説明

相互相関スプール緩和のための装置および方法

複数のピーク測定値から、ペアを形成するために、第1のキャリア対ノイズ密度推定値を有する第1のピーク測定値と第1のドップラーオフセット測定値および第2のキャリア対ノイズ密度を有する第2のピーク測定値と第2のドップラーオフセット測定値を選択することと、第1のキャリア対ノイズ密度推定値および第2のキャリア対ノイズ推定値に基づいてキャリア対ノイズ密度差を計算することと、第1のドップラーオフセット測定値および第2のドップラーオフセット測定値に基づいてドップラー差を計算することと、キャリア対ノイズ密度差をキャリア対ノイズ密度しきい値と比較することと、ドップラー差を少なくとも1つのドップラーしきい値と比較することと、を備える相互相関スプール緩和のための装置および方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に相互相関スプール緩和のための装置および方法に関する。特に、本開示は、GNSS受信機の中の衛星信号干渉を緩和することに関する。
【関連出願】
【0002】
「Cross-Correlation Mitigation Method and Appratus For Use In A Global Positioning System Receiver」と題されたロー(Roh)による米国特許7,209,076は、本願明細書に参照されることによってここに組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
全地球航法衛星システム(GNSS)受信機は、複数の地球の軌道を回るGNSS衛星および/または擬似衛星(pseudolites)(「GNSSソース」としてここにまとめて呼ばれる)から同時に送信された測距信号の相対的な到着時刻(TOA)を計算することによって位置を決定する。GNSSソースは、測距信号に加えてタイミングおよび衛星軌道(例えば、エフェメリス)データを送信する。ここに記述されるように、GNSSソースは、アメリカの全地球測位システム(GPS)、ロシアのグロナスシステム、ヨーロッパのガリレオシステム、衛星システムの組み合わせから衛星を使用する任意のシステム、あるいは将来開発される任意の衛星システム(まとめて「SPS」または「衛星測位システム」と呼ばれる)を含むことができる。更に、いくつかの位置測定システムは、擬似衛生あるいは衛星と擬似衛星の組み合わせを利用する。擬似衛星は、SPSによって与えられた時刻で同調するキャリア信号で変調された、(GPSあるいはCDMAセルラ信号に似ている)PNコードのような、測距コードをブロードキャストする地上の送信機である。擬似衛星は、周回軌道衛星からのSPS信号が利用できない状況で役立つ。ここに参照されるように、GNSSソースは、SPS、擬似衛星、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0004】
GNSS受信機は、様々なGNSSソースに対する擬似距離を決定し、計算された擬似距離、タイミングおよびエフェメリスデータを使用して受信機の位置を計算する。擬似距離は、各GNSSソースからの受信信号とローカル基準関数との間で測定された時間遅延(別名コード位相)値である。GNSSソース信号の獲得は、数分までで取ることができ、低い誤り率を達成するために十分強い受信信号を使用して達成されなければならない。
【0005】
各GNSSソースは、位置決めアプリケーションのために必要とされる時刻(ひいては距離)精度を提供するために位相が使用されるコードによって変調されるRF信号を送信する。あるシステムでは、擬似距離ノイズ(PN)測距コードが各GNSSソース(例えば、アメリカのGPSシステム)に対してユニークである一方、他のシステムでは、共通コードが使用されるが、キャリア周波数がGNSSソース(例えば、ロシアのグロナスシステム)に対してユニークである。加えて、RF信号は、さらにナビゲーションデータメッセージによって変調される。1つの例では、GPSソースは、同時期に同じキャリア周波数を使用して送信する。したがって、GNSS受信機は、既知の符号分割多重接続(CDMA)技法によって各GNSSソース信号を判別する。PNコードは、互いにほとんど直交する(相関しない)ように選択される。制限ではなく説明の目的のために、以下の記述は、主としてCDMA衛星システムに集中させる。
【0006】
GNSS受信機のための位置情報を決定するために、信号の送信と受信機でのその受信との間の時間が必要である。時差は、(例えば)ナビゲーションメッセージのデータストリームを復調し、フレームおよびビット同期を使用することによって部分的に決定され得る間、受信信号のPNコード位相オフセットがより正確に時刻を決定するために使用される。特定の衛星のためのコード位相オフセットの最初の決定は、その衛星の獲得と称される。
【0007】
一般に、他のいくつかのGNSSソースと共通視界にある所望のGNSSソースを獲得し追跡するために、GNSS受信機は、2次元基準関数を生成するために、ドップラーオフセットを含むキャリア信号とユニークPNコードを反復することができる。その後、GNSS受信機は、時間遅延およびドップラーオフセットの中でインデックスを付けられた2次元相関関数を得るために、(GNSS受信機によって受信された多くのGNSSソース信号の合成物である)受信信号を2次元基準関数と相関させることができる。最大相関は、基準関数のドップラーオフセットおよび時間遅延が所望の信号のドップラーオフセットおよび着信してくるPNコードの時間遅延と一致していた場合に生じる。獲得後、GNSS受信機は、(受信機と衛星との間の相対速度で変化する)ドップラーオフセットおよび時間遅延の調整を継続することによって所望の信号の追跡を維持する。
【0008】
一般に、異なるGNSSソースから送信された信号は、(別のものとほぼ直交している)ユニークPNコードおよび/またはユニークキャリア周波数を使用するので、互いの干渉が重要ではなくなる。干渉レベルは、受信信号の相対的な振幅に依存する。いくつかの条件の下で、GNSSソースによって送信された1つまたは複数の信号は、他のGNSSソースによって送信された信号と比較して減衰させる可能性がある。強いGNSS信号の存在は、より弱いGNSS信号を追跡する能力を低減することができる干渉を生み出す。
【0009】
1つの例において、相互相関スプール(cross-correlation spurs)(本当の自己相関ピークとして誤って宣言され、そのために偽の獲得を生じる別のPNコードと1つのPNコードを相関する場合のスプリアスの最大値)は、干渉しているGNSSソースが所望のGNSSソースの探索周波数と関連してある周波数で受信される場合に生成される。1つの例では、GPS衛星のC/A(粗い/獲得)PNコードが1msの周期を有しているので、最も重要な相互相関最大値は、干渉しているGPS衛星と所望のソースとの間のドップラー差が1kHzの倍数(PNコード周期の逆数)である場合に生じる。さらに、他の周波数でより弱い相互相関スプールがあり得る。これらの相互相関スプールは、例えば、あるドップラー差および/またはアンテナ利得条件の下で、誤った取得を引き起こす可能性がある。1つの例において、所望のソースは、低仰角であり、マルチパスロスに苦しみ、より大きな多重通路損失に苦しみ、より大きな大気のロスを有する、および/または高仰角にある干渉ソースと全てを比較してより低いアンテナ利得で受信され得る。この例において、所望の基準信号と(干渉ソースからの)所望されない信号との間の関係する相対相互最大値は、相対的に高くなり得る、それは、誤った獲得を引き起こす(すなわち、相関関数の中のスプリアスピークを生成する受信信号が衛星Bからのものであった場合、受信機は、衛星Aから獲得したことを決定し得る)。これらのスプリアス相互相関の最大値の結果として、GNSS受信機は、続いて追跡することができない所望しない信号を誤って獲得し、それは一般に正しくない位置決定につながる。
【発明の概要】
【0010】
相互相関スプール緩和のための装置および方法が開示される。1つの態様によれば、相互相関スプール緩和のための方法は、複数のピーク測定値から、ペアを形成するために、第1のキャリア対ノイズ密度推定値を有する第1のピーク測定値と第1のドップラーオフセット、および第2のキャリア対ノイズ密度推定値を有する第2のピーク測定値と第2のドップラーオフセット測定値を選択することと;第1のキャリア対ノイズ密度推定値および第2のキャリア対ノイズ密度推定値に基づいてキャリア対ノイズ密度差を計算することと;第1のドップラーオフセット測定値および第2のドップラーオフセット測定値に基づいてドップラー差を計算することと;キャリア対ノイズ密度差をキャリア対ノイズ密度しきい値と比較することと;ドップラー差を少なくとも1つのドップラーしきい値と比較することと;を備える。
【0011】
別の態様によれば、GNSS受信機は、複数のピーク測定値上で相互相関テストを実行するためのデジタルシグナルプロセッサを備え、このデジタルシグナルプロセッサは、以下を実行するための処理ユニットを含む:複数のピーク測定から、ペアを形成するために、キャリア第1のキャリア対ノイズ密度推定値を有する第1のピーク測定値尾と第1のドップラーオフセット測定値、および第2のキャリア対ノイズ密度推定値を有する第2のピーク測定値と第2のドップラーオフセット測定値を選択することと;第1のキャリア対ノイズ密度推定値および第2のキャリア対ノイズ密度推定値に基づいてキャリア対ノイズ密度差を計算することと;第1のドップラーオフセット測定値および第2のドップラーオフセット測定値に基づいてドップラー差を計算することと;キャリア対ノイズ密度差をキャリア対ノイズ密度しきい値と比較することと;ドップラー差を少なくとも1つのドップラーしきい値と比較することと;を備える。1つの態様では、GNSS受信機はGPSの受信機である。
【0012】
別の態様によれば、その上に格納されたプログラムコードを含むコンピュータ可読媒体は、複数のピーク測定から、ペアを形成するために、第1のキャリア対ノイズ密度推定値を有する第1のピーク測定値と第1のドップラーオフセット測定値、および第2のキャリア対ノイズ密度推定値を有する第2のピーク測定値と第2のドップラーオフセット測定値を選択するプログラムコードと;第1のキャリア対ノイズ密度推定値および第2のキャリア対ノイズ密度推定値に基づいてキャリア対ノイズ密度差を計算するプログラムコードと;第1のドップラーオフセット測定値および第2のドップラーオフセット測定値に基づいてドップラー差を計算するプログラムコードと;キャリア対ノイズ密度差をキャリア対ノイズ密度しきい値と比較するプログラムコードと;ドップラー差を少なくとも1つのドップラーしきい値と比較するプログラムコードと;を備える。
【0013】
他の態様が以下の詳細な説明から当業者に容易に明白となるであろうことが理解される。ここで、それは、実例を通じて様々な態様を示し、記述され得る。図面および詳細な説明は、限定としてではなく、本質の例証としてみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】典型的なGNSSシステムを示す。
【図2】GNSS受信機の典型的なブロック図を示す。
【図3】GNSS受信機の中の相互相関スプールを緩和するために相互相関テストの典型的なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
付加された図面に関連して以下で述べる詳細な説明は、本開示の様々な態様の説明として意図したものであり、本開示が実行され得る唯一の態様を表わすように意図したものではない。この開示に記述された各態様は、例示あるいは本開示の実例として単に与えられ、他の態様にわたって優先あるいは有利であるものとして必ずしも解釈されるべきではない。詳細な説明は、本開示の完全な理解を提供する目的のために特定の詳細を含む。しかしながら、本開示は、これらの特定の詳細を用いず実行されることが当業者に対して明白であろう。いくつかの実例では、既知の構造およびデバイスは、本開示の概念を不明瞭にしないためにブロック図の形式で示される。頭字語および他の記述的な用語は、利便性および明瞭さのために単に使用され、開示の範囲を限定するようには意図されない。
【0016】
様々な実例となる論理ブロック、モジュール、およびここに記述された回路は、1つまたは複数のプロセッサでインプリメントされ、実行され得る。プロセッサは、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサのような、特殊利用プロセッサ、あるいはソフトウェアをサポートすることができる他のハードウェアプラットホームのような、汎用プロセッサであり得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、あるいは任意の他の用語で呼ばれようとも、ソフトウェアは、命令の任意の組み合わせ、データ構造、あるいはプログラムコードを意味するために広く解釈されるものとする。代替として、プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、ステートマシン、個別のハードウェアコンポーネントの組み合わせ、あるいはそれらの任意の組み合わせであり得る。様々な実例となる論理ブロック、モジュール、およびここに記述された回路は、さらにソフトウェアを格納するためのコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、さらに1つまたは複数の記憶デバイス、伝送回線、あるいは他の物理媒体を含み得る。
【0017】
GNSS受信機システム
図1は、複数のGNSSソース104、105、106、107からGNSSアンテナ103を介して複数の受信信号を受信するためのGNSS受信機102を含む典型的なGNSSシステム100を示す。典型的には、最低4つのGNSSソースは、3次元の中のGNSS受信機102の位置を決定し、GNSS受信機クロックバイアスを解決するために要求される。しかしながら、当業者は、視界内のGNSSソースの数が図1に示された4つより多い、あるいは少なくできることを理解するだろう。受信信号を受信した後、GNSS受信機102は、位置推定値を生み出すために受信信号を処理する。
【0018】
図2は、GNSS受信機200の典型的なブロック図を示す。図2は、受信機の特定のインプリメンテーションを示し、CDMA衛星信号を処理する例を記述する。他のインプリメンテーションが可能である;例えば、受信機は、さらに(GLONASS信号のような)周波数分割多重化信号を処理し、処理を別に実行し得る(例えば、周波数ダウンコンバージョンおよび処理は、別に処理され得る)。例証されたGNSS受信機200は、以下のコンポーネントを含む:GNSSアンテナ202、プレフィルタ/プレ増幅器204、周波数変換器206、周波数基準ユニット208、アナログデジタル(A/D)コンバータ210、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)212、ナビゲーションプロセッサ214、および制御/ディスプレイユニット216。GNSSソース104、105、106、107によって送信されたRF(CDMA)信号は、GNSSアンテナ202によって受信され、フィルタにかけられたCDMA信号205を作るために広帯域周波数選択および低ノイズ増幅のためにプレフィルタ/プレ増幅器204に入力される。フィルタにかけられたCDMA信号205は、その後、中心周波数を低くし、ダウンコンバートされたCDMA信号207を作るために、周波数変換器206に入力される。ダウンコンバートされたCDMA信号207は、デジタル化されたCDMA信号211を作るためにA/Dコンバータ210に入力される。デジタル化されたCDMA信号211は、その後DSP212に入力される。DSP212は、N個までのGNSSソースからのキャリア周波数およびPNコードを同時に追跡するためにN個の並列信号処理チャネルを含む。DSP212は、ピーク測定値を生成するためにデジタル化されたCDMA信号211を基準関数と相関させる。当業者は、Nが特定のアプリケーションあるいはシステムのために任意の実現可能な数になることができることを理解するだろう。各信号処理チャネルは、PNコードおよびキャリア位相測定値と同様にナビゲーションメッセージデータ復調を実行するPNコードループおよびキャリア位相追跡を含む。1つの態様では、各信号処理チャネルは、GNSSソースおよびGNSS受信機相対距離と関係する擬似距離測定値212aを生み出す。別の態様では、各信号処理チャネルは、GNSSソースおよびGNSS受信機相対速度と関係するドップラーオフセット測定値212bを生み出す。擬似距離測定212a、ドップラーオフセット測定212b、および変調ナビゲーションメッセージデータ212cは、その後ナビゲーション214に入力される。ナビゲーションプロセッサ214は、擬似距離測定値212a、ドップラーオフセット測定値212b、および変調ナビゲーションメッセージデータ212cを受理し、位置推定値215を作る。位置推定値215は、その後ユーザにディスプレイするために制御/ディスプレイユニットに入力される。追加として、GNSS受信機200は、周波数変換器206のための周波数基準、A/Dコンバータ210のためのサンプリングクロック、およびDSP212のためのデジタルタイミング信号を生成する周波数基準ユニット208を含む。
【0019】
1つの態様では、GNSS受信機200は、DSP 212の中のデジタル相関器あるいは整合フィルタのような複数の相関器222を含む。デジタル相関器は、各GNSSソースによって送信された各RF信号のためのユニークPNコードに一致し、様々なGNSSソースによって送信されている複数の同時のRF信号の間を判別するために使用される。
【0020】
1つの態様では、制御/ディスプレイユニット216は、GNSS受信機200とユーザとの間のヒューマンユーザインタフェースを提供する。制御/ディスプレイユニット216は、オペレータデータエントリを許可し、状況およびナビゲーション解法パラメータをディスプレイし、多くのナビゲーション機能へのアクセスを許可する。1つの態様では、制御/ディスプレイユニット216は、ナビゲーションプロセッサ214によって計算される位置推定値215を提供する。1つの態様では、制御/ディスプレイユニット216は、リモートプロセッサあるいはユーザに処理したデータを送信するために、これに限定されるものではないが通信トランシーバのような外部入力/出力デバイス(示されない)に接続される。
【0021】
1つの態様では、周波数基準ユニット208は、周波数エラーに対する修正のために、ナビゲーションプロセッサ214あるいは(示されていない)他のプロセッサからタイミング修正を受け取る。1つの態様では、タイミング修正は、DSP212の内で実行される。
【0022】
上で注意したように、当業者は、図2に例証されたコンポーネントが例示としてのみ示され、GNSS受信機が図2に示されたコンポーネントより少ないコンポーネントを含むことができ、依然として本開示の精神および範囲内であることを理解するだろう。同様に、GNSS受信機は、図2に示されない追加のコンポーネントを含むことができ、またはGNSS受信機は、図2に示されるコンポーネントおよび図2に示されないある他のコンポーネントを含むことができ、依然として本開示の精神および範囲内にある。1つの例において、GNSS受信機200は、プロセッサユニット213を含むことができる。図2に例証された例では、プロセッサユニット213は、デジタルシグナルプロセッサ212の一部である。いくつかのインプリメンテーションでは、プロセッサユニット213は、デジタルシグナルプロセッサ212からの個別のコンポーネントである。プロセッサユニット213は、GNSS受信機のための全体の制御および管理機能を提供し得る。1つの態様では、プロセッサユニット213は、中央処理装置(CPU)、メモリ、および関連するソフトウェアを含む。1つの態様では、GNSS受信機は、GPSの受信機である。
【0023】
GNSS信号フォーマット
(GNSS受信機による)各受信信号は、以下の形で表わされ得る:
【数1】

【0024】
ここで、Aは、GNSSソースkからの信号振幅であり、Pは、GNSSソースkのためのPNコードであり、Mは、GNSSソースkのためのナビゲーションメッセージであり、fは、キャリア周波数であり、φは、キャリア位相であり、dは、到着の時間として解釈され得る時間遅延であり、Rは、GNSSソースkのためのドップラー効果によるチップレートの周波数オフセット(ドップラーオフセットと称される)である。PNコードPは、特定の数学的な最適化技法によって特別の数学的な最適化手法によって低い相互相関指標を得るために選択される。1つの態様では、PNコードPは、低い相互相関特性でゴールドコード(Gold codes)となることが選択される。
【0025】
1つの態様では、GNSSソースは、(原始周波数基準によって)同じ周波数でこれらのRF信号を送信するが、GNSS受信機で見られるようにキャリア周波数fは、異なるドップラーオフセットによって異なり得るドップラーオフセットは、式(1)の中のパラメータRによって示されるように、PNコードがさらにわずかに異なるチップレートを有することを引き起こさせる。1つの態様では、GNSSソースは、GPSソースであり、GNSS受信機は、GPS受信機である。GNSSソースのためのドップラーオフセットは、特定の時刻で一般にすべて異なり、特定のGNSSソースのためのドップラーオフセットは、時刻と共に変化する。
【0026】
相関処理
GNSS受信機200は、受信信号をローカル基準関数f(t)=P(t)と相関させることによって所望の信号の到着時刻を決定する。例えば、上記式(1)のキャリア周波数fは既知(あるいは正確に推定される)と仮定する;その後、式(1)のfは、ゼロにセットされる。ノイズがない状態では、Gが(Rが小さいと仮定して)ローカル基準P(t−s、0)を乗算し、その後、mが変化しないようないくつかのPNフレームの期間にわたって積分される、その結果式(2)は、以下のようになる:
【数2】

【0027】
ここで、ローカル基準関数は、共通時間源に対して相対時間遅延sを有する。実際には、相関処理は、異なる仮定された時間遅延に対してsをセットすることによって式(2)の中の積分を実行する。ローカル基準関数が所望の信号で時間遅延に整列される場合、s=dおよび式(2)の被積分関数は、rkk(d,s,R)のための最大の所望の相関値を生み出すために最大化される。sがdと等しくない場合、被積分関数は、最大化されず、0について擬似乱数的な手法で変化する。ここで、T=NT(ここで、Tは、PNコードのチップ期間であり、Nは、整数である)である場合において、s=dである場合、式(2)は、以下のように簡単化される
【数3】

【0028】
獲得処理は、異なる時間遅延仮説sのための式(2)の相関演算を実行することによって所望の信号の到着時刻を決定することができる。最大の所望の相関出力を生み出す時間遅延値s=dは、所望の信号到着時刻のための推定値である。1つの態様では、相関処理は、系列相関として、並列相関として、あるいは一致したフィルタリングによってDSP212で実行される。
【0029】
干渉考察
上記の議論は、基準関数および所望の信号が同じPN測距コードを用いると仮定している。一般に、合成受信信号は、異なるPN測距コードおよびドップラー周波数オフセットを有する他のGNSS信号をさらに含む。例として、PNコードPを有するGNSSソースqは、
【数4】

【0030】
によって与えられた相互相関出力を生み出すソースkと関連する異なるコードPと相関させる。ここで、δは、基準関数f(t)=P(t)と所望しないGNSSソースqとの間の不一致による残余周波数エラーである。
【0031】
一般に、式(4)の被積分関数がPN測距コードPおよびPの低い相互相関特性による単一性(unity)と比較して小さくなるが、干渉振幅Aがある時間遅延sで所望の振幅Aと比較して大きい場合、相互相関出力rkqは、自己相関出力rkkと比較してまだ高い。所望の信号が伝播環境によってブロックされるあるいは極度に減衰する場合、式(4)の相互相関スプールは、GNSS受信機への偽の信号として現われることができる。したがって、相互相関スプールの存在を検出し、所望の信号の獲得および処理に対するそれらの影響を低減することは望ましい。
【0032】
相互相関スプールは、干渉する強いGNSSソースが別のGNSSソースの探索周波数と関連してある周波数で受信した場合に生成される。相互相関スプールは、識別されるために必要とされ、よい性能を保証するために測定値から取り除かれる。1つの態様では、相互相関テストは、相互相関スプールおよび実際のピーク測定値が強度および周波数にある違いを有するという事実に基づく。1つの態様では、GNSSソースのペアからのピーク測定値が(例えば、2つのGNSSソースごとを測るペアを)得られ、相互相関テストは、C/No(キャリア対ノイズ密度)が異なるかどうか相互相関スプールとして弱いピーク測定値を識別し、ドップラー差は、マスク(すなわち相互相関テストのために定義されたしきい値内の)のうちの任意の内側である。
【0033】
図3は、GNSS受信機の中の相互相関スプールを緩和するために相互相関テストの典型的なフローチャートを示す。相互相関アルゴリズムは、レポートされたピーク測定値をデータベース中の他のすべてのGNSSソースのピーク測定値と比較する。1つの例において、データベースは、測定値データベースおよび個々の対象データベースを含むことができる。ここで、対象データベースは、実際のピークであろうと決定したピーク測定値を格納する。テストを失敗するピーク測定値は、相互相関スプールとしてフラグを立てられ、さらなる処理から取り除かれる。
【0034】
1つの態様では、相互相関テストは、任意のサンプリングレートに対して同じである。その入力は、2つのピーク測定値(例えば、C/No推定値、ドップラー推定値、2つのピーク測定値と関連するコヒーレントおよび非コヒーレント積分時間)であり、その出力は、2つの入力ピーク測定値のいずれかが相互相関スプールかどうかである。
【0035】
ブロック305において、相互相関テストは、ブロック310に進むために開始される。ブロック310において、GNSSペアを形成するために、1つのGNSSソースピーク測定値および第2のGSNNソースピーク測定値を選択し、その後ブロック315に進む。ブロック315において、NGSSソースピーク測定値と関連するC/No推定値と比較することによってより強いGNSSソースピーク測定値およびより弱いGNSSソースピーク測定値を決定する。ブロック317において、より弱いGNSSソースピーク測定値と関連するC/No推定値は、非相互相関しきい値(Thnot-cross-corr)と比較される。1つの例において、Thnot-cross-corrは、37dB−Hzである。より弱いGNSSソースピーク測定値と関連するC/No推定値がThnot-cross-corrより大きい場合、ブロック355に進む。この場合、より弱いGNSSソースピーク測定値は、相互相関スプールではない。他方で、より弱いGNSSソースピーク測定値と関連するC/No推定値がThnot-cross-corrより大きくなかった場合、ブロック320に進む。ブロック320において、より弱いGNSSソースピーク測定値のC/Noからより強いGNSSソースピーク測定値のC/Noを引くことによってC/No差を計算する:
(C/NO)diff=(C/NO)weak−(C/No)strong
ブロック325において、GNSSソースピーク測定値と関連したドップラーオフセット測定値に基づいてドップラー差を計算し、その後ブロック330に進む。1つの例において、モジュロ1kHz演算が使用される。
(Dopp)diff=(Dopp)weak−(Dopp)strongDoppweak
は、より弱いGNSSソースピーク測定値と関連したドップラーオフセット測定値である。Doppstrongは、より強いGNSSソースピーク測定値と関連したドップラーオフセット測定値である。
【0036】
ブロック330において、相互相関マスクテーブルからより弱いGNSSソースの探索モードに基づいて、マスク(別称しきい)値のセット(Δ(C/No)、キャリア対ノイズ密度しきい値、ΔDoppA最少ドップラーしきい値、およびΔDoppB最大ドップラーしきい値)を選択する。1つの例において、マスク値の異なるセットは、相互相関マスクテーブルに含まれる。マスク値の異なるセットは、より弱いGNSSソースの異なる探索モードのために使用される。当業者は、システムアプリケーションあるいは本開示の精神および範囲に影響を及ぼさない範囲での設計選択に基づいて選択される。
【0037】
ブロック335および340において、計算されたC/No差およびドップラー差(つまり、(C/No)diffとDoppdiffがマスク(別称しきい)値と比較される)がブロック330で選択される。特に、ブロック335において、C/No差の絶対値、つまり(C/No)diffがΔ(C/No)を超えるあるいは等しいかどうか決定する。超えない場合、ブロック345に進む。超える場合ブロック340に進む。ブロック340において、ドップラー差DoPPdiff、モジュロ1kHzの絶対値がΔDoppAを超えるあるいは等しいかどうか決定する。当業者は、モジュロ1kHzが例として選択されたものであり、他のモジュロ値が本開示の精神および範囲に影響を及ぼさない範囲およびGNSSシステムのパラメータに依存して使用され得ることを理解するだろう。以上で留意されるように、GPSのために、1kHzおよびその倍数のドップラー差は、より大きな相互相関と関連する。ドップラー差Doppdiffの絶対値は、ΔDoppAを超えないあるいは等しくない場合、ブロック345に進む。ドップラー差Doppdiff、モジュロ1kHzの絶対値がΔDoppAを超えるあるいは等しい場合、ドップラー差Doppdiff、モジュロ1kHzの絶対値がΔDoppBより小さいあるいは等しいかどうかを決定する。再び、当業者は、モジュロ1kHzが例として選択されたものであり、他のモジュロ値が本開示の精神および範囲に影響を及ぼさない範囲で使用され得ることを理解するだろう。ドップラー差Doppdiffの絶対値がΔDoppBより小さくないあるいは等しくない場合、ブロック345に進む。ドップラー差Doppdiffの絶対値がΔDoppBより小さいあるいは等しい場合、ブロック350に進む。1つの態様では、ドップラー差Doppdiffの比較は、ΔDoppAと最初に行なわれ、その後ΔDoppBと行なわれる。別の態様では、ドップラー差Doppdiffの比較は、ΔDoppBと最初に行なわれ、その後DoppAと行なわれる。示された例示の値において、ドップラー差Doppdiffは、0から500Hzである。ブロック335および340の中の計算のための擬似コードの1つの例は、以下のとおりである:
【表1】

【0038】
ブロック350において、相互相関スプールとしてより弱いピーク測定値を識別し、ブロック355に進む。ブロック345において、相互相関マスクテーブルの中の関係するマスク値すべてがテストされたかどうか判断する。1つの例において、マスク値の異なるセットは、相互相関マスクテーブルに含まれる。マスク値の異なるセットは、より弱いGNSSソースの異なる探索モードのために使用される。当業者は、特定のマスク値がシステムアプリケーションあるいは本開示の精神または範囲に影響を及ぼさない範囲の設計選択に基づいて選択され得ることを理解するだろう。いいえの場合、ブロック330に進む。はいの場合、ブロック355に進む。ブロック355において、GNSSペアがすべてチェックされたかどうか判断する、つまり図3に例証された典型的なブロックに従って相互相関がテストされる。すべてのGNSSペアがチェックされなかった場合、チェックされていないGNSSペアすべてのためのアルゴリズムを継続するためにまたブロック310に進む。GNSSペアすべてがチェックされた場合、相互相関テストを終了するためにブロック360に進む。
【0039】
ブロック310で選択された2つのGNSSソースピーク測定値は、相互相関マスクテーブルにリストされた異なるモードに対して変化し得る。相互相関テストは、ピーク測定値を受信したときはいつでも実行される。すべて既知の可視のGNSSソースが連続的に追跡されているので、相互相関最大値が観測されるとすぐに任意の相互相関GNSSソースは、観測される。1つの態様では、相互相関テストの中で古いGNSSソースピーク測定値を使用しないようにするために、GNSSソースピーク測定値を選択する場合、タイマチェックアルゴリズムがさらに使用される。
【0040】
1つの態様では、タイマチェックアルゴリズムは、以下のものを含む:
1)図3のブロック310の中に第1のGNSSソースから丁度受信した第1のGNSSソースピーク測定値を入力する。
2)下記の条件が満たされる場合、図3のブロック310の中にデータベースからの第2のGNSSソースピーク測定値を入力する:
タイマチェック: 第1のGNSSソースピーク測定値あるいは第2のGNSSソースピーク測定値がL秒全積分の後に観測されると仮定し、それは、観測時刻tweakで観測されると仮定する。第1のGNSSソースピーク測定値あるいは第2のGNSSソースピーク測定値が観測時刻tstrongで観測されると仮定する。
tweak-tstrong < (L+h)であるならば、タイマチェックは、「パスした」と考えられる。ここ(L+h)は、タイマチェックしきい値である。1例において、hは、2秒にセットされる。
【0041】
一旦2つのGNSSソースピーク測定が相互相関テスト(図3)を実行するためにブロック310に入力されると、第1のGNSSソースピーク測定値が相互相関テストにパスできない場合は、第1のGNSSソースピーク測定値を廃棄する。第2のGNSSソースピーク測定値が相互相関テストにパスしない場合は、データベースから第2のGNSSソースピーク測定値を廃棄する。したがって、1つの態様では、相互相関テストは、丁度受信したピーク測定値およびデータベースに既に格納されていたピーク測定値を廃棄するために適用される。
【0042】
1つの態様では、初回測位時間(TTFF)を改善するために、すべてのGNSSソースの相互相関テストが完成するのを待つ必要はない。1つの例において、以下の探索の4ステップは、GNSSソース測定値を提供するために実行される:
1. 広い周波数および時間ウィンドウの中のピークを見つけるために獲得探索を実行する。
2. 既知のGNSSソース測定値すべてに対して見つかったピーク上で相互相関テストを実行する。このステップは、相互相関スプール上のあまりに多くの不必要な確認探索をスケジューリングすることを防ぎ得る。相互相関でないピークのみが次のステップに進むことになる。
3. 小さな周波数および時間探索ウィンドウのピークを確認するために確認探索を実行する。
4. 成功した確認探索に続いて、ピーク上で相互相関テストを実行する。 ピークが相互相関テストにパスする場合は、測定データベースの中にそれを格納し、位置固定計算でそれを使用する。強いGNSSソースピーク測定値が測定データベースに存在しないことが疑わしい場合、すべてのGNSSソース上の探索すべてが終了するのを待つことが(上の)ステップ2で必要だろう。これは、測定データベースに有効なピークを入れることを遅らせるので、初回測位時間(TTFF)悪化させる。1つの態様では、TTFFを改善するために、GNSSソースピーク測定が次の基準のうちの任意の1つを満たす場合は、上のステップ2の相互相関テストを実行せずにGNSSソースピーク測定上で確認探索(上のステップ3)を実行する:
a. GNSSソースピーク測定値が第1のあらかじめ決められたC/Noしきい値より高いかどうか。1つの例では、第1のあらかじめ決められたC/Noしきい値は、37dB−Hzにセットされる。1つの態様において、第1のあらかじめ決められたC/Noしきい値は、非相互相関しきい値(Thnot-cross-corr)である。
b. 1つのGNSSソースピーク測定値が周波数スワースのあらかじめ決められた量を超え、推定されたC/Noが第2のあらかじめ決められたC/Noしきい値より大きいものが探索後GNSSソースに対して見つかるかどうか。1つの例では、周波数スワースのあらかじめ決められた量は、5にセットされる。1つの例では、第2のあらかじめ決められたC/Noしきい値は、(30+x)dB−Hzでセットされる。ここでxは、特定のアプリケーションおよびシステムパラメータに基づいて決定される。
【0043】
上記のものについて、総時間および周波数不確定要素は、特定の時刻および周波数不確定要素(スペース)特別の時間および周波数不確実性(スペース)を測る各セグメントを有する、多くのセグメントに分割され得る。周波数スワースは、周波数スワースを探索することが受信信号を時刻および周波数不確定要素の特定のセグメントをカバーするローカル基準信号のセットと相関させるために参照できるように、周波数スワース特定のセグメントを参照する。強い干渉者が単一の相互相関スプールを越えるものを恐らく引き起こすだろうと推測される。当業者は、C/Noしきい値および周波数スワース探索の量が特定のアプリケーション、システムパラメータ、およびエラーの許容範囲に基づいてセットされることが理解されるだろう。確認探索を実行するかどうか決定するための1つの典型的なアルゴリズムは、以下のとおりである:
【表2】

【0044】
1つの態様では、多数の対象ピーク測定値は、各GNSSソースのために見いだされ得る。GNSSソースピーク測定値の数が大きい場合、相互相関テストを実行するためにかなりの計算量となり得る。1つの態様では、最適化アプローチは、計算量を低減するためにGNSSソースピーク測定値をグループ化するために使用される。GNSSソースピーク測定値は、3つのグループ(グループA、グループB、およびグループC)にC/Noに従ってグループ化される。2つのC/Noしきい値は、特定のアプリケーション、システムパラメータおよびエラーの許容範囲に基づいて選択される。
【0045】
グループAは、C/Noしきい値#1より高いC/No推定値でピーク測定値を含む。C/Noしきい値#1は、グループAの中のピーク測定値が相互相関スプールになることができないが、相互相関ソースピークになることができるように選択される。
【0046】
グループBは、しきい値#1とC/Noしきい値#2との間のC/No推定値を有するピーク測定値を含む。C/Noしきい値#1およびC/Noしきい値#2は、グループBの中のピーク測定値が相互相関スプールになることができず、さらに相互相関ソースピークになることができないように選択される。
【0047】
グループCは、C/Noしきい値#2より低いC/No推定値を有するピーク測定値を含む。C/Noしきい値#2は、グループCの中のピーク測定値が相互相関スプールになることができるが、相互相関ソースピークになることができないように選択される。
【0048】
1つの例において、C/Noしきい値#1は、41dB−Hzにセットされ、C/Noしきい値#2は、37dB−Hzにセットされる。
【0049】
グループ化が与えられて、相互相関テストは、異なるグループの中のピーク測定値間で実行される。相互相関テストは、同じグループの内のピーク測定値間で実行する必要はない。1つの例において、グループCのピーク測定値がポテンシャル相互相関スプールであると仮定され、除去され得るので、相互相関テストは、グループAのピーク測定値とグループCの(異なるGNSSソースからの)ピーク測定値との間で実行される。異なるグループのピーク測定値間のみ相互相関テストを実行することによって、計算量は著しく低減される。1つの態様では、グループAの中のピーク測定値は、C/No値に従ってソートされ、相互相関テストは、最も高いC/の値を有するグループAのピーク測定値で開始する。ピーク測定値の多くが少数の強いGNSSソースによる場合にこれは特に有効である。グループ化を決定するための典型的な擬似コードは以下のとおりである:
【表3】

【0050】

【0051】

【0052】
当業者は、ここに開示されたものは、GPSソースおよび本開示の範囲および精神に影響を及ぼさない対応するGPS受信機に適用することができるが理解されるだろう。開示された態様の前の記述は、任意の当業者が現在の開示を行うあるいは使用することを可能にするために提供される。これらの態様に対する様々な修正は、当業者に対して容易に明白となり、ここに定義された一般的な原理は、本開示の精神および範囲から外れない他の態様に適用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピーク測定値から、ペアを形成するために、複数のピーク測定値、第1のキャリア対ノイズ密度推定値を有する第1のピーク測定値と第1のドップラーオフセット測定値および第2のキャリア対ノイズ密度を有する第2のピーク測定値と第2のドップラーオフセット測定値を選択することと、
前記第1のキャリア対ノイズ密度推定値および前記第2のキャリア対ノイズ推定値に基づいてキャリア対ノイズ密度差を計算することと、
前記第1のドップラーオフセット測定値および前記第2のドップラーオフセット測定値に基づいてドップラー差を計算することと、
前記キャリア対ノイズ密度差をキャリア対ノイズ密度しきい値と比較することと、
前記ドップラー差を少なくとも1つのドップラーしきい値と比較することと、
を備える相互相関スプール緩和のための方法。
【請求項2】
前記第1のピーク測定値および前記第2のピーク測定値の前記観測時間の前記差の絶対値は、タイマチェックしきい値より小さい、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のピーク測定値は、
広い周波数および時間ウィンドウ内にピークを見つけるために獲得探索を実行することと、
既知のソース測定値すべてに対して見つかった前記ピーク上で第1の相互相関テストを実行することと;
小さい周波数および時間探索ウィンドウの前記ピークを確認するために確認探索を実行することと;
前記確認探索の成功に続いて、前記ピーク上で第2の相互相関テストを実行し、前記ピークが前記第2の相互相関テストをパスした場合、位置固定計算のために使用する測定データベースの中に前記ピークを格納することと、
によって得られる、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ソースピーク測定値が第1のC/Noのしきい値より大きい推定されたC/Noを有するあるいは周波数スワースのあらかじめ決められた量より多くのものが探索された後で見つかった場合、その推定されたC/Noは、第2のC/Noしきい値より大きく、その結果前記複数のピーク測定値は、
広い周波数および時間ウィンドウ内のピークを見つけるために獲得探索を実行することと、
小さな周波数および時間探索ウィンドウ内の前記ピークを確認するために確認探索を実行することと、
前記確認探索の成功に続いて、前記ピーク上で相互相関テストを実行し、前記ピークが前記相互相関テストをパスした場合、位置固定計算のために使用される測定データベース内に前記ピークを格納することと、
によって得られる、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のC/Noしきい値は、37dB−Hzである、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記あらかじめ決められた周波数スワースの量は、5であり、前記第2のC/Noしきい値は、(30+x)dB−Hzにセットされる、ここで、xは、2である、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
より強いピーク測定値あるいはより弱いピーク測定値であるかどうかとして前記第1のピーク測定値および前記第2のピーク測定値を識別するために、前記第1のキャリア対ノイズ推定値を前記第2のキャリア対ノイズ推定値と比較することと、
前記第2のキャリア対ノイズ密度推定値から前記第1のキャリア対ノイズ密度推定値キャリアを引くことによって前記キャリア対ノイズ密度差を計算することと、
をさらに備え、前記第1のキャリア対ノイズ密度推定値は、前記より強いピーク測定値と関連する、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
より強いピーク測定値あるいはより弱いピーク測定値であるかどうかとして前記第1のピーク測定値と前記第2のピーク測定値を識別することをさらに備え、前記ドップラー差は、前記第2のドップラーオフセット測定値から前記第1のドップラーオフセット測定値を引くことによって計算され、前記第1のドップラーオフセット測定値は、前記より強いピーク測定値と関連する、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリア対ノイズ密度しきい値は、リストから選択される、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのドップラーしきい値は、リストから選択される、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ドップラー差は、モジュロ1kHzで計算される、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのドップラーしきい値は、最大のドップラーしきい値および最小のドップラーしきい値を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ドップラー差が前記最小のドップラーしきい値より大きくないあるいは等しくない場合、複数のしきい値のすべては、テストされたかどうか決定されることをさらに備える、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ドップラー差が前記最大のドップラーしきい値より小さくないあるいは等しくない場合、複数のしきい値がテストされたどうか決定することをさらに備える、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記キャリア対ノイズ密度しきい値、前記最大のドップラーしきい値、および前記最小のドップラーしきい値は、リストから選択される、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
より弱いピーク測定値として前記第1のピーク測定値あるいは前記第2のピーク測定値のいずれかを識別することをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
相互相関スプールとして前記より弱いピーク測定値を識別することをさらに備える、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記相互相関スプールを廃棄することをさらに備える、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のピーク測定値のうちの任意の2つが相互相関テストされなかったかどうか判断することと、
前記複数のピーク測定値のすべてが相互相関テストされた場合、前記相互相関テストを終了することと、
をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記キャリア対ノイズ密度差が前記キャリア対ノイズ密度しきい値より大きくないあるいは等しくない場合、複数のしきい値のすべてがテストされたかどうか決定することをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のピーク測定値および前記第2のピーク測定値を選択する前にタイマチェックを実行することをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも2つのキャリア対ノイズ密度しきい値に基づいて少なくとも3つのグループに前記複数のピーク測定値をグループ化することをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも2つのキャリア対ノイズ密度しきい値は、37dB−Hzの値を有する、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも2つのキャリア対ノイズ密度しきい値は、41dB−Hzの値を有する、
請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも2つのキャリア対ノイズ密度しきい値のうちの1つは、37dB−Hzの値を有し、前記少なくとも2つのキャリア対ノイズ密度しきい値のうちの他の1つは、41dB−Hzの値を有する、
請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも3つのグループの第1のグループの中の前記ピーク測定値の各々は、前記少なくとも3つのグループのうちの第2のグループの中のピーク測定値でのみ相互相関テストされる、
請求項22に記載の方法。
【請求項27】
より弱いピーク測定値として前記第1のピーク測定値あるいは前記第2のピーク測定値のいずれか一方を識別することと、なお、前記第1のキャリア対ノイズ密度推定値あるいは前記第2のキャリア対ノイズ密度推定値のうちの1つは、前記より弱いピーク測定値と関連するより弱いキャリア対ノイズ密度推定値である、
前記より弱いキャリア対ノイズ密度推定値は、非相互相関しきい値より大きいかどうかを決定することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記非相互相関しきい値は、37dB−Hzである、
請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記より弱いキャリア対ノイズ密度推定値が前記非相互相関しきい値より大きい場合に位置固定計算に対する使用のためのデータベースの中に前記より弱いピーク測定値を格納することをさらに備える、
請求項27に記載の方法。
【請求項30】
複数のピーク測定値で相互相関テストを実行するためにデジタル信号プロセッサと、なお、前記デジタルシグナルプロセッサは、以下を実行するための処理ユニットを含む、
前記複数のピーク測定値から、ペアを形成するために第1のキャリア対ノイズ密度推定値を有する第1のピーク測定値と第1のドップラーオフセット測定値および第2のキャリア対ノイズ密度を有する第2のピーク測定値と第2のドップラーオフセット測定値を選択することと、
前記第1のキャリア対ノイズ密度推定値および前記第2のキャリア対ノイズ推定値に基づいてキャリア対ノイズ密度差を計算することと、
前記第1のドップラーオフセット測定値および前記第2のドップラーオフセット測定値に基づいてドップラー差を計算することと、
前記キャリア対ノイズ密度差をキャリア対ノイズ密度しきい値と比較することと、
前記ドップラー差を少なくとも1つのドップラーしきい値と比較することと、
を備えるGNSS受信機。
【請求項31】
前記第1のピーク測定値および前記第2のピーク測定値の前記観測時間の前記差の絶対値は、タイマチェックしきい値より小さい、
請求項30に記載のGNSS受信機。
【請求項32】
前記GNSS受信機は、GPS受信機である、
請求項30に記載のGNSS受信機。
【請求項33】
前記複数のピーク測定値は、
広い周波数および時間ウィンドウ内にピークを見つけるために獲得探索を実行することと、
既知のソース測定値すべてに対して見つかった前記ピーク上で第1の相互相関テストを実行することと、
小さい周波数および時間探索ウィンドウの前記ピークを確認するために確認探索を実行することと、
前記確認探索の成功に続いて、前記ピーク上で第2の相互相関テストを実行することと、前記ピークが前記第2の相互相関テストをパスした場合、位置固定計算のために使用する測定データベースの中に前記ピークを格納することと、
によって得られる、
請求項30に記載のGNSS受信機。
【請求項34】
ソースピーク測定値が第1のC/のしきい値より大きい推定されたC/Noを有するあるいは周波数スワースのあらかじめ決められた量より大きいものが探索された後で見つかった場合、その推定されたC/Noは、第2のC/Noしきい値より大きく、その結果前記複数のピーク測定値は、
幅広い周波数および時間ウィンドウ内のピークを見つけるために獲得探索を実行することと、
小さな周波数および時間探索ウィンドウ内の前記ピークを確認するために確認探索を実行することと、
確認探索の成功に続いて、前記ピーク上で相互相関テストを実行し、前記ピークが前記相互相関テストをパスした場合、位置固定計算のために使用される測定データベース内に前記ピークを格納することと、
によって得られる、
請求項30に記載のGNSS受信機。
【請求項35】
前記第1のC/Noしきい値は、37dB−Hzである、
請求項34に記載のGNSS受信機。
【請求項36】
前記あらかじめ決められた周波数スワースの量は、5であり、前記第2のC/Noしきい値は、(30+x)dB−Hzにセットされる、ここで、xは、2である、
請求項35に記載のGNSS受信機。
【請求項37】
複数のRF信号を受信するためのアンテナをさらに備える、
請求項30に記載のGNSS受信機。
【請求項38】
前記複数のRF信号を複数のダウンコンバートされた信号にダウンコンバートするための周波数コンバータをさらに備える、
請求項37に記載のGNSS受信機。
【請求項39】
前記複数のダウンコンバートされた信号を複数のデジタル化された信号に変換するためのA/Dコンバータをさらに備える、
請求項38に記載のGNSS受信機。
【請求項40】
前記複数のデジタル化された信号は、前記複数のピーク測定値を生成するために、複数の基準関数と相関させる、
請求項39に記載のGNSS受信機。
【請求項41】
その上にプログラムコードを含むコンピュータ可読媒体であって、
複数のピーク測定値から、ペアを形成するために、第1のキャリア対ノイズ密度推定値を有する第1のピーク測定値と第1のドップラーオフセット測定値および第2のキャリア対ノイズ密度を有する第2のピーク測定値と第2のドップラーオフセット測定値を選択するためのプログラムコードと、
前記第1のキャリア対ノイズ密度推定値および前記第2のキャリア対ノイズ推定値に基づいてキャリア対ノイズ密度差を計算するためのプログラムコードと、
前記第1のドップラーオフセット測定値および前記第2のドップラーオフセット測定値に基づいてドップラー差を計算するためのプログラムコードと、
前記キャリア対ノイズ密度差をキャリア対ノイズ密度しきい値と比較するためのプログラムコードと、
前記ドップラー差を少なくとも1つのドップラーしきい値と比較するためのプログラムコードと、
を備えるコンピュータ可読媒体。
【請求項42】
前記第1のピーク測定値および前記第2のピーク測定値の前記観測時間の前記差の絶対値は、タイマチェックしきい値より小さい、
請求項41に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記複数のピーク測定値は、
幅広い周波数および時間ウィンドウ内にピークを見つけるために獲得探索を実行するためのプログラムコードと、
既知のソース測定値すべてに対して見つかった前記ピーク上で第1の相互相関テストを実行するためのプログラムコードと、
小さい周波数および時間探索ウィンドウの前記ピークを確認するために確認探索を実行するためのプログラムコードと、
前記確認探索の成功に続いて、前記ピーク上で第2の相互相関テストを実行し、前記ピークが前記第2の相互相関テストをパスした場合、位置固定計算のために使用する測定データベースの中に前記ピークを格納するためのプルグラムコードと、
によって得られる、
請求項41に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項44】
ソースピーク測定値が第1のC/のしきい値より大きい推定されたC/Noを有するあるいは周波数スワースのあらかじめ決められた量より多くのものが探索された後で見つかった場合、その推定されたC/Noは、第2のC/Noしきい値より大きく、その結果前記複数のピーク測定値は、
幅広い周波数および時間ウィンドウ内のピークを見つけるために獲得探索を実行することと、
小さな周波数および時間探索ウィンドウ内の前記ピークを確認するために確認探索を実行することと、
前記確認探索の成功に続いて、前記ピーク上で相互相関テストを実行するためのプログラムコードと、前記ピークが前記相互相関テストをパスした場合、位置固定計算のために使用される測定データベース内に前記ピークを格納するためのプログラムコードを実行することと、
によって得られる、
請求項41に記載のプログラム可読媒体。
【請求項45】
より強いピーク測定値あるいはより弱いピーク測定値として前記第1のピーク測定値および前記第2のピーク測定値を識別するために、前記第1のキャリア対ノイズ推定値を前記第2のキャリア対ノイズ推定値と比較するためのプログラムコードと、
前記第2のキャリア対ノイズ密度推定値から前記第1のキャリア対ノイズ密度推定値キャリアを引くことによって前記キャリア対ノイズ密度差を計算するためのプログラムコードと、
をさらに備え、前記第1のキャリア対ノイズ密度推定値は、前記より強いピーク測定値と関連する、
請求項41に記載のプログラム可読媒体。
【請求項46】
より強いピーク測定値あるいはより弱いピーク測定値であるかとして前記第1のピーク測定値と前記第2のピーク測定値を識別するためのプログラムコードをさらに備え、前記ドップラー差は、前記第2のドップラーオフセット測定値から前記第1のドップラーオフセット測定値を引くことによって計算され、前記第1のドップラーオフセット測定値は、前記より強いピーク測定値と関連する、
請求項41に記載のコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−522253(P2011−522253A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511741(P2011−511741)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/045020
【国際公開番号】WO2010/019302
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】