説明

真空断熱材

【課題】使用される機器等の形状の適合させることができ、断熱効果を十分に高めることができる真空断熱材を提供する。
【解決手段】芯材と、前記芯材を収納し内部を減圧状態に維持できる外包材とを少なくとも備え、箱体の形状を有する真空断熱材であって、前記芯材が、前記外包材と共に折り曲げられた折り曲げ部を有し、前記外包材に収納される前の前記芯材は前記箱体を展開した形状を有し、かつ、一体に成形され、前記芯材が、前記外包材に収納され、、かつ、減圧された状態で、折り曲げられたことで前記折り曲げ部が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
箱状の形状を有する真空断熱材に関する。
【背景技術】
【0002】
保温や保冷をするために断熱を要する容器等の機器においては、真空断熱材が用いられている。このような機器においては、保温や保冷をするための空間の周囲に真空断熱材を配置する構造にしている。
【0003】
例えば、冷蔵室の周囲に複数の真空断熱材を配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。この装置は、冷蔵室の周囲に、互いに離隔した複数の真空断熱材を配置したものであり、冷蔵室の周囲の全体を真空断熱材によって覆うものではなかった。
【0004】
また、湯沸かし器等の円柱状の空間を保温するための円筒形状の真空断熱材を有するものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このように真空断熱材は、保温や保冷をするための空間の形状や大きさに応じて適宜定める必要がある。
【特許文献1】特許第3408101号
【特許文献2】特開2000−249290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した冷蔵室の周囲に複数の真空断熱材を配置したものは、互いに離隔した複数の真空断熱材を用いているため、真空断熱材が存在しない箇所では、断熱することができず、十分に断熱できず、断熱効率が低いものにならざるを得なかった。
【0007】
また、円筒形状の真空断熱材を有するものは、予め複数の溝を真空断熱材の芯材に形成することによって、真空断熱材を変形させやすくする必要があり、加工が煩雑にならざるを得なかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用される機器等の形状に適合させることができ、断熱効果を十分に高めることができる真空断熱材を提供することにある。
【0009】
以上のような目的を達成するために、本発明においては、一体に成形された芯材を外包材に収納した真空断熱材を用い、芯材が外包材に収納された状態で折り曲げて成形する。
【0010】
具体的には、本発明に係る真空断熱材は、
芯材と、前記芯材を収納し内部を減圧状態に維持できる外包材と、を少なくとも備え、箱体の形状を有する真空断熱材であって、
前記芯材が、前記外包材と共に折り曲げられた折り曲げ部を有し、
前記外包材に収納される前の前記芯材は、前記箱体を展開した形状を有し、かつ、一体に成形され、
前記芯材が、前記外包材に収納され、かつ、減圧された状態で、折り曲げられたことで前記折り曲げ部が形成されることを特徴とする。
【0011】
芯材は、一体に形成されており、これを外包材と共に折り曲げて箱体を組み立てるので、箱体として組み立てられたときの継ぎ目を少なくすることができる。このため、別体となった複数の真空断熱材を組み合わせて箱体にするよりも、保温性や保冷性を高めることができる。箱体の組み立ては、芯材が外包材に収納され、かつ、減圧された状態で、折り曲げられることによって行われる。
【0012】
また、箱体となった真空断熱材を提供することができるので、真空断熱材を用いる容器や機器や装置の形状に、真空断熱材の形状を予め適合させることができ、隙間や継ぎ目をなくしたり、少なくしたりすることができるので、断熱効果を高めることができるとともに、真空断熱材を用いた容器や機器や装置の製造を容易にすることができる。
【0013】
ここで、箱体とは、壁面によって箱状に形成されたものをいい、少なくとも一部が壁面によって囲まれたものであればよい。なお、壁面によって全ての面が囲まれている必要はなく、一部が開放されたものも含む。
【0014】
また、本発明に係る真空断熱材は、
前記外包材が、前記芯材より大きく、
前記外包材には、前記芯材と当接しない余剰部が形成されているものが好ましい。
【0015】
外包材は、芯材よりも余裕のある大きさを有するので、円滑に芯材を外包材に収納することができ、作業の効率を高めることができる。
【0016】
さらに、本発明に係る真空断熱材は、
前記余剰部を前記箱体の外側に向かって引き出すことで、前記箱体を形成する隣り合う壁面の辺を密接させるものが好ましい。
【0017】
余剰部は、箱体となって組み立てられたときに隣り合う2つの壁面の間に存在する。この余剰部は、いわゆる「ヒレ」と称される箇所であり、外包材と芯材とが重なったり接触したりしない部分であり、外包材同士が、重なったり接触したりする部分である。
【0018】
余剰部は、外包材を用いた真空断熱材においては、封止された空間を形成するために必然的に生ずるものであるが、余剰部それ自体では、断熱効果を有する箇所でない。したがって、真空断熱材全体からすると、余剰部は、単なる余った部分に過ぎないものである。
【0019】
余剰部を挟んだ余剰部の両側には、2つの壁面となるべき箇所がある。この2つの壁面とは、真空断熱材が、箱体として組み立てられたときに、互いに隣接することになる壁面である。余剰部が箱体の外側となるように引き出しつつ、箱体を組み立てることによって、この2つの壁面を、互いに近づけることができる。さらに、余剰部を十分に引き出して箱体を組み立てたときには、隣り合う2つの壁面の辺を十分に密接させることができる。
【0020】
このようにすることで、2つの壁面の辺の間に生じうる間隙を十分に小さくしたり、間隙が形成されることを防止したりすることができ、断熱効果をより高めることができる。このように、断熱効果を有しない余剰部を有効に活用することができ、間接的に断熱効果を高める部材として余剰部を利用することができる。
【0021】
さらにまた、本発明に係る真空断熱材は、
前記箱体の外側に向かって引き出された前記余剰部は、前記隣り合う壁面に貼着されているものが好ましい。
【0022】
このように、余剰部を壁面に貼着するので、余剰部に妨げられることなく、真空断熱材を用いる容器や機器や装置に、真空断熱材を収納することができる。また、余剰部を壁面に貼着することによって、余剰部を壁面に固定することができるので、隣り合う2つの壁面の辺の密接状態を保つことができ、断熱効果を維持することができる。
【0023】
さらに、本発明に係る真空断熱材は、
前記外包材によって覆われた内部には、ゲッター剤が1個設けられているものが好ましい。
【0024】
ゲッター剤は、真空断熱材の内部で発生するガスや水分のみならず、外部から真空断熱材に侵入するガスや水分を吸着することができる吸着材であればよい。
【0025】
上述したように、芯材は、一体に形成されているので、芯材の内部は、芯材の全体で連通している。このため、1つの真空断熱材について1つのゲッター剤を設けることで、真空断熱材の全体のガスや水分を吸収することができる。これに対して、別体の複数の真空断熱材を用いたときには、その各々にゲッター剤を設ける必要がある。このように、本発明に係る真空断熱材の全体で1つのゲッター剤で済ますことができるので、構成を簡素にできると共に、安価にすることもできる。
【0026】
さらにまた、本発明に係る真空断熱材は、
前記芯材に、前記折り曲げ部を規定する溝が形成されたものが好ましい。
【0027】
芯材に溝が形成されているので、折り曲げ部を的確に形成することができ、箱体として組み立てる作業を容易にすることができる。なお、外包材に収納される前の芯材に、溝を予め形成しておくようにしても、芯材を外包材に収納した後に、外包材の外側から芯材に溝を形成するようにしてもよい。
【0028】
また、本発明に係る真空断熱材は、
前記箱体を形成する壁面の少なくとも1つが、平面であるものが好ましい。
【0029】
壁面の少なくとも1つが、平面であるので、例えば、真空断熱材の形状を直方体のみならず、三角錐や三角柱のような、多角錐や多角柱の形状にすることができ、真空断熱材を用いる容器や機器や装置の形状に応じて、箱体の形状を適宜定めることができる。
【0030】
さらに、本発明に係る真空断熱材は、
前記箱体を形成する隣り合う壁面の間にシール部材が設けられたものが好ましい。
【0031】
隣り合う壁面の間にシール部材を設けたことにより、断熱効果をより高めかつ維持することができる。
【0032】
さらにまた、本発明に係る真空断熱材は、
前記箱体を形成する隣り合う壁面の一方の一部が、他方の壁面に重畳したものが好ましい。
【0033】
隣り合う壁面の一部が重なり合うので、壁面の間に隙間をより生じさせにくくすることができ、断熱効果をさらに高めかつ維持することができる。また、壁面が重なり合うのは一部のみであるので、真空断熱材が占める空間が大きくならず、真空断熱材を用いる容器や機器や装置に変更を加えることなく、真空断熱材を容器や機器や装置に組み込むことができる。
【発明の効果】
【0034】
真空断熱材を使用する機器等の形状に、真空断熱材を適合させることができ、真空断熱材を使用する機器等の断熱効果を十分に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0036】
<<<第1の実施の形態>>>
<<芯材110>>
<芯材110の形状>
図1は、第1の実施の形態における真空断熱材100に用いる芯材110の全体を示す正面図である。
【0037】
この図1に示した芯材110は、シート状で略十字状の形状を有し、5つの壁面112a〜112eからなる。5つの壁面112a〜112eは、連続して一体となって、芯材110を構成している。すなわち、5つの壁面112a〜112eは、隣りあうもの同士が、離隔しておらず、連続している。この芯材110は、1つのシート状の芯材を、略十字状の形状となるように、形成するのが好ましい。なお、5つの壁面112a〜112e毎に別体に形成して、これらが繋がるように接続することによって、全体として、連続して一体となるように形成してもよい。このように連続して一体となった芯材110を用いることによって、芯材110の取り扱いを容易にすることができる。
【0038】
図1に示した芯材110は、組み立てたときに、直方体形状となる真空断熱材に用いるもので、直方体を展開した形状を有する。すなわち、図1に示した破線の箇所で折り曲げることにより、直方体を形成することができる。図1に示した破線は、壁面112aと壁面112bとの境界線B1、壁面112aと壁面112cとの境界線B2、壁面112aと壁面112dとの境界線B3、及び、壁面112aと壁面112eとの境界線B4を示す。
【0039】
この第1の実施の形態における直方体は、6つの壁面から構成されるものではなく、5つの壁面112a〜112eから構成されるものをいう。芯材110の壁面112aが、直方体の底面となり、4つの壁面112b〜112eが直方体の側面となる。なお、後述するように、組み立ては、芯材110と外包材120とから構成された真空断熱材100を折り曲げることで行われるのであって、芯材110が、単独で折り曲げられて形成されることはない。
【0040】
図1に示した破線は、上述した4つの境界線B1〜B4を明確にするために示したものであるが、この境界線B1〜B4の各々の箇所に、折り曲げ溝を予め形成してもよい。折り曲げ溝は、細長い加圧体(図示せず)を芯材110の表面に押圧することで形成することができる。折り曲げ溝を形成しておくことで、的確な位置でかつ容易に折り曲げることができるので、所望する直方体に組み立てやすくすることができる。
【0041】
<芯材110の材料>
芯材110は、特に限定されないが、繊維集合体、連続気泡発泡体等が使用される。断熱性及び屈曲性の観点から好ましくは繊維集合体である。繊維集合体は、作業性の観点から、上述したように、シート状の形態で使用されることが好ましい。本発明においては、「シート状」とは、平板形状を有しているという意味である。繊維集合体を、そのままの「わた状態」で使用する場合には、芯材110の取り扱い性が低下するので芯材110を、後述する外包材120へ収納する工程が煩雑になりすぎ、作業性が悪化する。
【0042】
繊維集合体は無機繊維、有機繊維またはそれらの混合物からなる。
【0043】
無機繊維としては、例えば、ガラス繊維(グラスウール)、アルミナ繊維、スラグウール繊維、シリカ繊維、ロックウール等が挙げられる。
【0044】
有機繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリウレタン繊維、ポリノジック繊維、レーヨン繊維等の合成繊維、麻、絹、綿、羊毛等の天然繊維等が挙げられる。無機繊維および有機繊維は、1種からなる単独繊維または複数種の混合繊維として用いられる。
【0045】
<<外包材120>>
<外包材120の形状>
図2は、芯材110が外包材120に収納されたときの状態を示す斜視図である。
【0046】
図2に示すように、外包材120は、2枚のシート状の外包材122a及び122bによって成形された袋状の形状を有する。2枚のシート状の外包材122a及び122bの各々は、同じ大きさの正方形や長方形の形状を有する。2枚のシート状の外包材122a及び122bが、互いに重なり合うようにし、外包材122a及び122bの外形を画定する4つの辺のうちの3つの辺の縁をヒートシールすることによって袋状に形成することができる。ヒートシールしなかった1つの辺が、袋状の外包材120の開口部124となる。外包材120を袋状の形状にすることで、外包材120の内部を減圧した後、開口部124を形成する1つの辺をヒートシールすることで、真空断熱材100を形成でき、開口部124のみをヒートシールすればよいので、作業の効率を高めることができる。
【0047】
2枚のシート状の外包材122a及び122bの各々は、最外層と最内層とを含む複数の層から構成されている。シート状の外包材122a及び122bの最内層が、袋状の外包材120の裏面となるように構成し、すなわち、最内層が、袋状の外包材120の内面となるように構成される。このようにすることで、袋状の外包材120の内部の真空状態を十分に維持することができる。
【0048】
外包材120(外包材122a及び122b)の大きさは、芯材110を効率よくかつ的確に収納できる程度に、芯材110より大きいものが好ましい。
【0049】
<外包材122a及び122bの材料>
外包材122a及び122bは、ガスバリア性を有し内部を減圧に維持でき、かつ、ヒートシール可能なものであれば、どのようなものでも用いることができる。上述したように、外包材122a及び122bの各々は、複数の層から構成されており、層の各々には種々の材料が用いられる。
【0050】
外包材122a及び122bの各々の好適な具体例として、以下のガスバリアフィルムがある。例えば、最外層がナイロンであり、第1の中間層がアルミ蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)であり、第2の中間層がアルミ箔であり、最内層が高密度ポリエチレンである4層構造のガスバリアフィルムがある。また、最外層がポリエチレンテレフタレート樹脂であり、中間層がアルミ箔であり、最内層が高密度ポリエチレン樹脂である3層構造のガスバリアフィルムがある。さらに、最外層がPET樹脂であり、中間層がアルミニウム蒸着層を有するエチレンービニルアルコール共重合体樹脂であり、最内層が高密度ポリエチレン樹脂である3層構造のガスバリアフィルムがある。
【0051】
<<真空断熱材100>>
<真空断熱材100の形成>
図2に示したように、袋状の外包材120の内部に、芯材110を収納した後、外包材120の内部を減圧し、図3に示すように、開口部124をヒートシールすることによって、減圧状態を維持でき、真空断熱材100を形成することができる。なお、上述した折り曲げ溝を、この段階で形成してもよい。すなわち、細長い加圧体(図示せず)を外包材の外側から押圧することで、外包材と共に芯材に対し折り曲げ溝を形成することができる。
【0052】
<余剰部126a〜126d>
図3は、袋状の外包材120に芯材110を収納し、開口をヒートシールして、真空断熱材100を形成した状態を示す正面図である。
【0053】
上述したように、外包材120は、正方形や長方形の形状を有し、芯材110は、略十字状の形状を有する。このため、外包材120には、芯材110と接触しない余剰部126a〜126dが形成される。この余剰部126a〜126dは、外包材120が、芯材110と重なったり接触したりしない部分であり、外包材122aと122bとが接触する部分、いわゆる「ヒレ」と称される部分である。
【0054】
図3に示すように、芯材110の壁面112bと112cとの間には、余剰部126bが形成され、壁面112cと112dとの間には、余剰部126cが形成され、壁面112dと112eとの間には、余剰部126dが形成され、壁面112eと112bとの間には、余剰部126aが形成される。
【0055】
<<ゲッター剤130>>
<ゲッター剤130の機能>
外包材120の中には、ゲッター剤130が設けられている。外包材120の内部を減圧して開口部124をヒートシールした後に、外包材120の内部では、ガス、例えば、芯材110からアウトガスや水分が発生する場合がある。また、外包材120の外部から内部にガスや水分が侵入してくる場合もある。このため、ガスや水分を吸着することができるゲッター剤130を、外包材120の内部に芯材110とともに収納することが好ましい。
【0056】
このようゲッター剤130を外包材120の内部に収納することで、ゲッター剤130によってガスや水分を吸収できるので、真空断熱材100の断熱効果をより長く持続させることができる。
【0057】
<ゲッター剤130の数及び配置>
図3に示したように、真空断熱材100は、袋状の外包材120に芯材110を収納し、開口をヒートシールすることによって形成される。このため、外包材120の内部は、真空断熱材100の全体で閉鎖された1つの空間となるので、真空断熱材100には、1つのゲッター剤130のみを配置すればよい。
【0058】
また、ゲッター剤130は、真空断熱材100の略中心の位置や、その近くになるようにすることで、真空断熱材100の全体に亘って存在するガスや水分を吸着させることができ、ゲッター剤130の機能を発揮させることができる。
【0059】
さらに、真空断熱材100や芯材110の大きさに応じて、ガスや水分の量が変化するので、ゲッター剤130の大きさも、真空断熱材100や芯材110の大きさに応じて適宜定めればよい。
【0060】
<ゲッター剤130の材質>
ガスや水分を吸着できる物質は、特に、限定されるものではなく、物理的にガスや水分等を吸着するものとして、例えば、活性炭、シリカゲル、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト等がある。また、化学的にガスや水分等を吸着するものは、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム等や、鉄、亜鉛等の金属粉素材、バリウム−リチウム系合金、ジルコニウム系合金等がある。
【0061】
<<真空断熱材100の組み立て>>
図4は、真空断熱材100を組み立てる過程を示す斜視図である。
【0062】
<壁面の折り曲げ>
図4に示すように、真空断熱材100を組み立てるために、壁面112bと112cとを壁面112aに対して直角に折り曲げる。このようにすることで、壁面112aと壁面112bとの間に折り曲げ部128bが形成され、壁面112aと壁面112cとの間に折り曲げ部128cが形成される。
【0063】
<余剰部126bの引き出し>
壁面112bと壁面112cとを壁面112aに対して直角に折り曲げたときに、図4の矢印で示すように、壁面112bと壁面112cとの間に形成されている余剰部126bが、壁面112bと壁面112cとの間から外側に向かって引き出されるようにする。
【0064】
<余剰部126bの固定>
さらに、図5(a)に示すように、余剰部126bを壁面112b側に向かって折り曲げ、折り曲げた余剰部126bが、壁面112bを覆っている外包材120と接触するようにする。この図5(a)は、真空断熱材100を組み立てているときの状態を上方から見た平面図である。なお、図5(a)では、外包材120を明確に示すために、芯材110と離隔しているように示したが、実際には、外包材120の内部を減圧しているので、外包材120は、芯材110に密着している。壁面112bを覆っている外包材120に、余剰部126bを粘着テープ132で固定することで、図5(a)に示すように、壁面112bと壁面112cとを的確に当接させて当接部129を形成することができる。このように、当接部129を形成することによって、壁面112bと壁面112cとを密接させることができ、箱体の真空断熱材100の断熱効果を高めることができる。
【0065】
<余剰部126bの機能>
このように組み立てることによって、2つの壁面112bと壁面112cの間に生じうる間隙を十分に小さくしたり、間隙が形成されることを防止したりすることができ、断熱効果をより高めることができる。このように、断熱効果を有しない余剰部126bを有効に活用することができ、間接的に断熱効果を高める部材として余剰部126bを利用することができる。
【0066】
<余剰部126a、126c及び126d>
図4及び図5(a)は、壁面112bと壁面112cとの間に形成されている余剰部126bについて説明するものであるが、他の3つの余剰部126a、126c及び126dも同様に処理することができる。すなわち、壁面112cと112dとの間に形成されている余剰部126cは、壁面112cと112dとの間から外側に向かって引き出されるようにする。余剰部126cを外側に引き出すことによって、壁面112cと112dとを密着させることができる。また、壁面112dと112eとの間に形成されている余剰部126dは、壁面112dと112eとの間から外側に向かって引き出されるようにする。余剰部126dを外側に引き出すことによって、壁面112dと112eとを密着させることができる。さらに、壁面112eと112bとの間に形成されている余剰部126aは、壁面112eと112bとの間から外側に向かって引き出されるようにする。余剰部126aを外側に引き出すことによって、壁面112eと112bとを密着させることができる。
【0067】
<真空断熱材100の断熱効果>
このように、4つの余剰部126a〜126dの全てを外側に向かって引き出すようにすることによって、壁面112bと壁面112cとを密着させ、壁面112cと壁面112dとを密着させ、壁面112dと壁面112eとを密着させ、壁面112eと壁面112bとを密着させることができる。隣り合う壁面の辺を互いに密着させることによって、隣り合う壁面の辺の間に隙間が生じないようにしたり、隙間を小さくしたりすることができるので、箱体の真空断熱材100の断熱効果を高めることができる。
【0068】
また、連続して一体となった芯材110を用いているので、4つの境界線B1〜B4において、的確に断熱することができ、底部や底部の近傍を断熱する必要がある機器に用いることができる。
【0069】
<弾性シール材134>
また、図5(b)のように、当接部129の外側に弾性シール材134を貼着してもよい。図5(b)も、図5(a)と同様に、真空断熱材100を組み立てているときの状態を上方から見た平面図である。図5(b)でも、外包材120を明確に示すために、芯材110と離隔しているように示した。弾性シール材134としては、発泡プラスチック系シール材、シリコンゴム系シール材、ブチルゴム系シール材などが考えられる。
【0070】
具体的には、発泡ポリエチレンシート、発泡ポリプロピレンシート、発泡ポリウレタンシート、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、発泡体シート、又はポリ塩化ビニル(PVC)発泡体シート等が考えられる。好ましい発泡プラスチック製シートとしては、発泡倍率が10〜50倍程度の発泡ポリエチレンシート、発泡ウレタンシート等である。
【0071】
このように組み立てることによって、2つの壁面112bと112cの間に間隙が生じた場合であっても、断熱効果を高めることができる。
【0072】
<折り曲げ溝の形成>
また、上述した第1の実施の形態では、芯材110を外包材120に収納する前の状態で、芯材110に折り曲げ溝を形成する場合を示したが、芯材110を外包材120に収納した状態で、外包材120の外側から折り曲げ溝を形成してもよい。
【0073】
<箱体の他の形状>
さらに、第1の実施の形態では、組み立てたときの真空断熱材100の形状が直方体である場合を示したが、直方体には限られず、組み立てたときに箱体となればよく、例えば、三角柱や三角錐等の複数の壁面からなる箱体の形状を有する真空断熱材でもよい。
【0074】
<<<第2の実施の形態>>>
図6は、第2の実施の形態による真空断熱材200を示す正面図である。
【0075】
第1の実施の形態は、袋状の外包材120の形状を変更することなく、真空断熱材100を組み立てる場合を示したが、第2の実施の形態による真空断熱材200は、袋状の外包材220を切断して、真空断熱材200を組み立てるものである。
【0076】
<<芯材110>>
<芯材の形状及び材料>
第2の実施の形態における真空断熱材200に用いる芯材110は、第1の実施の形態におけるものと同様の材料からなり、同様の形状及び機能を有し、図6に示すように、同一の符号を付した。
【0077】
図6に示すように、芯材110は、シート状で略十字状の形状を有し、5つの壁面112a〜112eからなる。5つの壁面112a〜112eは、連続して一体となって、芯材110を構成している。すなわち、5つの壁面112a〜112eは、隣りあうもの同士が、離隔しておらず、連続している。この芯材110は、1つのシート状の芯材を、略十字状の形状となるように、形成するのが好ましい。なお、5つの壁面112a〜112e毎に別体に形成して、これらが繋がるように接続することによって、全体として、連続して一体となるように形成してもよい。このように連続して一体となった芯材110を用いることによって、芯材110の取り扱いを容易にすることができる。
【0078】
<<外包材120>>
<外包材120の形状及び材料>
第2の実施の形態における真空断熱材200に用いられる外包材220は、第1の実施の形態における外包材120と同様の材料、並びに機能を有する。すなわち、外包材220を構成する2枚のシート状の外包材222a及び222bは、第1の実施の形態における2枚のシート状の外包材122a及び122bと同様の材料、並びに機能を有する。また、真空断熱材200として組み立てられる前においては、外包材220の形状も、図6に示すように、第1の実施の形態における外包材120と同様の形状を有する。
【0079】
外包材220は、2枚のシート状の外包材222a及び222bによって成形された袋状の形状を有する。2枚のシート状の外包材222a及び222bが、互いに重なり合うようにして、外包材222a及び222bの外形を画定する4つの辺のうちの3つの辺の縁をヒートシールすることによって袋状に形成することができる。ヒートシールしなかった1つの辺が、袋状の外包材220の開口部224となる。
【0080】
<<ゲッター剤130>>
第2の実施の形態における真空断熱材200に用いられるゲッター剤130は、第1の実施の形態におけるものと同様の形状、大きさ及び材料、並びに機能を有し、また、同様の位置に配置され、図6に示すように、同一の符号を付した。
【0081】
<<真空断熱材200>>
図6に示したように、袋状の外包材220の内部に、芯材110を収納した後、外包材220の内部を減圧し、開口部224をヒートシールすることによって、減圧状態を維持でき、真空断熱材200を形成することができる。
【0082】
<<余剰部>>
<余剰部の形成>
図6に示すように、芯材110の壁面112bと112cとの間には、余剰部226bが形成され、壁面112cと112dとの間には、余剰部226cが形成され、壁面112dと112eとの間には、余剰部226dが形成され、壁面112eと112bとの間には、余剰部226aが形成される。
【0083】
<ヒートシール部の形成>
余剰部226bにおいて、壁面112bと112cとに沿うように、外包材220をヒートシールして、ヒートシール部228bを形成する。同様に、余剰部226cにおいて、壁面112cと112dとに沿うように、外包材220をヒートシールして、ヒートシール部228cを形成し、余剰部226dにおいて、壁面112dと112eとに沿うように、外包材220をヒートシールして、ヒートシール部228dを形成し、余剰部226aにおいて、壁面112eと112bとに沿うように、外包材220をヒートシールして、ヒートシール部228aを形成する。
【0084】
このようにすることで、芯材110の周囲を沿うようにヒートシールすることができ、外包材220の内部の減圧状態を、そのまま維持することができる。
【0085】
<余剰部の切断>
次に、図7に示すように、4つのヒートシール部228a〜228dに沿うように、4つの余剰部226a〜226dを切断する。このようにすることで、4つの余剰部226a〜226dの各々を小さくすることができる。
【0086】
<<真空断熱材200の組み立て>>
<余剰部の引き出し>
真空断熱材200の組み立ては、第1の実施の形態の真空断熱材100と同様に行う。この真空断熱材200を組み立てるときにも、余剰部226a〜226dの各々が、これらと隣り合う2つの壁面の外側に向かって引き出されるようにする。
【0087】
すなわち、壁面112bと112cとの間に形成されている余剰部226bは、壁面112bと112cとの間から外側に向かって引き出されるようにする。余剰部226bを外側に引き出すことによって、壁面112bと112cとを密着させることができる。また、壁面112cと112dとの間に形成されている余剰部226cは、壁面112cと112dとの間から外側に向かって引き出されるようにする。余剰部226cを外側に引き出すことによって、壁面112cと112dとを密着させることができる。さらに、壁面112dと112eとの間に形成されている余剰部226dは、壁面112dと112eとの間から外側に向かって引き出されるようにする。余剰部226dを外側に引き出すことによって、壁面112dと112eとを密着させることができる。さらにまた、壁面112eと112bとの間に形成されている余剰部226aは、壁面112eと112bとの間から外側に向かって引き出されるようにする。余剰部226aを外側に引き出すことによって、壁面112eと112bとを密着させることができる。
【0088】
<余剰部の固定>
この真空断熱材200においても、引き出した余剰部226a〜226dを、壁面112b〜112eに、粘着テープによって固定することで、隣り合う2つの壁面を的確に当接させて当接部を形成することができる。このように、隣り合う壁面の辺を互いに密着させることによって、隣り合う壁面の辺の間に隙間が生じないようにしたり、隙間を小さくしたりすることができるので、箱体の真空断熱材100の断熱効果を高めることができる。
【0089】
<弾性シール材134>
また、真空断熱材200においても、図5(b)に示した弾性シール材134を同様に貼着してもよい。このようにすることで、隣り合う2つの壁面の辺の間に間隙が生じた場合であっても、断熱効果を高めることができる。
【0090】
このように、第2の実施の形態では、余剰部を切断してから組み立てるので、作業を余剰部によって妨げられることがなく、組立作業を容易に行うことができる。
【0091】
<<<第3の実施の形態>>>
図8は、第3の実施の形態による芯材310の全体を示す正面図である。
【0092】
<<芯材310>>
<芯材310の形状>
図8に示した芯材310は、シート状で略T字状の形状を有し、5つの壁面312a〜312eからなる。5つの壁面312a〜312eは、連続して一体となって、芯材310を構成している。すなわち、5つの壁面312a〜312eは、隣りあうもの同士が、離隔しておらず、連続している。この芯材310は、1つのシート状の芯材を、略T字状の形状となるように、形成するのが好ましい。なお、5つの壁面312a〜312e毎に別体に形成して、これらが繋がるように接続することによって、全体として、連続して一体となるように形成してもよい。このように連続して一体となった芯材310を用いることによって、芯材310の取り扱いを容易にすることができる。
【0093】
図8に示した破線の箇所で折り曲げることにより、直方体を形成することができる。図8に示した芯材310は、組み立てたときに、直方体形状となる真空断熱材に用いるもので、直方体を展開した形状を有する。芯材310の壁面312aが、直方体の底面となり、4つの壁面312b〜312eが直方体の側面となる。
【0094】
第1の実施の形態による芯材110は、直方体の底面近傍では隙間が生じにくいので、直方体の底面や底面の近傍の断熱効果を高める必要があるときに用いるのが好ましい。一方、第3の実施の形態による芯材310は、直方体の側面で隙間が生じにくいので、直方体の側面や側面の近傍の断熱効果を高める必要があるときに用いるのが好ましい。
【0095】
芯材の形状は、第1の実施の形態や第3の実施の形態に示したもののほか、断熱効果を必要とする箇所に応じて適宜定めればよい。
【0096】
<<外包材>>
第3の実施の形態における真空断熱材300で用いられる外包材320(図示せず)は、第1の実施の形態におけるものと同様の材料、並びに機能を有する。外包材320の形状や大きさは、芯材310の形状や大きさに応じて適宜定めればよい。外包材320は、外包材120や220と同様に、袋状の形状を有するものが好ましい。
【0097】
外包材320も、外包材120や220と同様に、2枚のシート状の外包材(図示せず)から構成される。この2枚のシート状の外包材も、第1の実施の形態における2枚のシート状の外包材122a及び122bと同様の材料、並びに機能を有する。この2枚のシート状の外包材によって、袋状の外包材320に形成される。
【0098】
<<ゲッター剤>>
第3の実施の形態における真空断熱材300(図示せず)で用いられるゲッター剤(図示せず)も、第1の実施の形態におけるものと同様の形状、大きさ及び材料、並びに機能を有する。
【0099】
後述するように、真空断熱材300も、袋状の外包材320に芯材310を収納し、開口をヒートシールすることによって形成される。このため、外包材320の内部は、真空断熱材300の全体で閉鎖された1つの空間となるので、真空断熱材300には、1つのゲッター剤のみを配置すればよい。
【0100】
ゲッター剤は、真空断熱材300の略中心の位置や、その近くになるようにすることで、真空断熱材300の全体に亘って存在するガスや水分を吸着させることができ、ゲッター剤の機能を発揮させることができる。
【0101】
<<真空断熱材300>>
第3の実施の形態による芯材310も、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、外包材320に収納される。外包材320に芯材310を収納した後、内部を減圧することによって、真空断熱材300を形成することができる。この第3の実施の形態においても、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、真空断熱材300を形成してから、折り曲げて組み立てられる。真空断熱材300の組み立ても、余剰部(図示せず)が外側に向かって引き出されるようにする。このようにすることで、隣り合う壁面を密着させることができ、断熱効果を高めることができる。
【0102】
<<余剰部の切断>>
また、第2の実施の形態と同様に、余剰部を切断して、真空断熱材300を組み立てるようにしてもよい。このようにすることで、余剰部によって妨げられることなく、組立作業を行うことができる。
【0103】
<<<第4の実施の形態>>>
図9は、第4の実施の形態による芯材410の全体を示す正面図である。
【0104】
<<芯材410>>
<芯材の形状及び材料>
第4の実施の形態における真空断熱材400に用いる芯材410は、第1の実施の形態におけるものと同様の材料からなり、同様の機能を有する。
【0105】
図9に示した芯材410は、シート状で略十字状の形状を有し、6つの壁面412a〜412fからなる。6つの壁面412a〜412fは、連続して一体となって、芯材410を構成している。すなわち、6つの壁面412a〜412fは、隣りあうもの同士が、離隔しておらず、連続している。この芯材410は、1つのシート状の芯材を、略十字状の形状となるように、形成するのが好ましい。なお、6つの壁面412a〜412f毎に別体に形成して、これらが繋がるように接続することによって、全体として、連続して一体となるように形成してもよい。このように連続して一体となった芯材410を用いることによって、芯材410の取り扱いを容易にすることができる。
【0106】
図9に示した芯材410は、組み立てたときに、直方体形状となる真空断熱材に用いるもので、直方体を展開した形状を有する。すなわち、図9に示した破線の箇所で折り曲げることにより、直方体を形成することができる。図9に示した破線は、壁面412aと壁面412bとの境界線B1、壁面412aと壁面412cとの境界線B2、壁面412aと壁面412dとの境界線B3、壁面412aと壁面412eとの境界線B4、及び、壁面412bと壁面412fとの境界線B5を示す。
【0107】
上述した第1の実施の形態〜第3の実施の形態における直方体は、5つの壁面から構成され、1つの面については開放されたものであったが、この第4の実施の形態における直方体は、6つの壁面412a〜412fから構成されるものをいう。芯材410の壁面412aが、直方体の底面となり、4つの壁面412b〜412eが直方体の側面となり、壁面412fが、直方体の上面となる。なお、後述するように、組み立ては、芯材410と外包材420とから構成された真空断熱材400を折り曲げることで行われるのであって、芯材410が、単独で折り曲げられて形成されることはない。
【0108】
図9に示した破線は、上述した5つの境界線B1〜B5を明確にするために示したものであるが、この境界線B1〜B5の各々の箇所に、折り曲げ溝を予め形成してもよい。折り曲げ溝は、細長い加圧体(図示せず)を芯材410の表面に押圧することで形成することができる。折り曲げ溝を形成しておくことで、的確な位置でかつ容易に折り曲げることができるので、所望する直方体に組み立てやすくすることができる。
【0109】
<<外包材>>
第4の実施の形態における真空断熱材400で用いられる外包材420(図示せず)は、第1の実施の形態におけるものと同様の材料、並びに機能を有する。外包材420の形状や大きさは、芯材410の形状や大きさに応じて適宜定めればよい。外包材420は、外包材120や220と同様に、袋状の形状を有するものが好ましい。
【0110】
外包材420も、外包材120や220と同様に、2枚のシート状の外包材(図示せず)から構成される。この2枚のシート状の外包材も、第1の実施の形態における2枚のシート状の外包材122a及び122bと同様の材料、並びに機能を有する。この2枚のシート状の外包材によって、袋状の外包材420に形成される。
【0111】
<<ゲッター剤>>
第4の実施の形態における真空断熱材400(図示せず)で用いられるゲッター剤(図示せず)も、第1の実施の形態におけるものと同様の形状、大きさ及び材料、並びに機能を有する。
【0112】
後述するように、真空断熱材400も、袋状の外包材420に芯材410を収納し、開口をヒートシールすることによって形成される。このため、外包材420の内部は、真空断熱材400の全体で閉鎖された1つの空間となるので、真空断熱材400には、1つのゲッター剤のみを配置すればよい。
【0113】
ゲッター剤は、真空断熱材400の略中心の位置や、その近くになるようにすることで、真空断熱材400の全体に亘って存在するガスや水分を吸着させることができ、ゲッター剤の機能を発揮させることができる。
【0114】
<<真空断熱材400>>
第4の実施の形態による芯材410も、第1の実施の形態〜第3の実施の形態と同様に、外包材420に収納される。外包材420に芯材410を収納した後、内部を減圧することによって、真空断熱材400を形成することができる。この第4の実施の形態においても、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、真空断熱材400を形成してから、折り曲げて組み立てられる。真空断熱材400の組み立ても、余剰部(図示せず)が外側に向かって引き出されるようにする。このようにすることで、隣り合う壁面を密着させることができ、断熱効果を高めることができる。
【0115】
<<余剰部の切断>>
また、第2の実施の形態と同様に、余剰部をある程度切断して、真空断熱材400の組み立てるようにしてもよい。このようにすることで、余剰部によって妨げられることなく、組立作業を行うことができる。
【0116】
第4の実施の形態における真空断熱材400は、組み立てたときには、6つの壁面の全てを有する直方体にできるので、断熱したい空間の全体を真空断熱材400で覆うことができ、断熱効果をより高めることができる。
【0117】
<<<第5の実施の形態>>>
図10は、第5の実施の形態による芯材510の全体を示す正面図である。
【0118】
<<芯材510>>
<芯材の形状及び材料>
第5の実施の形態における真空断熱材500に用いる芯材510は、第1の実施の形態におけるものと同様の材料からなり、同様の機能を有する。
【0119】
図10に示した芯材510は、シート状で略十字状の形状を有し、5つの壁面512a〜512eからなる。5つの壁面512a〜512eは、連続して一体となって、芯材510を構成している。すなわち、5つの壁面512a〜512eは、隣りあうもの同士が、離隔しておらず、連続している。この芯材510は、1つのシート状の芯材を、略十字状の形状となるように、形成するのが好ましい。なお、5つの壁面512a〜512e毎に別体に形成して、これらが繋がるように接続することによって、全体として、連続して一体となるように形成してもよい。このように連続して一体となった芯材510を用いることによって、芯材510の取り扱いを容易にすることができる。
【0120】
図10に示した芯材510は、組み立てたときに、直方体形状となる真空断熱材に用いるもので、直方体を展開した形状を有する。すなわち、図10に示した破線の箇所で折り曲げることにより、直方体を形成することができる。図10に示した破線は、壁面512aと壁面512bとの境界線B1、壁面512aと壁面512cとの境界線B2、壁面512aと壁面512dとの境界線B3、及び、壁面512aと壁面512eとの境界線B4を示す。
【0121】
この第5の実施の形態における直方体も、6つの壁面から構成されるものではなく、5つの壁面512a〜512eから構成されるものをいう。芯材510の壁面512aが、直方体の底面となり、4つの壁面512b〜512eが直方体の側面となる。なお、後述するように、組み立ては、芯材510と外包材520とから構成された真空断熱材500を折り曲げることで行われるのであって、芯材510が、単独で折り曲げられて形成されることはない。
【0122】
図10に示した破線は、上述した4つの境界線B1〜B4を明確にするために示したものであるが、この境界線B1〜B4の各々の箇所に、折り曲げ溝を予め形成してもよい。折り曲げ溝は、細長い加圧体(図示せず)を芯材510の表面に押圧することで形成することができる。折り曲げ溝を形成しておくことで、的確な位置でかつ容易に折り曲げることができるので、所望する直方体に組み立てやすくすることができる。
【0123】
図10に示すように、この第5の実施の形態における芯材510の壁面512bの2つの側部には、壁面512bに沿って、延出部514a及び514bが形成されている。また、壁面512dの2つの側部には、壁面512dに沿って、延出部514c及び514dが形成されている。延出部514a〜514dは、長尺な長方形の形状を有する。延出部514a及び514bが、壁面512bから延出する長さL、又は延出部514c及び514dが、壁面512dから延出する長さLは、芯材510の厚さとほぼ同じ長さか、又は芯材510の厚さよりも若干長い長さになるように、延出部514a〜514dは、形成されている。
【0124】
<<外包材>>
第5の実施の形態における真空断熱材500で用いられる外包材520(図示せず)は、第1の実施の形態におけるものと同様の材料、並びに機能を有する。外包材520の形状や大きさは、芯材510の形状や大きさに応じて適宜定めればよい。外包材520は、外包材120や220と同様に、袋状の形状を有するものが好ましい。
【0125】
外包材520も、外包材120や220と同様に、2枚のシート状の外包材(図示せず)から構成される。この2枚のシート状の外包材も、第1の実施の形態における2枚のシート状の外包材122a及び122bと同様の材料、並びに機能を有する。この2枚のシート状の外包材によって、袋状の外包材520に形成される。
【0126】
<<ゲッター剤>>
第5の実施の形態における真空断熱材500(図示せず)で用いられるゲッター剤(図示せず)も、第1の実施の形態におけるものと同様の形状、大きさ及び材料、並びに機能を有する。
【0127】
後述するように、真空断熱材500も、袋状の外包材520に芯材510を収納し、開口をヒートシールすることによって形成される。このため、外包材520の内部は、真空断熱材500の全体で閉鎖された1つの空間となるので、真空断熱材500には、1つのゲッター剤のみを配置すればよい。
【0128】
ゲッター剤は、真空断熱材500の略中心の位置や、その近くになるようにすることで、真空断熱材500の全体に亘って存在するガスや水分を吸着させることができ、ゲッター剤の機能を発揮させることができる。
【0129】
<<真空断熱材500>>
第5の実施の形態による芯材510も、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、外包材520に収納される。外包材520に芯材510を収納した後、内部を減圧することによって、真空断熱材500を形成することができる。この第5の実施の形態においても、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、真空断熱材500を形成してから、折り曲げて組み立てられる。真空断熱材500の組み立ても、余剰部(図示せず)が外側に向かって引き出されるようにする。このようにすることで、隣り合う壁面を密着させることができ、断熱効果を高めることができる。
【0130】
<<真空断熱材500の組み立て>>
図11は、真空断熱材500を組み立てたときの2つの隣り合う壁面の状態を示す拡大平面図である。壁面512bと壁面512cとを壁面512aに対して直角に折り曲げたときに、壁面512bと壁面512cとの間に形成されている余剰部526bが、壁面512bと壁面512cとの間から外側に向かって引き出されるようにする。図11(a)に示すように、余剰部526bを壁面512b側に向かって折り曲げ、折り曲げた余剰部526bが、壁面512bを覆っている外包材520と接触するようにする。この図11(a)は、真空断熱材500を組み立てているときの状態を上方から見た平面図である。なお、図11(a)では、外包材520を明確に示すために、芯材510と離隔しているように示したが、外包材520の内部を減圧しているので、外包材520は、芯材510に密着した状態となっている。
【0131】
上述したように、第5の実施の形態による芯材510は、延出部514a〜514dが形成されている。このため、壁面512bを覆っている外包材520に、余剰部526bを粘着テープ132で固定することで、図11(a)に示すように、壁面512bの延出部514bと壁面512cとを的確に当接させて当接部529を形成することができる。このように、壁面512bの延出部514bと壁面512cとを当接させて当接部529を形成することによって、壁面512bの延出部514bと壁面512cとを平面状に密接させることができ、箱体の真空断熱材500の断熱効果をより高めることができる。
【0132】
他の延出部514a、514c及び514dについても、同様に、平面状に壁面と密接させることができる。
【0133】
また、図11(b)のように、壁面512bの延出部514bと壁面512cとの間に、弾性シール材134を貼着してもよい。図11(b)も、図11(a)と同様に、真空断熱材500を組み立てているときの状態を上方から見た平面図である。図11(b)でも、外包材520を明確に示すために、芯材510と離隔しているように示した。弾性シール材134としては、発泡プラスチック系シール材、シリコンゴム系シール材、ブチルゴム系シール材などが考えられる。
【0134】
このように組み立てることによって、2つの壁面512bと512cの間に間隙が生じにくくすることができ、断熱効果を高めることができる。
【0135】
<<余剰部の切断>>
また、第2の実施の形態と同様に、余剰部を切断して、真空断熱材500を組み立てるようにしてもよい。このようにすることで、余剰部によって妨げられることなく、組立作業を行うことができる。
【0136】
<<<第6の実施の形態及び第7の実施の形態>>>
図12は、第6の実施の形態による芯材610の全体を示す正面図であり、図13は、第7の実施の形態による芯材710の全体を示す正面図である。
【0137】
<<芯材610>>
<芯材の形状及び材料>
第6の実施の形態による芯材610は、第1の実施の形態におけるものと同様の材料からなり、同様の機能を有する。
【0138】
図12に示した芯材610は、シート状で略十字状の形状を有し、5つの壁面612a〜612eからなる。5つの壁面612a〜612eは、連続して一体となって、芯材610を構成している。すなわち、5つの壁面612a〜612eは、隣りあうもの同士が、離隔しておらず、連続している。この芯材610は、1つのシート状の芯材を、略十字状の形状となるように、形成するのが好ましい。なお、5つの壁面612a〜612e毎に別体に形成して、これらが繋がるように接続することによって、全体として、連続して一体となるように形成してもよい。このように連続して一体となった芯材610を用いることによって、芯材610の取り扱いを容易にすることができる。
【0139】
図12に示した芯材610は、組み立てたときに、直方体形状となる真空断熱材に用いるもので、直方体を展開した形状を有する。すなわち、図12に示した破線の箇所で折り曲げることにより、直方体を形成することができる。図12に示した破線は、壁面612aと壁面612bとの境界線B1、壁面612aと壁面612cとの境界線B2、壁面612aと壁面612dとの境界線B3、及び、壁面612aと壁面612eとの境界線B4を示す。
【0140】
この第6の実施の形態における直方体も、6つの壁面から構成されるものではなく、5つの壁面612a〜612eから構成されるものをいう。芯材610の壁面612aが、直方体の底面となり、4つの壁面612b〜612eが直方体の側面となる。なお、後述するように、組み立ては、芯材610と外包材620とから構成された真空断熱材600を折り曲げることで行われるのであって、芯材610が、単独で折り曲げられて形成されることはない。
【0141】
図12に示した破線は、上述した4つの境界線B1〜B4を明確にするために示したものであるが、この境界線B1〜B4の各々の箇所に、折り曲げ溝を予め形成してもよい。折り曲げ溝は、細長い加圧体(図示せず)を芯材610の表面に押圧することで形成することができる。折り曲げ溝を形成しておくことで、的確な位置でかつ容易に折り曲げることができるので、所望する直方体に組み立てやすくすることができる。
【0142】
図12に示すように、この第6の実施の形態における芯材610の壁面612bの側部には、壁面612bに沿って、直角三角形の延出部614bが形成されている。同様に、壁面612cの側部には、壁面612cに沿って、直角三角形の延出部614cが形成され、壁面612dの側部には、壁面612dに沿って、直角三角形の延出部614dが形成され、壁面612eの側部には、壁面612eに沿って、直角三角形の延出部614eが形成されている。
【0143】
延出部614bの3つの辺のうちの1つの辺は、壁面612bの側部616bと一致し、壁面612bの側部616bの長さと同じ長さを有する。また、延出部614bの3つの辺のうちの別の辺615bは、壁面612bの外側の辺617bから延出して、辺617bと一直線上に配置される。辺615bは、辺617bの長さよりも短い長さを有する。延出部614bの3つの辺のうちの残りの辺618bは、直角三角形の斜辺となる。
【0144】
直角三角形の延出部614bの3つの頂点のうちの1つの頂点は、壁面612bの側部616bと壁面612cの側部613cとの交点619bに位置する。このようにすることで、延出部614bの辺618bと壁面612cの側部613cとのなす角θは、鋭角となる。延出部614bをこのような形状とすることで、延出部614bは、外側に向かって次第に大きくなる直角三角形となる。
【0145】
延出部614bの辺618bと壁面612cの側部613cとの間には、後述する外包材620によって余剰部(図示せず)が形成される。壁面612bの側部616bと壁面612cの側部613cとの交点619bの近傍は、延出部614bの頂点の近傍であり、延出部614bの幅は、十分に細くなっている。このため、組み立てるときに、延出部614bに妨げられることなく、余剰部を十分に外側に引き出すことができる。また、余剰部を外側に引き出すことができるので、組み立てたときに、余剰部に妨げられることなく、壁面612bと壁面612cとを密着させることができる。
【0146】
上述した説明では、延出部614bのみについて説明したが、残りの延出部614c、614d及び614eも同様である。
【0147】
<<外包材>>
第6の実施の形態における真空断熱材600で用いられる外包材620(図示せず)は、第1の実施の形態におけるものと同様の材料、並びに機能を有する。外包材620の形状や大きさは、芯材610の形状や大きさに応じて適宜定めればよい。外包材620は、外包材120や220と同様に、袋状の形状を有するものが好ましい。
【0148】
外包材620も、外包材120や220と同様に、2枚のシート状の外包材(図示せず)から構成される。この2枚のシート状の外包材も、第1の実施の形態における2枚のシート状の外包材122a及び122bと同様の材料、並びに機能を有する。この2枚のシート状の外包材によって、袋状の外包材620に形成される。
【0149】
<<ゲッター剤>>
第6の実施の形態における真空断熱材600(図示せず)で用いられるゲッター剤(図示せず)も、第1の実施の形態におけるものと同様の形状、大きさ及び材料、並びに機能を有する。
【0150】
後述するように、真空断熱材600も、袋状の外包材620に芯材610を収納し、開口をヒートシールすることによって形成される。このため、外包材620の内部は、真空断熱材600の全体で閉鎖された1つの空間となるので、真空断熱材600には、1つのゲッター剤のみを配置すればよい。
【0151】
ゲッター剤は、真空断熱材600の略中心の位置や、その近くになるようにすることで、真空断熱材600の全体に亘って存在するガスや水分を吸着させることができ、ゲッター剤の機能を発揮させることができる。
【0152】
<<真空断熱材600>>
第6の実施の形態による芯材610も、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、外包材620に収納される。外包材620に芯材610を収納した後、内部を減圧することによって、真空断熱材600を形成することができる。この第6の実施の形態においても、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、真空断熱材600を形成してから、折り曲げて組み立てられる。真空断熱材600の組み立ても、余剰部(図示せず)が外側に向かって引き出されるようにする。このようにすることで、隣り合う壁面を密着させることができ、断熱効果を高めることができる。
【0153】
<<真空断熱材600の組み立て>>
真空断熱材600を組み立てるときには、図12に示した破線の箇所で折り曲げることで、延出部614bを壁面612bに対して略直角に折り曲げ、延出部614cを壁面612cに対して略直角に折り曲げ、延出部614dを壁面612dに対して略直角に折り曲げ、延出部614eを壁面612eに対して略直角に折り曲げることができる。このようにすることで、延出部614bが、壁面612bと部分的に重なり、延出部614cが、壁面612cと部分的に重なり、延出部614dが、壁面612dと部分的に重なり、延出部614eが、壁面612eと部分的に重なるようにすることができる。
【0154】
<<芯材710>>
<芯材の形状及び材料>
第7の実施の形態による芯材710は、第1の実施の形態におけるものと同様の材料からなり、同様の機能を有する。
【0155】
図13に示した芯材710も、シート状で略十字状の形状を有し、5つの壁面712a〜712eからなる。5つの壁面712a〜712eは、連続して一体となって、芯材710を構成している。すなわち、5つの壁面712a〜712eは、隣りあうもの同士が、離隔しておらず、連続している。この芯材710は、1つのシート状の芯材を、略十字状の形状となるように、形成するのが好ましい。なお、5つの壁面712a〜712e毎に別体に形成して、これらが繋がるように接続することによって、全体として、連続して一体となるように形成してもよい。このように連続して一体となった芯材710を用いることによって、芯材710の取り扱いを容易にすることができる。
【0156】
図13に示した芯材710は、組み立てたときに、直方体形状となる真空断熱材に用いるもので、直方体を展開した形状を有する。すなわち、図13に示した破線の箇所で折り曲げることにより、直方体を形成することができる。図13に示した破線は、壁面712aと壁面712bとの境界線B1、壁面712aと壁面712cとの境界線B2、壁面712aと壁面712dとの境界線B3、及び、壁面712aと壁面712eとの境界線B4を示す。
【0157】
この第7の実施の形態における直方体も、6つの壁面から構成されるものではなく、5つの壁面712a〜712eから構成されるものをいう。芯材710の壁面712aが、直方体の底面となり、4つの壁面712b〜712eが直方体の側面となる。なお、後述するように、組み立ては、芯材710と外包材720とから構成された真空断熱材700を折り曲げることで行われるのであって、芯材710が、単独で折り曲げられて形成されることはない。
【0158】
図13に示した破線は、上述した4つの境界線B1〜B4を明確にするために示したものであるが、この境界線B1〜B4の各々の箇所に、折り曲げ溝を予め形成してもよい。折り曲げ溝は、細長い加圧体(図示せず)を芯材710の表面に押圧することで形成することができる。折り曲げ溝を形成しておくことで、的確な位置でかつ容易に折り曲げることができるので、所望する直方体に組み立てやすくすることができる。
【0159】
図13に示すように、この第7の実施の形態における芯材710の壁面712bの側部には、壁面712bに沿って、略長方形の延出部714bが形成されている。同様に、壁面712cの側部には、壁面712cに沿って、略長方形の延出部714cが形成され、壁面712dの側部には、壁面712dに沿って、略長方形の延出部714dが形成され、壁面712eの側部には、壁面712eに沿って、略長方形の延出部714eが形成されている。
【0160】
略長方形の延出部714bの長手方向の長さは、壁面712bの側部716bの長さよりも短く、切り欠き部717bが形成されている。切り欠き部717bは、壁面712bの側部716bと壁面712cの側部713cとの交点719bの近傍に位置する。
【0161】
延出部714bと壁面712cとの間には、後述する外包材720によって余剰部(図示せず)が形成される。上述したように、壁面712bの側部716bと壁面712cの側部713cとの交点719bの近傍には、切り欠き部717bが形成されている。このため、切り欠き部717bを介して、余剰部を外側に引き出すことができるので、組み立てるときに、延出部714bに妨げられることなく、余剰部を十分に外側に引き出すことができる。また、余剰部を外側に引き出すことができるので、組み立てたときに、余剰部に妨げられることなく、壁面712bと壁面712cとを密着させることができる。
【0162】
上述した説明では、延出部714bのみについて説明したが、残りの延出部714c、714d及び714eも同様である。
【0163】
<<外包材>>
第7の実施の形態における真空断熱材700で用いられる外包材720(図示せず)は、第1の実施の形態におけるものと同様の材料、並びに機能を有する。外包材720の形状や大きさは、芯材710の形状や大きさに応じて適宜定めればよい。外包材720は、外包材120や220と同様に、袋状の形状を有するものが好ましい。
【0164】
外包材720も、外包材120や220と同様に、2枚のシート状の外包材(図示せず)から構成される。この2枚のシート状の外包材も、第1の実施の形態における2枚のシート状の外包材122a及び122bと同様の材料、並びに機能を有する。この2枚のシート状の外包材によって、袋状の外包材720に形成される。
【0165】
<<ゲッター剤>>
第7の実施の形態における真空断熱材700(図示せず)で用いられるゲッター剤(図示せず)も、第1の実施の形態におけるものと同様の形状、大きさ及び材料、並びに機能を有する。
【0166】
後述するように、真空断熱材700も、袋状の外包材720に芯材710を収納し、開口をヒートシールすることによって形成される。このため、外包材720の内部は、真空断熱材700の全体で閉鎖された1つの空間となるので、真空断熱材700には、1つのゲッター剤のみを配置すればよい。
【0167】
ゲッター剤は、真空断熱材700の略中心の位置や、その近くになるようにすることで、真空断熱材700の全体に亘って存在するガスや水分を吸着させることができ、ゲッター剤の機能を発揮させることができる。
【0168】
<<真空断熱材700>>
第7の実施の形態による芯材710も、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、外包材720に収納される。外包材720に芯材710を収納した後、内部を減圧することによって、真空断熱材700を形成することができる。この第7の実施の形態においても、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、真空断熱材700を形成してから、折り曲げて組み立てられる。真空断熱材700の組み立ても、余剰部(図示せず)が外側に向かって引き出されるようにする。このようにすることで、隣り合う壁面を密着させることができ、断熱効果を高めることができる。
【0169】
<<真空断熱材700の組み立て>>
真空断熱材700を組み立てるときには、図13に示した破線の箇所で折り曲げることで、延出部714bを壁面712bに対して略直角に折り曲げ、延出部714cを壁面712cに対して略直角に折り曲げ、延出部714dを壁面712dに対して略直角に折り曲げ、延出部714eを壁面712eに対して略直角に折り曲げることができる。このようにすることで、延出部714bが、壁面712bと部分的に重なり、延出部714cが、壁面712cと部分的に重なり、延出部714dが、壁面712dと部分的に重なり、延出部714eが、壁面712eと部分的に重なるようにすることができる。
【0170】
<<真空断熱材600又は700の組み立ての詳細>>
図14は、真空断熱材600又は700を組み立てたときの2つの隣り合う壁面の状態を示す拡大平面図である。図14は、真空断熱材600又は700のいずれについても対応する図面であるが、以下では、代表として真空断熱材600の場合について説明する。
【0171】
図14(a)及び(b)は、真空断熱材600を組み立てているときの状態を、拡大して示す平面図である。なお、図14(a)及び(b)では、外包材620を明確に示すために、芯材610と離隔しているように示したが、外包材620の内部を減圧しているので、外包材620は、芯材610に密着している。
【0172】
図14(a)に示すように、壁面612bと壁面612cとを壁面612aに対して直角に折り曲げたときに、壁面612bと壁面612cとの間に形成されている余剰部626bが、壁面612bと壁面612cとの間から外側に向かって引き出されるようにする。さらに、壁面612bの延出部614bを、壁面612bに対して直角に折り曲げ、壁面612cと重なるようにする。次いで、余剰部626bを壁面612c側に向かって折り曲げ、折り曲げた余剰部626bが、壁面612cを覆っている外包材620と接触するようにする。
【0173】
上述したように、第6の実施の形態による芯材610は、延出部614b〜614eが形成されている。このため、壁面612cを覆っている外包材620に、余剰部626bを粘着テープ132で固定することで、図14(a)に示すように、壁面612bの延出部614bが、壁面612cと部分的に重なり合うと共に、壁面612bと壁面612cとを当接させて当接部629を形成することができる。このように、壁面612bの延出部614bが、壁面612cと部分的に重なり合うようにすることによって、壁面612bの延出部614bと壁面612cとを平面状に密接させることができる。さらに、壁面612bと壁面612cとを当接させることによって、壁面612bを壁面612cに平面状に密接させることができる。このよう密接させる機構を2種類にすることによって、箱体の真空断熱材600の断熱効果をさらに高めることができる。
【0174】
他の延出部614c、614d及び614eについても、同様に、密接させる2種類の機構によって、平面状に密接させることができる。
【0175】
また、図14(b)のように、壁面612bの延出部614bと壁面612cと間に、弾性シール材134を貼着してもよい。この弾性シール材134としては、発泡プラスチック系シール材、シリコンゴム系シール材、ブチルゴム系シール材などが考えられる。このように組み立てることによって、2つの壁面612bと612cの間に間隙が生じにくくすることができ、断熱効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】第1の実施の形態における芯材110を展開した全体を示す正面図である。
【図2】袋状の外包材120に芯材110を収納した状態を示す斜視図である。
【図3】袋状の外包材120に芯材110を収納し、開口部124をヒートシールした状態を示す正面図である。
【図4】袋状の外包材120に芯材110を収納して、箱体を組み立てる過程を示す斜視図である。
【図5】2つの隣り合う壁面の状態を示す拡大平面図である。
【図6】第2の実施の形態の芯材110を展開した全体と、外包材220とからなる真空断熱材200を示す正面図である。
【図7】2つの隣り合う壁面の状態を示す拡大平面図である。
【図8】第3の実施の形態の芯材310を展開した全体を示す正面図である。
【図9】第4の実施の形態の芯材410を展開した全体を示す正面図である。
【図10】第5の実施の形態の芯材510を展開した全体を示す正面図である。
【図11】2つの隣り合う壁面の状態を示す拡大平面図である。
【図12】第6の実施の形態の芯材610を展開した全体を示す正面図である。
【図13】第7の実施の形態の芯材710を展開した全体を示す正面図である。
【図14】2つの隣り合う壁面の状態を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
【0177】
100 真空断熱材
110 芯材
112a、112b、112c、112d、112e 壁面
120 外包材
126a、126b、126c、126d 余剰部
129 当接部
130 ゲッター剤
200 真空断熱材
226a、226b、226c、226d 余剰部
220 外包材
300 真空断熱材
310 芯材
312a、312b、312c、312d、312e 壁面
320 外包材
400 真空断熱材
410 芯材
412a、412b、412c、412d、412e、412f 壁面
420 外包材
500 真空断熱材
510 芯材
512a、512b、512c、512d、512e 壁面
520 外包材
600 真空断熱材
610 芯材
612a、612b、612c、612d、612e 壁面
620 外包材
700 真空断熱材
710 芯材
712a、712b、712c、712d、712e 壁面
720 外包材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材と、前記芯材を収納し内部を減圧状態に維持できる外包材と、を少なくとも備え、箱体の形状を有する真空断熱材であって、
前記芯材が、前記外包材と共に折り曲げられた折り曲げ部を有し、
前記外包材に収納される前の前記芯材は、前記箱体を展開した形状を有し、かつ、一体に成形され、
前記芯材が、前記外包材に収納され、かつ、減圧された状態で、折り曲げられたことで前記折り曲げ部が形成されることを特徴とする真空断熱材。
【請求項2】
前記外包材は、前記芯材より大きく、
前記外包材には、前記芯材と当接しない余剰部が形成され、
前記余剰部を前記箱体の外側に向かって引き出すことで、前記箱体を形成する隣り合う壁面の辺を密接させる請求項1記載の真空断熱材。
【請求項3】
前記箱体の外側に向かって引き出された前記余剰部は、前記隣り合う壁面に貼着された請求項2記載の真空断熱材。
【請求項4】
前記外包材によって覆われた内部には、ゲッター剤が1個設けられている請求項1記載の真空断熱材。
【請求項5】
前記芯材には、前記折り曲げ部を規定する溝が形成された請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項6】
前記箱体を形成する壁面の少なくとも1つが、平面である請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項7】
前記箱体を形成する隣り合う壁面の間にシール部材が設けられた請求項2に記載の真空断熱材。
【請求項8】
前記箱体を形成する隣り合う壁面の一方の一部が、他方の壁面に重畳した請求項2に記載の真空断熱材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−321951(P2007−321951A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155863(P2006−155863)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】