説明

直鎖および分枝アルコールならびに直鎖および分枝オレフィンの製造のための一体化フィッシャー−トロプシュプロセス

合成ガスからの高価値のオレフィンおよびアルコールの製造のためのプロセスならびに合成ガスからのα−オレフィンの収率の改善のためのプロセスが開示される。オレフィンのヒドロホルミル化のためのプロセスもまた、開示される。このプロセスは、フィッシャー−トロプシュ合成生成物のすべてまたは一部の脱水を組み入れており、オレフィンおよびパラフィンの混合物を生成する。得られるオレフィン/パラフィン混合物は、オレフィンとパラフィンに分離される。このオレフィンは、必要に応じて、異性体蒸留され、高価値のα−オレフィンを製造する。上記パラフィンは、モノオレフィンに脱水素化され、蒸留によって拒絶された内部オレフィンと合わされて、高価値アルコールへヒドロホルミル化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、仮出願番号第60/497,539号(2003年8月25日出願)への優先権を主張する。
【0002】
(連邦政府による資金援助に基づく研究)
適用されない。
【0003】
(マイクロフィッシュ付録への参照)
適用されない。
【0004】
(発明の分野)
本発明のプロセスは、概して、直鎖および分枝アルコールならびに直鎖および分枝オレフィンの製造に関する。
【背景技術】
【0005】
現在、フィッシャー−トロプシュ合成により高価値生成物を製造する2つの方法が、主に利用されている。第1は、高温フィッシャー−トロプシュ合成であり、これは生成物中で高い割合のオレフィンを生成するが、また実に様々なオレフィン異性体、パラフィン異性体、ナフタレン異性体、芳香族異性体、アルコール異性体、アルデヒド異性体、カルボン酸異性体、カルボン酸エステル異性体を製造する。すべてのこれらの異性体の分離は、非常に困難であり、多数の工程(異性体蒸留(isomeric distillation)、溶媒抽出、および抽出蒸留(extraction distillation)が挙げられる(これらに限定されない))が関与する。第2のプロセスは、低温フィッシャー−トロプシュ合成であり、これは、主に、直鎖パラフィン溶媒、ナフサ、およびワックスを生成する。フィッシャー−トロプシュワックスを種々のイソパラフィン生成物(例えば、イソパラフィン溶媒、ナフサおよび潤滑剤基本原料)に水素化分解および水素異性化(hydroisomerize)するための多くのプロセスが当該分野で公知である。しかし、大量、高価値のオレフィンおよびアルコール用途の多くは、オレフィンおよび/またはアルコール生成物の高直鎖性(high linearity)または特定の枝分かれを必要とする。このような高直鎖性のオレフィンおよびアルコールまたは特定の枝分かれを有するオレフィンおよびアルコールは、高温フィッシャー−トロプシュ生成物から分離するのが非常に困難である。さらに、低温フィッシャー−トロプシュ生成物からこのようなアルコールおよびオレフィンを単離するための実行可能なプロセスは、知られていない。
【0006】
1つの低温フィッシャー−トロプシュプロセスの1つの特徴は、生成物炭化水素の高度の直鎖性である。さらに、その生成物が完全には直鎖でない場合には、枝分かれは、主として、特異的にモノメチルおよび末端である。本明細書中で使用される場合、「末端」は、その鎖の末端から2つ目または3つ目の炭素上の位置を示す。このような低温フィッシャー−トロプシュプロセスは、共有に係る、同時係属中の米国特許出願番号第10/426,154号に記載されており、この米国特許出願は本明細書中に参考として援用される。炭素数に依存して、生成物の約30%〜約90%が直鎖パラフィンで構成され得、そして各炭素数成分の約15%未満、しかしもっとも多く起こりそうには約5%未満がメチル分枝のイソパラフィンであり得る。
【0007】
上記低温フィッシャー−トロプシュ合成生成物のオレフィン含量は、Cでは、50%程度の範囲であり、せいぜい約40%がα−オレフィンであり、約10%は内部オレフィンである。逆に、C14では、全オレフィンは、10%以下であり、5%未満が内部オレフィンである。直鎖パラフィン、イソパラフィン、およびオレフィンに加えて、このような低温フィッシャー−トロプシュプロセスは、一般に炭素数に依存して、約5〜約15%の間の酸素化物を生成する。これらの酸素化物は、主として第1級アルコールである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明の1つの実施形態において、気体または石炭原料から誘導される合成ガスから直鎖アルコールおよび特異的に枝分かれしたアルコールならびに直鎖オレフィンおよび特異的に枝分かれしたオレフィンの製造のための一体化フィッシャー−トロプシュプロセスが提供される。このプロセスは、フィッシャー−トロプシュ合成生成物のすべてまたは一部の脱水を組み入れており、オレフィンおよびパラフィンの混合物を生成する。得られるオレフィン/パラフィン混合物は、オレフィンとパラフィンに分離される。このオレフィンは、必要に応じて、異性体蒸留され(isomerically distilled)得、高価値のα−オレフィンを製造し得る。上記パラフィンは、モノオレフィンに脱水素化され得、蒸留によって除かれ内部オレフィンと合わされて、高価値アルコールへヒドロホルミル化される(hydroformulated)。フィッシャー−トロプシュ合成生成物における第1級アルコールは、特定の留分に異性体蒸留され得、次いで脱水されて直鎖α−オレフィンを、非常に高い収率で形成し、これによって低温フィッシャー−トロプシュ合成からのα−オレフィンの全収率を向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(発明の実施形態の説明)
本発明の一体化フィッシャー−トロプシュプロセスの実施形態は、このフィッシャー−トロプシュ反応を介して炭化水素ストリームを生成するための合成ガスの処理、フィッシャー−トロプシュ生成物の回収、フィッシャー−トロプシュ生成物のすべてまたは一部の触媒的脱水、および相分離によるこの炭化水素の回収を包含する。この一体化プロセスのいくつかの実施形態に組み込まれる任意の工程としては、合成ガスの製造、脱水前のフィッシャー−トロプシュ生成物の分留または蒸留、およびフィッシャー−トロプシュ炭化水素生成物の一部の水素処理(hydroprocessing)が挙げられる。広範なフィッシャー−トロプシュ反応プロセスが公知であり、それらの反応では、反応条件、触媒、および反応器構造が異なる。本発明の一体化フィッシャー−トロプシュプロセスは、任意のこのような反応条件、触媒、および反応器構造とともに使用され得る。以下の説明のために、1つの公知のフィッシャー−トロプシュ合成が記載される。フィッシャー−トロプシュ合成の他の改変は、とりわけ、米国特許第4,973,453号;同6,172,124号;同6,169,120号;および同6,130,259号に記載され;これらの開示は、すべて本明細書中に参考として援用される。
【0010】
3つの基本的な技術が合成ガス、すなわちシンガス(syngas)を生成するために用いられ得、この合成ガスは、フィッシャー−トロプシュ反応の出発物質として使用される。これらは、酸化、改質(リフォーミング)、および自己熱改質を包含する。例として、自己熱改質を用いて炭化水素ガスを液体炭化水素生成物または固体炭化水素生成物に転化するためのフィッシャー−トロプシュ転化システムは、合成ガスユニットを備え、これはリフォーミング触媒(例えば、ニッケル含有触媒)を含む自己熱改質反応器(「ATR」)の形態の合成ガス反応器を備える。転化されるべき軽質炭化水素のストリーム(天然ガスを含んでいてもよい)が、酸素含有ガスとともにATRに導入され、この酸素含有ガスは、圧縮空気、他の圧縮酸素含有ガス、または純粋な酸素であり得る。このATR反応は、供給原料由来の熱および反応熱以外は熱が加えられず、しかも反応器から除熱されない、断熱的であってもよい。この反応は、不足当量条件下で実施され、これによって、酸素/水蒸気/がス混合物が合成ガスに転化される。
【0011】
主として一酸化炭素(CO)および水素ガス(H)から構成される合成ガスを転化するためのフィッシャー−トロプシュ反応は、以下:
2n H + n CO → (−CH−) + n HO (1)
の一般的反応により特徴付けられ得る。
【0012】
非反応性の成分(例えば、窒素)はまた、この合成ガスに含有または混合され得る。これは、合成ガス形成の間に、空気、濃縮空気または何らかの他の純粋でない酸素源が使用される場合に起こり得る。
【0013】
この合成ガスは、合成ユニットに送達され、この合成ユニットは、フィッシャー−トロプシュ触媒を含むフィッシャー−トロプシュ反応器(FTR)を備える。多くのフィッシャー−トロプシュ触媒が、この反応を実施する際に使用され得る。これらの触媒としては、飽和炭化水素および不飽和炭化水素の両方を調製するためのコバルト、鉄、ルテニウム、および他のVIIIB族遷移金属およびこれらの金属の組合せが挙げられる。これらのフィッシャー−トロプシュ触媒は、金属酸化物担体(シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、または酸化チタン)のような担体を含み得る。例えば、約100〜200m/gの表面積を有する遷移アルミナ上のCo触媒は、直径50〜150μmの球形状で使用され得る。その担体上のCo濃度はまた、15〜30%であり得る。特定の触媒促進剤および安定剤が、使用され得る。この安定剤としては、IIA族金属またはIIIB族金属が挙げられ、上記促進剤としては、VIII族またはVIIBからの元素を含み得る。フィッシャー−トロプシュ触媒および反応条件は、所望の反応生成物について(例えば、特定の鎖長もしくは炭素数の炭化水素について)最適であるように選択され得る。以下の反応器構造のいずれもフィッシャー−トロプシュ合成のために用いられ得る:固定床反応器、スラリー床反応器、懸濁気泡塔反応器、流動床反応器、または連続攪拌槽型反応器(CSTR)。FTRは、100〜500psiaの圧力および375°F〜500°Fの温度で稼動され得る。反応器の全ガス空間速度(「GHSV」)は、1000〜8000hr−1であり得る。本発明において有用なフィッシャー−トロプシュ生成物を生成することにおいて有用な合成ガスは、ガス状炭化水素、水素、一酸化炭素および窒素を、約1.8〜約2.4のH/CO比で含み得る。フィッシャー−トロプシュ反応から誘導される炭化水素生成物は、メタン(CH)から100個よりも多い炭素原子を含む高分子量パラフィンワックスの範囲に及び得る。
【0014】
図1を参照して、一体化フィッシャー−トロプシュプロセスの概略が示される。ライン1に含まれる合成ガスは、フィッシャー−トロプシュ反応器(FTR)2に供給される。フィッシャー−トロプシュ生成物のテールガスは、上方でライン3に回収され、フィッシャー−トロプシュ油およびフィッシャー−トロプシュワックスは、ライン4および5を通して分留され回収される。ライン4に回収された生成物は、軽質フィッシャー−トロプシュ液体(Light Fischer Tropsch Liquid)(LFTL)であり、そしてライン5に回収された生成物は、重質フィッシャー−トロプシュ液体(Heavy Fischer Tropsch Liquid)(HFTL)である。あるいは、LFTLおよびHFTLは、さらに少なくとも30−550°F留出物および500°F+残留ストリームにさらに分留され得る。LFTLおよびHFTLはまた、所望の生成物予定表により必要とされる多数の他の留分に分留され得る。
【0015】
HFTLストリームは、付録Aに開示されるプロセスに記載されるように、多くの燃料または潤滑剤生成物に水素処理され得る。水素化分解ナフサオーバーヘッドは、脱水素化され得、分枝モノオレフィンを形成し得る。
【0016】
LFTL留分のすべてまたはその一部は、脱水反応器中で、アルミナ(好ましくは、不動態化アルミナ)上で気化され、そして脱水され、その結果、脱水前にこのLFTLに存在したα−オレフィンおよび脱水により形成されたα−オレフィンのほとんどが、保持される。この脱水反応の間に、アルコールは反応して、以下の式:
R−CH−CH−OH → R−CH=CH + HO (2)
に従って対応するオレフィンを与える。
【0017】
この反応は、約500°Fから約700°F、十分に気化されるストリームを維持するに十分低い圧力で行なわれる。アルコールからオレフィンへの転化率は、95%と100%との間である。脱水LFTLは、次いで凝縮され、それらの相が分離される。この脱水工程は、アルコールを対応するオレフィンに転化することにより上記ストリームのオレフィン含量を高める。
【0018】
相分離の後、非水相は、多数の留分(例えば、C留分およびC10〜C13留分を含む)に分留され得る。これらの留分および沸点/炭素数カットオフは、一般に、所望の生成物予定表に依存する。
【0019】
脱水LFTLストリーム中のα−オレフィンおよび内部オレフィンは、次いで、式(3)により示されるような「OXO」プロセスとして一般に公知のプロセスにおいてヒドロホルミル化され(hydroformulated)得る。アルコールを製造するためのこの「OXO」プロセスは、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,第4版、第1巻、903−8ページ(1991)に詳細に記載されている。
【0020】
R−CH=CH + CO/H → R−CH−CH−CH=O (3)
ヒドロホルミル化(hydroformulation)生成物は、式(3)に示される工程か、または以下の式(4)に示される第2の工程:
R−CH−CH−CH=O + H
R−CH−CH−CH−OH (4)
のいずれかにおいて水素化され、アルコールを形成する。
【0021】
このOXOプロセスは、主に。特定の直鎖生成物対異性体生成物比および反応の圧力により特徴付けられる。従来のOXOプロセスは、約3000psig〜約5000psigの圧力、約110℃〜約180℃の温度、および約1:1のCO:H比で、Co−ヒドロカルボニル触媒を用いる。このOXOプロセスは、2段階反応であり、まずアルデヒドが形成されて分離され、次にそのアルデヒドがアルコールに水素化されるか、または酸に酸化される。
【0022】
Shellにより用いられているプロセスは、約400psigで稼動し、上記カルボニル配位子の1つの代わりにトリブチルホスフィンを配位させたコバルト触媒を使用する。それは、1:2のCO:H比を必要とし、1段でアルコール生成物を生成する。
【0023】
Davy Process Technologyにより使用許諾される、市販のプロセスは、2段の低圧プロセス(約300psig)において、1:1のCO:H比で、トリフェニルホスフィン配位子を有するRh触媒を使用する。Davy Process TechnologyプロセスおよびShellプロセスは、ともに、高直鎖性を有する生成物を生成し、直鎖生成物対分枝生成物の比は、少なくとも約10:1である。
【0024】
OXOプロセスの別の有用な特徴は、それが、内部オレフィンよりもα−オレフィンをはるかに容易に転化し、異性化雰囲気(isomerizing atmosphere)で起こることである。従って、内部オレフィンでさえ、部分的に直鎖アルコールに転化される。Shellプロセスは、供給原料の内部オレフィンの75%を第1級アルコールに転化し、これに対してDavyプロセスは、報告されるところによれば、もっと多くを転化する。通常は、希釈剤を含まない合成ガスが使用されるが、約10〜約60%のNを含む、Syntroleum ATRからの合成ガスは、利用され得る。ヒドロホルミル化(hydroformulation)は、−COH基をオレフィンに付加するので、生成するアルコールのうちの最も軽質のものは、含まれるオレフィンのうちの最も重質のものよりも高く沸騰し、従ってその分離を容易にする。
【0025】
OXO反応およびパラフィンからのアルコールの分留の後、このアルコール混合物は、すぐに販売できる留分になる。このような留分は、例えば、可塑剤として有用なC〜C10アルコールおよび界面活性剤原材料として有用なC11〜C14アルコールを含む。
【0026】
アルコールから分離されたパラフィンは、触媒により、主に内部モノオレフィンに脱水素化され得、この内部オレフィンを主に直鎖アルコールに転化するためのヒドロホルミル化(hydroformulation)に供給され得る。モノオレフィンへの直鎖パラフィンの脱水素化は、少なくともC〜C範囲およびC10〜C14範囲については、周知である。1つの周知の脱水素化プロセスは、UOP PacolTMプロセスである。Syntroleumは、C〜Cパラフィンのモノオレフィンへの脱水素化の実現可能性を示した。
【0027】
さらなる別の実施形態において、C、CおよびC10のOXO第1級アルコールは、価値あるオレフィン対応物を含有する。このような第1級アルコールは、単一の留分に蒸留され得、異性体蒸留において精製され得る。枝分かれした異性体は、可塑剤留分と合わされる。これらの第1級アルコールは、上に既に記載されたプロセスにおいて脱水され得、高純度のα−オレフィンが製造され得る。中間アルコール留分を使用するこの生産経路の利点は、炭素数あたりのα−オレフィンの収率が、特にこれらのより少ない数について大きく向上することである。例えば、Cα−オレフィンおよびCα−オレフィンの収率は、内部オレフィンのほとんどを直鎖第1級アルコール(これは、次いでα−オレフィンに脱水され得る)に転化することにより、3倍または4倍ほども向上され得る。
【0028】
別の実施形態において、脱水LFTLストリームは、相分離の後、モレキュラーシーブを通して処理され得、パラフィンからオレフィンが分離され得る(例えば、UOPのOLEXTMプロセス)。このオレフィンは、次いで別の有用な留分へ蒸留され得る。C、CおよびC10オレフィンは、単一の留分として蒸留され得、次いで内部オレフィンを取り除くための異性体蒸留に供され得る。Cα−オレフィンおよびCα−オレフィンについての高価値用途は、ポリエチレンコモノマーとしての用途である。C10α−オレフィンは、ポリαオレフィン生産についての原材料、合成潤滑剤基本原料である。C10〜C13直鎖オレフィンおよび内部オレフィンは、直鎖アルキルベンゼン原材料および合成アルコール原材料としての容易な用途を見出す。C14〜C18直鎖オレフィンおよび内部オレフィンは、掘穿泥水原材料、潤滑剤添加剤中間体、およびアルキルコハク酸無水物原材料として使用される。モレキュラーシーブ中で分離されるパラフィンは、上記のような脱水素化に供給され、運動モードでモレキュラーシーブに再循環され、パラフィンから内部オレフィンが分離される。脱水素において相対的に少ないα−オレフィンが製造されるので、この原材料は、脱水原材料中の高濃度のα−オレフィンを保存するために、脱水された原材料と混合されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ガスから高価値の直鎖アルコール、分枝アルコールおよび直鎖オレフィンを製造するための一体化プロセスであって、ここで該方法が、以下;
a.)フィッシャー−トロプシュ合成生成物をHFTL留分およびLFTL留分に分離する工程;
b.)該LFTL留分を脱水触媒に接触させて、オレフィンおよびパラフィンを含む脱水LFTL留分を生成する工程;
c.)該脱水LFTL留分を少なくともC〜Cオレフィン/パラフィン留分およびC10〜C13オレフィン/パラフィン留分に分離する工程;ならびに
d.)該C〜Cオレフィン/パラフィン留分およびC10〜C13オレフィン/パラフィン留分を合成ガスと接触させて、C〜Cアルデヒド/パラフィン留分およびC10〜C13アルデヒド/パラフィン留分を形成する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項2】
以下の工程:
e.)前記C〜Cアルデヒド/パラフィン留分およびC10〜C13アルデヒド/パラフィン留分中のアルデヒドを水素ガスと反応させて、C〜Cアルコール/パラフィン留分およびC10〜C13アルコール/パラフィン留分を形成する工程、
を、さらに包含する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
以下の工程:
f.)前記C〜Cアルコール/パラフィン留分およびC10〜C13アルコール/パラフィン留分を蒸留して、C〜Cアルコール留分およびC10〜C13アルコール留分、ならびにC〜Cパラフィン留分およびC10〜C13パラフィン留分を得る工程、
を、さらに包含する、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
以下の工程:
g.)前記C〜Cパラフィン留分およびC10〜C13パラフィン留分を合わせて脱水素化して、オレフィンを含むC〜C13留分を形成する工程;ならびに
h.)該オレフィンを含むC〜C13留分を、工程d)に再循環する工程、
を、さらに包含する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
以下の工程:
i.)前記C〜Cアルコール留分およびC10〜C13アルコール留分を蒸留して、個々の炭素数のアルコール留分を得る工程、
を、さらに包含する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
以下の工程:
j.)1つ以上の個々の炭素数のアルコール留分を異性体蒸留して、個々の炭素数の直鎖アルコール留分の1つ以上の留分を得る工程、
を、さらに包含する、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
以下の工程:
k.)個々の炭素数の直鎖アルコール留分の1つ以上の留分を脱水して、1つ以上の対応する高直鎖性のα−オレフィン留分を形成する工程、
を、さらに包含する、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
以下の工程:
l.)前記HFTLを水素処理して、C〜C分枝ナフサ留分を生成する工程;および
m.)該C〜C分枝ナフサ留分を脱水素化して、C〜C内部オレフィン留分を形成する工程、
を、さらに包含する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
以下の工程:
n.)前記C〜C内部オレフィン留分をヒドロホルミル化する工程であって、以下:
i)該C〜C内部オレフィン留分を合成ガスと反応させて、C〜C分枝アルデヒド/パラフィン留分を形成する工程;および
ii)該C〜C分枝アルデヒド/パラフィン留分を水素ガスと反応させて、C〜C分枝アルコール/パラフィン留分を形成する工程、
を包含する工程、を包含する、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記脱水LFTLが、モレキュラーシーブの上を通され、Cオレフィン留分およびCオレフィン留分が分離される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記Cオレフィン留分およびCオレフィン留分を異性体蒸留して、Cα−オレフィン留分およびCα−オレフィン留分を得る工程を、さらに包含する、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
オレフィンまたはオレフィン/パラフィン混合物と、1:1〜1:2.5のCO:H比を含み、そして10〜65%のNを含む合成ガスとのヒドロホルミル化のためのプロセス。
【請求項13】
合成ガスから高価値の直鎖アルコール、分枝アルコールおよび直鎖オレフィンを製造するための一体化プロセスであって、ここで該方法が、以下;
a.)フィッシャー−トロプシュ合成生成物をHFTL留分およびLFTL留分に分離する工程;
b.)該LFTL留分を脱水触媒に接触させて、オレフィンおよびパラフィンを含む脱水LFTL留分を生成する工程;
c.)該脱水LFTL留分を少なくともC〜Cオレフィン/パラフィン留分およびC10〜C13オレフィン/パラフィン留分に分離する工程;ならびに
d.)該C〜Cオレフィン/パラフィン留分およびC10〜C13オレフィン/パラフィン留分を合成ガスと接触させて、C〜Cアルデヒド/パラフィン/アルコール留分およびC10〜C13アルデヒド/パラフィン/アルコール留分を形成する工程、
を包含する、プロセス。

【公表番号】特表2007−518839(P2007−518839A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524805(P2006−524805)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/027515
【国際公開番号】WO2005/021467
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(503387905)シントロレウム コーポレイション (2)
【氏名又は名称原語表記】SYNTROLEUM CORPORATION
【住所又は居所原語表記】4322 S.49th west Avenue,Tulsa Oklahoma 74107,United States of America
【Fターム(参考)】