説明

看護業務管理システム

【課題】タグリーダで読み取ったタグ情報から看護業務の内容を正確に特定することができるようにする。
【解決手段】対象物IDを記憶したタグ装置1を個々の対象物に配置し、看護師が対象物を使用する際にタグリーダ装置2により読み取られた対象物IDをサーバ装置3に送信して対象物の使用履歴情報として記録する。一方、看護業務の内容と使用する対象物の種類とを互いに関連付けてなる看護業務情報をサーバ装置3に記憶しておく。そして、対象物の使用履歴情報と看護業務情報とを照合することで、対象物の使用履歴から看護業務の内容を特定することにより、ある1つの対象物を共通に使用する看護業務が複数あったとしても、その1つの対象物を含めた一連の使用履歴から看護業務を判断することで1つの看護業務を一意に特定することができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は看護業務管理システムに関し、特に、タグ装置とタグリーダ装置とを用いて看護師の看護行動に基づく動線を特定可能に成されたシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、病院や福祉介護施設において、医師や看護師(福祉介護施設では介護師)は複数の患者(福祉介護施設では被介護者)を担当しており、医療業務や看護業務も多岐に渡っている。以下では、医師、看護師および介護師をまとめて単に「看護師」という。また、患者および被介護者をまとめて単に「患者」という。さらに、医療業務および看護業務をまとめて単に「看護業務」という。
【0003】
看護師が様々な看護業務を忘れないで実施するために、コンピュータに予定を入力して管理するシステムが提供されている。例えば、看護業務のスケジュールをサーバで管理して看護師の使用端末に予定を表示するシステムが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−309300号公報
【0004】
特許文献1において、看護師はPDA(Personal Digital Assistant)などの看護支援端末を保持し、オーダー用紙に貼付された非接触タグシールを当該PDAの読取部で読み取り、当該非接触タグシールの示すオーダー識別情報に対応するオーダー情報を看護支援サーバから読み込む。看護師は、PDAの表示部に表示されるオーダー情報に従って、オーダー処理(医療行為)を行う。また、オーダー処理の内容を、PDAおよび看護支援サーバが照合してチェックするようになされている。
【0005】
また、看護師毎のスケジュールを作成することに加えて、看護師が予定の看護業務を実施済みか否かまで管理するシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、看護師、患者、医薬品、薬品棚、医療機器に非接触タグ装置を取り付け、病室の出入口などにタグリーダを設置する。そして、タグリーダにより読み取られたタグの種類および読取時刻を取得し、取得した情報に基づいて、看護業務予定表に含まれる看護業務を特定して実施済とする。具体的には、タグから読み取った看護師名、患者名、医薬品、場所、時間等のタグ情報を分析し、分析したタグ情報が看護業務予定表のどの行為レコードに当てはまるかを検出する。
【特許文献2】特開2006−260437号公報
【0006】
また、タグに記録された個人識別情報をリーダライタで読み取って、認証用データベースの登録データとの照合により個人認証を行うことにより、診断治療機器の操作管理、薬箱の操作、看護師の医療行動に基づく動線を時系列に記憶するようにした看護師の行動管理システムも提案されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3では、看護師が室内に入ろうとする場合には、自己が所有するタグを部屋の扉の周辺に設けたリーダライタに近接させる。その後看護師が室内に入り、薬箱から特定の薬を取り出そうとする場合においても、自己が所有するタグを薬箱の扉の周辺に設けたリーダライタに近接させる。すると、これら一連の認証結果が管理データベースに逐次送られ、時系列に記憶保持される。
【特許文献3】特開2005−174032号公報
【0007】
さらに、看護師が看護業務を行う場合、看護師の所在をサーバにて検出し、看護業務が正しく行われているか、看護業務に必要な器具や薬が正しく選択されているかを検出するようにした警告システムも提案されている(例えば、特許文献4参照)。この特許文献4では、薬の包装や袋等に薬の名称を識別するためのタグを埋め込んでおき、これをセンサユニットの無線受信機で読み取り、読み取った識別情報をサーバに送信する。サーバは、識別情報に対応した薬品の名称を記録したテーブルデータをデータベースに記憶しており、そのテーブルデータを参照して、看護師により選択された薬が正しいか否かを判断する。
【特許文献4】特開2005−92440号公報
【0008】
以上のように、特許文献1に記載の技術によれば、看護業務のスケジュールをサーバで管理して看護師の使用端末に看護業務の予定を表示することにより、看護師が様々な看護業務を忘れないで実施することを支援することができる。さらに特許文献2に記載の技術を用いれば、タグリーダを用いてタグから取得した情報に基づいてサーバの看護業務予定表に含まれる看護業務を特定して実施済とすることにより、予定の看護業務が実施されたか否かを確認することができる。
【0009】
また、特許文献3に記載の技術によれば、医療器具や薬箱などに設けたタグリーダにより看護師のタグ情報を読み取ることにより、看護師が使用した医療器具や薬、看護師の医療行動に基づく動線を特定することができる。さらに、特許文献4に記載の技術を用いれば、タグリーダでタグ情報を読み取ることによって特定した医療器具や薬の情報をサーバに登録されているデータと照合することにより、看護業務が正しく行われているか、看護業務に必要な器具や薬が正しく選択されているかを判断することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の技術では、タグリーダで読み取ったタグ情報から看護業務の内容を正確に特定することができないという問題があった。すなわち、読み取ったタグ情報から、看護師が使用した医療器具や医薬品を特定できても、看護師が行った看護業務を一意に特定することができない。異なる複数の看護業務で同じ医療器具を使用することがあり、異なる複数の看護業務で同じ医薬品を使用することがあるからである。
【0011】
例えば、患者に薬剤を投与するという看護業務の場合、それを注射によって行うのか、内服によって行うのかによって、看護業務の種類は異なる。さらに、注射で薬剤を投与する場合、それをどんな方法で行うかによっても、看護業務の種類は異なる。このように、薬剤投与という看護業務も細かく見れば種々存在するが、それぞれの看護業務で使用する器具や医薬品が共通している場合がある。そのため、看護師が使用した医療器具や医薬品を特定できても、どの種類の薬剤投与が行われたのかを一意に特定できない場合があるという問題があった。
【0012】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、タグリーダで読み取ったタグ情報から看護業務の内容を正確に特定することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した課題を解決するために、本発明では、看護業務を行う際に使用される対象物の識別情報を出力する識別情報出力手段を個々の対象物またはその収納領域に配置し、当該識別情報出力手段により出力される識別情報を対象物記録手段が入力して対象物の使用履歴情報として記録媒体に記録する。一方、看護業務の内容とその看護業務で使用する1以上の対象物の種類とを互いに関連付けてなる看護業務情報を看護業務情報記憶部にあらかじめ記憶しておき、上述のようにして記録された対象物の使用履歴情報と看護業務情報とを業務特定手段が照合し、対象物の使用履歴から看護業務の内容を特定するようにしている。
【0014】
本発明の他の態様では、タグリーダ装置がタグ装置から情報を読み取った時間が所定時間以上である場合、または、タグリーダ装置がタグ装置から情報を所定時間以内に所定回数以上読み取った場合にのみ、取得された識別情報に基づいて対象物の使用履歴情報を記録媒体に記録するようにしている。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した本発明によれば、看護師が対象物を使用すると、その使用の都度対象物の識別情報が読み取られて、対象物の使用履歴情報が逐次記録されていく。これにより、ある看護業務を行う際に使用した1以上の対象物が使用履歴情報として記録されることとなる。そして、このようにして記録された対象物の使用履歴情報が、看護業務の内容とその看護業務で使用する1以上の対象物の種類とを互いに関連付けてなる看護業務情報と照合されて、対象物の使用履歴に適合する看護業務の内容が特定されることとなる。
【0016】
このため、例えばある1つの対象物を共通に使用する看護業務が複数あったとしても、その1つの共通使用に係る対象物と他の共通使用でない対象物とを含めた一連の使用履歴から看護業務を判断することで1つの看護業務を一意に特定することができる。これにより、読み取った対象物の識別情報から、看護師が実際に行った看護業務の内容を正確に特定することができる。
【0017】
また、本発明の他の特徴によれば、識別情報出力手段がタグ装置またはタグリーダ装置に備えられ、タグ装置とタグリーダ装置との間の情報交換を通じて対象物の識別情報が取得され、この識別情報に基づいて対象物の使用履歴情報が記録されることとなる。この場合、看護師が対象物を使用していなくても、タグリーダ装置がタグ装置に偶然に近づくと、使用していない対象物に関しても識別情報の読み取りが行われてしまう可能性がある。しかし、看護師により実際に使用された対象物に関しては、実際に使用されていない対象物よりもタグ情報の読み取り時間が長くなる。あるいは、タグ情報の読み取り回数が多くなる。
【0018】
本発明の他の特徴によれば、タグリーダ装置がタグ装置から情報を読み取った時間が所定時間以上である場合、または、タグリーダ装置がタグ装置から情報を所定時間以内に所定回数以上読み取った場合に、識別情報出力手段により出力された識別情報に基づき対象物の使用履歴情報が記録され、そうでない場合には使用履歴情報は記録されない。このため、タグ装置とタグリーダ装置とが一時的に近接しただけの対象物に関しては使用履歴情報として残らないようにし、実際に使用された対象物だけを使用履歴情報として記録することができる。これにより、記録された対象物の使用履歴から、看護師が実際に行った看護業務の内容を正確に特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による看護業務管理システムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の看護業務管理システム10は、主として非接触タグ装置(以下、これを単に「タグ装置」と称する)1と、非接触タグリーダ装置(以下、これを単に「タグリーダ装置」と称する)2と、サーバ装置3とを備えて構成されている。
【0020】
タグ装置1は、看護師が看護業務を行う際に使用する個々の対象物またはその収納領域にそれぞれ取り付ける。対象物の例としては、医薬品の包装、薬品収納ケース、医療機器、医療器具、カルテ、処方箋、食器などが挙げられる。なお、薬品収納ケースにタグ装置1を取り付ける際、当該ケース内に複数種類の医薬品が収納される場合には、個々の医薬品の収納位置毎にタグ装置1を取り付ける。一方、ケース内に1種類の医薬品が収納される場合には、そのケースに対して1つタグ装置1を取り付ければよい。
【0021】
この他、病室の出入口にある扉や病室内の床、ベッドなどにタグ装置1を取り付けても良い。ベッドの代わりに、患者が着ている衣類にタグ装置1を取り付けるようにしても良い。なお、ここでは衣類としたが、これに限定されない。要は患者が院内を移動する場合に患者と共に移動する物であれば、いかなる物にタグ装置1を取り付けても良い。
【0022】
タグリーダ装置2は、看護業務を行う看護師が携帯する。そして、看護師が看護業務を行う際には、タグリーダ装置2をタグ装置1に近接させる。例えば、看護師が担当の患者に対して看護業務を施す前に、その患者の衣類あるいはベッド等に設けたタグ装置1にタグリーダ装置2を近接させる。更にその後、医薬品や医療器具などの対象物を使用して看護業務を実施する際に、使用する個々の対象物またはその収納領域に設けたタグ装置1にタグリーダ装置2を近接させる。
【0023】
タグ装置1は、タグリーダ装置2が近接したときに、電磁波などを用いてタグリーダ装置2と無線で通信できるようになっている。本実施形態において、タグ装置1とタグリーダ装置2とは、例えば10cm以下の通信距離の近距離無線通信を行う。タグリーダ装置2は、タグ装置1との近距離無線通信機能に加えて、アクセスポイント4を介して院内ネットワーク5に接続する機能を備えている。この院内ネットワーク5には、サーバ装置3が接続されている。これによりタグリーダ装置2は、アクセスポイント4および院内ネットワーク5を介してサーバ装置3と通信できるようになっている。
【0024】
なお、タグリーダ装置2は、例えば看護師が携帯するPHS端末などに内蔵する構成としても良い。また、看護師が装着するリストバンドにタグリーダ装置2を付設する構成としても良い。後者のように構成すれば、看護師が対象物を手にとると自然にタグリーダ装置2がタグ装置1に近接するので、タグリーダ装置2をタグ装置1にわざわざ近接させる手間を省けて好ましい。
【0025】
図2は、図1に示したタグ装置1、タグリーダ装置2およびサーバ装置3の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、タグ装置1は、これが取り付けられる物の識別情報を記憶するID記憶部11と、タグリーダ装置2が近接したときに識別情報を発信する発信部12とを備えている。
【0026】
医薬品の包装や薬品収納ケースに取り付けられるタグ装置1のID記憶部11には、当該医薬品の種類を一意に特定可能な識別情報が記憶される。同様に、医療機器、医療器具、カルテ、処方箋、食器、ベッド、患者などに取り付けられるタグ装置1のID記憶部11には、当該医療機器、医療器具、カルテ、処方箋、食器、ベッド、患者などを一意に特定可能な識別情報が記憶される。以下、ID記憶部11に記憶される識別情報のうち、看護師が看護業務を行う際に使用される対象物またはその収納領域に取り付けられるタグ装置1に記憶されるものを「対象物ID」と称し、ベッドや患者に取り付けられるタグ装置1に記憶されるものを「患者ID」と称する。
【0027】
発信部12は、識別情報を出力する本発明の識別情報出力手段に相当するものである。この発信部12は、タグリーダ装置2と近距離無線通信による交信を行うとともに、電磁誘導による電力供給を受けるためのアンテナコイルを備えている。電磁誘導により起電力を得るために、タグ装置1は、図示しない整流回路や電源回路などを備えている。なお、電磁誘導により起電力を得るための構成は公知のものを適用できるので、ここでは詳細な説明を割愛する。
【0028】
また、タグリーダ装置2は、看護師ID記憶部21と、受信部22と、タイマ23と、送信判定部24と、ネットワーク送信部25とを備えている。看護師ID記憶部21は、タグリーダ装置2を携帯する看護師を一意に特定可能な識別情報(以下、これを「看護師ID」と称する)を記憶する。受信部22は、タグ装置1と近距離無線通信による交信を行うとともに、電磁誘導による電力供給を行うためのアンテナコイルを備えており、タグ装置1の発信部12から出力された対象物IDや患者IDを受信する。
【0029】
タイマ23は、タグリーダ装置2がタグ装置1から対象物IDや患者IDを読み取っている時間を計測する。上述のように、タグ装置1の発信部12からタグリーダ装置2の受信部22に対して対象物IDや患者IDが送信されるが、タグ装置1との通信可能範囲内にタグリーダ装置2が近接している間は、タグ装置1とタグリーダ装置2との間で交信が繰り返し行われる。つまり、看護師が対象物を使用することによってタグ装置1とタグリーダ装置2とが近接している間は交信が繰り返し行われている。このときタイマ23は、その交信によりタグリーダ装置2がタグ装置1から対象物IDまたは患者IDを読み取っている時間を計測する。具体的には、タイマ23は、受信部22にて対象物ID等の受信を開始した時点から読取時間の計測を開始し、受信部22にて対象物ID等の受信が終了した時点で読取時間の計測を終了する。
【0030】
送信判定部24は、タイマ23により計測された時間が所定時間以上であるか否かを判定し、所定時間以上である対象物IDや患者IDのみをサーバ装置3に送信するようにネットワーク送信部25を制御する。
【0031】
ネットワーク送信部25は、受信部22によりタグ装置1から対象物IDや患者IDが受信されたときに、当該受信された対象物IDまたは患者IDと、看護師ID記憶部21から読み出される看護師IDとを、院内ネットワーク5を介してサーバ装置3に送信する。このときネットワーク送信部25は、送信判定部24による制御に従って、受信部22により受信される対象物IDや患者IDのうち、タイマ23により計測された読取時間が所定時間以上である対象物IDや患者IDだけをサーバ装置3に送信する。
【0032】
このようにタイマ23を使って対象物ID等の送信有無を判定するのは、看護師の所持するタグリーダ装置2が対象物や患者のタグ装置1に偶然に近づいただけのときに取得される対象物ID等は採用しないようにするためである。すなわち、看護師が対象物を使用していなくても、看護師の所持しているタグリーダ装置2が対象物のタグ装置1に偶然に近づくと、使用していない対象物に関しても対象物IDの読み取りが行われてしまう可能性がある。しかし、看護師により実際に使用された対象物に関しては、実際に使用されていない対象物よりも対象物IDの読取時間が長くなる。患者IDも同様である。
【0033】
そこで、本実施形態では、タグリーダ装置2がタグ装置1から対象物IDや患者IDを読み取っている時間をタイマ23により測定し、これが所定時間以上であるか否かを送信判定部24にて判定する。そして、対象物IDや患者IDの読取時間が所定時間以上である場合にのみ、ネットワーク送信部25がその対象物ID等を院内ネットワーク5を介してサーバ装置3に送信するようにしている。
【0034】
なお、ここでは対象物ID等の読取時間が所定時間以上であるか否かを判定するようにしているが、これに限定されない。例えば、タグリーダ装置2がタグ装置1から対象物ID等を所定時間以内に所定回数以上読み取ったか否かを判定するようにしても良い。上述のように、タグ装置1とタグリーダ装置2とが互いに近接している間は交信が繰り返し行われる。両者が偶然に一時的に近づいただけのときは、交信回数は少なくなる。これにより、一定時間以内に繰り返し行われた交信の回数、例えば対象物IDの読取回数をもとに、看護師が対象物を実際に使用しているときに得られた対象物IDであるか否かを判定することができる。
【0035】
次いで、サーバ装置3は、ネットワーク受信部31、対象物記録部32、対象物使用履歴記憶部33、看護業務情報記憶部34、業務特定部35および時計部36を備えている。ネットワーク受信部31は、タグリーダ装置2から院内ネットワーク5を介して送られてくる対象物ID、患者IDおよび看護師IDを受信する。時計部36は、ネットワーク受信部31が対象物IDを受信した日時を測定するために使用される。
【0036】
対象物記録部32は、本発明の対象物記録手段に相当するものであり、ネットワーク受信部31により受信された対象物ID(識別情報出力手段により出力された対象物の識別情報)、患者IDおよび看護師IDを入力し、当該入力した各IDを用いて対象物の使用履歴情報を対象物使用履歴記憶部33(本発明の記録媒体に相当する)に記録する。このとき対象物記録部32は、時計部36により測定された時刻を合わせて記録する。
【0037】
図3は、対象物使用履歴記憶部33に記憶される対象物の使用履歴情報の例を示す図である。図3に示す例において、対象物使用履歴記憶部33は、看護師ID、患者ID、使用した対象物、対象物の使用開始時刻および使用終了時刻の各項目を1つのレコードとして、複数レコードR1,R2,・・・にわたって対象物の使用履歴情報を記録している。ここで記録する対象物は、対象物IDそのものであっても良いし、対象物IDから特定される対象物の名称などであっても良い。図3の例では対象物の名称を記録するものとして図示しているが、以下では説明の便宜上、対象物IDを記録するものとして説明する。
【0038】
上述したように、看護師が対象物を使用している間はタグ装置1の対象物IDがタグリーダ装置2により繰り返し読み取られ、その都度タグリーダ装置2からサーバ装置3に対象物IDが送られてくる。こうして対象物IDが送られてくる都度対象物使用履歴記憶部33に対象物IDを記録するようにしても良いが、これでは看護師が1つの対象物を使用し続けている間ずっと、同じ対象物IDが複数レコードに渡って記録されてしまい、無駄である。
【0039】
そこで本実施形態では、対象物記録部32は、例えば同じ対象物IDが続けてネットワーク受信部31にて受信されているか否かを判定し、同じ対象物IDが続けて受信されている間はその対象物IDを1つのレコードに記録するように動作する。そして、その同じ対象物IDを最初にネットワーク受信部31で受信した時刻を時計部36より取得して対象物の使用開始時刻として記録する。また、同じ対象物IDを最後にネットワーク受信部31で受信した時刻を時計部36より取得して対象物の使用終了時刻として記録する。
【0040】
例えば、看護師が担当の患者に対して看護業務を施す前に、その患者の衣類あるいはベッド等に設けたタグ装置1にタグリーダ装置2を近接させると、患者IDが読み取られ、その患者IDが看護師IDと共にタグリーダ装置2からサーバ装置3に送信される。次に、看護師が医薬品や医療器具などの対象物を使用して看護業務を実施する際に、使用する個々の対象物またはその収納領域に設けたタグ装置1にタグリーダ装置2を近接させると、使用した対象物の対象物IDが読み取られ、その対象物IDが看護師IDと共にタグリーダ装置2からサーバ装置3に送信される。
【0041】
看護師が1つの対象物を使用している間は、同じ対象物IDが看護師IDと共に繰り返しサーバ装置3に送信される。このとき対象物記録部32は、繰り返し送られてくる対象物ID等をその都度対象物使用履歴記憶部33に1レコードずつ記録することはせずに、同じ対象物IDが続けてネットワーク受信部31にて受信されているか否かを監視する。そして、同じ対象物IDの受信が止まったと判断したときに、それまで受信していた看護師IDと対象物IDを、最初に受信した患者IDとセットにして1つのレコードに記録する。また、同じ対象物IDを最初に受信した時刻を対象物の使用開始時刻として記録し、同じ対象物IDを最後に受信した時刻を対象物の使用終了時刻として記録する。
【0042】
次に、看護師が別の対象物を使用し始めると、別の対象物IDが看護師IDと共にサーバ装置3に送信され始める。このとき対象物記録部32は、繰り返し送られてくる新たな対象物ID等も先ほどと同様にその都度対象物使用履歴記憶部33に記録することはせずに、同じ対象物IDが続けてネットワーク受信部31にて受信されているか否かを監視する。そして、同じ対象物IDの受信が止まったと判断したときに、それまで受信していた看護師IDと対象物IDを、最初に受信した患者IDとセットにして1つのレコードに記録する。また、2番目の対象物IDを最初に受信した時刻を対象物の使用開始時刻として記録し、2番目の対象物IDを最後に受信した時刻を対象物の使用終了時刻として記録する。
【0043】
なお、看護師が一人の患者に対して看護業務を行う場合、使用する対象物が複数であることが多い。そのため、最初にタグリーダ装置2で患者のタグ装置1から患者IDが読み取られた後、使用した複数の対象物のそれぞれ毎に複数の対象物IDが順次読み取られる。この場合に対象物記録部32は、当該複数の対象物IDをサーバ装置3の対象物使用履歴記憶部33に1レコードずつ対象物の使用履歴情報として記録する。このとき、対象物記録部32は、次の患者IDが読み取られるまでは、同じ患者IDを複数の対象物IDに関連付けて記録する。
【0044】
その後、タグリーダ装置2によって別の患者IDが読み取られ、それがサーバ装置3に送信されてくると、対象物記録部32は、その後にタグリーダ装置2から送られてくる1以上の対象物IDを新たな患者IDに関連付けて対象物使用履歴記憶部33に1レコードずつ記録していく。このような形式で対象物の使用履歴情報を記録することにより、同じ患者IDが続けて記録されているレコードのまとまりを、看護師が一人の患者に対して看護業務を行ったときに使用した一連の対象物の履歴として捉えることが可能となる。
【0045】
なお、図3の例では対象物の使用開始時刻および使用終了時刻を使用履歴情報の一部として記録するようにしているが、これは必ずしも必須の情報ではない。看護師IDも患者IDも必須の情報ではない。患者IDを記録しない場合は、患者IDの読み取りも不要となる。例えば、患者IDを記録しない場合は対象物の使用開始時刻および使用終了時刻を記録することで、その記録された使用時刻をもとに、看護師が一人の患者に対して看護業務を行ったときに使用した一連の対象物のまとまりを捉えることが可能である。
【0046】
すなわち、一人の患者に対して1つの看護業務を行う際には複数の対象物を一連に使用することから、あるレコードに記録される使用終了時刻とその次のレコードに記録される使用開始時刻との差はあまり大きくならない。これに対して、ある患者に対する1つの看護業務を終えて次の患者に対して別の看護業務を行う際には、看護師が次の患者の場所まで移動する必要があることから、あるレコードに記録される使用終了時刻とその次のレコードに記録される使用開始時刻との差が大きくなる。そこで、あるレコードに記録される使用終了時刻とその次のレコードに記録される使用開始時刻との差が所定値以上か否かを判定することにより、看護師が一人の患者に対して看護業務を行ったときに使用した一連の対象物のまとまりを捉えることが可能である。
【0047】
看護業務情報記憶部34は、看護業務の内容とその看護業務で使用する1以上の対象物の種類とを互いに関連付けて成る看護業務情報を個々の看護業務毎に記憶する。図4は、看護業務情報記憶部34に記憶されている看護業務情報の例を示す図である。図4に示す看護業務情報は、縦軸に看護業務の内容をとり、横軸に対象物の種類をとったテーブル情報から成る。このテーブル情報には、個々の看護業務毎にどの対象物を使用するのかという情報と、使用する対象物の内容を表す情報とが含まれている。
【0048】
図4に示すテーブル情報は、一例として、患者に薬剤を投与する看護業務の内容とその看護業務において使用する対象物の種類とを示している。具体的には、看護業務の内容として、「皮下注射」「皮内注射」「筋肉内注射」および「内服」の4種類を示している。また、対象物の種類として、「注射せん」「処方せん」「注射薬」「内服薬」「注射器」「注射針」「薬杯」「アルコール綿」「トレイ」の9種類を示している。そして、個々の看護業務毎に、9種類の中のどの対象物を使用するか、「注射針」に関してはどの種類の注射針を使用するのかが示されている。
【0049】
業務特定部35は、対象物記録部32により対象物使用履歴記憶部33に記録された対象物の使用履歴情報(図3参照)と、看護業務情報記憶部34に記憶されている看護業務情報(図4参照)とを照合し、対象物の使用履歴から看護業務の内容を特定する。
【0050】
具体的には、まず業務特定部35は、対象物使用履歴記憶部33に記録された使用履歴情報から、看護師が一人の患者に対して看護業務を行ったときに使用した一連の対象物を抽出する。この抽出方法は上述した通りである。次に業務特定部35は、看護業務情報記憶部34に記憶されている看護業務情報を参照して、上述のように抽出した1以上の対象物が全て含まれる看護業務を特定する。図3および図4の例では、看護師により行われた看護業務は「皮下注射」であると特定される。
【0051】
次に、上記のように構成した本実施形態による看護業務管理システム10の動作を説明する。図5は、タグリーダ装置2の動作例を示すフローチャートである。図5において、タグリーダ装置2の受信部22は、タグ装置1からID(患者IDまたは対象物ID)を受信したか否かを判定する(ステップS1)。ここで、IDを受信していないと受信部22にて判断した場合は(ステップS1にてNO)、ステップS1に戻り、タグ装置1からIDを受信したか否かの監視を継続する。
【0052】
一方、IDを受信したと受信部22にて判断した場合(ステップS1にてYES)、受信部22は、今回受信したIDが、前のタイミングで受信したIDと同じであるか否かを判定する(ステップS2)。今回受信したIDが前回受信したIDと同じでないと受信部22にて判断した場合(ステップS2にてNO)、タイマ23は、読取時間をゼロにリセットした後(ステップS3)、タグリーダ装置2がタグ装置1からIDを読み取っている時間を計測する(ステップS4)。
【0053】
これに対して、今回受信したIDが前回受信したIDと同じであると受信部22にて判断した場合(ステップS2にてYES)、ステップS4にジャンプし、タイマ23は、受信部22がタグ装置1からIDを読み取っている時間を計測する(ステップS4)。次に、送信判定部24は、タイマ23により計測された読取時間が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS5)。ここで、読取時間が所定時間以上でないと送信判定部24にて判断した場合は(ステップS5にてNO)、ステップS1の処理に戻る。
【0054】
一方、読取時間が所定時間以上であると送信判定部24にて判断した場合(ステップS5にてYES)、ネットワーク送信部25は、受信部22により受信された患者IDまたは対象物IDと、看護師ID記憶部21から読み出した看護師IDとを、院内ネットワーク5を介してサーバ装置3に送信する(ステップS6)。その後処理はステップS1に戻る。
【0055】
図6は、サーバ装置3の動作例を示すフローチャートである。図6において、ネットワーク受信部31は、タグリーダ装置2から患者IDを(看護師IDと共に)受信したか否かを判定する(ステップS11)。ここで、患者IDを受信していないとネットワーク受信部31にて判断した場合は(ステップS11にてNO)、処理はステップS13にジャンプする。
【0056】
一方、患者IDを受信したとネットワーク受信部31にて判断した場合(ステップS11にてYES)、対象物記録部32は、その受信した患者IDを看護師IDと共に一時保存用のメモリ(図示せず)に保持する(ステップS12)。次にネットワーク受信部31は、タグリーダ装置2から対象物IDを受信したか否かを判定する(ステップS13)。ここで、対象物IDを受信していないとネットワーク受信部31にて判断した場合は(ステップS13にてNO)、処理はステップS11に戻る。
【0057】
一方、対象物IDを受信したとネットワーク受信部31にて判断した場合(ステップS13にてYES)、対象物記録部32は、当該対象物IDを受信した時刻を対象物の使用開始時刻として時計部36より取得する(ステップS14)。さらに、対象物記録部32は、ステップS13で受信した対象物IDとステップS14で取得した使用開始時刻とを一時保存用のメモリに保持する(ステップS15)。
【0058】
次に、ネットワーク受信部31は、タグリーダ装置2から対象物IDを更に受信したか否かを判定する(ステップS16)。ここで、対象物IDを受信していないとネットワーク受信部31にて判断した場合は(ステップS16にてNO)、処理はステップS11に戻る。一方、対象物IDを受信したとネットワーク受信部31にて判断した場合(ステップS16にてYES)、対象物記録部32は、ステップS16で対象物IDを受信したときの時刻を時計部36より取得し、これを対象物の使用終了時刻の候補として一時保存用のメモリに保持する(ステップS17)。
【0059】
その後、対象物記録部32は、今回受信した対象物IDが、前のタイミングで受信した対象物IDと同じであるか否かを判定する(ステップS18)。ここで、今回受信した対象物IDが前回受信した対象物IDと同じであると対象物記録部32にて判断した場合(ステップS18にてYES)、処理はステップS16に戻る。なお、ステップS16〜S18のループが繰り返し行われている間、ステップS17では、対象物の使用終了時刻(候補)が一時保存用のメモリに上書きして記憶される。
【0060】
そして、今回受信した対象物IDが前回受信した対象物IDと同じでないと対象物記録部32にて判断した場合(ステップS18にてNO)、対象物記録部32は、ステップS12で一時メモリに保持した看護師IDおよび患者IDと、ステップS15で一時メモリに保持した対象物IDおよび対象物の使用開始時刻と、ステップS17で一時メモリに保持した対象物の使用終了時刻とを対象物使用履歴記憶部33の1つのレコードに記録する(ステップS19)。
【0061】
その後、業務特定部35は、看護師が一人の患者に対して行った1つの看護業務が終わったかどうかを判定する(ステップS20)。この判定は、例えば、ステップS19で最後のレコードに記録した患者IDがその前のレコードに記録した患者IDと異なるか否かを判断することによって行うことができる。上述したように、同じ患者IDが続けて記録されているレコードのまとまりを1つの看護業務として捉えることができるからである。
【0062】
また、ステップS19で最後のレコードに記録した対象物の使用開始時刻と、その前のレコードに記録した対象物の使用終了時刻との差が所定値以上か否かを判断することによっても、1つの看護業務が終わったかどうかを判定することができる。なお、このステップS20の判定を行った段階では、何か1つの看護業務が終わったことが検出されるが、その看護業務の内容は特定されていない。
【0063】
1つの看護業務がまだ終わっていないと業務特定部35にて判断した場合(ステップS20にてNO)、処理はステップS11に戻る。一方、1つの看護業務が終わったと業務特定部35にて判断した場合には(ステップS20にてYES)、業務特定部35は、対象物使用履歴記憶部33および看護業務情報記憶部34を参照することにより、その看護業務の内容を特定する(ステップS21)。その後、処理はステップS11に戻る。
【0064】
なお、この図6に示すフローチャートでは、対象物使用履歴情報の記録処理と看護業務の特定処理とを一連の流れの中で行う例を示したが、これら2つの処理は別のフェーズで切り離して行うことも可能である。例えば、看護業務の特定処理は、看護師からの指示情報の入力によって任意のタイミングで行うようにすることも可能である。
【0065】
以上詳しく説明したように、本実施形態の看護業務管理システム10では、対象物IDを出力するタグ装置1を個々の対象物またはその収納領域に配置し、看護師が対象物を使用する際にタグリーダ装置2により読み取られた対象物IDを対象物の使用履歴情報として記録する。一方、看護業務の内容とその看護業務で使用する1以上の対象物の種類とを互いに関連付けてなる看護業務情報をあらかじめ記憶しておく。そして、上述のようにして記録された対象物の使用履歴情報と看護業務情報とを照合することで、対象物の使用履歴から看護業務の内容を特定するようにしている。
【0066】
これにより、例えばある1つの対象物を共通に使用する看護業務が複数あったとしても、その1つの対象物を含めた一連の使用履歴から看護業務を判断することで1つの看護業務を一意に特定することができる。これにより、読み取った対象物IDから、看護師が実際に行った看護業務の内容を正確に特定することができる。
【0067】
また、本実施形態の看護業務管理システム10では、タグリーダ装置2がタグ装置1から対象物IDを読み取った時間が所定時間以上である場合にのみ、その取得された対象物IDを使用履歴情報として記録するようにしている。これにより、タグ装置1とタグリーダ装置2とが一時的に近接しただけの対象物に関しては使用履歴として残らないようにし、実際に使用された対象物だけを使用履歴として記録することができる。このため、記録された対象物の使用履歴から、看護師が実際に行った看護業務の内容を正確に特定することができる。
【0068】
なお、上記実施形態では、タグリーダ装置2が送信判定部24を備え、対象物IDの読取時間が所定時間以上のときのみタグリーダ装置2からサーバ装置3に対象物IDを送信する例について説明したが、これに限定されない。例えば、読み取られた対象物IDは全てタグリーダ装置2からサーバ装置3に送信し、サーバ装置3内において、同じ対象物IDを続けて所定個以上受信したか否かを判定して、所定個以上同じ対象物IDを続けて受信したときのみ対象物の使用履歴情報として記録するようにしても良い。
【0069】
また、上記実施形態では、タグ装置1が識別情報出力手段を備える構成について説明したが、タグリーダ装置2が備えるようにしても良い。例えば、医薬品の包装、薬品収納ケース、医療機器、医療器具、カルテ、処方箋、食器などの個々の対象物や患者のベッドに小型のタグリーダ装置を取り付け、タグ装置を看護師が携帯するようにする。この場合、タグ装置が看護師IDを記憶し、タグリーダ装置が患者IDまたは対象物IDを記憶している。
【0070】
看護師が対象物を使用する際には、自己が所有するタグ装置を対象物のタグリーダ装置に近接させる。これに応じてタグリーダ装置は、タグ装置から看護師IDを取得するとともに、自身の内部メモリに記憶している対象物IDを読み出してサーバ装置3に送信する。このときタグリーダ装置は、タグリーダ装置がタグ装置から看護師ID(本発明の所定の情報に相当する)を読み取った時間が所定時間以上である場合、または、タグリーダ装置がタグ装置から看護師IDを所定時間以内に所定回数以上読み取った場合にのみ、タグリーダ装置の内部から取得された対象物IDをサーバ装置3に送信して対象物使用履歴記憶部33に記録させる。
【0071】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施形態による看護業務管理システムの全体構成例を示す図である。
【図2】本実施形態によるタグ装置、タグリーダ装置およびサーバ装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の対象物使用履歴記憶部に記憶される対象物の使用履歴情報の例を示す図である。
【図4】本実施形態の看護業務情報記憶部に記憶されている看護業務情報の例を示す図である。
【図5】本実施形態によるタグリーダ装置の動作例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態によるサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1 タグ装置
2 タグリーダ装置
3 サーバ装置
11 ID記憶部
12 発信部
21 看護師ID記憶部
22 受信部
23 タイマ
24 送信判定部
25 ネットワーク送信部
31 ネットワーク受信部
32 対象物記録部
33 対象物使用履歴記憶部
34 看護業務情報記憶部
35 業務特定部
36 時計部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
看護業務を行う際に使用される個々の対象物またはその収納領域に配置され、上記対象物の識別情報を出力する識別情報出力手段と、
上記識別情報出力手段により出力された識別情報を入力し、上記識別情報により示される上記対象物の使用履歴情報を記録媒体に記録する対象物記録手段と、
上記看護業務の内容とその看護業務で使用する1以上の対象物の種類とを互いに関連付けた看護業務情報を個々の看護業務毎に記憶してなる看護業務情報記憶部と、
上記対象物記録手段により記録された上記対象物の使用履歴情報と上記看護業務情報記憶部に記憶されている上記看護業務情報とを照合し、上記対象物の使用履歴から上記看護業務の内容を特定する業務特定手段とを備えたことを特徴とする看護業務管理システム。
【請求項2】
上記識別情報出力手段は、上記識別情報を内部に記憶したタグ装置に備えられ、
上記タグ装置の上記識別情報出力手段により出力された上記識別情報を読み取り上記対象物記録手段に供給するタグリーダ装置を更に備え、
上記対象物記録手段は、上記タグリーダ装置が上記タグ装置から上記識別情報を読み取った時間が所定時間以上である場合、または、上記タグリーダ装置が上記タグ装置から上記識別情報を上記所定時間以内に所定回数以上読み取った場合に取得された上記識別情報に基づいて、上記対象物の使用履歴情報を上記記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載の看護業務管理システム。
【請求項3】
上記識別情報出力手段は、タグ装置から所定の情報を読み取るタグリーダ装置であって上記識別情報を内部に記憶したタグリーダ装置に備えられ、
上記対象物記録手段は、上記タグリーダ装置が上記タグ装置から上記所定の情報を読み取った時間が所定時間以上である場合、または、上記タグリーダ装置が上記タグ装置から上記所定の情報を上記所定時間以内に所定回数以上読み取った場合に上記タグリーダ装置の内部から取得された上記識別情報に基づいて、上記対象物の使用履歴情報を上記記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載の看護業務管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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