説明

直管型ランプ及びそれに用いるランプソケット並びに照明器具

【課題】蛍光ランプの代替光源用に用意されたランプソケットへは装着でき、且つ、蛍光ランプ用のランプソケットへの誤装着が起こりにくい直管型ランプ及びランプソケット並びにそれを用いる照明器具を提供する。
【解決手段】直管型ランプ10Bは、光源として発光ダイオードを備え、直管型蛍光ランプの代替光源として用いられる。この直管型ランプ10Bは、直管型蛍光ランプとランプ長が同寸法に設定された直管状の発光管11と、発光管11の両端に設けられた口金12と、両側の口金12に2本ずつ設けられ、ランプソケットの給電用端子に電気的に接続される口金ピン13とを備え、各口金ピン13の先端側には外側方向に曲げられた曲げ部17が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管型ランプ及びそれに用いるランプソケット並びに照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭用の照明器具や施設用の照明器具として、直管型蛍光ランプを用いた照明器具が広く用いられてきた。
【0003】
ところで、近年、蛍光ランプに比べて消費電力の低い発光ダイオードを用いたLEDランプが普及しつつあり、直管型蛍光ランプを使用する既設の照明器具にも取付可能なLEDランプが、直管型蛍光ランプの代替光源として市場に提供されている。
【0004】
このようなLEDランプは、直管型蛍光ランプと差し替えが可能なように、直管型蛍光ランプと同じ口金(JIS C 7709−1に規定されたG13形口金)を用いており、発光管の管径及び管長も直管型蛍光ランプと同じ寸法に形成されていた。したがって、直管型蛍光ランプに対応した照明器具のランプソケットに、直管型蛍光ランプに代えて、LEDランプをそのまま装着することが可能であった。
【0005】
また、LEDランプには、電源回路を内蔵し蛍光ランプ用の点灯回路でそのまま点灯可能なものもあるが、専用の点灯回路に交換する必要があるものもある。専用の点灯回路を必要とするLEDランプを、既設の蛍光灯用照明器具で使用する場合、点灯回路をLEDランプ用のものと交換する必要があった。そのため、直管型蛍光ランプを用いる既設の照明器具を、LEDランプが使用できるように改造する場合、点灯回路をLEDランプ用のものに交換するなどの改造を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−30929号公報(段落[0025]−段落[0035]、及び、第1図−第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように直管型蛍光ランプと、その代替光源として提供されたLEDランプは同じ口金を使用しているため、既設の照明器具をLEDランプ用に改造した後でも、再び直管型蛍光ランプが装着されたり、他メーカーのLEDランプが装着される可能性がある。
【0008】
しかしながら、直管型蛍光ランプとLEDランプとでは入力電力の仕様が異なり、またLEDランプでもメーカー毎に入力仕様が異なるため、対象外のランプが誤装着されると、点灯回路に悪影響を与えたり、不点灯が発生するという問題があった。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、意図しないランプソケットに直管型ランプが接続される可能性を低減した直管型ランプ及びそれを用いるランプソケット並びに照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の直管型ランプは、LEDが実装された回路基板を内蔵した直管状の発光管と、前記発光管の両端部の各々に設けられた口金とを備え、前記口金は、前記発光管の軸方向に沿って前記口金から延出する一対の口金ピンを備え、前記口金ピンは、前記口金ピンの先端が前記発光管の外側方向に向かうように形成された曲げ部を備えることを特徴とする。
【0011】
この直管型ランプにおいて、一対の前記口金ピンのうち、一方を直流電源の正極側に接続される口金ピンとし、他方を前記直流電源の負極側に接続される口金ピンとすることも好ましい。
【0012】
この直管型ランプにおいて、前記発光管の両端部に設けられた前記口金のうち、一方の端部に設けられた前記口金の前記口金ピンを直流電源の正極側に接続される口金ピンとし、他方の端部に設けられた前記口金の前記口金ピンを前記直流電源の負極側に接続される口金ピンとすることも好ましい。
【0013】
本発明のランプソケットは、上述の直管型ランプの口金が装着される口金受け部を備え、前記口金受け部には、前記口金ピンが挿入される挿入溝を備え前記発光管の回転に応じて回転させられる回転子と、前記回転子が回転させられた際に前記口金ピンに電気的に接続する給電用端子と、前記曲げ部を逃がす逃がし溝とが設けられたことを特徴とする。
【0014】
また本発明の照明器具は、上述したランプソケットと、上述した直管型ランプと、商用電源を前記直管型ランプに適合した電力に変換して前記ランプソケットを介して前記直管型ランプへ供給する点灯回路とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、口金ピンの先端側に曲げ部が設けられているので、直管型蛍光ランプに対応した既存のランプソケットに、代替光源である直管型ランプが装着される可能性を低減できる。したがって、直管型蛍光ランプを使用する照明器具に、直管型ランプが誤装着される可能性を低減でき、直管型ランプや点灯回路側に不具合が発生する可能性を低減することができる。よって、蛍光ランプの代替光源用に用意されたランプソケットへは装着でき、且つ、蛍光ランプ用のランプソケットへの誤装着が起こりにくい直管型ランプ及びランプソケット並びにそれを用いる照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1の直管型ランプ及びそれに用いるランプソケットを示し、(a)はランプソケットの分解斜視図、(b)はランプ装着時の斜視図である。
【図2】同上の直管型ランプを示し、(a)は外観斜視図、(b)は口金部分の斜視図、(c)は口金部分の平面図である。
【図3】同上の直管型ランプに用いられるランプソケットの外観斜視図である。
【図4】同上の直管型ランプに用いられるランプソケットの断面図である。
【図5】(a)は直管型ランプの口金部分を示す平面図、(b)は直管型蛍光ランプの口金部分を示す平面図である。
【図6】同上の直管型ランプの別形態を示し、(a)は口金部分の斜視図、(b)は口金部分の平面図、(c)は右側から見た側面図である。
【図7】同上の直管型ランプのまた別の形態を示し、(a)は口金部分の斜視図、(b)は口金部分の平面図である。
【図8】同上の直管型ランプ及びランプソケットの説明図である。
【図9】同上の直管型ランプに用いられるランプソケットを示し、(a)は外観斜視図、(b)は口金受け部の要部拡大斜視図である。
【図10】既存の直管型蛍光ランプに用いられるランプソケットを示し、(a)は断面図、(b)は外観斜視図である。
【図11】同上の直管型ランプのさらに別の形態を示し、(a)は口金部分の斜視図、(b)は口金部分の平面図、(c)は右側から見た側面図である。
【図12】実施形態2の直管型ランプ及びランプソケットの説明図である。
【図13】同上の別の直管型ランプ及びランプソケットの説明図である。
【図14】実施形態3の照明器具を示し、(a)は器具本体の外観斜視図、(b)は照明器具の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の技術思想を、光源として発光ダイオードを備える直管型ランプ、及び、この直管型ランプを用いるランプソケット並びに照明器具に適用した実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図10に基づいて説明する。
【0019】
図2(a)に直管型ランプ10Aの外観斜視図を、図2(b)(c)に口金部分の拡大図をそれぞれ示す。この直管型ランプ10Aは、光出力が同等の直管型蛍光ランプとランプ長が同寸法に設定された直管状の発光管11と、この発光管11の両端に設けられた口金12とを備えている。発光管11の内部には、一面に複数個の発光ダイオード16がランプ軸方向に並べて実装された回路基板15が収納されている。発光管11は、発光ダイオード16の光が照射される部位が透光性を有する合成樹脂で形成されており、発光ダイオード16の光は発光管11を透過して外部に照射される。尚、発光管11の全体が透光性材料で形成されていてもよいし、発光ダイオード16の光が照射されない部位に放熱フィン(図示せず)を設け、発光ダイオード16の発熱を外部に効率良く放熱するようにしてもよい。
【0020】
直管型ランプ10Aの両側の口金12には、それぞれ、後述するランプソケット20Aの給電用端子に電気的に接続される各2本の口金ピン13が設けられている。2本の口金ピン13,13は、ランプソケットへの装着時に口金11が回転させられる回転方向に沿って表面が湾曲した板状であって、発光管11の中心軸に対して対称な位置に設けられ、発光管11の中心軸と平行な方向に延びている。また各口金ピン13の先端側には曲げ部14が設けられている。曲げ部14は略直角に曲げられて、内側方向(発光管11の中心軸に向かう方向)に突出している。発光管11の両端に設けた口金12は、機械的な保持と電気的な接続の両方に用いられているが、片側の口金12のみで給電を行ってもよい。両側の口金12で給電する場合は、一方の口金12の口金ピン13が直流電源の正極側に接続され、他方の口金12の口金ピン13が直流電源の負極に接続される。片側の口金12のみで給電する場合は、その口金12に設けられた2本の口金ピン13のうちの一方が直流電源の正極側に接続され、他方が直流電源の負極に接続される。尚、片側の口金12のみで給電を行う場合には、給電に用いる口金12がソケットに接続されている状態で、反対側の口金12に触れても、感電することはない。
【0021】
次に、ランプソケット20Aについて図1、図3及び図4を参照して説明する。尚、ランプソケット20Aの説明では、特にことわりがないかぎり、図4における上下を上下方向、図4における左右を前後方向、図4の紙面と垂直な方向を左右方向として説明を行う。
【0022】
ランプソケット20Aのソケット本体21は、前面側(ランプ側)が開口する箱状のボディ22と、ボディ22の前面開口を閉塞する形でボディ22に取り付けられるカバー23とで構成されており、ボディ22及びカバー23はともに合成樹脂成形品からなる。
【0023】
ボディ22上部の左右両側には、カバー23側に設けた嵌合突起23eがそれぞれ嵌合する嵌合部22dが設けられ、各嵌合部22dに嵌合突起23eをそれぞれ嵌合させることによってソケット本体21が組み立てられる。
【0024】
また、ボディ22の左右の側壁部22bにおいて嵌合部22dの下側には、器具本体101(図10参照)にランプソケット20Aを取り付ける際に器具本体101側に設けたリブ(図示せず)を挿入させる挿入溝22eが、前後方向に沿って設けられている。さらに、ボディ22の底面部には、回転子24を回転自在に支持する筒状の支持軸22cが、前方に突出する形で設けられている。
【0025】
カバー23は、ボディ22の前面開口を閉塞する板状の前壁部23aを有し、前壁部23aの上部には端子カバー23bが一体に設けられ、前壁部23aの下部には前方に突出する円筒状の端子収納部23cが一体に設けられている。端子カバー23bには、電線(図示せず)を挿入させるための複数(本実施形態では4個)の電線挿入孔23dが開口するとともに、左右両端部にはボディ22側に突出する嵌合突起23eが設けられている。また、端子収納部23cには、回転子24の嵌合筒部26が挿入される円形の挿入孔(図示せず)が前面側に設けられるとともに、直管型ランプ10Aの口金ピン13,13が挿入される挿入溝23fが下側に設けられている。
【0026】
回転子24は合成樹脂成形品からなり、円板状の回転子本体25と、回転子本体25の裏面から後方に向かって突出し、支持軸22cに回転子24を回転自在に支持させる略円筒状の嵌合筒部26を一体に備える。ボディ22にカバー23が取り付けられた状態で、カバー23前面の挿入溝に回転子24の嵌合筒部26を挿入すると、嵌合筒部26の筒内に支持軸22cが挿入される。そして、嵌合筒部26の内周面に設けたリブが、支持軸22cの外周面に設けた溝に嵌合することによって、回転子24が支持軸22cに対して回転自在に取り付けられる。回転子本体25には、中心位置を通る線分に沿って一方の端から他方の端まで挿入溝25aが形成されており、この挿入溝25aの左右両側には端子確認用の窓孔25b,25bが設けられている。嵌合筒部26の周面には、挿入溝25aに連なる形で、後方に向かって延びる挿入溝26a,26aがそれぞれ形成されている。また、支持軸22cの周面にも、上下両側部に、前端部に開放された挿入溝22f,22fが前後方向に沿って形成されるとともに、各挿入溝22fに連続して円周方向に延びる逃がし溝22gが形成されている。この逃がし溝22gは口金ピン13の曲げ部14に対応する位置に設けられ、口金12側から見て右回りの方向に延びている。なお、上述した各挿入溝23f,25a,26a,22f及び逃がし溝22gの幅寸法は、直管型ランプ10Aの口金ピン13及びその曲げ部14の直径よりも大きい寸法に設定されている。ここで、ランプソケット20Aが組み立てられた状態で回転子24が図3に示す位置に回転していると、端子収納部23cの挿入溝23fと、回転子本体25の挿入溝25aと、嵌合筒部26の挿入溝26aと、支持軸22cの挿入溝22fが連なった状態となる。直管型ランプ10A及び直管型蛍光ランプを装着する際には、下側からこれらの挿入溝23f,25a,26a,22fに口金ピン13を挿入させることになる。
【0027】
ソケット本体21の内部には、一対の給電用端子27が収納されている。各給電用端子27は、それぞれ弾性を有する導電性材料(例えば銅合金など)からなり、電線挿入孔23dを通してソケット本体21内に挿入される電線(図示せず)が電気的に接続される速結型の電線接続部(図示せず)を備えている。また各給電用端子27には、略V字形に湾曲した接触ばね片27aが一体に設けられている。2つの接触ばね片27aは、端子収納部23c内部の左右両側に、回転子24の回転中心を中心とする円周上に配置されている。ここにおいて、口金ピン13が挿入される挿入溝25aを有し発光管11の回転に応じて回転させられる回転子25と、この回転子25が回転させられた際に口金ピン13に電気的に接続する給電用端子27などから、口金受け部28が構成される。
【0028】
ここで、上方位置に設置された器具本体101にユーザが直管型ランプ10Aを取り付ける際には、発光管11を手に持って、両端にある口金12の口金ピン13をそれぞれソケット本体21の下側から挿入溝23f,25a,26a,22f内に挿入させる。上側の口金ピン13が端子収納部23cの上側縁に当たると、2本の口金ピン13が嵌合筒部26の外周面に対して上下両側に配置される。また各口金ピン13の曲げ部14は、支持軸22cに設けられた逃がし溝22gの開口部に位置しているので、口金ピン13,13を嵌合筒部26の外周面に沿って回転させることができる。而して、ユーザが発光管11を約90度回転させると、回転子24は口金ピン13に押されて、口金12と共に回転し、口金ピン13の曲げ部14は逃がし溝22g内に挿入される。このとき、2本の口金ピン13は、それぞれ、対応する接触ばね片27aに接触するので、口金ピン13が給電用端子27に電気的に接続され、点灯装置からの点灯電力がランプソケット20Aを介して直管型ランプ10Aに供給される。また、発光管11が約90度回転すると、口金ピン13は逃がし溝22gの終端位置まで移動し、2本の口金ピン13,13は左右に並んだ状態となる。このとき、挿入溝23f,25a,26a,22fは不連続な状態となり、口金ピン13,13がランプソケット20Aに機械的に保持される。また曲げ部14が設けられていない場合、口金12がランプソケット20Aに装着されている状態でも、発光管11を前側(ランプソケット20Aから離れる方向)へ移動させることができ、電気的な接続が不完全になる可能性がある。それに対して、本実施形態では口金ピン13の曲げ部14が逃がし溝22g内に挿入されており、発光管11が前側(ソケット本体21から離れる方向)へ移動できないようになっている。したがって、口金ピン13が接触ばね片27aと不完全な状態で接触する可能性を低減できる。尚、接触ばね片27aの弾性力によって、接触ばね片27aは口金ピン13に押し付けられているので、接触ばね片27aと口金ピン13とを確実に接触させることができる。また、2本の口金ピン13の外側ピン間寸法W1は、G13形口金の場合の外側ピン間寸法W11と略同じ寸法に設定されているので、口金ピン13と接触ばね片27aとの接触圧を略同じにできる。
【0029】
なお、ランプソケット20Aから直管型ランプ10Aを取り外す場合、直管型ランプ10Aの発光管11を装着時と反対回りに約90度回転させると、口金ピン13に押されて、回転子24が装着時と反対回りに約90度回転する。このとき、挿入溝23f,25a,26a,22fが一列に並ぶので、発光管11を下側へ移動させることによって、口金ピン13を挿入溝23f,25a,26a,22fの外側に移動させ、直管型ランプ10Aをランプソケット20Aから取り外すことができる。
【0030】
ところで、図5(b)に従来からある直管型蛍光ランプ50の口金部分を示す。この直管型蛍光ランプ50は、発光管51と、発光管51の両端に設けられた口金52とを備えている。発光管51は直管状のガラス管からなり、内側壁面には蛍光体が塗布され、内部には放電ガスが封入されている。口金52は、例えば日本工業規格(JIS C 7790−1)で規格化されたG13形口金からなり、発光管51の内側に配置されるフィラメント電極(図示せず)を保持する。また口金52には、フィラメント電極に電気的に接続された2本の口金ピン53が設けられ、2本の口金ピン53は、発光管51の中心軸に対して対称な位置に設けられ、発光管51の中心軸と平行な方向に延びている。
【0031】
ここで、上述のランプソケット20Aにおいて嵌合筒部26の外径寸法D1は、直管型蛍光ランプ50の口金ピン53,53の内側ピン間寸法W12よりも小さい寸法に設定されているので、ランプソケット20Aにも直管型蛍光ランプ50を装着できる。すなわち、本実施形態のランプソケット20Aは、直管型蛍光ランプ50と、直管型蛍光ランプ50の代替光源である直管型ランプ10Aの両方が装着可能なハイブリッドタイプのソケットであり、何れのランプも装着することができる。
【0032】
また、図10(a)(b)は直管型蛍光ランプ50を装着する既存のランプソケット20Cであり、このランプソケット20Cには、口金ピン13に設けた曲げ部14を逃がすための逃がし溝22gが設けられていない。したがって、代替光源である直管型ランプ10Aをランプソケット20Cに装着しようとしても、曲げ部14が支持軸22c(図10(a)のA部)に干渉し、回転子24を回転させることができないため、ランプソケット20Cに装着できないようになっている。すなわち本実施形態の直管型ランプ10Aは、自身に対応したランプソケット20Aには接続可能であるが、直管型蛍光ランプ50に対応した既存のランプソケット20Cには接続できず、意図しないランプソケットに接続される可能性を低減できる。尚、ランプソケット20Cは、逃がし溝22gが設けられていない点を除いては、上述のランプソケット20Aと同様の構成を有しているので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0033】
ところで、図1及び図2に示す直管型ランプ10Aでは、口金ピン13の先端部分の全体を内側方向へ折り曲げることで、曲げ部14が形成されているが、曲げ部14を上記の形状に限定する趣旨のものではない。
【0034】
例えば図6(a)〜(c)に示すように、口金ピン13は、ランプ装着時に口金11が回転させられる方向に沿って表面が湾曲した板状であり、口金ピン13の先端部において、回転方向における側縁の一部を内側方向に曲げることで曲げ部18が形成される。尚、図6の直管型ランプ10Aでは、口金ピン13の先端部において側縁の一部が内側方向へ略直角に折り曲げられているが、側縁の一部を回転方向と交差する方向に折り曲げることによって、内側方向に曲げられた曲げ部18が形成されればよい。
【0035】
この直管型ランプ10Aを、上述した既存のランプソケット20Cに装着しようとしても、曲げ部18を逃がす逃がし溝22gが設けられていないので、曲げ部18が支持軸22cに干渉することによって、ランプソケット20Cに装着できないようになっている。一方、この直管型ランプ10Aをランプソケット20Aに装着する場合は、支持軸22cに設けられた逃がし溝22gに曲げ部18が挿入されるので、ランプソケット20Aへの装着が可能となる。したがって、この直管型ランプ10Aは、自身に対応したランプソケット20Aには接続可能であるが、直管型蛍光ランプ50に対応した既存のランプソケット20Cには接続できず、意図しないランプソケットに接続される可能性を低減できる。尚、口金ピン13の厚み寸法は、G13形口金に設けられた口金ピンの直径よりも小さい寸法に設定されている。
【0036】
また、図1、図2及び図6に示す直管型ランプ10Aでは、内側へ曲げられた曲げ部14,18が口金ピン13に設けられているが、曲げ部14,18の曲げ方向は内側方向に限定されるものではなく、外側に曲げられた曲げ部を口金ピン13に設けてもよい。
【0037】
図7に示す直管型ランプ10Bでは、口金ピン13の先端側が略直角に折り曲げられることで、外側方向(両口金ピン13,13を結ぶ方向において、中心軸と反対側に向かう方向)に突出する曲げ部17が形成されている。尚、曲げ部14の代わりに曲げ部17を形成した点を除いては、上述の直管型ランプ10Aと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0038】
図8及び図9(a)(b)は、この直管型ランプ10Bに対応したランプソケット20Bを示し、端子収納部23cの内側壁には、口金ピン13の曲げ部17を逃がす逃がし溝23gが形成されている。尚、支持軸22cに逃がし溝22gを形成する代わりに、端子収納部23cに逃がし溝23gを形成した点を除いては、上述したランプソケット20Aと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0039】
ここで、このランプソケット20Bにユーザが直管型ランプ10Bを取り付ける際には、発光管11を手に持ち、両端にある口金12の口金ピン13をそれぞれソケット本体21の下側から挿入溝23f,25a,26a,22f内に挿入させる。上側の口金ピン13が端子収納部23cの上側縁に当たると、2本の口金ピン13が嵌合筒部26の外周面に対して上下両側に配置される。また、下側の口金ピン13の曲げ部17は、端子収納部23cに設けられた逃がし溝23gの開口部に位置しているので、口金ピン13,13を嵌合筒部26の外周面に沿って回転させることができる。而して、ユーザが発光管11を回転させると、口金ピン13に押されることによって、口金12と共に回転子24が回転し、口金ピン13の曲げ部17は逃がし溝23g内に挿入される。このとき、2本の口金ピン13は、それぞれ、対応する接触ばね片27aに接触するので、点灯装置からの点灯電力がランプソケット20Bを介して直管型ランプ10Bに供給される。尚、接触ばね片27aの弾性力によって、接触ばね片27aは口金ピン13に押し付けられているので、接触ばね片27aと口金ピン13とを確実に接触させることができる。また、2本の口金ピン13の外側ピン間寸法W2は、G13形口金の場合の外側ピン間寸法W11と略同じ寸法に設定されているので、口金ピン13と接触ばね片27aとの接触圧を略同じにできる。
【0040】
一方、ランプソケット20Bから直管型ランプ10Bを取り外す場合、直管型ランプ10Bの発光管11を装着時と反対回りに約90度回転させると、口金ピン13に押されて、回転子24が装着時と反対回りに約90度回転する。このとき、挿入溝23f,25a,26a,22fが一列に並ぶので、発光管11を下側へ移動させることによって、口金ピン13を挿入溝23f,25a,26a,22fの外側に移動させ、直管型ランプ10Bをランプソケット20Bから取り外すことができる。
【0041】
ところで、直管型蛍光ランプ50に対応した既存のランプソケット20Cには、上述のランプソケット20Bのように、口金ピン13の曲げ部17を逃がすための逃がし溝23gが設けられていない。したがって、既存のランプソケット20Cに直管型ランプ10Bを装着しようとしても、曲げ部17が端子収納部23cの内側壁(図10(a)のB部)に干渉し、回転子24を回転させることがでないため、ランプソケット20Cに装着できないようになっている。
【0042】
尚、図7及び図8に示す直管型ランプ10Bでは、口金ピン13の先端部分の全体を、外側方向へ略直角に折り曲げることで、曲げ部17が形成されているが、曲げ部17を上記の形状に限定する趣旨のものではない。
【0043】
例えば図11(a)〜(c)に示すように、口金ピン13は、ランプ装着時に口金11が回転させられる方向に沿って表面が湾曲した板状であり、口金ピン13の先端部において、回転方向における側縁の一部を外側方向に曲げることで曲げ部19が形成される。尚、図11の直管型ランプ10Aでは、口金ピン13の先端部において側縁の一部が外側方向へ略直角に折り曲げられているが、側縁の一部を回転方向と交差する方向に折り曲げることによって、外側方向に曲げられた曲げ部19が形成されればよい。
【0044】
この直管型ランプ10Bを、上述した既存のランプソケット20Cに装着しようとしても、曲げ部19を逃がす逃がし溝23gが設けられていないので、曲げ部19が端子収納部23cの内側壁に干渉することによって、ランプソケット20Cに装着できないようになっている。一方、この直管型ランプ10Bをランプソケット20Bに装着する場合は、端子収納部23の内側壁に設けられた逃がし溝23gに曲げ部19が挿入されるので、ランプソケット20Bへの装着が可能となる。したがって、この直管型ランプ10Aは、自身に対応したランプソケット20Bには接続可能であるが、直管型蛍光ランプ50に対応した既存のランプソケット20Cには接続できず、意図しないランプソケットに接続される可能性を低減できる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の直管型ランプ10A,10Bは、直管型蛍光ランプ50とランプ長が同寸法に設定された直管状の発光管11と、発光管11の両端に設けられた口金12と、各々の口金12に設けられた各2本の口金ピン13を備えている。口金ピン13は、ランプソケット20A,20Bの接触ばね片27a(給電用端子27)に電気的に接続され、ランプソケット20A,20Bを介して点灯電力の供給を受ける。また、各口金ピン13の先端側には、直管型蛍光ランプ用のランプソケットへの誤装着を抑制するための曲げ部14,17,18,19が設けられている。
【0046】
このように、口金ピン13の先端側に曲げ部14,17,18,19が設けられているので、直管型蛍光ランプ50に対応した既存のランプソケット20Cに、代替光源である直管型ランプ10A,10Bが装着される可能性を低減できる。したがって、直管型蛍光ランプ50を使用する照明器具に、直管型ランプ10A,10Bが誤装着される可能性を低減でき、直管型ランプ10A,10Bや点灯回路側に不具合が発生する可能性を低減することができる。また口金ピン13に曲げ部14,17,18,19が設けられているので、例えばG13形口金を備える直管型蛍光ランプ50と容易に区別がつき、蛍光ランプと間違える可能性を低減できる。また口金ピン13の曲げ部14,17,18,19がランプソケット20A,20Bの逃がし溝22g,23gに引っ掛かることで、口金ピン13が中途半端に外れにくくなり、口金ピン13と給電用端子27との不完全な接続状態が起こりにくくなる。
【0047】
またランプソケット20A,20Bでは、回転子24を回転自在とする嵌合筒部26の外径寸法が、直管型ランプ10A,10Bの内側ピン間寸法よりも大きく、且つ、G13形口金の場合の内側ピン間寸法W12より大きい寸法に設定されている。
【0048】
したがって、ランプソケット20A,20Bは、直管型蛍光ランプ用の既存のランプソケットに逃がし溝を形成するだけでよく、G13形口金を有する直管型蛍光ランプと代替光源である直管型ランプの両方を接続することができる。よって、現時点では点灯回路が蛍光ランプ用の回路で構成され、光源として直管型蛍光ランプ50を使用する場合でも、点灯回路を代替光源用のものに交換するだけで、代替光源である直管型ランプ10A,10Bを装着して使用できるようになる。
【0049】
また直管型ランプ10A,10Bでは、口金ピン13の長さh1,h2、及び、2本の口金ピン13の外側ピン間寸法W1,W2が、直管型蛍光ランプ50が備えるG13形口金に対応した寸法に設定されている。
【0050】
これにより、直管型ランプ10A,10Bが装着されるランプソケット20A,20Bと、直管型蛍光ランプ50が装着されるランプソケット20Cとで、部品の共通化を図ることができ、コストダウンを図ることができる。例えばランプソケット20Aでは、口金ピン13の曲げ部14,18を逃がす逃がし溝22gを除いて、ランプソケット20Cと同じ形状を有しているので、カバー23と回転子24と給電用端子27をランプソケット20Cと共通化できる。またランプソケット20Bでは、口金ピン13の曲げ部17,19を逃がす逃がし溝23gを除いて、ランプソケット20Cと同じ形状を有しているので、ボディ22と回転子24と給電用端子27をランプソケット20Cと共通化できる。さらに、代替光源である直管型ランプ10A、10Bでは、2本の口金ピン13の外側ピン間寸法が、G13形口金を有する直管型蛍光ランプと略同じ寸法に設定されているので、ランプソケット側の給電用端子との接触圧を略同じにできる。
【0051】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図12及び図13に基づいて説明する。尚、実施形態1で説明した直管型ランプ及びランプソケットと共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0052】
実施形態1で説明したランプソケット20Aには、直管型ランプ10Aと直管型蛍光ランプ50の両方が接続可能となっているが、本実施形態では代替光源である直管型ランプ10Aのみを装着可能としている。
【0053】
すなわち本実施形態では、図12に示すように、直管型ランプ10Aの内側ピン間寸法W3が、直管型蛍光ランプ50の内側ピン間寸法W12よりも大きい寸法に設定されている(W3>W12)。またランプソケット20Aでは、回転子24を回転自在とする嵌合筒部26の外径寸法D2が、直管型蛍光ランプ50の内側ピン間寸法W12より大きく、直管型ランプ10Aの内側ピン間寸法W3より小さい寸法に設定されている(W12<D2<W3)。
【0054】
したがって、ランプソケット20Aに直管型蛍光ランプ50を装着しようとしても、口金ピン53が嵌合筒部26に干渉して回転子24を回転させることができないため、直管型蛍光ランプ50を装着できないようになっている。よって、このランプソケット20Aには、代替光源である直管型ランプ10Aは装着可能であるが、直管型蛍光ランプ50は装着できず、適用外のランプが誤装着される可能性を低減することができる。
【0055】
なお、実施形態1で説明したランプソケット20Bにおいても、代替光源である直管型ランプ10Bのみを装着可能にしてもよい。
【0056】
すなわち、図13に示すように回転子24を回転自在とする嵌合筒部26の外径寸法D2が、G13形口金の場合の内側ピン間寸法W12より大きく、且つ、直管型ランプ10Bの内側ピン間寸法W4より小さい寸法に設定されていればよい(W12<D2<W4)。
【0057】
この場合、ランプソケット20Bに直管型蛍光ランプ50を装着しようとしても、口金ピン53が嵌合筒部26に干渉して回転子24を回転させることができないため、直管型蛍光ランプ50を装着できないようになっている。よって、このランプソケット20Bには、代替光源である直管型ランプ10Bは装着可能であるが、直管型蛍光ランプ50は装着できず、適用外のランプが誤装着される可能性を低減することができる。
【0058】
以上説明したように本実施形態では、代替光源である直管型ランプ10A,10Bの口金ピン13の内側ピン間寸法W3,W4が、G13形口金の口金ピン53の内側ピン間寸法W12より大きい寸法に設定されている。そして、回転子24を回転自在とする嵌合筒部26の外径寸法が、G13形口金の口金ピン53の内側ピン間寸法W12より大きく、且つ、直管型ランプ10A,10Bの口金ピン13の内側ピン間寸法W3,W4より小さい寸法に設定されている。
【0059】
これにより、ランプソケット20A,20Bには、代替光源である直管型ランプ10A,10Bは装着可能であるが、直管型蛍光ランプ50は装着することができず、適用外のランプが誤装着される可能性を低減することができる。
【0060】
(実施形態3)
以下に、実施形態1で説明したランプソケット20Aを備える照明器具について図14を参照して説明する。
【0061】
図14(a)に照明器具100の外観斜視図を、図14(b)に照明器具100の概略構成図を示す。
【0062】
照明器具100は直方体状の器具本体101を備え、器具本体101の下面には、直管型ランプ10Aを装着するための一対のランプソケット20A,20Aが、口金受け部28を向かい合わせにして取り付けられている。また器具本体101の内部には、商用電源ACからの電源線が接続される端子台103と、端子台103を介して入力される商用電源ACを直管型ランプ10Aに適合した電力に変換する点灯回路102が収納されている。点灯回路102の出力端子は、内部配線104を介してランプソケット20A,20Aに接続されており、ランプソケット20A,20Aに装着された直管型ランプ10Aに点灯電力が供給される。
【0063】
ここで、ランプソケット20Aには、代替光源である直管型ランプ10Aと、直管型蛍光ランプ50の両方共に接続できるので、点灯回路102を蛍光ランプ用の点灯回路に交換すれば、直管型蛍光ランプ50を装着して使用できる。また現時点では点灯回路102が蛍光ランプ用の回路で構成され、光源として直管型蛍光ランプ50を使用する場合でも、点灯回路102を代替光源用のものに交換するだけで、代替光源である直管型ランプ10Aを装着して使用できるようになる。
【0064】
尚、ランプソケットとして実施形態2で説明したランプソケット20Aを備えたものでもよいし、ランプソケット20Aの代わりに実施形態1又は2で説明したランプソケット20Bを使用してもよいことは言うまでもない。
【0065】
また、上述の各実施形態では、直管型蛍光ランプ50の代替光源として、光源に発光ダイオードを用いた直管型ランプ10A,10Bを例に説明を行っているが、発光ダイオード以外の光源を用いたランプでもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0066】
10A,10B 直管型ランプ
11 発光管
12 口金
13 口金ピン
14,17,18,19 曲げ部
20A,20B ランプソケット
21 ソケット本体
22c 支持軸
22g 逃がし溝
23g 逃がし溝
24 回転子
25 回転子本体
25a 挿入溝
26 嵌合筒部
27 給電用端子
28 口金受け部
100 照明器具
101 器具本体
102 点灯回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDが実装された回路基板を内蔵した直管状の発光管と、前記発光管の両端部の各々に設けられた口金とを備え、
前記口金は、前記発光管の軸方向に沿って前記口金から延出する一対の口金ピンを備え、
前記口金ピンは、前記口金ピンの先端が前記発光管の外側方向に向かうように形成された曲げ部を備えることを特徴とする直管型ランプ。
【請求項2】
一対の前記口金ピンのうち、一方を直流電源の正極側に接続される口金ピンとし、他方を前記直流電源の負極側に接続される口金ピンとしたことを特徴とする請求項1記載の直管型ランプ。
【請求項3】
前記発光管の両端部に設けられた前記口金のうち、一方の端部に設けられた前記口金の前記口金ピンを直流電源の正極側に接続される口金ピンとし、他方の端部に設けられた前記口金の前記口金ピンを前記直流電源の負極側に接続される口金ピンとしたことを特徴とする請求項1記載の直管型ランプ。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載した直管型ランプの口金が装着される口金受け部を備え、
前記口金受け部には、前記口金ピンが挿入される挿入溝を備え前記発光管の回転に応じて回転させられる回転子と、前記回転子が回転させられた際に前記口金ピンに電気的に接続する給電用端子と、前記曲げ部を逃がす逃がし溝とが設けられたことを特徴とするランプソケット。
【請求項5】
請求項4に記載したランプソケットと、請求項1乃至3の何れか1項に記載した直管型ランプと、商用電源を前記直管型ランプに適合した電力に変換して前記ランプソケットを介して前記直管型ランプへ供給する点灯回路とを備えたことを特徴とする照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−55059(P2013−55059A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−228382(P2012−228382)
【出願日】平成24年10月15日(2012.10.15)
【分割の表示】特願2010−130339(P2010−130339)の分割
【原出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】