真空電気泳動高周波脱水処理装置。
【課題】重金属類で汚染された高濃度の汚泥を搬送ポンプで連続して投入しながら、汚泥から重金属類を除去しながら脱水処理する装置が要望されていた。
【解決手段】架台に防振装置を介して設置した陽極となる減圧雰囲気の漏斗状容器内に、重金属類で汚染された高濃度の汚泥を投入しながら、陰極となり振動する星型電極とその周囲に複数の陽極となり振動する星型電極と漏斗状容器の側面に陰極となり振動するラック状電極を配置し、直流電力を印可しながら高圧空気を断続的に噴射し、汚泥に高周波振動を与えて浮遊した液状化状態とし、間隙水圧が上昇して過剰間隙水圧に耐えきれなくなった陽イオンと陰イオンの重金属類は間隙水と気泡に付着して上昇しリング状排水管に接続した真空ポンプで外部に排出され、重金属類を除去して脱水された汚泥は土砂排出装置に挿入され、排出スクリュ−で強制的に排出させた真空泳動高周波脱水処理装置。
【解決手段】架台に防振装置を介して設置した陽極となる減圧雰囲気の漏斗状容器内に、重金属類で汚染された高濃度の汚泥を投入しながら、陰極となり振動する星型電極とその周囲に複数の陽極となり振動する星型電極と漏斗状容器の側面に陰極となり振動するラック状電極を配置し、直流電力を印可しながら高圧空気を断続的に噴射し、汚泥に高周波振動を与えて浮遊した液状化状態とし、間隙水圧が上昇して過剰間隙水圧に耐えきれなくなった陽イオンと陰イオンの重金属類は間隙水と気泡に付着して上昇しリング状排水管に接続した真空ポンプで外部に排出され、重金属類を除去して脱水された汚泥は土砂排出装置に挿入され、排出スクリュ−で強制的に排出させた真空泳動高周波脱水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ダム湖・湖沼などの水底には、生活排水や農薬などの流入により富栄養化して有機物・油脂類・重金属類が混入した汚泥が堆積している。富栄養化で藍藻類が異常増殖して腐敗した悪臭の発生防止、有効貯水量の確保、機能維持のため汚泥を除去して埋立処分されているが、環境を保全するために汚泥を浄化脱水処理することが要求されている。
【0002】
本発明は、水底に堆積して有機物・油脂類・重金属類に汚染されたヘドロ状の汚泥を、凝集剤を用いず真空状態で電気泳動や超音波振動を利用し、汚泥から有機物・油脂類・重金属類を分離させながら連続して汚泥を浄化脱水処理する方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来の汚泥の浄化脱水処理は、高分子凝集剤を用いてフィルタ−プレス、スクリュ−プレス、ベルトプレス、真空脱水などの他、重金属類に汚染された汚泥を電気泳動により浄化脱水処理する様々な方法があるが、下記のような様々な問題点を有していた。
【0004】
重金属類で汚染された汚泥を電気泳動による電気科学的手段を用いて処理する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)然し乍らこの方法は、重金属汚染された土壌を処理槽に投入し処理液を通水しながら一対の電極を挿入して直流電流を印加し、陽極から陰極に移動させて重金属類のイオン性汚染物を移動させて除去し、処理された汚泥を重機を用いて処理槽から搬出するため、連続して脱水処理することが困難であった。
【0005】
また、同様に重金属汚染された汚泥を処理槽に投入し、一対の電極を挿入して直流電流を印加しながら陽極から陰極に重金属類のイオン性汚染物を電気泳動により移動させながら、電極に設けた通水孔に接続された排水管を介してポンプにより汲み上げて処理する方法が知られている(例えば、特許文献2及び3参照。)然し乍らこの方法も、処理された汚泥を重機を用いて搬出するため、連続して脱水処理することが困難であった。
【0006】
逆円錐形のホッパ−に重金属類で汚染された汚泥を投入し、バイブレ−タ−を使用して処理する方法が知られている(例えば、特許文献4及び5参照。)然し乍らこの方法も、ホッパ−からバイブレ−タ−と電極を取り出し、ホッパ−を反転させて処理した汚泥を排出する考案であり、重金属類を分離し脱水された汚泥を下部から排出することは不可能なため、一投入毎の浄化脱水処理となり連続して脱水することが困難であった。
【0007】
また、重金属類で汚染された汚泥を密閉されたホッパ−に投入し、電気泳動により浄化して下側から真空引きして脱水させる方法が知られている(例えば、特許文献6参照。)然し乍らこの考案は、一定量の汚泥を電気泳動で浄化し、真空ポンプにより含水率65%前後まで脱水して、下側の排出ゲ−トを開いて脱水した土砂を排出するため、一定量の投入毎に浄化脱水処理するために、連続して浄化脱水することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 特許第2825751号公報
【特許文献2】 特許第2715263号公報
【特許文献3】 特許第2853797号公報
【特許文献4】 特開平6−287933号公報
【特許文献5】 特開平6−210300号公報
【特許文献6】 特開2004−188233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上に述べた従来の汚泥の浄化脱水処理装置では、有機物・油脂類・重金属類に汚染された汚泥を連続して浄化脱水処理することが困難なため、その解決が要求されていた。
【0010】
本発明は上記目的を達成するために鑑みてなされたものであり、鋭意研究の結果、有機物・油脂類・重金属類で汚染された汚泥を連続して浄化脱水処理することができる、真空電気泳動高周波脱水処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の解決手段は、架台に防振装置を介して設置した、真空状態の漏斗状容器の直管部の外側に振動鋼板を介して複数の高周波振動モ−タ−を固定し、内側に絶縁ゴム膜を介して陰極となるラック状電極に接続して230Hz前後で高周波振動させ、漏斗状容器の中心部に陰極となる電極支持管の下部に防振ゴムを介在させて高周波振動機を接続して星型炭素電極を230Hz前後に高周波振動させながら、その周囲に複数の陽極となる電極支持管の下部に防振ゴムを介在させて高周波振動機を接続して星型炭素電極を230Hz前後で高周波振動させ、汚泥搬入ポンプで重金属類で汚染された汚泥を搬入泥管を介して漏斗状容器の上側の汚泥投入口から投入させながら、上部に設置した超音波測定器で汚泥貯留面の表面位置を測定して制御装置に入力し、該制御装置の指令で汚泥搬入ポンプの運転を制御し、漏斗状容器内に投入される汚泥の貯留面の高さを常に一定に維持させることができる。
【0012】
そして、陽極となる星型炭素電極と、陰極となる星型炭素電極とラック状電極に直流電流を印加して高周波振動させながら、重金属類で汚染された汚泥の粒子間接触が失われて浮遊した液状化状態とさせ、間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極側の間隙水に析出した汚濁水を上昇させ、陰イオン性汚染物質が陽極側の間隙水に析出した汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させ、漏斗状容器の上側面の排水口を介して外側のリング状排水管に流出させ、接続した排出吸引管を介して真空ポンプにより、漏斗状容器内部を真空にしながら分離された水を真空電気泳動高周波脱水処理装置から排出させたものである。
【0013】
更に、重金属類や汚濁物質を除去して浄化脱水処理した汚泥を、下部の絞管部側斜面の外側に振動鋼板を介して複数の振動モ−タ−を固定して内側のラック状振動板を50Hz前後に振動させて防振□フランジを介して接続した土砂排出装置のパドル室の中に押込、2軸の高周波振動機を内装した振動パドルシャフトに軸着したパドル羽根を230Hz前後に高周波振動させながら回転させて汚泥を圧送室に押込、非接触で噛み合って回転している2本のスクリュ−シャフトに軸着した右巻排出スクリュ−と左巻排出スクリュ−を減速駆動モ−タ−で回転させることで、重金属類や汚濁物質を除去して浄化脱水処理された汚泥を移送して土砂排出装置の排出口から強制的に排出させたものである。
【0014】
また、第2の課題解決手段は、陽極となる星型炭素電極、陰極となる星型炭素電極とラック状電極に直流電流を印加して230Hz前後に高周波振動させながら、外部から高圧空気をパルス電磁バルブを介して断続的に夫々の電極の下側に設けた空気噴射孔から噴射して高周波振動により微細気泡化させ、重金属類で汚染された汚泥粒子の間に微細気泡が紛れ込み間隙水の圧縮性が増すことにより液状化を促進させ、微細気泡が混入した間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させ、陰イオン性汚染物質が陽極側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させることで重金属類の除去と脱水を促進させる構成としたものである。
【0015】
上記第1の解決手段による作用は次の通りである。即ち、架台に防振装置を介して設置した、真空状態の漏斗状容器の直管部外側に振動鋼板を介して複数の高周波振動モ−タ−を固定し、内側に絶縁ゴム膜を介して陰極となるラック状電極に接続して230Hz前後で高周波振動させ、漏斗状容器の中心部に陰極となる電極支持管下部に防振ゴムを介在させて高周波振動機を接続して星型炭素電極を230Hz前後に高周波振動させながら、その周囲に複数の陽極となる電極支持管の下部に防振ゴムを介在させて高周波振動機を接続して星型炭素電極を230Hz前後で高周波振動させ、汚泥搬入ポンプで重金属類で汚染された汚泥を搬入泥管を介して漏斗状容器上側の汚泥投入口から投入させながら、上部に設置した超音波測定機で汚泥貯留面の表面位置を測定して制御装置に入力し、該制御装置の指令で汚泥搬入ポンプの運転を制御し、漏斗状容器内に投入された汚泥の貯留面を常に一定に維持させることができる。
【0016】
また、陽極になる星型炭素電極と、陰極になる星型炭素電極とラック状電極に直流電流を印加して高周波振動させながら、重金属類で汚染された汚泥の汚泥粒子と汚泥粒子の接触が失われて浮遊した液状化状態にし、間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極側の間隙水や気泡に析出した汚濁水として上昇し、陰イオン性汚染物質が陽極側の間隙水や気泡と析出した汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させ、漏斗状容器の上側側面の排水口を介して外側のリング状排水管に流出し、接続した排出吸引管に設けた真空ポンプにより、漏斗状容器内部を真空にしながら汚濁水を真空電気泳動高周波脱水処理装置から排出させたものである。
【0017】
さらに、重金属類や汚濁物質を除去して浄化脱水処理した汚泥を、下部の絞管部の側斜面の外側に振動鋼板を介して複数の振動モ−タ−を固定して、振動モ−タ−により内側のラック状振動板を50Hz前後に振動させながら汚泥を沈降させ、防振□フランジを介して接続した土砂排出装置のパドル室の中に押込、2本の高周波振動機を内装した振動パドルシャフトに軸着したパドル羽根を230Hz前後に高周波振動させながら回転させて汚泥を圧送室に押込、非接触で噛み合って回転する、2本のスクリュ−シャフトに軸着した右巻排出スクリュ−と左巻排出スクリュ−を減速駆動モ−タ−で回転させて、脱水処理した汚泥を移送して排出口から強制的に排出させることができる。
【0018】
また、2の課題解決手段による作用は、陽極となる星型炭素電極、陰極となる星型炭素電極とラック状電極に直流電流を印加して230Hz前後に高周波振動させながら、外部から高圧空気をパルス電磁バルブを介して断続的に夫々の電極の下側に設けた空気噴射孔から気泡を噴射して高周波振動により微細気泡とされ、重金属類で汚染された汚泥粒子の間に微細気泡が紛れ込み間隙水の圧縮性が増すことで液状化を促進させ、微細気泡が混入した間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させ、陰イオン性汚染物質が陽極側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させることで重金属類を効率良く除去することができる。
【発明の効果】
【0019】
上述したように本発明の真空電気泳動高周波脱水処理装置は、ダム湖、湖沼、貯留池などの水底に堆積して生活排水や重金属等に汚染された汚泥の浄化脱水処理で、凝集剤を用いず高周波振動と微細気泡で汚泥を流動化させたダイレイタンシ−現象の体積変化による脱水作用、微細気泡の浮上による有機物・油脂類の分離作用、電気泳動処理による重金属類の除去作用により浄化脱水処理された汚泥を、有機物含有の土壌改良材として田畑に散布しても植物の発育障害が発生することなく肥料効果を発揮し植物の成長を促進させたことと、従来の汚泥にセメント等の硬化剤を混入し埋立処分する必要がないため汚泥の処理コストを大幅に削減でき、高性能な真空電気泳動高周波脱水処理装置を提供できる。
【0020】
また、真空電気泳動高周波脱水処理装置に投入した、重金属で汚染された汚泥に高圧空気を断続的に噴射して高周波振動により発生したマイクロバブルに有機物や油脂類を付着し浮上させて分離して除去し、直流電流を印加した電気化学的処理による電気泳動で従来の脱水処理方法では除去することが不可能であったナトリウム、リチウム、シアンの他、重金属類(例えば、水銀、セレン、クロム、、砒素、カドミウム、亜鉛など。)を分離して除去することで汚泥に汚染物質は残留すること無く清浄化脱水処理できる。
【0021】
更に、広大な汚泥の処理場所を確保する必要は無く、中山間地域の狭隘な場所やダム湖などの水面上に浮かべた台船の上でも、浚渫した汚泥を連続して真空電気泳動高周波脱水処理装置により処理できるため、現在放置されているダム湖等の浚渫に対応できるため、ダムとしての機能が再生されて水力発電によるクリ−ンなエネルギ−が確保できることで地球環境の修復と温暖化防止に貢献する等の経済効果を発揮させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】 本発明の真空電気泳動高周波脱水処理装置の側面断面図
【図2】 本発明の真空電気泳動高周波脱水処理装置の正面断面図
【図3】 図1のA−A線に沿う平面図
【図4】 図1のB−B線に沿う平面図
【図5】 図1のC−C線に沿う断面図
【図6】 図5のE−E線に沿う平面図
【図7】 図5のC−C線に沿う平面図
【図8】 図5のF−F線に沿う断面図
【図9】 図5のG−G線に沿う断面図
【図10】 図5のH−H線に沿う断面図
【図11】 本発明の真空電気泳動高周波脱水処理装置のシステムの概要図
【図12】 本発明の応用例である図1のA−A線に沿う平面図
【発明の実施するための形態】
【第1実施例】
【0023】
以下本発明の真空電気泳動高周波脱水処理装置の第1実施例を図1〜図11に基づいて説明する。尚、本発明はこれに限定されるものでなく、処理する汚泥の状態に応じて適宜組み合わせて自由に変更できるものである。
【0024】
地盤面に4本の脚部で定着された剛性な架台89の上端部と中間部に設けた支持部に、真空状態になる漏斗状容器12の直管部66側方を防振ゴム75を介在して架台89に縣架し、漏斗状容器12の最下部に位置する絞管部67の防振口フランジ74に防振ゴム75を介在して土砂排出装置3を接合することで真空電気泳動高周波脱水処理装置が構成される。漏斗状容器12の直管部66外側の周囲に、複数個の高周波振動モ−タ−29を固定し、漏斗状容器12の内側に絶縁ゴム膜32を介して陰極25となる縦長のラック状電極35を内装し、高周波インバ−タ−(図示せず)により印可して高周波振動モ−タ−29を起動させることによりラック状電極35を230Hz前後に高周波振動させる。
【0025】
漏斗状容器12の上蓋68の中心部に絶縁フランジ33を介して陰極25となる電極支持管21を挿入固定し、電極支持管21下部の星型炭素電極34に内装した高周波振動機27を高周波インバ−タ−(図示せず)により印可して230Hz前後に星型炭素電極34を高周波振動させる。その周囲に同心円状に絶縁フランジ33を介して複数個(図示では4個)の陽極24となる電極支持管21を挿入固定し、電極支持管21下部の星型炭素電極34に内装した高周波振動機27を高周波インバ−タ−により印可されて230Hz前後に星型炭素電極34を高周波振動させる。
【0026】
生活排水や農薬などの流入により有機物・油脂類・重金属類で汚染され水底に堆積したビンガム状態の汚泥を、汚泥搬入ポンプ5を用いて漏斗状容器12の上側面に接続した搬入泥管7の投入口9から漏斗状容器12の内部に投入しながら、上蓋68に設置した超音波測定機63により汚泥貯留面39表面までを測定して制御装置(図示せず)に入力し、演算処理された指令で汚泥搬入ポンプ5の運転を制御することで、投入された汚泥36の貯留面39の表面位置を漏斗状容器12の内部で常に一定の位置に維持させる。
【0027】
耐強制振動用とし剛性に製作された、漏斗状容器12直管部66の外側に設置する高周波振動モ−タ−29は、直管部66の高さ1/3位置に貫通口を開けて絶縁ゴム膜32を介して直管部66の内部に振動を与えるよう高周波振動モ−タ−29をボルトで固定し、ラック状振動板43の上端部と下端部をスプリング(図示せず)で直管部66に係止して高周波振動モ−タ−29の振動端子を貫通口から絶縁ゴム膜32を介して漏斗状容器12の中に突出させ、ラック状振動板43の中間位置に固定し、高周波振動モ−タ−29に印可することで漏斗状容器12内の汚泥を230Hz前後に高周波振動させる。
【0028】
漏斗状容器12下部の絞管部67に設置する高周波振動モ−タ−29は、絞管部67の中間位置に丸形の貫通口を開け、絶縁ゴム膜32を介して直管部66の内部に振動を与えるよう高周波振動モ−タ−29をボルトで固定し、ラック状振動板43の上端部と下端部をスプリング(図示せず)で直管部66に係止して、高周波振動モ−タ−29の振動端子を貫通口から絶縁ゴム膜32を介して絞管部67の内側に突出させ、ラック状振動板43の中間位置に固定し、高周波振動モ−タ−29に印可することで漏斗状容器12の絞管部67内の汚泥を230Hz前後に加振させることで、汚泥内の水分が流動化してブリ−ディングされた汚濁水を汚泥貯留面39まで上昇させながら汚泥は沈降される。
【0029】
重金属汚染された汚泥を電気泳動により無害化する処理方法は、直流電流を印加する陰極25となる漏斗状容器12の側面と斜面に設置したラック状振動板43と、同様に陰極25となる上蓋68の中心部に挿入した電極支持管21の先端に設置した星型炭素電極34を設置する、中心部に設置した星型炭素電極34の周囲に図示では4本の陽極となる電極支持管21の先端に設置した星型炭素電極34を挿入し、外部に別途設置した直流電源装置(図示せず)から供給する直流12V電流密度10〜40A/dm2を印加する電気泳動による方法で汚泥から汚染物質や重金属類が分離される。
【0030】
陽極24となる星型炭素電極34、陰極25となる星型炭素電極34とラック状電極35に直流電流を印加して高周波振動させながら、重金属類で汚染された汚泥36の汚泥粒子と汚泥粒子の接触が失われて浮遊した液状化状態にし、間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極25側の間隙水に析出して上昇し、陰イオン性汚染物質が陽極24側の間隙水に析出し汚泥貯留面39まで上昇し周囲の汚水排水口42を介して外側のリング状排水管10に流出し、接続した排出吸引管8に接続した真空ポンプ6により、漏斗状容器12内部を真空にしながら重金属類を混入してブリ−ディングした汚濁水を外部排出し無害化処理させる。
【0031】
上記の汚泥に混入した重金属類以外の汚染物質とは、有機物として(例えば、植物や樹木などの茎や枯れ葉が堆積して腐敗したフミン質など。)、油脂類として(例えば、揮発性有機化合物、ベンゼン、トルエン、キシレンなど。)のコロイド状の汚泥に230Hz前後の高周波振動を与え、投入されたビンガム状態の汚泥の中に混入している汚染物質の粒子を分散させることで液状化を促進させながら、汚泥中の有機物や油脂などを間隙水の中を浮力によりブリ−ディングして汚濁水と電気分解により発生したガスを汚泥貯留面39まで上昇させ、周囲の汚水排水口42から外側のリング状排水管10に流出し接続した排出吸引管8を介して真空ポンプ6により排出することで汚染物質が除去される。
【0032】
漏斗状容器12の直管部66側面位置と、絞管部67の斜面位置の外側に設置した高周波振動モ−タ−29は、モ−タ−出力軸の両側に不平衡重錘を取り付けて回転させることで発生した遠心力により振動を発生させる構造であり、外部に別途設置したインバ−タ−(図示せず)により供給する電力の出力周波数を汚泥の性状に応じ調整し、高周波振動モ−タ−29で230Hz前後の範囲でラック状電極35を振動させて剪断変形による収縮により、漏斗状容器12に投入された汚泥を体積変化させることで発生したダイレイタンシ−現象による液状化で、汚泥の間隙水圧が上昇し流動化した汚泥の間隙水をブリ−ディングして汚濁水と電気分解により発生したガスを上昇させ、水より比重の重い砂、粘土、シルトなどが重力により下側に沈降することにより汚泥が脱水される。
【0033】
直流電流を供給した電気化学的な電気泳動による汚泥の無害化処理方法とは、陰極となる漏斗状容器12のラック状電極35と、陰極と陽極の電極となる棒状振動機15に接合した星型炭素電極34はその周囲に放射状に8枚のエキスパンドメタル板を溶接して表面積を増やすことで汚泥への電気導電率の向上と振動伝達の促進を図る他、汚泥による接触摩擦と電気浸食による電解消耗を防ぎ導電性を付与させるために、星型炭素電極34に溶接したエキスパンドメタル板の表面には、窒素原子ド−プ方法によるダイヤモンドライクカ−ボン処理したことにより電極としての導電性能の向上と、電気泳動による電極の消耗を削減して耐久性を大幅に向上させたことと、振動エネルギ−の伝播ロスを無くして広範囲に振動伝達することにより汚泥の中に断続的に噴射された気泡のマイクロバブル化を促進させることで脱水が促進されることと、併せて、重金属類で汚染された汚泥の電気泳動による分離も促進されることで効率良く処理することができる。
【0034】
重金属類で汚染された浚渫汚泥の電気泳動による無害化のための処理方法は、直流電流を印加する陰極25となる漏斗状容器12の側面と斜面に設置した高周波振動モ−タ−29のラック状電極35と、同様に陰極25となる中心部に挿入した棒状振動機15の星型炭素電極34と、その間に設置する陽極24となる棒状振動機15を図示では8本挿入されている。外部に別途設置した直流電源装置17から真空電気泳動高周波脱水処理装置に供給される電流は、直流12Vで電流密度10〜40A/dm2の電流を印加する。
【0035】
ビンガム状態の汚泥に混入した重金属類などの電気泳動により処理する方法は、陰イオン(例えば、塩素、水銀、セレン、クロム、シアン、砒素、ヨウ素など。)はマイナスの電位を持つため陽極となる棒状振動機15に接合した星型炭素電極34の周囲に電気泳動により移動し、間隙水の中を濃縮されながら上昇する、重金属などの陽イオン(例えば、カドミウム、ナトリウム、カルシウム、リチウム、カリウム、亜鉛、銅など。)はプラスの電位を持つため陰極となる漏斗状容器12の側面と斜面に設置したラック状電極35と棒状振動機15に接合した星型炭素電極34の周囲に電気泳動により移動し、汚泥を体積変化させることで発生したダイレイタンシ−現象による液状化で、汚泥の間隙水圧が上昇し流動化した汚泥の間隙水に混入され浮力を与えたことでブリ−ディングした汚濁水と、電気分解により発生したガスは上昇してリング状排出管10から外部に排出され、水より比重の重い砂利、砂、粘土、シルトなどが下側の土砂排出装置3に沈降することで重金属類が分離された脱水汚泥となる。
【0036】
直流電流を印加するための陰極25となる漏斗状容器12の側面と斜面に設置した高周波振動モ−タ−29のラック状電極35と、同様に陰極25となる中心部に挿入した棒状振動機15の星型炭素電極34と、その間に設置する陽極24となる棒状振動機15に供給する直流の極性を、分電盤制御装置(図示せず。)の指示で定期的に極性変換して印加することで電極の消耗を防ぐことができることと、ビンガム流体の汚泥に含有する重金属類の陽イオンと陰イオンとの移動距離が短縮されるため、効率良く汚泥に含有する重金属類を電気泳動により汚泥から分離することができる。
【0037】
汚泥が搬入泥管7に設けた汚泥搬入ポンプ5を介して真空電気泳動高周波脱水処理装置1の漏斗状容器12の側面を貫通して設けた搬入泥管7により漏斗状容器12の中央部に投入される、漏斗状容器12内の汚泥貯留面39の投入による維持方法は、上蓋68の床面に設けた超音波測定機63から超音波を発射して超音波が汚泥貯留面39で反射し反射波が戻ってくる遅延時間を計り、この遅延時間から汚泥貯留面39の高さを求めることができる。真空電気泳動高周波脱水処理により下部の土砂排出装置3から排出されて漏斗状容器12内の汚泥貯留面39が下がると、超音波測定機63で計測した信号を制御装置(図示せず。)に入力しその指令により汚泥搬入ポンプ5を起動して搬入泥管7から設定された汚泥貯留面39まで汚泥が投入されたら、汚泥搬入ポンプ5を停止させることで漏斗状容器12の中で常に一定の設定された位置に汚泥貯留面39が維持される。
【0038】
漏斗状容器12の中に投入された汚泥は、漏斗状容器12の側面と斜面の外部に設置した高周波振動モ−タ−29によるラック状電極35と、棒状振動機15に内装した高周波振動モ−タ−29による星型炭素電極34の振動と直流電流の印加による電気泳動によりビンガム状態の汚泥を体積変化させることで発生したダイレイタンシ−現象による液状化で、汚泥の間隙水圧が上昇して流動化した汚泥の間隙水に混入され浮力を与えることでブリ−ディングした汚濁水は上昇し排出吸引管8を介して外部に排出され、水より比重の重い浚渫汚泥に含まれた砂、粘土、シルトなどが絞管部67の中を降下して下側にの防振口フランジ74を介して接続した土砂排出装置3のパドル室71内に沈降される。
【0039】
土砂排出装置3の構造を図5〜図10で詳細に説明する。土砂排出装置3の下側の駆動側に設置した減速駆動モ−タ−61で片側のスクリュ−シャフト44を駆動し、ギア室70に内装し2組の駆動スプロケット84を噛み合わすことでスクリュ−シャフト44を反対方向に回転させ、チエ−ン87を介して上側のパドル室71に設置した2組の高周波振動機27を内装した振動パドルシャフト45の従動スブロケット85を反対方向に回転させ、振動パドルシャフト45を230Hz前後に振動させながら振動パドルシャフト45に軸着したパドル羽根47を中央部で下側方向に回転させながらパドル室71内に沈降した汚泥を強制的に圧送室72の下側に押し下げる。
【0040】
圧送室72の下側には、駆動スプロケット84で噛み合って非接触で反対方向に回転する2組のスクリュ−シャフト44に軸着した右巻排出スクリュ−49と左巻排出スクリュ−51の間にパドル羽根47で押し下げられた汚泥36は、強制的に排出口13側に押し出して排出口13の下側から落下させることで排出される。図示ではスクリュ−シャフト44に高周波振動モ−タ−29は内装されていないが、砂、粘土、シルトなどは脱水処理されて固くて土砂排出装置3から排出することが困難なため、土砂排出装置3からの排出を容易にするために、振動パドルシャフト45を中空として内部に挿入した高周波振動モ−タ−29により振動数230Hz前後の高周波振動を振動パドルシャフト45にあたえることで、排出することが困難であった脱水された汚泥の粒子とパドル羽根47の接触面に水膜が発生して流動性が付与されたことで汚泥との摩擦抵抗を削減して、真空電気泳動高周波脱水処理装置1の内部から容易に排出することができる。
【0041】
以上の説明は、真空電気泳動高周波脱水処理装置1を連続して運転したものであるが、比重の軽い重金属類で汚染された汚泥処理では、真空電気泳動高周波脱水処理装置1を間欠的な運転(例えば、▲1▼汚泥を一定位置まで投入して停止、▲2▼夫々の電極を振動させながら印可して電気泳動により重金属類を分離させて停止、▲3▼重力により汚泥を沈降させ汚濁水を浮上させて外部に排出する、▲4▼沈降して脱水された汚泥を土砂排出装置により外部に排出する。)一連の間欠的な運転により比重の軽い重金属類で汚染された汚泥でも、特別な薬品処理を必要とせず真空電気泳動高周波脱水処理装置1で簡単に処理できる
【0042】
漏斗状容器12の中心部に陰極となる星型炭素電極34と、その周囲に陽極となる星型炭素電極34を円形に4本挿入したが、漏斗状容器12を大型化する時は、陽極となる星型炭素電極34を円形に6本挿入した外側に陰極となる星型炭素電極34を6本挿入し、更に外側に陽極となる星型炭素電極34を円形に18本挿入することで対応できる。
【第2実施例】
【0043】
以下本発明の第2実施例を図1〜図12に基づいて詳細に説明する。
【0044】
ダム湖や湖沼、養殖場の水底に堆積した農薬や殺菌剤などの沈降により重金属類で汚染されたビンガム状の汚泥を、汚泥搬入ポンプ5を介して漏斗状容器12の上側面に接続した搬入泥管7の投入口9から漏斗状容器12の内部に投入しながら、上蓋68に設置した超音波測定器63により汚泥貯留面39の表面を測定して制御装置(図示せず)に入力し、演算処理された指令で汚泥搬入ポンプ5の運転を制御することで投入された汚泥36の貯留面39表面位置を漏斗状容器12の内部で常に一定の停留位置に維持できる。
【0045】
耐強制振動用として剛性に製作された漏斗状容器12直管部66の外側に設置する高周波振動モ−タ−29は、直管部66の高さ1/3の位置に丸形の貫通口を開け、絶縁ゴム膜32を介して直管部66の内部に振動を与えるよう高周波振動モ−タ−29をボルトで固定し、高周波振動モ−タ−29の振動端子を絶縁ゴム膜32を介して漏斗状容器12の内側に突出させ、ラック状電極35の上端部と下端部をスプリング(図示せず)で直管部66に係止させ、ラック状電極35の中間位置に高周波振動モ−タ−29の振動端子を接合して高周波振動モ−タ−29に印可することで汚泥は流動化される。
【0046】
陽極24となる星型炭素電極34、陰極25となる星型炭素電極34とラック状電極35に直流電流を印加して240Hz前後に高周波振動させながら、外部から高圧空気をパルス電磁バルブ64を介して断続的に夫々の電極下側の空気噴射孔40から噴射し高周波振動により微細気泡化し、重金属類で汚染された汚泥36の汚泥粒子の間に微細気泡が紛れ込み間隙水の圧縮性が増すことで液状化を促進させ、微細気泡が混入した間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流の印可による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極25側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水が汚泥貯留面39まで上昇し、陰イオン性汚染物質が陽極24側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水が汚泥貯留面39まで上昇させることで重金属類の除去と脱水をさせる。
【0047】
漏斗状容器12に投入したビンガム流体の汚泥への高周波振動モ−タ−29による振動と同時に、夫々の星型炭素電極34の直下に設けた空気噴射孔40から、外部に別途設置した空気圧縮機(図示せず)により加圧された高圧空気19を空気供給管11を介して空気噴射孔40から汚泥の中に噴射することで噴射された空気は高周波振動により微細気泡化され、微細化された気泡は流動化した汚泥の間隙水の中を浮力により上昇しながら星型炭素電極34で加振されながら更に超微細な気泡となり、微細気泡の発生時に汚泥の粒子を分散させて液状化を促進させながら、汚泥中の有機物などコロイド状の汚染物質が微細気泡や電気分解により発生したガスに付着して間隙水の中を浮力により上昇することによりブリ−ディング(浮き水)した汚濁水に混入して効率的に分離される。
【0048】
漏斗状容器12内部に図3では、中心部に陰極25となる星型炭素電極34が1本挿入されている、その周囲に陽極24となる星型炭素電極34が4本挿入されている、夫々の棒状振動機15に内装する高周波振動モ−タ−29は、モ−タ−出力軸の両側に不平衡重錘を取り付けて回転させることで発生した遠心力により振動を発生させる構造であり、インバ−タ−から供給する電力の出力周波数を処理する汚泥の性状に応じて調整し、高周波振動モ−タ−29を振動数230Hz前後の範囲で振動させながら回転させる。
【0049】
夫々の棒状振動機15側面にはラック状電極35が4方向に放射状で接合されている。ラック状電極35を振動させた剪断変形による収縮により、漏斗状容器12に投入された浚渫汚泥を体積変化させることで発生したダイレイタンシ−現象による液状化により、汚泥の間隙水圧が上昇し流動化した汚泥の間隙水をブリ−ディングして汚濁水として汚泥貯留面39まで上昇させ、周囲の汚水排水口42を介して外側のリング状排水管10に流出し接続した排出吸引管8を介して真空ポンプ6により漏斗状容器12の内部から排出することて汚染物質は汚泥から分離され、水より比重の重い砂、粘土、シルトなどが重力により下側に沈降することにより汚泥が脱水される。
【0050】
棒状振動機15の高周波振動モ−タ−29による振動と同時に、棒状振動機15に接続した星型炭素電極34の直下に設けた空気噴射孔40から、加圧した高圧空気19を電磁バルブ64を介して断続的に空気噴射孔40から汚泥の中に噴射することで高圧空気は高周波振動により加振されたことにより微細気泡化される。微細気泡は流動化したビンガム流体である浚渫汚泥の間隙水の中を浮力により上昇しながら、星型炭素電極34のエキスパンドメタルに接触しながらさらに高周波振動により加振されることで、微細化された汚泥の粒子が分散されて液状化を促進させながら浮上し、浚渫汚泥中の有機物や油脂類などの汚濁物質が微細気泡に付着して間隙水の中を浮上しブリ−ディング(浮く水)として汚泥から浮上し、汚水排出口42からリング状排水管10を介して排出される。
【0051】
上記の汚泥に混入した重金属類以外の汚染物質とは、有機物として(例えば、植物や樹木などの茎や枯れ葉が堆積して腐敗したフミン質など。)、油脂類として(例えば、揮発性有機化合物、ベンゼン、トルエン、キシレンなど。)のコロイド状の汚泥に240Hzの高周波振動を与えることで、投入されたビンガム状態の汚泥の中に混入している汚染物質の粒子を分散させることで液状化を促進させながらさらに微細気泡に付着して、汚泥中の有機物や油脂などを間隙水の中を浮力によりブリ−ディング(浮き水)と電気分解により発生したガスを汚泥貯留面39まで上昇させ、周囲の汚水排水口42を介して外側のリング状排水管10に流出し接続した排出吸引管8を介して真空ポンプ6により漏斗状容器12の内部から排出することで汚染物質は効率良く分離される。
【0052】
漏斗状容器12の中に投入された汚泥は、漏斗状容器12の側面と斜面の外部に設置した高周波振動モ−タ−29によるラック状電極35と、棒状振動機15に接合した高周波振動モ−タ−29による星型炭素電極34の振動と、直流電流の印加による電気泳動によりビンガム状態の浚渫汚泥を体積変化させることで発生したダイレイタンシ−現象による液状化で、汚泥の間隙水圧が上昇して流動化した汚泥の間隙水に混入された微細気泡により浮力を与えることでブリ−ディングした汚濁水と電気分解により発生したガスは上昇して排出口13を介して外部に排出され、水より比重の重い汚泥に含まれた砂、粘土、シルトなどが絞管部67の中を沈降して下側に設置した土砂排出装置3の中に流入する。
【0053】
下側の圧送室72内には、駆動スプロケット84で噛み合って非接触で反対方向に回転する2組のスクリュ−シャフト44に軸着した右巻排出スクリュ−49と、左巻排出スクリュ−51により、パドル羽根47で押し下げられた汚泥36は強制的に排出口13側に押し出して排出口13の下側から落下させることで排出される。図示ではスクリュ−シャフト44に高周波振動モ−タ−29は内装されていないが、砂、粘土、シルトなどは脱水処理された状態のため土砂排出装置3から排出することが困難なため、土砂排出装置3からの排出を容易にするため、振動パドルシャフト45を中空としその内部に挿入した高周波振動モ−タ−29により振動数230Hz前後の高周波振動を振動パドルシャフト45にあたえることで、排出することが困難であった脱水された汚泥の粒子とパドル羽根47の接触面に水膜が発生して流動性が付与されたことで摩擦抵抗を削減して、真空電気泳動高周波脱水処理装置1の内部から容易に排出することができる。
【0054】
以上の説明は、漏斗状容器12(例えば、図3)では、中心部に陰極となる棒状振動機15と、その周囲に陽極となる棒状振動機15を円形に6本挿入したものであるが、漏斗状容器12を大型化した場合(例えば図12)では、、棒状振動機15を円形に6本挿入した外側に陰極となる棒状振動機15を円形に8本挿入し、更にその外側に陽極となる棒状振動機15を円形に18本挿入することで、大量の 汚泥を連続して処理することができる。
【符号の説明】
【0055】
5 汚泥搬入ポンプ
6 真空ポンプ
7 搬入泥管
9 投入口
10 リング状排水管
12 漏斗状容器
13 排出口
15 棒状振動機
17 直流電源
19 高圧空気
20 電極支持管
23 絶縁ソケット
24 陽極
25 陰極
27 高周波振動機
29 高周波振動モ−タ−
32 絶縁ゴム膜
33 絶縁フランジ
34 星型炭素電極
36 汚泥
38 液面
39 汚泥貯留面
40 空気噴出孔
42 汚水排出口
44 スクリュ−シャフト
45 振動パドルシャフト
47 パドル羽根
49 右巻排出スクリュ−
51 左巻排出スクリュ−
61 減速モ−タ−
62 防振装置
63 超音波測定器
66 直管部
67 絞管部
68 上蓋
69 減圧脱水室
70 ギヤ室
71 パドル室
72 圧送室
78 振動鋼板
79 長板振動板
【技術分野】
【0001】
ダム湖・湖沼などの水底には、生活排水や農薬などの流入により富栄養化して有機物・油脂類・重金属類が混入した汚泥が堆積している。富栄養化で藍藻類が異常増殖して腐敗した悪臭の発生防止、有効貯水量の確保、機能維持のため汚泥を除去して埋立処分されているが、環境を保全するために汚泥を浄化脱水処理することが要求されている。
【0002】
本発明は、水底に堆積して有機物・油脂類・重金属類に汚染されたヘドロ状の汚泥を、凝集剤を用いず真空状態で電気泳動や超音波振動を利用し、汚泥から有機物・油脂類・重金属類を分離させながら連続して汚泥を浄化脱水処理する方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来の汚泥の浄化脱水処理は、高分子凝集剤を用いてフィルタ−プレス、スクリュ−プレス、ベルトプレス、真空脱水などの他、重金属類に汚染された汚泥を電気泳動により浄化脱水処理する様々な方法があるが、下記のような様々な問題点を有していた。
【0004】
重金属類で汚染された汚泥を電気泳動による電気科学的手段を用いて処理する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)然し乍らこの方法は、重金属汚染された土壌を処理槽に投入し処理液を通水しながら一対の電極を挿入して直流電流を印加し、陽極から陰極に移動させて重金属類のイオン性汚染物を移動させて除去し、処理された汚泥を重機を用いて処理槽から搬出するため、連続して脱水処理することが困難であった。
【0005】
また、同様に重金属汚染された汚泥を処理槽に投入し、一対の電極を挿入して直流電流を印加しながら陽極から陰極に重金属類のイオン性汚染物を電気泳動により移動させながら、電極に設けた通水孔に接続された排水管を介してポンプにより汲み上げて処理する方法が知られている(例えば、特許文献2及び3参照。)然し乍らこの方法も、処理された汚泥を重機を用いて搬出するため、連続して脱水処理することが困難であった。
【0006】
逆円錐形のホッパ−に重金属類で汚染された汚泥を投入し、バイブレ−タ−を使用して処理する方法が知られている(例えば、特許文献4及び5参照。)然し乍らこの方法も、ホッパ−からバイブレ−タ−と電極を取り出し、ホッパ−を反転させて処理した汚泥を排出する考案であり、重金属類を分離し脱水された汚泥を下部から排出することは不可能なため、一投入毎の浄化脱水処理となり連続して脱水することが困難であった。
【0007】
また、重金属類で汚染された汚泥を密閉されたホッパ−に投入し、電気泳動により浄化して下側から真空引きして脱水させる方法が知られている(例えば、特許文献6参照。)然し乍らこの考案は、一定量の汚泥を電気泳動で浄化し、真空ポンプにより含水率65%前後まで脱水して、下側の排出ゲ−トを開いて脱水した土砂を排出するため、一定量の投入毎に浄化脱水処理するために、連続して浄化脱水することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 特許第2825751号公報
【特許文献2】 特許第2715263号公報
【特許文献3】 特許第2853797号公報
【特許文献4】 特開平6−287933号公報
【特許文献5】 特開平6−210300号公報
【特許文献6】 特開2004−188233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上に述べた従来の汚泥の浄化脱水処理装置では、有機物・油脂類・重金属類に汚染された汚泥を連続して浄化脱水処理することが困難なため、その解決が要求されていた。
【0010】
本発明は上記目的を達成するために鑑みてなされたものであり、鋭意研究の結果、有機物・油脂類・重金属類で汚染された汚泥を連続して浄化脱水処理することができる、真空電気泳動高周波脱水処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の解決手段は、架台に防振装置を介して設置した、真空状態の漏斗状容器の直管部の外側に振動鋼板を介して複数の高周波振動モ−タ−を固定し、内側に絶縁ゴム膜を介して陰極となるラック状電極に接続して230Hz前後で高周波振動させ、漏斗状容器の中心部に陰極となる電極支持管の下部に防振ゴムを介在させて高周波振動機を接続して星型炭素電極を230Hz前後に高周波振動させながら、その周囲に複数の陽極となる電極支持管の下部に防振ゴムを介在させて高周波振動機を接続して星型炭素電極を230Hz前後で高周波振動させ、汚泥搬入ポンプで重金属類で汚染された汚泥を搬入泥管を介して漏斗状容器の上側の汚泥投入口から投入させながら、上部に設置した超音波測定器で汚泥貯留面の表面位置を測定して制御装置に入力し、該制御装置の指令で汚泥搬入ポンプの運転を制御し、漏斗状容器内に投入される汚泥の貯留面の高さを常に一定に維持させることができる。
【0012】
そして、陽極となる星型炭素電極と、陰極となる星型炭素電極とラック状電極に直流電流を印加して高周波振動させながら、重金属類で汚染された汚泥の粒子間接触が失われて浮遊した液状化状態とさせ、間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極側の間隙水に析出した汚濁水を上昇させ、陰イオン性汚染物質が陽極側の間隙水に析出した汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させ、漏斗状容器の上側面の排水口を介して外側のリング状排水管に流出させ、接続した排出吸引管を介して真空ポンプにより、漏斗状容器内部を真空にしながら分離された水を真空電気泳動高周波脱水処理装置から排出させたものである。
【0013】
更に、重金属類や汚濁物質を除去して浄化脱水処理した汚泥を、下部の絞管部側斜面の外側に振動鋼板を介して複数の振動モ−タ−を固定して内側のラック状振動板を50Hz前後に振動させて防振□フランジを介して接続した土砂排出装置のパドル室の中に押込、2軸の高周波振動機を内装した振動パドルシャフトに軸着したパドル羽根を230Hz前後に高周波振動させながら回転させて汚泥を圧送室に押込、非接触で噛み合って回転している2本のスクリュ−シャフトに軸着した右巻排出スクリュ−と左巻排出スクリュ−を減速駆動モ−タ−で回転させることで、重金属類や汚濁物質を除去して浄化脱水処理された汚泥を移送して土砂排出装置の排出口から強制的に排出させたものである。
【0014】
また、第2の課題解決手段は、陽極となる星型炭素電極、陰極となる星型炭素電極とラック状電極に直流電流を印加して230Hz前後に高周波振動させながら、外部から高圧空気をパルス電磁バルブを介して断続的に夫々の電極の下側に設けた空気噴射孔から噴射して高周波振動により微細気泡化させ、重金属類で汚染された汚泥粒子の間に微細気泡が紛れ込み間隙水の圧縮性が増すことにより液状化を促進させ、微細気泡が混入した間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させ、陰イオン性汚染物質が陽極側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させることで重金属類の除去と脱水を促進させる構成としたものである。
【0015】
上記第1の解決手段による作用は次の通りである。即ち、架台に防振装置を介して設置した、真空状態の漏斗状容器の直管部外側に振動鋼板を介して複数の高周波振動モ−タ−を固定し、内側に絶縁ゴム膜を介して陰極となるラック状電極に接続して230Hz前後で高周波振動させ、漏斗状容器の中心部に陰極となる電極支持管下部に防振ゴムを介在させて高周波振動機を接続して星型炭素電極を230Hz前後に高周波振動させながら、その周囲に複数の陽極となる電極支持管の下部に防振ゴムを介在させて高周波振動機を接続して星型炭素電極を230Hz前後で高周波振動させ、汚泥搬入ポンプで重金属類で汚染された汚泥を搬入泥管を介して漏斗状容器上側の汚泥投入口から投入させながら、上部に設置した超音波測定機で汚泥貯留面の表面位置を測定して制御装置に入力し、該制御装置の指令で汚泥搬入ポンプの運転を制御し、漏斗状容器内に投入された汚泥の貯留面を常に一定に維持させることができる。
【0016】
また、陽極になる星型炭素電極と、陰極になる星型炭素電極とラック状電極に直流電流を印加して高周波振動させながら、重金属類で汚染された汚泥の汚泥粒子と汚泥粒子の接触が失われて浮遊した液状化状態にし、間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極側の間隙水や気泡に析出した汚濁水として上昇し、陰イオン性汚染物質が陽極側の間隙水や気泡と析出した汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させ、漏斗状容器の上側側面の排水口を介して外側のリング状排水管に流出し、接続した排出吸引管に設けた真空ポンプにより、漏斗状容器内部を真空にしながら汚濁水を真空電気泳動高周波脱水処理装置から排出させたものである。
【0017】
さらに、重金属類や汚濁物質を除去して浄化脱水処理した汚泥を、下部の絞管部の側斜面の外側に振動鋼板を介して複数の振動モ−タ−を固定して、振動モ−タ−により内側のラック状振動板を50Hz前後に振動させながら汚泥を沈降させ、防振□フランジを介して接続した土砂排出装置のパドル室の中に押込、2本の高周波振動機を内装した振動パドルシャフトに軸着したパドル羽根を230Hz前後に高周波振動させながら回転させて汚泥を圧送室に押込、非接触で噛み合って回転する、2本のスクリュ−シャフトに軸着した右巻排出スクリュ−と左巻排出スクリュ−を減速駆動モ−タ−で回転させて、脱水処理した汚泥を移送して排出口から強制的に排出させることができる。
【0018】
また、2の課題解決手段による作用は、陽極となる星型炭素電極、陰極となる星型炭素電極とラック状電極に直流電流を印加して230Hz前後に高周波振動させながら、外部から高圧空気をパルス電磁バルブを介して断続的に夫々の電極の下側に設けた空気噴射孔から気泡を噴射して高周波振動により微細気泡とされ、重金属類で汚染された汚泥粒子の間に微細気泡が紛れ込み間隙水の圧縮性が増すことで液状化を促進させ、微細気泡が混入した間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させ、陰イオン性汚染物質が陽極側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面まで上昇させることで重金属類を効率良く除去することができる。
【発明の効果】
【0019】
上述したように本発明の真空電気泳動高周波脱水処理装置は、ダム湖、湖沼、貯留池などの水底に堆積して生活排水や重金属等に汚染された汚泥の浄化脱水処理で、凝集剤を用いず高周波振動と微細気泡で汚泥を流動化させたダイレイタンシ−現象の体積変化による脱水作用、微細気泡の浮上による有機物・油脂類の分離作用、電気泳動処理による重金属類の除去作用により浄化脱水処理された汚泥を、有機物含有の土壌改良材として田畑に散布しても植物の発育障害が発生することなく肥料効果を発揮し植物の成長を促進させたことと、従来の汚泥にセメント等の硬化剤を混入し埋立処分する必要がないため汚泥の処理コストを大幅に削減でき、高性能な真空電気泳動高周波脱水処理装置を提供できる。
【0020】
また、真空電気泳動高周波脱水処理装置に投入した、重金属で汚染された汚泥に高圧空気を断続的に噴射して高周波振動により発生したマイクロバブルに有機物や油脂類を付着し浮上させて分離して除去し、直流電流を印加した電気化学的処理による電気泳動で従来の脱水処理方法では除去することが不可能であったナトリウム、リチウム、シアンの他、重金属類(例えば、水銀、セレン、クロム、、砒素、カドミウム、亜鉛など。)を分離して除去することで汚泥に汚染物質は残留すること無く清浄化脱水処理できる。
【0021】
更に、広大な汚泥の処理場所を確保する必要は無く、中山間地域の狭隘な場所やダム湖などの水面上に浮かべた台船の上でも、浚渫した汚泥を連続して真空電気泳動高周波脱水処理装置により処理できるため、現在放置されているダム湖等の浚渫に対応できるため、ダムとしての機能が再生されて水力発電によるクリ−ンなエネルギ−が確保できることで地球環境の修復と温暖化防止に貢献する等の経済効果を発揮させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】 本発明の真空電気泳動高周波脱水処理装置の側面断面図
【図2】 本発明の真空電気泳動高周波脱水処理装置の正面断面図
【図3】 図1のA−A線に沿う平面図
【図4】 図1のB−B線に沿う平面図
【図5】 図1のC−C線に沿う断面図
【図6】 図5のE−E線に沿う平面図
【図7】 図5のC−C線に沿う平面図
【図8】 図5のF−F線に沿う断面図
【図9】 図5のG−G線に沿う断面図
【図10】 図5のH−H線に沿う断面図
【図11】 本発明の真空電気泳動高周波脱水処理装置のシステムの概要図
【図12】 本発明の応用例である図1のA−A線に沿う平面図
【発明の実施するための形態】
【第1実施例】
【0023】
以下本発明の真空電気泳動高周波脱水処理装置の第1実施例を図1〜図11に基づいて説明する。尚、本発明はこれに限定されるものでなく、処理する汚泥の状態に応じて適宜組み合わせて自由に変更できるものである。
【0024】
地盤面に4本の脚部で定着された剛性な架台89の上端部と中間部に設けた支持部に、真空状態になる漏斗状容器12の直管部66側方を防振ゴム75を介在して架台89に縣架し、漏斗状容器12の最下部に位置する絞管部67の防振口フランジ74に防振ゴム75を介在して土砂排出装置3を接合することで真空電気泳動高周波脱水処理装置が構成される。漏斗状容器12の直管部66外側の周囲に、複数個の高周波振動モ−タ−29を固定し、漏斗状容器12の内側に絶縁ゴム膜32を介して陰極25となる縦長のラック状電極35を内装し、高周波インバ−タ−(図示せず)により印可して高周波振動モ−タ−29を起動させることによりラック状電極35を230Hz前後に高周波振動させる。
【0025】
漏斗状容器12の上蓋68の中心部に絶縁フランジ33を介して陰極25となる電極支持管21を挿入固定し、電極支持管21下部の星型炭素電極34に内装した高周波振動機27を高周波インバ−タ−(図示せず)により印可して230Hz前後に星型炭素電極34を高周波振動させる。その周囲に同心円状に絶縁フランジ33を介して複数個(図示では4個)の陽極24となる電極支持管21を挿入固定し、電極支持管21下部の星型炭素電極34に内装した高周波振動機27を高周波インバ−タ−により印可されて230Hz前後に星型炭素電極34を高周波振動させる。
【0026】
生活排水や農薬などの流入により有機物・油脂類・重金属類で汚染され水底に堆積したビンガム状態の汚泥を、汚泥搬入ポンプ5を用いて漏斗状容器12の上側面に接続した搬入泥管7の投入口9から漏斗状容器12の内部に投入しながら、上蓋68に設置した超音波測定機63により汚泥貯留面39表面までを測定して制御装置(図示せず)に入力し、演算処理された指令で汚泥搬入ポンプ5の運転を制御することで、投入された汚泥36の貯留面39の表面位置を漏斗状容器12の内部で常に一定の位置に維持させる。
【0027】
耐強制振動用とし剛性に製作された、漏斗状容器12直管部66の外側に設置する高周波振動モ−タ−29は、直管部66の高さ1/3位置に貫通口を開けて絶縁ゴム膜32を介して直管部66の内部に振動を与えるよう高周波振動モ−タ−29をボルトで固定し、ラック状振動板43の上端部と下端部をスプリング(図示せず)で直管部66に係止して高周波振動モ−タ−29の振動端子を貫通口から絶縁ゴム膜32を介して漏斗状容器12の中に突出させ、ラック状振動板43の中間位置に固定し、高周波振動モ−タ−29に印可することで漏斗状容器12内の汚泥を230Hz前後に高周波振動させる。
【0028】
漏斗状容器12下部の絞管部67に設置する高周波振動モ−タ−29は、絞管部67の中間位置に丸形の貫通口を開け、絶縁ゴム膜32を介して直管部66の内部に振動を与えるよう高周波振動モ−タ−29をボルトで固定し、ラック状振動板43の上端部と下端部をスプリング(図示せず)で直管部66に係止して、高周波振動モ−タ−29の振動端子を貫通口から絶縁ゴム膜32を介して絞管部67の内側に突出させ、ラック状振動板43の中間位置に固定し、高周波振動モ−タ−29に印可することで漏斗状容器12の絞管部67内の汚泥を230Hz前後に加振させることで、汚泥内の水分が流動化してブリ−ディングされた汚濁水を汚泥貯留面39まで上昇させながら汚泥は沈降される。
【0029】
重金属汚染された汚泥を電気泳動により無害化する処理方法は、直流電流を印加する陰極25となる漏斗状容器12の側面と斜面に設置したラック状振動板43と、同様に陰極25となる上蓋68の中心部に挿入した電極支持管21の先端に設置した星型炭素電極34を設置する、中心部に設置した星型炭素電極34の周囲に図示では4本の陽極となる電極支持管21の先端に設置した星型炭素電極34を挿入し、外部に別途設置した直流電源装置(図示せず)から供給する直流12V電流密度10〜40A/dm2を印加する電気泳動による方法で汚泥から汚染物質や重金属類が分離される。
【0030】
陽極24となる星型炭素電極34、陰極25となる星型炭素電極34とラック状電極35に直流電流を印加して高周波振動させながら、重金属類で汚染された汚泥36の汚泥粒子と汚泥粒子の接触が失われて浮遊した液状化状態にし、間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極25側の間隙水に析出して上昇し、陰イオン性汚染物質が陽極24側の間隙水に析出し汚泥貯留面39まで上昇し周囲の汚水排水口42を介して外側のリング状排水管10に流出し、接続した排出吸引管8に接続した真空ポンプ6により、漏斗状容器12内部を真空にしながら重金属類を混入してブリ−ディングした汚濁水を外部排出し無害化処理させる。
【0031】
上記の汚泥に混入した重金属類以外の汚染物質とは、有機物として(例えば、植物や樹木などの茎や枯れ葉が堆積して腐敗したフミン質など。)、油脂類として(例えば、揮発性有機化合物、ベンゼン、トルエン、キシレンなど。)のコロイド状の汚泥に230Hz前後の高周波振動を与え、投入されたビンガム状態の汚泥の中に混入している汚染物質の粒子を分散させることで液状化を促進させながら、汚泥中の有機物や油脂などを間隙水の中を浮力によりブリ−ディングして汚濁水と電気分解により発生したガスを汚泥貯留面39まで上昇させ、周囲の汚水排水口42から外側のリング状排水管10に流出し接続した排出吸引管8を介して真空ポンプ6により排出することで汚染物質が除去される。
【0032】
漏斗状容器12の直管部66側面位置と、絞管部67の斜面位置の外側に設置した高周波振動モ−タ−29は、モ−タ−出力軸の両側に不平衡重錘を取り付けて回転させることで発生した遠心力により振動を発生させる構造であり、外部に別途設置したインバ−タ−(図示せず)により供給する電力の出力周波数を汚泥の性状に応じ調整し、高周波振動モ−タ−29で230Hz前後の範囲でラック状電極35を振動させて剪断変形による収縮により、漏斗状容器12に投入された汚泥を体積変化させることで発生したダイレイタンシ−現象による液状化で、汚泥の間隙水圧が上昇し流動化した汚泥の間隙水をブリ−ディングして汚濁水と電気分解により発生したガスを上昇させ、水より比重の重い砂、粘土、シルトなどが重力により下側に沈降することにより汚泥が脱水される。
【0033】
直流電流を供給した電気化学的な電気泳動による汚泥の無害化処理方法とは、陰極となる漏斗状容器12のラック状電極35と、陰極と陽極の電極となる棒状振動機15に接合した星型炭素電極34はその周囲に放射状に8枚のエキスパンドメタル板を溶接して表面積を増やすことで汚泥への電気導電率の向上と振動伝達の促進を図る他、汚泥による接触摩擦と電気浸食による電解消耗を防ぎ導電性を付与させるために、星型炭素電極34に溶接したエキスパンドメタル板の表面には、窒素原子ド−プ方法によるダイヤモンドライクカ−ボン処理したことにより電極としての導電性能の向上と、電気泳動による電極の消耗を削減して耐久性を大幅に向上させたことと、振動エネルギ−の伝播ロスを無くして広範囲に振動伝達することにより汚泥の中に断続的に噴射された気泡のマイクロバブル化を促進させることで脱水が促進されることと、併せて、重金属類で汚染された汚泥の電気泳動による分離も促進されることで効率良く処理することができる。
【0034】
重金属類で汚染された浚渫汚泥の電気泳動による無害化のための処理方法は、直流電流を印加する陰極25となる漏斗状容器12の側面と斜面に設置した高周波振動モ−タ−29のラック状電極35と、同様に陰極25となる中心部に挿入した棒状振動機15の星型炭素電極34と、その間に設置する陽極24となる棒状振動機15を図示では8本挿入されている。外部に別途設置した直流電源装置17から真空電気泳動高周波脱水処理装置に供給される電流は、直流12Vで電流密度10〜40A/dm2の電流を印加する。
【0035】
ビンガム状態の汚泥に混入した重金属類などの電気泳動により処理する方法は、陰イオン(例えば、塩素、水銀、セレン、クロム、シアン、砒素、ヨウ素など。)はマイナスの電位を持つため陽極となる棒状振動機15に接合した星型炭素電極34の周囲に電気泳動により移動し、間隙水の中を濃縮されながら上昇する、重金属などの陽イオン(例えば、カドミウム、ナトリウム、カルシウム、リチウム、カリウム、亜鉛、銅など。)はプラスの電位を持つため陰極となる漏斗状容器12の側面と斜面に設置したラック状電極35と棒状振動機15に接合した星型炭素電極34の周囲に電気泳動により移動し、汚泥を体積変化させることで発生したダイレイタンシ−現象による液状化で、汚泥の間隙水圧が上昇し流動化した汚泥の間隙水に混入され浮力を与えたことでブリ−ディングした汚濁水と、電気分解により発生したガスは上昇してリング状排出管10から外部に排出され、水より比重の重い砂利、砂、粘土、シルトなどが下側の土砂排出装置3に沈降することで重金属類が分離された脱水汚泥となる。
【0036】
直流電流を印加するための陰極25となる漏斗状容器12の側面と斜面に設置した高周波振動モ−タ−29のラック状電極35と、同様に陰極25となる中心部に挿入した棒状振動機15の星型炭素電極34と、その間に設置する陽極24となる棒状振動機15に供給する直流の極性を、分電盤制御装置(図示せず。)の指示で定期的に極性変換して印加することで電極の消耗を防ぐことができることと、ビンガム流体の汚泥に含有する重金属類の陽イオンと陰イオンとの移動距離が短縮されるため、効率良く汚泥に含有する重金属類を電気泳動により汚泥から分離することができる。
【0037】
汚泥が搬入泥管7に設けた汚泥搬入ポンプ5を介して真空電気泳動高周波脱水処理装置1の漏斗状容器12の側面を貫通して設けた搬入泥管7により漏斗状容器12の中央部に投入される、漏斗状容器12内の汚泥貯留面39の投入による維持方法は、上蓋68の床面に設けた超音波測定機63から超音波を発射して超音波が汚泥貯留面39で反射し反射波が戻ってくる遅延時間を計り、この遅延時間から汚泥貯留面39の高さを求めることができる。真空電気泳動高周波脱水処理により下部の土砂排出装置3から排出されて漏斗状容器12内の汚泥貯留面39が下がると、超音波測定機63で計測した信号を制御装置(図示せず。)に入力しその指令により汚泥搬入ポンプ5を起動して搬入泥管7から設定された汚泥貯留面39まで汚泥が投入されたら、汚泥搬入ポンプ5を停止させることで漏斗状容器12の中で常に一定の設定された位置に汚泥貯留面39が維持される。
【0038】
漏斗状容器12の中に投入された汚泥は、漏斗状容器12の側面と斜面の外部に設置した高周波振動モ−タ−29によるラック状電極35と、棒状振動機15に内装した高周波振動モ−タ−29による星型炭素電極34の振動と直流電流の印加による電気泳動によりビンガム状態の汚泥を体積変化させることで発生したダイレイタンシ−現象による液状化で、汚泥の間隙水圧が上昇して流動化した汚泥の間隙水に混入され浮力を与えることでブリ−ディングした汚濁水は上昇し排出吸引管8を介して外部に排出され、水より比重の重い浚渫汚泥に含まれた砂、粘土、シルトなどが絞管部67の中を降下して下側にの防振口フランジ74を介して接続した土砂排出装置3のパドル室71内に沈降される。
【0039】
土砂排出装置3の構造を図5〜図10で詳細に説明する。土砂排出装置3の下側の駆動側に設置した減速駆動モ−タ−61で片側のスクリュ−シャフト44を駆動し、ギア室70に内装し2組の駆動スプロケット84を噛み合わすことでスクリュ−シャフト44を反対方向に回転させ、チエ−ン87を介して上側のパドル室71に設置した2組の高周波振動機27を内装した振動パドルシャフト45の従動スブロケット85を反対方向に回転させ、振動パドルシャフト45を230Hz前後に振動させながら振動パドルシャフト45に軸着したパドル羽根47を中央部で下側方向に回転させながらパドル室71内に沈降した汚泥を強制的に圧送室72の下側に押し下げる。
【0040】
圧送室72の下側には、駆動スプロケット84で噛み合って非接触で反対方向に回転する2組のスクリュ−シャフト44に軸着した右巻排出スクリュ−49と左巻排出スクリュ−51の間にパドル羽根47で押し下げられた汚泥36は、強制的に排出口13側に押し出して排出口13の下側から落下させることで排出される。図示ではスクリュ−シャフト44に高周波振動モ−タ−29は内装されていないが、砂、粘土、シルトなどは脱水処理されて固くて土砂排出装置3から排出することが困難なため、土砂排出装置3からの排出を容易にするために、振動パドルシャフト45を中空として内部に挿入した高周波振動モ−タ−29により振動数230Hz前後の高周波振動を振動パドルシャフト45にあたえることで、排出することが困難であった脱水された汚泥の粒子とパドル羽根47の接触面に水膜が発生して流動性が付与されたことで汚泥との摩擦抵抗を削減して、真空電気泳動高周波脱水処理装置1の内部から容易に排出することができる。
【0041】
以上の説明は、真空電気泳動高周波脱水処理装置1を連続して運転したものであるが、比重の軽い重金属類で汚染された汚泥処理では、真空電気泳動高周波脱水処理装置1を間欠的な運転(例えば、▲1▼汚泥を一定位置まで投入して停止、▲2▼夫々の電極を振動させながら印可して電気泳動により重金属類を分離させて停止、▲3▼重力により汚泥を沈降させ汚濁水を浮上させて外部に排出する、▲4▼沈降して脱水された汚泥を土砂排出装置により外部に排出する。)一連の間欠的な運転により比重の軽い重金属類で汚染された汚泥でも、特別な薬品処理を必要とせず真空電気泳動高周波脱水処理装置1で簡単に処理できる
【0042】
漏斗状容器12の中心部に陰極となる星型炭素電極34と、その周囲に陽極となる星型炭素電極34を円形に4本挿入したが、漏斗状容器12を大型化する時は、陽極となる星型炭素電極34を円形に6本挿入した外側に陰極となる星型炭素電極34を6本挿入し、更に外側に陽極となる星型炭素電極34を円形に18本挿入することで対応できる。
【第2実施例】
【0043】
以下本発明の第2実施例を図1〜図12に基づいて詳細に説明する。
【0044】
ダム湖や湖沼、養殖場の水底に堆積した農薬や殺菌剤などの沈降により重金属類で汚染されたビンガム状の汚泥を、汚泥搬入ポンプ5を介して漏斗状容器12の上側面に接続した搬入泥管7の投入口9から漏斗状容器12の内部に投入しながら、上蓋68に設置した超音波測定器63により汚泥貯留面39の表面を測定して制御装置(図示せず)に入力し、演算処理された指令で汚泥搬入ポンプ5の運転を制御することで投入された汚泥36の貯留面39表面位置を漏斗状容器12の内部で常に一定の停留位置に維持できる。
【0045】
耐強制振動用として剛性に製作された漏斗状容器12直管部66の外側に設置する高周波振動モ−タ−29は、直管部66の高さ1/3の位置に丸形の貫通口を開け、絶縁ゴム膜32を介して直管部66の内部に振動を与えるよう高周波振動モ−タ−29をボルトで固定し、高周波振動モ−タ−29の振動端子を絶縁ゴム膜32を介して漏斗状容器12の内側に突出させ、ラック状電極35の上端部と下端部をスプリング(図示せず)で直管部66に係止させ、ラック状電極35の中間位置に高周波振動モ−タ−29の振動端子を接合して高周波振動モ−タ−29に印可することで汚泥は流動化される。
【0046】
陽極24となる星型炭素電極34、陰極25となる星型炭素電極34とラック状電極35に直流電流を印加して240Hz前後に高周波振動させながら、外部から高圧空気をパルス電磁バルブ64を介して断続的に夫々の電極下側の空気噴射孔40から噴射し高周波振動により微細気泡化し、重金属類で汚染された汚泥36の汚泥粒子の間に微細気泡が紛れ込み間隙水の圧縮性が増すことで液状化を促進させ、微細気泡が混入した間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流の印可による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極25側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水が汚泥貯留面39まで上昇し、陰イオン性汚染物質が陽極24側の間隙水に析出して微細気泡と供に汚濁水が汚泥貯留面39まで上昇させることで重金属類の除去と脱水をさせる。
【0047】
漏斗状容器12に投入したビンガム流体の汚泥への高周波振動モ−タ−29による振動と同時に、夫々の星型炭素電極34の直下に設けた空気噴射孔40から、外部に別途設置した空気圧縮機(図示せず)により加圧された高圧空気19を空気供給管11を介して空気噴射孔40から汚泥の中に噴射することで噴射された空気は高周波振動により微細気泡化され、微細化された気泡は流動化した汚泥の間隙水の中を浮力により上昇しながら星型炭素電極34で加振されながら更に超微細な気泡となり、微細気泡の発生時に汚泥の粒子を分散させて液状化を促進させながら、汚泥中の有機物などコロイド状の汚染物質が微細気泡や電気分解により発生したガスに付着して間隙水の中を浮力により上昇することによりブリ−ディング(浮き水)した汚濁水に混入して効率的に分離される。
【0048】
漏斗状容器12内部に図3では、中心部に陰極25となる星型炭素電極34が1本挿入されている、その周囲に陽極24となる星型炭素電極34が4本挿入されている、夫々の棒状振動機15に内装する高周波振動モ−タ−29は、モ−タ−出力軸の両側に不平衡重錘を取り付けて回転させることで発生した遠心力により振動を発生させる構造であり、インバ−タ−から供給する電力の出力周波数を処理する汚泥の性状に応じて調整し、高周波振動モ−タ−29を振動数230Hz前後の範囲で振動させながら回転させる。
【0049】
夫々の棒状振動機15側面にはラック状電極35が4方向に放射状で接合されている。ラック状電極35を振動させた剪断変形による収縮により、漏斗状容器12に投入された浚渫汚泥を体積変化させることで発生したダイレイタンシ−現象による液状化により、汚泥の間隙水圧が上昇し流動化した汚泥の間隙水をブリ−ディングして汚濁水として汚泥貯留面39まで上昇させ、周囲の汚水排水口42を介して外側のリング状排水管10に流出し接続した排出吸引管8を介して真空ポンプ6により漏斗状容器12の内部から排出することて汚染物質は汚泥から分離され、水より比重の重い砂、粘土、シルトなどが重力により下側に沈降することにより汚泥が脱水される。
【0050】
棒状振動機15の高周波振動モ−タ−29による振動と同時に、棒状振動機15に接続した星型炭素電極34の直下に設けた空気噴射孔40から、加圧した高圧空気19を電磁バルブ64を介して断続的に空気噴射孔40から汚泥の中に噴射することで高圧空気は高周波振動により加振されたことにより微細気泡化される。微細気泡は流動化したビンガム流体である浚渫汚泥の間隙水の中を浮力により上昇しながら、星型炭素電極34のエキスパンドメタルに接触しながらさらに高周波振動により加振されることで、微細化された汚泥の粒子が分散されて液状化を促進させながら浮上し、浚渫汚泥中の有機物や油脂類などの汚濁物質が微細気泡に付着して間隙水の中を浮上しブリ−ディング(浮く水)として汚泥から浮上し、汚水排出口42からリング状排水管10を介して排出される。
【0051】
上記の汚泥に混入した重金属類以外の汚染物質とは、有機物として(例えば、植物や樹木などの茎や枯れ葉が堆積して腐敗したフミン質など。)、油脂類として(例えば、揮発性有機化合物、ベンゼン、トルエン、キシレンなど。)のコロイド状の汚泥に240Hzの高周波振動を与えることで、投入されたビンガム状態の汚泥の中に混入している汚染物質の粒子を分散させることで液状化を促進させながらさらに微細気泡に付着して、汚泥中の有機物や油脂などを間隙水の中を浮力によりブリ−ディング(浮き水)と電気分解により発生したガスを汚泥貯留面39まで上昇させ、周囲の汚水排水口42を介して外側のリング状排水管10に流出し接続した排出吸引管8を介して真空ポンプ6により漏斗状容器12の内部から排出することで汚染物質は効率良く分離される。
【0052】
漏斗状容器12の中に投入された汚泥は、漏斗状容器12の側面と斜面の外部に設置した高周波振動モ−タ−29によるラック状電極35と、棒状振動機15に接合した高周波振動モ−タ−29による星型炭素電極34の振動と、直流電流の印加による電気泳動によりビンガム状態の浚渫汚泥を体積変化させることで発生したダイレイタンシ−現象による液状化で、汚泥の間隙水圧が上昇して流動化した汚泥の間隙水に混入された微細気泡により浮力を与えることでブリ−ディングした汚濁水と電気分解により発生したガスは上昇して排出口13を介して外部に排出され、水より比重の重い汚泥に含まれた砂、粘土、シルトなどが絞管部67の中を沈降して下側に設置した土砂排出装置3の中に流入する。
【0053】
下側の圧送室72内には、駆動スプロケット84で噛み合って非接触で反対方向に回転する2組のスクリュ−シャフト44に軸着した右巻排出スクリュ−49と、左巻排出スクリュ−51により、パドル羽根47で押し下げられた汚泥36は強制的に排出口13側に押し出して排出口13の下側から落下させることで排出される。図示ではスクリュ−シャフト44に高周波振動モ−タ−29は内装されていないが、砂、粘土、シルトなどは脱水処理された状態のため土砂排出装置3から排出することが困難なため、土砂排出装置3からの排出を容易にするため、振動パドルシャフト45を中空としその内部に挿入した高周波振動モ−タ−29により振動数230Hz前後の高周波振動を振動パドルシャフト45にあたえることで、排出することが困難であった脱水された汚泥の粒子とパドル羽根47の接触面に水膜が発生して流動性が付与されたことで摩擦抵抗を削減して、真空電気泳動高周波脱水処理装置1の内部から容易に排出することができる。
【0054】
以上の説明は、漏斗状容器12(例えば、図3)では、中心部に陰極となる棒状振動機15と、その周囲に陽極となる棒状振動機15を円形に6本挿入したものであるが、漏斗状容器12を大型化した場合(例えば図12)では、、棒状振動機15を円形に6本挿入した外側に陰極となる棒状振動機15を円形に8本挿入し、更にその外側に陽極となる棒状振動機15を円形に18本挿入することで、大量の 汚泥を連続して処理することができる。
【符号の説明】
【0055】
5 汚泥搬入ポンプ
6 真空ポンプ
7 搬入泥管
9 投入口
10 リング状排水管
12 漏斗状容器
13 排出口
15 棒状振動機
17 直流電源
19 高圧空気
20 電極支持管
23 絶縁ソケット
24 陽極
25 陰極
27 高周波振動機
29 高周波振動モ−タ−
32 絶縁ゴム膜
33 絶縁フランジ
34 星型炭素電極
36 汚泥
38 液面
39 汚泥貯留面
40 空気噴出孔
42 汚水排出口
44 スクリュ−シャフト
45 振動パドルシャフト
47 パドル羽根
49 右巻排出スクリュ−
51 左巻排出スクリュ−
61 減速モ−タ−
62 防振装置
63 超音波測定器
66 直管部
67 絞管部
68 上蓋
69 減圧脱水室
70 ギヤ室
71 パドル室
72 圧送室
78 振動鋼板
79 長板振動板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架台(89)に防振ゴム(75)を介して設置した、真空となる漏斗状容器(12)の直管部(66)外側面に、複数個の高周波振動モ−タ−(29)を固定し、内側に絶縁ゴム膜(32)を介して陰極(25)となる縦長のラック状電極(35)を接続して230Hz前後に高周波振動させる。
上蓋(68)の中心部に絶縁フランジ(33)を介して陰極(25)となる電極支持管(21)を固定し、下部の星型炭素電極(34)を内装した高周波振動機(27)により230Hz前後に高周波振動させる。その周囲に同心円状に絶縁フランジ(33)を介して複数の陽極(24)となる電極支持管(21)を固定し下部の星型炭素電極(34)に内装した高周波振動機(27)により230Hz前後で高周波振動させる。
重金属類で汚染された汚泥(36)を汚泥搬入ポンプ(5)を介し漏斗状容器(12)上側面に接続した搬入泥管(7)の投入口(9)から投入しながら、上蓋(68)に設置した超音波測定機(63)で汚泥貯留面(39)の表面位置を測定して制御装置(65)に入力し、演算処理された指令で汚泥搬入ポンプ(5)の運転を制御して、投入される汚泥(36)の表面位置を常に一定に維持させる第一工程と、
陽極(24)となる星型炭素電極(34)と陰極(25)となる星型炭素電極(34)及びラック状電極(35)に直流電流を印加し高周波振動させながら、重金属類で汚染された汚泥(36)の汚泥粒子と汚泥粒子の接触が失われて浮遊した液状化状態とさせて、間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極(25)側の間隙水に析出されて上昇し、陰イオン性汚染物質が陽極(24)側の間隙水に析出されて汚濁水と、電気分解により発生したガスとを汚泥貯留面(39)まで上昇させ、周囲の汚水排出口(42)を介して外側のリング状排水管(10)に流出し、接続した排出吸引管(8)に接続した真空ポンプ(6)により、漏斗状容器(12)内部を真空にしながら分離した汚染物質を外部排出させる第二工程と、
汚染物質を除去して浄化脱水処理した汚泥(36)を、下部の絞管部(67)側斜面の外側に振動鋼板(78)を介して複数の高周波振動モ−タ−(29)を固定して内側のラック状振動板(43)を230Hz前後に振動させて防振□フランジ(74)を介して接続した土砂排出装置(3)のパドル室(71)に押し下げ、2軸の高周波振動機(27)を内装した振動パドルシャフト(45)を230Hz前後に高周波振動しながら軸着したパドル羽根(47)をチエ−ン(87)を介して回転させながら汚泥(36)を圧送室(72)に押し込み、駆動スプロケット(84)で噛み合って非接触で反対方向に回転する二組の軸着した右巻排出スクリュ−(49)と、左巻排出スクリュ−(51)を減速駆動モ−タ−(61)で回転しながら、脱水処理した汚泥(36)を移送して排出口(13)から強制的に排出させる第三工程とによりなることを特徴とした真空電気泳動高周波脱水処理装置。
【請求項2】
陽極(24)となる星型炭素電極(34)と陰極(25)となる星型炭素電極(34)及びラック状電極(35)に直流電流を印加し230Hz前後に高周波振動させながら、外部から高圧空気(19)をパルス電磁バルブ(64)を介して断続的に夫々の電極の下側に設けた空気噴射孔(40)から噴射して高周波振動により微細気泡化され、重金属類で汚染された汚泥(36)の汚泥粒子の間に気泡が紛れ込み間隙水の圧縮性が増すことで液状化を促進させ、微細気泡が混入した間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流の印可による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極(25)側の間隙水に析出されて気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面(39)まで上昇させ、陰イオン性汚染物質が陽極(24)側の間隙水に析出されて微細気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面(39)まで上昇させて排出したことで汚泥(36)から重金属類の除去と脱水を促進させたことを特徴とした請求項1記載の真空電気泳動高周波脱水処理装置。
【請求項1】
架台(89)に防振ゴム(75)を介して設置した、真空となる漏斗状容器(12)の直管部(66)外側面に、複数個の高周波振動モ−タ−(29)を固定し、内側に絶縁ゴム膜(32)を介して陰極(25)となる縦長のラック状電極(35)を接続して230Hz前後に高周波振動させる。
上蓋(68)の中心部に絶縁フランジ(33)を介して陰極(25)となる電極支持管(21)を固定し、下部の星型炭素電極(34)を内装した高周波振動機(27)により230Hz前後に高周波振動させる。その周囲に同心円状に絶縁フランジ(33)を介して複数の陽極(24)となる電極支持管(21)を固定し下部の星型炭素電極(34)に内装した高周波振動機(27)により230Hz前後で高周波振動させる。
重金属類で汚染された汚泥(36)を汚泥搬入ポンプ(5)を介し漏斗状容器(12)上側面に接続した搬入泥管(7)の投入口(9)から投入しながら、上蓋(68)に設置した超音波測定機(63)で汚泥貯留面(39)の表面位置を測定して制御装置(65)に入力し、演算処理された指令で汚泥搬入ポンプ(5)の運転を制御して、投入される汚泥(36)の表面位置を常に一定に維持させる第一工程と、
陽極(24)となる星型炭素電極(34)と陰極(25)となる星型炭素電極(34)及びラック状電極(35)に直流電流を印加し高周波振動させながら、重金属類で汚染された汚泥(36)の汚泥粒子と汚泥粒子の接触が失われて浮遊した液状化状態とさせて、間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極(25)側の間隙水に析出されて上昇し、陰イオン性汚染物質が陽極(24)側の間隙水に析出されて汚濁水と、電気分解により発生したガスとを汚泥貯留面(39)まで上昇させ、周囲の汚水排出口(42)を介して外側のリング状排水管(10)に流出し、接続した排出吸引管(8)に接続した真空ポンプ(6)により、漏斗状容器(12)内部を真空にしながら分離した汚染物質を外部排出させる第二工程と、
汚染物質を除去して浄化脱水処理した汚泥(36)を、下部の絞管部(67)側斜面の外側に振動鋼板(78)を介して複数の高周波振動モ−タ−(29)を固定して内側のラック状振動板(43)を230Hz前後に振動させて防振□フランジ(74)を介して接続した土砂排出装置(3)のパドル室(71)に押し下げ、2軸の高周波振動機(27)を内装した振動パドルシャフト(45)を230Hz前後に高周波振動しながら軸着したパドル羽根(47)をチエ−ン(87)を介して回転させながら汚泥(36)を圧送室(72)に押し込み、駆動スプロケット(84)で噛み合って非接触で反対方向に回転する二組の軸着した右巻排出スクリュ−(49)と、左巻排出スクリュ−(51)を減速駆動モ−タ−(61)で回転しながら、脱水処理した汚泥(36)を移送して排出口(13)から強制的に排出させる第三工程とによりなることを特徴とした真空電気泳動高周波脱水処理装置。
【請求項2】
陽極(24)となる星型炭素電極(34)と陰極(25)となる星型炭素電極(34)及びラック状電極(35)に直流電流を印加し230Hz前後に高周波振動させながら、外部から高圧空気(19)をパルス電磁バルブ(64)を介して断続的に夫々の電極の下側に設けた空気噴射孔(40)から噴射して高周波振動により微細気泡化され、重金属類で汚染された汚泥(36)の汚泥粒子の間に気泡が紛れ込み間隙水の圧縮性が増すことで液状化を促進させ、微細気泡が混入した間隙水が過剰間水圧により押されて上昇する過程で、直流電流の印可による電気泳動作用により陽イオン性汚染物質が陰極(25)側の間隙水に析出されて気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面(39)まで上昇させ、陰イオン性汚染物質が陽極(24)側の間隙水に析出されて微細気泡と供に汚濁水を汚泥貯留面(39)まで上昇させて排出したことで汚泥(36)から重金属類の除去と脱水を促進させたことを特徴とした請求項1記載の真空電気泳動高周波脱水処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−13881(P2013−13881A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158377(P2011−158377)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(311010833)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(311010833)
【Fターム(参考)】
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