説明

眼内キネティック発電機

埋め込み可能なキネティック発電機は、第1歯車に物理的に結合される。回転の中心にロータを備えた第2歯車は第1歯車に結合される。磁界発生コイルはロータに近接して配設される。エネルギー貯蔵ユニットはコイルに電気的に結合される。眼内における埋め込みについて適切なシェルはこれら部品を包囲する。ロータが回転すると、コイルによって発生せしめられたエネルギーはエネルギー貯蔵ユニットにおいて貯蔵される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼内の使用のための発電機に関し、より具体的には、埋め込み可能な眼内の装置に電力を提供するように特異的に構成されたキネティック発電機(kinetic power generator)に関する。
【背景技術】
【0002】
解剖学的には、眼は、二つの別個の部分、すなわち前部及び後部に分けられる。前部は、水晶体を含み、角膜(角膜内皮)の最も外側の層から水晶体嚢の後方に延在する。後部は水晶体嚢の背後の眼の部分を含む。後部は前方のガラス面(hyaloid face)から網膜に延在し、硝子体の後方のガラス面は網膜と直接接触している。後部は前部よりもはるかに大きい。
【0003】
後部は、硝子体、すなわち無色透明のゲル状物質を含む。硝子体は、眼の容積の約3分の2を構成し、出生前にその形状が与えられる。これは1%のコラーゲン/ヒアルロン酸ナトリウム及び99%の水から構成される。硝子体の前方境界は前方のガラス面であり、前方のガラス面は水晶体の後嚢と接し、一方、後方のガラス面は硝子体の後方境界を成し且つ網膜に接触している。硝子体は、房水のような自由流動性がなく、通常の解剖学的付着部位を有する。これら部位のうちの1つが硝子体基部であり、硝子体基部は鋸状の縁の上に横たわる幅3〜4mmの広い帯である。視神経頭、黄斑、及び血管アーケード(vascular arcade)も付着部位である。硝子体の主な機能は、網膜を所定の位置に保持すること、眼球の完全性及び形状を維持すること、運動による衝撃を吸収すること、及び水晶体後部を支持することである。房水とは対照的に、硝子体は連続的に入れ替わることがない。硝子体は、シネレシス(syneresis)として知られる過程において加齢に伴って徐々に流動化する。シネレシスは硝子体の収縮をもたらし、このことは正常な付着部位に圧力又は引張力を及ぼしうる。十分な引張力が適用された場合、硝子体はそれ自体を網膜との付着状態から引っ張って網膜裂傷や網膜裂孔を生じさせる可能性がある。
【0004】
硝子体網膜手術と呼ばれる様々な外科手術は、通常、眼の後部において行われる。硝子体網膜手術は、後部に関する多くの深刻な状態に対処するのに適する。硝子体網膜手術は例えば、加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症及び糖尿病性硝子体出血、黄斑円孔、網膜剥離、網膜上膜、CMV網膜炎、及び他の多くの眼の状態に対処する。
【0005】
外科医は、後部の鮮明な画像を提供するように設計された顕微鏡及び特殊レンズを用いて硝子体網膜手術を行う。長さでちょうど1ミリ程度のいくつかの小さな切開創が強膜上の毛様体扁平部(pars plana)において作られる。外科医は、切開創を通して、マイクロ手術器具、例えば、眼の内部を照射する光ファイバ光源と、手術中に眼の形状を維持するための注入ラインと、硝子体を切断して除去するための器具とを挿入する。
【0006】
別の一般的な外科処置、すなわち白内障の除去及び水晶体の交換が眼の前部において行われる。眼の生来の水晶体は、水晶体皮質を包囲する外側の水晶体嚢から成る。人間の眼が、角膜と呼ばれる透明な外側部分を通して光を透過させて、透明な水晶体によって網膜上に画像を結像することによって視力を提供するように機能するので、結像された画像の質は、水晶体の透明度を含む多くの要因に依存する。加齢又は病気によって水晶体の透明度が低下すると、網膜に透過されうる光が減少するので、視力が悪化する。眼の水晶体におけるこの欠陥は、医学的には白内障として知られている。この状態について認容された治療法は、水晶体皮質を取り除いて人工的な眼内レンズ(IOL)に置き換えることを含む白内障手術である。
【0007】
米国では、白内障水晶体の大部分は、水晶体超音波乳化吸引術と呼ばれる外科技術によって取り除かれる。この処置の間、大きさが数ミリメートルの切開創が角膜又は強膜において作られる。切開創によって、薄い水晶体超音波乳化吸引術の切断用チップが、病気に冒された水晶体内に挿入されて超音波振動される。振動する切断用チップが、水晶体皮質物質が眼から吸引されうるように、水晶体皮質物質を液化し又は乳化する。病気に冒された水晶体物質が、一旦取り除かれると、IOLによって置き換えられる。
【0008】
IOLは、病気に冒された水晶体の細胞物質を取り除くのに使用されたものと同一の小さな切開創を通して眼内に注入される。IOLは、切開創を拡げることを回避すべく、折り畳まれた状態でIOL注入器内に設置される。IOL注入器の先端部が切開創内に挿入されて、レンズが水晶体嚢内に届けられる。
【0009】
これら処置及び他の処置の間、移植物が眼内に設置されることがある。例えば、硝子体網膜手術によって電子的な網膜装置(electronic retina device)が設置されうる。現在のところ市販されていないが、多数の研究が、損傷した網膜についての電子的な交換を開発することに注がれてきた。網膜が視力に必須であるので、網膜への損傷は視力の喪失をもたらすことが多い。網膜についての電子的な交換が、南カリフォルニア大学において概念的に開発されて試験されてきた(アーガスII人工網膜システム(Argus II Retinal Prosthesis System))。
【0010】
調節性IOLに対しても研究がなされている。調節性IOLは、人が眼の焦点を合わせるときの生来の水晶体の運動をシミュレートする。このように、単一の生来の水晶体は、顔の非常に近くの物体に又は非常に遠くの物体に焦点を合わせるべく調整されることができる。いくつかの調節性IOLの概念では、眼の能力をシミュレートすべくIOLを調整するのに電源が必要とされる。埋め込み可能な薬供給装置のような他の装置も電力を必要としうる。
【0011】
これら装置及びこれらのような他の装置は、機能するのに、信頼性の高い電源を必要とする。現在のバッテリー技術は、通常、バッテリーが、一旦眼内に埋め込まれた後、取り除かれて置き換えられなければならない点において十分とは言えない。さらに、一回の充電で供給されうる電力の量では、典型的には、埋め込み可能な装置に、長時間、電力を供給することができない。要求されるものは、斯かる埋め込まれた眼科装置のための良好な電源である。
【発明の概要】
【0012】
本発明の原理に整合した一つの実施形態では、本発明は埋め込み可能なキネティック発電機である。この発電機は、振動錘であって、当該振動錘の回転の中心が当該振動錘の周囲と同一平面上に位置しないように、湾曲した外形を有する振動錘を有する。第1歯車が、その歯車の中心が振動錘の回転の中心に配設されるように振動錘に物理的に結合される。中心にロータを備えた第2歯車が第1歯車に結合される。磁界発生コイルがロータに近接している。エネルギー貯蔵ユニットがコイルに電気的に結合される。シェルが、振動錘、第1歯車、第2歯車、ロータ、磁界発生コイル、及びエネルギー貯蔵ユニットを包含する。シェルは、その中心がシェルの周囲と同一平面上に位置せず、このことによって眼内に埋め込まれるのに適するように、湾曲した外形を有する。
【0013】
本発明の原理に整合した別の実施形態では、本発明は埋め込み可能なキネティック発電機である。この発電機は、第1歯車に物理的に結合される振動錘を有する。回転の中心にロータを備えた第2歯車が第1歯車に結合される。磁界発生コイルがロータに近接して配設される。エネルギー貯蔵ユニットがコイルに電気的に結合される。眼内における埋め込みについて適切なシェルがこれら部品を包含する。ロータが回転すると、コイルによって発生せしめられたエネルギーがエネルギー貯蔵ユニットにおいて貯蔵される。
【0014】
前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方が、例示であり且つ単なる説明であり、特許請求の範囲に記載されたような発明の更なる説明を提供することが意図されていることが理解されるべきである。以下の記述及び本発明の実施例が本発明の追加の利点及び目的を説明し且つ提案する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の原理に係る眼内キネティック発電機の部品の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の原理に係る眼内キネティック発電機の部品の断面図である。
【図3】図3は、本発明の原理に係る、眼内に埋め込まれたときのキネティック発電機の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に取り込まれ且つ本明細書の一部を構成する添付の図面は、記述と共に本発明のいくつかの実施形態を示し、本発明の原理を説明するのに役立つ。
以下、本発明の例示的な実施形態が詳細に参照され、これら実施形態の例が添付の図面において示される。同一の参照番号が、同一の又は同様の部分を参照するのに全図を通して可能な限り使用される。
【0017】
発明者は、眼内の使用について適切なキネティック発電機が、腕時計において使用されるキネティック発電機を基礎とすることができることを発見してきた。キネティック腕時計は、時計によって使用のために必要とされる電力を発生させるのに人体の動作(この場合、揺動する腕)を使用する。1980年代にセイコーが最初にキネティック発電の腕時計を導入した。このときから、多くの異なる時計会社が、キネティック発電された電力で動作する腕時計を市販してきた。これらキネティック発電の腕時計の利点は、これら腕時計が、交換される必要があるバッテリーを有しないことである。この特徴によって、キネティック発電機は眼内移植物について特に有用である。
【0018】
本発明は、公知のキネティック発電機に基づくが、キネティック発電機を眼内における使用について特に適切にするいくつかの特有の修正を利用する。これら修正は、実際には構造的なものであり、図を参照してより完全に記述される。
【0019】
図1は、本発明の原理に係る、眼内キネティック発電機100の部品の斜視図である。図2は、本発明の原理に係る眼内キネティック発電機100の部品の断面図である。図1及び図2では、振動錘105が歯車110に結合される。歯車110は歯車付きロータ115と連動する。歯車付きロータ115は磁界発生コイル120に磁気的に結合される。磁界発生コイル120はエネルギー貯蔵ユニット125に電気的に結合される。制御回路130がエネルギー貯蔵ユニット125に電気的に結合される。
【0020】
振動錘105は概して半円の形状であり且つ僅かに湾曲した外形を有する。僅かに湾曲した外形は眼の曲率に適応し且つ振動錘がシェル140内に包含されることを可能とする。この僅かに湾曲した外形では、回転の中心107が振動錘105の周囲と同一平面上に位置しない。振動錘105は、ステンレス鋼のような比較的大きな質量を有する材料から作られる。加えて、質量は、回転の中心107から最も遠い振動錘105の周囲に沿って集中せしめられる。この態様における質量の集中は、振動錘105が運動エネルギーを効率的に生産することを可能とする。
【0021】
振動錘105は典型的には(半円の直径を横切って測定されたときに)直径数ミリメートルである。この小さな大きさに拘わらず、眼の自然な運動によって、振動錘105は回転することができる。方位方向(azimuth direction)及び上昇方向(elevation direction)における眼の自然な運動は、振動錘105を回転させるのに必要なエネルギーを提供する。眼は、比較的高い回転速度及び比較的高い回転加速度で自然に動く。さらに、慣性のモーメントの半径が小さい。このため、振動錘105は、小さくされるだけでなく、それでもなお眼内装置に電力を与えるのに十分な運動エネルギーを生成することができる。
【0022】
振動錘105は、振動錘105の回転が歯車110の回転をもたらすように歯車110に物理的に接続される。歯車110は、振動錘105の回転運動を最大100倍又はそれよりも大きく増幅するように構成される。歯車110の中心と振動錘105の回転の中心107とは同じ点に位置する。本発明の一つの実施形態では、振動錘105と同様に、歯車110は、シェル140内に収まり且つ眼の曲率に適応するように、僅かに湾曲した外形を有する。この態様では、歯車110の中心は概して歯車110の周囲と同一平面上に位置しない。本発明の他の実施形態では、歯車110は概して平面である。
【0023】
歯車110は歯車付きロータ115に結合される。同様に、歯車比は、歯車110の運動が増幅されるようになっている。この結果、歯車付きロータ115は、歯車110よりもはるかに速く回転する。歯車付きロータ115は、歯車118の中心に配設された中心ロータ117を有する。歯車110の歯は歯車118の歯と連動する。中心ロータ117が歯車118の回転の中心に配設されるので、歯車118の運動によって中心ロータ117の非常に迅速な回転(約100000rpm)がもたらされる。中心ロータ117は、回転すると磁場が発生せしめられるようにサマリウムコバルトから作られる。
【0024】
磁界発生コイル120は、(中心ロータ117が回転するときに)中心ロータ117によって発生せしめられた磁場が磁界発生コイル120において電流を発生させるように中心ロータ117の非常に近くに配設される。磁界発生コイル120は、非常に薄いワイヤで巻かれた極端に高い密度のコイル、例えば極端に小さなゲージの銅ワイヤである。磁場の存在下で、磁界発生コイル120は小さな電流を生成する。磁界発生コイル120も、シェル140内に収まるように、僅かに湾曲した外形を有することができる。さらに、磁界発生コイルは、典型的には、その全高を非常に小さく(僅か約1ミリメートルに)保つように平らなコアの周りに巻かれる。斯かる小さな高さが、眼内における埋め込みのために望ましい。
【0025】
磁界発生コイル120はエネルギー貯蔵ユニット125に電気的に結合される。本発明の一つの実施形態では、エネルギー貯蔵ユニット125は、眼内装置に電力を提供するのに十分な電荷を貯蔵する超コンデンサ(super capacitor)である。本発明の別の実施形態では、エネルギー貯蔵ユニット125は、非常に小さな充電式バッテリー、コンデンサ、又は同様のタイプの装置である。
【0026】
コントローラ130がキネティック発電機の作動を制御する。コントローラ130は、典型的には、ロジック機能を行うことができる、電源入力ピン及び電源出力ピンを備えた集積回路である。様々な実施形態では、コントローラ130は対象装置のコントローラである。斯かる場合、コントローラ130は、特定の装置又は特定の部品を対象とする特定の制御機能、例えば、キネティック発電機のための電力制御機能又は眼内装置への電力移送機能を行う。他の実施形態では、コントローラ130は非常に小さなマイクロプロセッサである。斯かる場合、コントローラ130は、装置の一つよりも多い部品を制御すべく機能できるようにプログラム可能である。他の場合、コントローラ130は、プログラム可能なマイクロプロセッサではなく、代わりに、種々の機能を行う種々の部品を制御するように構成された特殊用途のコントローラである。
【0027】
シェル140は、眼において収まるような大きさ及び形状に作られる。この態様では、シェル140は概して円形状であり且つ湾曲した外形を有する。この結果、シェル140の中心はシェル140の周囲と同一面上に位置しない。(振動錘105の曲率と同様の)この曲率は、眼の曲率に適合するように設計される。典型的には、シェル140はステンレス鋼又は眼内への埋め込みについて適切な他の材料から作られる。
【0028】
加えて、シェル140内の様々な部品の配置は、シェル140の全高が最小になるようになっている。上記されたように、磁界発生コイル120は、その高さを最小にするように概して平らなコアの上に巻かれる。さらに、ロータ117、歯車110、磁界発生コイル120、及びエネルギー貯蔵ユニット125は全てほぼ同一平面上に配設される。これら部品の平行な配置によって、シェル140の高さを約1ミリメートルにすることが可能となる。
【0029】
作動時に、本発明の眼内キネティック発電機100は、眼内装置を動作させるべく眼の自然な運動を電力に変換する。人間の眼は、ほとんどの時間、動いている。人が起きているとき、人の眼には小さな回転運動及び大きな回転運動の両方が生成される。また、人が眠っているとき、(例えばレム睡眠では)かなりの眼の運動が生じる。夜と日中の両方におけるこの眼の運動は、本発明のキネティック発電機を動作させるのに有り余るほどの運動エネルギーを提供する。
【0030】
眼が動く(又は回転する)と、キネティック発電機も動く。この眼の運動によって、振動錘105が回転することができる。歯車110が振動錘105に堅く結合されるので、歯車110も回転する。上記されたように、歯車110の歯は歯車118の歯に結合される。このため、歯車110の回転は歯車118(及び中心ロータ117)の回転を引き起こす。歯車比は、中心ロータ117を非常に迅速に回転させるようになっており、このことによって磁場が生成される。中心ロータ117が磁界発生コイル120の非常に近くに配設されるので、中心ロータ117によって生成される磁場は磁界発生コイル120と結合し、このことによって、磁界発生コイル120において小さな電流(及び磁界発生コイル120を横切る小さな電圧)が生成される。磁界発生コイル120によって生成されたエネルギーはエネルギー貯蔵ユニット125において貯蔵される。この貯蔵されたエネルギーは、眼内装置を動作させるのに使用されることができる。
【0031】
眼内キネティック発電機100は、一旦眼内に埋め込まれると、理論的には患者の寿命まで持ち堪えることができる。このおかげで、一回の手術だけが必要とされる。いくつかの手術、特に眼における手術は感染症を含む合併症のリスクを与えるので、患者が受ける手術の数を最小にすることが望ましい。従来のバッテリーの代わりにキネティック発電機を備えた装置を埋め込むことによって、一回の手術で装置を埋め込むことができる。その後、眼の自然な運動は、装置を動作させるのに十分な電力を発生させるように利用されることができる。
【0032】
図3は、本発明の原理に係る、眼内に埋め込まれたときの眼内キネティック発電機100の透視図である。本発明のキネティック発電機は、典型的には、強膜305において若しくは強膜305の下に又は縁(limbus)310の後方の結膜の下に埋め込まれる。キネティック発電機が強膜305において又は強膜305の下に埋め込まれる場合、切開創が強膜弁と同様に強膜305において作られる。典型的には、切開創は長さ数ミリメートルである。ポケットが、キネティック発電機を受容すべく強膜305において又は強膜305の下に形成される。同様の処置が同様に結膜下の埋め込みについても行われる。
【0033】
上記から、本発明が埋め込み可能な眼内装置のための信頼性の高い安定した電力源を提供することが理解されうる。本発明は、眼のために特殊的に構成されたキネティック発電機を提供する。本発明は本明細書において例によって示されたが、様々な修正が当業者によってなされうる。
【0034】
本明細書と、本明細書において開示された本発明の実施例とを考慮すると、本発明の他の実施形態が当業者にとって明らかであるだろう。本明細書及び例が単なる例示として見なされ且つ本発明の真の範囲及び思想が以下の特許請求の範囲によって示されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動錘であって、当該振動錘の回転の中心が当該振動錘の周囲と同一平面上に位置しないように、湾曲した外形を有する振動錘と、
第1歯車であって、当該歯車の中心が前記振動錘の回転の中心に配設されるように該振動錘に物理的に結合された第1歯車と、
第2歯車であって、当該第2歯車の回転の中心にロータを備え且つ前記第1歯車に結合された第2歯車と、
前記ロータに近接した磁界発生コイルと、
該コイルに電気的に結合されたエネルギー貯蔵ユニットと、
シェルであって、前記振動錘、第1歯車、第2歯車、ロータ、磁界発生コイル、及びエネルギー貯蔵ユニットを包囲し、且つ、当該シェルの中心が当該シェルの周囲と同一平面上に位置しないように、湾曲した外形を有し、さらに、眼内に埋め込まれるようになっているシェルと
を具備する、埋め込み可能なキネティック発電機。
【請求項2】
前記第1歯車が、該第1歯車の中心が該第1歯車の周囲と同一平面上に位置しないように、湾曲した外形を有する、請求項1に記載のキネティック発電機。
【請求項3】
前記エネルギー貯蔵ユニットが超コンデンサである、請求項1に記載のキネティック発電機。
【請求項4】
前記キネティック発電機の電力機能を制御するためのコントローラを更に具備する、請求項1に記載のキネティック発電機。
【請求項5】
前記シェルが、強膜の下に埋め込まれるようになっている、請求項1に記載のキネティック発電機。
【請求項6】
前記磁界発生コイルが、その高さを最小にするように平らなコアの周りに巻かれる、請求項1に記載のキネティック発電機。
【請求項7】
前記磁界発生コイルが前記ロータに近接して配設され且つ該ロータと概して同一平面上に位置する、請求項1に記載のキネティック発電機。
【請求項8】
前記磁界発生コイルが前記エネルギー貯蔵ユニットと概して同一平面上に配設される、請求項1に記載のキネティック発電機。
【請求項9】
振動錘と、
該振動錘に物理的に結合された第1歯車と、
第2歯車であって、当該第2歯車の回転の中心にロータを備え且つ前記第1歯車に結合された第2歯車と、
前記ロータに近接した磁界発生コイルと、
該コイルに電気的に結合されたエネルギー貯蔵ユニットと、
シェルであって、前記振動錘、第1歯車、第2歯車、ロータ、コイル、及びエネルギー貯蔵ユニットを包囲し、且つ眼内に埋め込まれるようになっているシェルと
を具備する、埋め込み可能なキネティック発電機。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵ユニットが超コンデンサである、請求項9に記載のキネティック発電機。
【請求項11】
前記キネティック発電機の電力機能を制御するためのコントローラを更に具備する、請求項9に記載のキネティック発電機。
【請求項12】
前記シェルが、強膜の下に埋め込まれるようになっている、請求項9に記載のキネティック発電機。
【請求項13】
前記磁界発生コイルが、その高さを最小にするように平らなコアの周りに巻かれる、請求項9に記載のキネティック発電機。
【請求項14】
前記磁界発生コイルが前記ロータに近接して配設され且つ該ロータと概して同一平面上に位置する、請求項9に記載のキネティック発電機。
【請求項15】
前記磁界発生コイルが前記エネルギー貯蔵ユニットと概して同一平面上に配設される、請求項9に記載のキネティック発電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−531273(P2012−531273A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517768(P2012−517768)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/039986
【国際公開番号】WO2010/151763
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(508185074)アルコン リサーチ, リミテッド (160)
【Fターム(参考)】