説明

監視装置、監視方法、および監視プログラム

【課題】データセンタ等の映像監視時に、ロッカの複数の開閉扉が開かれ、すべての監視モニタ画面において死角領域が発生している状況下では作業が行なわれず、かつ、適切な作業の証跡記録を残すべく、自動的に、または作業者等に注意を促して死角領域を生じさせない監視装置、監視方法、および監視プログラムの提供を目的とする。
【解決手段】一列に並んだラック列をカメラにて監視する監視装置であって、複数のカメラと、映像監視サーバとを有し、前記ラック列の左右方向から前記ラックの有する開閉扉の開閉状況を映し出す位置に前記カメラを少なくとも1台づつ設け、前記映像監視サーバは、表示モニタと、扉開閉検出手段と、前記開閉扉の1つが開かれているときには他の前記開閉扉を開くことを禁止するロック手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉扉を有する複数のラックの監視カメラによる監視装置、監視方法、および監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客のサーバその他の電子機器等を預かり、また自らが用意したサーバを顧客に貸し出すインターネットへの接続回線や運用・保守サービスなどを提供する施設であるデータセンタ等においては、高度のセキュリティが求められる。
【0003】
このようなデータセンタでは、通常、サーバ等電子機器は開閉扉(以下、単に扉と呼ぶ)が施錠された複数のラックに収納されており、入館申請、IDカードによる入退室管理、監視カメラによる24時間監視などでセキュリティを確保している。こういった監視体制の中で、電子機器の動作状況を監視するサービスや、定期保守などのサービスは必須なものとなっている。
【0004】
施設内の各エリアの機能や用途別に、空間や利用者の重要度に応じたセキュリティレベルを設定するセキュリティゾーニングにもとづき、例えば、出入口は1カ所とし、人物の動線を集中監視し、オペレータ、保守要員の動線は、迅速な対応と作業の効率化のための最短ルートとしている。
【0005】
入館申請においては施設内で作業しようとするラックの番号、作業内容、作業時間帯等を把握し、映像監視ではリアルタイム映像にて確認したり、また、入退室管理では、認証を生体に統一し、完全な個人特定方式を採用したり、人物の位置を把握し、受付から施設内のラックまでの動線を統制したり、録画映像と連携し、証跡管理も必要とされる。
【0006】
ここで、リアルタイム映像による映像監視においては、カメラの撮像画面における死角領域(ものに隠れてカメラから見えない領域)が発生しないように複数のラックを一列に並べ、ラックの列と列の間を監視カメラにより斜め上方から監視するのが一般的である。(図4参照)。
【0007】
上述のような扉付きラックが一列に並んだ状態においてカメラの撮像画面における死角領域が生ずるのは、ラックに収納された電子機器等のメンテナンスや新たな電子機器等の搭載、設定作業時などにラックの扉が2箇所以上開かれている時に発生する。図4においては、D列のD−2ラック、D−3ラック、そしてE列のE−3ラック、E−4ラックの扉が開いている。D列とE列のラック列の中央で図の左右上方より監視しているカメラ41、カメラ42の両方から見て同時に発生している死角領域を×印で、そしてカメラ41、カメラ42の一方から見て生じている死角領域を△印で記載した。
【0008】
上記のようなカメラの死角に関し、死角に入って消えた侵入者等の対象物の存在を認識できるようにした映像処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。しかし、特許文献1に記載されている映像処理装置は、死角領域の発生を予防しようとする目的とは異なる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−94968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、データセンタ等におけるリアルタイム映像による映像監視時に、ロッカの複数の開閉扉が開かれ、すべての監視モニタ画面において死角領域が発生している状況下で、扉の陰で作業が行なわれているのでは適切な監視とはいえず、かつ、作業の証跡を残す記録としては不適切である。作業中にすべての監視モニタ画面において死角領域が発生しているといった状況にならないように、自動的に、または作業者等に注意を促して死角領域を生じさせない監視装置、監視方法、および監視プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、監視カメラによる監視装置の一実施形態によれば、一列に並んだラック列をカメラにて監視する監視装置であって、複数のカメラと、映像監視サーバとを有し、前記ラック列の左右方向から前記ラックの有する開閉扉の開閉状況を映し出す位置に前記カメラを少なくとも1台づつ設け、前記映像監視サーバは、前記カメラが撮影する映像をリアルタイムに表示するモニタと、前記ラック列に属するラックの開閉扉の開閉を検出する扉開閉検出手段と、前記開閉扉の1つが開かれているときには他の前記開閉扉を開くことを禁止するロック手段とを有する。
【発明の効果】
【0012】
開示された技術によれば、データセンタ等におけるリアルタイム映像による映像監視時に、複数の扉が開かれて全ての監視モニタ画面において死角領域が発生している状況下で、死角領域において作業が行なわれることを防止し、また、作業の証跡を残す適切な記録として使える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態における第1の実施例
【図2】実施形態におけるラックとカメラの相対位置の例
【図3】実施形態における扉開閉検出部の例
【図4】従来例における問題点の説明図
【図5】実施形態におけるフローチャートの例
【図6】実施形態におけるテーブル等の例
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ一実施形態を説明する。
【0015】
図1は、実施形態における第1の実施例を示す。ネットワークサーバ等を保管・管理・運営するサーバ室内を上方から見た図を示している。ネットワークサーバ等を収納し、扉が施錠され一列に配列されたラック列のA列を構成しているA−1ラックからA−6ラックまでの6台のラックとB列を構成しているB−1ラックからB−6ラックまでの6台のラックが、それぞれ扉を開閉する側を向かい合わせにフロア1の上に設置されている。
【0016】
a−1からa−6およびb−1からb−6は各々A−1ラックからA−6ラックおよびB−1ラックからB−6ラックに対応した保守領域を示す。例えばB−4ラックに対応する保守領域はb−4である。
【0017】
図1においては、保守領域のb−1からb−6とa−1からa−6との間に通路のスペースを設けていないが、通路のスペースを設けてあっても勿論かまわない。
【0018】
ラック2の有する扉は右側開きか左側開きか、また片開きか両開きかのいずれでも構わないし、扉の付いていないラックが混在していても構わない。図1においては、ラック2の向かって右側に扉開閉用ヒンジが付けられた左側開きで、かつ、片開きの扉に統一されている。施錠された扉を開けてラック2に収納されている電子機器等の保守や、ラック2において電子機器等の搬出・搬入を行なう。
【0019】
カメラL3−1およびカメラR3−2は、A列のラックとB列のラックの中央に位置し、ラック2の上面より高い位置で、サーバ室の壁面に、互いに対向して取り付けられている。カメラL3−1とカメラR3−2は、ズーム機能を備え、監視角度可変で、監視領域はそれぞれが取り付けられている位置から、A列とB列のラックの上面、前面、保守領域、作業員によるラック内の機器等の保守の一部の様子などを含めて撮像できるようになっている。
【0020】
映像監視サーバ4は、例えば別室の映像監視ルームに置かれ、複数のモニタ4−1−1付きの映像監視部4−1、扉開閉検出部4−2、アラーム発生部4−3、CPU4−4、メモリ4−5、DB4−6を備えている。
【0021】
カメラL3−1およびカメラR3−2により撮像されるデータは、映像監視サーバ4に各々のカメラ用ケーブル6で送られ、映像監視部4−1により処理される。各々のカメラによる監視映像はモニタ4−1−1によりリアルタイムで監視可能となっている。また、モニタ4−1−1に接続された図示されていない操作ボードによりカメラL3−1およびカメラR3−2が遠隔操作できるようになっている。
【0022】
ラック2の各々の扉の開閉は開閉ヒンジ近傍に取り付けられた、例えば図示3に示すマイクロスイッチを開閉センサとしてマイクロスイッチのON−OFF動作により、扉開閉センサケーブル7を経由して扉開閉検出部4−2においてそれぞれ検知される。扉が開けられた時にマイクロスイッチの動作を扉開閉検出部4−2が検知し、アラーム発生部4−3からモニタ4−1−1のうちの当該モニタ画面にラック番号を表示させる。
【0023】
B−1ラックからB−6ラックの扉の開く動作を各々の扉に付けられたマイクロスイッチにより扉開閉検出部4−2が検知すると、複数のモニタ4−1−1のうち、カメラL3−1からの映像を映し出すモニタに当該ラック番号を表示する。また、A−1ラックからA−6ラックの扉の開く動作を各々の扉に付けられたマイクロスイッチにより扉開閉検出部4−2が検知すると、カメラR3−2からの映像を映し出すモニタに当該ラック番号を表示させる。
【0024】
当該モニタ画面に当該ラック番号を表示させるのは、例えばモニタの画面全体あるいは画面の一部に点滅表示させ、モニタを監視する監視員は点滅表示を確認後、モニタに接続された操作ボードにより点滅表示を消すことができるようになっている。
【0025】
ここで、ラック2の扉の開閉センサは、マイクロスイッチのほか、電磁スイッチでもよい。さらに、マイクロスカメレオンコードの付いたシールを用いる場合には、カメレオンコードによりラック番号が特定されているシールを扉の厚み方向にある上面の一部に貼付する。そして、扉が開く時、動くシ−ルをカメラの視野に入れた撮像中のカメラL3−1またはカメラR3−2の撮像データを基に、シールにカメレオンコードで表示されているラック番号を扉開閉検出部4−2が読み取る。B−1ラックからB−6ラックの扉が開けられたときにはカメラL3−1からの、また、A−1ラックからA−6ラックの扉が開けられたときにはカメラR3−2からの映像をそれぞれ映し出しているモニタにアラーム発生部4−3から当該ラック番号を表示する。
【0026】
また、ラック2の扉の開閉センサと連動して扉の開閉を禁止するロック手段を設ける場合、A−1からA−6ラックの扉のどれか1つが開けられたときにはA列に属する他の扉はロックされる。同様に、B列に属する扉もB−1からB−6ラックの扉のどれか1つが開けられたときにはB列に属する他の扉はロックされる。そして、それぞれ開けられた1つの扉が閉じられると、全ての扉はロックが解除され、再び1つの扉が開けられると、他の扉はロックされて開けられないようになっている。
【0027】
ロック手段は、図3において、例えば扉31、32の開閉を行なうための鍵穴38のキー差し込み口部分のキー差し込み方向と垂直な面に、前述のマイクロスイッチと連動した図示省略されている電磁式のスライド蓋が動作し、キー差し込みができる状態とできない状態とする機構、あるいは、扉31、32を吸引・開放する電磁ロック39が前述のマイクロスイッチと連動するようになっていてもよい。
【0028】
上記のロック手段は、モニタ4−1−1に接続された図示されていない操作ボードにより、全面解除他その他の操作ができるようになっている。
【0029】
CPU4−4は映像監視サーバ4の動作制御を行い、メモリ4−5はCPU4−4が映像監視サーバ4の動作制御を行う処理に必要な記憶装置である。DB4−6は映像監視サーバ4が必要な各種テーブルと参照資料を記憶しているデータベースであり、モニタ4−1−1に映し出される映像をも記録する。通信制御部4−7は外部機器との信号送受を行なうものである。
【0030】
また、入室申請受付サーバ5は、申請端末5−1−1から作業者等によって入力される申請を処理する申請処理部5−1、ラック2内の作業を許可された作業者等が携行する位置検出可能なRFID(Radio frequency identification)付きIDカード又はこれを包含する貸し出し式の携帯端末機等の所在位置を監視する位置監視部5−2を有する。さらに、申請内容や入退室時刻や貸し出された作業対象ラックの扉を開閉するカギ番号と貸出返却時刻等を記録している管理テーブル5−3、入室申請受付サーバ5の動作制御を行なうCPU5−4、CPU5−4が入室申請受付サーバ5の動作制御を行う処理に必要な記憶装置5−5を有す。また、入室申請受付サーバ5が必要な各種テーブルと参照資料を記憶しているデータベース5−5、外部機器との信号送受を行なう通信制御部5−7を有している。
【0031】
例えばB−4ラックの扉が開けられたことを扉開閉検出部4−2が検出すると、まず映像監視サーバ4は通信制御部4−7を通じて入室申請受付サーバ5へ、現時刻においてB−4ラックの保守領域であるb−4において作業者等が携行するRFID付きIDカード又はこれを包含する貸し出し式の携帯端末機の有無を問い合わせる。入室申請受付サーバ5の通信制御部5−7はこの問い合わせ信号を受信し、入室申請受付サーバ5は、管理テーブル5−3を参照してB−4ラックの設置されている室番号を特定する。そして、保守領域であるb−4におけるRFIDの有無を位置監視部5−2によって検出する。位置監視部5−2は、B−4ラックの保守領域を監視しているカメラL1−3の近傍に取り付けられている図示されていないRFIDの位置情報読取器(図2に示されているRFID読取器27)により、保守領域であるb−4にRFIDが有るか無いかを検出する。無い場合、又は有っても管理テーブル5−3を参照して当該RFIDが当該時刻に保守領域のb−4に無いはずになっている場合にはアラーム発生部4−3にモニタ4−1−1のうちカメラL3−1からの映像を映し出しているモニタに当該ラック番号を表示させ、かつ、映像監視サーバ4の設置されている映像監視ルームの監視員に異常発生を音声によって知らせる。音声は映像監視ルームに取り付けられているスピーカから異常発生時に発する警告音でも、人工的な音声による警告でもよい。
【0032】
上記の場合は、扉開閉センサ、RFID読取器、扉開閉検出部等の故障、あるいは、権限の無い不当な者によりラックの扉が故意または間違いによって開けられたものと考えられる。
【0033】
一方、上記以外の場合、すなわち、保守領域であるb−4にRFIDが有るか無いかを検出し、有る場合で、しかも管理テーブル5−3を参照して当該RFIDが当該時刻に保守領域のb−4に有るはずになっている場合には、権限の有る正当な者が保守作業等を行なうものと考えられる。この場合には、B−4ラックの扉であるB−4扉が開けられたことを扉開閉検出部4−2が検出し、アラーム発生部4−3がカメラL3−1からの映像を映し出すモニタに点滅表示されている当該ラック番号を監視員は確認し、さらに、監視員は操作ボードからカメラL3−1を遠隔操作しモニタにより監視することができる。
【0034】
そして、ある同じ時刻において、B−1扉からB−6扉のうち2つ以上の扉が開けられている状態であることを扉開閉検出部4−2が検出したら、カメラL3−1とカメラR3−2のどちらからも見えない死角が発生する可能性ありと見なす。アラーム発生部4−3は管理テーブル5−3から入手した情報を基に、当該作業者等が携行する貸し出し式のRFID付きIDカードを備えた無線携帯端末機に、例えば人工合成音声で「扉が2枚以上開けられているので、1枚を残し、残りの開いている扉を閉めてください」といったメッセージを流して注意を促す。
【0035】
当該作業者等が無線携帯端末機でなく、貸し出し式のRFID付きIDカードだけを傾向している場合には、RFIDの在る場所から一番近い天状に取り付けられたスピーカから、前述の無線携帯端末機に流したと同様のメッセージを流して注意を促す。
【0036】
以上のように、モニタにより作業状況を監視している監視員も確実に、かつ、死角が発生する心配に煩されることなく監視が可能となる。
【0037】
実施形態における第1の実施例の説明では、B−4扉が開けられたことを扉開閉検出部4−2が検出したとき、B−4ラックの保守領域において作業者等が携行するRFID付きIDカード又はこれを包含する貸し出し式の携帯端末機の有無を映像監視サーバ4が入室申請受付サーバ5に問い合わせる。
【0038】
B−4ラックで保守作業を行なう作業者9がB−4扉を開ける時には、b−4に居ると考えられる。
【0039】
また、図1において、カメラL3−1とカメラR3−2のどちらからも死角領域を生ずるのは、B−4扉とB−3扉の両方を供に開けているような場合であり、作業者9は2つの扉の陰に隠れて2つのどちらのカメラからも死角に入ってしまっている。しかし、B−4扉とB−2扉を開けているときには、2つのカメラからの映像を2つのモニタを並べて見ても、扉の開く角度によって死角で見えない部分が有る場合と無い場合がある。
【0040】
ここで、定常運用におけるメンテナンスの場合、B列に在る複数のラックの扉を同時に開けたり、また、A列とB列に在る複数のラックの扉を同時にあけて保守作業を行なうようなスケジュールを立てることは極力避けて行なえる。そして、距離的に離れているB−2扉とB−4扉を同時に開けておく必要性はなく、また、不自然とも考えられる。
【0041】
厳密に扉の開けてある角度を計算し、どこの保守領域のどの部分に死角が生じるかという検討とは別に、死角が発生することを未然に防ぐにはどうしたらよいかが重要である。
【0042】
A列、B列それぞれにおいて2箇所以上の扉が同一時刻に開けられているとモニタ画面に死角領域を生ずる可能性が高いため、この場合には死角領域を生ずると見なすと考えることがセキュリティ上、より安全と考えられる。
【0043】
これにより、左右に設置されているカメラによる映像が同時にモニタ画像において死角領域が生ずることを予防でき、かつ、判断基準も簡素化できるという大きな効果が得られる。
【0044】
図2は、実施形態におけるラックとカメラの相対位置の例を示す。
【0045】
ラックとカメラの相対位置を立体的に示しており、左右に設置された2台のカメラ21と、カメラ22により監視する形態をとっている。ここで、左右1台づつのカメラによる監視に加え、左右2台づつのカメラとし、保守領域であるb−3、b−4、a−4、a−3が接している中央部の天井に1台のカメラを追加して監視しても構わない。
【0046】
図3は、実施形態における扉開閉検出部の例を示す。
【0047】
扉スイッチ部33〜35をマイクロスイッチとしたときのマイクロスイッチ36〜37の取付位置の一例を示し、かつ、扉が両開きタイプのB−10ラックと片開きタイプのB−4ラックの例を図示している。
【0048】
図4は、従来例における問題点の説明図を示す。
【0049】
図5は、実施形態におけるフローチャートの例を示す。図1に示す実施形態における第1の実施例におけるフローチャートの例である。
【0050】
サーバ(映像監視サーバ4)は監視カメラ(カメラL3−1とカメラR3−2)から送られてくる映像を映像監視部4−1に接続された複数のモニタ4−1−1のうちの2台で別々に監視している(S501)。
【0051】
B−4ラックの扉であるB−4扉が開かれる(502)と、B−4ラックに付けられているマイクロスイッチが動作し、これを扉開閉検出部4−2が検出し、扉開閉検出部4−2はDB4−6を参照して、B−4ラックに付けられているマイクロスイッチの動作により、B−4ラックの扉が開けられたことを検出する(S503)。
【0052】
映像監視サーバ4は入館申請受付サーバ5に対し、扉の開いたB−4ラックの保守領域b−4にRFIDの有無を問い合わせる(S504)。
【0053】
入館申請受付サーバ5から無しという回答を受け取ると、アラーム発生部4−3から映像監視サーバ4の設置されている映像監視ルームの監視員に異常発生を知らせる。入館申請受付サーバ5から有りという回答を受け取る(S505)と、RFIDの携行者、作業内容、携帯端末機番号等の情報を入館申請受付サーバ5から入手(S506)する。
【0054】
位置情報、ラック番号、作業レベル、時間帯等を確認し(S507)、これらの情報と管理テーブル5−3とを照合(S508)する。
【0055】
当該RFIDが当該時刻に保守領域のb−4には無いはずになっている場合には、異常と判断(S509)し、アラーム発生部4−3から映像監視サーバ4の設置されている映像監視ルームの監視員に異常発生を知らせる。
【0056】
一方、有るはずになっている場合には、当該保守領域に正当情報があると判断(S509)する。権限の有る正当な者が保守作業等を行なうはずである。監視員は、モニタ4−1−1に接続された操作ボードからカメラR3−2を遠隔操作し監視を続けることができる。
【0057】
そして、ある同じ時刻において、B−1扉からB−6扉のうち2つ以上の扉が開けられている状態であることを扉開閉検出部4−2が検出すると、カメラL3−1とカメラR3−2のどちらからも見えない死角が発生する、あるいはその可能性があり、これを死角が発生したと見なす(S510)。
【0058】
映像監視サーバ4は作業中エラーと判断(S511)、映像監視サーバ4はアラーム発生部4−3から管理テーブル5−3より入手した情報を基に、当該作業者等が携行する貸し出し式のRFID付きIDカードを備えた無線携帯端末機に、例えば人工合成音声で「扉が2枚以上開けられているので、1枚を残し、残りの開いている扉を閉めてください」といった警告メッセージを流して注意を促す(S512)。
【0059】
当該作業者等は1枚を残し、残りの開いている扉を閉める(S513)。作業が終了するまで扉開閉の監視による警告は繰り返し続けられ(S514)、当該作業者等は作業が終了するとB−4扉を閉める(S515)。そして、位置検出部付きの位置情報のリアルタイム監視は解除される(S516)。
【0060】
図6は、実施形態におけるテーブル等の例を示す。
【0061】
6−1は映像監視サーバ4DBにもつテーブル例、6−2は入室申請受付サーバ5のもつ管理テーブル例、6−3は入室申請受付サーバ5のDBの種類と内容例を示す。
【符号の説明】
【0062】
1 フロア
2 ラック
3、21、22 カメラ
41−44 カメラ
4 映像監視サーバ
5 入室申請受付サーバ
6 カメラ用ケーブル
7 扉開閉センサケーブル
9 作業者
23 A列のラック
24 A列のラックの保守領域
25 B列のラック
26 B列のラックの保守領域
27 RFID読取器
31,32 扉
33、34、35 扉スイッチ部
36、37 マイクロスイッチ
38 鍵穴
39 電磁ロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列に並んだラック列を複数のカメラにて監視する監視装置のモニタ画面による監視方法であって、
前記ラック列の左右方向から前記ラックの有する開閉扉の開閉状況を前記映像内に映し出す位置に前記カメラを少なくとも1台づつ設け、
前記開閉扉の1つが開かれているとき、他の開閉扉が開かれることを防止し、
前記開閉扉による死角領域のない1つ以上のモニタ画面を含む前記モニタ画面により監視することを特徴とする監視方法。
【請求項2】
前記モニタ画面を記録再生可能な媒体に保存することを特徴とする請求項1記載の監視方法。
【請求項3】
一列に並んだラック列をカメラにて監視する監視装置であって、
複数のカメラと、
映像監視サーバとを有し、
前記ラック列の左右方向から前記ラックの有する開閉扉の開閉状況を映し出す位置に前記カメラを少なくとも1台づつ設け、
前記映像監視サーバは、
前記カメラが撮影する映像をリアルタイムに表示するモニタと、
前記ラック列に属するラックの開閉扉の開閉を検出する扉開閉検出手段と、
前記開閉扉の1つが開かれているとき、前記開閉扉の他の1つが開かれると警告を発して開かれている前記2つの開閉扉のうち1つの開閉扉を残して他の開閉扉を閉じることを促す手段とを、
有することを特徴とする監視装置。
【請求項4】
一列に並んだラック列をカメラにて監視する監視装置であって、
複数のカメラと、
映像監視サーバとを有し、
前記ラック列の左右方向から前記ラックの有する開閉扉の開閉状況を映し出す位置に前記カメラを少なくとも1台づつ設け、
前記映像監視サーバは、
前記カメラが撮影する映像をリアルタイムに表示するモニタと、
前記ラック列に属するラックの開閉扉の開閉を検出する扉開閉検出手段と、
前記開閉扉の1つが開かれているとき、他の前記開閉扉を開くことを禁止するロック手段とを、
有することを特徴とする監視装置。
【請求項5】
一列に並んだラック列をカメラにて監視する監視プログラムであって、コンピュータに、
前記ラック列の左右方向から前記ラックの有する開閉扉の開閉動作を映し出す位置に前記カメラを少なくとも1台づつ設けて撮像するステップと、
前記カメラが撮影する映像をリアルタイムに映像監視サーバの有するモニタ画面に表示するステップと、
前記ラック列に属する1つのラックの開閉扉が開かれると、前記映像監視サーバは開かれた前記開閉扉を備える前記ラック以外のラックの開閉扉の開閉動作をロックするステップと、
前記1つのラックの開閉扉が閉じられると、前記映像監視サーバはすべての前記開閉扉の開閉動作をアンロックするステップとを、
実行させることを特徴とする監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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