説明

監視装置およびプログラム

【課題】監視カメラの障害情報を適切に通知可能な、監視装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】少なくとも1つの監視カメラ162から出力された映像信号を記録する映像記録装置160に通信回線6を通じて接続可能であり、映像記録装置により検知された監視カメラに関する障害情報を取得する監視装置120において、監視対象の運用スケジュールに基づくタイムテーブル142、144、146を記憶するタイムテーブル記憶部124と、タイムテーブルに従って、監視対象の運用時に取得した監視カメラに関する障害情報を有効と判断し、監視対象の運用時以外に取得した監視カメラに関する障害情報を無効と判断する障害情報判断部126と、有効と判断した監視カメラに関する障害情報を通知する障害情報通知部128と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置およびプログラムに関し、特に、監視カメラの障害情報を適切に通知する、監視装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば複数の金融業店舗毎にデジタルビデオレコーダ(DVR)などの映像記録装置を設置し、複数の映像記録装置に通信回線を通じて接続された監視端末を用いて、監視センターで集中監視する監視システムが知られている。
【0003】
映像記録装置は、有人店舗、無人店舗内の所定の場所を監視するための監視カメラに接続され、監視カメラから出力された映像信号を記録する。映像記録装置は、映像信号の輝度を検出し、監視カメラのレンズが覆われた場合など、映像信号の輝度が所定の閾値未満であると、監視カメラの障害として検知する機能を有する。映像記録装置は、監視カメラの障害を検知すると、店舗、映像記録装置、監視カメラの識別情報を含む障害情報を通信回線を通じて監視端末に送信する。
【0004】
監視端末は、障害情報を受信すると、該当する監視カメラのリアルタイム映像信号を確認し、依然として映像信号の輝度が所定の閾値未満である場合には、有人店舗であれば店舗の運用者に障害発生の旨を通知し、無人店舗であれば隣接する店舗または警備会社などに障害発生の旨を通知する。
【0005】
映像記録装置は、映像信号の輝度が所定の閾値未満であると、監視カメラの障害として検知するので、店舗の運用時間外などに照明が落とされている場合でも、監視カメラの障害として検知し、障害情報を監視端末に送信してしまう。このため、映像記録装置は、設置対象となる店舗に関して曜日毎などの運用スケジュールに基づいて設定されたタイムテーブルを記憶しており、タイムテーブルに従って監視カメラの障害を検知するように機能する。これにより、映像記録装置は、店舗の運用時間外などに照明が落とされている場合に、障害情報を監視端末に送信しなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の監視システムにおいて、祝日、年末年始、店舗保守などにより店舗の運用スケジュールが不規則になる場合には、映像記録装置に記憶されているタイムテーブルが適用できず、映像記録装置が障害情報を監視端末に送信してしまう。この場合には、監視センターの運用者が店舗の運用スケジュールを参照して、運用スケジュールが不規則になる日であることを確認し、障害情報が無効である旨を逐一判断することで対処していた。しかし、集中監視の対象となる店舗の数が多くなると、確認判断に時間を要し、さらに、判断ミスを生じてしまう場合があるという問題があった。
【0007】
また、祝日、年末年始などを含むタイムテーブルを映像記録装置毎に記憶することも考えられるが、店舗毎に運用スケジュールが異なるので、設定作業が煩雑となり、さらに、設定の更新作業が毎年発生してしまうという問題があった。また、店舗保守などにより運用スケジュールが不規則となる場合には、タイムテーブルの設定作業が間に合わずに、監視センターの運用者が確認判断しなければならなくなるという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、監視カメラの障害情報を適切に通知可能な、新規かつ改良された、監視装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、少なくとも1つの監視カメラから出力された映像信号を記録する映像記録装置に通信回線を通じて接続可能であり、映像記録装置により検知された監視カメラに関する障害情報を取得する監視装置が提供される。本監視装置は、監視対象の運用スケジュールに基づくタイムテーブルを記憶するタイムテーブル記憶部と、タイムテーブルに従って、監視対象の運用時に取得した監視カメラに関する障害情報を有効と判断し、監視対象の運用時以外に取得した監視カメラに関する障害情報を無効と判断する障害情報判断部と、有効と判断した監視カメラに関する障害情報を通知する障害情報通知部と、を備える。
【0010】
かかる構成によれば、監視対象の運用スケジュールに基づくタイムテーブルに従って、監視装置が監視カメラに関する障害情報の有効性を判断し、有効と判断した場合にのみ通知するので、監視カメラに関する障害情報を適切に通知することができる。これにより、運用者が障害情報の有効性を確認判断する必要がなくなり、確認判断に時間を要したり、判断ミスを生じたりするという問題を解消することができる。また、映像記録装置毎に運用スケジュールに基づくタイムテーブルを設定する必要がなくなる。
【0011】
また、上記タイムテーブルを更新するためのタイムテーブル更新部をさらに備えてもよい。これにより、監視サーバが記憶しているタイムテーブルが必要に応じて更新可能であるので、映像記録装置毎にタイムテーブルを更新する必要がなくなる。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第2の観点によれば、前述した第1の観点に係る監視装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の第3の観点によれば、複数の監視カメラから通知された映像信号を記録する映像記録装置に通信回線を通じて接続可能であり、映像記録装置により検知された監視カメラに関する障害情報を取得する監視装置が提供される。本監視装置は、特定の監視カメラに関する障害情報を取得した後、映像記録装置に接続されている全ての監視カメラに関する障害情報を所定の時間内に取得していない場合には、特定の監視カメラに関する障害情報を有効と判断し、所定の時間内に取得した場合には、特定の監視カメラに関する障害情報を無効と判断する障害情報判断部と、有効と判断した特定の監視カメラに関する障害情報を通知する障害情報通知部と、を備える。
【0014】
かかる構成によれば、特定の監視カメラに関する障害情報を取得した後、全ての監視カメラに関する障害情報を所定の時間内に取得したか否かに応じて当該障害情報の有効性を判断し、有効と判断した場合にのみ通知するので、監視カメラの障害情報を適切に通知することができる。これにより、監視対象の運用スケジュールに基づくタイムテーブルを設定および更新する必要がなくなり、タイムテーブルの設定ミスおよび更新ミスを生じてしまうという問題を解消することができる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第4の観点によれば、前述した第3の観点に係る監視装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、監視カメラの障害情報を適切に通知可能な、監視装置およびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
以下では、まず、図7〜図9を参照しながら従来の監視システムについて説明した上で、図1〜図6を参照しながら本発明の実施形態に係る監視システムについて説明する。
【0019】
図7は、従来の監視システムの構成を示す説明図である。図7に示すように、監視システムは、複数の店舗毎4a、4b、4c(以下では、店舗4として総称する。)に設置されたDVR60および監視カメラ62a、62b、62c(以下では、監視カメラ62として総称する。)と、監視センター2に設置された監視端末12とを有する。DVR60は、店舗4側のルータ64、通信回線6および監視センター2側のルータ14を通じて監視端末12に接続される。
【0020】
監視カメラ62は、例えば店舗窓口、ATMコーナーなど、店舗4内の所定の場所に設置される。監視カメラ62は、監視対象の映像を撮影し、撮影した映像の映像信号をDVR60に出力する。
【0021】
DVR60は、少なくとも1つの監視カメラ62に接続され、監視カメラ62から出力された映像信号を記録する。DVR60は、例えば、映像信号の輝度を検出し、映像信号の輝度が所定の閾値未満であると、監視カメラ62の障害として検知する機能を有する。DVR60は、監視カメラ62の障害を検知すると、店舗番号、DVR番号、カメラ番号などの識別情報を含む障害情報を監視端末12に送信する。
【0022】
DVR60は、図8および図9に示すタイムテーブル72、74、76を記憶している。タイムテーブル72、74、76は、図8および図9に示すように、平日、休日、祝日など、店舗4毎の運用スケジュールに関する情報を含む。DVR60は、タイムテーブル72、74、76に従って、監視対象の映像信号を記録し、監視カメラ62の障害を検知する。
【0023】
図8には、店舗1および店舗nにおける平日・休日用のタイムテーブル72、74が示されている。図8によれば、店舗1は、平日8時〜19時、休日10時〜17時のスケジュールで運用され、店舗nは、平日9時〜17時、休日10時〜15時のスケジュールで運用されている。
【0024】
図9には、店舗1における祝日用のタイムテーブル76が示されている。図9によれば、店舗1は、1月1日および1月2日に運用されず、1月15日および2月11日に10時〜19時のスケジュールで運用されている。
【0025】
DVR60は、前述したタイムテーブル72、74、76、つまり、店舗の運用スケジュールに従って監視カメラ62の障害を検知するので、店舗4の運用時間外には障害を検知しない。このため、DVR60は、店舗4の運用時間外に照明が落とされた場合には、障害を検知して障害情報を監視端末12に送信することがない。
【0026】
しかしながら、前述したように、店舗4毎に運用スケジュールが異なるので、タイムテーブル72、74、76の設定作業が煩雑となり、特に祝日用のタイムテーブル76の更新作業が毎年発生してしまう。また、店舗保守などの緊急対応時には、タイムテーブル72、74、76の設定作業が間に合わなくなる場合がある。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る監視システムの構成を示す説明図である。以下では、第1の実施形態に係る監視システムについて説明するが、従来の監視システムと同様の構成要素についての説明を省略する。
【0028】
図1に示すように、監視システムは、複数の店舗4a、4b、4c(以下では、店舗4として総称する。)毎に設置されたDVR160(映像記録装置)および監視カメラ162a、162b、162c(以下では、監視カメラ162として総称する。)と、監視センター2に設置された監視サーバ110および監視端末112とを有する。DVR160は、店舗4側のルータ164、通信回線6および監視センター2側のルータ114を通じて監視サーバ110および監視端末112に接続される。なお、DVR160は、店舗4毎に1台設置されてもよく、複数設置されてもよい。
【0029】
図2は、第1の実施形態に係る監視装置の構成を示す説明図である。本実施形態に係る監視装置120は、監視サーバ110および監視端末112から構成される。監視装置120は、図2に示すように、障害情報取得部122、タイムテーブル記憶部124、障害情報判断部126、障害情報通知部128、タイムテーブル更新部130、入出力部132、記憶部134、および制御部136を有する。
【0030】
障害情報取得部122は、DVR160により検知された監視カメラ162に関する障害情報をDVR160から取得する。タイムテーブル記憶部124は、後述するように、監視対象となる店舗4の運用スケジュールに基づいて設定されたタイムテーブル142、144を記憶している。障害情報判断部126は、タイムテーブル142、144に基づいて、取得した障害情報の有効性を判断する。障害情報通知部128は、有効と判断された障害情報を通知する。タイムテーブル更新部130は、タイムテーブル記憶部124に記憶されているタイムテーブル142、144を更新する。
【0031】
入出力部132は、例えば、キーボード、モニタなどのユーザインターフェースである。記憶部134は、監視装置120の動作に必要となる各種情報などを記憶する。制御部136は、前述した他の構成要素を制御することで、監視装置120全体の動作を制御する。
【0032】
監視装置120の構成要素のうち、障害情報取得部122、障害情報判断部126、障害情報通知部128、タイムテーブル更新部130、および制御部136は、各構成要素の機能を実行するソフトウェアプログラムを記憶部134にインストールして実現されてもよく、専用のハードウェアにより実現されてもよい。また、タイムテーブル記憶部124および記憶部134は、例えば、半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスクなどの各種記憶媒体として構成されてもよい。
【0033】
監視システムでは、DVR160の代わりに、監視サーバ110が図3に示すタイムテーブル142、144を記憶している。本実施形態では、タイムテーブル記憶部124がタイムテーブル142、144を記憶しているが、監視サーバ110に付属する外部記憶装置、または記憶部134がタイムテーブル142、144を記憶してもよい。また、タイムテーブル142、144は、タイムテーブル更新部130を介して適宜更新することができる。
【0034】
タイムテーブル142、144は、図3に示すように、第1のテーブル142および第2のテーブル144からなる。第1のテーブル142は、運用スケジュールが共通する店舗4をグループに区分する情報を含む。第2のテーブル144は、グループに属する店舗4に共通する運用スケジュールの情報を含む。なお、以下では、店舗4の運用スケジュール自体を第2のテーブル144に設定する場合を想定して説明する。
【0035】
図3には、店舗1〜3をグループ1に区分し、店舗7〜9をグループ2に区分し、店舗m、nをグループ3に区分する第1のテーブル142と、グループ1、グループ2、グループ3の各々に属する店舗に共通する運用スケジュールの情報を含む第2のテーブル144が示されている。
【0036】
図3によれば、例えば、グループ1に属する店舗1〜3は、1月1日および1月2日に10時〜15時のスケジュールで運用され、1月15日および2月11日に10時〜17時のスケジュールで運用されている。
【0037】
以下では、監視システムの動作方法について説明する。
【0038】
店舗4に設置されたDVR160は、監視カメラ162の障害を検知すると、店舗番号、DVR番号、およびカメラ番号を含む障害情報を監視センター2に送信する。監視センター2では、監視サーバ110が障害情報を受信し、障害情報の有効性を判断し、必要に応じて監視端末112に出力し、監視端末112が障害情報を通知する。
【0039】
制御部136は、障害情報取得部122により障害情報を取得すると、まず、タイムテーブル記憶部124に記憶されているタイムテーブル142、144を参照する。そして、制御部136は、障害情報に含まれる店舗番号および第1のテーブル142に基づいて、該当する店舗4が属するグループを特定する。次に、制御部136は、特定したグループおよび第2のテーブル144に基づいて、該当する店舗4の運用スケジュールに基づくタイムテーブルを特定する。
【0040】
制御部136は、障害情報判断部126により、特定したタイムテーブルおよびシステム時計に基づいて、障害情報の受信日時が店舗4の運用時間内であるか否かを判定する。ここで、障害情報判断部126は、受信日時が店舗4の運用時間内であると判定した場合には、監視カメラ162に障害が発生している(障害情報が有効である。)と判断し、障害情報を障害情報通知部128に出力する。一方、障害情報判断部126は、受信日時が店舗4の運用時間外であると判定した場合には、監視カメラ162に障害が発生していない(障害情報が無効である。)と判断し、障害情報を障害情報通知部128に出力しない。ここで、監視サーバ110は、無効と判断した障害情報を破棄してもよく、有効と判断した障害情報とともに受信ログとして記録してもよい。
【0041】
障害情報判断部126は、例えば、グループ1に属する店舗1から1月1日の10時に障害情報を受信した場合には、タイムテーブル142、144に基づいて店舗1の運用時間内であると判定し、障害情報が有効であると判断し、障害情報を障害情報通知部128に出力する。一方、障害情報判断部126は、例えば、グループ2に属する店舗7から1月1日の10時に障害情報を受信した場合には、タイムテーブル142、144に基づいて店舗7の運用時間外であると判定し、障害情報が無効であると判断し、障害情報を障害情報通知部128に出力しない。
【0042】
監視装置120は、障害情報を取得すると、監視端末112の障害情報通知部128により、従来と同様に、店舗または警備会社などに障害発生の旨を通知する。ここで、障害発生の旨は、監視端末112から自動的に通知されてもよく、監視端末112を操作する操作者を介して通知されてもよい。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る監視システムによれば、監視装置120が監視対象の運用スケジュールに基づくタイムテーブルに従って、監視カメラ162に関する障害情報の有効性を判断し、有効と判断した場合にのみ通知するので、監視カメラ162の障害情報を適切に通知することができる。これにより、運用者が障害情報の有効性を確認判断する必要がなくなり、確認判断に時間を要したり、判断ミスを生じたりするという問題を解消することができる。
【0044】
また、監視装置120がタイムテーブル142、144を記憶し、必要に応じて更新するので、DVR160毎にタイムテーブル72、74、76を設定および更新する必要がなくなる。
【0045】
(第2の実施形態)
以下では、第2の実施形態に係る監視システムについて説明するが、第1の監視システムと同様の構成要素についての説明を省略する。
【0046】
監視システムは、監視センター2に設置された監視サーバ210および監視端末212を有する。監視システムの構成は、DVR160に複数の監視カメラ162a、162b、162c(以下では、監視カメラ162と総称する。)が接続されている以外は、図1に示す監視システムと同様である。なお、DVR160は、店舗4毎に1台設置されてもよく、複数設置されてもよいが、以下では、店舗4毎に1台設置されている場合について説明する。
【0047】
図4は、第2の実施形態に係る監視装置の構成を示す説明図である。監視装置220は、図4に示すように、障害情報取得部222、チェックテーブル記憶部224、障害情報判断部226、障害情報通知部228、入出力部232、記憶部234、および制御部236を有する。
【0048】
障害情報取得部222、障害情報通知部228、入出力部232、記憶部234、および制御部236は、第1の実施形態に係る監視装置120と同様の機能構成を有する。チェックテーブル記憶部224は、障害情報の有効性を判断するために利用するチェックテーブル242を記憶している。障害情報判断部226は、DVR160に接続されている監視カメラ162から所定の時間内に取得される障害情報の取得状況に基づいて、障害情報の有効性を判断する。
【0049】
監視システムにおいて、監視サーバ210は、タイムテーブル142、144を記憶する代わりに、チェックテーブル242を利用する。本実施形態では、チェックテーブル記憶部224がチェックテーブル242を記憶しているが、監視サーバ210に付属する外部記憶装置、または記憶部234がチェックテーブル242を記憶してもよい。チェックテーブル242は、図5に示すように、監視サーバ210が監視カメラ162の障害検知のために用いる情報を含む。
【0050】
チェックテーブル242は、カメラ台数、タイマ作動フラグ、タイマ値、障害情報受信フラグからなる。カメラ台数は、店舗4毎のDVR160に接続されている監視カメラ162の台数を示す。タイマ作動フラグは、各DVR160に対応するタイマの作動状態を示すフラグ情報である。タイマ値は、タイマ毎のカウント値を示す。障害情報受信フラグは、DVR160毎に接続されている各監視カメラ162に関する障害情報の受信状態を示すフラグ情報である。
【0051】
ここで、タイマ作動フラグは、例えば、タイマの作動中に「1」に設定され、作動中以外に「0」に設定される。タイマ値は、例えばカウント値「5:00」からカウントを開始し、「0:00」で終了する。障害情報受信フラグは、例えば、障害情報を受信すると「1」に設定され、受信していないと「0」に設定される。
【0052】
図5によれば、例えば、店舗1のDVR160に5台の監視カメラ162が接続されている。当該DVR160に対応するタイマが作動中であり、カウント値が「3:30」である。監視カメラ1〜5に関する障害情報が監視サーバ210により受信済みである。
【0053】
図6は、監視装置の動作方法を示すフロー図である。以下では、図6を参照しながら監視装置220の動作方法について説明する。
【0054】
制御部236は、障害情報の受信を判定し、障害情報を受信した場合にはステップS204の処理に移行し、障害情報を受信していない場合には継続して障害情報の受信を判定する(S202)。
【0055】
制御部236は、障害情報取得部222により障害情報を受信すると、障害情報に含まれる店舗番号、およびカメラ番号に基づいて、チェックテーブル記憶部224に記憶されているチェックテーブル242を更新する(S204)。つまり、該当する店舗4の該当する監視カメラ162の障害情報受信フラグを「1」に設定する。なお、制御部236は、店舗4に複数のDVR160が設置されている場合には、選択的に障害情報に含まれるDVR番号も参照する。
【0056】
制御部236は、該当する店舗4のタイマ作動フラグを確認し、タイマの作動状態を判定する(S206)。制御部236は、タイマが作動中でない場合には、タイマ作動フラグを「1」に設定してタイマを起動する(S208)。そして、制御部236は、タイマが作動中または起動されると、S210の処理に移行する。
【0057】
制御部236は、該当する店舗4のタイマ値を確認し、タイムアウトの発生の有無を判定する(S210)。制御部236は、該当する店舗4のタイマでタイムアウトが発生している場合にはS212の処理に移行し、タイムアウトが発生していない場合にはS202の処理に復帰する。つまり、制御部236は、該当する店舗4の他の監視カメラ162について継続して障害情報の受信を判定する。
【0058】
制御部236は、タイムアウトが発生している場合には、障害情報判断部226により、該当する店舗4の全ての監視カメラ162(例えば、図1に示す店舗4aの監視カメラ162a〜162c)に関する障害情報受信フラグを確認し、全ての監視カメラ162に関する障害情報を受信したか否かを判定する(S212)。制御部236は、全ての監視カメラ162に関する障害情報を受信した場合にはS216の処理に移行し、受信していない場合には障害情報を障害情報通知部228に出力する(S214)。
【0059】
制御部236は、全ての監視カメラ162に関する障害情報を受信したか否かを判定した後、該当する店舗のタイマ作動フラグ、タイマ値、および障害情報受信フラグを初期化する(S216)。
【0060】
障害情報判断部226は、該当する店舗4に関して、タイマで設定された所定の時間内に、全ての監視カメラ162に関する障害情報を受信しなかった場合には、監視カメラ162に障害が発生している(障害情報が有効である。)と判断し、障害情報を障害情報通知部228に出力する。一方、障害情報判断部226は、該当する店舗4に関して、タイマで設定された所定の時間内に、全ての監視カメラ162に関する障害情報を受信した場合には、監視カメラ162に障害が発生していない(障害情報が無効である。)と判断し、障害情報を障害情報通知部228に出力しない。
【0061】
つまり、DVR160は、店舗4の運用時間終了などにより照明が落とされた場合には、該当する店舗4に関して全ての監視カメラ162の障害を検知し、全ての監視カメラ162に関する障害情報を所定の時間内に監視サーバ210に送信する。よって、監視サーバ210は、該当する店舗4に関して全ての監視カメラ162に関する障害情報を所定の時間内にDVR160から受信する。
【0062】
このため、店舗4毎に所定の時間をカウントするようにタイマを設定し、タイムアウトの発生までに全ての監視カメラ162に関する障害情報が受信されたか否かを判定することで、監視カメラ162の障害を検知することができる。なお、タイマのカウント初期値は、店舗4毎の条件に基づいて、異なる値に設定されてもよい。
【0063】
以上説明したように、本実施形態に係る監視システムによれば、監視装置220が特定の監視カメラ162に関する障害情報を取得した後、全ての監視カメラ162に関する障害情報を所定の時間内に取得したかに応じて当該障害情報の有効性を判断し、有効と判断した場合にのみ出力するので、監視カメラ162の障害情報を適切に通知することができる。これにより、監視対象の運用スケジュールを設定および更新する必要がなくなり、運用スケジュールの設定および更新を誤ってしまうという問題を解消することができる。
【0064】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0065】
例えば、上記実施形態の説明では、監視装置120、220が監視サーバ110、220および監視端末112、222から構成される場合について説明した。しかし、上記実施形態は、監視装置120、220が監視サーバ110、220および監視端末112、222の機能を一体化した装置から構成される場合についても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】第1の実施形態に係る監視システムの構成を示す説明図である。
【図2】第1の実施形態に係る監視装置の構成を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態に係る監視装置のタイムテーブルを示す説明図である。
【図4】第2の実施形態に係る監視装置の構成を示す説明図である。
【図5】第2の実施形態に係る監視装置のチェックテーブルを示す説明図である。
【図6】第2の実施形態に係る監視装置の動作方法を示すフロー図である。
【図7】従来の監視システムの構成を示す説明図である。
【図8】従来の監視システムのDVRのタイムテーブルを示す説明図である。
【図9】従来の監視システムのDVRのタイムテーブルを示す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
12、112 監視端末
60、160 DVR
62、162 監視カメラ
110 監視サーバ
120、220 監視装置
122、222 障害情報取得部
124 タイムテーブル記憶部
126、226 障害情報判断部
128、228 障害情報通知部
130 タイムテーブル更新部
224 チェックテーブル記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの監視カメラから出力された映像信号を記録する映像記録装置に通信回線を通じて接続可能であり、前記映像記録装置により検知された前記監視カメラに関する障害情報を取得する監視装置において、
監視対象の運用スケジュールに基づくタイムテーブルを記憶するタイムテーブル記憶部と、
前記タイムテーブルに従って、前記監視対象の運用時に取得した前記監視カメラに関する障害情報を有効と判断し、前記監視対象の運用時以外に取得した前記監視カメラに関する障害情報を無効と判断する障害情報判断部と、
有効と判断した前記監視カメラに関する障害情報を通知する障害情報通知部と、
を備えたことを特徴とする、監視装置。
【請求項2】
前記タイムテーブルを更新するためのタイムテーブル更新部をさらに備えたことを特徴とする、請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
少なくとも1つの監視カメラから通知された映像信号を記録する映像記録装置、および前記映像記録装置により検知された前記監視カメラに関する障害情報を通信回線を通じて取得する監視装置からなる監視システムに適用されるプログラムであって、コンピュータを、
監視対象の運用スケジュールに基づくタイムテーブルに従って、前記監視対象の運用時に取得した前記監視カメラに関する障害情報を有効と判断し、前記監視対象の運用時以外に取得した前記監視カメラに関する障害情報を無効と判断する障害情報判断手段、
有効と判断した前記監視カメラに関する障害情報を通知する障害情報通知手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項4】
複数の監視カメラから通知された映像信号を記録する映像記録装置に通信回線を通じて接続可能であり、前記映像記録装置により検知された前記監視カメラに関する障害情報を取得する監視装置において、
特定の監視カメラに関する障害情報を取得した後、前記映像記録装置に接続されている全ての監視カメラに関する障害情報を所定の時間内に取得していない場合には、前記特定の監視カメラに関する障害情報を有効と判断し、所定の時間内に取得した場合には、前記特定の監視カメラに関する障害情報を無効と判断する障害情報判断部と、
有効と判断した前記特定の監視カメラに関する障害情報を通知する障害情報通知部と、
を備えたことを特徴とする監視装置。
【請求項5】
複数の監視カメラから通知された映像信号を記録する映像記録装置と、前記映像記録装置により検知された前記監視カメラに関する障害情報を通信回線を通じて取得する監視装置からなる監視システムに適用されるプログラムであって、コンピュータを、
特定の監視カメラに関する障害情報を取得した後、前記映像記録装置に接続されている全ての監視カメラに関する障害情報を所定の時間内に取得していない場合には、前記特定の監視カメラに関する障害情報を有効と判断し、所定の時間内に取得した場合には、前記特定の監視カメラに関する障害情報を無効と判断する障害情報判断手段、
有効と判断した前記特定の監視カメラに関する障害情報を通知する障害情報通知手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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