直接のターゲット登録を用いたターゲット追跡
【課題】放射線処置中に移動する放射線ターゲットを追跡するシステムを提供する。
【解決手段】2D輪郭及び適応窓を使用して映像誘導放射線処置中に放射線ターゲットを直接的に追跡するためのシステム、方法及び装置。
【解決手段】2D輪郭及び適応窓を使用して映像誘導放射線処置中に放射線ターゲットを直接的に追跡するためのシステム、方法及び装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、映像誘導型の放射線処置システムに係り、より詳細には、放射線処置中に移動する放射線ターゲットを追跡することに係る。
【背景技術】
【0002】
腫瘍や病変部のような病理学的解剖学的部位は、手術のような侵襲的手順(invasive procedure)で処置できるが、患者にとって有害で且つ危険がいっぱいある。病理学的解剖学的部位(例えば、腫瘍、病変部、血管奇形部、神経不調部等)を処置する非侵襲的方法は、外部ビーム放射線療法である。あるタイプの外部ビーム放射線療法では、外部放射線源を使用し、腫瘍がX線ビームの回転の中心(アイソセンター(isocenter))に来るように患者を位置付け、複数の角度から腫瘍の位置に一連のX線ビームを向ける。放射線源の角度が変化するにつれて、各ビームは、腫瘍の位置を通過するが、腫瘍への途中では健全な組織の異なる領域を通過する。その結果、腫瘍における累積放射線ドーズ(量)が高くなり、健全な組織への平均放射線ドーズが低くなる。
【0003】
「放射線療法」という語は、壊死の目的ではなく治療の目的でターゲット領域に放射線を当てる手順を指す。放射線療法処置セッションに使用される放射線の量は、典型的に、放射線手術セッションに使用される量に比して、ほぼ1桁少ない。放射線療法は、典型的に、処置当たりのドーズが低く(例えば、100−200センチグレイ(cGy)、処置時間が短く(例えば、処置当たり10ないし30分)、及び超細分化(例えば、処置日数30ないし45日)であることを特徴とする。便宜上、ここで使用する「放射線治療」という語は、特に指示のない限り、放射線手術及び/又は放射線療法を意味する。
【0004】
映像誘導型放射線療法及び放射線手術システムは、ガントリー型のシステム及びロボット型のシステムを備えている。ガントリー型のシステムでは、単一の平面内において回転の中心(アイソセンター)の周りを移動するガントリーに放射線源が取り付けられる。放射線源は、ガントリーにしっかり取り付けられるか又はジンバルメカニズムによって取り付けられる。処置中に放射線ビームが施されるたびに、ビームの軸がアイソセンターを通過する。それ故、処置角度は、放射線源の回転角度と、患者ポジショニングシステムの自由度とによって制限される。カリフォルニアのアキュレイ社によって製造されたCYBERKNIFE(登録商標)定位放射線手術システムのようなロボットベースのシステムでは、放射線源が単一の回転平面に拘束されず、5つ以上の自由度を有している。
【0005】
従来の映像誘導型放射線処置システムでは、処置中の患者の追跡は、患者の二次元(2D)処置中のX線映像を、診断及び処置プランニングに使用される三次元(3D)前処置像形成データから導出された2Dデジタル再構成放射線写真(DRR)と比較することにより達成される。前処置像形成データは、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)データ、磁気共鳴像形成(MRI)データ、陽電子放出断層撮影(PET)データ、又は3D回転血管造影(3DRA)である。典型的に、処置中X線像形成システムは、立体的であり、2つ以上の異なる視点(例えば、直交)から患者の映像を発生する。
【0006】
DRRは、3D像形成データに放射線を投じ(数学的な投射)、処置中のX線像形成システムの幾何学形状をシミュレートすることにより発生された合成X線映像である。それにより得られるDRRは、処置中のX線像形成システムと同じスケール及び視点を有し、処置中のX線像形成システムと比較して患者の位置を決定することができる。DRRを発生するために、3D像形成データがボクセル(ボリュームエレメント)に分割され、各ボクセルには、3D像形成データから導出された減衰(ロス)が指定される。従って、DRR内の各ピクセルの相対的強度は、3D映像を通して投射される各放射線に対するボクセルロスの総和である。DRRが発生される前の3D像形成データに対して3D変換(回転及び並進移動)を行うことにより異なる患者ポーズがシミュレーションされる。
【0007】
ある映像誘導型システムでは、3D変換及びDRR発生が、処置中に、リアルタイムで繰り返し遂行される。カリフォルニア州サニーベールのアキュレイ社によって製造されたCYBERKNIFE(登録商標)定位放射線手術システムのような他のシステムでは、患者のポーズの予想範囲に対応する(各投射における)DRRのセットを、処置開始の前に、予め計算することができる。
【0008】
処置中のX線映像とDRRとを比較するたびに、類似性の尺度、又はそれと同等のことであるが、相違性の尺度(例えば、クロス相関、エントロピー、相互情報、勾配相関、パターン強度、勾配差、映像強度勾配)が発生され、これは、処置中のX線映像に対して高い類似性尺度をもつDRRを発生する3D変換をサーチする(又は上述した予め計算されたDRRを直接サーチする)のに使用できる。類似性の尺度が充分に最大化される(又はそれと同等のことであるが、相違性の尺度が最小化される)ときには、DRRに対応する3D変換を使用して、処置平面の3D座標系を、処置提供システムの3D座標系と位置合わせし、処置平面に対する放射線源及び患者の相対的な位置を一致させることができる。予め計算されたDRRの場合には、最大の類似性尺度を使用して、2つの最も接近したDRR間の差の3D変換を計算することができる。
【0009】
映像誘導型放射線処置システムは、種々様々な病理学的解剖学的部位(病的部位)の処置に対して有効で且つ非侵襲的な解決策を提供する。しかしながら、ある形式の病的部位は、特に困難な処置上の挑戦をもたらす。これらの形式の病的部位は、肺、肝臓及び膵臓のような比較的大きな器官における比較的小さな腫瘍を含み、この場合、腫瘍の密度は、その周囲の健全な組織の密度に非常に近く、且つ腫瘍は、標準的な像形成技術(例えば、X線造影)を使用して見ることが困難である。典型的に、これらの腫瘍は、直径が約15mm以下であるが、それより大きな腫瘍は、腫瘍の形式及び特定の器官に基づき同じ又は同様の問題を生じさせることがある。この挑戦は、処置中に患者が呼吸をすることで腫瘍が動き、又、腫瘍をリアルタイム又はほぼリアルタイムで追跡しなければならないときには、特に困難である。
【0010】
放射線処置中にターゲット領域の動きを取り扱う1つの従来の方法は、ターゲット領域内又はその付近に配置された基準マーカーの映像を追跡することを含む。基準マーカーの位置及び動きは、ターゲット領域の位置及び動きと相関され、ターゲット領域の動きをたどるための処置ビームの位置のリアルタイム相関を実現できるようにする。この解決策は、基準マーカーを配置するために侵襲性の手術手順を要求するという欠点がある。
【0011】
従来の映像誘導型処置システムは、映像情報を最大にする試みにおいて比較的大きな視野でDRR及び処置中のX線映像を使用して病的部位を探索するように試みる。しかしながら、上述した小さく、区別化が不充分で、動きのある病的部位の場合にあっては、従来の解決策では、計算に経費がかかり且つ時間浪費で、処置システムの映像処理機能を低速化し、且つ正確な腫瘍追跡のために出力データレートを低くし過ぎることになり得る。
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明を一例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】本発明の実施形態が具現化される処置プランニング及び処置提供プロセスの概略を示すフローチャートである。
【図1B】一実施形態における放射線ターゲット検出を示すフローチャートである。
【図2】一実施形態における映像誘導型ロボット式放射線手術システムを示す。
【図3A】一実施形態における像形成及び処置提供の座標系を示す。
【図3B】一実施形態におけるX線映像及びDRRの2D−2D登録を示す。
【図3C】一実施形態におけるX線映像及びDRRの2D−2D登録を示す。
【図3D】一実施形態におけるX線映像及びDRRの2D−2D登録を示す。
【図3E】一実施形態におけるX線映像及びDRRの2D−2D登録を示す。
【図4】一実施形態における全体的な患者の位置合わせを示すフローチャートである。
【図5A】一実施形態における脊柱セグメント化及び除去を示す。
【図5B】一実施形態における脊柱セグメント化及び除去を示す。
【図6A】一実施形態における腫瘍の視覚化及びセグメント化を示す。
【図6B】一実施形態における腫瘍の視覚化及びセグメント化を示す。
【図6C】一実施形態における腫瘍の視覚化及びセグメント化を示す。
【図6D】一実施形態におけるセグメント化ツールを示す。
【図7】一実施形態の処置プランニングシステムにおける肺腫瘍のセグメント化を示す。
【図8A】一実施形態における放射線ターゲットを取り巻く当該領域を示す。
【図8B】一実施形態における放射線ターゲットを取り巻く当該領域を示す。
【図9】一実施形態における複数のROIの発生を示す。
【図10A】一実施形態における図8Aの第1の投射で2D輪郭形成された肺腫瘍及び当該領域を示す。
【図10B】図10Aの当該ボリュームの第1の投射における処置中X線映像のサーチ窓を示す。
【図10C】一実施形態におけるサーチ窓内の当該領域の位置の関数としての類似性尺度の値を示す。
【図10D】一実施形態における多レベルマッチングを示す。
【図11A】一実施形態における正しい腫瘍検出に対応するシフト相関窓を示す。
【図11B】一実施形態における正しい腫瘍検出に対応するシフト相関窓を示す。
【図12A】一実施形態における正しいターゲット検出のためのクオリティ尺度を示すグラフである。
【図12B】一実施形態における正しいターゲット検出のためのクオリティ尺度を示すグラフである。
【図13A】一実施形態における誤ったターゲット検出のためのクオリティ尺度を示すグラフである。
【図13B】一実施形態における誤ったターゲット検出のためのクオリティ尺度を示すグラフである。
【図14A】一実施形態における誤ったターゲット検出に対応するシフト相関窓を示す。
【図14B】一実施形態における誤ったターゲット検出に対応するシフト相関窓を示す。
【図15A】一実施形態におけるサーチ窓の縮小を示す。
【図15B】一実施形態におけるサーチ窓の縮小を示す。
【図16】一実施形態におけるターゲット検出方法を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態が具現化されるシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明において、本発明の実施形態を完全に理解するために、特定のコンポーネント、装置、方法、等の多数の特定の細部について述べる。しかしながら、当業者であれば、本発明の実施形態を具現化するのに、これらの特定の細部を使用する必要がないことが明らかであろう。他の例において、本発明の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、良く知られた材料又は方法は、詳細に説明しない。ここで使用する「X線映像」という語は、目に見えるX線映像(例えば、ビデオスクリーンに表示された)、或いはX線映像のデジタル表示(例えば、X線検出器のピクセル出力に対応するファイル)を意味する。ここで使用する「処置中のX線映像」という語は、放射線源がオン又はオフであるときも含めて、放射線手術又は放射線療法手順の処置提供段階中の任意の時点で捕獲された映像を指す。時々、説明の便宜上、CT映像データを、ここでは、3D映像様式の一例として使用する。CTデータ、MRIデータ、PETデータ、3DRAデータ、等の、任意の形式の3D映像様式からのデータも、本発明の種々の実施形態に使用できることが明らかであろう。
【0015】
以下の説明から明らかなように、特に指示のない限り、「セグメント化」、「発生」、「登録」、「決定」、「位置合わせ」、「位置付け(ポジショニング)」、「処理」、「計算」、「選択」、「推定」、「追跡」、等の語は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(例えば、電子的)量として表わされたデータを、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ或いは他のそのような情報記憶、送信又は表示装置内の物理的量として同様に表わされた他のデータへと操作及び変換するコンピュータシステム又は同様の電子的コンピューティング装置のアクション及びプロセスを指すことが明らかであろう。ここに説明する方法の実施形態は、コンピュータソフトウェアを使用して実施することができる。認められた規格に適合するプログラミング言語で書かれた場合には、方法を実施するように設計されたインストラクションのシーケンスは、種々のハードウェアプラットホームにおいて実行し且つ種々のオペレーティングシステムへインターフェイスするようにコンパイルすることができる。更に、本発明の実施形態は、特定のプログラム言語を参照して説明しない。種々のプログラミング言語を使用して、本発明の実施形態を具現化できることが明らかであろう。
【0016】
3つまでの並進移動方向に動きをもつ移動する放射線ターゲットを、その放射線ターゲットの直接的な登録を使用して処置放射線源を放射線ターゲットの動きと同期させることにより、検出し及び追跡するための方法、装置、及びシステムについて説明する。本発明の実施形態は、二次元(2D)輪郭付けとして知られた前処置映像向上技術を使用して、放射線ターゲット(例えば、肺腫瘍)の輪郭の周りの限定された当該領域を画成する。これらの当該領域は、放射線ターゲットを探索するために、処置中のX線映像における限定サイズのサーチ窓に一致する限定サイズのDRRの領域で表わされる。DRRの当該領域及び処置中のX線映像のサーチ窓の限定サイズは、映像登録の計算タスクを減少し、ターゲット検出の速度を高めることができる。又、減少された計算時間は、検出クオリティ尺度を計算するための処理時間を空けることもでき、これは、低コントラストターゲットを検出するためのクオリティ保証ステップを与える。本発明の実施形態は、説明を容易にするために、肺腫瘍のような特定形式の病理学的解剖学的部位に関して説明する。別の実施形態では、ここに述べる技術は、他の器官(例えば、肝臓、膵臓、等)における他のタイプの病理学的解剖学的部位を検出し、追跡するのにも使用できる。
【0017】
図1Aは、以下に詳細に述べる一実施形態における処置プランニング及び処置提供プロセスの概略を示すフローチャートである。図1Aにおいて、処置プランニング100は、CTスキャナ、MRIスキャナ、等の3D像形成システムから3D映像データを取得すること(オペレーション110)で開始する。3D映像データのセグメント化(オペレーション120)が遂行されて、放射線ターゲット、処置中に回避すべき重要な構造部、及び/又は脊柱や頭蓋のような骨構造部の境界を画成及び識別し、これらは、処置中に患者を位置合わせさせるのに使用することができる。
【0018】
次のオペレーション(オペレーション130)は、処置提供中に使用されるDRRの投射に対応する3D映像データの2D投射において、放射線ターゲットの輪郭を発生することである。二次元輪郭付け方法は、この技術で知られており、一般的に、ソーベル(Sobel)オペレータ及びフライ・チェン(Frei-Chen)オペレータのような異なる形式の空間的オペレータを伴うグレーレベルエッジ検出を使用する。次いで、処置プランニング(オペレーション140)が医療物理学者又は他の臨床医によって遂行され、健全な組織及び重要な構造部への放射線ドーズ(量)を指定レベルより低く維持しながら、指定レベルの均質性及び適合性で放射線ターゲットに対する指定放射線ドーズを得る。プランにおいて処置目標が達成されると、処置中の患者の予想位置に対応するDRRのセットが発生され、そして処置プラン及びDRRが格納される(オペレーション150)。他の実施形態では、DRRは、放射線処置中にリアルタイムで発生される。一実施形態では、脊柱及び/又は他の骨構造部が放射線ターゲットの妨げとなるか又はそれを不明瞭にする場合には、放射線ターゲットの可視性/コントラストを高めるためにそのような構造部を除去した3D映像データからDRRのセットを発生することができる。これら構造部の除去は、良く知られるように、3D映像データにおいてボクセルマスクを操作することにより遂行できる。一実施形態では、脊柱及び任意であるがその周囲の組織のみを保持し且つ動きの影響(例えば、呼吸の影響)を除去した3D映像データからDEEのセットを発生することができ、これは、以下に述べるように、患者の位置合わせを向上させるのに使用できる。
【0019】
処置提供プロセス200は、処置システムにおける全体的な患者位置合わせ(事前位置合わせ)で開始し(オペレーション210)、それに続いて、ターゲット検出(オペレーション220)、ターゲットの動きと外部マーカーとの相関(オペレーション240)、及び処置プランに従い放射線処置が施される。これらのステップは、図1Bにおいて拡張され、以下に説明する。
【0020】
全体的な患者位置合わせ(オペレーション210)は、3つの並進移動及び3つの回転を含む6つの次元において、大きな当該ボリュームのDRR及びX線映像を使用して遂行され、これは、識別可能な目印、例えば、基準マーカー及び/又は骨構造部(例えば、脊柱、頭蓋)、及び/又は全体的な位置合わせに使用できるパターン強度変化を含むことができる。或いは又、位置合わせは、セグメント化された脊柱又は他のデータを含む上述したような向上型DRRを使用して遂行されてもよい。異なる実施形態では、全体的な位置付けは、処置中像形成システムの幾何学形状に基づいて、1つの投射、2つの投射、又は3つ以上の投射においてDRR及びX線映像をマッチングさせることで遂行されてもよい。
【0021】
初期の全体的位置付けが達成されると、放射線ターゲットの検出(オペレーション220)を遂行することができる。一実施形態では、図1Bに示すように、ターゲットの検出は、次のステップを含み、これについて以下に詳細に説明する。
【0022】
1.複数の投射において放射線ターゲットの2D輪郭の周りに複数の当該領域(ROI)を画成する(オペレーション221)。
2.放射線ターゲットを含む当該ボリュームのライブ(例えば、処置中X線)映像を捕獲する(オペレーション222)。
3.投射を選択する(オペレーション223)。
4.選択された投射においてROIを選択する(オペレーション224)。
5.ターゲットの登録を行って、放射線ターゲットを探索する(オペレーション225)。
6.選択されたROIからオフセットした多数のシフト相関窓を画成する(オペレーション226)。
7.各シフト相関窓に対してターゲット登録を繰り返し、相関させる(オペレーション227)。
8.シフト相関結果からクオリティ尺度を計算する(オペレーション228)。
9.選択された投射における全てのROIがテストされるまでオペレーション224−228を繰り返す(オペレーション229)。
10.全ての投射における全てのROIがテストされるまでオペレーション223−229を繰り返す(オペレーション230)。
11.最良のクオリティ尺度をもつROIを選択する(オペレーション231)。
12.クオリティ尺度が処置を提供するに足るほど良好であるかどうか決定し(オペレーション232)、そしてクオリティ尺度が充分良好である場合には、
13.処置を施すために選択されたROIのターゲット位置を出力する(オペレーション233)。しかし、クオリティ尺度が充分良好でない場合には、ターゲット追跡が失敗したことを決定する(オペレーション234)。
【0023】
ターゲット検出が首尾良く行われた場合には、処置提供プロセスは、オペレーション240において、ターゲットの位置を患者の外部マーカー(これは、独立した光学的追跡システム(例えば、レーザー追跡システム)により視覚的に追跡される)と相関させ、そしてライブ映像の別のセットのキャプチャーを開始することにより、続けられる。オペレーション220及び240を繰り返して、外部マーカーの移動と放射線ターゲットの検出位置との間に相関モデルが発生されるまで放射線ターゲットを追跡してもよい。又、オペレーション220及び240を繰り返して、相関モデルを更新することもできる。
【0024】
図2は、本発明の実施形態を具現化するのに使用できるカリフォルニア州サニーベールのアキュレイ社によって製造されたCYBERKNIFE(登録商標)定位放射線手術システムのような映像誘導ロボット型の放射線処置システム200の構成を示す。図2において、処置放射線源は、ロボットアーム202の端に装着されたリニアアクセラレータ(LINAC)201であり、ロボットアーム202は、患者の周りの操作ボリュームにおいて多数の平面内で多数の角度から施されるビームで病理学的解剖学的部位(ターゲット領域又はボリューム)を照射するようにLINAC201を位置付けるために、複数(例えば、5以上)の自由度を有している。処置は、単一のアイソセンター、複数のアイソセンター、又は非アイソセンターアプローチをもつビーム経路を含む。
【0025】
図2の処置提供システムは、X線源203A及び203Bと、X線検出器(像形成装置)204A及び204Bとを含む処置中像形成システムを備えている。2つのX線源203A及び203Bは、手術室の天井の固定位置に装着され、2つの異なる角度位置(例えば、90度分離された)からの像形成X線をマシンアイソセンター205(処置中に処置寝床206に患者を位置付けるための基準点をなす)で交差するように投射すると共に、患者を通過した後に各検出器204A及び204Bの像形成平面を照射するように位置合わせされる。他の実施形態では、システム200は、2つより多くの又は2つより少ないX線源及び2つより多くの又は2つより少ない検出器を含んでもよく、又、いずれの検出器も、床レベルより下に固定及び/又は装着されるのではなく、可動であってもよい。更に別の実施形態では、X線源及び検出器の位置を交換してもよい。
【0026】
処置プランニング
上述したように、3D映像データを取得した後の、処置プランニング100の第1ステップは、セグメント化(オペレーション120)である。医療映像のセグメント化は、3D医療映像(例えば、CT、MRI、PET又は3DRA映像)を、1つ以上の特性又は特徴(例えば、組織の形式、密度)に対して均質な領域へ仕切るプロセスである。放射線処置システム(フレームベース型及び映像誘導型の両方を含む)では、セグメント化は、ターゲットとする病理学的解剖学的部位(例えば、腫瘍又は病変部)及び重要な解剖学的構造部(例えば、脊髄)の境界及びボリュームを画成して処置プランへとマップする処置プランニングのステップである。セグメント化の精度は、健全な組織を不必要な放射線から回避させながら病理学的解剖学的部位を処置する間に放射線ドーズに高度の適合性及び均質性を得るために重要である。
【0027】
上述したように、セグメント化は、映像登録の改善のために望ましからぬ特徴又は欠陥を除去するように3D映像データを操作するのに使用できる。図5A及び5Bは、その一実施例を示す。図5Aは、非変更の3D映像ファイルから発生された1つの投射におけるDRRを示す。対照的に、図5Bは、脊柱をセグメント化しそして非脊柱特徴を排除した後の同じ3D映像ファイルから発生されたDRRを示す。ある実施形態では、この形式のDRRは、(例えば、基準マーカーが使用されなかったときに)処置システム内の患者の初期の全体的位置合わせを向上させるのに使用できる。
【0028】
図6A及び6Bは、セグメント化の異なる使用を示す。図6Aは、非変更の3DスキャンデータからのDRRを示し、脊柱607の特徴が肺腫瘍608の境界に重畳して、腫瘍輪郭の画成を困難にしている。図6Bでは、脊柱がセグメント化されて、3Dスキャンデータから削除され、腫瘍が良く見えるようになったDRRを発生する。図6Cは、以下に述べるように、2D輪郭発生に対して腫瘍をどのようにセグメント化できるかを示す。
【0029】
上述したプロセスは、カリフォルニア州サニーベールのアキュレイ社から入手できるMultiPlanTM処置プランニングシステムに設けられたツールのようなセグメント化ツールによって自動化することができる。このセグメント化ツールは、患者の医療映像(例えば、CT、又は他の映像ボリューム、例えば、MRI、PET等)を操作するのに使用できる。或いは又、他のツールを使用してもよい。
【0030】
図6Dは、セグメント化ツールにより、ユーザが、医療映像の3つの切断面、即ち軸面601、頭蓋面602及び冠状面603から同時に当該ボリュームにおいて脊柱をどのように描写できるか示すスクリーンショット600である。
【0031】
軸面601では、二次元輪郭が表示される。この輪郭は、ユーザにより画成されるときには実線輪郭であり、又はコンピュータにより隣接輪郭から補間された破線輪郭である。ユーザは、サイズ変更、スケーリング又は移動により輪郭を変更することができる。
【0032】
頭蓋面602及び冠状面603には、当該脊柱ボリュームの投射シルエット輪郭605が表示される。全てのユーザ画成輪郭(例えば、輪郭604)の中心は、脊柱606の中心軸として接続される。ユーザは、輪郭の中心を移動又はドラグ(drug)することにより輪郭を移動、追加又は除去することができる。輪郭の中心が頭蓋面又は冠状面上を移動されるときには、軸方向映像スライス上に画成される実際の輪郭もそれに応じて移動される。ユーザが、隣接軸方向輪郭の2つの中心点間の任意の点を選択するときには、その位置に新たな輪郭が追加され、輪郭は、2つの隣接する軸方向輪郭の補間に自動的にセットされる。ユーザが、2つの隣接する輪郭の領域の外側又は映像境界の外側の輪郭の中心点をドラグしそしてドロップすると、当該ボリュームから輪郭が除去される。脊柱が幾何学的フォーマットで描写されて記憶されると、脊柱に関連したボクセルのみを含む三次元映像ボリュームとしてボリュームフォーマットへ変換される。
【0033】
ある実施形態における処置プランニングの次のステップは、ターゲットセグメント化に基づいて放射線ターゲットの2D輪郭を発生することである(オペレーション130)。図7は、前記軸面、頭蓋面及び冠状面において肺腫瘍701を示すCT映像のスクリーンショット700である(肺腫瘍の場合のように、腫瘍のX線密度がその周囲組織のそれに非常に近いときには、MRI又は別の非X線映像様式をCTデータに関連して使用して、腫瘍を見ることができる)。前記脊柱セグメント化について述べた同じ輪郭付けツールを使用して、3D映像における腫瘍をセグメント化すると共に、自動2D輪郭発生プロセスへデータ入力を与えることができ、このプロセスは、処置提供中に2D腫瘍輪郭を生成してDRRにオーバーレイするように使用することができる。2D輪郭を自動的に発生する(例えば、自動エッジ検出)方法は、この技術分野で知られており、例えば、Delp & Chu, Edge Detection Using Contour Tracing, 47 (Center for Robotics and Integrated Manufacturing)(1983)に説明されている。
【0034】
処置プランニングプロセスは、実際の処置プランの開発、即ちDRRを発生し、そして処置提供においてその後に使用するためのプラン、DRR及び2Dターゲット輪郭を(例えば、デジタルで)セーブすることで終了となる(オペレーション140及び150)。オペレーション140及び150の詳細は、この技術分野で知られており、従って、ここでは、詳細に説明しない。
【0035】
処置提供
全体的位置合わせ
上述したように、処置提供の第1ステップは、処置提供システム内での全体的な患者の位置合わせである(オペレーション210)。全体的位置合わせ(事前位置合わせ)及びそれに続くターゲット検出の説明を理解する助けとして、図3Aは、処置提供システム(例えば、処置提供システム200)の3D座標系、処置中像形成システム(例えば、処置提供システム200の処置中像形成システム)の2D座標系、及び3D映像(例えば、CT、MRI、PET等)の3D座標系の関係を示す。図3Aにおいて、座標系xyz(xは、図3Aの紙面に直角で、それを指している)は、前処理映像の3D座標に関連付けられ、座標系x’y’z’(x’は、図3Aの紙面に直角で、それを指している)は、処置提供システムに関連付けられ、そして投射A及びBは、処置中像形成システムに関連付けられ、ここで、SA及びSBは、X線源(例えば、X線源103A及び103B)を表し、OA及びOBは、X線検出器(例えば、X線検出器104A及び104B)の像形成平面の中心である。図2において、投射A及びBは、各々、方向OASA及びOBSBから見たものである。全体的患者位置付けと、ここに述べる放射線ターゲット追跡の実施形態の両方に対して、これら2つの2D映像投射をDRRに対して比較して、映像登録及び位置合わせを達成する。
【0036】
3D変換は、3つの並進移動(Δx、Δy、Δz)及び3つの回転(Δθx、Δθy、Δθz)に関して、座標系xyzから図3Aの座標系x’y’z’へと定義することができる。2つの3D座標系間の3D剛体変換は、基本的三角法から次のように導出することができる。
【数1】
【0037】
投射Aに対する2D座標系(xAyA)においては、3D剛体変換は、平面内(in-plane)変換(ΔxA、ΔyA、ΔθA)及び2つの平面外(out-of-plane)回転(ΔθxA、Δθy')へと分解することができる。同様に、投射Bに対する2D座標系(xByB)においては、分解は、平面内変換(ΔxB、ΔyB、ΔθB)及び2つの平面外回転(ΔθxB、Δθz')より成る。図3Bないし3Eは、ここに述べる平面内変換及び平面外回転を示し、ここで、2D X線映像は、平面301により表わされ、そして2D DRRは、平面302により表わされる。式(1)の3D剛体変換は、2つの投射を使用すると、6パラメータの3D剛体変換に対する解が過剰制約を受けることに注意することで、簡単化することができる。投射Aにおける並進移動xAは、投射BにおけるxBと同じパラメータであり、そして投射Aにおける平面外回転θxAは、投射BにおけるθxBと同じである。αA及びαBが、各々、投射A及びBに対する幾何学的増幅係数(例えば、線源から患者及び患者から検出器の距離に関連した倍率)である場合には、座標系(x’y’z’)と2D座標系との間の並進移動は、次の関係を有する。
【数2】
【0038】
投射Aについて、2つの平面外回転(ΔθxA、Δθy')の異なる組合せに対応するDRR映像のセットが与えられると、2D平面内変換(ΔxA、ΔyA、ΔθA)は、2Dと2Dの映像比較により推定することができ、又、2つの平面外回転(ΔθxA、Δθy')は、類似性尺度を使用して、X線映像を、以下に述べるようにDRR映像のセットとマッチングさせることにより計算することができる。同様に、同じプロセスを使用して、投射Bについて、2D平面内変換(ΔxB、ΔyB、ΔθB)及び平面外回転(ΔθxB、Δθz')を解くことができる。以下に述べるように、平面内変換及び平面外回転は、投射A及び投射Bの両方について独立して、X線映像とDRR映像のセットとの間の登録により得ることができる。マッチングする平面外回転を伴うDRR映像が識別されるときは、平面内回転及び平面外回転は、次の関係を有する。
【数3】
【0039】
平面外回転θy'が投射Aに対する基準DRR映像のセットにおいて無視される場合に、平面内変換は、Δθy'が小さい(例えば、5°未満)ときは、Δ(xA、ΔyA、ΔθA)によりおおよそ表すことができる。この簡単化の仮定がなされ、そして種々の平面外回転ΔθxAに対応する基準DRR映像のセットが与えられると、平面内変換(ΔxA、ΔyA、ΔθA)及び平面外回転ΔθxAは、この技術分野で知られた1つ以上のサーチ方法により見出すことができる。これらの方法は、一般に、類似性尺度の計算を使用し、その後、勾配サーチアルゴリズムを適用して、処置中のX線映像と、選択されたDRRとの間の類似性を最大にする。類似性尺度は、例えば、正規化された断面、差の映像のエントロピー、相互情報、勾配相関、パターン強度、及び勾配差を含む(がこれに限定されない)。それに対応する簡単化を投射Bに対して行うことができる。
【0040】
投射Aにおける結果(ΔxA、ΔyA、ΔθA、ΔθxA)及び投射Bにおける(ΔxB、ΔyB、ΔθB、ΔθxB)が与えられると、次の式を使用して、3D映像座標系における3D剛体変換の近似を得ることができる。
【数4】
【0041】
従って、処置提供システム内の患者の3D座標系を3D処置プランの座標系と位置合わせするのに必要な3D変換は、4つのパラメータの2セット(ΔxA、ΔyA、ΔθA、ΔθxA)及び(ΔxB、ΔyB、ΔθB、ΔθxB)によって完全に定義することができる。
【0042】
全体的位置合わせのプロセス(オペレーション210)が図4に概略的に示されている。このプロセスは、処置中のX線映像の取得(オペレーション401)で開始する。オペレーション402では、X線映像が、上述したように、3Dスキャンデータから生成され且つ処置プランニングシステムからインポートされたDRRセットと比較され、登録される。登録の結果は、2セットの2D変換パラメータであり、これらパラメータは、オペレーション404において患者を位置合わせ状態にもっていくために必要な3D変換をオペレーション403において計算するのに使用される。
【0043】
全体的位置合わせプロセスの1つの結果は、その後のターゲット検出のオペレーション(オペレーション220)中に、サーチが各投射において2つの平面内並進移動(x、y)に制限されることである。というのは、6Dの全体的位置合わせプロセスが平面内及び平面外回転エラーを排除するからである。上述した幾何学的変換は、像形成投射のどの対についても変換を計算することにより2つより多い(例えば、3つ以上の)像形成投射を有する像形成システムに適用できることが明らかである。
【0044】
ターゲット検出
再び図1Bを参照すれば、ターゲット検出(オペレーション220)は、オペレーション221で開始し、これは、処置中像形成システムに対応する複数の投射において、処置プランニング中に生成される放射線ターゲットの2D輪郭の周りに、複数の当該領域(ROI)を画成するというものである。このプロセスは、肺腫瘍のケースを例示するために図8A、8B及び9に示されている。図8A及び8Bは、上述した全体的な患者位置合わせの後に直接的なターゲット登録のために選択された2つの投射(例えば、投射A及びB)においてDRR800A及び800Bを各々示している。図示された実施例では、DRRは、腫瘍のコントラストを高めるために脊柱を除去した状態で3D映像データから合成されている。図8Aにおいて、2D腫瘍輪郭801AがDRR800A上にオーバーレイされ、そして投射Aにおける初期ROI802Aが腫瘍輪郭801Aの周りに発生されている。同様に、図8Bでは、2D腫瘍輪郭がDRR800B上にオーバーレイされ、そして投射Bにおける初期ROI802Bが腫瘍輪郭801Bの周りに発生されている。これらの初期ROIは、各DRRの水平及び垂直次元における腫瘍輪郭の寸法に厳密に適合するように選択されて、ROIが、腫瘍輪郭と、腫瘍輪郭の外側の若干の組織とを含むようにすることができる。
【0045】
初期ROIが画成された後に、良好に腫瘍を検出する機会を与えるために、初期ROIより広いエリア及び初期ROIより狭いエリアを含む付加的なROIが画成される。例えば、腫瘍の境界が不完全に画成され、及び/又は通常の3D像形成技術のいずれかを使用して像形成することが困難な場合には、処置プランニング段階で発生される腫瘍の2D輪郭は、それに含まれるものが、全腫瘍より広くても狭くてもよい。その結果、異なるサイズのROIが、より良好な腫瘍検出及び/又は処置を発生し得る。これらの異なるサイズのROIが図9に示されており、輪郭ベースのROI802に加えて、それより大きなROI803及びそれより小さなROI804が画成されている。他の実施形態では、臨床医の裁量で3つより多い又は少ないROIを使用してもよい。一実施形態では、ROI間のステップサイズは、腫瘍のサイズに基づいて約1mmから約5mmまで変化し得る。しかしながら、臨床医の裁量でいかなるステップサイズが選択されてもよい。
【0046】
ターゲット検出の次のステップ、即ちオペレーション222では、処置中像形成システムの複数の投射において患者のライブ映像がキャプチャーされる。オペレーション223では、投射の1つが選択される。オペレーション224では、ROIの1つがターゲット検出のために選択される。オペレーション225では、選択されたROI(ターゲットのDRR映像を含む)を、それに対応する処置中のX線映像(上述した全体的な事前位置合わせの患者を表す)上にオーバーレイし、そして処置中のX線映像のサーチ窓内でサーチを遂行することによりターゲット位置を検出するためにターゲット登録が遂行される。一実施形態では、サーチアルゴリズムは、全体的な位置合わせに使用されるもの(例えば、類似性の尺度の計算及び類似性を最大にするための勾配サーチ)と同じでよいが、サーチ窓のエリアに制約がある。他の実施形態では、サーチは、最大の類似性尺度のためのサーチ窓内の決定論的なサーチ(例えば、ラスタサーチ)でよい。更に、サーチは、以下に述べるように、多レベルマッチングを使用して、登録プロセスをスピードアップしてもよい。図10Aないし10Cは、このプロセスを示す。
【0047】
図10Aは、2D輪郭801A及び当該領域802Aを示す図8Aのセグメント化されたDRR800Aの複写である。図10Bは、サーチ窓803Aを有する投射Aにおける対応する処置中のX線映像810を示す。一実施形態では、サーチ窓803Aの面積は、当該領域802Aの面積の2ないし4倍の範囲となるように選択される。他の実施形態では、サーチ窓の面積は、それより大きくても小さくてもよく、経験及び/又は臨床データに基づいて臨床医により決定される。
【0048】
ターゲット検出は、処置中のX線映像810Aのサーチ窓803Aに当該領域802Aをオーバーレイし、サーチ窓803A内で当該領域802Aを移動し(図10Bにおいてサーチ窓803A内の当該領域802Aの多数の例示的位置で示したように)、そして当該領域802Aと、その当該領域802Aが重畳するサーチ窓803Aの部分との間の類似性尺度を最大にする位置をサーチすることによって遂行できる。図10Cに示すように、サーチ窓内での当該領域の移動は、当該領域802Aが処置中のX線映像の腫瘍と適切に位置合わせされたときに最大値805Aを有する類似性尺度面804Aを表す。サーチが類似性面804Aの局部最大値にくっついてサーチ窓の全体的最大値を見出さない確率を減少するために、多レベルサーチを使用することができる。図10Dに示すように、例示的多レベルサーチは、低解像度サーチレベル809で始まり、より高い解像度レベル808、807及び806へと進む。最低の解像度レベル809では、選択されたROI及びサーチ窓の大きさがサブサンプリングによりある倍率で減少される。最低解像度において類似性尺度が最大になると、その結果が、次に高い解像度レベルへ渡され、そこで、類似性尺度が再び最大になり、等々となって、やがて、類似性尺度が最大解像度レベルにおいて最大にされる。図10Dは、4つの解像度レベルを有し、各次々のレベルで解像度が2倍になる一実施形態を示す。他の実施形態は、4つより多い又は少ないレベルを使用し、各レベルに異なる解像度係数を使用する。
【0049】
類似性尺度が最大になると、クオリティ尺度を決定することができる。オペレーション226では、オペレーション225における先行するサーチアルゴリズムにより決定されたターゲットの公称位置の周りにシフト相関窓の第1セットが画成される。各シフト相関窓は、交渉ターゲット位置から異なる量でオフセットされ、各シフト相関窓は、ターゲット及びその周囲の組織の異なる部分を含むことになる。オペレーション227では、各シフト相関窓は、処置中のX線映像において登録され(オペレーション225と同様に)、それに対応する処置中のX線映像においてシフト相関窓の第2のマッチングセットを見出す。図11Aは、DRR800A内に画成されたシフト相関窓815Aの第1グループを示す。シフト相関窓815Aの同じグループが、図11Bにおいて処置中のX線映像810Aにオーバーレイされる。
【0050】
オペレーション225における初期ターゲット検出が正しかった場合には、処置中のX線映像におけるマッチングシフト相関窓のセットが、ほとんど又は全く動かないシフト相関窓の第1セットの位置に一致(マッチ)する。即ち、各マッチングシフト相関窓の最終的位置は、最良のマッチングが得られたときに、シフト相関窓の第1セットの初期位置に接近することになる。逆に、初期ターゲット検出が誤っていた場合には、マッチングシフト相関窓の最終位置は、最良のマッチングが得られたときに、シフト相関窓の第1セットの初期位置とはかなり異なるものになり得る。
【0051】
初期位置と最終位置との間の差は、シフト相関窓の第1セットと、シフト相関窓のマッチングセットとの間の処置中のX線映像のx及びy座標の変位として特徴付けることができる。オペレーション228では、クオリティ尺度は、例えば、25個の異なるシフト相関窓の例について、図12A及び12Bに示すように、x及びy方向における平均変位として計算することができる。図12A及び12Bでは、シフト相関窓の変位は、平均値がほぼゼロに等しい範囲内に入る。実際には、使用すべきシフト相関窓の数及び各窓の変位の選択は、臨床医の経験及び/又は臨床データに基づく。他の実施形態では、異なるクオリティ尺度が使用されてもよい(例えば、絶対又は二乗距離の和)。
【0052】
偽の又は不適切な腫瘍検出が図13A及び13Bのグラフにより示されており、ここでは、シフト相関窓のx及びy変位は、著しく可変で且つ不規則である。この結果は、図14A及び14Bに示されており、ここでは、シフト相関窓816A、817A及び818Aの最終位置は、DRR800A及び処置中のX線映像810Aにおける最終位置とは著しく異なる。
【0053】
選択された投射における選択されたROIのクオリティ尺度が決定された後に、プロセスは、オペレーション229において、選択された投射における全てのROIがテストされたかどうか尋ね、もしそうでなければ、オペレーション224−228が繰り返される。選択された投射における全てのROIがテストされた場合には、プロセスは、オペレーション230において、全ての投射がテストされたかどうか尋ねる。もしそうでなければ、全ての投射がテストされるまでオペレーション223ないし229が繰り返される。
【0054】
一般に、処置中のX線映像のクオリティは、当該ボリュームの各投射において同じでないことがある。というのは、X線は、異なる解剖学的構造をもつ異なる経路を経て進行するからである。その結果、上述したクオリティ尺度により決定される、各投射における腫瘍検出のクオリティは、1つの投射においてより高いものとなる。従って、オペレーション227及び228は、付加的なステップを含んでもよい。一実施形態では、1つの投射における高クオリティのターゲット検出を使用して、他の投射におけるサーチ窓に制約を課すことによって別の投射におけるターゲット検出を改善することができる。図15Aは、当該ボリュームの第1投射における処置中のX線映像850Aを示し、ここでは、腫瘍851Aが、上述したシフト相関クオリティ尺度により決定される正しい腫瘍検出でサーチ窓852A内に探索されている。その結果、腫瘍851Aのx及びy座標が良好に定義される。図15Bは、第2の投射における当該ボリュームの処置中のX線を示し、ここでは、初期のサーチが腫瘍851Bを誤って検出し(第2の投射における腫瘍851Aの投射)、低いクオリティ尺度を生じていると仮定する。映像850A及び850Bが同じx軸を共有するので(図3A及び前記説明を参照)、腫瘍851Bのx座標は、腫瘍851Aのx座標によって定義され、そして制約の課せられたサーチ窓852Bが映像850Bに画成され、これは、サーチをx軸に制限すると共に映像850Bのy軸でのサーチを最適化できるようにする。
【0055】
ある実施形態では、異なる投射におけるオペレーションを並列に遂行することができる。図16は、ターゲット検出方法500の一実施形態を示すフローチャートである。オペレーション501では、患者の全体的な事前位置合わせ(即ち、オペレーション210)に対応する投射においてDRRに1つ以上のROIが発生され、ここでは、放射線ターゲットの2D輪郭に対して各ROIが画成される。オペレーション502では、DRRにおけるROIが、処置提供システムの各投射においてそれに対応する処置中のX線映像とマッチングされる。オペレーション502は、オペレーション503及び504を含む。
【0056】
オペレーション503では、サーチアルゴリズムに基づいて各投射における処置中のX線映像のサーチ窓内でROIを移動して、類似性尺度を最大にする。オペレーション504では、各投射におけるターゲット検出のためのクオリティ尺度を決定する。オペレーション504は、オペレーション505ないし509を含む。オペレーション505は、選択されたDRRに、シフト相関窓の第1セットを発生する。オペレーション506では、シフト相関窓の第1セットが、それに対応する処置中のX線映像において登録されて、シフト相関窓の第1セットにマッチングするシフト相関窓の第2セットをそれに対応する処置中のX線映像において見出し、シフト相関窓の第1及び第2セットがシフト相関窓のマッチング対を形成するようにする。オペレーション507は、シフト相関窓の第1セット及びシフト相関窓の第2セットからシフト相関窓のマッチング対間の変位を決定する。オペレーション508は、VOIの各投射において腫瘍検出のためのクオリティ尺度を指定する。
【0057】
この方法は、オペレーション509に続き、これは、最も高いクオリティ尺度を有する第1投射におけるROIを選択し、第2投射におけるサーチ窓を制限する。次いで、オペレーション510は、第2投射における制限されたサーチ窓内でサーチを行い、第2投射における腫瘍検出のクオリティを最大にする。オペレーション511では、各投射における次のROIが選択され、そしてオペレーション501において方法が繰り返される。
【0058】
一実施形態における方法は、骨構造体をセグメント化して当該ボリューム(VOI)の3D像形成データから除去して、3D像形成データから発生されるDRRにおいて放射線ターゲットが見えるようにし、DRRを処置中のX線映像とマッチングさせ、放射線ターゲットの2D輪郭を含むDRR内の当該領域を選択し、そしてマッチング処置中のX線映像のサーチ窓内でサーチを行って、ROIをそのマッチング処置中のX線映像内の対応するROIとマッチングさせることを含む。
【0059】
図17は、本発明の実施形態が具現化される放射線処置を遂行するのに使用できるシステム1300の一実施形態を示す。図17に示されて以下に説明されるように、システム1300は、診断像形成システム1000と、処置プランニングシステム2000と、処置提供システム3000とを備えている。
【0060】
診断像形成システム1000は、その後の医療診断、処置プランニング及び/又は処置提供に使用できる患者の医療診断映像を発生することのできる任意のシステムである。例えば、診断像形成システム1000は、コンピュータ断層撮影(CT)システム、磁気共鳴像形成(MRI)システム、ポジトロン放出断層撮影(PET)システム、超音波システム等でよい。説明を容易にするために、診断像形成システム1000は、時々、CT像形成様式に関連して論じる。しかしながら、上述したような他の像形成様式も使用できる。
【0061】
診断像形成システム1000は、映像ビーム(例えば、X線、超音波、高周波等)を発生するための映像線源1010と、この映像線源1010により発生されるビーム又は(例えば、MRI又はPETスキャンにおいて)映像線源からのビームにより刺激される二次ビーム又は二次放出を検出し及び受信するための映像検出器1020とを備えている。一実施形態では、診断像形成システム1000は、2つ以上の診断X線源と、2つ以上の対応する映像検出器とを備えている。例えば、2つのX線源が、像形成されるべき患者の周りに配置され、互いに角度的に分離して固定され(例えば、90度、45度等)、そして患者を通して、X線源とは直径方向反対側にある映像検出器(1つ又は複数)に向けられる。又、各映像X線源によって照射される単一の大きな映像検出器又は複数の映像検出器が使用されてもよい。或いは又、他の個数及び他の構成の映像線源及び映像検出が使用されてもよい。
【0062】
映像線源1010及び映像検出器1020は、像形成オペレーションを制御し及び映像データを処理するためにデジタル処理システム1030に結合される。診断像形成システム1000は、デジタル処理システム1030、映像線源1010及び映像検出器1020の間にデータ及びコマンドを転送するためにバス又は他の手段1035を備えている。デジタル処理システム1030は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、特殊目的のプロセッサ、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の形式の装置、例えば、コントローラ又は現場でプログラム可能なゲートアレー(FPGA)を含んでもよい。又、デジタル処理システム1030は、メモリ、記憶装置、ネットワークアダプタ等の他のコンポーネント(図示せず)を含んでもよい。デジタル処理システム1030は、例えば、DICOM(医学におけるデジタル像形成及び通信)フォーマットのような標準フォーマットでデジタル診断映像を発生するように構成されてもよい。他の実施形態では、デジタル処理システム1030は、他の標準的又は非標準的デジタル映像フォーマットを発生してもよい。デジタル処理システム1030は、データリンク1500を経て処置プランニングシステム2000へ診断映像ファイル(例えば、前記DICOMフォーマットのファイル)を送信し、データリンクは、例えば、直接的リンク、ローカルエリアネットワーク(LAN)リンク、又はインターネットのようなワイドエリアネットワークリンク(WAN)でよい。更に、システム間に転送される情報は、例えば、遠隔診断又は処置プランニング構成では、システムを接続する通信媒体にわたりプル又はプッシュされてもよい。遠隔診断又は処置プランニングでは、ユーザは、本発明の実施形態を利用して、システムユーザと患者との間に物理的な分離が存在しても、診断又は処置プランニングを行うことができる。
【0063】
処置プランニングシステム2000は、映像データを受け取って処理するための処理装置2010を備えている。処理装置2010は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、特殊目的プロセッサ、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の形式の装置、例えば、コントローラ又は現場でプログラム可能なゲートアレー(FPGA)を表す。処理装置2010は、ここに述べる脊柱セグメント化ツールのように、ここに述べる処置プランニング及び/又は映像処理オペレーションを遂行するインストラクションを実行するように構成される。
【0064】
また、処置プランニングシステム2000は、処理装置2010により実行されるインストラクション及び情報を記憶するためにバス2055により処理装置2010に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)又は他のダイナミック記憶装置を含むシステムメモリ2020も備えている。また、このシステムメモリ2020は、処理装置2010によりインストラクションを実行する間に一時的変数又は他の中間情報を記憶するのにも使用できる。また、システムメモリ2020は、処理装置2010に対するスタティック情報及びインストラクションを記憶するためにバス2055に結合されたリードオンリメモリ(ROM)及び/又は他のスタティック記憶装置を含んでもよい。
【0065】
また、処置プランニングシステム2000は、情報及びインストラクションを記憶するためにバス2055に結合された1つ以上の記憶装置(例えば、磁気ディスクドライブ又は光学的ディスクドライブ)を表す記憶装置2030も備えている。この記憶装置2030は、ここに述べる処置プランニングステップを遂行するためのインストラクションを記憶し及び/又はここに述べる3D像形成データ及びDRRを記憶するのに使用できる。
【0066】
また、処理装置2010は、情報(例えば、VOIの2D又は3D表現)をユーザに表示するために、陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)のようなディスプレイ装置2040にも結合される。キーボードのような入力装置2050は、処理装置2010へ情報及び/又はコマンド選択を通信するために処理装置2010に結合される。また、1つ以上のユーザ入力装置(例えば、マウス、トラックボール又はカーソル方向キー)を使用して、方向情報を通信し、処理装置2010に対するコマンドを選択し、そしてディスプレイ2040上でのカーソルの移動を制御することもできる。
【0067】
処置プランニングシステム2000は、多数の異なる構成及びアーキテクチャーを有することができ、処置プランニングシステム2000より多数のコンポーネント又は少数のコンポーネントを含むことができ、且つ本発明に使用できる処置プランニングシステムの一例に過ぎないことが明らかである。例えば、あるシステムは、周辺バス、専用キャッシュバス、等の複数のバスをしばしば有する。また、処置プランニングシステム2000は、DICOMインポートをサポートするためのMIRIT(医療映像レビュー及びインポートツール)(従って、映像を融合し、ターゲットを異なるシステムにおいて描写し、次いで、プランニング及びドーズ計算のために処置プランニングシステムへインポートすることができる)や、ユーザが種々の像形成様式(例えば、MRI、CT、PET、等)のいずれか1つにおいて処置を行い、プランを立てそしてドーズ分布を見ることができる拡張映像融合能力も含むことができる。処置プランニングシステムは、この技術分野で知られており、従って、更に詳細に説明しない。
【0068】
処置プランニングシステム2000は、そのデータベース(例えば、記憶装置2030に記憶されたデータ)を、処置提供システム3000のような処置提供システムと共有し、従って、処置提供の前に処置プランニングシステムからエクスポートする必要はない。処置プランニングシステム2000は、データリンク2500を経て処置提供システム3000にリンクすることができ、このデータリンクは、データリンク1500について上述したように、直接リンク、LANリンク又はWANリンクでよい。データリンク1500及び2500がLAN又はWAN接続として実施されるときには、診断像形成システム1000、処置プランニングシステム2000及び/又は処置提供システム3000は、それらシステムが互いに物理的に離れるように、分散して配置されてもよいことに注意されたい。或いは又、診断像形成システム1000、処置プランニングシステム2000及び/又は処置提供システム3000は、1つ以上のシステムにおいて互いに一体化されてもよい。
【0069】
処置提供システム3000は、処置プランに従ってターゲットボリュームに規定の放射線ドーズを施すための治療及び/又は手術放射線源3010を備えている。また、処置提供システム3000は、上述した診断映像と登録又は相関して患者を放射線源に対して位置付けるために(ターゲットボリュームを含む)患者ボリュームの処置中映像を捕獲する像形成システム3020も備えている。この像形成システム3020は、上述した像形成システムのいずれを含んでもよい。また、処置提供システム3000は、放射線源3010、像形成システム3020、及び患者支持装置、例えば、処置寝床3040を制御するためのデジタル処理システム3030も備えている。このデジタル処理システム3030は、2つ以上の立体的放射による像形成システム3020からの2D放射線写真映像を、診断像形成システム1000のデジタル処理システム1030により発生されるデジタル再構成放射線写真(例えば、セグメント化された3D映像データからのDRR)、及び処置プランニングシステム2000の処理装置2010により発生されるDRRを登録するように構成される。デジタル処理システム3030は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、特殊目的のプロセッサ、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の形式の装置、例えば、コントローラ又は現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)を含む。また、デジタル処理システム3030は、メモリ、記憶装置、ネットワークアダプタ、等の他のコンポーネント(図示せず)も備えている。デジタル処理システム3030は、バス3045又は他の形式の制御及び通信インターフェイスにより、放射線源3010、像形成システム3020、及び処置寝床3040に結合される。
【0070】
デジタル処理システム3030は、像形成システム3020から得た映像を、前動作の処置プランニング映像とともに登録して、処置提供システム3000内の処置寝床3040上で患者を位置合わせさせると共に、ターゲットボリュームに対して放射線源を正確に位置付けるための方法(例えば、上述した方法1200)を実施することができる。
【0071】
処置寝床3040は、複数(例えば、5つ以上)の自由度を有する別のロボットアーム(図示せず)に結合することができる。寝床アームは、5つの回転自由度及び1つの実質的に垂直の、直線自由度を有する。或いは又、寝床アームは、6つの回転自由度及び1つの実質的に垂直の、直線自由度、又は少なくとも4つの回転自由度を有してもよい。寝床アームは、柱又は壁に垂直に取り付けられるか、或いは台座、床又は天井に水平に取り付けられる。或いは又、処置寝床3040は、カリフォルニアのアキュレイ社によって開発されたAxum(登録商標)処置寝床、又は当業者に知られた別の形式の従来の処置テーブルのような別の機械的メカニズムのコンポーネントでもよい。
【0072】
或いは又、処置提供システム3000は、別の形式の処置提供システム、例えば、ガントリーベース(アイソセンター)の強度変調放射線療法(IMRT)システムでもよい。ガントリーベースのシステムでは、放射線源(例えば、LINAC)は、患者の軸方向切片に対応する平面内で回転するようにガントリーに取り付けられる。次いで、円形回転平面上の多数の位置から放射線が施される。IMRTでは、放射線ビームの形状は、ビームの一部分を阻止できるようにする複葉コリメーターにより、患者に入射する残りのビームが所定の形状になるように画成される。これにより得られるシステムは、アイソセンターで互いに交差してターゲット領域にドーズ分布を与える任意の形状の放射線ビームを発生する。IMRTプランニングでは、最適化アルゴリズムが、メインビームのサブセットを選択すると共に、患者を各サブセットに露出すべき時間長さを決定し、規定のドーズ制約が最良に満足されるようにする。1つの特定の実施形態では、ガントリーベースのシステムは、ジンバル付きの放射線源ヘッドアッセンブリを有する。
【0073】
ここに述べる方法及び装置は、医療診断像形成及び処置のみの使用に限定されないことに注意されたい。別の実施形態では、ここに述べる方法及び装置は、医療技術分野以外の用途、例えば、材料の工業用像形成及び非破壊テスト(例えば、自動車産業におけるモータ閉塞、航空機産業における機体、建設産業における溶接及び石油産業における掘削)並びに地震調査に使用することができる。このような用途では、例えば、「処置」とは、一般的に、処置プランニングシステムによるオペレーションの遂行、例えば、ビーム(例えば、放射線、音響等)の適用を指し、そして「ターゲット」は、非解剖学的物体又はエリアを指す。
【0074】
本発明の実施形態は、ここに述べる種々のオペレーションを含む。これらのオペレーションは、ハードウェアコンポーネント、ソフトウェア、ファームウェア又はその組合せにより遂行できる。ここに述べる種々のバスを経て供給される信号は、他の信号と時間マルチプレクスされて、1つ以上の共通のバスを経て供給することができる。更に、回路コンポーネント又はブロック間の相互接続部は、バス又は単一信号ラインとして示されている。或いは又、これらバスの各々が1つ以上の単一信号ラインでもよく、又、単一信号ラインの各々がバスでもよい。
【0075】
ある実施形態は、マシン読み取り可能な媒体に記憶されるインストラクションを含むコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。これらのインストラクションは、ここに述べるオペレーションを遂行するように汎用プロセッサ又は特殊目的のプロセッサをプログラムするのに使用できる。マシン読み取り可能な媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)により読み取り可能なフォーム(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶又は送信するためのメカニズムを含む。又、マシン読み取り可能な媒体は、これに限定されないが、磁気記憶媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスケット)、光学記憶媒体(例えば、CD−ROM)、磁気−光学記憶媒体、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラマブルメモリ(例えば、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリ、電気的、光学的、音響的又は他の形態の伝播信号(例えば、提供波、赤外線信号、デジタル信号等)、或いは電子的インストラクションを記憶するのに適した別の形式の媒体を含む。
【0076】
更に、ある実施形態は、マシン読み取り可能な媒体が2つ以上のコンピュータシステムに記憶され及び/又はそれにより実行されるような分散型コンピューティング環境において具現化される。更に、コンピュータシステム間で転送される情報は、例えば、リモート診断又は監視システムにおいてコンピュータシステムを接続する通信媒体にわたってプル又はプッシュされてもよい。リモート診断又は監視においては、ユーザは、ユーザと患者との間に物理的な分離が存在しても、患者を診断又は監視することができる。更に、処置提供システムは、処理プランニングシステムから離れていてもよい。
【0077】
前記方法(1つ又は複数)のオペレーションは、特定の順序で図示して説明したが、各方法のオペレーションの順序は、あるオペレーションを逆の順序で行うように、又はあるオペレーションを他のオペレーションと少なくとも一部分同時に行うように、変更されてもよい。別の実施形態では、異なるオペレーションのインストラクション又はサブオペレーションは、間欠的に及び/又は交互に行われてもよい。更に、特定の方法の繰り返しの中で、あるオペレーションを繰り返してもよい。
【0078】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明した。しかしながら、特許請求の範囲に述べた本発明の広い精神及び範囲から逸脱せずに種々の変更や修正がなされ得ることが明らかであろう。従って、明細書及び添付図面は、本発明を例示するためのもので、これに制限するためのものではない。
【符号の説明】
【0079】
201:LINAC
202:ロボットアーム
203A:像形成X線源
203B:像形成X線源
204A:検出器
204B:検出器
206:処置寝床
802:輪郭ベースのROI
803:より大きなROI
804:より小さなROI
1000:診断像形成システム
1010:映像線源
1030:デジタル処理システム
1020:映像検出器
2000:処置プランニングシステム
2020:システムメモリ
2010:処理装置
2030:記憶装置
2040:ディスプレイ
2050:入力装置
3000:処置提供システム
3010:放射線源
3020:像形成システム
3030:デジタル処理システム
3040:処置寝床
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、映像誘導型の放射線処置システムに係り、より詳細には、放射線処置中に移動する放射線ターゲットを追跡することに係る。
【背景技術】
【0002】
腫瘍や病変部のような病理学的解剖学的部位は、手術のような侵襲的手順(invasive procedure)で処置できるが、患者にとって有害で且つ危険がいっぱいある。病理学的解剖学的部位(例えば、腫瘍、病変部、血管奇形部、神経不調部等)を処置する非侵襲的方法は、外部ビーム放射線療法である。あるタイプの外部ビーム放射線療法では、外部放射線源を使用し、腫瘍がX線ビームの回転の中心(アイソセンター(isocenter))に来るように患者を位置付け、複数の角度から腫瘍の位置に一連のX線ビームを向ける。放射線源の角度が変化するにつれて、各ビームは、腫瘍の位置を通過するが、腫瘍への途中では健全な組織の異なる領域を通過する。その結果、腫瘍における累積放射線ドーズ(量)が高くなり、健全な組織への平均放射線ドーズが低くなる。
【0003】
「放射線療法」という語は、壊死の目的ではなく治療の目的でターゲット領域に放射線を当てる手順を指す。放射線療法処置セッションに使用される放射線の量は、典型的に、放射線手術セッションに使用される量に比して、ほぼ1桁少ない。放射線療法は、典型的に、処置当たりのドーズが低く(例えば、100−200センチグレイ(cGy)、処置時間が短く(例えば、処置当たり10ないし30分)、及び超細分化(例えば、処置日数30ないし45日)であることを特徴とする。便宜上、ここで使用する「放射線治療」という語は、特に指示のない限り、放射線手術及び/又は放射線療法を意味する。
【0004】
映像誘導型放射線療法及び放射線手術システムは、ガントリー型のシステム及びロボット型のシステムを備えている。ガントリー型のシステムでは、単一の平面内において回転の中心(アイソセンター)の周りを移動するガントリーに放射線源が取り付けられる。放射線源は、ガントリーにしっかり取り付けられるか又はジンバルメカニズムによって取り付けられる。処置中に放射線ビームが施されるたびに、ビームの軸がアイソセンターを通過する。それ故、処置角度は、放射線源の回転角度と、患者ポジショニングシステムの自由度とによって制限される。カリフォルニアのアキュレイ社によって製造されたCYBERKNIFE(登録商標)定位放射線手術システムのようなロボットベースのシステムでは、放射線源が単一の回転平面に拘束されず、5つ以上の自由度を有している。
【0005】
従来の映像誘導型放射線処置システムでは、処置中の患者の追跡は、患者の二次元(2D)処置中のX線映像を、診断及び処置プランニングに使用される三次元(3D)前処置像形成データから導出された2Dデジタル再構成放射線写真(DRR)と比較することにより達成される。前処置像形成データは、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)データ、磁気共鳴像形成(MRI)データ、陽電子放出断層撮影(PET)データ、又は3D回転血管造影(3DRA)である。典型的に、処置中X線像形成システムは、立体的であり、2つ以上の異なる視点(例えば、直交)から患者の映像を発生する。
【0006】
DRRは、3D像形成データに放射線を投じ(数学的な投射)、処置中のX線像形成システムの幾何学形状をシミュレートすることにより発生された合成X線映像である。それにより得られるDRRは、処置中のX線像形成システムと同じスケール及び視点を有し、処置中のX線像形成システムと比較して患者の位置を決定することができる。DRRを発生するために、3D像形成データがボクセル(ボリュームエレメント)に分割され、各ボクセルには、3D像形成データから導出された減衰(ロス)が指定される。従って、DRR内の各ピクセルの相対的強度は、3D映像を通して投射される各放射線に対するボクセルロスの総和である。DRRが発生される前の3D像形成データに対して3D変換(回転及び並進移動)を行うことにより異なる患者ポーズがシミュレーションされる。
【0007】
ある映像誘導型システムでは、3D変換及びDRR発生が、処置中に、リアルタイムで繰り返し遂行される。カリフォルニア州サニーベールのアキュレイ社によって製造されたCYBERKNIFE(登録商標)定位放射線手術システムのような他のシステムでは、患者のポーズの予想範囲に対応する(各投射における)DRRのセットを、処置開始の前に、予め計算することができる。
【0008】
処置中のX線映像とDRRとを比較するたびに、類似性の尺度、又はそれと同等のことであるが、相違性の尺度(例えば、クロス相関、エントロピー、相互情報、勾配相関、パターン強度、勾配差、映像強度勾配)が発生され、これは、処置中のX線映像に対して高い類似性尺度をもつDRRを発生する3D変換をサーチする(又は上述した予め計算されたDRRを直接サーチする)のに使用できる。類似性の尺度が充分に最大化される(又はそれと同等のことであるが、相違性の尺度が最小化される)ときには、DRRに対応する3D変換を使用して、処置平面の3D座標系を、処置提供システムの3D座標系と位置合わせし、処置平面に対する放射線源及び患者の相対的な位置を一致させることができる。予め計算されたDRRの場合には、最大の類似性尺度を使用して、2つの最も接近したDRR間の差の3D変換を計算することができる。
【0009】
映像誘導型放射線処置システムは、種々様々な病理学的解剖学的部位(病的部位)の処置に対して有効で且つ非侵襲的な解決策を提供する。しかしながら、ある形式の病的部位は、特に困難な処置上の挑戦をもたらす。これらの形式の病的部位は、肺、肝臓及び膵臓のような比較的大きな器官における比較的小さな腫瘍を含み、この場合、腫瘍の密度は、その周囲の健全な組織の密度に非常に近く、且つ腫瘍は、標準的な像形成技術(例えば、X線造影)を使用して見ることが困難である。典型的に、これらの腫瘍は、直径が約15mm以下であるが、それより大きな腫瘍は、腫瘍の形式及び特定の器官に基づき同じ又は同様の問題を生じさせることがある。この挑戦は、処置中に患者が呼吸をすることで腫瘍が動き、又、腫瘍をリアルタイム又はほぼリアルタイムで追跡しなければならないときには、特に困難である。
【0010】
放射線処置中にターゲット領域の動きを取り扱う1つの従来の方法は、ターゲット領域内又はその付近に配置された基準マーカーの映像を追跡することを含む。基準マーカーの位置及び動きは、ターゲット領域の位置及び動きと相関され、ターゲット領域の動きをたどるための処置ビームの位置のリアルタイム相関を実現できるようにする。この解決策は、基準マーカーを配置するために侵襲性の手術手順を要求するという欠点がある。
【0011】
従来の映像誘導型処置システムは、映像情報を最大にする試みにおいて比較的大きな視野でDRR及び処置中のX線映像を使用して病的部位を探索するように試みる。しかしながら、上述した小さく、区別化が不充分で、動きのある病的部位の場合にあっては、従来の解決策では、計算に経費がかかり且つ時間浪費で、処置システムの映像処理機能を低速化し、且つ正確な腫瘍追跡のために出力データレートを低くし過ぎることになり得る。
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明を一例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】本発明の実施形態が具現化される処置プランニング及び処置提供プロセスの概略を示すフローチャートである。
【図1B】一実施形態における放射線ターゲット検出を示すフローチャートである。
【図2】一実施形態における映像誘導型ロボット式放射線手術システムを示す。
【図3A】一実施形態における像形成及び処置提供の座標系を示す。
【図3B】一実施形態におけるX線映像及びDRRの2D−2D登録を示す。
【図3C】一実施形態におけるX線映像及びDRRの2D−2D登録を示す。
【図3D】一実施形態におけるX線映像及びDRRの2D−2D登録を示す。
【図3E】一実施形態におけるX線映像及びDRRの2D−2D登録を示す。
【図4】一実施形態における全体的な患者の位置合わせを示すフローチャートである。
【図5A】一実施形態における脊柱セグメント化及び除去を示す。
【図5B】一実施形態における脊柱セグメント化及び除去を示す。
【図6A】一実施形態における腫瘍の視覚化及びセグメント化を示す。
【図6B】一実施形態における腫瘍の視覚化及びセグメント化を示す。
【図6C】一実施形態における腫瘍の視覚化及びセグメント化を示す。
【図6D】一実施形態におけるセグメント化ツールを示す。
【図7】一実施形態の処置プランニングシステムにおける肺腫瘍のセグメント化を示す。
【図8A】一実施形態における放射線ターゲットを取り巻く当該領域を示す。
【図8B】一実施形態における放射線ターゲットを取り巻く当該領域を示す。
【図9】一実施形態における複数のROIの発生を示す。
【図10A】一実施形態における図8Aの第1の投射で2D輪郭形成された肺腫瘍及び当該領域を示す。
【図10B】図10Aの当該ボリュームの第1の投射における処置中X線映像のサーチ窓を示す。
【図10C】一実施形態におけるサーチ窓内の当該領域の位置の関数としての類似性尺度の値を示す。
【図10D】一実施形態における多レベルマッチングを示す。
【図11A】一実施形態における正しい腫瘍検出に対応するシフト相関窓を示す。
【図11B】一実施形態における正しい腫瘍検出に対応するシフト相関窓を示す。
【図12A】一実施形態における正しいターゲット検出のためのクオリティ尺度を示すグラフである。
【図12B】一実施形態における正しいターゲット検出のためのクオリティ尺度を示すグラフである。
【図13A】一実施形態における誤ったターゲット検出のためのクオリティ尺度を示すグラフである。
【図13B】一実施形態における誤ったターゲット検出のためのクオリティ尺度を示すグラフである。
【図14A】一実施形態における誤ったターゲット検出に対応するシフト相関窓を示す。
【図14B】一実施形態における誤ったターゲット検出に対応するシフト相関窓を示す。
【図15A】一実施形態におけるサーチ窓の縮小を示す。
【図15B】一実施形態におけるサーチ窓の縮小を示す。
【図16】一実施形態におけるターゲット検出方法を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態が具現化されるシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明において、本発明の実施形態を完全に理解するために、特定のコンポーネント、装置、方法、等の多数の特定の細部について述べる。しかしながら、当業者であれば、本発明の実施形態を具現化するのに、これらの特定の細部を使用する必要がないことが明らかであろう。他の例において、本発明の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、良く知られた材料又は方法は、詳細に説明しない。ここで使用する「X線映像」という語は、目に見えるX線映像(例えば、ビデオスクリーンに表示された)、或いはX線映像のデジタル表示(例えば、X線検出器のピクセル出力に対応するファイル)を意味する。ここで使用する「処置中のX線映像」という語は、放射線源がオン又はオフであるときも含めて、放射線手術又は放射線療法手順の処置提供段階中の任意の時点で捕獲された映像を指す。時々、説明の便宜上、CT映像データを、ここでは、3D映像様式の一例として使用する。CTデータ、MRIデータ、PETデータ、3DRAデータ、等の、任意の形式の3D映像様式からのデータも、本発明の種々の実施形態に使用できることが明らかであろう。
【0015】
以下の説明から明らかなように、特に指示のない限り、「セグメント化」、「発生」、「登録」、「決定」、「位置合わせ」、「位置付け(ポジショニング)」、「処理」、「計算」、「選択」、「推定」、「追跡」、等の語は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(例えば、電子的)量として表わされたデータを、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ或いは他のそのような情報記憶、送信又は表示装置内の物理的量として同様に表わされた他のデータへと操作及び変換するコンピュータシステム又は同様の電子的コンピューティング装置のアクション及びプロセスを指すことが明らかであろう。ここに説明する方法の実施形態は、コンピュータソフトウェアを使用して実施することができる。認められた規格に適合するプログラミング言語で書かれた場合には、方法を実施するように設計されたインストラクションのシーケンスは、種々のハードウェアプラットホームにおいて実行し且つ種々のオペレーティングシステムへインターフェイスするようにコンパイルすることができる。更に、本発明の実施形態は、特定のプログラム言語を参照して説明しない。種々のプログラミング言語を使用して、本発明の実施形態を具現化できることが明らかであろう。
【0016】
3つまでの並進移動方向に動きをもつ移動する放射線ターゲットを、その放射線ターゲットの直接的な登録を使用して処置放射線源を放射線ターゲットの動きと同期させることにより、検出し及び追跡するための方法、装置、及びシステムについて説明する。本発明の実施形態は、二次元(2D)輪郭付けとして知られた前処置映像向上技術を使用して、放射線ターゲット(例えば、肺腫瘍)の輪郭の周りの限定された当該領域を画成する。これらの当該領域は、放射線ターゲットを探索するために、処置中のX線映像における限定サイズのサーチ窓に一致する限定サイズのDRRの領域で表わされる。DRRの当該領域及び処置中のX線映像のサーチ窓の限定サイズは、映像登録の計算タスクを減少し、ターゲット検出の速度を高めることができる。又、減少された計算時間は、検出クオリティ尺度を計算するための処理時間を空けることもでき、これは、低コントラストターゲットを検出するためのクオリティ保証ステップを与える。本発明の実施形態は、説明を容易にするために、肺腫瘍のような特定形式の病理学的解剖学的部位に関して説明する。別の実施形態では、ここに述べる技術は、他の器官(例えば、肝臓、膵臓、等)における他のタイプの病理学的解剖学的部位を検出し、追跡するのにも使用できる。
【0017】
図1Aは、以下に詳細に述べる一実施形態における処置プランニング及び処置提供プロセスの概略を示すフローチャートである。図1Aにおいて、処置プランニング100は、CTスキャナ、MRIスキャナ、等の3D像形成システムから3D映像データを取得すること(オペレーション110)で開始する。3D映像データのセグメント化(オペレーション120)が遂行されて、放射線ターゲット、処置中に回避すべき重要な構造部、及び/又は脊柱や頭蓋のような骨構造部の境界を画成及び識別し、これらは、処置中に患者を位置合わせさせるのに使用することができる。
【0018】
次のオペレーション(オペレーション130)は、処置提供中に使用されるDRRの投射に対応する3D映像データの2D投射において、放射線ターゲットの輪郭を発生することである。二次元輪郭付け方法は、この技術で知られており、一般的に、ソーベル(Sobel)オペレータ及びフライ・チェン(Frei-Chen)オペレータのような異なる形式の空間的オペレータを伴うグレーレベルエッジ検出を使用する。次いで、処置プランニング(オペレーション140)が医療物理学者又は他の臨床医によって遂行され、健全な組織及び重要な構造部への放射線ドーズ(量)を指定レベルより低く維持しながら、指定レベルの均質性及び適合性で放射線ターゲットに対する指定放射線ドーズを得る。プランにおいて処置目標が達成されると、処置中の患者の予想位置に対応するDRRのセットが発生され、そして処置プラン及びDRRが格納される(オペレーション150)。他の実施形態では、DRRは、放射線処置中にリアルタイムで発生される。一実施形態では、脊柱及び/又は他の骨構造部が放射線ターゲットの妨げとなるか又はそれを不明瞭にする場合には、放射線ターゲットの可視性/コントラストを高めるためにそのような構造部を除去した3D映像データからDRRのセットを発生することができる。これら構造部の除去は、良く知られるように、3D映像データにおいてボクセルマスクを操作することにより遂行できる。一実施形態では、脊柱及び任意であるがその周囲の組織のみを保持し且つ動きの影響(例えば、呼吸の影響)を除去した3D映像データからDEEのセットを発生することができ、これは、以下に述べるように、患者の位置合わせを向上させるのに使用できる。
【0019】
処置提供プロセス200は、処置システムにおける全体的な患者位置合わせ(事前位置合わせ)で開始し(オペレーション210)、それに続いて、ターゲット検出(オペレーション220)、ターゲットの動きと外部マーカーとの相関(オペレーション240)、及び処置プランに従い放射線処置が施される。これらのステップは、図1Bにおいて拡張され、以下に説明する。
【0020】
全体的な患者位置合わせ(オペレーション210)は、3つの並進移動及び3つの回転を含む6つの次元において、大きな当該ボリュームのDRR及びX線映像を使用して遂行され、これは、識別可能な目印、例えば、基準マーカー及び/又は骨構造部(例えば、脊柱、頭蓋)、及び/又は全体的な位置合わせに使用できるパターン強度変化を含むことができる。或いは又、位置合わせは、セグメント化された脊柱又は他のデータを含む上述したような向上型DRRを使用して遂行されてもよい。異なる実施形態では、全体的な位置付けは、処置中像形成システムの幾何学形状に基づいて、1つの投射、2つの投射、又は3つ以上の投射においてDRR及びX線映像をマッチングさせることで遂行されてもよい。
【0021】
初期の全体的位置付けが達成されると、放射線ターゲットの検出(オペレーション220)を遂行することができる。一実施形態では、図1Bに示すように、ターゲットの検出は、次のステップを含み、これについて以下に詳細に説明する。
【0022】
1.複数の投射において放射線ターゲットの2D輪郭の周りに複数の当該領域(ROI)を画成する(オペレーション221)。
2.放射線ターゲットを含む当該ボリュームのライブ(例えば、処置中X線)映像を捕獲する(オペレーション222)。
3.投射を選択する(オペレーション223)。
4.選択された投射においてROIを選択する(オペレーション224)。
5.ターゲットの登録を行って、放射線ターゲットを探索する(オペレーション225)。
6.選択されたROIからオフセットした多数のシフト相関窓を画成する(オペレーション226)。
7.各シフト相関窓に対してターゲット登録を繰り返し、相関させる(オペレーション227)。
8.シフト相関結果からクオリティ尺度を計算する(オペレーション228)。
9.選択された投射における全てのROIがテストされるまでオペレーション224−228を繰り返す(オペレーション229)。
10.全ての投射における全てのROIがテストされるまでオペレーション223−229を繰り返す(オペレーション230)。
11.最良のクオリティ尺度をもつROIを選択する(オペレーション231)。
12.クオリティ尺度が処置を提供するに足るほど良好であるかどうか決定し(オペレーション232)、そしてクオリティ尺度が充分良好である場合には、
13.処置を施すために選択されたROIのターゲット位置を出力する(オペレーション233)。しかし、クオリティ尺度が充分良好でない場合には、ターゲット追跡が失敗したことを決定する(オペレーション234)。
【0023】
ターゲット検出が首尾良く行われた場合には、処置提供プロセスは、オペレーション240において、ターゲットの位置を患者の外部マーカー(これは、独立した光学的追跡システム(例えば、レーザー追跡システム)により視覚的に追跡される)と相関させ、そしてライブ映像の別のセットのキャプチャーを開始することにより、続けられる。オペレーション220及び240を繰り返して、外部マーカーの移動と放射線ターゲットの検出位置との間に相関モデルが発生されるまで放射線ターゲットを追跡してもよい。又、オペレーション220及び240を繰り返して、相関モデルを更新することもできる。
【0024】
図2は、本発明の実施形態を具現化するのに使用できるカリフォルニア州サニーベールのアキュレイ社によって製造されたCYBERKNIFE(登録商標)定位放射線手術システムのような映像誘導ロボット型の放射線処置システム200の構成を示す。図2において、処置放射線源は、ロボットアーム202の端に装着されたリニアアクセラレータ(LINAC)201であり、ロボットアーム202は、患者の周りの操作ボリュームにおいて多数の平面内で多数の角度から施されるビームで病理学的解剖学的部位(ターゲット領域又はボリューム)を照射するようにLINAC201を位置付けるために、複数(例えば、5以上)の自由度を有している。処置は、単一のアイソセンター、複数のアイソセンター、又は非アイソセンターアプローチをもつビーム経路を含む。
【0025】
図2の処置提供システムは、X線源203A及び203Bと、X線検出器(像形成装置)204A及び204Bとを含む処置中像形成システムを備えている。2つのX線源203A及び203Bは、手術室の天井の固定位置に装着され、2つの異なる角度位置(例えば、90度分離された)からの像形成X線をマシンアイソセンター205(処置中に処置寝床206に患者を位置付けるための基準点をなす)で交差するように投射すると共に、患者を通過した後に各検出器204A及び204Bの像形成平面を照射するように位置合わせされる。他の実施形態では、システム200は、2つより多くの又は2つより少ないX線源及び2つより多くの又は2つより少ない検出器を含んでもよく、又、いずれの検出器も、床レベルより下に固定及び/又は装着されるのではなく、可動であってもよい。更に別の実施形態では、X線源及び検出器の位置を交換してもよい。
【0026】
処置プランニング
上述したように、3D映像データを取得した後の、処置プランニング100の第1ステップは、セグメント化(オペレーション120)である。医療映像のセグメント化は、3D医療映像(例えば、CT、MRI、PET又は3DRA映像)を、1つ以上の特性又は特徴(例えば、組織の形式、密度)に対して均質な領域へ仕切るプロセスである。放射線処置システム(フレームベース型及び映像誘導型の両方を含む)では、セグメント化は、ターゲットとする病理学的解剖学的部位(例えば、腫瘍又は病変部)及び重要な解剖学的構造部(例えば、脊髄)の境界及びボリュームを画成して処置プランへとマップする処置プランニングのステップである。セグメント化の精度は、健全な組織を不必要な放射線から回避させながら病理学的解剖学的部位を処置する間に放射線ドーズに高度の適合性及び均質性を得るために重要である。
【0027】
上述したように、セグメント化は、映像登録の改善のために望ましからぬ特徴又は欠陥を除去するように3D映像データを操作するのに使用できる。図5A及び5Bは、その一実施例を示す。図5Aは、非変更の3D映像ファイルから発生された1つの投射におけるDRRを示す。対照的に、図5Bは、脊柱をセグメント化しそして非脊柱特徴を排除した後の同じ3D映像ファイルから発生されたDRRを示す。ある実施形態では、この形式のDRRは、(例えば、基準マーカーが使用されなかったときに)処置システム内の患者の初期の全体的位置合わせを向上させるのに使用できる。
【0028】
図6A及び6Bは、セグメント化の異なる使用を示す。図6Aは、非変更の3DスキャンデータからのDRRを示し、脊柱607の特徴が肺腫瘍608の境界に重畳して、腫瘍輪郭の画成を困難にしている。図6Bでは、脊柱がセグメント化されて、3Dスキャンデータから削除され、腫瘍が良く見えるようになったDRRを発生する。図6Cは、以下に述べるように、2D輪郭発生に対して腫瘍をどのようにセグメント化できるかを示す。
【0029】
上述したプロセスは、カリフォルニア州サニーベールのアキュレイ社から入手できるMultiPlanTM処置プランニングシステムに設けられたツールのようなセグメント化ツールによって自動化することができる。このセグメント化ツールは、患者の医療映像(例えば、CT、又は他の映像ボリューム、例えば、MRI、PET等)を操作するのに使用できる。或いは又、他のツールを使用してもよい。
【0030】
図6Dは、セグメント化ツールにより、ユーザが、医療映像の3つの切断面、即ち軸面601、頭蓋面602及び冠状面603から同時に当該ボリュームにおいて脊柱をどのように描写できるか示すスクリーンショット600である。
【0031】
軸面601では、二次元輪郭が表示される。この輪郭は、ユーザにより画成されるときには実線輪郭であり、又はコンピュータにより隣接輪郭から補間された破線輪郭である。ユーザは、サイズ変更、スケーリング又は移動により輪郭を変更することができる。
【0032】
頭蓋面602及び冠状面603には、当該脊柱ボリュームの投射シルエット輪郭605が表示される。全てのユーザ画成輪郭(例えば、輪郭604)の中心は、脊柱606の中心軸として接続される。ユーザは、輪郭の中心を移動又はドラグ(drug)することにより輪郭を移動、追加又は除去することができる。輪郭の中心が頭蓋面又は冠状面上を移動されるときには、軸方向映像スライス上に画成される実際の輪郭もそれに応じて移動される。ユーザが、隣接軸方向輪郭の2つの中心点間の任意の点を選択するときには、その位置に新たな輪郭が追加され、輪郭は、2つの隣接する軸方向輪郭の補間に自動的にセットされる。ユーザが、2つの隣接する輪郭の領域の外側又は映像境界の外側の輪郭の中心点をドラグしそしてドロップすると、当該ボリュームから輪郭が除去される。脊柱が幾何学的フォーマットで描写されて記憶されると、脊柱に関連したボクセルのみを含む三次元映像ボリュームとしてボリュームフォーマットへ変換される。
【0033】
ある実施形態における処置プランニングの次のステップは、ターゲットセグメント化に基づいて放射線ターゲットの2D輪郭を発生することである(オペレーション130)。図7は、前記軸面、頭蓋面及び冠状面において肺腫瘍701を示すCT映像のスクリーンショット700である(肺腫瘍の場合のように、腫瘍のX線密度がその周囲組織のそれに非常に近いときには、MRI又は別の非X線映像様式をCTデータに関連して使用して、腫瘍を見ることができる)。前記脊柱セグメント化について述べた同じ輪郭付けツールを使用して、3D映像における腫瘍をセグメント化すると共に、自動2D輪郭発生プロセスへデータ入力を与えることができ、このプロセスは、処置提供中に2D腫瘍輪郭を生成してDRRにオーバーレイするように使用することができる。2D輪郭を自動的に発生する(例えば、自動エッジ検出)方法は、この技術分野で知られており、例えば、Delp & Chu, Edge Detection Using Contour Tracing, 47 (Center for Robotics and Integrated Manufacturing)(1983)に説明されている。
【0034】
処置プランニングプロセスは、実際の処置プランの開発、即ちDRRを発生し、そして処置提供においてその後に使用するためのプラン、DRR及び2Dターゲット輪郭を(例えば、デジタルで)セーブすることで終了となる(オペレーション140及び150)。オペレーション140及び150の詳細は、この技術分野で知られており、従って、ここでは、詳細に説明しない。
【0035】
処置提供
全体的位置合わせ
上述したように、処置提供の第1ステップは、処置提供システム内での全体的な患者の位置合わせである(オペレーション210)。全体的位置合わせ(事前位置合わせ)及びそれに続くターゲット検出の説明を理解する助けとして、図3Aは、処置提供システム(例えば、処置提供システム200)の3D座標系、処置中像形成システム(例えば、処置提供システム200の処置中像形成システム)の2D座標系、及び3D映像(例えば、CT、MRI、PET等)の3D座標系の関係を示す。図3Aにおいて、座標系xyz(xは、図3Aの紙面に直角で、それを指している)は、前処理映像の3D座標に関連付けられ、座標系x’y’z’(x’は、図3Aの紙面に直角で、それを指している)は、処置提供システムに関連付けられ、そして投射A及びBは、処置中像形成システムに関連付けられ、ここで、SA及びSBは、X線源(例えば、X線源103A及び103B)を表し、OA及びOBは、X線検出器(例えば、X線検出器104A及び104B)の像形成平面の中心である。図2において、投射A及びBは、各々、方向OASA及びOBSBから見たものである。全体的患者位置付けと、ここに述べる放射線ターゲット追跡の実施形態の両方に対して、これら2つの2D映像投射をDRRに対して比較して、映像登録及び位置合わせを達成する。
【0036】
3D変換は、3つの並進移動(Δx、Δy、Δz)及び3つの回転(Δθx、Δθy、Δθz)に関して、座標系xyzから図3Aの座標系x’y’z’へと定義することができる。2つの3D座標系間の3D剛体変換は、基本的三角法から次のように導出することができる。
【数1】
【0037】
投射Aに対する2D座標系(xAyA)においては、3D剛体変換は、平面内(in-plane)変換(ΔxA、ΔyA、ΔθA)及び2つの平面外(out-of-plane)回転(ΔθxA、Δθy')へと分解することができる。同様に、投射Bに対する2D座標系(xByB)においては、分解は、平面内変換(ΔxB、ΔyB、ΔθB)及び2つの平面外回転(ΔθxB、Δθz')より成る。図3Bないし3Eは、ここに述べる平面内変換及び平面外回転を示し、ここで、2D X線映像は、平面301により表わされ、そして2D DRRは、平面302により表わされる。式(1)の3D剛体変換は、2つの投射を使用すると、6パラメータの3D剛体変換に対する解が過剰制約を受けることに注意することで、簡単化することができる。投射Aにおける並進移動xAは、投射BにおけるxBと同じパラメータであり、そして投射Aにおける平面外回転θxAは、投射BにおけるθxBと同じである。αA及びαBが、各々、投射A及びBに対する幾何学的増幅係数(例えば、線源から患者及び患者から検出器の距離に関連した倍率)である場合には、座標系(x’y’z’)と2D座標系との間の並進移動は、次の関係を有する。
【数2】
【0038】
投射Aについて、2つの平面外回転(ΔθxA、Δθy')の異なる組合せに対応するDRR映像のセットが与えられると、2D平面内変換(ΔxA、ΔyA、ΔθA)は、2Dと2Dの映像比較により推定することができ、又、2つの平面外回転(ΔθxA、Δθy')は、類似性尺度を使用して、X線映像を、以下に述べるようにDRR映像のセットとマッチングさせることにより計算することができる。同様に、同じプロセスを使用して、投射Bについて、2D平面内変換(ΔxB、ΔyB、ΔθB)及び平面外回転(ΔθxB、Δθz')を解くことができる。以下に述べるように、平面内変換及び平面外回転は、投射A及び投射Bの両方について独立して、X線映像とDRR映像のセットとの間の登録により得ることができる。マッチングする平面外回転を伴うDRR映像が識別されるときは、平面内回転及び平面外回転は、次の関係を有する。
【数3】
【0039】
平面外回転θy'が投射Aに対する基準DRR映像のセットにおいて無視される場合に、平面内変換は、Δθy'が小さい(例えば、5°未満)ときは、Δ(xA、ΔyA、ΔθA)によりおおよそ表すことができる。この簡単化の仮定がなされ、そして種々の平面外回転ΔθxAに対応する基準DRR映像のセットが与えられると、平面内変換(ΔxA、ΔyA、ΔθA)及び平面外回転ΔθxAは、この技術分野で知られた1つ以上のサーチ方法により見出すことができる。これらの方法は、一般に、類似性尺度の計算を使用し、その後、勾配サーチアルゴリズムを適用して、処置中のX線映像と、選択されたDRRとの間の類似性を最大にする。類似性尺度は、例えば、正規化された断面、差の映像のエントロピー、相互情報、勾配相関、パターン強度、及び勾配差を含む(がこれに限定されない)。それに対応する簡単化を投射Bに対して行うことができる。
【0040】
投射Aにおける結果(ΔxA、ΔyA、ΔθA、ΔθxA)及び投射Bにおける(ΔxB、ΔyB、ΔθB、ΔθxB)が与えられると、次の式を使用して、3D映像座標系における3D剛体変換の近似を得ることができる。
【数4】
【0041】
従って、処置提供システム内の患者の3D座標系を3D処置プランの座標系と位置合わせするのに必要な3D変換は、4つのパラメータの2セット(ΔxA、ΔyA、ΔθA、ΔθxA)及び(ΔxB、ΔyB、ΔθB、ΔθxB)によって完全に定義することができる。
【0042】
全体的位置合わせのプロセス(オペレーション210)が図4に概略的に示されている。このプロセスは、処置中のX線映像の取得(オペレーション401)で開始する。オペレーション402では、X線映像が、上述したように、3Dスキャンデータから生成され且つ処置プランニングシステムからインポートされたDRRセットと比較され、登録される。登録の結果は、2セットの2D変換パラメータであり、これらパラメータは、オペレーション404において患者を位置合わせ状態にもっていくために必要な3D変換をオペレーション403において計算するのに使用される。
【0043】
全体的位置合わせプロセスの1つの結果は、その後のターゲット検出のオペレーション(オペレーション220)中に、サーチが各投射において2つの平面内並進移動(x、y)に制限されることである。というのは、6Dの全体的位置合わせプロセスが平面内及び平面外回転エラーを排除するからである。上述した幾何学的変換は、像形成投射のどの対についても変換を計算することにより2つより多い(例えば、3つ以上の)像形成投射を有する像形成システムに適用できることが明らかである。
【0044】
ターゲット検出
再び図1Bを参照すれば、ターゲット検出(オペレーション220)は、オペレーション221で開始し、これは、処置中像形成システムに対応する複数の投射において、処置プランニング中に生成される放射線ターゲットの2D輪郭の周りに、複数の当該領域(ROI)を画成するというものである。このプロセスは、肺腫瘍のケースを例示するために図8A、8B及び9に示されている。図8A及び8Bは、上述した全体的な患者位置合わせの後に直接的なターゲット登録のために選択された2つの投射(例えば、投射A及びB)においてDRR800A及び800Bを各々示している。図示された実施例では、DRRは、腫瘍のコントラストを高めるために脊柱を除去した状態で3D映像データから合成されている。図8Aにおいて、2D腫瘍輪郭801AがDRR800A上にオーバーレイされ、そして投射Aにおける初期ROI802Aが腫瘍輪郭801Aの周りに発生されている。同様に、図8Bでは、2D腫瘍輪郭がDRR800B上にオーバーレイされ、そして投射Bにおける初期ROI802Bが腫瘍輪郭801Bの周りに発生されている。これらの初期ROIは、各DRRの水平及び垂直次元における腫瘍輪郭の寸法に厳密に適合するように選択されて、ROIが、腫瘍輪郭と、腫瘍輪郭の外側の若干の組織とを含むようにすることができる。
【0045】
初期ROIが画成された後に、良好に腫瘍を検出する機会を与えるために、初期ROIより広いエリア及び初期ROIより狭いエリアを含む付加的なROIが画成される。例えば、腫瘍の境界が不完全に画成され、及び/又は通常の3D像形成技術のいずれかを使用して像形成することが困難な場合には、処置プランニング段階で発生される腫瘍の2D輪郭は、それに含まれるものが、全腫瘍より広くても狭くてもよい。その結果、異なるサイズのROIが、より良好な腫瘍検出及び/又は処置を発生し得る。これらの異なるサイズのROIが図9に示されており、輪郭ベースのROI802に加えて、それより大きなROI803及びそれより小さなROI804が画成されている。他の実施形態では、臨床医の裁量で3つより多い又は少ないROIを使用してもよい。一実施形態では、ROI間のステップサイズは、腫瘍のサイズに基づいて約1mmから約5mmまで変化し得る。しかしながら、臨床医の裁量でいかなるステップサイズが選択されてもよい。
【0046】
ターゲット検出の次のステップ、即ちオペレーション222では、処置中像形成システムの複数の投射において患者のライブ映像がキャプチャーされる。オペレーション223では、投射の1つが選択される。オペレーション224では、ROIの1つがターゲット検出のために選択される。オペレーション225では、選択されたROI(ターゲットのDRR映像を含む)を、それに対応する処置中のX線映像(上述した全体的な事前位置合わせの患者を表す)上にオーバーレイし、そして処置中のX線映像のサーチ窓内でサーチを遂行することによりターゲット位置を検出するためにターゲット登録が遂行される。一実施形態では、サーチアルゴリズムは、全体的な位置合わせに使用されるもの(例えば、類似性の尺度の計算及び類似性を最大にするための勾配サーチ)と同じでよいが、サーチ窓のエリアに制約がある。他の実施形態では、サーチは、最大の類似性尺度のためのサーチ窓内の決定論的なサーチ(例えば、ラスタサーチ)でよい。更に、サーチは、以下に述べるように、多レベルマッチングを使用して、登録プロセスをスピードアップしてもよい。図10Aないし10Cは、このプロセスを示す。
【0047】
図10Aは、2D輪郭801A及び当該領域802Aを示す図8Aのセグメント化されたDRR800Aの複写である。図10Bは、サーチ窓803Aを有する投射Aにおける対応する処置中のX線映像810を示す。一実施形態では、サーチ窓803Aの面積は、当該領域802Aの面積の2ないし4倍の範囲となるように選択される。他の実施形態では、サーチ窓の面積は、それより大きくても小さくてもよく、経験及び/又は臨床データに基づいて臨床医により決定される。
【0048】
ターゲット検出は、処置中のX線映像810Aのサーチ窓803Aに当該領域802Aをオーバーレイし、サーチ窓803A内で当該領域802Aを移動し(図10Bにおいてサーチ窓803A内の当該領域802Aの多数の例示的位置で示したように)、そして当該領域802Aと、その当該領域802Aが重畳するサーチ窓803Aの部分との間の類似性尺度を最大にする位置をサーチすることによって遂行できる。図10Cに示すように、サーチ窓内での当該領域の移動は、当該領域802Aが処置中のX線映像の腫瘍と適切に位置合わせされたときに最大値805Aを有する類似性尺度面804Aを表す。サーチが類似性面804Aの局部最大値にくっついてサーチ窓の全体的最大値を見出さない確率を減少するために、多レベルサーチを使用することができる。図10Dに示すように、例示的多レベルサーチは、低解像度サーチレベル809で始まり、より高い解像度レベル808、807及び806へと進む。最低の解像度レベル809では、選択されたROI及びサーチ窓の大きさがサブサンプリングによりある倍率で減少される。最低解像度において類似性尺度が最大になると、その結果が、次に高い解像度レベルへ渡され、そこで、類似性尺度が再び最大になり、等々となって、やがて、類似性尺度が最大解像度レベルにおいて最大にされる。図10Dは、4つの解像度レベルを有し、各次々のレベルで解像度が2倍になる一実施形態を示す。他の実施形態は、4つより多い又は少ないレベルを使用し、各レベルに異なる解像度係数を使用する。
【0049】
類似性尺度が最大になると、クオリティ尺度を決定することができる。オペレーション226では、オペレーション225における先行するサーチアルゴリズムにより決定されたターゲットの公称位置の周りにシフト相関窓の第1セットが画成される。各シフト相関窓は、交渉ターゲット位置から異なる量でオフセットされ、各シフト相関窓は、ターゲット及びその周囲の組織の異なる部分を含むことになる。オペレーション227では、各シフト相関窓は、処置中のX線映像において登録され(オペレーション225と同様に)、それに対応する処置中のX線映像においてシフト相関窓の第2のマッチングセットを見出す。図11Aは、DRR800A内に画成されたシフト相関窓815Aの第1グループを示す。シフト相関窓815Aの同じグループが、図11Bにおいて処置中のX線映像810Aにオーバーレイされる。
【0050】
オペレーション225における初期ターゲット検出が正しかった場合には、処置中のX線映像におけるマッチングシフト相関窓のセットが、ほとんど又は全く動かないシフト相関窓の第1セットの位置に一致(マッチ)する。即ち、各マッチングシフト相関窓の最終的位置は、最良のマッチングが得られたときに、シフト相関窓の第1セットの初期位置に接近することになる。逆に、初期ターゲット検出が誤っていた場合には、マッチングシフト相関窓の最終位置は、最良のマッチングが得られたときに、シフト相関窓の第1セットの初期位置とはかなり異なるものになり得る。
【0051】
初期位置と最終位置との間の差は、シフト相関窓の第1セットと、シフト相関窓のマッチングセットとの間の処置中のX線映像のx及びy座標の変位として特徴付けることができる。オペレーション228では、クオリティ尺度は、例えば、25個の異なるシフト相関窓の例について、図12A及び12Bに示すように、x及びy方向における平均変位として計算することができる。図12A及び12Bでは、シフト相関窓の変位は、平均値がほぼゼロに等しい範囲内に入る。実際には、使用すべきシフト相関窓の数及び各窓の変位の選択は、臨床医の経験及び/又は臨床データに基づく。他の実施形態では、異なるクオリティ尺度が使用されてもよい(例えば、絶対又は二乗距離の和)。
【0052】
偽の又は不適切な腫瘍検出が図13A及び13Bのグラフにより示されており、ここでは、シフト相関窓のx及びy変位は、著しく可変で且つ不規則である。この結果は、図14A及び14Bに示されており、ここでは、シフト相関窓816A、817A及び818Aの最終位置は、DRR800A及び処置中のX線映像810Aにおける最終位置とは著しく異なる。
【0053】
選択された投射における選択されたROIのクオリティ尺度が決定された後に、プロセスは、オペレーション229において、選択された投射における全てのROIがテストされたかどうか尋ね、もしそうでなければ、オペレーション224−228が繰り返される。選択された投射における全てのROIがテストされた場合には、プロセスは、オペレーション230において、全ての投射がテストされたかどうか尋ねる。もしそうでなければ、全ての投射がテストされるまでオペレーション223ないし229が繰り返される。
【0054】
一般に、処置中のX線映像のクオリティは、当該ボリュームの各投射において同じでないことがある。というのは、X線は、異なる解剖学的構造をもつ異なる経路を経て進行するからである。その結果、上述したクオリティ尺度により決定される、各投射における腫瘍検出のクオリティは、1つの投射においてより高いものとなる。従って、オペレーション227及び228は、付加的なステップを含んでもよい。一実施形態では、1つの投射における高クオリティのターゲット検出を使用して、他の投射におけるサーチ窓に制約を課すことによって別の投射におけるターゲット検出を改善することができる。図15Aは、当該ボリュームの第1投射における処置中のX線映像850Aを示し、ここでは、腫瘍851Aが、上述したシフト相関クオリティ尺度により決定される正しい腫瘍検出でサーチ窓852A内に探索されている。その結果、腫瘍851Aのx及びy座標が良好に定義される。図15Bは、第2の投射における当該ボリュームの処置中のX線を示し、ここでは、初期のサーチが腫瘍851Bを誤って検出し(第2の投射における腫瘍851Aの投射)、低いクオリティ尺度を生じていると仮定する。映像850A及び850Bが同じx軸を共有するので(図3A及び前記説明を参照)、腫瘍851Bのx座標は、腫瘍851Aのx座標によって定義され、そして制約の課せられたサーチ窓852Bが映像850Bに画成され、これは、サーチをx軸に制限すると共に映像850Bのy軸でのサーチを最適化できるようにする。
【0055】
ある実施形態では、異なる投射におけるオペレーションを並列に遂行することができる。図16は、ターゲット検出方法500の一実施形態を示すフローチャートである。オペレーション501では、患者の全体的な事前位置合わせ(即ち、オペレーション210)に対応する投射においてDRRに1つ以上のROIが発生され、ここでは、放射線ターゲットの2D輪郭に対して各ROIが画成される。オペレーション502では、DRRにおけるROIが、処置提供システムの各投射においてそれに対応する処置中のX線映像とマッチングされる。オペレーション502は、オペレーション503及び504を含む。
【0056】
オペレーション503では、サーチアルゴリズムに基づいて各投射における処置中のX線映像のサーチ窓内でROIを移動して、類似性尺度を最大にする。オペレーション504では、各投射におけるターゲット検出のためのクオリティ尺度を決定する。オペレーション504は、オペレーション505ないし509を含む。オペレーション505は、選択されたDRRに、シフト相関窓の第1セットを発生する。オペレーション506では、シフト相関窓の第1セットが、それに対応する処置中のX線映像において登録されて、シフト相関窓の第1セットにマッチングするシフト相関窓の第2セットをそれに対応する処置中のX線映像において見出し、シフト相関窓の第1及び第2セットがシフト相関窓のマッチング対を形成するようにする。オペレーション507は、シフト相関窓の第1セット及びシフト相関窓の第2セットからシフト相関窓のマッチング対間の変位を決定する。オペレーション508は、VOIの各投射において腫瘍検出のためのクオリティ尺度を指定する。
【0057】
この方法は、オペレーション509に続き、これは、最も高いクオリティ尺度を有する第1投射におけるROIを選択し、第2投射におけるサーチ窓を制限する。次いで、オペレーション510は、第2投射における制限されたサーチ窓内でサーチを行い、第2投射における腫瘍検出のクオリティを最大にする。オペレーション511では、各投射における次のROIが選択され、そしてオペレーション501において方法が繰り返される。
【0058】
一実施形態における方法は、骨構造体をセグメント化して当該ボリューム(VOI)の3D像形成データから除去して、3D像形成データから発生されるDRRにおいて放射線ターゲットが見えるようにし、DRRを処置中のX線映像とマッチングさせ、放射線ターゲットの2D輪郭を含むDRR内の当該領域を選択し、そしてマッチング処置中のX線映像のサーチ窓内でサーチを行って、ROIをそのマッチング処置中のX線映像内の対応するROIとマッチングさせることを含む。
【0059】
図17は、本発明の実施形態が具現化される放射線処置を遂行するのに使用できるシステム1300の一実施形態を示す。図17に示されて以下に説明されるように、システム1300は、診断像形成システム1000と、処置プランニングシステム2000と、処置提供システム3000とを備えている。
【0060】
診断像形成システム1000は、その後の医療診断、処置プランニング及び/又は処置提供に使用できる患者の医療診断映像を発生することのできる任意のシステムである。例えば、診断像形成システム1000は、コンピュータ断層撮影(CT)システム、磁気共鳴像形成(MRI)システム、ポジトロン放出断層撮影(PET)システム、超音波システム等でよい。説明を容易にするために、診断像形成システム1000は、時々、CT像形成様式に関連して論じる。しかしながら、上述したような他の像形成様式も使用できる。
【0061】
診断像形成システム1000は、映像ビーム(例えば、X線、超音波、高周波等)を発生するための映像線源1010と、この映像線源1010により発生されるビーム又は(例えば、MRI又はPETスキャンにおいて)映像線源からのビームにより刺激される二次ビーム又は二次放出を検出し及び受信するための映像検出器1020とを備えている。一実施形態では、診断像形成システム1000は、2つ以上の診断X線源と、2つ以上の対応する映像検出器とを備えている。例えば、2つのX線源が、像形成されるべき患者の周りに配置され、互いに角度的に分離して固定され(例えば、90度、45度等)、そして患者を通して、X線源とは直径方向反対側にある映像検出器(1つ又は複数)に向けられる。又、各映像X線源によって照射される単一の大きな映像検出器又は複数の映像検出器が使用されてもよい。或いは又、他の個数及び他の構成の映像線源及び映像検出が使用されてもよい。
【0062】
映像線源1010及び映像検出器1020は、像形成オペレーションを制御し及び映像データを処理するためにデジタル処理システム1030に結合される。診断像形成システム1000は、デジタル処理システム1030、映像線源1010及び映像検出器1020の間にデータ及びコマンドを転送するためにバス又は他の手段1035を備えている。デジタル処理システム1030は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、特殊目的のプロセッサ、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の形式の装置、例えば、コントローラ又は現場でプログラム可能なゲートアレー(FPGA)を含んでもよい。又、デジタル処理システム1030は、メモリ、記憶装置、ネットワークアダプタ等の他のコンポーネント(図示せず)を含んでもよい。デジタル処理システム1030は、例えば、DICOM(医学におけるデジタル像形成及び通信)フォーマットのような標準フォーマットでデジタル診断映像を発生するように構成されてもよい。他の実施形態では、デジタル処理システム1030は、他の標準的又は非標準的デジタル映像フォーマットを発生してもよい。デジタル処理システム1030は、データリンク1500を経て処置プランニングシステム2000へ診断映像ファイル(例えば、前記DICOMフォーマットのファイル)を送信し、データリンクは、例えば、直接的リンク、ローカルエリアネットワーク(LAN)リンク、又はインターネットのようなワイドエリアネットワークリンク(WAN)でよい。更に、システム間に転送される情報は、例えば、遠隔診断又は処置プランニング構成では、システムを接続する通信媒体にわたりプル又はプッシュされてもよい。遠隔診断又は処置プランニングでは、ユーザは、本発明の実施形態を利用して、システムユーザと患者との間に物理的な分離が存在しても、診断又は処置プランニングを行うことができる。
【0063】
処置プランニングシステム2000は、映像データを受け取って処理するための処理装置2010を備えている。処理装置2010は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、特殊目的プロセッサ、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の形式の装置、例えば、コントローラ又は現場でプログラム可能なゲートアレー(FPGA)を表す。処理装置2010は、ここに述べる脊柱セグメント化ツールのように、ここに述べる処置プランニング及び/又は映像処理オペレーションを遂行するインストラクションを実行するように構成される。
【0064】
また、処置プランニングシステム2000は、処理装置2010により実行されるインストラクション及び情報を記憶するためにバス2055により処理装置2010に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)又は他のダイナミック記憶装置を含むシステムメモリ2020も備えている。また、このシステムメモリ2020は、処理装置2010によりインストラクションを実行する間に一時的変数又は他の中間情報を記憶するのにも使用できる。また、システムメモリ2020は、処理装置2010に対するスタティック情報及びインストラクションを記憶するためにバス2055に結合されたリードオンリメモリ(ROM)及び/又は他のスタティック記憶装置を含んでもよい。
【0065】
また、処置プランニングシステム2000は、情報及びインストラクションを記憶するためにバス2055に結合された1つ以上の記憶装置(例えば、磁気ディスクドライブ又は光学的ディスクドライブ)を表す記憶装置2030も備えている。この記憶装置2030は、ここに述べる処置プランニングステップを遂行するためのインストラクションを記憶し及び/又はここに述べる3D像形成データ及びDRRを記憶するのに使用できる。
【0066】
また、処理装置2010は、情報(例えば、VOIの2D又は3D表現)をユーザに表示するために、陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)のようなディスプレイ装置2040にも結合される。キーボードのような入力装置2050は、処理装置2010へ情報及び/又はコマンド選択を通信するために処理装置2010に結合される。また、1つ以上のユーザ入力装置(例えば、マウス、トラックボール又はカーソル方向キー)を使用して、方向情報を通信し、処理装置2010に対するコマンドを選択し、そしてディスプレイ2040上でのカーソルの移動を制御することもできる。
【0067】
処置プランニングシステム2000は、多数の異なる構成及びアーキテクチャーを有することができ、処置プランニングシステム2000より多数のコンポーネント又は少数のコンポーネントを含むことができ、且つ本発明に使用できる処置プランニングシステムの一例に過ぎないことが明らかである。例えば、あるシステムは、周辺バス、専用キャッシュバス、等の複数のバスをしばしば有する。また、処置プランニングシステム2000は、DICOMインポートをサポートするためのMIRIT(医療映像レビュー及びインポートツール)(従って、映像を融合し、ターゲットを異なるシステムにおいて描写し、次いで、プランニング及びドーズ計算のために処置プランニングシステムへインポートすることができる)や、ユーザが種々の像形成様式(例えば、MRI、CT、PET、等)のいずれか1つにおいて処置を行い、プランを立てそしてドーズ分布を見ることができる拡張映像融合能力も含むことができる。処置プランニングシステムは、この技術分野で知られており、従って、更に詳細に説明しない。
【0068】
処置プランニングシステム2000は、そのデータベース(例えば、記憶装置2030に記憶されたデータ)を、処置提供システム3000のような処置提供システムと共有し、従って、処置提供の前に処置プランニングシステムからエクスポートする必要はない。処置プランニングシステム2000は、データリンク2500を経て処置提供システム3000にリンクすることができ、このデータリンクは、データリンク1500について上述したように、直接リンク、LANリンク又はWANリンクでよい。データリンク1500及び2500がLAN又はWAN接続として実施されるときには、診断像形成システム1000、処置プランニングシステム2000及び/又は処置提供システム3000は、それらシステムが互いに物理的に離れるように、分散して配置されてもよいことに注意されたい。或いは又、診断像形成システム1000、処置プランニングシステム2000及び/又は処置提供システム3000は、1つ以上のシステムにおいて互いに一体化されてもよい。
【0069】
処置提供システム3000は、処置プランに従ってターゲットボリュームに規定の放射線ドーズを施すための治療及び/又は手術放射線源3010を備えている。また、処置提供システム3000は、上述した診断映像と登録又は相関して患者を放射線源に対して位置付けるために(ターゲットボリュームを含む)患者ボリュームの処置中映像を捕獲する像形成システム3020も備えている。この像形成システム3020は、上述した像形成システムのいずれを含んでもよい。また、処置提供システム3000は、放射線源3010、像形成システム3020、及び患者支持装置、例えば、処置寝床3040を制御するためのデジタル処理システム3030も備えている。このデジタル処理システム3030は、2つ以上の立体的放射による像形成システム3020からの2D放射線写真映像を、診断像形成システム1000のデジタル処理システム1030により発生されるデジタル再構成放射線写真(例えば、セグメント化された3D映像データからのDRR)、及び処置プランニングシステム2000の処理装置2010により発生されるDRRを登録するように構成される。デジタル処理システム3030は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、特殊目的のプロセッサ、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の形式の装置、例えば、コントローラ又は現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)を含む。また、デジタル処理システム3030は、メモリ、記憶装置、ネットワークアダプタ、等の他のコンポーネント(図示せず)も備えている。デジタル処理システム3030は、バス3045又は他の形式の制御及び通信インターフェイスにより、放射線源3010、像形成システム3020、及び処置寝床3040に結合される。
【0070】
デジタル処理システム3030は、像形成システム3020から得た映像を、前動作の処置プランニング映像とともに登録して、処置提供システム3000内の処置寝床3040上で患者を位置合わせさせると共に、ターゲットボリュームに対して放射線源を正確に位置付けるための方法(例えば、上述した方法1200)を実施することができる。
【0071】
処置寝床3040は、複数(例えば、5つ以上)の自由度を有する別のロボットアーム(図示せず)に結合することができる。寝床アームは、5つの回転自由度及び1つの実質的に垂直の、直線自由度を有する。或いは又、寝床アームは、6つの回転自由度及び1つの実質的に垂直の、直線自由度、又は少なくとも4つの回転自由度を有してもよい。寝床アームは、柱又は壁に垂直に取り付けられるか、或いは台座、床又は天井に水平に取り付けられる。或いは又、処置寝床3040は、カリフォルニアのアキュレイ社によって開発されたAxum(登録商標)処置寝床、又は当業者に知られた別の形式の従来の処置テーブルのような別の機械的メカニズムのコンポーネントでもよい。
【0072】
或いは又、処置提供システム3000は、別の形式の処置提供システム、例えば、ガントリーベース(アイソセンター)の強度変調放射線療法(IMRT)システムでもよい。ガントリーベースのシステムでは、放射線源(例えば、LINAC)は、患者の軸方向切片に対応する平面内で回転するようにガントリーに取り付けられる。次いで、円形回転平面上の多数の位置から放射線が施される。IMRTでは、放射線ビームの形状は、ビームの一部分を阻止できるようにする複葉コリメーターにより、患者に入射する残りのビームが所定の形状になるように画成される。これにより得られるシステムは、アイソセンターで互いに交差してターゲット領域にドーズ分布を与える任意の形状の放射線ビームを発生する。IMRTプランニングでは、最適化アルゴリズムが、メインビームのサブセットを選択すると共に、患者を各サブセットに露出すべき時間長さを決定し、規定のドーズ制約が最良に満足されるようにする。1つの特定の実施形態では、ガントリーベースのシステムは、ジンバル付きの放射線源ヘッドアッセンブリを有する。
【0073】
ここに述べる方法及び装置は、医療診断像形成及び処置のみの使用に限定されないことに注意されたい。別の実施形態では、ここに述べる方法及び装置は、医療技術分野以外の用途、例えば、材料の工業用像形成及び非破壊テスト(例えば、自動車産業におけるモータ閉塞、航空機産業における機体、建設産業における溶接及び石油産業における掘削)並びに地震調査に使用することができる。このような用途では、例えば、「処置」とは、一般的に、処置プランニングシステムによるオペレーションの遂行、例えば、ビーム(例えば、放射線、音響等)の適用を指し、そして「ターゲット」は、非解剖学的物体又はエリアを指す。
【0074】
本発明の実施形態は、ここに述べる種々のオペレーションを含む。これらのオペレーションは、ハードウェアコンポーネント、ソフトウェア、ファームウェア又はその組合せにより遂行できる。ここに述べる種々のバスを経て供給される信号は、他の信号と時間マルチプレクスされて、1つ以上の共通のバスを経て供給することができる。更に、回路コンポーネント又はブロック間の相互接続部は、バス又は単一信号ラインとして示されている。或いは又、これらバスの各々が1つ以上の単一信号ラインでもよく、又、単一信号ラインの各々がバスでもよい。
【0075】
ある実施形態は、マシン読み取り可能な媒体に記憶されるインストラクションを含むコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。これらのインストラクションは、ここに述べるオペレーションを遂行するように汎用プロセッサ又は特殊目的のプロセッサをプログラムするのに使用できる。マシン読み取り可能な媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)により読み取り可能なフォーム(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶又は送信するためのメカニズムを含む。又、マシン読み取り可能な媒体は、これに限定されないが、磁気記憶媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスケット)、光学記憶媒体(例えば、CD−ROM)、磁気−光学記憶媒体、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラマブルメモリ(例えば、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリ、電気的、光学的、音響的又は他の形態の伝播信号(例えば、提供波、赤外線信号、デジタル信号等)、或いは電子的インストラクションを記憶するのに適した別の形式の媒体を含む。
【0076】
更に、ある実施形態は、マシン読み取り可能な媒体が2つ以上のコンピュータシステムに記憶され及び/又はそれにより実行されるような分散型コンピューティング環境において具現化される。更に、コンピュータシステム間で転送される情報は、例えば、リモート診断又は監視システムにおいてコンピュータシステムを接続する通信媒体にわたってプル又はプッシュされてもよい。リモート診断又は監視においては、ユーザは、ユーザと患者との間に物理的な分離が存在しても、患者を診断又は監視することができる。更に、処置提供システムは、処理プランニングシステムから離れていてもよい。
【0077】
前記方法(1つ又は複数)のオペレーションは、特定の順序で図示して説明したが、各方法のオペレーションの順序は、あるオペレーションを逆の順序で行うように、又はあるオペレーションを他のオペレーションと少なくとも一部分同時に行うように、変更されてもよい。別の実施形態では、異なるオペレーションのインストラクション又はサブオペレーションは、間欠的に及び/又は交互に行われてもよい。更に、特定の方法の繰り返しの中で、あるオペレーションを繰り返してもよい。
【0078】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明した。しかしながら、特許請求の範囲に述べた本発明の広い精神及び範囲から逸脱せずに種々の変更や修正がなされ得ることが明らかであろう。従って、明細書及び添付図面は、本発明を例示するためのもので、これに制限するためのものではない。
【符号の説明】
【0079】
201:LINAC
202:ロボットアーム
203A:像形成X線源
203B:像形成X線源
204A:検出器
204B:検出器
206:処置寝床
802:輪郭ベースのROI
803:より大きなROI
804:より小さなROI
1000:診断像形成システム
1010:映像線源
1030:デジタル処理システム
1020:映像検出器
2000:処置プランニングシステム
2020:システムメモリ
2010:処理装置
2030:記憶装置
2040:ディスプレイ
2050:入力装置
3000:処置提供システム
3010:放射線源
3020:像形成システム
3030:デジタル処理システム
3040:処置寝床
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つまでの並進移動方向に動くターゲットを、該ターゲットの直接的な登録を用いて検出するステップと、
前記ターゲットを追跡して、処置ビームを前記ターゲットの動きと同期させるステップと、を備えた方法。
【請求項2】
1つ以上のデジタルで再構成された放射線写真(DRR)がそれに対応するX線映像とマッチングされる処置提供システムにおいて、患者を事前に位置合わせするステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ターゲットを検出する前記ステップは、
前記ターゲットの2D輪郭を発生する段階と、
1つ以上のデジタルで再構成された放射線写真(DRR)の各々において前記ターゲットの2D輪郭を含む当該領域(ROI)を発生する段階と、
前記DRRのROIをそれに対応するX線映像とマッチングさせる段階と、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ROIをマッチングさせる前記段階は、類似性尺度を最大にするサーチアルゴリズムに基づき前記対応するX線映像のサーチ窓内でROIを移動する工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各2D投射においてターゲットを検出するためのクオリティ尺度を決定する工程を更に備え、これは、
選択されたDRRに第1の複数のシフト相関窓を発生し、
前記対応するX線映像における前記第1の複数のシフト相関窓を登録して、前記第1の複数のシフト相関窓にマッチする前記対応するX線映像における第2の複数のシフト相関窓を見出し、前記第1の複数のシフト相関窓及び第2の複数のシフト相関窓は、複数のシフト相関対を構成し、
前記複数のシフト相関対のうちのシフト相関対の各対間の変位を決定し、
VOIの各2D投射においてターゲット検出のためのクオリティ尺度を指定する、ことを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
最も高いクオリティ尺度をもつ第1投射におけるDRRのROIを選択して、第2投射において限定されたサーチ窓を発生し、
前記第2投射における前記限定されたサーチ窓内をサーチして、前記第2投射におけるクオリティ尺度を最大にする、ことを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1投射及び第2投射におけるROIの位置に対応する3D並進移動を計算して、3D基準処置フレームにおけるターゲットの位置を決定することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲットの位置と外部呼吸マーカーとの間の相関モデルで前記ターゲットを追跡して、前記ターゲットの動きと同期して処置を施すことを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記サーチアルゴリズムは多レベル勾配サーチアルゴリズムを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
処置座標系において患者を事前に位置合わせするステップを更に備え、患者を事前に位置合わせするこのステップは、患者のセグメント化された脊柱の2つの2D投射を、2つの対応する投射における患者の2D処置中のX線映像とマッチングさせる段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
処置座標系において患者を事前に位置合わせするステップを更に備え、患者を前位置合わせするこのステップは、患者のセグメント化された脊柱の3つ以上の2D投射を、3つ以上の対応する投射における患者の2D処置中のX線映像とマッチングさせる段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
1つ以上のDRRは、基準マーカーを含み、処置座標系において患者を事前に位置合わせする前記ステップは、1つ以上の2D投射における基準マーカーを、1つ以上の対応する投射における患者の2D処置中のX線映像とマッチングさせる段階を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
1つ以上のDRRは、3D映像データから導出され、この3D映像データは、処置プランニングのためのコンピュータ断層撮影(CT)映像データ、磁気共鳴(MR)映像データ、ポジトロン放出断層撮影(PET)映像データ、及び3D回転血管造影(3DRA)映像データのうちの1つ以上を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲット及び処置線源の相対的な位置を処置プランに適合させ、
前記処理プランに基づいて前記ターゲットに処置を施す、ことを更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項15】
マシンによりアクセスされたときに、そのマシンが、
3つまでの並進移動方向に動くターゲットを、該ターゲットの直接的な登録を用いて検出し、
前記ターゲットを追跡して、処置線源を前記ターゲットの動きと同期させる、
というオペレーションを遂行するようにさせるデータを含むマシンアクセス可能な媒体を備えた製造物。
【請求項16】
前記マシンアクセス可能な媒体は、前記ターゲットを含む1つ以上のデジタルで再構成された放射線写真(DRR)がそれに対応するX線映像とマッチングされる処置提供システムにおいて患者を事前に位置合わせするオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む、請求項15に記載の製造物。
【請求項17】
前記ターゲットの前記検出は、
前記ターゲットの2D輪郭を発生し、
1つ以上のデジタルで再構成された放射線写真(DRR)の各々において前記ターゲットの2D輪郭を含む当該領域(ROI)を発生し、
前記DRRのROIをそれに対応するX線映像とマッチングさせる、
ことを含む、請求項15に記載の製造物。
【請求項18】
前記ROIのマッチングは、類似性尺度を最大にするサーチアルゴリズムに基づき前記X線映像のサーチ窓内でROIを移動することを含む、請求項17に記載の製造物。
【請求項19】
前記マシンアクセス可能な媒体は、
各2D投射においてターゲットを検出するためのクオリティ尺度を決定し、これは、
選択されたDRRに第1の複数のシフト相関窓を発生し、
前記対応するX線映像における前記第1の複数のシフト相関窓を登録して、前記第1の複数のシフト相関窓にマッチする前記対応するX線映像における第2の複数のシフト相関窓を見出し、前記第1の複数のシフト相関窓及び第2の複数のシフト相関窓は、複数のシフト相関対を構成し、
前記複数のシフト相関対のうちのシフト相関対の各対間の変位を決定し、
VOIの各2D投射においてターゲット検出のためのクオリティ尺度を指定する、
ことを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む、請求項18に記載の製造物。
【請求項20】
前記マシンアクセス可能な媒体は、
最も高いクオリティ尺度をもつ第1投射におけるDRRのROIを選択して、第2投射において限定されたサーチ窓を発生し、
前記第2投射における前記限定されたサーチ窓内をサーチして、前記第2投射におけるクオリティ尺度を最大にする、
ことを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む、請求項19に記載の製造物。
【請求項21】
前記マシンアクセス可能な媒体は、前記第1投射及び第2投射におけるROIの位置に対応する3D並進移動を計算して、3D基準処置フレームにおけるターゲットの位置を決定することを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む請求項20に記載の製造物。
【請求項22】
前記マシンアクセス可能な媒体は、前記ターゲットの位置と外部呼吸マーカーとの間の相関モデルで前記ターゲットを追跡して、前記ターゲットの動きと同期して処置を施すことを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む、請求項21に記載の製造物。
【請求項23】
前記サーチアルゴリズムは、多レベル勾配サーチアルゴリズムを含む、請求項18に記載の製造物。
【請求項24】
前記マシンアクセス可能な媒体は、処置座標系において患者を事前に位置合わせすることを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含み、前記患者を事前に位置合わせすることは、患者のセグメント化された脊柱の2つの2D投射を、2つの対応する投射における患者の2DX線映像とマッチングさせることを含む、請求項15に記載の製造物。
【請求項25】
前記マシンアクセス可能な媒体は、処置座標系において患者を事前に位置合わせすることを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含み、前記患者を事前に位置合わせすることは、患者のセグメント化された脊柱の3つ以上の2D投射を、3つ以上の対応する投射における患者の2DX線映像とマッチングさせることを含む、請求項15に記載の製造物。
【請求項26】
1つ以上のDRRは、基準マーカーを含み、処置座標系において患者を事前に位置合わせすることは、1つ以上の2D投射における基準マーカーを、1つ以上の対応する投射における患者の2D処置中のX線映像とマッチングさせることを含む、請求項16に記載の製造物。
【請求項27】
1つ以上のDRRは、3D映像データから導出され、この3D映像データは、処置プランニングのためのコンピュータ断層撮影(CT)映像データ、磁気共鳴(MR)映像データ、ポジトロン放出断層撮影(PET)映像データ、及び3D回転血管造影(3DRA)映像データのうちの1つ以上を含む、請求項17に記載の製造物。
【請求項28】
前記マシンアクセス可能な媒体は、
前記ターゲット及び処置線源の相対的な位置を処置プランに適合させ、
前記処理プランに基づいて前記ターゲットに処置を施す、
ことを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む、請求項21に記載の製造物。
【請求項29】
第1処理装置、像形成システム、及び放射線処置線源を含む処置提供システムを備え、前記第1処理装置は、3つまでの並進移動方向に動くターゲットを検出及び処理するために前記像形成システムを制御するように構成されたシステム。
【請求項30】
第2処理装置及びディスプレイ装置を含む処置プランニングシステムを更に備え、前記第2処理装置は、
脊柱をセグメント化して当該ボリューム(VOI)の3D映像データから除去して、ターゲットを見えるようにし、
複数のデジタルで再構成された放射線写真(DRR)を、3D映像データの1つ以上の2D投射における3D映像データから発生し、各DRRは、ターゲットの2D輪郭と、該2D輪郭の周りの当該領域(ROI)とを含み、更に、
複数のDRRを前記ディスプレイ装置に表示する、というように構成された請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
ターゲットを検出するために、前記第1処理装置は、対応するX線映像のサーチ窓において前記複数のDRRのうちのDRRのROIをマッチングするように構成された、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
ROIをマッチングするために、前記第1処理装置は、類似性尺度を最大にするサーチアルゴリズムに基づき前記対応するX線映像のサーチ窓内でROIを移動するように構成された、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1処理装置は、各2D投射においてターゲットを検出するためのクオリティ尺度を決定するように更に構成され、前記第1処理装置は、
DRRにシフト相関窓の第1セットを発生し、
前記対応するX線映像における前記シフト相関窓の第1セットを登録して、それに対応する処置中のX線映像においてマッチングシフト相関窓のセットを見出し、
前記マッチングシフト相関窓の対間の変位を決定し、
VOIの各2D投射においてターゲット検出のためのクオリティ尺度を指定する、
というように構成された請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1処理装置は、最も高いクオリティ尺度をもつ第1投射におけるDRRのROIを選択して、第2投射において限定されたサーチ窓を発生し、且つ前記第2投射における前記限定されたサーチ窓内をサーチして、前記第2投射におけるクオリティ尺度を最大にするように更に構成された、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記第1処理装置は、前記第1投射及び第2投射におけるROIの位置に対応する3D並進移動を計算して、3D基準処置フレームにおけるターゲットの位置を決定するように更に構成された、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記第1処理装置は、前記ターゲットの位置と外部呼吸マーカーとの間の相関モデルで前記ターゲットを追跡して、前記ターゲットの動きと同期して処置を施すように更に構成された、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記処置提供システムは、患者位置付けシステムを更に備え、前記第1処理装置は、患者のセグメント化された脊柱の2つの2D投射を、2つの対応する投射における患者の2DX線映像とマッチングさせることにより処置座標系において患者を事前に位置合わせするように更に構成された、請求項29に記載のシステム。
【請求項38】
前記処置提供システムは、患者位置付けシステムを更に備え、前記第1処理装置は、患者のセグメント化された脊柱の3つ以上の2D投射を、3つ以上の対応する投射における患者の2DX線映像とマッチングさせることにより処置座標系において患者を事前に位置合わせするように更に構成された、請求項29に記載のシステム。
【請求項39】
前記処置提供システムは、患者位置付けシステムを更に備え、前記第1処理装置は、患者の基準マーカーを含む1つ以上の2D投射を、1つ以上の対応する投射における患者のX線映像とマッチングさせることにより処置座標系において患者を事前に位置合わせするように更に構成された、請求項29に記載のシステム。
【請求項40】
前記3D映像データは、処置プランニングのためのコンピュータ断層撮影(CT)映像データ、磁気共鳴(MR)映像データ、ポジトロン放出断層撮影(PET)映像データ、及び3D回転血管造影(3DRA)映像データのうちの1つ以上を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項41】
前記第1処理装置は、前記ターゲット及び処置線源の相対的な位置を処置プランに適合させ、そして前記処理プランに基づいて前記処置線源から前記ターゲットに処置を施す、請求項35に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1処理装置及び第2処理装置は、同じ処理装置である、請求項30に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1処理装置及び第2処理装置は異なる処理装置である、請求項30に記載のシステム。
【請求項44】
3つまでの並進移動方向に動くターゲットを、該ターゲットの直接的な登録を用いて検出する手段と、
処置線源を前記ターゲットの動きと同期させる手段と、を備えた装置。
【請求項45】
前記ターゲットの動きを外部マーカーと相関させる手段と、
処置を放射線ターゲットの動きに適合させる手段と、を更に備えた請求項44に記載の装置。
【請求項1】
3つまでの並進移動方向に動くターゲットを、該ターゲットの直接的な登録を用いて検出するステップと、
前記ターゲットを追跡して、処置ビームを前記ターゲットの動きと同期させるステップと、を備えた方法。
【請求項2】
1つ以上のデジタルで再構成された放射線写真(DRR)がそれに対応するX線映像とマッチングされる処置提供システムにおいて、患者を事前に位置合わせするステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ターゲットを検出する前記ステップは、
前記ターゲットの2D輪郭を発生する段階と、
1つ以上のデジタルで再構成された放射線写真(DRR)の各々において前記ターゲットの2D輪郭を含む当該領域(ROI)を発生する段階と、
前記DRRのROIをそれに対応するX線映像とマッチングさせる段階と、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ROIをマッチングさせる前記段階は、類似性尺度を最大にするサーチアルゴリズムに基づき前記対応するX線映像のサーチ窓内でROIを移動する工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各2D投射においてターゲットを検出するためのクオリティ尺度を決定する工程を更に備え、これは、
選択されたDRRに第1の複数のシフト相関窓を発生し、
前記対応するX線映像における前記第1の複数のシフト相関窓を登録して、前記第1の複数のシフト相関窓にマッチする前記対応するX線映像における第2の複数のシフト相関窓を見出し、前記第1の複数のシフト相関窓及び第2の複数のシフト相関窓は、複数のシフト相関対を構成し、
前記複数のシフト相関対のうちのシフト相関対の各対間の変位を決定し、
VOIの各2D投射においてターゲット検出のためのクオリティ尺度を指定する、ことを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
最も高いクオリティ尺度をもつ第1投射におけるDRRのROIを選択して、第2投射において限定されたサーチ窓を発生し、
前記第2投射における前記限定されたサーチ窓内をサーチして、前記第2投射におけるクオリティ尺度を最大にする、ことを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1投射及び第2投射におけるROIの位置に対応する3D並進移動を計算して、3D基準処置フレームにおけるターゲットの位置を決定することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲットの位置と外部呼吸マーカーとの間の相関モデルで前記ターゲットを追跡して、前記ターゲットの動きと同期して処置を施すことを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記サーチアルゴリズムは多レベル勾配サーチアルゴリズムを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
処置座標系において患者を事前に位置合わせするステップを更に備え、患者を事前に位置合わせするこのステップは、患者のセグメント化された脊柱の2つの2D投射を、2つの対応する投射における患者の2D処置中のX線映像とマッチングさせる段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
処置座標系において患者を事前に位置合わせするステップを更に備え、患者を前位置合わせするこのステップは、患者のセグメント化された脊柱の3つ以上の2D投射を、3つ以上の対応する投射における患者の2D処置中のX線映像とマッチングさせる段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
1つ以上のDRRは、基準マーカーを含み、処置座標系において患者を事前に位置合わせする前記ステップは、1つ以上の2D投射における基準マーカーを、1つ以上の対応する投射における患者の2D処置中のX線映像とマッチングさせる段階を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
1つ以上のDRRは、3D映像データから導出され、この3D映像データは、処置プランニングのためのコンピュータ断層撮影(CT)映像データ、磁気共鳴(MR)映像データ、ポジトロン放出断層撮影(PET)映像データ、及び3D回転血管造影(3DRA)映像データのうちの1つ以上を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲット及び処置線源の相対的な位置を処置プランに適合させ、
前記処理プランに基づいて前記ターゲットに処置を施す、ことを更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項15】
マシンによりアクセスされたときに、そのマシンが、
3つまでの並進移動方向に動くターゲットを、該ターゲットの直接的な登録を用いて検出し、
前記ターゲットを追跡して、処置線源を前記ターゲットの動きと同期させる、
というオペレーションを遂行するようにさせるデータを含むマシンアクセス可能な媒体を備えた製造物。
【請求項16】
前記マシンアクセス可能な媒体は、前記ターゲットを含む1つ以上のデジタルで再構成された放射線写真(DRR)がそれに対応するX線映像とマッチングされる処置提供システムにおいて患者を事前に位置合わせするオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む、請求項15に記載の製造物。
【請求項17】
前記ターゲットの前記検出は、
前記ターゲットの2D輪郭を発生し、
1つ以上のデジタルで再構成された放射線写真(DRR)の各々において前記ターゲットの2D輪郭を含む当該領域(ROI)を発生し、
前記DRRのROIをそれに対応するX線映像とマッチングさせる、
ことを含む、請求項15に記載の製造物。
【請求項18】
前記ROIのマッチングは、類似性尺度を最大にするサーチアルゴリズムに基づき前記X線映像のサーチ窓内でROIを移動することを含む、請求項17に記載の製造物。
【請求項19】
前記マシンアクセス可能な媒体は、
各2D投射においてターゲットを検出するためのクオリティ尺度を決定し、これは、
選択されたDRRに第1の複数のシフト相関窓を発生し、
前記対応するX線映像における前記第1の複数のシフト相関窓を登録して、前記第1の複数のシフト相関窓にマッチする前記対応するX線映像における第2の複数のシフト相関窓を見出し、前記第1の複数のシフト相関窓及び第2の複数のシフト相関窓は、複数のシフト相関対を構成し、
前記複数のシフト相関対のうちのシフト相関対の各対間の変位を決定し、
VOIの各2D投射においてターゲット検出のためのクオリティ尺度を指定する、
ことを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む、請求項18に記載の製造物。
【請求項20】
前記マシンアクセス可能な媒体は、
最も高いクオリティ尺度をもつ第1投射におけるDRRのROIを選択して、第2投射において限定されたサーチ窓を発生し、
前記第2投射における前記限定されたサーチ窓内をサーチして、前記第2投射におけるクオリティ尺度を最大にする、
ことを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む、請求項19に記載の製造物。
【請求項21】
前記マシンアクセス可能な媒体は、前記第1投射及び第2投射におけるROIの位置に対応する3D並進移動を計算して、3D基準処置フレームにおけるターゲットの位置を決定することを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む請求項20に記載の製造物。
【請求項22】
前記マシンアクセス可能な媒体は、前記ターゲットの位置と外部呼吸マーカーとの間の相関モデルで前記ターゲットを追跡して、前記ターゲットの動きと同期して処置を施すことを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む、請求項21に記載の製造物。
【請求項23】
前記サーチアルゴリズムは、多レベル勾配サーチアルゴリズムを含む、請求項18に記載の製造物。
【請求項24】
前記マシンアクセス可能な媒体は、処置座標系において患者を事前に位置合わせすることを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含み、前記患者を事前に位置合わせすることは、患者のセグメント化された脊柱の2つの2D投射を、2つの対応する投射における患者の2DX線映像とマッチングさせることを含む、請求項15に記載の製造物。
【請求項25】
前記マシンアクセス可能な媒体は、処置座標系において患者を事前に位置合わせすることを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含み、前記患者を事前に位置合わせすることは、患者のセグメント化された脊柱の3つ以上の2D投射を、3つ以上の対応する投射における患者の2DX線映像とマッチングさせることを含む、請求項15に記載の製造物。
【請求項26】
1つ以上のDRRは、基準マーカーを含み、処置座標系において患者を事前に位置合わせすることは、1つ以上の2D投射における基準マーカーを、1つ以上の対応する投射における患者の2D処置中のX線映像とマッチングさせることを含む、請求項16に記載の製造物。
【請求項27】
1つ以上のDRRは、3D映像データから導出され、この3D映像データは、処置プランニングのためのコンピュータ断層撮影(CT)映像データ、磁気共鳴(MR)映像データ、ポジトロン放出断層撮影(PET)映像データ、及び3D回転血管造影(3DRA)映像データのうちの1つ以上を含む、請求項17に記載の製造物。
【請求項28】
前記マシンアクセス可能な媒体は、
前記ターゲット及び処置線源の相対的な位置を処置プランに適合させ、
前記処理プランに基づいて前記ターゲットに処置を施す、
ことを含むオペレーションを前記マシンが遂行するようにさせるデータを更に含む、請求項21に記載の製造物。
【請求項29】
第1処理装置、像形成システム、及び放射線処置線源を含む処置提供システムを備え、前記第1処理装置は、3つまでの並進移動方向に動くターゲットを検出及び処理するために前記像形成システムを制御するように構成されたシステム。
【請求項30】
第2処理装置及びディスプレイ装置を含む処置プランニングシステムを更に備え、前記第2処理装置は、
脊柱をセグメント化して当該ボリューム(VOI)の3D映像データから除去して、ターゲットを見えるようにし、
複数のデジタルで再構成された放射線写真(DRR)を、3D映像データの1つ以上の2D投射における3D映像データから発生し、各DRRは、ターゲットの2D輪郭と、該2D輪郭の周りの当該領域(ROI)とを含み、更に、
複数のDRRを前記ディスプレイ装置に表示する、というように構成された請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
ターゲットを検出するために、前記第1処理装置は、対応するX線映像のサーチ窓において前記複数のDRRのうちのDRRのROIをマッチングするように構成された、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
ROIをマッチングするために、前記第1処理装置は、類似性尺度を最大にするサーチアルゴリズムに基づき前記対応するX線映像のサーチ窓内でROIを移動するように構成された、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1処理装置は、各2D投射においてターゲットを検出するためのクオリティ尺度を決定するように更に構成され、前記第1処理装置は、
DRRにシフト相関窓の第1セットを発生し、
前記対応するX線映像における前記シフト相関窓の第1セットを登録して、それに対応する処置中のX線映像においてマッチングシフト相関窓のセットを見出し、
前記マッチングシフト相関窓の対間の変位を決定し、
VOIの各2D投射においてターゲット検出のためのクオリティ尺度を指定する、
というように構成された請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1処理装置は、最も高いクオリティ尺度をもつ第1投射におけるDRRのROIを選択して、第2投射において限定されたサーチ窓を発生し、且つ前記第2投射における前記限定されたサーチ窓内をサーチして、前記第2投射におけるクオリティ尺度を最大にするように更に構成された、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記第1処理装置は、前記第1投射及び第2投射におけるROIの位置に対応する3D並進移動を計算して、3D基準処置フレームにおけるターゲットの位置を決定するように更に構成された、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記第1処理装置は、前記ターゲットの位置と外部呼吸マーカーとの間の相関モデルで前記ターゲットを追跡して、前記ターゲットの動きと同期して処置を施すように更に構成された、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記処置提供システムは、患者位置付けシステムを更に備え、前記第1処理装置は、患者のセグメント化された脊柱の2つの2D投射を、2つの対応する投射における患者の2DX線映像とマッチングさせることにより処置座標系において患者を事前に位置合わせするように更に構成された、請求項29に記載のシステム。
【請求項38】
前記処置提供システムは、患者位置付けシステムを更に備え、前記第1処理装置は、患者のセグメント化された脊柱の3つ以上の2D投射を、3つ以上の対応する投射における患者の2DX線映像とマッチングさせることにより処置座標系において患者を事前に位置合わせするように更に構成された、請求項29に記載のシステム。
【請求項39】
前記処置提供システムは、患者位置付けシステムを更に備え、前記第1処理装置は、患者の基準マーカーを含む1つ以上の2D投射を、1つ以上の対応する投射における患者のX線映像とマッチングさせることにより処置座標系において患者を事前に位置合わせするように更に構成された、請求項29に記載のシステム。
【請求項40】
前記3D映像データは、処置プランニングのためのコンピュータ断層撮影(CT)映像データ、磁気共鳴(MR)映像データ、ポジトロン放出断層撮影(PET)映像データ、及び3D回転血管造影(3DRA)映像データのうちの1つ以上を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項41】
前記第1処理装置は、前記ターゲット及び処置線源の相対的な位置を処置プランに適合させ、そして前記処理プランに基づいて前記処置線源から前記ターゲットに処置を施す、請求項35に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1処理装置及び第2処理装置は、同じ処理装置である、請求項30に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1処理装置及び第2処理装置は異なる処理装置である、請求項30に記載のシステム。
【請求項44】
3つまでの並進移動方向に動くターゲットを、該ターゲットの直接的な登録を用いて検出する手段と、
処置線源を前記ターゲットの動きと同期させる手段と、を備えた装置。
【請求項45】
前記ターゲットの動きを外部マーカーと相関させる手段と、
処置を放射線ターゲットの動きに適合させる手段と、を更に備えた請求項44に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図10C】
【図10D】
【図11A−11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A−14B】
【図16】
【図17】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図15A】
【図15B】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図10C】
【図10D】
【図11A−11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A−14B】
【図16】
【図17】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図15A】
【図15B】
【公表番号】特表2010−508895(P2010−508895A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535265(P2009−535265)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/021884
【国際公開番号】WO2008/057166
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(505172824)アキュレイ インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/021884
【国際公開番号】WO2008/057166
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(505172824)アキュレイ インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
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