説明

相乗的除草剤組成物および雑草防除方法

【課題】栽培植物の作物において雑草を選択的に防除するのに適した除草剤の組合せを含んで成る新規相乗的除草剤組成物を提供する。
【解決手段】常用の不活性製剤助剤に加えて、光学異性体のaRS,1′S(−)−N−(1′−メチル−2′−メトキシエチル)−N−クロロアセチル−2−エチル−6−メチルアニリンおよび(1S,aRS)−2−クロロ−N−(2,4−ジメチル−3−チエニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミドおよび相乗的有効量のイソキサフルトールを含んで成る除草剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培植物の作物、典型的には穀類、トウモロコシ、イネ、セイヨウアブラナ、ビート、サトウキビ、プランテーション(農園植物)、綿花および大豆の作物において雑草を選択的に防除するのに適した除草剤の組合せを含んで成る新規相乗的除草剤組成物に関する。
【0002】
本発明は更に、栽培植物の作物において雑草を防除する方法、およびそのための前記新規組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
式Iの化合物
【0004】
【化1】

【0005】
〔上式中、R1
【0006】
【化2】

【0007】
または
【0008】
【化3】

【0009】
基である〕
は、特に米国特許第5,002,606 号および第5,457,085 号に開示されているように、除草活性を有する。
【0010】
次の式IIの化合物
【0011】
【化4】

【0012】
も、除草剤として、特にBRIGHTON CROP PROTECTION CONFERENCE-Weeds- 1995, Proceedings Volume 1, 35〜42頁から知られている。式IIの化合物と式Iのラセミ体との相乗混合物は国際公開WO 96/03877 に開示されている。
【発明の開示】
【0013】
驚くべきことに、2つの活性成分の組合せ、すなわち式Iの活性成分と式IIの活性成分の組合せの可変量が、栽培植物の作物中に存在する雑草の大部分を出芽前にだけでなく出芽後も防除することができる相乗効果を発揮することを、今ここで発見した。
【0014】
従って、本発明は、常用の不活性製剤補助剤に加えて、活性成分として一方で式Iの化合物
【0015】
【化5】

【0016】
〔上式中、R1
【0017】
【化6】

【0018】
または
【0019】
【化7】

【0020】
基である〕
をそして他方で相乗的有効量の式IIの活性成分
【0021】
【化8】

【0022】
を互いに混合した状態で含んで成る、雑草を選択的に防除するための新規相乗組成物を提案する。
【0023】
式Iの化合物は、光学異性体のaRS,1′S(−)−N−(1′−メチル−2′−メトキシエチル)−N−クロロアセチル−2−エチル−6−メチルアニリンおよび(1S,aRS)−2−クロロ−N−(2,4−ジメチル−3−チエニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミドである。
【0024】
式Iの活性成分と式IIの活性成分の組合せが、理論上予想されるよりも、防除すべき雑草に対して一層大きい付加的作用を有し、そのため特に次の2点において両活性成分の有効範囲を拡大するということは、非常に驚くべきことである。
【0025】
一方で、化合物IおよびIIの有効性が保持されたままで単一化合物IおよびIIの散布量が削減される。他方で、この新規組合せは、低散布量では単一化合物がもはや農業上有効でなくなってしまった場合に高度の雑草防御を達成する。この結果は、雑草に対する活性スペクトルの実質的拡張、および、誤用による除草剤過剰散布の場合に必要であり且つ望ましい栽培植物選択性の更なる増加をもたらす。更に、新規組成物は栽培植物における優れた雑草防除を保持しながら、その後の作物に対してより大きな適応性を提供する。
【0026】
新規除草剤組成物は、多数の農業上重要な雑草、例えばハコベ属(Stellaria) 、ヌカボ属(Agrostis)、メヒシバ属(Digitaria) 、カラスムギ属(Avena) 、エノコログサ属(Setaria) 、シロガラシ属(Sinapis) 、ドクムギ属(Lolium)、ナス属(Solanum) 、ヒエ属(Echinochloa) 、アブラガヤ属(Scirpus) 、コナギ属(Monochoria)、オモダカ属(Sagittaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、モロコシ属セイバンモロコシ(Sorghumhalepense)、ウシノシッペイ属(Rottboellia) 、カヤツリグサ属(Cyperus) 、イチビ属(Abutilon)、キンゴジカ属(Sida)、オナモミ属(Xanthium)、ヒユ属(Amaranthus)、アカザ属(Chenopodium) 、サツマイモ属(Ipomoea) 、キク属(Chrysanthemum) 、ヤエムグラ属(Galium)、スミレ属(Viola) およびクワガタソウ属(Veronica)に対して使用することができる。
【0027】
新規組成物は農業に使われるあらゆる標準散布方法、典型的には出芽前散布、出芽後散布および種子粉衣に適する。
【0028】
新規除草剤組成物は、好ましくは栽培植物、典型的には穀類、セイヨウアブラナ、ビート、サトウキビ、プランテーション、コメ、トウモロコシおよび大豆作物における雑草防除に、並びに非選択的雑草防除にも適当である。新規組成物は好ましくはトウモロコシおよび大豆に使われる。
【0029】
作物とは、通常の育種または遺伝子操作法により除草剤に対してまたは除草剤のクラスに対して耐性にされている作物も意味するものと解釈されるだろう。
【0030】
新規除草剤組成物は式Iの活性成分と式IIの活性成分を任意の割合で含有するが、普通は一方の成分が他方の成分よりも過剰である。式Iの活性成分と式IIの活性成分の好ましい比は1:100 〜100 であり、好ましくは1:10〜10:1である。
【0031】
特に非常に有効な相乗的除草剤組成物は、R1 がA1 基である式Iの化合物と式IIの化合物との組合せであることがわかった。
【0032】
式IとIIの化合物に加えて、新規組成物は保護剤(safener)、特にベノキサコル(Benoxacor)を含むことができる。ベノキサコルは、特にThe Pesticide Manual, 第9版,The British Crop ProtectionCouncil, 第61頁から知られている。ベノキサコルは、式Iの化合物の除草作用に対して、特にR1 がA1 基である式Iの化合物の除草作用に対して栽培植物を保護するための保護剤として知られている。
【0033】
新規組成物が保護剤を含む場合、式Iの除草剤(特にR1 がA1 基である式Iの化合物)対保護剤の重量比は、好ましくは5:1〜40:1、特に20〜1 である。
【0034】
式Iの除草剤の有害作用から栽培植物を保護するための保護剤またはそれを含む組成物を施用するのに、種々の方法および技術を使うことができるが、便利には下記のものである。
i)種子粉衣
a)種子 100kgあたり約1〜500 g までの式IIの活性成分(水和剤4g〜2kg)を使って、保護剤が種子の表面上に均一に分布されるまで容器中で振盪することにより、種子を保護剤の水和剤で粉衣する(乾式処理)。
【0035】
b)方法a)により保護剤の乳剤を使って種子を粉衣する(湿式処理)。
【0036】
c)100 〜1000 ppmの保護剤を含有する混合物中に種子を1〜72時間浸漬し、それらを湿ったままにするかまたは続いてそれらを乾燥することにより粉衣する(浸種)。
【0037】
種子粉衣または出芽した実生の処理は、保護剤処理が標的作物上で十分に濃縮されるので、当然好ましい処理方法である。種子100kgあたり通常1〜1000 g、好ましくは5 〜250 g の解毒剤が使われる。しかしながら、別の活性成分または微量栄養素の使用も許容する使用方法によって、指摘した制限濃度からプラスまたはマイナスの偏差が可能である(反復粉衣)。
ii)タンク混合物としての散布
解毒剤と除草剤の混合物(10:1〜1:100 の反比)から成る液体製剤を使用し、除草剤の濃度は0.05〜4.0 kg/ヘクタールである。そのようなタンク混合物は種まき前または後に散布する。
iii )うね間散布
乳剤、水和剤または粒剤として製剤化された保護剤は、種子が蒔かれているうね間に散布される。うね間をカバーした後、除草剤を常法で出芽前散布する。
iv)保護剤の徐放
保護剤の溶液を無機粒状基質または重合粒質物(尿素/ホルムアルデヒド)に適用し、乾燥する。更に特定期間に渡る保護剤の徐放を可能にするコーティングを施すこともできる(コーティング粒剤)。
【0038】
散布量(施用量)は広範囲に渡り異なることができ、土壌の性質、散布形態(出芽前もしくは出芽後散布、種子粉衣、まき溝への散布、不整地まき等)、栽培植物、防除すべき雑草、各々の卓越気象条件;並びに散布形態および標的作物により左右される他の要因に依存するだろう。除草剤組成物は一般に0.05〜4 kg、好ましくは0.5 〜4 kg/ヘクタールの散布量で散布することができる。
【0039】
式Iの化合物と式IIの化合物の組合せは、未変形の形、すなわち合成で得られる形で用いてもよいが、好ましくは通常の方法で、製剤技術に常用されている補助剤、典型的には溶剤、固形担体または界面活性剤を使って、例えば乳剤に、直接噴霧可能なもしくは希釈可能な液剤、水和剤、溶性粉剤、粉剤、粒剤またはマイクロカプセル剤に加工される。組成物の形態と同様に、意図する目的および卓越した状況に従って、噴霧、散水、散粉、展着、分散または注入といった施用方法が選択される。
【0040】
製剤、すなわち式Iの活性成分と式IIの活性成分および所望により1または複数の製剤補助剤を含有する組成物は、それ自体既知の方法で、例えば活性成分を製剤補助剤(典型的には溶剤または固形担体)と共に均質に混合および/または粉砕することにより、調製される。製剤の調製のために更に界面活性化合物(界面活性剤)を用いてもよい。
【0041】
適当な溶剤は典型的には次のものである:芳香族炭化水素、好ましくは8〜12個の炭素原子を含む留分、例えばキシレン混合物または置換ナフタレン;フタレート、例えばジブチルフタレートまたはジオクチルフタレート;脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサンまたはパラフィン類;アルコールおよびグリコール並びにそれらのエーテルおよびエステル、例えばエタノール、エチレングリコール、2−メトキシエタノールまたは2−エトキシエタノール;ケトン、例えばシクロヘキサノン;強極性溶剤、例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミド;並びに植物油またはエポキシ化植物油、例えばエポキシ化ヤシ油または大豆油;または水。
【0042】
例えば粉剤および分散性粉剤に典型的に使われる固形担体は、一般に天然鉱物充填剤、例えば方解石、タルク、カオリン、モンモリロナイトまたはアタパルジャイトである。物性を改善するために、高分散型珪酸または高分散型吸収性ポリマーを添加することもできる。適当な吸収性担体は多孔質型のもの、例えば軽石、破レンガ、セピオライトまたはベントナイトであり;および適当な非吸収性担体は方解石または砂である。加えて、多数の無機性質の粉砕材料、例えばドロマイト、または微粉砕した植物残査を使うことができる。
【0043】
製剤しようとする式Iの活性成分のタイプに応じて、適当な界面活性化合物は、良好な乳化性、分散性および湿潤性を有する非イオン、陽イオンおよび/または陰イオン界面活性剤である。
【0044】
水溶性石鹸および水溶性合成界面活性化合物は適当な陰イオン界面活性剤である。
【0045】
適当な石鹸は、高級脂肪酸(C10〜C22)のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩もしくは置換アンモニウム塩、例えばオレイン酸もしくはステアリン酸のナトリウム塩もしくはカリウム塩、または特にヤシ油もしくは獣脂から得ることができる天然脂肪酸混合物の前記塩である。
【0046】
しかしながら、いわゆる合成界面活性剤、特に脂肪族スルホネート、脂肪族スルフェート、スルホン化ベンズイミダゾール誘導体またはアルキルアリールスルホネートがより頻繁に用いられる。
【0047】
脂肪アルコールスルホネートまたはスルフェートは通常アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩または置換アンモニウム塩の形であり、それらはアシル基のアルキル成分も含むC8 〜C22アルキル基を含有し、例えば、リグニンスルホン酸の、ドデシルスルホン酸エステルの、または天然脂肪酸から得られる脂肪アルコール硫酸エステルの混合物の、ナトリウム塩またはカルシウム塩である。それらの化合物は更に、硫酸化またはスルホン化脂肪アルコール/エチレンオキシド付加物の塩も含んで成る。スルホン化ベンズイミダゾール誘導体は、好ましくはスルホン酸根2個と炭素原子数8〜22の脂肪酸基1個を含有する。アルキルアリールスルホネートの典型例はドデシルベンゼンスルホン酸の、ジブチルナフタレンスルホン酸の、またはナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合物の、ナトリウム塩、カルシウム塩またはトリエタノールアミン塩である。
【0048】
対応するホスフェート、典型的にはp−ノニルフェノール−(4〜14)エチレンオキシドのリン酸エステルの塩、またはリン脂質も適当である。
【0049】
非イオン界面活性剤は、好ましくは脂肪族もしくは脂環式アルコールのまたは飽和もしくは不飽和脂肪酸とアルキルフェノールのポリグリコールエーテル誘導体であり、前記誘導体は3〜30個のグリコールエーテル基と、(脂肪族)炭化水素成分中に8〜20個の炭素原子をそしてアルキルフェノールのアルキル成分中に6〜18個の炭素原子を含む。
【0050】
更に適当な非イオン界面活性剤は、ポリエチレンオキシドと、ポリプロピレングリコール、エチレンジアミノポリプロピレングリコールおよびアルキル鎖中に炭素原子1〜10個を含むアルキルポリプロピレングリコールとの水溶性重付加物であり、この重付加物はエチレングリコールエーテル基20〜250 個とプロピレングリコールエーテル基10〜100 個を含有する。それらの化合物は一般に1プロピレングリコール単位あたり1〜5エチレングリコール単位を有する。
【0051】
非イオン界面活性剤の典型例は、ノニルフェノールポリエトキシレート、ポリエトキシ化ヒマシ油、ポリプロピレン/ポリエチレンオキシドの重付加物、トリブチルフェノールポリエトキシレート、ポリエチレングリコールおよびオクチルフェノールポリエトキシレートである。
【0052】
ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、典型的にはポリオキシエチレンソルビタントリオレエートも適当な非イオン界面活性剤である。
【0053】
陽イオン界面活性剤は、好ましくはN−置換基として少なくとも1つのC8 〜C22アルキル基と、他の置換基として非置換のまたはハロゲン化された低級アルキル、ベンジルまたはヒドロキシ低級アルキル基とを含有する第四級アンモニウム塩である。それらの塩は好ましくはハロゲン化物、メチル硫酸塩またはエチル硫酸塩の形で存在し、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウムまたは臭化ベンジルビス(2−クロロエチル)エチルアンモニウムである。
【0054】
製剤技術において常用される界面活性剤は、特に"Mc Cutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual", MC Publishing Corp., Ridgewood New Jersey, 1981; Stache, H., "Tensid-Taschenbuch", Carl Hanser Verlag, Munchen/Wien, 1981; および M.& J. Ash, "Encyclopedia of Surfactants", VolI-III, Chemical Publishing Co., New York, 1980-81中に記載されている。
【0055】
除草剤製剤は通常、0.1 〜99重量%、好ましくは0.1 〜95重量%の式Iの化合物と式IIの化合物の活性成分混合物;1〜99.9重量%の固体または液体製剤補助剤;および0〜25重量%、好ましくは0.1 〜25重量%の界面活性剤を含んで成る。
【0056】
市販品は濃縮物として製剤化されるのが好ましいけれども、最終使用者は通常は希釈製剤を使うだろう。
【0057】
該組成物は、追加の成分、例えば安定剤、植物油もしくはエポキシ化植物油(エポキシ化ヤシ油、菜種油もしくは大豆油)、消泡剤、例えばシリコーン油、保存剤、粘度調整剤、結合剤、粘着付与剤、更には肥料または別の活性成分を含んでもよい。
【0058】
好ましい製剤は次の成分から構成される製剤である:(%=重量パーセント)
乳剤:
化合物混合物: 1〜90%、好ましくは5〜20%
界面活性剤: 1〜30%、好ましくは10〜20%
液状担体: 5〜94%、好ましくは70〜85%
粉剤:
化合物混合物: 0.1 〜10%、好ましくは0.1 〜5%
固形担体: 99.9〜90%、好ましくは99.9〜99%
濃縮懸濁液剤:
化合物混合物: 5〜75%、好ましくは10〜50%
水: 94〜24%、好ましくは88〜30%
界面活性剤: 1〜40%、好ましくは2〜30%
水和剤:
化合物混合物: 0.5 〜90%、好ましくは1〜80%
界面活性剤: 0.5 〜20%、好ましくは1〜15%
固形担体: 5〜95%、好ましくは15〜90%
粒剤:
化合物混合物: 0.1 〜30%、好ましくは0.1 〜15%
固形担体: 99.5〜70%、好ましくは97〜85%
本発明を下記の非限定例により例証する。
式Iと式IIの除草剤混合物のための製剤例(%=重量パーセント)
F1.濃縮乳剤 a) b) c) d)
化合物混合物 5% 10% 25% 50%
ドデシルベンゼン 6% 8% 6% 8%
スルホン酸カルシウム
ポリエトキシル化ヒマシ油 4% − 4% 4%
(36モルEO)
オクチルフェノール − 4% − 2%
ポリエトキシレート
(7〜8モルEO)
シクロヘキサノン − − 10% 20%
芳香族炭化水素 85% 78% 55% 16%
9 〜C12混合物
濃縮乳剤を水で希釈することによって任意の所望濃度の乳剤を作製することができる。
F2.液剤 a) b) c) d)
化合物混合物 5% 10% 50% 90%
1−メトキシ−3−(3− − 20% 20% −
メトキシプロポキシ)
プロパン
ポリエチレングリコール 20% 10% − −
MG 400
N−メチル−2−ピロリドン − − 30% 10%
芳香族炭化水素 75% 60% − −
9 〜C12混合物
この液剤は微小滴としての使用に適する。
F3.水和剤 a) b) c) d)
化合物混合物 5% 25% 50% 80%
リグニンスルホン酸 4% − 3% −
ナトリウム
ラウリル硫酸ナトリウム 2% 3% − 4%
ジイソブチルナフタレン − 6% 5% 6%
スルホン酸ナトリウム
オクチルフェノール − 1% 2% −
ポリエトキシレート
(7〜8モルEO)
高分散型珪酸 1% 3% 5% 10%
カオリン 88% 62% 35% −
化合物を補補助剤と徹底的に混合し、そしてこの混合物を適当なミル中で十分に粉砕することにより、水で希釈して任意の所望濃度の懸濁液を作ることができる水和剤が得られる。
F4.コーティング粒剤 a) b) c)
化合物混合物 0.1% 5% 15%
高分散型珪酸 0.9% 2% 2%
無機担体 99.0% 93% 83%
(粒径0.1 〜1 mm)
例CaCO3 またはSiO2
化合物を塩化メチレンに溶かし、その溶液を担体上に噴霧し、そして減圧下で溶剤を除去する。
F5.コーティング粒剤 a) b) c)
化合物混合物 0.1% 5% 15%
ポリエチレングリコール 1.0% 2% 3%
MG 200
高分散型珪酸 0.9% 1% 2%
無機担体 98.0% 92% 80%
(粒径0.1 〜1 mm)
例CaCO3 またはSiO2
微粉砕した化合物を、ミキサー中でポリエチレングリコールで湿らせた担体に均一に加える。こうして無粉塵性コーティング粒剤が得られる。
F6.押出粒剤 a) b) c) d)
化合物混合物 0.1% 3% 5% 15%
リグニンスルホン酸 1.5% 2% 3% 4%
ナトリウム
カルボキシメチルセルロース 1.4% 2% 2% 2%
カオリン 97.0% 93% 90% 79%
化合物を補助剤と混合し、該混合物を水で湿らせる。この混合物を押し出した後、空気流の中で乾燥させる。
F7.粉剤 a) b) c)
化合物混合物 0.1% 1% 5%
タルク 39.9% 49% 35%
カオリン 60.0% 50% 60%
化合物を適当なミル上で担体と混合することにより、すぐ使用できる粉剤が得られる。
F8.濃縮懸濁液剤 a) b) c) d)
化合物混合物 3% 10% 25% 50%
エチレングリコール 5% 5% 5% 5%
ノニルフェノール − 1% 2% −
ポリエトキシレート
(15モルEO)
リグニンスルホン酸ナトリウム3% 3% 4% 5%
カルボキシメチルセルロース 1% 1% 1% 1%
37%ホルムアルデヒド水溶液 0.2% 0.2% 0.2% 0.2%
シリコーン油乳剤 0.8% 0.8% 0.8% 0.8%
水 87% 79% 62% 38%
微粉砕した化合物を補助剤と均一に混合して濃縮懸濁液剤を与え、水での希釈によりそれから任意の所望濃度の懸濁液を得ることができる。
【0059】
式Iの活性成分と式IIの成分を個別に製剤化し、そしてアプリケーター中で水中のタンク混合物として所望の混合比において使用直前にのみそれらを混合することがしばしば好都合である。
【実施例】
【0060】
生物学的例
例H1:下記試験は、活性成分として式Iaの鏡像体aRS,1′S(−)−N−(1′−メチル−2′−メトキシエチル)−N−クロロアセチル−2−エチル−6−メチルアニリン
【0061】
【化9】

【0062】
および式IIの化合物
【0063】
【化10】

【0064】
を含んで成る本発明の組成物の作用を、式Aのラセミ体化合物N−(1′−メチル−2′−メトキシエチル)−N−クロロアセチル−2−エチル−6−メチルアニリン
【0065】
【化11】

【0066】
および上記式IIの化合物を含んで成る、RESEARCH DISCROSURE,1995年4月/271, No.37242 から知られている組成物と比較する。
トウモロコシへの出芽前散布:
単子葉および双子葉類の雑草並びに栽培植物(トウモロコシP3737 )をプラスチック鉢中の標準土壌の中に蒔く。種まきした直後に、試験物質を水性懸濁液(水500 l/ヘクタール(ha))として散布する。式Iaの化合物またはそれのラセミ体についての散布量は1000, 500 および250 g/haであり、式IIの化合物についての施用量は120 g/haである。次いで試験植物を最適条件下で温室中で栽培する。評価は4週間後に行う(作用%、100 %=植物の枯れ、0%=植物毒性作用なし)。結果を下表B1に示す。
【0067】
【表1】

【0068】
表B1は、本発明の組成物がショウジョウソウ(Euphorbia heterophylla)とオナモミ(Xanthium canadense)雑草に対する除草活性に関して有利性を有することを証明する。これは、式Aのラセミ体を上回る式Iaの鏡像体の増強した除草活性の結果であると考えられる。しかしながら、驚くべきことに、この活性の増強にもかかわらず、新規組成物がトウモロコシに与える害が既知組成物に比べて50%減少することがわかった。 250g/haの散布量の式Iaの化合物では、栽培植物に対する害が全く観察されないのに対して、この散布量の従来技術の組成物は栽培植物に既に5%の害を与えている。本発明の新規組成物によるトウモロコシの保護の強化は、農業上非常に重要であり、既知ラセミ体に比べてより活性である鏡像体の含有量を仮定すれば全く予想外である。それの有益な実用的結果は、トウモロコシへの新規組成物の誤用による(故意でない)過剰散布が、ラセミ体組成物の場合よりも実質的に危機的でなくなることである。
【0069】
AがA2 である式Iの化合物と式IIの化合物の混合物についても同等な結果が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常用の不活性製剤助剤に加えて、式Iの化合物
【化1】

〔上式中、R1
【化2】

または
【化3】

基である〕
および相乗的有効量の式IIの活性成分
【化4】

を含んで成る相乗的除草剤組成物。
【請求項2】
1 がA1 基である式Iの化合物を含んで成る、請求項1に記載の除草剤組成物。
【請求項3】
式Iの成分と式IIの成分の重量比が1:100 〜100 :1である、請求項1に記載の除草剤組成物。
【請求項4】
栽培植物の作物において望ましくない植物生育を防除する方法であって、該栽培植物をまたはその場所を請求項1に記載の組成物の除草有効量で処理することを含んで成る方法。
【請求項5】
前記栽培植物が穀類、セイヨウアブラナ、ビート、サトウキビ、プランテーション、イネ、トウモロコシまたは大豆である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
1ヘクタールあたり総量0.05〜4kgの活性成分に相当する散布量において栽培植物の作物を前記組成物で処理することを含んで成る、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
式IおよびIIの化合物に加えて、ベノキサコルを含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
式Iの化合物および式IIの化合物により別々の時期に栽培植物またはその場所を処理することを含んで成る、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
ベノキサコルと一緒の式Iの化合物、および式IIの化合物により、別々の時期に栽培植物またはその場所を処理することを含んで成る、請求項4に記載の方法。

【公開番号】特開2009−7374(P2009−7374A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208741(P2008−208741)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【分割の表示】特願平9−533077の分割
【原出願日】平成9年3月3日(1997.3.3)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】