説明

省燃費運転診断装置、車載システム、駆動制御装置および省燃費運転診断プログラム

【課題】停車のたびにどれくらいの割合で空ぶかしを行っているかを、運転者個々に対して提示することで、運転者の無駄な燃料消費についての意識と知識とを高める省燃費運転の啓蒙を行うことを課題とする。
【解決手段】省燃費運転診断装置は、車両が停車したことを検出して、停車した回数を計数し、車両が停車したと検出された後に、車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する。その後、省燃費運転診断装置は、停車した車両が空ぶかしを行ったと判定された場合に、車両が空ぶかしを行った停車回数として計数する。そして、省燃費運転診断装置は、計数された停車回数と、計数された空ぶかしを行った停車回数とに基づいて、運転者の省燃費運転を診断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両における運転者の省燃費運転を診断する省燃費運転診断装置、車載システム、駆動制御装置および省燃費運転診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策などの地球環境問題がクローズアップされ、石油などの化石燃料を用いることによる二酸化炭素の排出、特に、ガソリンを用いる自動車などの排出ガスなどが問題となっている。
【0003】
このような問題の対策として、太陽電池を電源とするソーラーカー、燃料電池を用いる燃料電池カー、ガソリンと電力(電気モータ)とを用いるハイブリッドカーなど、排出ガスを低減する様々な電気自動車が開発されている。
【0004】
ところが、上記した電気自動車は、一般社会ではまだまだ普及しているとは言い難く、現在最も使用されているのは、従来からのガソリンを用いた自動車である。そのため、地球環境問題などの対策としては、ガソリンを用いる自動車(ハイブリッドカーも含む)における排出ガスを低減することが必要である。このようなことから、最近では、自動車を運転する運転者に対して、排出ガス低減を促す様々な技術が開示されている。
【0005】
例えば、排出ガス低減を促す技術として、空ぶかしが行われたか否かを判定し、空ぶかしが行われたと判定された場合には、運転者に対して警告するという技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2007−326574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来の技術では、運転者個々に対して、省燃費運転の啓蒙が図られていなく、運転者の空ぶかしの行為を低減する対策が充分にできていないという課題があった。
【0008】
具体的には、従来の技術では、空ぶかしが行われる度に、運転者に対して警告を行っているだけであり、頻繁に運転する人、週末しか運転しない人などを考慮できていない。つまり、単に、空ぶかしが行われる度に、運転者に対して警告を行っているだけでは、運転者は、自分がどのくらい空ぶかしを行って無駄な燃料を消費しているか、また、無駄な排出ガスを排出しているのかを把握することができない。したがって、従来の技術を用いて空ぶかしを判定して、警告を行ったとしても、個々の運転者に対する警告としては不十分である。
【0009】
そこで、本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、停車のたびにどれくらいの割合で空ぶかしを行っているかを、運転者個々に対して提示することで、運転者の無駄な燃料消費についての意識と知識とを高める省燃費運転の啓蒙を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、車両が停車したことを検出する停車検出部と、前記停車検出部により検出された停車の回数を計数する停車回数計数部と、前記停車検出部により車両が停車したと検出された後に、前記車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する空ぶかし判定部と、前記空ぶかし判定部により空ぶかしを行ったと判定された停車回数を計数する空ぶかし停車検出部と、前記停車回数計数部により計数された停車回数と、前記空ぶかし停車検出部により計数された空ぶかしを行った停車回数とに基づいて、省燃費運転を診断する省燃費運転診断部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、運転者の空ぶかしの発生頻度や常習性を診断し、運転者個々に対して、診断結果を提示しているので、運転者の省燃費運転に対する知識と意識との向上が図られる。これにより、例えば、現代の車で必要の無い冷間時の暖房などによる停車時の空ぶかし(レーシング)などを抑止し、燃料消費量の抑制に繋がる。加えて、排出ガスを低減することも可能とある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る省燃費運転診断装置、車載システム、駆動制御装置および省燃費運転診断プログラムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本実施例に係る省燃費運転診断装置の概要、省燃費運転診断装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に本実施例に対する種々の変形例を説明する。
【実施例1】
【0013】
[省燃費運転診断装置の概要]
まず、図1を用いて、実施例に係る省燃費運転診断装置の構成を説明するのに先立って、実施例1に係る省燃費運転診断装置の概要について説明する。
【0014】
図1に示すように、実施例1に係る省燃費運転診断装置10は、自動車などの車両における車載システムに搭載される装置であり、車両における運転者の省燃費運転を診断する。また、この車載システム1には、当該省燃費運転診断装置10と、車内に音声を出力するスピーカー16と、運転席者などに対して運転支援を行うカーナビゲーション装置17とが接続されるとともに、省燃費運転診断装置10とバス100を介して接続される車両の駆動に関する各種制御を行う駆動制御装置20とを有する。もっとも、ここで図示した省燃費運転診断装置10は、あくまで本発明を説明するための例示であり、これに限定されるものではなく、例えば、エアコン、空気清浄機など自動車に搭載されている各種装置が含まれていてもよい。
【0015】
そして、この省燃費運転診断装置10は、車両が停車したことを検出し、停車した回数を計数して、車両が停車したと検出された後に、車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する。続いて、省燃費運転診断装置10は、停車した車両が空ぶかしを行ったと判定された場合に、車両が空ぶかしを行った停車回数として計数し、計数した停車回数と空ぶかしを行った停車回数とに基づいて、運転者の省燃費運転を診断する。その結果、省燃費運転診断装置10は、運転者個々に対して、空ぶかしを正確に判定することができる。
【0016】
具体的に例を挙げると、省燃費運転診断装置10は、車両が停車した回数と、停車した後に1回でも空ぶかしを行った回数とを計数する。そして、省燃費運転診断装置10は、計数した空ぶかしを行った停車回数を停車回数で除算し、除算した結果に100を掛け合わせることにより、運転者の省燃費運転を採点する。
【0017】
例えば、省燃費運転診断装置10は、計数した空ぶかしを行った停車回数が「7」、計数した停車回数が「10」である場合には、除算した結果「0.7」に100を掛け合わせることにより、運転者の省燃費運転を「70点」と採点する。なお、計数した空ぶかしを行った停車回数を計数した停車回数で除算していることより、空ぶかしが多い運転者ほど算出される値が大きくなる。
【0018】
このように、省燃費運転診断装置10は、空ぶかしが行われる度に、運転者に対して警告を行うのではなく、実際に停車したときに、空ぶかしを行ったか否かを判断して、運転者の省燃費運転を診断しているので、頻繁に運転する人、週末しか運転しない人などに対しても平等に診断することができる結果、運転者個々に対して、空ぶかしを正確に判定することができる。
【0019】
[省燃費運転診断装置の構成]
次に、図1を用いて、実施例1に係る省燃費運転診断装置の構成を説明する。図1は、実施例1に係る省燃費運転診断装置を含む車載システムの構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、この車載システム1は、省燃費運転診断装置10と、スピーカー16と、カーナビゲーション装置17と、駆動制御装置20と、エンジン制御装置21と、ブレーキ制御装置22と、車速センサ23と、アクセル操作量センサ24と、シフトセンサ25と、車速パルス信号積算値格納部26とがバス100により接続されている。
【0021】
このうち、スピーカー16は、省燃費運転診断装置10から入力された各種音声信号を音声として車内に出力したり、図示しないラジオや音楽プレーヤーなどから入力された各種音声信号を音声として車内に出力したりする。また、カーナビゲーション装置17は、タッチパネルや液晶などを有し、地図情報や道路情報などを表示したり、記憶する地図情報や道路情報から車両が現在走行している道路に関する情報を省燃費運転診断装置10に出力したりする一般的なカーナビゲーションである。
【0022】
(省燃費運転診断装置10の構成)
省燃費運転診断装置10は、出力インタフェース部11と、車載ネットワークインタフェース部12と、省燃費運転診断部13と、省燃費運転採点部14と、省燃費運転アドバイス生成部15とを有する。
【0023】
出力インタフェース部11は、省燃費運転診断装置10とスピーカー16との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御するインタフェースであり、例えば、後述する省燃費運転診断部13から出力された運転者の省燃費運転診断結果、省燃費運転採点部14から出力された運転者の省燃費運転採点結果、省燃費運転アドバイス生成部15から出力された運転者への省燃費運転アドバイスなどを受け付けて、スピーカー16に出力する。
【0024】
車載ネットワークインタフェース部12は、省燃費運転診断装置10と後述する駆動制御装置20との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御するインタフェースであり、例えば、省燃費運転診断装置10から出力される各種要求(例えば、速度取得要求やエンジン回転数速度取得要求など)を受け付けて、駆動制御装置20に対して出力したり、駆動制御装置20から出力される各種応答(例えば、速度情報やエンジン回転数情報など)を受け付けて、省燃費運転診断装置10に対して出力したりする。
【0025】
省燃費運転診断部13は、車両における運転者の省燃費運転を診断する制御部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、メモリ13aと、停車検出部13bと、停車回数計数部13cと、空ぶかし判定部13dと、空ぶかし停車検出部13eと、診断部13fと、空ぶかし回転計数部13gと、空ぶかし平均回数算出部13hと、消費燃料算出部13iとを有する。
【0026】
メモリ13aは、省燃費運転診断部13が有する各機能部(停車検出部13b〜消費燃料算出部13i)などにより生成された各種情報を記憶するとともに、特に本発明に密接に関連するものとしては、車両が空ぶかしを行ったか否かを判定するための判定基準を記憶する。
【0027】
例えば、メモリ13aは、判定基準として、図2に示すように、『アクセルの開度率を示す「アクセル開度率」、エンジンの回転数を示す「エンジン回転数」、セレクトレバーがPレンジであることを示す「Pレンジ信号」、セレクトレバーがNレンジであることを示す「Nレンジ信号」』を用いて、『「EACCP(アクセル開度率)>=5%」、AND、「NE1(エンジン回転数)>0rpm」、AND、「(Pレンジ信号がON)、OR、(Nレンジ信号がON)」』を記憶する。なお、図2は、空ぶかし判定の基準を示す図である。
【0028】
停車検出部13bは、車両が停車したことを検出する。具体的には、停車検出部13bは、駆動制御装置20から取得した車速情報が「車速=0km」である場合に、車両が停車したことを検出し、車両が停車したことを後述する停車回数計数部13cと空ぶかし判定部13dと空ぶかし回転計数部13gに通知する。
【0029】
停車回数計数部13cは、停車検出部13bにより検出された停車の回数を計数する。具体的には、停車回数計数部13cは、車両が停車したことを停車検出部13bにより通知されるたびに、車両が停車した回数として計数して、計数した停車した回数をメモリ13aに格納する。
【0030】
空ぶかし判定部13dは、停車検出部13bにより車両が停車したと検出された後に、車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する。具体的には、空ぶかし判定部13dは、車両が停車したことが停車検出部13bにより通知された後に、メモリ13aに記憶される空ぶかし判定の基準を参照しつつ、車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する。例えば、車両が停車したことが通知された空ぶかし判定部13dは、駆動制御装置20を介して、アクセル開度率、エンジン回転数、Pレンジ信号、Nレンジ信号を取得する。そして、空ぶかし判定部13dは、メモリ13aに記憶される空ぶかし判定の基準を満たす事象が1回でも発生した場合に、すなわち、『取得したアクセル開度率が「5%以上」、かつ、取得したエンジン回転数が「0rpm以上」、かつ、取得したPレンジ信号またはNレンジ信号が「ON」』である場合に、車両が空ぶかしを行ったと判定する。空ぶかしを行ったと判定した空ぶかし判定部13dは、車両が空ぶかしを行ったことを空ぶかし停車検出部13eに通知する。
【0031】
空ぶかし停車検出部13eは、空ぶかし判定部13dにより停車した車両が空ぶかしを行ったと判定された場合に、車両が空ぶかしを行った停車回数として計数する。具体的には、空ぶかし停車検出部13eは、空ぶかし判定部13dにより停車した車両が空ぶかしを行ったと判定された場合に、車両が停車した上で、空ぶかしを行ったことを示す空ぶかしを行った停車回数として計数し、計数した停車した回数をメモリ13aに格納する。
【0032】
診断部13fは、停車回数計数部13cにより計数された停車回数と、空ぶかし停車検出部13eにより計数された空ぶかしを行った停車回数とに基づいて、運転者の省燃費運転を診断する。具体的には、診断部13fは、所定のタイミングで、停車回数計数部13cにより計数されて格納された停車回数と、空ぶかし停車検出部13eにより計数されて格納された空ぶかしを行った停車回数とメモリ13aから取得する。そして、診断部13fは、メモリ13aから取得した空ぶかしを行った停車回数を停車回数で除算し、運転者が停車した上で空ぶかしを行った割合を算出し、算出結果をメモリ13aに格納する。
【0033】
例えば、診断部13fは、停車回数計数部13cにより計数されて格納された停車回数が「7」、空ぶかし停車検出部13eにより計数されて格納された空ぶかしを行った停車回数が「10」である場合、運転者が停車した上で空ぶかしを行った割合「0.2」を算出し、算出結果「0.7」をメモリ13aに格納する。なお、診断部13fが運転者が停車した上で空ぶかしを行った割合を算出する所定のタイミングとは、例えば、エンジン起動からエンジン終了までの1Trip間であってもよく、エンジン起動から2時間おきなど予め定められた間隔でもよく、任意に定めることができる。
【0034】
空ぶかし回転計数部13gは、停車検出部13bにより車両が停車したと検出される度に、停車したと検出された車両が、停車している間に行った空ぶかし回数をさらに計数する。具体的には、空ぶかし回転計数部13gは、停車検出部13bにより車両が停車したと検出される後に、駆動制御装置20を介して、アクセル開度率、エンジン回転数、Pレンジ信号、Nレンジ信号を取得する。そして、空ぶかし回転計数部13gは、メモリ13aに記憶される空ぶかし判定の基準を満たす事象が発生した回数、すなわち、『取得したアクセル開度率が「5%以上」、かつ、取得したエンジン回転数が「0rpm以上」、かつ、取得したPレンジ信号またはNレンジ信号が「ON」』である回数を計数し、計数した回数を空ぶかし回数としてメモリ13aに格納する。
【0035】
空ぶかし平均回数算出部13hは、停車回数計数部13cにより計数された停車回数と、空ぶかし回転計数部13gにより計数された空ぶかし回数とから、1回の停車で空ぶかしを行った回数を示す平均空ぶかし回数を算出する。具体的には、空ぶかし平均回数算出部13hは、停車回数計数部13cにより計数された停車回数と、空ぶかし回転計数部13gにより計数された空ぶかし回数とメモリ13aから取得する。そして、空ぶかし平均回数算出部13hは、取得した空ぶかし回数を取得した停車回数で除算することにより、1回の停車で空ぶかしを行った回数を示す平均空ぶかし回数を算出して、算出した平均空ぶかし回数をメモリ13aに格納する。例えば、空ぶかし平均回数算出部13hは、取得した空ぶかし回数が「100」であり、取得した停車回数が「10」である場合には、1回の停車で空ぶかしを行った回数を示す平均空ぶかし回数を「10」として算出して、算出した平均空ぶかし回数「10」をメモリ13aに格納する。
【0036】
消費燃料算出部13iは、空ぶかし回転計数部13gにより計数された空ぶかし回数から、空ぶかしで消費した燃料を算出する。具体的には、消費燃料算出部13iは、空ぶかし回転計数部13gにより計数された空ぶかし回数をメモリ13aから取得し、取得した空ぶかし回数に、予め定めた1回の空ぶかしで消費する燃料を掛け合わせて、無駄に消費した燃料を算出し、算出した無駄に消費した燃料をメモリ13aに格納する。
【0037】
例えば、消費燃料算出部13iは、取得した空ぶかし回数が「100」に、予め定めた1回の空ぶかしで消費する燃料が「0.05リットル」の場合、無駄に消費した燃料を「5リットル」と算出し、算出した無駄に消費した燃料「5リットル」をメモリ13aに格納する。なお、予め定めた1回の空ぶかしで消費する燃料は、車両の排気量、使用するガソリン種別(レギュラーやハイオクなど)、車両種別(ハイブリッドカーや一般的なガソリン自動車など)により、予め定めることができる。
【0038】
省燃費運転採点部14は、運転者の省燃費運転を診断として、停車回数計数部13cにより計数された停車回数における空ぶかし判定部13dにより計数された空ぶかしを行った停車回数の割合から、運転者の省燃費運転を採点する。具体的には、省燃費運転採点部14は、診断部13fにより格納された空ぶかしを行った割合をメモリ13aから取得して100を乗算することにより、運転者の省燃費運転を採点してメモリ13aに格納する。例えば、省燃費運転採点部14は、診断部13fにより格納された空ぶかしを行った割合が「0.7」である場合、運転者の省燃費運転を「70点」と採点してメモリ13aに格納する。
【0039】
省燃費運転アドバイス生成部15は、診断部13fにより診断された結果に基づいて、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知する。具体的に例を挙げれば、省燃費運転アドバイス生成部15は、診断部13fによりメモリ13aに格納された空ぶかしを行った割合を取得し、その割合に応じたメッセージを作成して運転者に通知する。例えば、省燃費運転アドバイス生成部15は、空ぶかしを行った割合が「0.7」である場合、「空ぶかしが多いです。エコ運転を心がけましょう」などのメッセージを作成して、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知する。
【0040】
また、省燃費運転アドバイス生成部15は、省燃費運転採点部14により採点された結果に基づいて、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知するようにしてもよい。例えば、省燃費運転アドバイス生成部15は、省燃費運転採点部14によりメモリ13aに格納された採点結果「70点」を取得し、「空ぶかしが多いです。エコ運転を心がけましょう」などのメッセージを作成して、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知する。
【0041】
また、省燃費運転アドバイス生成部15は、所定の条件に基づいて、空ぶかし回転計数部13gにより計数された空ぶかし回数、空ぶかし平均回数算出部13hにより算出された平均空ぶかし回数、消費燃料算出部13iにより算出された消費した燃料のうち少なくとも一つを選定してさらに通知することもできる。具体的には、省燃費運転アドバイス生成部15は、空ぶかし回数、平均空ぶかし回数、消費した燃料のそれぞれに対して、別個の閾値以上であるか否かを判定して、メッセージを選択して通知するようにしてもよい。
【0042】
例えば、省燃費運転アドバイス生成部15は、空ぶかし回数が閾値α以上、かつ、平均空ぶかし回数が閾値β以上、かつ、消費した燃料がγ以上である場合には、つまり、全ての回数が閾値以上である場合には、「空ぶかしが非常に多く、非常に不必要な運転です。日ごろからエコ運転を心がけて下さい」などの運転者に非常に強く省燃費運転を促すメッセージを作成して通知する。また、省燃費運転アドバイス生成部15は、上記した回数のうち1つだけ閾値を超える場合には、「空ぶかしが多い傾向にあります。エコ運転を心がけましょう」などの運転者に省燃費運転を促すメッセージを作成したり、上記した回数のうち2つ閾値を超える場合には、「空ぶかしが多いです。日ごろからエコ運転を心がけて下さい」などの運転者に省燃費運転を強く促すメッセージを作成したりして通知するようにすることもできる。
【0043】
なお、ここで省燃費運転アドバイス生成部15がメッセージを作成する手法としては、診断部13fにより算出された割合や省燃費運転採点部14により採点された結果などに対応付けたフォーマットなどを用いることで実現でき、それぞれと閾値とを比較して「メッセージA、B」を選択するようにしてもよい。フォーマットの例としては、「空ぶかしが多いです(XX)点。エコ運転を心がけましょう」などをメモリ13aに記憶させておけばよい。また、閾値との比較としては、例えば、採点結果が閾値A未満であれば「メッセージA」、閾値A以上であれば「メッセージB」などをメモリ13aに格納しておき、省燃費運転アドバイス生成部15は、省燃費運転採点部14により採点された採点結果と閾値とを比較して、上記したメッセージを選択して通知する。
【0044】
また、空ぶかし回数、平均空ぶかし回数、消費した燃料についても、上記した閾値との比較で決定する例を用いることができる。さらに、空ぶかし回数、平均空ぶかし回数、消費した燃料の全てが上記した閾値B以上である場合に用いる「メッセージD」、空ぶかし回数、平均空ぶかし回数、消費した燃料のうち2つが上記した閾値B以上である場合に用いる「メッセージE」などをメモリ13aに格納する。こうすることにより、さらに細かなメッセージ選択を実施することができ、運転者に省燃費運転をより強く促すことができる。また、上記した例では、閾値Aと閾値Bとの2つの閾値を用いてメッセージを選択する例について説明したが、これに限定されるものではなく、閾値を3つ以上用いて、メッセージを選択するようにしてもよい。
【0045】
(駆動制御装置20と各種装置の構成)
次に、車両の駆動に関する各種制御を行う駆動制御装置20と駆動制御装置20に接続される各装置について説明する。駆動制御装置20に接続される装置としては、エンジン制御装置21と、ブレーキ制御装置22と、車速センサ23と、アクセル操作量センサ24と、シフトセンサ25と、車速パルス信号積算値格納部26とがある。
【0046】
駆動制御装置20は、接続される各装置から各種情報を取得して、省燃費運転診断装置10に出力する。当該駆動制御装置20が各種情報を取得して省燃費運転診断装置10に出力する契機としては、省燃費運転診断装置10から取得要求を受け付けた場合や定期的、さらには、予め定めた契機(例えば、車速が0となった場合)など様々な契機で、取得・通知することができる。また、駆動制御装置20が各種情報を取得して省燃費運転診断装置10に出力する情報としては、例えば、車速、エンジン回転率、セレクトレバー信号、アクセル操作量(アクセル開度率)などがある。
【0047】
また、駆動制御装置20は、エンジン制御装置21と、ブレーキ制御装置22と、車速センサ23と、アクセル操作量センサ24と、シフトセンサ25と、車速パルス信号積算値格納部26などから各種情報を取得して、車両の駆動を制御する。例えば、駆動制御装置20は、アクセル操作量センサ24からアクセス開放率が高くなったことを取得すると、エンジン回転率を上げるようにエンジン制御装置21を制御する。
【0048】
エンジン制御装置21は、車両を駆動するガソリンエンジンを制御する。具体的には、エンジン制御装置21は、駆動制御装置20から通知されるエンジン回転率上昇要求やエンジン回転率下降要求などを受け付けて、それぞれに対応したエンジン回転率を制御する。また、エンジン制御装置21は、現在制御しているエンジン回転率を、駆動制御装置20で説明した契機で、駆動制御装置20に出力する。
【0049】
ブレーキ制御装置22は、図示しない車両のブレーキペダルなどに接続され、運転者のブレーキ操作に応じてメカニカルブレーキを制御するとともに、運転者のシフトレバー操作に応じて回生ブレーキとして使用する様に制御する。車速センサ23は、現在の車両の車速を検知する。具体的には、車速センサ23は、スピードメータなどの表示される現在の車両の車速を検知し、駆動制御装置20で説明した契機で、検知した車速を駆動制御装置20に出力する。
【0050】
アクセル操作量センサ24は、現在の運転者のアクセル操作量を検知する。具体的には、アクセル操作量センサ24は、図示しない車両のアクセルペダルなどに接続され、運転者のアクセル操作に応じてアクセル操作量を検知し、駆動制御装置20で説明した契機で、検知したアクセル操作量を駆動制御装置20に出力する。
【0051】
シフトセンサ25は、車両のシフトレバー(セレクトレバー)の位置を検知する。具体的には、シフトセンサ25は、図示しない車両のシフトレバーなどに接続され、運転者のシフトレバー操作に応じてシフトレバーを検知し、駆動制御装置20で説明した契機で、検知したシフトレバーを示すレンジ信号を駆動制御装置20に出力する。
【0052】
車速パルス信号積算値格納部26は、車両の車輪の内径に備えられたパルスセンサが車輪の1回転毎に車速パルス信号を検知したとして1ずつ積算した値である。すなわち、車速パルス信号積算値は、車輪の回転回数を積算した値である。所定時間の車速パルス信号積算値を算出して車輪の外周長を乗じることによって、該所定時間の車両の走行距離を算出することができる。また、車速パルス信号積算値格納部26は、駆動制御装置20で説明した契機で、算出した車両の走行距離を駆動制御装置20に出力する。
【0053】
[省燃費運転診断装置による処理]
次に、図3〜図7を用いて、実施例1に係る省燃費運転診断装置による処理を説明する。図3は、実施例1に係る省燃費運転診断装置における省燃費運転診断処理の流れを示すフローチャートであり、図4は、実施例1に係る省燃費運転診断装置における停車回数計数処理の流れを示すフローチャートであり、図5は、実施例1に係る省燃費運転診断装置における空ぶかし判定処理の流れを示すフローチャートであり、図6は、実施例1に係る省燃費運転診断装置における空ぶかし回数計数処理の流れを示すフローチャートであり、図7は、実施例1に係る省燃費運転診断装置におけるアドバイス通知処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
(省燃費運転診断処理の流れ)
まず、図3を用いて、実施例1に係る省燃費運転診断装置における省燃費運転診断処理の流れを説明する。図3に示すように、省燃費運転診断装置10は、所定の契機で(例えば、セレクトレバーのレンジ信号のうちPレンジ信号またはNレンジ信号がONになった場合など)、停車判定処理を実行する(ステップS101)。
【0055】
続いて、省燃費運転診断装置10は、空ぶかし判定処理を実施し(ステップS102)、空ぶかし判定処理で空ぶかしが有りと判定された場合には(ステップS103肯定)、空ぶかし回数計数処理とアドバイス通知処理とを実行する(ステップS104とステップS105)。
【0056】
一方、空ぶかし判定処理で空ぶかしが有りと判定されなかった場合、すなわち、車両が空ぶかしを行わなかった場合(ステップS103否定)、省燃費運転診断装置10は、省燃費運転診断処理を終了する。
【0057】
(停車回数計数処理の流れ)
次に、図4を用いて、図3で示した停車判定処理について説明する。図4に示すように、省燃費運転診断装置10は、車両が停車状態であるか否かを所定の契機で判定し(ステップS201)、停車状態であると判定した場合には(ステップS201肯定)、停車した回数を計数(停車回数に1を加算)してメモリ13aに格納し(ステップS202とステップS203)、停車状態でないと判定した場合には(ステップS201否定)、停車判定処理を終了する。
【0058】
具体的に例を挙げると、省燃費運転診断装置10は、セレクトレバーのレンジ信号のうちPレンジ信号またはNレンジ信号がONになった場合、駆動制御装置20から取得した車速が「0」であるか否かを判定する。そして、省燃費運転診断装置10は、車速が「0」である場合には、車両が停車状態であると判定して停車回数を計数し、車速が「0」でない場合には、車両が停車状態でないと判定して停車判定処理を終了する。
【0059】
(空ぶかし判定処理の流れ)
次に、図5を用いて、図3に示した空ぶかし判定処理の流れについて説明する。図5に示すように、省燃費運転診断装置10は、車両が停車状態であると判定した場合(ステップS301肯定)、停車状態である車両が空ぶかしを行った否かを判定する(ステップS302)。
【0060】
そして、省燃費運転診断装置10は、停車状態である車両が空ぶかしを行ったと判定した場合(ステップS302肯定)、車両が空ぶかしを行った停車回数として計数(1を加算)してメモリ13aに格納する(ステップS303とステップS304)。
【0061】
具体的に例を挙げると、車両が停車状態であると判定した省燃費運転診断装置10は、駆動制御装置20を介してアクセル開度率とエンジン回転数とPレンジ信号またはNレンジ信号とを取得する。そして、省燃費運転診断装置10は、『アクセル開度率が「5%以上」、かつ、エンジン回転数が「0rpm以上」、かつ、Pレンジ信号またはNレンジ信号が「ON」』である場合に、車両が空ぶかしを行ったと判定し、空ぶかしを行ったことを示す空ぶかしを行った停車回数として計数してメモリ13aに格納する。
【0062】
一方、省燃費運転診断装置10は、停車状態である車両が空ぶかしを行ったと判定しない、つまり、車両が空ぶかしを行っていない場合(ステップS302否定)、処理を終了する。
【0063】
(空ぶかし回数計数処理の流れ)
次に、図6を用いて、図3に示した空ぶかし回数計数処理の流れについて説明する。図6に示すように、図5において、停車状態にある車両が空ぶかしを行ったと判定した省燃費運転診断装置10は、当該車両が停車状態を継続中である場合(ステップS401肯定とステップS402肯定)、図5と同様に、空ぶかしを行ったか否かを判定する(ステップS403)。
【0064】
そして、省燃費運転診断装置10は、停車状態にある車両が空ぶかしを行ったと判定する度に(ステップS403肯定)、空ぶかし回数を計数(1を加算)してメモリ13aに格納する(ステップS404とステップS405)。また、省燃費運転診断装置10は、停車状態にある車両が空ぶかしを行ったと判定しない場合、つまり、車両が空ぶかしを行っていない場合(ステップS403否定)、ステップS402に戻って以降の処理を実施する。
【0065】
一方、省燃費運転診断装置10は、当該車両が停車状態を継続中でない場合、すなわち、車両の車速が「0」より大きくなった場合(ステップS402否定)、空ぶかし回数計数処理を終了する。
【0066】
(アドバイス通知処理の流れ)
次に、図7を用いて、図3に示したアドバイス通知処理の流れについて説明する。図7に示すように、省燃費運転診断装置10は、図6で算出した空ぶかし回数が閾値α以上(ステップS501肯定)、かつ、平均空ぶかし回数が閾値β以上(ステップS502肯定)、かつ、空ぶかしにより無駄に使った燃料量が閾値γ以上である場合には(ステップS503肯定)、運転者に対して省燃費運転を非常に強く促すメッセージ(アドバイスA)を作成して通知する(ステップS504)。
【0067】
そして、省燃費運転診断装置10は、図6で算出した空ぶかし回数が閾値α以下である場合(ステップS501否定)、運転者に対して省燃費運転を促すメッセージ(アドバイスB)を作成して通知する(ステップS505)。
【0068】
また、省燃費運転診断装置10は、図6で算出した空ぶかし回数が閾値α以上(ステップS501肯定)、かつ、平均空ぶかし回数が閾値β未満(ステップS502否定)、アドバイスBよりも省燃費運転を強く促すメッセージ(アドバイスC)を作成して通知する(ステップS506)。
【0069】
また、省燃費運転診断装置10は、図6で算出した空ぶかし回数が閾値α以上(ステップS501肯定)、かつ、平均空ぶかし回数が閾値β以上(ステップS502肯定)、かつ、空ぶかしにより無駄に使った燃料量が閾値γ未満である場合には(ステップS503否定)、アドバイスBやアドバイスCよりも省燃費運転を強く促すメッセージ(アドバイスD)を作成して通知する(ステップS507)。
【0070】
なお、平均空ぶかし回数の計数手法や無駄に使用した燃料量の算出手法などについては、図2で説明したので、ここでは省略する。
【0071】
[実施例1による効果]
このように、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、車両が停車したことを検出し、停車した回数を計数し、車両が停車したと検出された後に、車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する。そして、省燃費運転診断装置10は、停車した車両が空ぶかしを行ったと判定された場合に、車両が空ぶかしを行った停車回数として計数し、計数された停車回数と、計数された空ぶかしを行った停車回数とに基づいて、運転者の省燃費運転を診断する。その結果、省燃費運転診断装置10は、運転者の空ぶかしの発生頻度や常習性を診断し、運転者個々に対して、診断結果を提示しているので、運転者の省燃費運転に対する知識と意識との向上が図られる。また、省燃費運転診断装置10は、例えば、頻繁に運転する人、週末しか運転しない人などに対しても平等に診断することができる結果、運転者個々に対して、空ぶかしを正確に判定することが可能である。
【0072】
また、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、運転者の省燃費運転を診断として、計数された停車回数における計数された空ぶかしを行った停車回数の割合から、運転者の省燃費運転を採点する。その結果、省燃費運転診断装置10は、運転者(ユーザ)にわかり易い情報で、空ぶかしを正確に判定することが可能である。
【0073】
また、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、診断された結果に基づいて、運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知するので、運転者個々に対して、省燃費運転(エコ運転)を促すことが可能である。
【0074】
また、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、所定の条件に基づいて、計数された空ぶかし回数、算出された平均空ぶかし回数、算出された消費した燃料のうち少なくとも一つを選定してさらに通知する。その結果、省燃費運転診断装置10は、運転者(ユーザ)にわかり易い情報で、省燃費運転(エコ運転)を促すことが可能である。
【0075】
また、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、車両のセレクトレバーがPレンジまたはNレンジである場合に、車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する。その結果、省燃費運転診断装置10は、車両が停車したか否かをより正確に判定することが可能である。
【0076】
また、実施例1によれば、省燃費運転診断装置10は、車両のエンジン回転数が所定の回転数以上、かつ、車両のアクセル開度率が所定の閾値以上となった場合、車両が空ぶかしを行ったと判定する。その結果、省燃費運転診断装置10は、運転者個々に対して、空ぶかしをより正確に判定することが可能である。
【実施例2】
【0077】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に示すように、(1)アドバイス生成手法、(2)機能構成、(3)システム構成等、(4)プログラムにそれぞれ区分けして異なる実施例を説明する。
【0078】
(1)アドバイス生成手法
例えば、実施例1では、音声により生成したアドバイスを運転者に通知する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、アドバイスを画像データで生成して、カーナビゲーション装置17や図示しないヘッドアップディスプレイなどに表示出力することもできる。
【0079】
(2)機能構成
例えば、実施例1では、省燃費運転診断部13が、メモリ13aと、停車検出部13bと、停車回数計数部13cと、空ぶかし判定部13dと、空ぶかし停車検出部13eと、診断部13fと、空ぶかし回転計数部13gと、空ぶかし平均回数算出部13hと、消費燃料算出部13iとを有している場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら全ての機能を有している必要はない。例えば、省燃費運転診断部13が、停車検出部13bと、停車回数計数部13cと、空ぶかし判定部13dと、空ぶかし停車検出部13eと、診断部13fとを有する構成であっても、運転者個々に対して、空ぶかしを正確に判定することが可能である。また、メモリ13aを有していない場合、各機能部が一時領域などを持つことで処理を実行することができる。
【0080】
また、省燃費運転診断部13と駆動制御装置20とで各機能を分散することもできる。例えば、図8に示すように、メモリ13aと、停車回数計数部13cと、空ぶかし停車検出部13eと、診断部13fと、空ぶかし回転計数部13gと、空ぶかし平均回数算出部13hと、消費燃料算出部13iとを省燃費運転診断部13に、停車検出部13bと、空ぶかし判定部13dとを駆動制御装置20に分散して設けることもできる。もっとも、分散は、図8に示した例に限定されるものではなく、例えば、停車検出部13bと停車回数計数部13cとを統合する停車検出回数計数部を設けるようにしてもよい。なお、図8は、省燃費運転診断機能を分散させた車載システムの例を示す図である。
【0081】
また、車両システム1は、図1に示したように、必ずしも省燃費運転診断部13と駆動制御装置20とを分離して設けている必要はなく、例えば、駆動制御装置20を省燃費運転診断部13に組み込んだ構成としてもよい。
【0082】
また、実施例1では、ハイブリッドカー以外のガソリンのみをエネルギーとして用いる自動車を例にして説明したが、ハイブリッドカーなどの電気自動車についても同様に、省燃費運転診断装置を適用することができる。
【0083】
(3)システム構成等
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、図2など)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0084】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合(例えば、空ぶかし判定部13dと空ぶかし停車検出部13eとを統合するなど)して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0085】
(4)プログラム
なお、本実施例で説明した省燃費運転診断方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明に係る省燃費運転診断装置、車載システム、駆動制御装置および省燃費運転診断プログラムは、車両における運転者の省燃費運転を診断することに有用であり、特に、運転者個々に対して、空ぶかしを正確に判定することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例1に係る省燃費運転診断装置を含む車載システムの構成を示すブロック図である。
【図2】空ぶかし判定の基準を示す図である。
【図3】実施例1に係る省燃費運転診断装置における省燃費運転診断処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施例1に係る省燃費運転診断装置における停車回数計数処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施例1に係る省燃費運転診断装置における空ぶかし判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施例1に係る省燃費運転診断装置における空ぶかし回数計数処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施例1に係る省燃費運転診断装置におけるアドバイス通知処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】省燃費運転診断機能を分散させた車載システムの例を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
1 車載システム
10 省燃費運転診断装置
11 出力インタフェース部
12 車載ネットワークインタフェース部
13 省燃費運転診断部
13a メモリ
13b 停車検出部
13c 停車回数計数部
13d 空ぶかし判定部
13e 空ぶかし停車検出部
13f 診断部
13g 空ぶかし回転計数部
13h 空ぶかし平均回数算出部
13i 消費燃料算出部
14 省燃費運転採点部
15 省燃費運転アドバイス生成部
16 スピーカー
17 カーナビゲーション装置
20 駆動制御装置
21 エンジン制御装置
22 ブレーキ制御装置
23 車速センサ
24 アクセル操作量センサ
25 シフトセンサ
26 車速パルス信号積算値格納部
100 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が停車したことを検出する停車検出部と、
前記停車検出部により検出された停車の回数を計数する停車回数計数部と、
前記停車検出部により車両が停車したと検出された後に、前記車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する空ぶかし判定部と、
前記空ぶかし判定部により空ぶかしを行ったと判定された停車回数を計数する空ぶかし停車検出部と、
前記停車回数計数部により計数された停車回数と、前記空ぶかし停車検出部により計数された空ぶかしを行った停車回数とに基づいて、省燃費運転を診断する省燃費運転診断部と、
を備えたことを特徴とする省燃費運転診断装置。
【請求項2】
前記省燃費運転診断部は、前記停車回数計数部により計数された停車回数における前記空ぶかし停車検出部により計数された空ぶかしを行った停車回数の割合から、前記運転者の省燃費運転を採点することを特徴とする請求項1に記載の省燃費運転診断装置。
【請求項3】
前記省燃費運転診断部により診断された診断結果に基づいて、前記運転者に対して省燃費運転のアドバイスを通知するアドバイス通知部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の省燃費運転診断装置。
【請求項4】
前記停車検出部により車両が停車したと検出される度に、当該停車したと検出された車両が、停車している間に行った空ぶかし回数をさらに計数する空ぶかし回数計数部と、
前記停車回数計数部により計数された停車回数と、前記空ぶかし回数計数部により計数された空ぶかし回数とから、1回の停車で空ぶかしを行った回数を示す平均空ぶかし回数を算出する空ぶかし平均回数算出部と、
前記空ぶかし回数計数部により計数された空ぶかし回数から、前記空ぶかしで消費した燃料を算出する消費燃料算出部と、をさらに備え、
前記アドバイス通知部は、所定の条件に基づいて、前記空ぶかし回数計数部により計数された空ぶかし回数、前記空ぶかし平均回数算出部により算出された平均空ぶかし回数、前記消費燃料算出部により算出された消費した燃料のうち少なくとも一つを選定してさらに通知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の省燃費運転診断装置。
【請求項5】
前記空ぶかし判定部は、車両のセレクトレバーがPレンジまたはNレンジである場合に、前記車両が空ぶかしを行ったか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の省燃費運転診断装置。
【請求項6】
前記空ぶかし判定部は、車両のエンジン回転数が所定の回転数以上、かつ、車両のアクセル開度率が所定の閾値以上となった場合、前記車両が空ぶかしを行ったと判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の省燃費運転診断装置。
【請求項7】
車両の駆動に関する各種制御を行う駆動制御装置と、車両における運転者の省燃費運転を診断する省燃費運転診断装置とを有する車載システムであって、
前記駆動制御装置は
前記車両が停車したことを検出する停車検出部と、
前記停車検出手段により車両が停車したと検出された後に、前記車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する空ぶかし判定部と、を備え、
前記省燃費運転診断装置は、
前記駆動制御装置により車両が停車したと検出された回数を計数する停車回数計数部と、
前記駆動制御装置により空ぶかしを行ったと判定された停車回数を計数する空ぶかし停車検出部と、
前記駆動制御装置により停車した車両が空ぶかしを行ったと判定された場合に、前記車両が空ぶかしを行った停車回数として計数する空ぶかし停車検出部と、
前記停車回数計数部により計数された停車回数と、前記空ぶかし停車検出部により計数された空ぶかしを行った停車回数とに基づいて、省燃費運転を診断する省燃費運転診断部と、
を備えたことを特徴とする車載システム。
【請求項8】
車両の駆動に関する各種制御を行う駆動制御装置と、車両における運転者の省燃費運転を診断する省燃費運転診断装置とを有する車載システムにおける前記駆動制御装置であって、
前記車両が停車したことを検出する停車検出部と、
前記停車検出部により車両が停車したと検出された後に、前記車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する空ぶかし判定部と、
を備えたことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項9】
車両が停車したことを検出する停車検出手順と、
前記停車検出手順により検出された停車の回数を計数する停車回数計数手順と、
前記停車検出手順により車両が停車したと検出された後に、前記車両が空ぶかしを行ったか否かを判定する空ぶかし判定手順と、
前記空ぶかし判定手順により空ぶかしを行ったと判定された停車回数を計数する空ぶかし停車検出手順と、
前記停車回数計数手順により計数された停車回数と、前記空ぶかし停車検出部により計数された空ぶかしを行った停車回数とに基づいて、省燃費運転を診断する省燃費運転診断手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする省燃費運転診断プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−31810(P2010−31810A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197014(P2008−197014)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】