説明

眼内使用のための非ポリマー親油性薬学的インプラント組成物

固形または半固形の眼内移植組成物が開示される。この組成物は、親油性化合物を含むがポリマー成分を欠いている。本発明は、1つ以上の低分子量の親油性化合物、および薬学的薬物を含むが、ポリマー成分、および水と混和可能であるか、または水中に分散可能である有機溶媒を欠く、眼内インプラント組成物を提供する。この組成物は、平均のヒトの眼の温度である37℃以下の温度で固形または半固形である。このインプラントは、結膜円蓋を含む眼中のいずれかに配置され得、しかし、眼の内側の移植のために特に適切である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、薬学的インプラント組成物に関する。詳細には、本発明は、眼内使用のためのインプラント組成物中の低分子量の親油性化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の固形および半固形薬物送達インプラントが知られ、これには、エチレンビニルアセテートを用いて作製されるような、非腐食性インプラント、非分解インプラント、およびポリ無水物またはポリラクチドを用いて作製されるような、腐食性インプラントまたは生分解性インプラントの両方が含まれる。薬物送達インプラント、特に、眼科薬物送達インプラントは、一般に、少なくとも1つのポリマー成分により特徴付けられる。多くの事例において、薬物送達インプラントは、1つ以上のポリマー成分を含む。
【0003】
例えば、米国特許第5,773,019号は、眼に薬物を送達するための移植可能な制御放出デバイスを開示し、ここで、この移植可能なデバイスは、有効量の低溶解度薬物を含む内側コアを有し、この内側コアは、この低溶解度薬物に透過可能である非生分解性のポリマーコーティング層によって被覆されている。
【0004】
米国特許第5,378,475号は、薬物を含む内側コアまたはリザーバー、薬物の通過に対して本質的に非透過性である第1のコーティング層、および薬物に対して透過性である第2のコーティング層を有する持続放出薬物送達デバイスを開示している。この第1のコーティング層は、少なくとも内側コアの一部分を被覆するが、内側コアの少なくとも小部分は、第1のコーティング層で被覆されていない。第2のコーティング層は、この第1のコーティング層を本質的に完全に被覆し、そして内側コアの被覆されない部分はない。
【0005】
米国特許第4,853,224号は、前眼房および/または後眼房中への移植のためのマイクロカプセル化された薬物を含む生分解性眼内インプラントを開示する。ポリマーカプセル化剤または脂質カプセル化剤が、カプセルの主要要素である。多くのタイプのポリマーが開示されているが、生分解性ポリマーを欠くインプラントは開示されていない。
【0006】
米国特許第5,164,188号は、眼の脈絡膜における生分解性インプラントの使用を開示している。このインプラントは、一般に、カプセル化されている。このカプセルは、大部分は、ポリマーカプセル化剤である。移動することなく脈絡膜の所定の領域中に配置され得る、「オキシセル、ゼラチン、シリコーンなどのような」材料がまた用いられ得る。
【0007】
米国特許第6,120,789号は、動物における固形マトリックスのインサイチュ(in situ)形成のための非ポリマー組成物の使用、およびその他の使用のなかでとりわけ、医療用デバイスとしての、または生物学的に活性な薬剤のための持続放出送達システムとしての組成物の使用を開示している。この組成物は、生体適合性の非ポリマー材料および薬学的に受容可能な有機溶媒から構成される。この非ポリマー組成物は、生分解性および/または生腐食性であり、そして水溶液または体液中で実質的に不溶性である。この有機溶媒は、非ポリマー材料を可溶化し、そして混和可能〜分散可能の範囲で水またはその他の水性媒体中の溶解度を有している。動物中の移植部位中に配置されるとき、この非ポリマー組成物は、最終的には、固形の構造に変形する。このインプラントは、細胞増殖および組織再生、創傷および器官修復、神経再生、軟および硬組織再生などを増大することにより組織欠陥を処置するために用いられ得る。この組成物は、例えば、移植部位における感染を処置および予防するために有用な、抗炎症薬剤、抗ウイルス薬剤、抗細菌薬剤または抗真菌薬剤、成長因子、ホルモンなどのような生物学的に活性な薬剤(生体活性薬剤)を含み得る。得られるインプラントは、動物に生物学的に活性な薬剤を送達するためのシステムを提供する。この’789特許によれば、適切な有機溶媒は、生体適合性であり、薬学的に受容可能であり、そして少なくとも部分的に非ポリマー材料を溶解するようなものである。この有機溶媒は、混和可能〜分散可能の範囲の水中の溶解度を有している。この溶媒は、インサイチュで、この組成物から、血清、リンパ、脳脊髄液(CSF)、唾液などのような、インプラント部位の水性組織流体中に、拡散、分散、または浸出し得る。この’789特許によれば、この溶媒は、好ましくは、約9〜13(cal/cm1/2のヒルデブランド(HLB)溶解度比を有し、そして好ましくは、溶媒の極性の程度は、水中で少なくとも約5%の溶解度を提供することが有効である。
【0008】
腐食性または生分解性インプラント中のポリマー成分は、眼組織を通じて輸送され、そして排泄されるために腐食または分解しなければならない。4000以下のオーダーの低分子量分子は、眼組織を通って輸送され得、そして生分解または腐食の必要性なくして排泄され得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、1つ以上の低分子量の親油性化合物、および薬学的薬物を含むが、ポリマー成分、および水と混和可能であるか、または水中に分散可能である有機溶媒を欠く、眼内インプラント組成物を提供する。この組成物は、平均のヒトの眼の温度である37℃以下の温度で固形または半固形である。このインプラントは、結膜円蓋を含む眼中のいずれかに配置され得、しかし、眼の内側の移植のために特に適切である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
そうであることが示されなければ、%の事項で表現されるすべての成分量は、%w/wとして表現される。
【0011】
本明細書で用いられるとき、「インプラント」は、1つ以上の薬物を含む固体または半固体塊を意味し、そして制限されないで、ビーズ、ペレット、ロッド、フィルムおよび微粒子を含む。微粒子は、水性または非水性液体キャリヤ中に懸濁され得る。
【0012】
本発明のインプラント組成物は、ポリマー成分、および水と混和し得るか、または水中に分散可能である有機溶媒の両方を欠き、薬学的薬物および150〜4000の分子量を有する1つ以上の親油性化合物を含み、ここで、この親油性化合物は、式:
【0013】
【化11】

【0014】
であって、ここで、Rは、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−CH、または
【0015】
【化12】

【0016】
であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−OOCC2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−C2n+1−2mCOO(CHCHO)CHCHOH、−OOCC2n+1−2mCOOCn’2n’+1−2m’、−COONa、−COO、−SOH、−SONa、−SO、−NH、−Cl、
【0017】
【化13】

【0018】
または、
【0019】
【化14】

【0020】
であり、n、n’およびn’’は、独立に0〜50であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜10である。
【0021】
好ましくは、本発明で用いられる親油性化合物の分子量は、2000以下であり、そして最も好ましくは1000以下である。本発明のインプラントが、唯一の式(I)の親油性化合物を含む場合、そのときは、この親油性化合物は、34℃以上、好ましくは37℃以上の融点を有さなければならない。このインプラントが、2つ以上の式(I)の親油性化合物を含む場合、この混合物が34℃以上、そして好ましくは37℃以上の融点を有することのみが必要である。この親油性化合物は、37℃で水不溶性である(すなわち、37℃で0.5mg/ml未満の溶解度を有する)。
【0022】
好ましいのは、Rが、−C2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−CH、または
【0023】
【化15】

【0024】
であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−OOCC2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−C2n+1−2mCOO(CHCHO)CHCHOH、または−OOCC2n+1−2m、−COOCn’2n’+1−2m’であり;n、n’およびn’’は、独立に0〜40であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜5である、式(I)の親油生化合物である。
【0025】
最も好ましいのは、Rが、
【0026】
【化16】

【0027】
であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、または−OOCC2n+1−2mであり;n、n’およびn’’は、独立に0〜30であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜3である式(I)の親油生化合物である。
【0028】
特に好ましい式(I)の親油性化合物は、グリセリルモノラウレート;グリセリルジラウレート;グリセリルモノミリステート;グリセリルジミリステート;グリセリルモノパルミテート;グリセリルジパルミテート;グリセリルモノステアレート;グリセリルジステアレート;グリセリルモノオレエート;グリセリルジオレエート;グリセリルモノリノレエート;グリセリルジリノレエート;グリセリルモノアラキデート;グリセリルジアラキデート;グリセリルモノベヘネート;およびグリセリルジベヘネートである。
【0029】
本明細書で用いられるとき、「水と混和可能または水中に分散可能な有機溶媒」とは、生体適合性の薬学的に受容可能な、そして混和可能〜分散可能の範囲の水中の溶解度を有する有機溶媒を意味する。本願の請求の範囲の組成物から排除されるこれらの有機溶媒は、米国特許第6,120,789号に記載される組成物中に必須である有機溶媒と同じである。
【0030】
本発明の親油性化合物は、当該分野で公知の方法によって作製され得、そして多くのこのような化合物が市販され入手可能である。例えば、市販の供給者は、Myvaplex(登録商標)およびMyvacet(登録商標)ブランドの下にこのような化合物を生産するNuChek Prep(Elysian、Minnesota)、Quest International(Hoffman Estates、Illinois)、およびGelucire(登録商標)およびGeleol(登録商標)ブランドの下にこのような化合物を生産するGattefossa(Saint−Priest、France)を含む。適切な親油性化合物は、制限されないで、以下の、市販され入手可能な製品を含む。
ジエチレングリコールモノステアレート(Hydrine(登録商標);融点=45.5〜48.5℃);ステアリン酸およびパルミチン酸のポリプロピレングルコールモノ−およびジエステル(Monosteol(登録商標);融点=34.0〜37.5℃;「プロピレングリコールモノステアレート」);グリセリルモノステアレート(Geleol(登録商標);融点=70℃);グリセリルモノリノレエート(Maisine(登録商標)35−1;融点=−6.5℃);グリセリルモノオレエート(Peceol(登録商標);融点=16℃);Myverol(登録商標)18−85として販売されるモノグリセリドの混合物(融点=46℃);グリセリルモノステアレート(85−90%)とグリセリルモノパルミテート(10−15%)の混合物(Myvaplex(登録商標)600P;融点=69℃);飽和C12−C18飽和脂肪酸エステルのグリセリルエステル(Gelucire(登録商標)43/01;融点=42−46℃);飽和C−C18飽和脂肪酸エステルのグリセリルエステル(Gelucire(登録商標)33/01;融点=33−37℃);および飽和C12−C18飽和脂肪酸エステルのグリセリルエステル(Gelucire(登録商標)39/01;融点=37.5−41℃)。
【0031】
本発明のインプラント組成物は、少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、そして最も好ましくは少なくとも50%の合計濃度で、1つ以上の式(I)の親油性化合物を含む。
【0032】
本発明のインプラント組成物は、薬学的に有効な量の眼科薬物を含む。必要または所望であれは、本発明のインプラントには1つ以上の薬物が含まれ得る。多くのタイプの眼科薬物が公知であり、制限されずに:チモロール、ベータキソロール、レボベータキソロール、カルテオロールを含むβ受容体遮断剤のような抗緑内障薬剤、ピロカルピンを含む縮瞳剤、脱炭酸酵素インヒビター、プロスタグランジンアナログ、セロトニン様物質、ムスカリン様物質、ドーパミン作動性アゴニスト、アプラクロニジンおよびブリモニジンを含むアドレナリン作動性アゴニスト;シプロフロキサシンのようなキノロンを含む抗感染薬剤、およびトブラマイシンおよびゲンタマイシンのようなアミノグリコシド;スプロフェン、ジクロフェナック、ケトロラック、リメキソロン、デキサメタゾンおよびテトラヒドロコルチゾールのような非ステロイド系およびステロイド系抗炎症性薬剤;VEGFのような成長因子;免疫抑制薬剤;神経保護薬剤;血管形成阻害薬剤およびオロパタジンを含む抗アレルギー薬剤を含む。この眼科薬物は、マレイン酸チモロール、酒石酸ブリモニジンまたはジクロフェナックナトリウムのような薬学的に受容可能な塩の形態で存在し得る。本発明の組成物はまた、(i)ベータキソロールおよびチモロールからなる群から選択されるβ受容体遮断剤、および(ii)ラタノプロスト;15−ケトラタノプラスト;フルプロステノールイソプロピルエステル(特に、1R−[1α(Z),2β(1E,3R),3α,5α]−7−[3,5−ジヒドロキシ−2−[3−ヒドロキシ−4−[3−(トリフルオロメチル)−フェノキシ]−1−ブテノイル]シクロ−ペンテニル−]−5−ペプタン酸、1−メチルエチルエステル);イソプロピル[2R(1E,3R),3S(4Z),4R]−7−[テトラヒドロ−2−[4−(3−クロロフェノキシ)−3−ヒドロキシ−1−ブテニル]−4−ヒドロキシ−3−フラニル]−4−ヘプタノエート;および(5Z)−(9R,11R,15R)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジヒドロキシ−3−オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノル−5−プロステン酸イソプロピルエステルからなる群から選択されるプロスタグランジンの組み合わせのような、眼科薬物の組み合わせを含み得る。本発明のインプラント組成物中に含まれる薬物の総量は、好ましくは、50%より多くはない。
【0033】
式(I)の親油性化合物および眼科薬物に加え、本発明のインプラント組成物は、必要に応じて、1つ以上の賦形剤を含む。固体および半固形の薬学的組成物のための多くの賦形剤が公知である。適切な賦形剤の例は、制限されずに:界面活性剤、保存剤、および安定化剤を含む。
【0034】
適切な界面活性剤は、チロキサポール、ポリソルベート20、ポリソルベート60およびポリソルベート80界面活性剤を含む。好ましい界面活性剤は、ポリソルベート80である。
【0035】
適切な保存剤は、ポリ四級−1およびベンザルコニウムハライドのような四級アンモニウム保存剤を含む。好ましいベンザルコニウムハライドは、塩化ベンザルコニウム(「BAC」)および臭化ベンザルコニウムである。
【0036】
適切な安定化剤は、エデト酸2ナトリウムのようなキレート剤、およびアスコルビン酸およびクエン酸のような抗酸化剤を含む。
【0037】
インプラント組成物は、眼中への移植のために適切な形状に形造くられ得る。例えば、このような形状は、制限されずに、円筒形、円錐形および球形形状を含む。あるいは、このインプラント組成物は、それらが液体キャリヤ中に懸濁され得、そして眼中に注入または堆積されるような形状およびサイズであり得る。本発明のインプラントのサイズおよび形状は、選択された薬物、標的疾患および選択されたインプラント位置を含む多くの因子に依存する。本発明のインプラントは、結膜円蓋、盲点および涙小管、前区および後区、ならびにトノン下腔、脈絡膜上腔および結膜下腔を含む、眼中のいずれの場所にも移植され得る。
【0038】
このインプラント組成物は、好ましくは、固体または半固体として投与されるが、1つの実施形態では、この組成物は、加温され、そしてカニューレを通じて半固体または液体中で投与される。投与の部位で体温まで冷却した後、この組成物は、半固体または固体インプラントを形成する。
【0039】
以下の実施例は、本発明を例示し制限するものではない。
【実施例】
【0040】
(実施例1:偽薬ペレット)
0.25gのボリソルベート80および4.75gのモノグリセリドMyverol 18−35を、シンチレーションバイアルに添加した。モノグリセリドを水浴中で加熱することにより溶融した。次いで、このポリソルベート80およびモノグリセリドを旋回することにより混合した。円筒形の鋳型中でこの溶液を冷却することによりペレットを作製した。この手順を、モノグリセリドMyverol 18−50、Myverol 18−85、およびMyaplex 600Pについて繰り返した。
【0041】
例示の材料と式(I)との間の関係を示すために、Myverol 18−35、Myverol 18−50、およびMyverol 18−85は、それらの製造業者により、示される比率で以下の成分を含む。
a)Myverol 18−35 モノグリセリド成分 略語 重量%
グリセリルモノラウレート C12.0 0.3
グリセリルモノミリステート C14.0 1.1
グリセリルモノパルミテート C16.0 44.1
グリセリルモノステアレート C18.0 4.5
グリセリルモノオレエート C18.1 39.3
グリセリルモノリノレエート C18.2 10.2
グリセリルモノアラキデート C20.0 0.3
b)Myverol 18−50 モノグリセリド成分 略語 重量%
グリセリルモノミリステート C14.0 0.1
グリセリルモノパルミテート C16.0 10.8
グリセリルモノステアレート C18.0 12.6
グリセリルモノオレエート C18.1 73.9
グリセリルモノリノレエート C18.2 1.9
グリセリルモノアラキデート C20.0 0.3
グリセリルモノベヘネート C22.0 0.3
c)Myverol 18−85 モノグリセリド成分 略語 重量%
グリセリルモノミリステート C14.0 0.8
グリセリルモノパルミテート C16.0 22.3
グリセリルモノステアレート C18.0 2.5
グリセリルモノオレエート C18.1 17.6
グリセリルモノリノレエート C18.2 54.8
グリセリルモノアラキデート C20.0 0.3
グリセリルモノベヘレート C22.0 0.3
C18.0は以下の化合物を表し:
【0042】
【化17】

【0043】
C18.1は以下の化合物を表し:
【0044】
【化18】

【0045】
C18.2は以下の化合物を表す。
【0046】
【化19】

【0047】
(実施例2:デキサメタゾンを含むインプラント組成物)
以下の表1に示される、1×3mmの円筒形ペレットの処方物を、シンチレーションバイアル中に示された成分を合わせること、式(I)の親油性化合物(単数または複数)を水浴中で加熱することにより溶解すること、旋回により混合すること、および次いでこの混合され、溶融した処方物を円筒形鋳型中で冷却することにより調製した。
【0048】
【表1】

【0049】
表1に示される各処方物からのデキサメタゾンの放出は、1.5mlのリン酸緩衝化生理食塩水を含む2mlのバイアル中に1つのペレットを配置することにより測定した。リン酸緩衝化生理食塩水(「PBS」)は、0.8%NaCl、0.12%NaHPO、および0.06%NaHPO:HOを含む。次いで、このバイアルを37℃でオーブン中に置く。各時点で、バイアルをゆっくりと2度転置し、60μlのPBSをデキサメタゾンのHPLC分析のためのこのバイアルから取り出し、60μlの新鮮PBSをバイアルに添加し、そしてバイアルを、次の時間までオーブン中に戻して配置する。各処方物は三重に試験する。結果は、図1〜3に示される。
【0050】
(実施例3:液体チャリヤ中に懸濁される粒子として調製されるインプラント組成物)
酢酸アンエコロタブ(anecortave acetate)粉末、グリセリルモノステアレートおよびポリソルベート80の75:20:5の混合物を加熱してグリセリルモノステアレートを溶解し、そして混合する。この混合物を次いで、スプレーし、乾燥して粒子を生成する。これら粒子を、次いで、塩化ナトリウム、リン酸二塩基ナトリウム、リン酸一塩基ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、およびチロキサポールを含む水性ビヒクル中に懸濁し、注入に好適な組成物を生成する。
【0051】
(実施例4:投与の前に加温され、そしてカニューレを通じて注入されるインプラント組成物)
酢酸アンエコロタブ粉末、Gelucire 39/01(飽和C12−C18のグリセリルエステル飽和脂肪酸エステル)の50:45:5の混合物を加熱してGelucire 39/01を溶解し、そして混合する。注入の前に、この組成物を、約41℃に加熱し、そしてシリンジ中に引く。それは、次いで、カニューレ中を通じてトノン下腔スペース中に注入される。37℃への冷却に際し、それは、固形のワックス塊を形成する。
【0052】
(実施例5:80μgのプロスタグランジンを含むインプラント組成物)
プロスタグランジンアナログ(5Z)−(9R,11R,15R)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジヒドロキシ−3−オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノル−5−プロステノン酸イソプロピルエステルの80μgを含む1μlサイズの円筒形ペレットの2つを、シンチレーションバイアル中でプロスタグランジンアナログを必要量の製品Precirol(登録商標)ATO5(Gattefossa)と合わせること、水浴中で加熱することにより親油性化合物を溶融すること、旋回により混合すること、および次いで円筒形鋳型中で混合して溶融した処方物を冷却することにより調製した。製造業者によれば、Precirol(登録商標)ATO5は、ジエステルフラクションが優勢である、パルミトステアリン酸のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドから構成される。Precirol(登録商標)ATO5は、パルミトステアリン酸によるグリセロールのエステル化により合成される。
【0053】
ペレットからのプロスタグランジンアナログの放出は以下のように測定された:秤量後、ペレットを、20mlのPBSとともにシンチレーションバイアル中に配置した。バイアルを37℃オーブン中に貯蔵した。各時点で、バイアルを数回穏やかに反転し(約5回)、次いで300μlの溶解サンプルをバイアルから取り出し、そしてバイアルをオーブンに戻した。サンプル中に含まれたプロスタグランジンアナログの量を、HPLC分析により決定した。結果は表2に示される。
【0054】
【表2】

【0055】
(実施例6:200μgのプロスタグランジンを含むインプラント組成物)
(5Z)−(9R,11R,15R)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジヒドロキシ−3−オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノル−5−プロステノン酸イソプロピルエステルの200μgを含む3μlサイズの円筒形ペレットの2つを、シンチレーションバイアル中でプロスタグランジンアナログを必要量の製品Compritol(登録商標)888 ATO(Gattefossa)と合わせること、水浴中で加熱することにより親油性化合物を溶融すること、旋回により混合すること、および次いで円筒形鋳型中で混合して溶融した処方物を冷却することにより調製した。製造業者によれば、Compritol(登録商標)888 ATOは、ジエステルフラクションが優勢である、ベヘン酸のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドから構成される。Compritol(登録商標)888 ATOは、ベヘン酸によるグリセロールのエステル化により合成される。
【0056】
ペレットからのプロスタグランジンアナログの放出は以下のように測定された:秤量後、ペレットを、20mlのPBSとともにシンチレーションバイアル中に配置した。バイアルを37℃オーブン中に貯蔵した。各時点で、バイアルを数回穏やかに反転し(約5回)、次いで300μlの溶解サンプルをバイアルから取り出し、そしてバイアルをオーブンに戻した。サンプル中に含まれたプロスタグランジンアナログの量を、HPLC分析により決定した。結果は表3に示される。
【0057】
【表3】

【0058】
本発明を、特定の好適な実施形態を参照して説明してきた;しかし、その思想または必須の特徴から逸脱することなくその他の特定の形態またはその改変物に具現化され得ることが理解されるべきである。上記に記載の実施形態は、従って、すべての局面で例示であると考えられ、そして制限ではなく、本発明の範囲は、先行する記載によるよりはむしろ添付の請求の範囲によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、示されたモノグリセリドブレンドを含むインプラント組成物からのデキサメタゾンの放出を示す。
【図2】図2は、示されたモノグリセリドを含むインプラント組成物からのデキサメタゾンの放出を示す。
【図3】図3は、グリセリルモノステアレートおよび変化する量の界面活性剤を含むインプラント組成物からのデキサメタゾンの放出を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内インプラント組成物であって、150〜4000の分子量を有する親油性化合物、および薬学的に有効な量の薬物を含む組成物であって、ポリマー成分、および水と乳化可能であるかまたは水中に分散可能な有機溶媒を欠き、ここで、該組成物は、37℃以下の温度で固体または半固体であり、そして該親油性化合物が、式
【化1】

であり、
ここで、Rは、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−CH、または
【化2】

であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−OOCC2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−C2n+1−2mCOO(CHCHO)CHCHOH、−OOCC2n+1−2mCOOCn’2n’+1−2m’、−COONa、−COO、−SOH、−SONa、−SO、−NH、−Cl、
【化3】

または、
【化4】

であり、n、n’およびn’’は、独立に0〜50であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜10である、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、34℃以下の温度で固体または半固体である、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項3】
前記式(I)の親油性化合物の分子量が、2000以下である、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項4】
前記式(I)の親油性化合物の分子量が、1000以下である、請求項3に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項5】
前記組成物が、2つ以上の式(I)の親油性化合物の混合物を含む、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項6】
前記式(I)の親油性化合物が、34℃以上の融点を有する、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つの式(I)の親油性化合物が34℃未満の融点を有するが、前記混合物が34℃以上の融点を有する、請求項5に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項8】
が、−C2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−CH、または
【化5】

であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−OOCC2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−C2n+1−2mCOO(CHCHO)CHCHOH、または−OOCC2n+1−2mCOOCn’2n’+1−2m’であり;n、n’およびn’’は、独立に0〜40であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜5である、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項9】
が、
【化6】

であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2mまたは−OOCC2n+1−2mであり;n、n’およびn’’は、独立に0〜30であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜3である、請求項8に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項10】
前記式(I)の親油性化合物が、ジエチレングリコールモノステアレート;プロピレングリコールモノステアレート;グリセリルモノパルミテート;グリセリルモノリノレエート;グリセリルモノオレエート;グリセリルモノパルミテートおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項11】
前記式(I)の親油性化合物が、グリセリルモノラウレート;グリセリルジラウレート;グリセリルモノミリステート;グリセリルジミリステート;グリセリルモノパルミテート;グリセリルジパルミテート;グリセリルモノステアレート;グリセリルジステアレート;グリセリルモノオレエート;グリセリルジオレエート;グリセリルモノリノレエート;グリセリルジリノレエート;グリセリルモノアラキデート;グリセリルジアラキデート;グリセリルモノベヘネート;およびグリセリルジベヘネートからなる群から選択される、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項12】
前記組成物が、少なくとも10重量%の前記式(I)の親油性化合物を含む、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項13】
前記組成物が、少なくとも30重量%の前記式(I)の親油性化合物を含む、請求項12に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項14】
前記組成物が、少なくとも50重量%の前記式(I)の親油性化合物を含む、請求項13に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項15】
前記薬物が、抗緑内障薬剤;抗感染性薬剤;非ステロイド系抗炎症薬剤およびステロイド系抗炎症薬剤;成長因子;免疫抑制薬剤;神経保護薬剤;血管形成阻害薬剤および抗アレルギー薬剤からなる群から選択される、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項16】
前記組成物が、界面活性剤、保存剤、および安定化剤からなる群から選択される1つ以上の賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項17】
前記組成物が、チロキサポル;ポリソルベート20;ポリソルベート60;およびポリソルベート80からなる群から選択される界面活性剤を含む、請求項16に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項18】
前記組成物が、四級アンモニウム保存剤からなる群から選択される保存剤を含む、請求項16に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項19】
前記組成物が、キレート薬剤;および抗酸化剤からなる群から選択される、安定化剤を含む、請求項16に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項20】
前記組成物が、円筒形、円錐形および球形形状に形造られる、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項21】
眼に眼科的に受容可能な薬物を送達する方法であって、
(a)150〜4000の分子量を有する親油性化合物、および薬学的に有効な量の薬物を含むが、ポリマー成分、および水と乳化可能であるかまたは水中に分散可能な有機溶媒を欠く眼内インプラント組成物を調製する工程であって、ここで、該組成物が、34℃以下の温度で固体または半固体であり、そして該親油性化合物が、式
【化7】

であり、
ここで、Rは、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−CH、または
【化8】

であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−OOCC2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−C2n+1−2mCOO(CHCHO)CHCHOH、−OOCC2n+1−2mCOOCn’2n’+1−2m’、−COONa、−COO、−SOH、−SONa、−SO、−NH、−Cl、
【化9】

または、
【化10】

であり、n、n’およびn’’は、独立に0〜50であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜10である組成物を調製する工程;および
(b)工程(a)で調製された該組成物を眼中に移植する工程、を包含する、方法。
【請求項22】
前記工程(b)で、工程(a)で調製された組成物が、結膜円蓋;盲点;涙小管;前区;後区;トノン下腔;脈絡膜上腔;および結膜下腔からなる群から選択される部位中に移植される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が、室温を超える温度まで加温され、そしてカニューレにより投与される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物が固形または半固形として投与される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記工程(a)の眼内移植組成物が液体キャリヤ中に懸濁され、そして前記工程(b)で眼中にカニューレによる投与によって移植される、請求項21に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】盲点、涙小管、前区、後区、トノン下腔、脈絡膜上腔、および結膜下腔からなる群から選択される部位に移植するために適切な眼内インプラント組成物であって、150〜4000の分子量を有する親油性化合物、および薬学的に有効な量の薬物を含む組成物であって、ポリマー成分、および水と乳化可能であるかまたは水中に分散可能な有機溶媒を欠き、ここで、該組成物は、37℃以下の温度で固体または半固体であり、そして該親油性化合物が、式
【化1】

であり、
ここで、Rは、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−CH、または
【化2】

であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−OOCC2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−C2n+1−2mCOO(CHCHO)CHCHOH、−OOCC2n+1−2mCOOCn’2n’+1−2m’、−COONa、−COO、−SOH、−SONa、−SO、−NH、−Cl、
【化3】、

または、
【化4】

であり、n、n’およびn’’は、独立に0〜50であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜10であ
ここで、該組成物は、少なくとも30重量%の前記式(I)の親油性化合物を含む、組成物。
【請求項】前記式(I)の親油性化合物の分子量が、2000以下である、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項】前記式(I)の親油性化合物の分子量が、1000以下である、請求項に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項】前記組成物が、2つ以上の式(I)の親油性化合物の混合物を含む、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項】前記式(I)の親油性化合物が、34℃以上の融点を有する、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項】前記少なくとも1つの式(I)の親油性化合物が34℃未満の融点を有するが、前記混合物が34℃以上の融点を有する、請求項に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項】Rが、−C2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−CH、または
【化5】

であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−OOCC2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−C2n+1−2mCOO(CHCHO)CHCHOH、または−OOCC2n+1−2mCOOCn’2n’+1−2m’であり;n、n’およびn’’は、独立に0〜40であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜5である、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項】Rが、
【化6】

であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、または−OOCC2n+1−2mであり;n、n’およびn’’は、独立に0〜30であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜3である、請求項に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項】前記式(I)の親油性化合物が、ジエチレングリコールモノステアレート;プロピレングリコールモノステアレート;グリセリルモノステアレート;グリセリルモノリノレエート;グリセリルモノオレエート;グリセリルモノパルミテート;およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項10】前記式(I)の親油性化合物が、グリセリルモノラウレート;グリセリルジラウレート;グリセリルモノミリステート;グリセリルジミリステート;グリセリルモノパルミテート;グリセリルジパルミテート;グリセリルモノステアレート;グリセリルジステアレート;グリセリルモノオレエート;グリセリルジオレエート;グリセリルモノリノレエート;グリセリルジリノレエート;グリセリルモノアラキデート;グリセリルジアラキデート;グリセリルモノベヘネート;およびグリセリルジベヘネートからなる群から選択される、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項11】前記組成物が、少なくとも50重量%の前記式(I)の親油性化合物を含む、請求項に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項12】前記薬物が、抗緑内障薬剤;抗感染性薬剤;非ステロイド系抗炎症薬剤およびステロイド系抗炎症薬剤;成長因子;免疫抑制薬剤;神経保護薬剤;血管形成阻害薬剤および抗アレルギー薬剤からなる群から選択される、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項13】前記組成物が、界面活性剤、保存剤、および安定化剤からなる群から選択される1つ以上の賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項14】前記組成物が、チロキサポル;ポリソルベート20;ポリソルベート60;およびポリソルベート80からなる群から選択される界面活性剤を含む、請求項13に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項15】前記組成物が、四級アンモニウム保存剤からなる群から選択される保存剤を含む、請求項13記載の眼内インプラント組成物。
【請求項16】前記組成物が、キレート薬剤;および抗酸化剤からなる群から選択される、安定化剤を含む、請求項13に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項17】前記組成物が、円筒形、円錐形および球形形状に形造られる、請求項1に記載の眼内インプラント組成物。
【請求項18】眼に眼科的に受容可能な薬物を送達する方法であって、
(a)150〜4000の分子量を有する親油性化合物、および薬学的に有効な量の薬物を含むが、ポリマー成分、および水と乳化可能であるかまたは水中に分散可能な有機溶媒を欠く眼内インプラント組成物を調製する工程であって、ここで、該組成物が、37℃以下の温度で固体または半固体であり、そして該親油性化合物が、式
【化7】

であり、
ここで、Rは、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−CH、または
【化8】

であり、R、RおよびRは、独立に、−H、−OH、−COOH、−C2n+1−2m、−OOCC2n+1−2m、−COOC2n+1−2m、−COO(CHCHO)CHCHOH、−C2n+1−2mCOO(CHCHO)CHCHOH、−OOCC2n+1−2mCOOCn’2n’+1−2m’、−COONa、−COO、−SOH、−SONa、−SO、−NH、−Cl、
【化9】、

または、
【化10】

であり、n、n’およびn’’は、独立に0〜50であり;そしてm、m’およびm’’は独立に0〜10であり、ここで、該組成物は、少なくとも30重量%の式(I)の親油性化合物を含む、組成物を調製する工程;および
(b)工程(a)で調製された該組成物を、盲点、涙小管、前区、後区、トノン下腔、脈絡膜上腔、および結膜下腔からなる群から選択される部位の眼中に移植する工程、を包含する、方法。
【請求項19】前記組成物が、室温を超える温度まで加温され、そしてカニューレにより投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】前記組成物が固形または半固形として投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】前記工程(a)の眼内移植組成物が液体キャリヤ中に懸濁され、そして前記工程(b)で眼中にカニューレによる投与によって移植される、請求項18に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2006−500328(P2006−500328A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−521511(P2004−521511)
【出願日】平成15年6月30日(2003.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/020707
【国際公開番号】WO2004/006890
【国際公開日】平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願人】(399054697)アルコン,インコーポレイテッド (102)
【Fターム(参考)】