説明

真正細菌宿主細胞における直交翻訳成分の発現システム

本発明は1個以上の非天然アミノ酸を含むポリペプチドのin vivo作製用組成物及び方法に関する。具体的には、本発明は遺伝的にプログラムされた位置に1個以上の非天然アミノ酸を含むポリペプチドを真正細菌で効率的に発現させるためのプラスミドシステムを提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸構築物を含む組成物であって、前記構築物が
(a)大腸菌プロリンtRNA遺伝子から誘導されるプロモーター及びターミネーターヌクレオチド配列と、発現可能なヌクレオチド配列(ここで、前記プロモーター及びターミネーター配列はいずれも前記発現可能なヌクレオチド配列と機能的に連結されており、前記発現可能なヌクレオチド配列は前記プロモーター及びターミネーターヌクレオチド配列に対して異種である);
(b)配列番号13のヌクレオチド配列をもつ改変型大腸菌glnSプロモーターに対応するプロモーターヌクレオチド配列と、発現可能なヌクレオチド配列(ここで、前記改変型大腸菌glnSプロモーターヌクレオチド配列は前記発現可能なヌクレオチド配列と機能的に連結されている);
(c)直交tRNA(O−tRNA)をコードするヌクレオチド配列と、前記O−tRNAを非天然アミノ酸で優先的にアミノアシル化する直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)をコードするヌクレオチド配列;又は
(d)複数のtRNA遺伝子ヌクレオチド配列を含み、少なくとも1個のtRNA遺伝子が天然tRNAオペロンに由来する天然ポリヌクレオチドリンカーから誘導される異種ポリヌクレオチドリンカーにより少なくとも1個の隣接tRNA遺伝子から分離されているポリシストロン性オペロンを含む前記組成物。
【請求項2】
前記構築物が(a)及び(b)の両者を含み、(a)及び(b)の前記発現可能なヌクレオチド配列が相互に異なる請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記構築物が(a)、(b)及び(c)を含み、(a)の前記発現可能なヌクレオチド配列が前記O−tRNAをコードし、(b)の前記発現可能なヌクレオチド配列が前記O−RSをコードする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記大腸菌プロリンtRNA遺伝子が大腸菌proK、proL及びproM tRNA遺伝子から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記大腸菌プロリンtRNAプロモーター及びターミネーター配列が夫々配列番号32(プロモーター)及び33(ターミネーター)に記載の大腸菌proKのプロモーター及びターミネーター配列から誘導される請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
(a)の前記発現可能なヌクレオチド配列が複数の1種以上のヌクレオチド配列を含むポリシストロン性オペロンである請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
(a)の前記発現可能なヌクレオチド配列がtRNAをコードする請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記tRNAが1種以上の古細菌tRNAから誘導される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記tRNAが配列番号1(MjtRNA−Tyr(CUA))のヌクレオチド配列によりコードされる請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記発現可能なヌクレオチド配列が配列番号1(MjtRNA−Tyr(CUA))の複数のヌクレオチド配列を含むポリシストロン性オペロンである請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記発現可能なヌクレオチド配列が複数の前記ポリシストロン性オペロンである請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
(b)の前記発現可能なヌクレオチド配列がポリペプチドをコードする請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
(b)の前記発現可能なヌクレオチド配列がアミノアシルtRNAシンテターゼをコードする請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
(b)の前記発現可能なヌクレオチド配列が直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)をコードし、前記O−RSが対応するO−tRNAを非天然アミノ酸で優先的にアミノアシル化する請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記O−RSがMethanococcus jannaschiiアミノアシルtRNAシンテターゼから誘導される請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記O−RSがMethanococcus jannaschiiチロシルtRNAシンテターゼから誘導される請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記O−RSが配列番号2に記載の野生型Methanococcus jannaschiiチロシルtRNAシンテターゼ(野生型Mj−tRNA−Tyr RS)のアミノ酸配列に対してアミノ酸286位又は286位に類似する位置にアスパラギン酸→アルギニン置換をもつ請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1に記載の組成物を含む宿主細胞。
【請求項19】
前記宿主細胞が真正細菌宿主細胞である請求項18に記載の宿主細胞。
【請求項20】
前記宿主細胞が大腸菌細胞である請求項18に記載の宿主細胞。
【請求項21】
(d)の前記ポリシストロン性オペロンが複数の同一の異種ポリヌクレオチドリンカーを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
(d)の前記ポリシストロン性オペロンが複数の異種ポリヌクレオチドリンカーを含み、異種ポリヌクレオチドリンカーの少なくとも2個が相互に異なる請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
(d)の前記異種ポリヌクレオチドリンカーが5’末端チミジンヌクレオチド、3’末端アデノシンヌクレオチド、又は5’末端チミジンヌクレオチドと3’末端アデノシンヌクレオチドの両者を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
(d)の前記異種ポリヌクレオチドリンカーがvalUとvalX;ileTとalaT;serVとargV;valVとvalW;glyTとthrT;metTとleuW;glnWとmetU;hisRとleuT;glnUとglnW;leuPとleuV;glnVとglnX;alaWとalaX;ileUとalaU;ileVとalaV;metUとglnV;glyWとcysT;argXとhisR;及びargYとargZから選択される内在大腸菌tRNA遺伝子間に位置する天然ポリヌクレオチドリンカーから誘導される請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
(d)の前記異種ポリヌクレオチドリンカーが配列番号14(valU/valXリンカー)又は15(ileT/alaTリンカー)のヌクレオチド配列から誘導される請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
少なくとも1個の非天然アミノ酸を特定位置に組込んだ該当ポリペプチドの発現用翻訳系であって、前記系が
(a)非天然アミノ酸と;
(b)直交tRNA(O−tRNA)をコードするヌクレオチド配列と、前記O−tRNAを前記非天然アミノ酸で優先的にアミノアシル化する直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸構築物と;
(c)前記該当ポリペプチドをコードし、前記O−tRNAにより認識される少なくとも1個のセレクターコドンを含むポリヌクレオチドであって、ポリヌクレオチドが発現されると、ポリヌクレオチドにおけるセレクターコドンの位置がポリペプチドを生産するようにポリペプチドにおける非天然アミノ酸の特定位置を制御するように構成された前記ポリヌクレオチドを含む前記翻訳系。
【請求項27】
前記核酸構築物が
(i)大腸菌プロリンtRNA遺伝子から誘導されるプロモーター及びターミネーターヌクレオチド配列(ここで、前記プロモーター及びターミネーター配列はいずれも前記O−tRNAを含むか又はコードする前記ヌクレオチド配列と機能的に連結されており、前記O−tRNAは前記プロモーター及びターミネーターヌクレオチド配列に対して異種である);
(ii)配列番号13のヌクレオチド配列をもつ改変型大腸菌glnSプロモーターに対応するヌクレオチド配列(ここで、前記改変型大腸菌glnSヌクレオチド配列は前記O−RSをコードする前記ヌクレオチド配列と機能的に連結されている);並びに
(iii)複数の前記O−tRNA遺伝子ヌクレオチド配列を含み、少なくとも1個のO−tRNA遺伝子が天然tRNAオペロンに由来する天然ポリヌクレオチドリンカーから誘導される異種ポリヌクレオチドリンカーにより少なくとも1個の隣接O−tRNA遺伝子から分離されているポリシストロン性オペロン
の少なくとも1種を含む請求項26に記載の翻訳系。
【請求項28】
前記大腸菌プロリンtRNA遺伝子が大腸菌proK、proL及びproM tRNA遺伝子から選択される請求項27に記載の翻訳系。
【請求項29】
前記大腸菌プロリンtRNAプロモーター及びターミネーター配列が夫々配列番号32(プロモーター)及び33(ターミネーター)に記載の大腸菌proKのプロモーター及びターミネーター配列から誘導される請求項27に記載の翻訳系。
【請求項30】
前記ポリシストロン性オペロンが複数の同一の異種ポリヌクレオチドリンカーを含む請求項27に記載の翻訳系。
【請求項31】
前記ポリシストロン性オペロンが複数の異種ポリヌクレオチドリンカーを含み、異種ポリヌクレオチドリンカーの少なくとも2個が相互に異なる請求項27に記載の翻訳系。
【請求項32】
前記異種ポリヌクレオチドリンカーが5’末端チミジンヌクレオチド、3’末端アデノシンヌクレオチド、又は5’末端チミジンヌクレオチドと3’末端アデノシンヌクレオチドの両者を含む請求項27に記載の翻訳系。
【請求項33】
前記異種ポリヌクレオチドリンカーがvalUとvalX;ileTとalaT;serVとargV;valVとvalW;glyTとthrT;metTとleuW;glnWとmetU;hisRとleuT;glnUとglnW;leuPとleuV;glnVとglnX;alaWとalaX;ileUとalaU;ileVとalaV;metUとglnV;glyWとcysT;argXとhisR;及びargYとargZから選択される内在大腸菌tRNA遺伝子間に位置する天然ポリヌクレオチドリンカーから誘導される請求項27に記載の翻訳系。
【請求項34】
前記異種ポリヌクレオチドリンカーが配列番号14(valU/valXリンカー)又は15(ileT/alaTリンカー)のヌクレオチド配列から誘導される請求項27に記載の翻訳系。
【請求項35】
前記O−tRNAが1種以上の古細菌tRNAから誘導される請求項26に記載の翻訳系。
【請求項36】
O−tRNAをコードする前記ヌクレオチド配列がO−tRNAをコードする複数のヌクレオチド配列を含むポリシストロン性オペロンである請求項26に記載の翻訳系。
【請求項37】
O−tRNAをコードする前記ヌクレオチド配列が配列番号1(MjtRNA−Tyr(CUA))のヌクレオチド配列を含む請求項26に記載の翻訳系。
【請求項38】
O−tRNAをコードする前記ヌクレオチド配列が配列番号1(MjtRNA−Tyr(CUA))の複数のヌクレオチド配列を含むポリシストロン性オペロンである請求項26に記載の翻訳系。
【請求項39】
前記O−RSがMethanococcus jannaschiiアミノアシルtRNAシンテターゼから誘導される請求項26に記載の翻訳系。
【請求項40】
前記O−RSがMethanococcus jannaschiiチロシルtRNAシンテターゼから誘導される請求項26に記載の翻訳系。
【請求項41】
前記O−RSが配列番号2に記載の野生型Methanococcus jannaschiiチロシルtRNAシンテターゼ(野生型Mj−tRNATyrRS)のアミノ酸配列に対してアミノ酸286位又は286位に類似する位置にアスパラギン酸→アルギニン置換をもつ請求項26に記載の翻訳系。
【請求項42】
(a)、(b)及び(c)を含む宿主細胞を含む請求項26に記載の翻訳系。
【請求項43】
前記宿主細胞が真正細菌宿主細胞である請求項42に記載の翻訳系。
【請求項44】
前記宿主細胞が大腸菌細胞である請求項42に記載の翻訳系。
【請求項45】
少なくとも1個の非天然アミノ酸を特定位置に組込んだ該当ポリペプチドを宿主細胞で作製する方法であって、
(a)(i)非天然アミノ酸と;
(ii)直交tRNA(O−tRNA)をコードするヌクレオチド配列と、前記O−tRNAを前記非天然アミノ酸で優先的にアミノアシル化する直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸構築物と;
(iii)前記該当ポリペプチドをコードし、前記O−tRNAにより認識される少なくとも1個のセレクターコドンを含み、セレクターコドンの位置が該当ポリペプチドにおける非天然アミノ酸の特定位置に相関するポリヌクレオチドと;
(iv)(i)、(ii)及び(iii)を含む宿主細胞を準備する段階と;
(b)前記宿主細胞を増殖させる段階と;
(c)前記宿主細胞で前記ポリペプチドの翻訳中に前記ポリペプチドの前記特定位置に前記非天然アミノ酸を組込むことにより、前記非天然アミノ酸を特定位置に組込んだ前記該当ポリペプチドを作製する段階を含む前記方法。
【請求項46】
核酸構築物を準備する前記段階が1種以上の古細菌tRNAから誘導されるO−tRNAをコードするヌクレオチド配列を準備する段階を含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
核酸構築物を準備する前記段階が1種以上のO−tRNA種をコードする複数のヌクレオチド配列を含むポリシストロン性オペロンを準備する段階を含む請求項45に記載の方法。
【請求項48】
核酸構築物を準備する前記段階が配列番号1(MjtRNA−Tyr(CUA))のヌクレオチド配列を含むO−tRNAをコードするヌクレオチド配列を準備する段階を含む請求項45に記載の方法。
【請求項49】
核酸構築物を準備する前記段階が配列番号1(MjtRNA−Tyr(CUA))の複数のヌクレオチド配列を含むポリシストロン性オペロンを準備する段階を含む請求項45に記載の方法。
【請求項50】
核酸構築物を準備する前記段階がMethanococcus jannaschiiアミノアシルtRNAシンテターゼから誘導されるO−RSをコードするヌクレオチド配列を準備する段階を含む請求項45に記載の方法。
【請求項51】
核酸構築物を準備する前記段階がMethanococcus jannaschiiチロシルtRNAシンテターゼから誘導されるO−RSをコードするヌクレオチド配列を準備する段階を含む請求項45に記載の方法。
【請求項52】
核酸構築物を準備する前記段階が配列番号2に記載の野生型Methanococcus jannaschiiチロシルtRNAシンテターゼ(野生型Mj−tRNATyrRS)のアミノ酸配列に対してアミノ酸286位又は286位に類似する位置にアスパラギン酸→アルギニン置換をもつO−RSをコードするヌクレオチド配列を準備する段階を含む請求項45に記載の方法。
【請求項53】
核酸構築物を準備する前記段階が、
(I)大腸菌プロリンtRNA遺伝子から誘導されるプロモーター及びターミネーターヌクレオチド配列(ここで、前記プロモーター及びターミネーター配列はいずれも前記O−tRNAをコードする前記ヌクレオチド配列と機能的に連結されており、前記O−tRNAをコードする前記ヌクレオチド配列は前記プロモーター及びターミネーターヌクレオチド配列に対して異種である);
(II)配列番号13のヌクレオチド配列をもつ改変型大腸菌glnSプロモーターに対応するプロモーターヌクレオチド配列(ここで、前記改変型大腸菌glnSヌクレオチド配列は前記O−RSをコードする前記ヌクレオチド配列と機能的に連結されている);並びに
(III)複数のO−tRNA遺伝子ヌクレオチド配列を含み、少なくとも1個のO−tRNA遺伝子が天然tRNAオペロンに由来する天然ポリヌクレオチドリンカーから誘導される異種ポリヌクレオチドリンカーにより少なくとも1個の隣接O−tRNA遺伝子から分離されているポリシストロン性オペロン
の少なくとも1種を準備する段階を含む請求項45に記載の方法。
【請求項54】
(I)の核酸構築物を準備する前記段階が大腸菌プロリンtRNAプロモーター及びターミネーター配列に対応するヌクレオチド配列を準備する段階を含み、前記大腸菌プロリンtRNAが大腸菌proK、proL及びproM tRNAから選択される請求項53に記載の方法。
【請求項55】
(I)の核酸構築物を準備する前記段階が大腸菌プロリンtRNAプロモーター及びターミネーター配列に対応するヌクレオチド配列を準備する段階を含み、前記大腸菌プロリンtRNAプロモーター及びターミネーター配列が夫々配列番号32(プロモーター)及び33(ターミネーター)に記載の大腸菌proKのプロモーター及びターミネーター配列を含む請求項53に記載の方法。
【請求項56】
(III)のポリシストロン性オペロンを準備する前記段階が複数の同一の異種ポリヌクレオチドリンカーを準備する段階を含む請求項53に記載の方法。
【請求項57】
(III)のポリシストロン性オペロンを準備する前記段階が複数の異種ポリヌクレオチドリンカーを準備する段階を含み、異種ポリヌクレオチドリンカーの少なくとも2個が相互に異なる請求項53に記載の方法。
【請求項58】
(III)のポリシストロン性オペロンを準備する前記段階が5’末端チミジンヌクレオチド、3’末端アデノシンヌクレオチド、又は5’末端チミジンヌクレオチドと3’末端アデノシンヌクレオチドの両者を含む異種ポリヌクレオチドリンカーを準備する段階を含む請求項53に記載の方法。
【請求項59】
(III)のポリシストロン性オペロンを準備する前記段階がvalUとvalX;ileTとalaT;serVとargV;valVとvalW;glyTとthrT;metTとleuW;glnWとmetU;hisRとleuT;glnUとglnW;leuPとleuV;glnVとglnX;alaWとalaX;ileUとalaU;ileVとalaV;metUとglnV;glyWとcysT;argXとhisR;及びargYとargZから選択される内在大腸菌tRNA遺伝子間に位置する天然ポリヌクレオチドリンカーから誘導される異種ポリヌクレオチドリンカーを準備する段階を含む請求項53に記載の方法。
【請求項60】
(III)のポリシストロン性オペロンを準備する前記段階が配列番号14(valU/valXリンカー)又は15(ileT/alaTリンカー)のヌクレオチド配列から誘導される異種ポリヌクレオチドリンカーを準備する段階を含む請求項53に記載の方法。
【請求項61】
宿主細胞を準備する段階が真正細菌宿主細胞を準備する段階を含む請求項45に記載の方法。
【請求項62】
宿主細胞を準備する段階が大腸菌宿主細胞を準備する段階を含む請求項45に記載の方法。
【請求項63】
少なくとも1個の非天然アミノ酸を特定位置に組込んだ該当ポリペプチドを宿主細胞で作製する方法であって、
(a)(i)非天然アミノ酸と;
(ii)直交tRNA(O−tRNA)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸構築物と;
(iii)前記O−tRNAを前記非天然アミノ酸で優先的にアミノアシル化する直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸構築物と;
(iv)前記該当ポリペプチドをコードし、前記O−tRNAにより認識される少なくとも1個のセレクターコドンを含み、セレクターコドンの位置が該当ポリペプチドにおける非天然アミノ酸の特定位置に相関するポリヌクレオチドと;
(v)(i)、(ii)、(iii)及び(iv)を含む宿主細胞を準備し、
(ii)及び(iii)の前記核酸構築物が
(I)大腸菌プロリンtRNA遺伝子から誘導されるプロモーター及びターミネーターヌクレオチド配列(ここで、前記プロモーター及びターミネーター配列はいずれも前記O−tRNAをコードする前記ヌクレオチド配列と機能的に連結されており、前記O−tRNAをコードする前記ヌクレオチド配列は前記プロモーター及びターミネーターヌクレオチド配列に対して異種である);
(II)配列番号13のヌクレオチド配列をもつ改変型大腸菌glnSプロモーターに対応するヌクレオチド配列(ここで、前記改変型大腸菌glnSヌクレオチド配列は前記O−RSをコードする前記ヌクレオチド配列と機能的に連結されている);並びに
(III)複数のO−tRNA遺伝子ヌクレオチド配列を含み、少なくとも1個のO−tRNA遺伝子が天然tRNAオペロンに由来する天然ポリヌクレオチドリンカーから誘導される異種ポリヌクレオチドリンカーにより少なくとも1個の隣接O−tRNA遺伝子から分離されているポリシストロン性オペロン
の少なくとも1種を集合的に含むようにこれらを準備する段階と;
(b)前記宿主細胞を増殖させる段階と;
(c)前記宿主細胞で前記ポリペプチドの翻訳中に前記ポリペプチドの前記特定位置に前記非天然アミノ酸を組込むことにより、前記非天然アミノ酸を特定位置に組込んだ前記該当ポリペプチドを作製する段階を含む前記方法。
【請求項64】
核酸構築物を準備する前記段階が1種以上の古細菌tRNAから誘導されるO−tRNAをコードするヌクレオチド配列を準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項65】
核酸構築物を準備する前記段階が1種以上のO−tRNA種をコードする複数のヌクレオチド配列を含むポリシストロン性オペロンを準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項66】
核酸構築物を準備する前記段階が配列番号1(MjtRNA−Tyr(CUA))のヌクレオチド配列を含むO−tRNAをコードするヌクレオチド配列を準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項67】
核酸構築物を準備する前記段階が配列番号1(MjtRNA−Tyr(CUA))の複数のヌクレオチド配列を含むポリシストロン性オペロンを準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項68】
核酸構築物を準備する前記段階がMethanococcus jannaschiiアミノアシルtRNAシンテターゼから誘導されるO−RSをコードするヌクレオチド配列を準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項69】
核酸構築物を準備する前記段階がMethanococcus jannaschiiチロシルtRNAシンテターゼから誘導されるO−RSをコードするヌクレオチド配列を準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項70】
核酸構築物を準備する前記段階が配列番号2に記載の野生型Methanococcus jannaschiiチロシルtRNAシンテターゼ(野生型Mj−tRNATyrRS)のアミノ酸配列に対してアミノ酸286位又は286位に類似する位置にアスパラギン酸→アルギニン置換をもつO−RSをコードするヌクレオチド配列を準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項71】
(I)の核酸構築物を準備する前記段階が大腸菌プロリンtRNAプロモーター及びターミネーター配列に対応するヌクレオチド配列を準備する段階を含み、前記大腸菌プロリンtRNAが大腸菌proK、proL及びproM tRNAから選択される請求項63に記載の方法。
【請求項72】
(I)の核酸構築物を準備する前記段階が大腸菌プロリンtRNAプロモーター及びターミネーター配列に対応するヌクレオチド配列を準備する段階を含み、前記大腸菌プロリンtRNAプロモーター及びターミネーター配列が夫々配列番号32(プロモーター)及び33(ターミネーター)に記載の大腸菌proKのプロモーター及びターミネーター配列を含む請求項63に記載の方法。
【請求項73】
(III)の核酸構築物を準備する前記段階が複数の同一の異種ポリヌクレオチドリンカーを準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項74】
(III)の核酸構築物を準備する前記段階が複数の異種ポリヌクレオチドリンカーを準備する段階を含み、異種ポリヌクレオチドリンカーの少なくとも2個が相互に異なる請求項63に記載の方法。
【請求項75】
(III)のポリシストロン性オペロンを準備する前記段階が5’末端チミジンヌクレオチド、3’末端アデノシンヌクレオチド、又は5’末端チミジンヌクレオチドと3’末端アデノシンヌクレオチドの両者を含む異種ポリヌクレオチドリンカーを準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項76】
(III)のポリシストロン性オペロンを準備する前記段階がvalUとvalX;ileTとalaT;serVとargV;valVとvalW;glyTとthrT;metTとleuW;glnWとmetU;hisRとleuT;glnUとglnW;leuPとleuV;glnVとglnX;alaWとalaX;ileUとalaU;ileVとalaV;metUとglnV;glyWとcysT;argXとhisR;及びargYとargZから選択される内在大腸菌tRNA遺伝子間に位置する天然ポリヌクレオチドリンカーから誘導される異種ポリヌクレオチドリンカーを準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項77】
(III)のポリシストロン性オペロンを準備する前記段階が配列番号14(valU/valXリンカー)又は15(ileT/alaTリンカー)のヌクレオチド配列から誘導される異種ポリヌクレオチドリンカーを準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項78】
宿主細胞を準備する段階が真正細菌宿主細胞を準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項79】
宿主細胞を準備する段階が大腸菌宿主細胞を準備する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項80】
少なくとも1個の非天然アミノ酸を特定位置に組込んだ該当ポリペプチドの発現用翻訳系の作製方法であって、
(a)非天然アミノ酸と;
(b)直交tRNA(O−tRNA)をコードするヌクレオチド配列と、前記O−tRNAを前記非天然アミノ酸で優先的にアミノアシル化する直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸構築物と;
(c)前記該当ポリペプチドをコードし、前記O−tRNAにより認識される少なくとも1個のセレクターコドンを含むポリヌクレオチドであって、ポリヌクレオチドが発現されると、ポリヌクレオチドにおけるセレクターコドンの位置がポリペプチドを生産するようにポリペプチドにおける非天然アミノ酸の特定位置を制御するように構成された前記ポリヌクレオチドを準備する段階を含む前記方法。
【請求項81】
(a)、(b)及び(c)を含む宿主細胞を含む請求項80に記載の方法。
【請求項82】
少なくとも1個の非天然アミノ酸を特定位置に組込んだ該当ポリペプチドの作製方法であって、
(a)(i)非天然アミノ酸と;
(ii)直交tRNA(O−tRNA)をコードするヌクレオチド配列と、前記O−tRNAを前記非天然アミノ酸で優先的にアミノアシル化する直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸構築物と;
(iii)前記該当ポリペプチドをコードし、前記O−tRNAにより認識される少なくとも1個のセレクターコドンを含み、セレクターコドンの位置が該当ポリペプチドにおける非天然アミノ酸の特定位置に相関するポリヌクレオチドと;
(iv)(i)、(ii)及び(iii)を含む宿主細胞を含む翻訳系を準備する段階と;
(b)前記宿主細胞を増殖させる段階と;
(c)前記宿主細胞で前記ポリペプチドの翻訳中に前記ポリペプチドの前記特定位置に前記非天然アミノ酸を組込むことにより、前記非天然アミノ酸を特定位置に組込んだ前記該当ポリペプチドを作製する段階を含む前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図8−4】
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【図8−5】
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【図8−6】
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【公表番号】特表2009−529328(P2009−529328A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558393(P2008−558393)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/005914
【国際公開番号】WO2007/103490
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(593052785)ザ スクリップス リサーチ インスティテュート (91)
【Fターム(参考)】