント情報処理装置3a、3bから収集したデータを基にプラント機器4a〜4dを監視及び制御する。プラント制御ネットワーク2は、監視制御装置1とプラント情報処理装置3a、3bとに接続され、プラント情報処理装置3a、3bにて処理されたデータを監視制御装置1へ、また監視制御装置1からの制御命令をプラント情報処理装置3a、3b
へそれぞれ伝送する。
【0010】
図2は、この発明の実施の形態1による監視制御装置を示す詳細構成図である。
図2において、1、2、3a、3b、4a〜4dは図1におけるものと同一のものである。監視制御装置1は、プラントの状態を表示する画面1aと、画面1aの表示を制御する表示制御部1bと、プラント機器4a〜4dで計測されたデータの処理や表示制御部1bからの指令(制御命令)を処理するデータ制御部1cと、プラント制御ネットワーク2とデータを送受信するデータ送受信部1d(データ受信部)と、収集したデータ及び後述するテーブルや設定を記録するデータ記憶部1eとを有している。データ記憶部1eは、記憶装置に形成される。
【0011】
図3は、この発明の実施の形態1による監視制御装置のグラフィック画面を示す図であり、図2の画面1aの例を示している。
図3において、画面1aに表示されるグラフィック画面は、シンボルによって構成される。シンボルは、弁s1、s2と、池s3、s4と、ポンプs5、s6と、配管s7、s8等、監視制御対象となる様々な機器を表現する。
また、シンボルは、状態や数値を表示するだけの表示シンボルと、プラント機器の運転・停止等の制御や、機器の諸元を設定可能な制御シンボルとの二つがある。これらのシンボルには、後述する図4のように、予め緊急度が設定される。
また、プラント制御ネットワーク2を通じて収集するアラーム信号にも予め緊急度が設定される。
【0012】
図4は、この発明の実施の形態1による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
図4において、シンボルごとに緊急度が予め設定されたテーブル(シンボル緊急度テーブル)を示している。
【0013】
図6は、この発明の実施の形態1による監視制御装置の緊急時のグラフィック画面を示す図である。
図6において、画面1aには、緊急度の高いシンボルである、池s3、s4と、ポンプs5、s6と、配管s8のみが表示されている。
【0014】
次に、緊急事態発生時の監視制御装置1の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
実施の形態1では、プラント制御ネットワーク2を通じて、緊急度の高いアラーム信号をデータ送受信部1dが受信した場合、データ制御部1cにその情報を送信する。データ制御部1cは、このアラーム信号の受信により緊急事態と判断して、監視制御装置1を緊急モードに設定する(step01)。
表示制御部1bは、データ制御部1cが監視制御装置1を緊急モードに設定したことを検知すると、現在表示されている画面がグラフィック画面であれば(step02)、表示制御部1bは現在表示されているグラフィック画面上から、発生したアラームの緊急度より低い緊急度のシンボルの表示を消去し、図6のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度のシンボルのみを表示する(step03)。
そして、図6のように、緊急モードであることを示すダイアログをグラフィック画面上に表示し、緊急モードへの切替が完了する(step04)。
【0015】
緊急モードへの切替が完了した後は、別のグラフィック画面を表示した場合も、発生したアラームの緊急度より低い緊急度のシンボルの表示を消去し、図6のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度のシンボルのみを表示する。
【0016】
緊急モードから通常モードへ戻るには、アラームの発生が解除される、もしくは、緊急モードであることを示すダイアログ上のモード解除ボタンをクリックすることにより、通常モードへと戻る。
【0017】
以上のように、実施の形態1によれば、シンボルに設定した緊急度に従って、平常時、または緊急時に表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面上に表示することができる。
これにより、従来問題となっていた、平常時用の画面と緊急時用の画面との二重管理によるコストを削減でき、また、緊急時に緊急時用の画面を表示するための、ユーザの手間を削減することができる。
【0018】
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの端末レベルを示す図である。
図7において、シンボルごとに端末レベルを予め設定したテーブル(シンボル監視制御装置レベルテーブル)が示されている。
【0019】
実施の形態1では、シンボルに設定した緊急度に従って、平常時、もしくは、緊急時に表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示する方法について述べたが、実施の形態2では、端末(監視制御装置)のレベルによって、シンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示するようにしたものである。
各端末には、端末レベルが予め設定されている。この端末レベルは、図7のようにシンボルごとに設定されている。
【0020】
次に、各端末においてグラフィック画面を表示した際の動作について説明する。
実施の形態2では、端末レベルの設定された端末でグラフィク画面を表示した際、設定された端末レベルより高い端末レベルのシンボルの表示を消去し、図6と同様に、端末レベル以下のレベルのシンボルのみを表示する。
これにより、従来、端末ごとに表示するグラフィック画面のシンボルを変更したい場合、それぞれにグラフィック画面を作成する必要があり、同じような画面を複数作成する必要があって、多重管理となっていた。
【0021】
実施の形態2によれば、端末レベルにより、一つのグラフィック画面のシンボルの表示、非表示を切り替えることにより、グラフィック画面の一元管理が可能となり、コスト削減につなげることができる。
【0022】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルのユーザレベルを示す図である。
図8において、シンボルごとにユーザレベルを予め設定したテーブル(シンボルユーザレベルテーブル)が示されている。
【0023】
実施の形態2では、シンボルに設定した端末レベルに従って、端末ごとに表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示する方法について述べたが、実施の形態3では、ユーザのレベルによって、シンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示するようにした。
【0024】
ユーザは、予め端末に自身のユーザIDとパスワード、そして、ユーザレベルが登録される。グラフィック画面を表示する前に、ユーザは自身のユーザIDと対応したパスワー
ドによりログインする必要がある。
【0025】
次に、監視制御装置にログインしたユーザが、グラフィック画面を表示した際の動作について説明する。
実施の形態3では、各ユーザがグラフィック画面を表示した際、設定されたユーザレベルより高いユーザレベルのシンボルの表示を消去し、図6と同様に、ユーザレベル以下のレベルのシンボルのみを表示する。
これにより、従来、ユーザごとに表示するグラフィック画面のシンボルを変更したい場合、それぞれにグラフィック画面を作成する必要があり、同じような画面を複数作成する必要があり、多重管理となっていた。
【0026】
実施の形態3によれば、ユーザレベルにより、一つのグラフィック画面のシンボルの表示、非表示を切り替えることにより、グラフィック画面の一元管理が可能となり、コスト削減につなげることができる。
【0027】
実施の形態4.
実施の形態1〜実施の形態3では、シンボルに設定した、緊急度、端末レベル、ユーザレベルに従って、表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示する方法について述べたが、それに加えて、実施の形態4は、緊急度、端末レベル、ユーザレベルに従って、設定・制御可能な制御シンボルを、状態表示するだけの表示シンボルに自動的に変更するようにしたものである。
【0028】
監視制御装置1において、シンボルの緊急度に従って、グラフィック画面の設定・制御可能な制御シンボルを、状態表示するだけのシンボルに自動的に変更する際の動作について、図9のフローチャートを用いて説明する。
プラント制御ネットワーク2を通じて、緊急度の高い信号をデータ送受信部1dが受信した場合、データ制御部1cにその情報を送信する。データ制御部1cは、緊急事態と判断して、監視制御装置1を緊急モードに設定する(step31)。
表示制御部1bは、データ制御部1cが緊急モードに設定したことを検知すると、現在表示されている画面がグラフィック画面であれば(step32)、表示制御部1bは、現在表示されているグラフィック画面上から、発生したアラームの緊急度より低い緊急度の制御シンボルを表示シンボルに変更する。そして、発生したアラームの緊急度以上の緊急度の制御シンボルのみを制御可能とする(step33)。
そして、緊急モードであることを示すダイアログを画面上に表示し、緊急モードへの切替が完了する(step34)。
【0029】
次に、監視制御装置1において、端末レベルに従って、グラフィック画面の設定・制御可能な制御シンボルを、状態表示するだけの表示シンボルに自動的に変更する際の動作について説明する。
端末レベルの設定された端末でグラフィク画面を表示した際、設定された端末レベルより高い端末レベルの制御シンボルを表示シンボルに変更する。
【0030】
次に、監視制御装置1において、ユーザレベルに従って、グラフィック画面の設定・制御可能な制御シンボルを、状態表示するだけの表示シンボルに自動的に変更する際の動作について説明する。
ログインしたユーザがグラフィック画面を表示した際、設定されたユーザレベルより高いユーザレベルの制御シンボルを表示シンボルに変更する。
【0031】
従来の監視制御装置では、緊急時や平常時に、制御可能なシンボルを変える場合、端末ごとまたはユーザごとに、複数の画面を作らなければならなかったが、実施の形態4によ
れば、作成した一つの画面に表示されるシンボルを、制御シンボルと表示シンボルに切り替えることにより、グラフィック画面の一元管理が可能となり、コスト削減に繋がる。
【0032】
なお、シンボルごとの緊急度による制御シンボルから表示シンボルへの変更と、シンボルごとの端末レベルによる制御シンボルから表示シンボルへの変更と、シンボルごとのユーザレベルによる制御シンボルから表示シンボルへの変更は、任意に組み合わせて実施することができる。
【0033】
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
図10において、シンボルごとに、アラームのグループと緊急度が予め設定されたテーブル(シンボル緊急度テーブル)が示されている。
【0034】
実施の形態1では、シンボルの緊急度に従って、表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示する方法について述べたが、実施の形態5では、緊急度に加えて、発生したアラームのグループによって、表示するシンボルを変更するようにしたものである。
【0035】
各シンボルは、図10に示すとおり、アラームのグループ(一つ以上)と緊急度が設定される。また、発生するアラームにも同様にグループ(一つのみ)と緊急度が設定される。
【0036】
次に、緊急事態発生時の監視制御装置1に動作について、図11のフローチャートを用いて説明する。
実施の形態5では、プラント制御ネットワーク2を通じて、緊急度の高い信号をデータ送受信部1dが受信した場合、データ制御部1cにその情報を送信する。データ制御部1cは、緊急事態と判断して、監視制御装置1を緊急モードに設定する(step41)。
表示制御部1bは、データ制御部1cが監視制御装置1を緊急モードに設定したことを検知すると、現在表示されている画面がグラフィック画面であれば(step42)、表示制御部1bは、現在表示されているグラフィック画面上から、発生したアラームの緊急度より低い緊急度のシンボルと発生したアラームのグループに所属しないシンボルの表示を消去し、図6のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度で、かつ、発生したアラームが所属するグループのシンボルのみを表示する(step43)。
そして、緊急モードであることを示すダイアログを画面上に表示し(step44)、緊急モードへの切替が完了する。
【0037】
緊急モードへの切替が完了した後は、別のグラフィック画面を表示した場合も、発生したアラームの緊急度より低い緊急度のシンボルの表示を消去し、図6のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度で、かつ、発生したアラームが所属するグループのシンボルのみを表示する。
【0038】
緊急モードから通常モードへ戻るには、アラームの発生が解除される、もしくは、緊急モードであることを示すダイアログ上のモード解除ボタンをクリックすることにより、通常モードへと戻る。
【0039】
以上のように、実施の形態5によれば、緊急時において、発生したアラームの近辺のみを集中して監視を行うことができ、利便性が向上する。
【0040】
実施の形態6.
図12は、この発明の実施の形態6による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
図12において、シンボルごとに、表示が半透明か透明かと、緊急度を予め設定したテーブル(シンボル緊急度テーブル)が示されている。
【0041】
図14は、この発明の実施の形態6による監視制御装置の緊急時のグラフィック画面を示す図である。
図14において、緊急モード中に、シンボルが表示されたグラフィック画面が示されている。図14では、池s3、s4と、ポンプs5、s6と、配管s8のシンボルが通常通り表示され、弁s1、s2と、配管s7のシンボルが、半透明で表示されている。
【0042】
実施の形態1では、シンボルの緊急度に従って、表示するシンボルを自動的に表示・非表示を選択する方法について述べたが、実施の形態6では、表示・非表示だけでなく、半透明のシンボルとして表示することができるようにした。
【0043】
次に、緊急事態発生時の監視制御装置1に動作について、図13のフローチャートを用いて説明する。
実施の形態6では、プラント制御ネットワーク2を通じて、緊急度の高い信号をデータ送受信部1dが受信した場合、データ制御部1cにその情報を送信する。データ制御部1cは、緊急事態と判断して、監視制御装置1を緊急モードに設定する(step51)。
表示制御部1bは、データ制御部1cが監視制御装置1を緊急モードに設定したことを検知すると、現在表示されている画面がグラフィック画面であれば(step52)、表示制御部1bは、現在表示されているグラフィック画面上から、発生したアラームの緊急度より低い緊急度で、かつ、透明と設定されているシンボルの表示を消去し、発生したアラームの緊急度より低い緊急度で、かつ、半透明と設定されているシンボルを半透明で表示する。
そして、図14のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度のシンボルを表示する(step53)。そして、緊急モードであることを示すダイアログを画面上に表示し(step54)、緊急モードへの切替が完了する。
【0044】
緊急モードへの切替が完了した後は、別のグラフィック画面を表示した場合も、発生したアラームの緊急度より低い緊急度で、かつ、透明と設定されているシンボルの表示を消去し、発生したアラームの緊急度より低い緊急度で、かつ、半透明と設定されているシンボルを半透明で表示する。そして、図14のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度のシンボルを表示する。
【0045】
緊急モードから通常モードへ戻るには、アラームの発生が解除される、もしくは、緊急モードであることを示すダイアログ上のモード解除ボタンをクリックすることにより、通常モードへと戻る。
【0046】
以上のように、実施の形態6によれば、緊急時において、重要な機器とそれ以外の機器を容易に認識できるとともに、それ以外の機器をも監視することができる。
【0047】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 監視制御装置
1a 画面
1b 表示制御部
1c データ制御部
1d データ送受信部
1e データ記憶部
2 プラント制御ネットワーク
3a、3b プラント情報処理装置
4a〜4d プラント機器
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラントの設備運転状態を監視及び制御するために、プラントの状態を機器のシンボルの組み合わせで表すグラフィック画面を表示する監視制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプラント監視制御システムにおけるプラント監視制御装置では、豪雨や災害などの緊急時に重要な情報のみを迅速に確認したいというユーザの要求がある。それに応えるためには、重要性の低い故障等も含めた平常時用と、重要な情報のみを抽出した緊急時用の、それぞれのグラフィック画面を用意する必要があった。(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−29826号公報(第3〜4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、水処理プラントでは、監視制御の広域化と共に、プラント監視システムによって制御する機器の数が多くなり、グラフィック画面が煩雑になる傾向がある。そのため、豪雨や災害といった緊急時に迅速に判断するためには、緊急時には重要な情報のみを表示するグラフィック画面が必要である。
しかし、従来のプラント監視制御装置は、上述のように構成されているため、平常時用と、緊急時用の、それぞれのグラフィック画面を用意する必要があり、同様の画面を二重管理することによるコストアップの問題があった。
加えて、緊急時には、ユーザ自身により平常時用の画面から緊急時用の画面へと切り替える手間が必要であった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、平常時及び緊急時に表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルをグラフィック画面上に表示して、グラフィック画面の二重管理を不要とする監視制御装置を得ることを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わる監視制御装置においては、プラントの運転状態を監視制御するために、プラントの状態をプラントの機器のシンボルの組み合わせで表現するグラフィック画面を表示する監視制御装置であって、グラフィック画面のシンボルごとに、プラントの緊急事態に対応した緊急度を予め設定したシンボル緊急度テーブル、プラントの緊急事態発生時の緊急事態の緊急度が設定されたアラームを含むデータを受信するデータ受信部、及びグラフィック画面を表示する表示制御部を備え、表示制御部は、プラントの緊急事態発生時には、アラームに設定された緊急度を基準にして、シンボル緊急度テーブルのシンボルごとに設定された緊急度に応じて、グラフィック画面上へのシンボルの表示または非表示を選択するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、プラントの運転状態を監視制御するために、プラントの状態をプラントの機器のシンボルの組み合わせで表現するグラフィック画面を表示する監視制御装置であって、グラフィック画面のシンボルごとに、プラントの緊急事態に対応した緊急度を
予め設定したシンボル緊急度テーブル、プラントの緊急事態発生時の緊急事態の緊急度が設定されたアラームを含むデータを受信するデータ受信部、及びグラフィック画面を表示する表示制御部を備え、表示制御部は、プラントの緊急事態発生時には、アラームに設定された緊急度を基準にして、シンボル緊急度テーブルのシンボルごとに設定された緊急度に応じて、グラフィック画面上へのシンボルの表示または非表示を選択するので、緊急事態発生時には、表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面上に表示することにより、平常時と緊急事態発生時のグラフィック画面の二重管理を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1によるプラント監視システムを示すシステム構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による監視制御装置を示す詳細構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1による監視制御装置のグラフィック画面を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1による監視制御装置の緊急時の処理を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1による監視制御装置の緊急時のグラフィック画面を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの端末レベルを示す図である。
【図8】この発明の実施の形態3による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルのユーザレベルを示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4による監視制御装置の緊急時の処理を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態5による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態5による監視制御装置の緊急時の処理を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態6による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態6による監視制御装置の緊急時の処理を示すフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態6による監視制御装置の緊急時のグラフィック画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるプラント監視システムを示すシステム構成図である。
図1において、プラント監視システムは、次のように構成されている。
プラント機器4a〜4dは、モーターや弁等の機械や計測機器である。プラント情報処理装置3a、3bは、プラント機器4a〜4dを制御及び計測する。監視制御装置1は、プラント情報処理装置3a、3bから収集したデータを基にプラント機器4a〜4dを監視及び制御する。プラント制御ネットワーク2は、監視制御装置1とプラント情報処理装置3a、3bとに接続され、プラント情報処理装置3a、3bにて処理されたデータを監視制御装置1へ、また監視制御装置1からの制御命令をプラント情報処理装置3a、3b
へそれぞれ伝送する。
【0010】
図2は、この発明の実施の形態1による監視制御装置を示す詳細構成図である。
図2において、1、2、3a、3b、4a〜4dは図1におけるものと同一のものである。監視制御装置1は、プラントの状態を表示する画面1aと、画面1aの表示を制御する表示制御部1bと、プラント機器4a〜4dで計測されたデータの処理や表示制御部1bからの指令(制御命令)を処理するデータ制御部1cと、プラント制御ネットワーク2とデータを送受信するデータ送受信部1d(データ受信部)と、収集したデータ及び後述するテーブルや設定を記録するデータ記憶部1eとを有している。データ記憶部1eは、記憶装置に形成される。
【0011】
図3は、この発明の実施の形態1による監視制御装置のグラフィック画面を示す図であり、図2の画面1aの例を示している。
図3において、画面1aに表示されるグラフィック画面は、シンボルによって構成される。シンボルは、弁s1、s2と、池s3、s4と、ポンプs5、s6と、配管s7、s8等、監視制御対象となる様々な機器を表現する。
また、シンボルは、状態や数値を表示するだけの表示シンボルと、プラント機器の運転・停止等の制御や、機器の諸元を設定可能な制御シンボルとの二つがある。これらのシンボルには、後述する図4のように、予め緊急度が設定される。
また、プラント制御ネットワーク2を通じて収集するアラーム信号にも予め緊急度が設定される。
【0012】
図4は、この発明の実施の形態1による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
図4において、シンボルごとに緊急度が予め設定されたテーブル(シンボル緊急度テーブル)を示している。
【0013】
図6は、この発明の実施の形態1による監視制御装置の緊急時のグラフィック画面を示す図である。
図6において、画面1aには、緊急度の高いシンボルである、池s3、s4と、ポンプs5、s6と、配管s8のみが表示されている。
【0014】
次に、緊急事態発生時の監視制御装置1の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
実施の形態1では、プラント制御ネットワーク2を通じて、緊急度の高いアラーム信号をデータ送受信部1dが受信した場合、データ制御部1cにその情報を送信する。データ制御部1cは、このアラーム信号の受信により緊急事態と判断して、監視制御装置1を緊急モードに設定する(step01)。
表示制御部1bは、データ制御部1cが監視制御装置1を緊急モードに設定したことを検知すると、現在表示されている画面がグラフィック画面であれば(step02)、表示制御部1bは現在表示されているグラフィック画面上から、発生したアラームの緊急度より低い緊急度のシンボルの表示を消去し、図6のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度のシンボルのみを表示する(step03)。
そして、図6のように、緊急モードであることを示すダイアログをグラフィック画面上に表示し、緊急モードへの切替が完了する(step04)。
【0015】
緊急モードへの切替が完了した後は、別のグラフィック画面を表示した場合も、発生したアラームの緊急度より低い緊急度のシンボルの表示を消去し、図6のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度のシンボルのみを表示する。
【0016】
緊急モードから通常モードへ戻るには、アラームの発生が解除される、もしくは、緊急モードであることを示すダイアログ上のモード解除ボタンをクリックすることにより、通常モードへと戻る。
【0017】
以上のように、実施の形態1によれば、シンボルに設定した緊急度に従って、平常時、または緊急時に表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面上に表示することができる。
これにより、従来問題となっていた、平常時用の画面と緊急時用の画面との二重管理によるコストを削減でき、また、緊急時に緊急時用の画面を表示するための、ユーザの手間を削減することができる。
【0018】
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの端末レベルを示す図である。
図7において、シンボルごとに端末レベルを予め設定したテーブル(シンボル監視制御装置レベルテーブル)が示されている。
【0019】
実施の形態1では、シンボルに設定した緊急度に従って、平常時、もしくは、緊急時に表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示する方法について述べたが、実施の形態2では、端末(監視制御装置)のレベルによって、シンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示するようにしたものである。
各端末には、端末レベルが予め設定されている。この端末レベルは、図7のようにシンボルごとに設定されている。
【0020】
次に、各端末においてグラフィック画面を表示した際の動作について説明する。
実施の形態2では、端末レベルの設定された端末でグラフィク画面を表示した際、設定された端末レベルより高い端末レベルのシンボルの表示を消去し、図6と同様に、端末レベル以下のレベルのシンボルのみを表示する。
これにより、従来、端末ごとに表示するグラフィック画面のシンボルを変更したい場合、それぞれにグラフィック画面を作成する必要があり、同じような画面を複数作成する必要があって、多重管理となっていた。
【0021】
実施の形態2によれば、端末レベルにより、一つのグラフィック画面のシンボルの表示、非表示を切り替えることにより、グラフィック画面の一元管理が可能となり、コスト削減につなげることができる。
【0022】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルのユーザレベルを示す図である。
図8において、シンボルごとにユーザレベルを予め設定したテーブル(シンボルユーザレベルテーブル)が示されている。
【0023】
実施の形態2では、シンボルに設定した端末レベルに従って、端末ごとに表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示する方法について述べたが、実施の形態3では、ユーザのレベルによって、シンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示するようにした。
【0024】
ユーザは、予め端末に自身のユーザIDとパスワード、そして、ユーザレベルが登録される。グラフィック画面を表示する前に、ユーザは自身のユーザIDと対応したパスワー
ドによりログインする必要がある。
【0025】
次に、監視制御装置にログインしたユーザが、グラフィック画面を表示した際の動作について説明する。
実施の形態3では、各ユーザがグラフィック画面を表示した際、設定されたユーザレベルより高いユーザレベルのシンボルの表示を消去し、図6と同様に、ユーザレベル以下のレベルのシンボルのみを表示する。
これにより、従来、ユーザごとに表示するグラフィック画面のシンボルを変更したい場合、それぞれにグラフィック画面を作成する必要があり、同じような画面を複数作成する必要があり、多重管理となっていた。
【0026】
実施の形態3によれば、ユーザレベルにより、一つのグラフィック画面のシンボルの表示、非表示を切り替えることにより、グラフィック画面の一元管理が可能となり、コスト削減につなげることができる。
【0027】
実施の形態4.
実施の形態1〜実施の形態3では、シンボルに設定した、緊急度、端末レベル、ユーザレベルに従って、表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示する方法について述べたが、それに加えて、実施の形態4は、緊急度、端末レベル、ユーザレベルに従って、設定・制御可能な制御シンボルを、状態表示するだけの表示シンボルに自動的に変更するようにしたものである。
【0028】
監視制御装置1において、シンボルの緊急度に従って、グラフィック画面の設定・制御可能な制御シンボルを、状態表示するだけのシンボルに自動的に変更する際の動作について、図9のフローチャートを用いて説明する。
プラント制御ネットワーク2を通じて、緊急度の高い信号をデータ送受信部1dが受信した場合、データ制御部1cにその情報を送信する。データ制御部1cは、緊急事態と判断して、監視制御装置1を緊急モードに設定する(step31)。
表示制御部1bは、データ制御部1cが緊急モードに設定したことを検知すると、現在表示されている画面がグラフィック画面であれば(step32)、表示制御部1bは、現在表示されているグラフィック画面上から、発生したアラームの緊急度より低い緊急度の制御シンボルを表示シンボルに変更する。そして、発生したアラームの緊急度以上の緊急度の制御シンボルのみを制御可能とする(step33)。
そして、緊急モードであることを示すダイアログを画面上に表示し、緊急モードへの切替が完了する(step34)。
【0029】
次に、監視制御装置1において、端末レベルに従って、グラフィック画面の設定・制御可能な制御シンボルを、状態表示するだけの表示シンボルに自動的に変更する際の動作について説明する。
端末レベルの設定された端末でグラフィク画面を表示した際、設定された端末レベルより高い端末レベルの制御シンボルを表示シンボルに変更する。
【0030】
次に、監視制御装置1において、ユーザレベルに従って、グラフィック画面の設定・制御可能な制御シンボルを、状態表示するだけの表示シンボルに自動的に変更する際の動作について説明する。
ログインしたユーザがグラフィック画面を表示した際、設定されたユーザレベルより高いユーザレベルの制御シンボルを表示シンボルに変更する。
【0031】
従来の監視制御装置では、緊急時や平常時に、制御可能なシンボルを変える場合、端末ごとまたはユーザごとに、複数の画面を作らなければならなかったが、実施の形態4によ
れば、作成した一つの画面に表示されるシンボルを、制御シンボルと表示シンボルに切り替えることにより、グラフィック画面の一元管理が可能となり、コスト削減に繋がる。
【0032】
なお、シンボルごとの緊急度による制御シンボルから表示シンボルへの変更と、シンボルごとの端末レベルによる制御シンボルから表示シンボルへの変更と、シンボルごとのユーザレベルによる制御シンボルから表示シンボルへの変更は、任意に組み合わせて実施することができる。
【0033】
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
図10において、シンボルごとに、アラームのグループと緊急度が予め設定されたテーブル(シンボル緊急度テーブル)が示されている。
【0034】
実施の形態1では、シンボルの緊急度に従って、表示するシンボルを自動的に選択し、選択したシンボルのみをグラフィック画面に表示する方法について述べたが、実施の形態5では、緊急度に加えて、発生したアラームのグループによって、表示するシンボルを変更するようにしたものである。
【0035】
各シンボルは、図10に示すとおり、アラームのグループ(一つ以上)と緊急度が設定される。また、発生するアラームにも同様にグループ(一つのみ)と緊急度が設定される。
【0036】
次に、緊急事態発生時の監視制御装置1に動作について、図11のフローチャートを用いて説明する。
実施の形態5では、プラント制御ネットワーク2を通じて、緊急度の高い信号をデータ送受信部1dが受信した場合、データ制御部1cにその情報を送信する。データ制御部1cは、緊急事態と判断して、監視制御装置1を緊急モードに設定する(step41)。
表示制御部1bは、データ制御部1cが監視制御装置1を緊急モードに設定したことを検知すると、現在表示されている画面がグラフィック画面であれば(step42)、表示制御部1bは、現在表示されているグラフィック画面上から、発生したアラームの緊急度より低い緊急度のシンボルと発生したアラームのグループに所属しないシンボルの表示を消去し、図6のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度で、かつ、発生したアラームが所属するグループのシンボルのみを表示する(step43)。
そして、緊急モードであることを示すダイアログを画面上に表示し(step44)、緊急モードへの切替が完了する。
【0037】
緊急モードへの切替が完了した後は、別のグラフィック画面を表示した場合も、発生したアラームの緊急度より低い緊急度のシンボルの表示を消去し、図6のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度で、かつ、発生したアラームが所属するグループのシンボルのみを表示する。
【0038】
緊急モードから通常モードへ戻るには、アラームの発生が解除される、もしくは、緊急モードであることを示すダイアログ上のモード解除ボタンをクリックすることにより、通常モードへと戻る。
【0039】
以上のように、実施の形態5によれば、緊急時において、発生したアラームの近辺のみを集中して監視を行うことができ、利便性が向上する。
【0040】
実施の形態6.
図12は、この発明の実施の形態6による監視制御装置のグラフィック画面に表示されるシンボルの緊急度を示す図である。
図12において、シンボルごとに、表示が半透明か透明かと、緊急度を予め設定したテーブル(シンボル緊急度テーブル)が示されている。
【0041】
図14は、この発明の実施の形態6による監視制御装置の緊急時のグラフィック画面を示す図である。
図14において、緊急モード中に、シンボルが表示されたグラフィック画面が示されている。図14では、池s3、s4と、ポンプs5、s6と、配管s8のシンボルが通常通り表示され、弁s1、s2と、配管s7のシンボルが、半透明で表示されている。
【0042】
実施の形態1では、シンボルの緊急度に従って、表示するシンボルを自動的に表示・非表示を選択する方法について述べたが、実施の形態6では、表示・非表示だけでなく、半透明のシンボルとして表示することができるようにした。
【0043】
次に、緊急事態発生時の監視制御装置1に動作について、図13のフローチャートを用いて説明する。
実施の形態6では、プラント制御ネットワーク2を通じて、緊急度の高い信号をデータ送受信部1dが受信した場合、データ制御部1cにその情報を送信する。データ制御部1cは、緊急事態と判断して、監視制御装置1を緊急モードに設定する(step51)。
表示制御部1bは、データ制御部1cが監視制御装置1を緊急モードに設定したことを検知すると、現在表示されている画面がグラフィック画面であれば(step52)、表示制御部1bは、現在表示されているグラフィック画面上から、発生したアラームの緊急度より低い緊急度で、かつ、透明と設定されているシンボルの表示を消去し、発生したアラームの緊急度より低い緊急度で、かつ、半透明と設定されているシンボルを半透明で表示する。
そして、図14のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度のシンボルを表示する(step53)。そして、緊急モードであることを示すダイアログを画面上に表示し(step54)、緊急モードへの切替が完了する。
【0044】
緊急モードへの切替が完了した後は、別のグラフィック画面を表示した場合も、発生したアラームの緊急度より低い緊急度で、かつ、透明と設定されているシンボルの表示を消去し、発生したアラームの緊急度より低い緊急度で、かつ、半透明と設定されているシンボルを半透明で表示する。そして、図14のように、発生したアラームの緊急度以上の緊急度のシンボルを表示する。
【0045】
緊急モードから通常モードへ戻るには、アラームの発生が解除される、もしくは、緊急モードであることを示すダイアログ上のモード解除ボタンをクリックすることにより、通常モードへと戻る。
【0046】
以上のように、実施の形態6によれば、緊急時において、重要な機器とそれ以外の機器を容易に認識できるとともに、それ以外の機器をも監視することができる。
【0047】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 監視制御装置
1a 画面
1b 表示制御部
1c データ制御部
1d データ送受信部
1e データ記憶部
2 プラント制御ネットワーク
3a、3b プラント情報処理装置
4a〜4d プラント機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの運転状態を監視制御するために、上記プラントの状態を上記プラントの機器のシンボルの組み合わせで表現するグラフィック画面を表示する監視制御装置であって、
上記グラフィック画面の上記シンボルごとに、上記プラントの緊急事態に対応した緊急度を予め設定したシンボル緊急度テーブル、
上記プラントの緊急事態発生時の上記緊急事態の緊急度が設定されたアラームを含むデータを受信するデータ受信部、
及び上記グラフィック画面を表示する表示制御部を備え、
上記表示制御部は、上記プラントの緊急事態発生時には、上記アラームに設定された緊急度を基準にして、上記シンボル緊急度テーブルの上記シンボルごとに設定された上記緊急度に応じて、上記グラフィック画面上への上記シンボルの表示または非表示を選択することを特徴とする監視制御装置。
【請求項2】
上記監視制御装置は、予めシンボル表示のためのレベル分けされるとともに、
このレベル分けされた上記監視制御装置のいずれかのレベルが、上記グラフィック画面上の上記シンボルごとに、予め設定されたシンボル監視制御装置レベルテーブルを備え、
上記表示制御部は、自監視制御装置のレベルを基準にして、上記シンボル監視制御装置レベルテーブルの上記シンボルごとに設定された監視制御装置のレベルに応じて、上記グラフィック画面上への上記シンボルの表示または非表示を選択することを特徴とする請求項1記載の監視制御装置。
【請求項3】
上記監視制御装置を使用するユーザは、予めシンボル表示のためのレベル分けされるとともに、
このレベル分けされた上記ユーザのいずれかのレベルが、上記グラフィック画面上の上記シンボルごとに、予め設定されたシンボルユーザレベルテーブルを備え、
上記表示制御部は、上記監視制御装置を使用するユーザのレベルを基準にして、上記シンボルユーザレベルテーブルの上記シンボルごとに設定されたユーザのレベルに応じて、上記グラフィック画面上への上記シンボルの表示または非表示を選択することを特徴とする請求項1または請求項2記載の監視制御装置。
【請求項4】
上記アラームはグループ分けされるとともに、
上記シンボル緊急度テーブルには、上記シンボルごとに上記アラームのグループが定義され、
上記表示制御部は、上記シンボル緊急度テーブルを参照して、上記アラームのグループに所属するシンボルのみを上記グラフィック画面に表示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の監視制御装置。
【請求項5】
上記シンボル緊急度テーブルには、上記シンボルの表示に当たって、透明にするかまたは半透明で表示するかが定義され、
上記表示制御部は、上記グラフィック画面上への上記シンボルの非表示が選択された場合に、上記シンボル緊急度テーブルを参照して、上記半透明が定義されたシンボルについては半透明で表示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の監視制御装置。
【請求項6】
プラントの運転状態を監視制御するために、上記プラントの状態を上記プラントの機器のシンボルの組み合わせで表現するグラフィック画面を表示する監視制御装置であって、
上記グラフィック画面の上記シンボルごとに、上記プラントの緊急事態に対応した緊急度を予め設定したシンボル緊急度テーブル、
上記プラントの緊急事態発生時の上記緊急事態の緊急度が設定されたアラームを含むデ
ータを受信するデータ受信部、
及び上記グラフィック画面を表示する表示制御部を備え、
上記シンボルには、状態を表示する表示シンボルと、上記プラントの機器の制御を行うことが可能な制御シンボルとがあり、
上記表示制御部は、上記プラントの緊急事態発生時には、上記アラームに設定された緊急度を基準にして、上記シンボル緊急度テーブルの上記シンボルごとに設定された上記緊急度に応じて、上記グラフィック画面上の上記制御シンボルを上記表示シンボルへ変更することを特徴とする監視制御装置。
【請求項7】
上記監視制御装置は、予めシンボル表示のためのレベル分けされるとともに、
このレベル分けされた上記監視制御装置のいずれかのレベルが、上記グラフィック画面上の上記シンボルごとに、予め設定されたシンボル監視制御装置レベルテーブルを備え、
上記表示制御部は、自監視制御装置のレベルを基準にして、上記シンボル監視制御装置レベルテーブルの上記シンボルごとに設定された監視制御装置のレベルに応じて、上記グラフィック画面上の上記制御シンボルを上記表示シンボルへ変更することを特徴とする請求項6記載の監視制御装置。
【請求項8】
上記監視制御装置を使用するユーザは、予めシンボル表示のためのレベル分けされるとともに、
このレベル分けされた上記ユーザのいずれかのレベルが、上記グラフィック画面上の上記シンボルごとに、予め設定されたシンボルユーザレベルテーブルを備え、
上記表示制御部は、上記監視制御装置を使用するユーザのレベルを基準にして、上記シンボルユーザレベルテーブルの上記シンボルごとに設定されたユーザのレベルに応じて、上記グラフィック画面上の上記制御シンボルを上記表示シンボルへ変更することを特徴とする請求項6または請求項7記載の監視制御装置。
【請求項1】
プラントの運転状態を監視制御するために、上記プラントの状態を上記プラントの機器のシンボルの組み合わせで表現するグラフィック画面を表示する監視制御装置であって、
上記グラフィック画面の上記シンボルごとに、上記プラントの緊急事態に対応した緊急度を予め設定したシンボル緊急度テーブル、
上記プラントの緊急事態発生時の上記緊急事態の緊急度が設定されたアラームを含むデータを受信するデータ受信部、
及び上記グラフィック画面を表示する表示制御部を備え、
上記表示制御部は、上記プラントの緊急事態発生時には、上記アラームに設定された緊急度を基準にして、上記シンボル緊急度テーブルの上記シンボルごとに設定された上記緊急度に応じて、上記グラフィック画面上への上記シンボルの表示または非表示を選択することを特徴とする監視制御装置。
【請求項2】
上記監視制御装置は、予めシンボル表示のためのレベル分けされるとともに、
このレベル分けされた上記監視制御装置のいずれかのレベルが、上記グラフィック画面上の上記シンボルごとに、予め設定されたシンボル監視制御装置レベルテーブルを備え、
上記表示制御部は、自監視制御装置のレベルを基準にして、上記シンボル監視制御装置レベルテーブルの上記シンボルごとに設定された監視制御装置のレベルに応じて、上記グラフィック画面上への上記シンボルの表示または非表示を選択することを特徴とする請求項1記載の監視制御装置。
【請求項3】
上記監視制御装置を使用するユーザは、予めシンボル表示のためのレベル分けされるとともに、
このレベル分けされた上記ユーザのいずれかのレベルが、上記グラフィック画面上の上記シンボルごとに、予め設定されたシンボルユーザレベルテーブルを備え、
上記表示制御部は、上記監視制御装置を使用するユーザのレベルを基準にして、上記シンボルユーザレベルテーブルの上記シンボルごとに設定されたユーザのレベルに応じて、上記グラフィック画面上への上記シンボルの表示または非表示を選択することを特徴とする請求項1または請求項2記載の監視制御装置。
【請求項4】
上記アラームはグループ分けされるとともに、
上記シンボル緊急度テーブルには、上記シンボルごとに上記アラームのグループが定義され、
上記表示制御部は、上記シンボル緊急度テーブルを参照して、上記アラームのグループに所属するシンボルのみを上記グラフィック画面に表示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の監視制御装置。
【請求項5】
上記シンボル緊急度テーブルには、上記シンボルの表示に当たって、透明にするかまたは半透明で表示するかが定義され、
上記表示制御部は、上記グラフィック画面上への上記シンボルの非表示が選択された場合に、上記シンボル緊急度テーブルを参照して、上記半透明が定義されたシンボルについては半透明で表示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の監視制御装置。
【請求項6】
プラントの運転状態を監視制御するために、上記プラントの状態を上記プラントの機器のシンボルの組み合わせで表現するグラフィック画面を表示する監視制御装置であって、
上記グラフィック画面の上記シンボルごとに、上記プラントの緊急事態に対応した緊急度を予め設定したシンボル緊急度テーブル、
上記プラントの緊急事態発生時の上記緊急事態の緊急度が設定されたアラームを含むデ
ータを受信するデータ受信部、
及び上記グラフィック画面を表示する表示制御部を備え、
上記シンボルには、状態を表示する表示シンボルと、上記プラントの機器の制御を行うことが可能な制御シンボルとがあり、
上記表示制御部は、上記プラントの緊急事態発生時には、上記アラームに設定された緊急度を基準にして、上記シンボル緊急度テーブルの上記シンボルごとに設定された上記緊急度に応じて、上記グラフィック画面上の上記制御シンボルを上記表示シンボルへ変更することを特徴とする監視制御装置。
【請求項7】
上記監視制御装置は、予めシンボル表示のためのレベル分けされるとともに、
このレベル分けされた上記監視制御装置のいずれかのレベルが、上記グラフィック画面上の上記シンボルごとに、予め設定されたシンボル監視制御装置レベルテーブルを備え、
上記表示制御部は、自監視制御装置のレベルを基準にして、上記シンボル監視制御装置レベルテーブルの上記シンボルごとに設定された監視制御装置のレベルに応じて、上記グラフィック画面上の上記制御シンボルを上記表示シンボルへ変更することを特徴とする請求項6記載の監視制御装置。
【請求項8】
上記監視制御装置を使用するユーザは、予めシンボル表示のためのレベル分けされるとともに、
このレベル分けされた上記ユーザのいずれかのレベルが、上記グラフィック画面上の上記シンボルごとに、予め設定されたシンボルユーザレベルテーブルを備え、
上記表示制御部は、上記監視制御装置を使用するユーザのレベルを基準にして、上記シンボルユーザレベルテーブルの上記シンボルごとに設定されたユーザのレベルに応じて、上記グラフィック画面上の上記制御シンボルを上記表示シンボルへ変更することを特徴とする請求項6または請求項7記載の監視制御装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図6】
【図14】
【図2】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図6】
【図14】
【公開番号】特開2013−92908(P2013−92908A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234520(P2011−234520)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]