説明

目地棒

【課題】一つの目地棒でありながら、あたかも目地部に複数の部材が存在するかのような別体感によって内装や外装の美観をより一層向上させ得る目地棒を提供する。
【解決手段】目地棒1は、装飾タイルの間に目地部を形成させるべく複数枚の装飾タイルの間に介装されて用いられる目地棒1であって、複数本の棒状部材10x、10y、10zが幅方向に並列されて互いに接合されて形成されている。並列されている複数本の棒状部材の内の一棒状部材10yが、その表面の色調、光沢、模様及び凹凸形成状態の少なくとも一つを他の棒状部材10x、10zの表面と異ならせることにより表面にストライプ模様が表出されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の装飾タイルの間に介装されて前記装飾タイルの間に目地部を形成させるべく用いられる目地棒に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建造物の内装や外装に用いられる装飾材として、表面に木目模様などの種々の意匠を付与させた装飾タイルが広く用いられている。
この装飾タイルを用いて、例えば、床面に内装を施す場合には、複数枚の装飾タイルを床面上に緊密に配列させる方法や、装飾タイルの間に目地部を設けて配列する方法が従来採用されている。
【0003】
この装飾タイルの間に目地部を設ける場合には、目地棒などと呼ばれる細幅な部材を装飾タイルの間に介装させて目地部を形成させることが行われている(例えば、下記特許文献1参照)。
近年、建造物には、装飾性の豊かな内装及び外装が求められるようになってきており、この目地棒にも内装や外装の美観の向上に対する寄与が求められるようになってきている。
【0004】
しかし、従来の目地棒は、外見上のバリエーションとして、色調や模様を異ならせた各種の製品が市場に提供されてはいるものの、そのもの自身は表面全体に均一な意匠が施されたもので、単なる一体成形物として視認される程度のものである。
すなわち、従来の目地棒は、単に色調や模様といったものによって意匠が表出されているのみで、内装や外装の美観向上に対する効果にも限度を有するものである。
【0005】
【特許文献1】特開2007−239316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、内装や外装の美観をより一層向上させ得る目地棒の提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、一つの目地棒でありながら、あたかも目地部に複数の部材が存在するかのような別体感を表出させうる目地棒を用いることにより、色調や模様以外の変化を目地部に与えることができ、この別体感によって内装や外装の美観をより一層向上させ得ることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、前記課題を解決するための本発明に係る目地棒は、装飾タイルの間に目地部を形成させるべく複数枚の装飾タイルの間に介装されて用いられる目地棒であって、複数本の棒状部材が幅方向に並列されて互いに接合されて形成されていることを特徴としている。
【0008】
また、前記目地棒は、並列されている複数本の棒状部材の内の一棒状部材が、その表面の色調、光沢、模様、及び凹凸形成状態の内の少なくとも一つを他棒状部材の表面と異ならせることにより表面にストライプ模様が表出されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数本の棒状部材が幅方向に並列された状態で互いに接合されて目地棒が形成されていることから、この棒状部材ごとの別体感を目地棒の表面に表出させることができる。
したがって、内装や外装の美観を従来の目地棒に比べて向上させ得る。
【0010】
また、上記のような好ましい態様によれば、この目地棒を構成する棒状部材の間で、表面の色調、光沢、模様、及び凹凸形成状態の内の少なくとも一つを異ならせることから、より一層別体感を表出させ得るとともに、目地部にその長さ方向に沿って延在するストライプ模様を表出させることができ、従来得ることが困難であった優れた装飾性を内装や外装に付与させることができる。
【0011】
なお、表面にストライプ模様がプリントされた目地棒によって目地部を形成させることも考え得るが、目地棒は、所定の形状に加工された後に意匠を施すと多大な手間を生じさせてしまうことから、通常、その表面の意匠まで施された原反タイルを作製した後に該原反タイルから所定形状に切り出されて製造されている。
したがって、目地棒にストライプ模様を施す場合には、通常、予め原反タイルにストライプ模様を施しておく必要がある。
その場合には、目地棒の切り出し方向にストライプ模様との平行が十分確保されずに目地部に対して傾斜したストライプ模様が形成されたり、予め原反タイルに付与したストライプ模様のピッチと目地棒の切り出し幅との間に誤差が生じることにより模様の位置がずれたストライプ模様を目地部に表出させたりして、内装や外装の美観を低下させるおそれがある。
このような問題を解消するためには、高精度な製造方法が必要となるため、プリントなどによって目地棒にストライプ模様を付与することは困難である。
【0012】
一方で、本発明の目地棒は、棒状部材を並列させることによって別体感を表出させるものであるから、棒状部材の外形が通常レベルの外形加工精度によって形成されていれば、目地部に対して平行に配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の好ましい実施の形態について(添付図面に基づき)説明する。
図1は、本実施形態の目地棒を長手方向端部側から観察した部分斜視図である。
【0014】
本実施形態の目地棒は、その用途にもよるが、通常、幅:数mm〜数cm、長さ:数十cm〜数m、厚み:数mmに形成されており、この図1にも示されているように細幅平板状に形成されている。
本実施形態における目地棒1は、その長さ方向(図中矢印“L”)に沿って延在する3本の棒状部材10x、10y、10zによって形成されており、この3本の棒状部材10x、10y、10zが幅方向(図中矢印“W”)に並列されて互いに接合されて形成されている。
この3本の棒状部材10x、10y、10zは、いずれも断面が矩形の棒状形状を有し、略同一の長さ、幅、厚みを有している。
【0015】
そして、この3本の棒状部材10x、10y、10zは、その裏面側に設けられた接着剤層11によって互いに接合されて一体化されている。
一方で、左側に位置する棒状部材10xの側面と中央に位置する棒状部材10yの側面とが接触する部分、及び、中央に位置する棒状部材10yの側面と右側に位置する棒状部材10zの側面とが接触する部分は、殆ど接着がなされていない。
特に、表面側においては、全く接着されておらず、この目地棒1を、その幅方向中央部を表面側に膨出させるように湾曲させると、これら境界部C1、C2においては、表面側の棒状部材どうしが容易に左右に離間して目地棒1の長さ方向に沿って断面V字状の溝が形成される状態となっている。
【0016】
これら3本の棒状部材10x、10y、10zは、いずれも後述するように、目地棒を製造するために作製された原反タイルから目地棒よりも細幅に切り出されて形成されたものであり、一般的な目地棒と同種の構造を有している。
より詳しくは、本実施形態の目地棒1には、該目地棒1の基体を成す基材層12と、目地棒1の表面に所定の色調や模様等を表出させるべく印刷が施されたタイルにより構成されてなる印刷層13と、該印刷層13の保護を目的とし該印刷層13の上に積層された透明クリア層14との積層構造を有している。
【0017】
そして、本実施形態の目地棒1は、図1の左側に位置する棒状部材10xと、右側に位置する棒状部材10zとにおいて表出する意匠を共通させている一方で、中央に位置する棒状部材10yの印刷層13が、これらとは異なる意匠を有している。
この棒状部材は、目地棒1の長さ方向に沿って延在するように配されていることから、この異なった意匠が目地棒1の長さ方向に沿って形成されることで目地棒1にはストライプ模様が表出されている。
【0018】
この棒状部材間で表出する意匠を相違させる手段としては、表面の色調、光沢、模様、及び凹凸形成状態の内の少なくとも一つを異ならせる方法が挙げられる。
例えば、色調を相違させる手段としては、前記印刷層13の色調に差異を設けたり、前記透明クリア層14に異なる色に着色された着色透明樹脂を用いたりする方法が挙げられる。
目地棒1の表面に前記ストライプ模様を表出させるためには、通常、目地棒1の表面を分光側色計(例えば、コニカミノルタ社製、商品名「CM−3600d」)によって、JIS Z8729に従って測定した際の一棒状部材の表面と他の棒状部材の表面との色差(ΔE)が、10以上、望ましくは50以上、より望ましくは75以上となる程度に色調の差異を設ければよい。
【0019】
また、表面の光沢差は、透明クリア層14の形成に表面光沢の異なる樹脂を用いることで付与することができ、同じ樹脂を用いた場合であっても透明クリア層14の表面を異なる状態に粗化させるなどして付与することができる。
そして、光沢差によってストライプ模様を表出させるには、通常、光沢度計(例えば、村上色彩技術研究所製、商品名「GM−3D型」)にて60度での光沢度差が、8以上、望ましくは70以上、より望ましくは80以上となる程度に表面光沢に差異を設ければよい。
【0020】
さらに、模様については、模様自体を異ならせる方法や、例えば、石目模様や導管模様などの流れ方向を異ならせることによりストライプ模様を目地棒に表出させ得る。
例えば、同じ導管模様であっても、一棒状部材には、繊維方向が長さ方向に沿った状態となるように導管模様を付与し、他棒状部材には繊維方向が幅方向に沿った状態となるように導管模様を付与しておいて、これらを並列させることで、導管模様の流れ方向を異ならせてストライプ模様を表出させることができる。
すなわち、境界部C1、C2において模様を不連続とさせることによってストライプ模様を表出させることができる。
【0021】
また、金属箔フレークやチタンマイカなどのラメ材を透明クリア層の樹脂中に混入させるなどしてラメ模様を付与することもでき、ラメの有無や粗密等によって棒状部材間に表出される意匠に差を設けストライプ模様を表出させることも可能である。
【0022】
また、凹凸形成状態については、エンボス加工を施すなどして透明クリア層14の表面に凹凸を形成させ、しかも、凹凸の形状や、深さや、単位面積あたりの凹凸形成箇所数などを棒状部材間で異ならせることにより目地棒にストライプ模様を表出させ得る。
この場合、例えば、大きな模様エンボスを表面に付与する場合には、エンボス模様が境界部C1、C2において不連続となる結果ストライプ模様が目地棒に表出されることとなる。
また、細かなエンボスを数多く表面に付与する場合には、エンボス(凹凸)の深さや、単位面積あたりの凹凸形成箇所数を異ならせる結果、棒状部材間において光沢差が生じてストライプ模様が目地棒に表出されることとなる。
【0023】
これら、色調、光沢、模様、及び凹凸形成状態の相違については、それぞれ、単独で付与しても良く、組み合わせて付与してもよい。
すなわち、一棒状部材の色調のみならず模様をも他棒状部材と異ならせたりすることも可能である。
【0024】
本実施形態の目地棒1を構成する棒状部材は、上記のように表出する意匠を異ならせているが棒状部材自身は、従来公知の目地棒と同じであり基材層12、印刷層13、透明クリア層14の各構成は、従来公知のものと同種のものを採用することができる。
【0025】
例えば、前記基材層12としては、図1に例示のごとく三層構造のものを採用することができ、接着剤層11に接する第一の層(以下「第一基材層12a」という)から、印刷層13に接する第三の層(以下「第三基材層12c」という)までの各層が同じか又は異なるポリマー組成物によって形成されたものを採用することができる。
例えば、第一基材層12aと第三基材層12cとがこれらの間の第二基材層12bよりも高強度となるように形成されて求められる強度が付与されるとともに第二基材層12bによって柔軟性が付与された状態とすることができる。
これらの各層を形成させるためのポリマー組成物としては、特に限定されるものではなく、例えば、熱可塑性樹脂をベースとした熱可塑性樹脂組成物や、ゴムをベースとしたゴム組成物などが挙げられる。
【0026】
この熱可塑性樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合、低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂などをベースポリマーとしたものなどが挙げられる。
前記ゴム組成物としては、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンをベースポリマーとしたものなどが挙げられる。
【0027】
この熱可塑性樹脂組成物やゴム組成物には、上記ベースポリマーに加えて、通常、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、クレーなどの充填剤、短繊維などの補強剤といった無機配合薬剤、可塑剤、架橋剤、加工助剤、安定剤、耐候剤、プロセスオイルなどの有機配合薬剤を配合することができる。
【0028】
前記印刷層13は、目地棒1の表面に表出させる意匠をプリントしたポリマーフィルムなどによって形成することができ、前記透明クリア層14は、有色または無色の透明性樹脂を用いて形成させることができる。
【0029】
本実施形態の目地棒は、一般的な目地棒を作製する方法に若干の変更を加えることで容易に作製することができる。
例えば、従来、目地棒は、バーチカルカッター、スリッター、ギロチンカッター、定寸カッターなどの切断装置に長尺帯状の原反タイルを所定の送りピッチで供給して、前記切断装置による切断と、原反タイルの供給とを繰り返して、この送りピッチに相当する幅に作製されているが、この送りピッチを1/3にすることで本実施形態の目地棒1を形成するための棒状部材とすることができる。
同じように、異なる意匠を有する棒状部材を作製し、この棒状部材1本を先に作製した棒状部材2本で挟み、裏面側を固着させることにより互いに接合させることができる。
この棒状部材どうしの固着方法としては、塩ビゾルを薄塗りした後に加熱硬化する方法、塩ビフィルムを貼り付けて加熱固着する方法、接着テープを貼り付ける方法、接着剤を塗布後に乾燥させる方法等が好適な方法として挙げられる。
このように棒状部材の裏面側を固着した後に、所定長さに切断して図1に示すような目地棒1を作製することができる。
【0030】
本実施形態においては、棒状部材どうしの境界部を強調することができ、より顕著に別体感を目地部に表出させ得る点において裏面側に接着剤層を設けて棒状部材の表面側の側面どうしを全く接着させない態様としているが、裏面側に接着剤層が設けられることなく棒状部材の側面どうしが接着剤などで接着された目地棒も本発明の意図する範囲である。
なお、本実施形態の目地棒1のように表面側の側面部を接着させないことにより、装飾タイルなどとともに内装に用いられる場合などにおいて本実施形態の目地棒特有の施工状態を容易に形成させうる。
【0031】
このことについて図2、図3を参照しつつ説明する。
この図2、図3は、いずれも平面図であり、図2は、一目地棒1と他目地棒1’とが直交するようにして一目地棒1の側縁部に他目地棒1’の先端部を当接させた配置を内装に施す場合に、それぞれの目地棒において表出される意匠が共通する箇所をあたかも連続させているかのようにして内装面に表出させる場合の目地棒の処置方法について示したものである。
先述のように、本実施形態の目地棒1は、その表面側においては、棒状部材どうしが接合されていないことから、その側縁から境界部C1、C2にまで到達する切込みを、長さ方向に離間した2箇所に設け、この切り込みの間の箇所を外側に倒すようにして裏面側の接合部を容易に分断することができる。
したがって、この目地棒1に当接させる他の目地棒1’の幅と同じ距離を隔てて切り込みを形成させることで他の目地棒1’の先端部を嵌合可能な切欠部Aを簡便な方法によって形成させることができる。
【0032】
そして、図3は、このように切欠部Aが両側縁部に形成された目地棒を用いて目地部を形成させた様子を表す平面図であり、上面視略正方形の装飾タイル2を縦横に配列するとともに、この装飾タイル間に前記目地棒が介装された様子を示すものである。
前記切欠部Aは、目地部が交差する箇所に位置するように配され、この切欠部に他の目地棒の先端部を嵌入させて目地部の交差箇所が形成されている。
本実施形態の目地棒1は、3本の棒状部材が並列状態で接合されて形成されており、中央の棒状部材と両端の棒状部材とが異なる意匠となるように形成されている。
したがって、前記切欠部Aに他の目地棒1’の先端部を嵌入させた場合には、両端部の意匠が連続する状態となるばかりでなく、図3に示すように、あたかも中央の棒状部材が表出する意匠もが連続しているかのような状態となって内装面に表出されることとなる。
【0033】
なお、目地棒が直交する方向に交差する箇所においては、その先端部が略90度となるようにコーナーをカットして、このカットされた先端部どうしを突き合せることで共通する意匠どうしを連続させた状態とすることができる。
このことについて、表出する意匠の異なる2本の棒状部材が並列して接合されてなる目地棒1”を例に、図4を参照しつつ説明する。
この図4も、図2と同様に内装面を表す平面図であり、上面視略正方形の装飾タイル2を縦横に配列するとともに、この装飾タイル間にこのようにコーナーカットされた目地棒を用いて目地部を形成させた様子を表している。
この図4においては、装飾タイル2の周囲が共通する意匠を有する部材によって縁取りされ、しかも、異なる意匠を有する部材で縁取りされた装飾タイルが市松模様のように配されたかのような優れた美観が内装面に表出されている。
このように本実施形態の目地棒によれば、従来に類の無い優れた美観を内装あるいは外装に表出させ得る。
【0034】
なお、上記には、略同幅の3本の棒状部材を並列して接合することにより目地棒を形成させる場合、ならびに、2本の棒状部材を並列して接合することにより目地棒を形成させる場合を例示しているが、4本以上の棒状部材によって目地棒を形成させることも可能であり、しかも、これらにおける一棒状部材と他棒状部材との幅を異ならせることも可能である。
また、本実施形態においては、印刷層や透明クリア層などを有する目地棒を例示しているが、本発明においては、特にこれらを必要とするものではなく、例えば、基材層を有色のポリマー組成物によって形成させたり、あるいは、2色以上のポリマー組成物によってマーブル模様を有する基材層を形成させたりしてこの基材層の意匠を表出させるようにしてもよい。
また、上記基材層として、本実施形態においては、3層構造の基材層を例示しているが、単層構造、2層構造、あるいは4層以上の層構造を有する基材層を有する棒状部材を上記の3層構造のものに代えて採用することも可能である。
さらには、本実施形態においては、一棒状部材と他棒状部材とに表出される意匠を異ならせることにより目地棒の別体感を強調させているが、同じ意匠を有する棒状部材を複数本幅方向に並列されて互いに接合されて形成されている目地棒も本発明の意図する範囲である。
また、従来公知の目地棒にかかる技術事項を、本発明の効果が著しく損なわれない範囲において採用することも可能である。
【実施例】
【0035】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
(実施例1〜9)
印刷層の構成を変更して表出する意匠を異ならせた2又は3本の棒状部材を幅方向に並列させて互いに接合し実施例1〜9の目地棒を作製した。
また、目地棒の表面には、エンボス加工を施し、凹凸形状を形成させた、この凹凸の形状とその深さについては表1に示す通りである。
各実施例の目地棒の各位置に配された棒状部材の表面を、分光測色計(コニカミノルタ社製、商品名「CM−3600d」)を用いて「マンセル値」および「色差(ΔE)」を測定した。結果を、表1に示す。
また、各実施例の目地棒の各位置に配された棒状部材の表面を、光沢度計(村上色彩技術研究所製、商品名「GM−3D型」)を用いて、測定角度60度での光沢度を測定した。結果を、表1に示す。
【0037】
【表1】

【0038】
これら、実施例1〜9の目地棒ならびに、表面に木目調の意匠が付与されている従来の目地棒(比較例1)との外観写真を図5に示す。
【0039】
この図5からも、本発明の目地棒は、従来の目地棒には見られず、且つ単に色分けしたようなものでは表出させることができない優れた美観を有し、内装や外装の美観をより一層向上させ得ることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】一実施形態の目地棒を示す斜視図。
【図2】目地棒の使用方法を示す平面図。
【図3】目地棒の使用方法(施工方法)を示す平面図。
【図4】目地棒の使用方法(施工方法)を示す平面図。
【図5】実施例1乃至9の目地棒の外観写真。
【符号の説明】
【0041】
1:目地棒、2:装飾タイル、10x、10y、10z:棒状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾タイルの間に目地部を形成させるべく複数枚の装飾タイルの間に介装されて用いられる目地棒であって、
複数本の棒状部材が幅方向に並列されて互いに接合されて形成されていることを特徴とする目地棒。
【請求項2】
並列されている複数本の棒状部材の内の一棒状部材が、その表面の色調、光沢、模様、及び凹凸形成状態の内の少なくとも一つを他棒状部材の表面と異ならせることにより表面にストライプ模様が表出されている請求項1記載の目地棒。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate