説明

目合わせ方法及び目合わせ位置検査方法

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造工程における目合わせ方法及び目合わせ位置検査方法に関し、特にエピタキシャル成長でのパターンシフト及びパターンディストーション現象の影響を受けない目合わせ方法及び目合わせ位置検査方法。
【0002】
【従来の技術】バイポーラIC及びMOSICを1チップ内に混在させた高圧パワーICは、半導体基板にp型又はn型不純物の埋込み層を拡散法又はイオン注入法で選択的に形成し、その後エピタキシャル層をエピタキシャル成長法で成長させ、このエピタキシャル層に順次p型又はn型不純物層を拡散法又はイオン注入法で形成して製造する。ところで、上記において半導体基板に埋込み層を形成したときに半導体基板表面に現われる下地パターンはエピタキシャル成長するとエピタキシャル層表面に写しとられる。このエピタキシャル層表面に写しとられたエピタキシャル層表面パターンは、エピタキシャル成長の進行に伴って下地パターンの位置の直上には位置せず、位置がずれる、いわゆるパターンシフト現象を起こす。従って、エピタキシャル成長後の最初のフォトリソグラフィ工程における下地パターンとの目合わせは、エピタキシャル層表面パターンを位置基準として行なわれるので、このパターンシフト現象を考慮して行なう必要がある。このパターンシフト現象は半導体基板のインゴットからのスライスを半導体基板の表面を例えば結晶面方位(100)から数度傾けて行なっていることに起因している。エピタキシャル層表面パターンのずれの方向は、この傾斜方向に対応しているので、ずれの量さえコントロールできれば、エピタキシャル成長後の最初のフォトリソグラフィ工程で使用するエピタキシャル層表面用マスクでの本パターンに対する目合わせパターンの位置を埋込み層形成時のフォトリソグラフィ工程で使用する下地用マスクでの本パターンに対する目合わせ用パターンの位置から予めずれの分だけ補正して設計しておけば、下地用マスク本パターンとエピタキシャル層表面用マスク本パターンは同一位置基準を用いていることになる。
【0003】上記のように設計したマスクを用いた目合わせ方法について図7を参照して説明する。図において、1は結晶面方位(100)から4度X方向に基板面を傾けたp型半導体基板で、この半導体基板1に下地用マスク本パターン2(簡易的に矩形のパターンで示している)と略正方形の下地用マスク目合わせパターン3とを配置した下地用マスクでパターニングして、p+ 型本パターン埋込み層4及びp+ 型目合わせパターン埋込み層5を形成する。このとき、下地本パターン6及び下地目合わせパターン7が半導体基板1表面に凹状に現われる。つづいて、n型のエピタキシャル層8を成長させる。このとき、基板面の傾きとエピタキシャル層8の厚さで決まるパターンシフトが発生し、下地本パターン6及び下地目合わせパターン7がそれらの各位置からX方向(図面左側方向)に距離xずれたエピタキシャル層表面の各位置にエピタキシャル層表面本パターン9とエピタキシャル層表面目合わせパターン10として略合同に写しとられる。次にエピタキシャル成長後の最初のフォトリソグラフィ工程において、エピタキシャル層8に素子分離のための不純物層を形成するために、エピタキシャル層表面用マスク本パターン11(下地用マスク本パターン2と同形のパターンで示している)とエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン12を配置したエピタキシャル層表面用マスクの目合わせパターン12とをエピタキシャル層表面目合わせパターン10に目合わせする。エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン12は下地用マスク目合わせパターン3と同形の正方形の右辺を目合わせ辺12aとし、その正方形の右上角を方形に斬り欠き、右下角を同じ大きさの方形に突出させたパターンに形成されている。尚、切り欠き及び突出により形成されている目合わせ辺に平行な辺12b,12cは目合わせ後の位置検査用の基準である。ここで素子分離の目的でエピタキシャル層8に形成するp+ 型不純物層の本パターンは下地本パターン6の直上位置に形成する必要があり、エピタキシャル層表面用マスクの本パターン11及び目合わせパターン12は下地用マスクの本パタ−ン2及び目合わせパターン3の離間距離よりパターンシフト分補正するよう更に距離x離れて配置されている。従って、目合わせしたときエピタキシャル層表面用マスク本パターン11は下地本パターン4の直上で位置合わせされていることになる。また、具体的に目合わせはエピタキシャル層表面目合わせパターン10の右辺10aにエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン12の目合わせ辺12aを目合わせする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで図7を用いた目合わせ方法の説明ではパターンシフト現象のみ言及したが、実際はX方向に平行にパターンが収縮する、いわゆるパターンディストーション現象も起こる。このパターンディストーション現象も起こすときに上記の目合わせ方法を用いた場合について図8を用いて説明する。図において、半導体基板1に目合わせパターン埋込み層5を形成し、その上にエピタキシャル層8を積層すると、エピタキシャル層8表面にエピタキシャル層表面目合わせパターン20が下地目合わせパターン7の位置からずれ、かつ下地目合わせパターン7に対しパターンが収縮して写しとられる。即ち、下地目合わせパターン7の中点7cとエピ目合わせパタ−ン20の中点20cとのずれxより、下地目合わせパターン7の右辺7aとエピタキシャル層表面目合わせパターン20の右辺20aとのずれyは大きく、下地目合わせパターン7の左辺7bとエピ目合わせパタ−ン20の左辺20bとのずれzは小さい。このために、エピタキシャル層表面目合わせパターン20は下地目合わせパターン7よりy−zだけ縮小している。このため、エピタキシャル層表面目合わせパターン右辺20aでエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン12の目合わせ辺12a(図7参照)と目合わせするとパターンシフトによるパターン中央のずれxと、エピタキシャル層表面目合わせパターン20の右辺20aのずれyの差だけパターンずれが発生する。このために下地本パターン4(図7参照)の直上に正確にエピタキシャル層表面用マスク本パターン11(図7参照)が位置合わせされず、素子分離不良が発生する。高集積化やチップの縮小化により、この問題はさらに顕著となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目合わせ方法は上記課題を解決するために提案されたもので、所定の結晶面方位を有すると共にこの結晶面方位に対しX方向に一定傾角度の切断面を有する半導体基板上に下地用マスク目合わせパターン及び下地用マスク本パターンを有する下地用マスクで下地目合わせパターン及び下地本パターンを有する下地パターンを形成する工程と、この下地パターンが形成された半導体基板上にエピタキシャル層を成長させると同時に、下地パターンがX方向に位置ずれしてエピタキシャル層表面にエピタキシャル層表面目合わせパターン及びエピタキシャル層表面本パターンを有するエピタキシャル層表面パターンとして写しとられる工程と、エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン及びエピタキシャル層表面用マスク本パターンを有すると共にエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン及びエピタキシャル層表面用マスク本パターンの位置関係を下地用マスク目合わせパターン及び下地用マスク本パターンの位置関係に対して位置ずれ分補正して形成したエピタキシャル層表面用マスクのエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンをエピタキシャル層表面目合わせパターンに目合わせして下地本パターン直上にエピタキシャル層表面用マスク本パターンを位置合わせする工程とを具備した半導体装置製造工程における目合わせ方法において、下地用マスク目合わせパターン及びエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンが夫々、X方向に対し直交するY方向に頂点がある山形パターンを有するとともに、下地用マスク目合わせパターンがこのパターンの山形パターンを長辺の中央に挿入したX方向に長手の矩形パターンを、および、エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンがこのパターンの山形パターン両側に左右対称に凸部及び凹部の幅寸法が略同一の櫛状パタ−ンを有し、エピタキシャル層表面目合わせパターンの山形パターンとエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンの山形パターンとで目合わせするとともに、この目合わせにより櫛状パターンと矩形パターンの短辺とが交差することを特徴とする。また上記の目合わせ方法は、下地用マスク目合わせパターン及びエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンの山形パターンとエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンの櫛状パターンとが上下対称に形成されていることを特徴とする。また、本発明の目合わせ位置検査方法は、上記の目合わせ方法でエピタキシャル層上に形成されたエピタキシャル層表面レジスト目合わせパターンの櫛状パターンとエピタキシャル層表面目合わせパターンの短辺との交差する位置をチェックすることを特徴とする。また、上記の目合わせ位置検査の簡易な方法は、左右対称の両櫛状パターンの各凸部及び凹部を目盛りとして、矩形パターンの両短辺と交差する両櫛状パターンの目盛り数の差により目合わせ位置ずれを検査することを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明の目合わせ方法によれば、下地目合わせパターンが、エピタキシャル成長後にエピタキシャル層表面に写しとられたエピタキシャル層表面目合わせパターンの上下対称の山形パターンの頂点を結ぶ線上にエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンに有する山形パターンの頂点を位置合わせするので、パターンディストーション現象の影響を受けず、本パターン埋込み層とエピタキシャル層上にエピタキシャル層表面用マスク本パターンにより形成した不純物層との位置ずれは発生しない。また、本発明の目合わせ位置検査方法によれば、エピタキシャル層表面目合わせパターンの矩形パターンに有するY方向の短辺とエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンで形成したエピタキシャル層表面レジストパターンの櫛状パターンとの交差する位置をチェックすれば、パターンディストーション量を考慮した目合わせ位置検査ができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の目合わせ方法及び目合わせ位置検査方法を図1乃至図6を参照して説明する。尚、図1において、図7と同一のものについては同一符号で示し、その詳しい説明は省略する。先ず本発明の目合わせ方法について説明すると、図1(a)において、p型半導体基板1に下地用マスク本パターン2と後で説明する下地用マスク目合わせパターン23とを配置した下地用マスクでパターニングして、p+ 型本パターン埋込み層4及びp+ 型目合わせパターン埋込み層25を形成する。このとき、下地本パターン6及び下地目合わせパターン27が下地用マスク本パターン2及び下地用マスク目合わせパターン23に対応して半導体基板1表面に凹状に現われる。つづいて図1(b)に示すように、n型のエピタキシャル層28を成長させる。このとき、基板面の傾きとエピタキシャル層28の厚さで決まるパターンシフトとこの方向に平行にパターンディストーションが発生し、下地本パターン6及び下地目合わせパターン27がそれらの各位置からX方向(図面左方向)に距離xずれたエピタキシャル層表面の各位置に、X方向に平行に縮小されてエピタキシャル層表面本パターン29とエピタキシャル層表面目合わせパターン30として写しとられる。次に図1(c)に示すようにエピタキシャル成長後の最初のフォトリソグラフィ工程において、エピタキシャル層28に素子分離のための不純物層を形成するために、エピタキシャル層表面用マスク本パターン11と後で説明するエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン32を配置したエピタキシャル層表面用マスクの目合わせパターン32を後で説明する方法でエピタキシャル層表面目合わせパターン30に目合わせする。ここで素子分離の目的でエピタキシャル層28に形成するp+ 型不純物層の本パターンは下地本パターン6の直上位置に形成する必要があり、エピタキシャル層表面用マスクの本パターン11及び目合わせパターン32は下地用の本パターン2及び目合わせパターン23の離間距離よりパターンシフト分補正するよう更に距離x離れて配置する。従って、目合わせしたときエピタキシャル層表面用マスク本パターン11は下地本パターン6の直上で位置合わせすることになる。尚、上記の説明において半導体基板等の導電型、結晶面方位及び結晶面方位からの基板面の傾きは上記に固定されることなく、必要に応じて選択される。
【0008】次に本発明の特徴である下地用マスク目合わせパターン23とエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン32について図2も参照して説明する。下地用マスク目合わせパターン23(破線で示す)は長手方向が半導体基板1のX方向に平行な矩形パターン23aと、その矩形パターンの上下各長辺23b中央に上下対称に挿入され、Y方向に頂点23cを有する山型パターン23dとから成っている。この山形パターンの代わりにV字形パターンを使用してもよい。また、エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン32(実線で示す)は長手方向が半導体基板1のX方向に平行な矩形パターン32aと、その矩形パターンの上下各長辺32b中央に挿入され、Y方向に頂点32cを有する上下対称の山形パターン32dと、矩形パターン32aの両側に左右対称に有し、Y方向に矩形状の凸凹で凸部と凹部との幅寸法が略同一であり上下対称の櫛状パターン32eとから成っている。尚、矩形パターン32aの長手方向はY方向に平行であってもよい。左右の櫛状パターン32eの凹部最外辺32f間距離は下地用マスク目合わせパターン23の矩形パターン23aのY方向に平行な左右の短辺23e間距離と同一に設計している。エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン32の山形パターン32d及び長辺32bが下地用マスク目合わせパターン23の山形パターン23d及び長辺23b内に数μmのクリアランスで納まるように設計されている。
【0009】上記の下地用マスク目合わせパターン23により形成された下地目合わせパターン27は、図3に示すように、エピタキシャル成長後、パターン27(破線で示す)にある山形パターン27dの頂点27cを中心にX方向に距離xずれてエピタキシャル層28表面にエピタキシャル層表面目合わせパターン30(実線で示す)として写しとられるが、このエピタキシャル層表面目合わせパターン30の矩形パターン30aのX方向に平行な長辺30bはパターンディストーション現象によりX方向に平行に縮小され矩形パターン30の短辺30e間距離は短くなる。しかし、山形パターン30dの頂点30cの位置はパターンディストーション現象の影響をほとんど受けないため、このエピタキシャル層表面目合わせパターン30にエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン32で目合わせするには、図4に示すように上下の山形パターン30dの頂点30cを結ぶ線上に山形パターン32dの上下の頂点32cが重なるようして、山形パターン30dに山形パターン32dを重ねればよい。このとき、Y方向の目合わせは、上下の山形パターン30d及び長辺30b内に上下の山形パターン32d及び長辺32bが上下同一のクリアランスで納まるようにして行なう。
【0010】次に、エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン32で目合わせして形成したエピタキシャル層表面レジストパターンの現像チェックで行なう目合わせ位置検査の方法について、図5を参照して説明する。図において、40はエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン32で目合わせしてフォトレジストで形成されたエピタキシャル層表面レジスト目合わせパターンである。エピタキシャル層表面目合わせパターン30に対してエピタキシャル層表面レジスト目合わせパターン40がX方向(図面左方向)にずれている。櫛状パターン40eの凹部及び凸部の幅を例えば5μmとすると、5μmを目分量で5等分してずれ量が下記のように測定できる。図面左側の櫛状パターン40eにおいて左端から左側の短辺30eと交差するまでの距離は略17μmであり、図面右側の櫛状パターン40eにおいて右端から右側の短辺30eと交差するまでの距離は略7μmである。従って、ずれ量は(17−7)/2=5μmである。この値を規格と比較することによりずれ量が規格内かが判断できる。
【0011】更に簡易的な検査方法について、図6(a)〜(c)を参照して説明する。各図には、第5図と同様にエピタキシャル層表面目合わせパターン30上に形成されたエピタキシャル層表面レジスト目合わせパターン40を示しているが、それぞれの符号は省略している。各図に示すエピタキシャル層表面レジスト目合わせパターンの両側にある櫛状パターンの凸部及び凹部を目盛りとして両外側からそれぞれ目盛り■,■,■,■,■,■とする。櫛状パターンの凹部及び凸部の幅を5μmとし、エピタキシャル層表面目合わせパターンとエピタキシャル層表面レジスト目合わせパターンとの位置ずれ量が5μm以上は規格外とする。エピタキシャル層表面目合わせパターンの短辺が櫛状パターンと交差している両側の目盛り数の差を求め以下の3つの場合に区分する。尚、5μm幅の目盛り(目盛り幅を1とする)内での交差位置を左側の櫛状パターンは左からα(<1)とし、右側の櫛状パターンは右からβ(<1)とすると、(α−β)は|α−β|<1で表され、(β−α)は|β−α|<1で表される。
(1)目盛り数の差>3のとき(図6(a)を参照)
(イ)図6(a)に示すように左に位置ずれの場合位置ずれ量=(3+(α−β))/2>1目盛り(=5μm)
(ロ)右に位置ずれの場合(図示せず)
位置ずれ量=(3+(β−α))/2>1目盛り(=5μm)
従って、この場合は規格外と判定される。
(2)目盛り数の差<1のとき(図6(b)を参照)
(イ)図6(b)に示すように左に位置ずれの場合位置ずれ量=(1+(α−β))/2<1目盛り(=5μm)
(ロ)右に位置ずれの場合(図示せず)
位置ずれ量=(1+(β−α))/2<1目盛り(=5μm)
従って、この場合は規格内と判定される。
(3)目盛り数の差=2のとき(図6(c)を参照)
(イ)図6(b)に示すように左に位置ずれの場合 位置ずれ量=(2+(α−β))/2 (ロ)右に位置ずれの場合(図示せず)
位置ずれ量=(2+(β−α))/2 即ち、(イ)(ロ)共に 0.5目盛り<位置ずれ量<1.5目盛り (=2.5μm) (=7.5μm)
従って、この場合は、2.5μm〜5μmで規格内の場合があるが、5μm以上の規格外の場合もあり、規格外と判断する。以上より、エピタキシャル層表面目合わせパターンに対するエピタキシャル層表面レジスト目合わせパターンの目合わせ位置ずれの検査は、エピタキシャル層表面目合わせパターンの短辺が櫛状パターンと交差している両側の目盛り数の差を求め、1目盛り以下の場合は規格内と判定し、2目盛り以上の場合は規格外と判定すれば、ディストーション現象の影響を受けることなく、簡易な方法で、短時間に、しかも少しきびし目に判定される場合があるものの、規格外のものを規格内と判定することはなく行なうことができる。
【0012】
【発明の効果】エピタキシャル成長時のディストーション現象の影響を受けない目合わせ方法なので、埋込み層本パターンとエピタキシャル層に形成する不純物層本パターンとの位置ずれを防止できる。また、エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンに凸凹幅寸法が同一の櫛状パターンを有しているので目合わせ後に行なう目合わせ位置検査がディストーション現象の影響を受けずに簡易な方法で行なえ、短時間で精度のよい検査が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の目合わせ方法を説明するための工程断面図
【図2】 図1の工程断面図で示される下地用マスク及びエピタキシャル層表面用マスクの目合わせパターンの平面図
【図3】 図1の工程断面図で示される下地目合わせパターン及びエピタキシャル層表面目合わせパターンの平面図
【図4】 図1の工程断面図で示されるエピタキシャル層表面目合わせパターン及びエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンの平面図
【図5】 本発明の目合わせ位置検査方法の第1実施例を説明するためのエピタキシャル層表面目合わせパターン及びその上に形成されたエピタキシャル層表面レジスト目合わせパターンの平面図
【図6】 本発明の目合わせ位置検査方法の第2実施例を説明するためのエピタキシャル層表面目合わせパターン及びその上に形成されたエピタキシャル層表面レジスト目合わせパターンの平面図
【図7】 従来の目合わせ方法を説明するための半導体装置の側断面図及びマスクパターンの平面図
【図8】 パターンシフト及びパターンディストーション現象を説明するための半導体装置の側断面図
【符号の説明】
1 p型半導体基板
2 下地用マスク本パターン
6 下地本パターン
11 エピタキシャル層表面用マスク本パターン
23 下地用マスク目合わせパターン
23a 矩形パターン
23b 長辺
23c 頂点
23d 山形パターン
23e 短辺
27 下地目合わせパターン
28 エピタキシャル層
29 エピタキシャル層表面本パターン
30 エピタキシャル層表面目合わせパターン
32 エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン
32c 頂点
32d 山形パターン
32e 櫛状パターン
40 エピタキシャル層表面レジスト目合わせパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】所定の結晶面方位を有すると共にこの結晶面方位に対しX方向に一定傾角度の切断面を有する半導体基板上に下地用マスク目合わせパターン及び下地用マスク本パターンを有する下地用マスクで下地目合わせパターン及び下地本パターンを有する下地パターンを形成する工程と、この下地パターンが形成された半導体基板上にエピタキシャル層を成長させると同時に、前記下地パターンが前記X方向に位置ずれして前記エピタキシャル層表面にエピタキシャル層表面目合わせパターン及びエピタキシャル層表面本パターンを有するエピタキシャル層表面パターンとして写しとられる工程と、エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン及びエピタキシャル層表面用マスク本パターンを有すると共に前記エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターン及びエピタキシャル層表面用マスク本パターンの位置関係を前記下地用マスク目合わせパターン及び下地用マスク本パターンの位置関係に対して前記位置ずれ分補正して形成したエピタキシャル層表面用マスクの前記エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンを前記エピタキシャル層表面目合わせパターンに目合わせして前記下地本パターン直上に前記エピタキシャル層表面用マスク本パターンを位置合わせする工程とを具備した半導体装置製造工程における目合わせ方法において、前記下地用マスク目合わせパターン及びエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンが夫々、前記X方向に対し直交するY方向に頂点がある山形パターンを有するとともに、前記下地用マスク目合わせパターンがこのパターンの山形パターンを長辺の中央に挿入したX方向に長手の矩形パターンを、および、前記エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンがこのパターンの山形パターン両側に左右対称に凸部及び凹部の幅寸法が略同一の櫛状パタ−ンを有し、前記エピタキシャル層表面目合わせパターンの山形パターンと前記エピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンの山形パターンとで目合わせするとともに、この目合わせにより前記櫛状パターンと前記矩形パターンの短辺とが交差することを特徴とすることを特徴とする目合わせ方法。
【請求項2】前記下地用マスク目合わせパターン及びエピタキシャル層表面用マスク目合わせパターンの山形パターンと前記エピタキシャル層用マスク目合わせパターンの櫛状パターンとが上下対称に形成されていることを特徴とする請求項1記載の目合わせ方法。
【請求項3】請求項1記載の目合わせ方法で前記エピタキシャル層上に形成されたエピタキシャル層表面レジスト目合わせパターンの櫛状パターンと前記エピタキシャル層表面目合わせパターンの短辺との交差する位置をチェックする目合わせ位置検査方法。
【請求項4】左右対称の前記両櫛状パターンの各凸部及び凹部を目盛りとして、前記矩形パターンの両短辺と交差する両櫛状パターンの目盛り数の差により目合わせ位置ずれを検査する請求項3記載の目合わせ位置検査方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【特許番号】特許第3092495号(P3092495)
【登録日】平成12年7月28日(2000.7.28)
【発行日】平成12年9月25日(2000.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−282808
【出願日】平成7年10月31日(1995.10.31)
【公開番号】特開平9−129711
【公開日】平成9年5月16日(1997.5.16)
【審査請求日】平成9年6月25日(1997.6.25)
【出願人】(000156950)関西日本電気株式会社 (26)
【参考文献】
【文献】特開 昭61−85825(JP,A)
【文献】特開 昭62−298111(JP,A)